JP3476249B2 - 折り畳み自転車フレームの係止機構 - Google Patents

折り畳み自転車フレームの係止機構

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JP3476249B2 JP16594494A JP16594494A JP3476249B2 JP 3476249 B2 JP3476249 B2 JP 3476249B2 JP 16594494 A JP16594494 A JP 16594494A JP 16594494 A JP16594494 A JP 16594494A JP 3476249 B2 JP3476249 B2 JP 3476249B2
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透 藤倉
守昭 後町
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ブリヂストンサイクル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、折り畳み自転車フレー
に関するものであり、更に詳しくは、フレームのメイ
ンパイプを構成するヘッドパイプ側に固定した前側パイ
プと、立パイプ側に固定した後側パイプの突き合わせ
に蝶番継手を取り付けた折り畳み自転車フレームの係止
機構に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、運搬に便ならしめたり、保管
時にスペースを少なくする目的で、折り畳み可能な構造
とされた自転車が存在する。そのうちでも、メインパイ
プを蝶番継手を用いて折り畳む構造の自転車は、構造が
シンプルでかつ安価なため、一般に生産されている。こ
の蝶番継手におけるメインパイプの組立や折り畳みは最
も重要な点であり、一般にはボルトとナットに依存した
構造のものが多く、その着脱にはスパナや六角レンチ等
の工具を必要とする。このため、メインパイプの組立や
折り畳み作業に時間がかかり、かつ、着脱用工具を常に
所持している必要がある等不便なことが多かった。
【0003】このような点を解決するために、更に改良
された提案がなされている。例えば、特公昭58−14
356号公報や実公昭50−38126号公報等にて提
案されている機構、即ち、操作レバーによって蝶番継手
を組立し又は解除する機構を採用したものである。又、
かかる操作レバーの調整を可能としたものとしては、実
公昭36−27405号公報が提案されている。
【0004】しかしながら、上記のような従来の技術に
あっては、工具を必要とせずに組立又は折り畳みができ
ることとはなったが、操作レバーが足の回転範囲に位置
する構造であり、操作レバーに衣服が引っ掛かり蝶番継
手の締め付けが緩み、解除される危険性が多かった。
又、かかる提案における従来の自転車にあっては、折り
畳んだ後に自転車を持ち歩く時、又は車両等のトランク
内へ出し入れする時等、自転車を持ち上げる個所がなく
大変不便であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら欠点を解決しよ
うとして本出願人は実願平5−6610号にて組立及び
折り畳み時にワンタッチで操作することができ、かつ、
操作レバーが緩むことがない係止機構を提案している
が、本発明にあっては、この新しい技術における特に折
り畳み時及び組立時の操作を更に改良したものである。
即ち、実願平5−6610号にて提案した技術にあって
は、折り畳み時に両手を用いてロックを解除する必要が
あり、一方、組立時にあっても両手をもって操作レバー
を操作しなくてはならず、かかる不便さを解決すること
を目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
ヘッドパイプ側に固定された前側パイプと、立パイプ側
に固定された後側パイプとを突き合わせて自転車フレー
ムのメインパイプを構成し、前側パイプと後側パイプと
の突き合わせ端に一対の座部を備え、この一対の座部の
一側縁を蝶番軸によって開閉自在とした蝶番継手とな
し、座部の一方の他側縁に係合部を形成すると共に、
部の他方の他側縁に操作レバーを回転自在に軸支し、
に前記係合部に係合するフックを形成したロッドを前
記操作レバーに回転自在に軸支すると共に、前記フック
が、係合部と離れる方向にバネで付勢されたことを特徴
とする折り畳み自転車フレームの係止機構に係るもので
ある。
【0007】そして、好ましくは、操作レバーの一端
立パイプに係止するようにした機構であって、更に、
下の分割軸によって操作レバーが軸支され、当該分割軸
間にロッドが介在するものであって、ロッドのフックま
での長さを調整可能な構造とした機構が望ましい。中で
も、特に座部の突き合わせ面に相互に嵌り合う段部を
成することによって組立時のがたつき等が解消されるこ
ととなる。
【0008】
【作用】本発明は以上の構成を持つ係止機構であって、
折り畳みに供されるメインパイプが蝶番継手により折り
畳み自在とされるものである。そして、蝶番継手の開閉
にあっては操作レバーを片手で回動するだけで十分であ
