JP3476285B2 - 樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

樹脂フィルムの製造方法

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維敏 石丸
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、溶液キャスト法
による樹脂フィルムの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】樹脂フィルムは、主に、溶融押出法又は
溶液キャスト法により製造される。溶液キャスト法によ
り得られる樹脂フィルムは、フィッシュアイの発生がほ
とんどなく、外観、表面平滑性、透明性及び厚み精度の
点で溶融押出法に比べて優れている。 【0003】溶液キャスト法では、樹脂を溶剤に溶解し
た樹脂溶液を、適当なコーターにより金属製のエンドレ
スベルトや回転ドラムなどの支持体上に流延し、溶剤を
蒸発乾燥させ、こうして形成される樹脂フィルムを支持
体から剥ぎ取ることにより製造される。このような技術
は広く知られている(例えば、特開平2−111511
号公報参照)。 【0004】溶液キャスト法において、樹脂溶液を調製
するには、樹脂と溶剤とを攪拌機を備えた容器に入れ、
これを攪拌混合することにより樹脂を溶解させる。この
場合、攪拌混合により樹脂溶液中に空気が取り込まれて
気泡が生じ、支持体上に流延された樹脂溶液を乾燥させ
る際に樹脂膜が発泡する。 【0005】従来、樹脂溶液中の気泡を除去するには、
通常、樹脂溶液を長時間静置する方法、超音波振動清浄
機により樹脂溶液を振動させる方法、真空ポンプにより
減圧脱泡する方法等が採用され、樹脂溶液中に目視でき
る気泡が確認されなくなるまで脱泡が行われている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記従来の脱泡方法に
よれば、目視できる程度の大きさの気泡は除去される
が、目視できない程度の微細な気泡や溶存空気は除去す
ることができない。 【0007】そのため、支持体上に流延された樹脂溶液
を乾燥させる際に、樹脂溶液から生じる微細な気泡の内
圧が高まって乾燥の過程で樹脂膜が発泡し、外観が高度
に優れた樹脂フィルムが得られず、用途によっては問題
となる場合がある。 【0008】この発明は、上記の問題を解決するもの
で、その目的とするところは、溶液キャスト法により、
発泡がなく外観が高度に優れた樹脂フィルムを製造する
方法を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記の目的は、溶液キャ
スト法による樹脂フィルムの製造方法において、樹脂と
溶剤とを炭酸ガスの雰囲気下で攪拌混合して得られる樹
脂溶液を支持体上に流延することにより達成することが
できる。 【0010】この発明において、樹脂溶液を構成する樹
脂としては、例えば、ポリサルホン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、セルローストリアセテート樹脂
等が使用されるが、これ等の樹脂に限定されない。 【0011】また、樹脂溶液を構成する溶剤としては、
例えば、アニソール、塩化メチレン、N−メチルピロリ
ドン、アセトフェノン、酢酸エチル、トルエン、シクロ
ヘキサン、メタノール、ブタノール等の中から、使用す
る樹脂を良好に溶解させる溶剤が選定されるが、これ等
の溶剤に限定されない。 【0012】この発明においては、樹脂溶液は、上記樹
脂と溶剤とを炭酸ガスの雰囲気下で攪拌混合して調製さ
れる。具体的には、例えば、攪拌機を備えた容器内を炭
酸ガスで置換し、この容器内に炭酸ガスを導入しなが
ら、所定量の樹脂と溶剤とを投入し、樹脂が完全に溶解
するまで攪拌混合して調製される。 【0013】樹脂と溶剤との混合割合は、一般に、樹脂
分が15〜50重量%の範囲になるように混合される
が、これに限定されない。なお、樹脂溶液には、必要に
応じて可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、着色剤などの公知の添加剤を混合させることができ
る。 【0014】そして、上記樹脂と溶剤とを炭酸ガスの雰
囲気下で攪拌混合した後、従来と同様に、この樹脂溶液
中の気泡が目視で確認できなくなるまで脱泡が行われ
る。この脱泡方法は、従来と同様に、樹脂溶液を長時間
静置する方法、超音波振動清浄機により樹脂溶液を振動
させる方法、真空ポンプにより減圧脱泡する方法等が採
用される。 【0015】こうして得られる樹脂溶液を用いて、従来
と同様な溶液キャスト法により樹脂フィルムが製造され
る。例えば、この樹脂溶液を、適当なコーターにより金
属製のエンドレスベルトや回転ドラムやガラス板などの
支持体上に流延し、乾燥炉において溶媒を蒸発乾燥さ
せ、こうして形成される樹脂フィルムを支持体から剥ぎ
取って、樹脂フィルムが製造される。 【0016】(作用)樹脂と溶剤とを炭酸ガスの雰囲気
下で攪拌混合し、これを従来と同様に脱泡操作を行って
も、得られる樹脂溶液中には目視できない微細な炭酸ガ
スの気泡や溶存炭酸ガスが存在する。しかし、この炭酸
ガスは、空気(窒素や酸素など)に比べて樹脂膜に対す
るガス透過性が著しく大きい。 【0017】それゆえ、このような樹脂溶液を支持体上
に流延し、溶媒を蒸発乾燥させる際には、樹脂溶液中の
炭酸ガスは、従来の樹脂溶液中の空気に比べて速やかに
支持体上の樹脂膜(樹脂溶液)から蒸発散逸し、樹脂膜
内の気泡の内圧が、従来の樹脂膜内の気泡の内圧ほどに
は上昇せず、乾燥の過程で気泡の成長が抑制され樹脂膜
が発泡しないものと考えられる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例及び比較
例を示す。実施例1 攪拌機を備えた容器内を炭酸ガスで置換し、この容器内
に炭酸ガスを導入しながら、アニソール(みどり化学社
製)620重量部を投入し、次にポリサルホン樹脂(ユ
ーデルP−3500:テイジンアモコエンジニアリング
社製)380重量部を4回に分けて投入し、樹脂が完全
に溶解するまで炭酸ガスの雰囲気下で攪拌混合した。 【0019】攪拌混合の後、炭酸ガスの雰囲気下で容器
内の樹脂溶液を1日間静置して脱泡を行った。脱泡後の
樹脂溶液には目視できる気泡は確認されなかった。得ら
れた樹脂溶液のB型粘度計による粘度は、55000c
psであった。 【0020】この樹脂溶液をガラス板上にナイフコータ
ーで塗布し、乾燥用オーブンを用いて150℃から2℃
/分の割合で210℃まで昇温して乾燥させ、こうして
形成される樹脂フィルムをガラス板から剥ぎ取って、厚
さ77μm のポリサルホン樹脂フィルムを得た。 【0021】なお、このポリサルホン樹脂フィルムは、
発泡がなく外観が高度に優れ、しかも透明性及び厚み精
度に優れ、この樹脂フィルムに延伸処理を施したもの
は、高品質が要求される液晶表示装置の位相差板や光学
的フィルターとして好適であった。 【0022】実施例2 攪拌混合の後、容器内の樹脂溶液を1日間静置する前
に、炭酸ガスの雰囲気下で超音波振動清浄機により樹脂
溶液を振動させて、目視できる気泡が確認されなくなる
まで脱泡を行った。それ以外は実施例1と同様に行って
ポリサルホン樹脂フィルムを得た。 【0023】実施例3 攪拌混合の後、容器内の樹脂溶液を1日間静置する前
に、容器内を真空ポンプで1mmHgまで減圧して、目視
できる気泡が確認されなくなるまで脱泡を行い、その後
容器内に炭酸ガスを導入して常圧に戻した。それ以外は
実施例1と同様に行ってポリサルホン樹脂フィルムを得
た。 【0024】比較例1 攪拌機を備えた容器内を大気解放状態とし、この容器内
にアニソール(みどり化学社製)620重量部を投入
し、次にポリサルホン樹脂(ユーデルP−3500:テ
イジンアモコエンジニアリング社製)380重量部を4
回に分けて投入し、樹脂が完全に溶解するまで攪拌混合
した。 【0025】攪拌混合の後、容器内の樹脂溶液を1日間
静置して脱泡を行った。脱泡後の樹脂溶液には目視でき
る気泡は確認されなかった。得られた樹脂溶液のB型粘
度計による粘度は、55100cpsであった。 【0026】この樹脂溶液をガラス板上にナイフコータ
ーで塗布し、乾燥用オーブンを用いて150℃から2℃
/分の割合で210℃まで昇温して乾燥させ、こうして
形成される樹脂フィルムをガラス板から剥ぎ取って、厚
さ74μm のポリサルホン樹脂フィルムを得た。 【0027】比較例2 攪拌混合の後、容器内の樹脂溶液を1日間静置する前
に、超音波振動清浄機により樹脂溶液を振動させて、目
視できる気泡が確認されなくなるまで脱泡を行った。そ
れ以外は比較例1と同様に行ってポリサルホン樹脂フィ
ルムを得た。 【0028】比較例3 攪拌混合の後、容器内の樹脂溶液を1日間静置する前
に、容器内を真空ポンプで1mmHgまで減圧して、目視
できる気泡が確認されなくなるまで脱泡を行い、その後
容器内に大気を導入して常圧に戻した。それ以外は比較
例1と同様に行ってポリサルホン樹脂フィルムを得た。 【0029】上記各実施例及び各比較例で得られたポリ
サルホン樹脂フィルムを、任意に縦25cm×横40cmに
切り出し、このフィルム片について発泡数(直径0.5
mm未満の発泡数及び直径0.5mm以上の発泡数)を調べ
た。その結果をまとめて表1に示す。 【0030】 【表1】 【0031】 【発明の効果】上述の通り、この発明は、溶液キャスト
法による樹脂フィルムの製造方法において、樹脂と溶剤
とを炭酸ガスの雰囲気下で攪拌混合して得られる樹脂溶
液を支持体上に流延するもので、それにより発泡がなく
外観が高度に優れた樹脂フィルムを製造することができ
る。 【0032】しかも、上記樹脂フィルムは、溶液キャス
ト法により得られるので、フィッシュアイの発生がほと
んどなく、外観、表面平滑性、透明性及び厚み精度の点
で優れており、高品質が要求される広汎な用途に使用す
ることができる。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 溶液キャスト法による樹脂フィルムの製
    造方法において、樹脂と溶剤とを炭酸ガスの雰囲気下で
    攪拌混合して得られる樹脂溶液を支持体上に流延するこ
    とを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
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JP2007069420A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Fujifilm Corp フィルムの製造方法およびフィルム

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