り、例えば、蝶番継手を開ける際(自転車を折り畳む
際)には、操作レバーを回転させれば、バネの力でフッ
クが跳ね上がり、ワンタッチで折り畳むことが可能とな
ったものである。
【0009】一方、蝶番継手を閉める際(自転車を組立
てる際)には、操作レバーと共にロッドを握り、フック
係合部に引っ掛け、操作レバーを回転させて押え付け
れば自動的にロックすることとなり、ワンタッチで組立
が終了することとなる。
【0010】このように、本発明の操作レバーは従来の
技術のものとは異なり、ワンタッチで折り畳み及び組立
を可能としたものであり、ペダルを足でこぐ際にもこれ
が引っ掛かることがなくなり、更にこの部分を持って持
ち運びに供されるものとなったのである。
【0011】
【実施例】以下、本発明を図例をもって更に詳細に説明
する。図1は本発明の係止機構を採用した折り畳み自転
フレームの組立状態を示す側面図、図2は拡大した一
部切断側面図、図3はこれ又拡大した水平断面図であ
る。符号1は自転車のフレームの中心をなすメインパイ
プであって、ヘッドパイプ2に固定された前側パイプ1
1 と、立パイプ3に固定された後側パイプ12 とからな
っている。図中、4はハンガラグであり、これよりチェ
ーンステー5が伸び、バックホーク6と共に後爪7にて
合体している。又、8は前ホーク、9はシートラグ、1
0はハンガパイプである。
【0012】この前側パイプ11後側パイプ2 の突
き合わせ端に蝶番継手11を構成する座部111 、11
2 が備えられる。即ち、座部11 1 ,11 2 の一側縁が
蝶番軸12にて軸支され、座部111 、112 はこの
軸12をもって開閉でき、ここに折り畳み機構がもた
らされるのである。尚、この蝶番軸12は垂直方向に延
在させることが好ましい。さて、蝶番軸12の反対側縁
にあって、この例では座部111 に係合部13が形成さ
れ、更に係合部13に連なるロッド溝14が形成されて
いる。係合部13は後述する円柱状フック20をほヾ
没入させるだけの溝であることが好ましく、又、ロッド
溝14は後述するロッド18を収納する部位である。
【0013】座部112 には、フランジ15が形成さ
れ、このフランジ15に設けた穿孔部に嵌め合わせた
割軸16,16によって操作レバー17が回転自在に取
り付けられる。即ち、図にあって、操作レバー17と座
部112 との軸支部には、上下に分割された分割軸1
6,16が用いられており、この分割軸16、16間に
ロッド18が介在するようにされてコンパクト化を図っ
ている。
【0014】操作レバー17は、この例では全体が断面
コ字状をなしており、この水平部170 、170 を利用
してロッド18が軸19にて支持されている。このロッ
ド18の先端には前記した係合部13に係合するフック
20(この例では円柱状)が備えられている。そしてか
かるロッド18と操作レバー17とは、単に回転自在に
軸支されているだけではなく、バネ21を介してロッド
18の先端のフック20が係合部13と離れる方向に付
勢されるものであって、この例では軸19を取り囲んだ
コイルバネによって前記付勢が施されている。
【0015】立パイプ3には係止金具22が溶接され、
これに対向して前記操作レバー17の後方にノブ23が
バネ24を介して備えられており、このノブ23は操作
レバー17の開口部25より突出しており、この突出部
230 を押すことによって係止金具22とノブ23との
係止めが解除されることとなっている。又、座部11
1 、112突き合わせ面に相互に嵌り合う段部110
を形成することによって組立時のがたつきをなくし、安
全性を高めることができることとなったのである。更
に、フック20の位置を調整可能とするためロッド18
に雄ネジ部を刻設しておき、これにナット26を螺合さ
せて調整させる機能を付与するのが実際的である。
【0016】尚、操作レバー17に対するロッド18の
付勢は、軸19を取り囲んだバネ21によってなす例を
示したがこれに限定されないことは勿論であり、例えば
操作レバー17のコ字状溝内に備えた板状バネ等によっ
ても同様の効果を奏することが可能である。
【0017】本発明にあって、座部111 、112 に対
して操作レバー17やロッド18、係合部13を逆に構
成してもよいことは勿論である。
【0018】図4は図1〜図3に示す組立状態からの折
り畳み操作時の第1ステップ、図5はその第2ステッ
プ、図6は第3ステップを示す夫々一部切断平面図であ
る。即ち、先ず立パイプ3の係止金具22に係止されて
いるノブ23の突出部230 を押しながら操作レバー1
7を引く。このため、ノブ23は係止金具22から外れ
操作レバー17が外側方に開くこととなる(図4−第1
ステップ)。そしてバネ21によってロッド18が跳ね
上がり、係合部13内よりフック20が自動的に外れる
こととなる(図5−ステップ2)。そして最後に座部1
1 、112を開いて折り畳むこととなる(図6−ステ
ップ3)。
【0019】一方、組立時にあっては、これと逆のステ
ップを踏めばよいこととなり、先ず折り畳まれたフレー
ムを伸ばし、座部111 、112 を合致させる。次いで
操作レバー17と共にロッド18を握り、ロッド18の
先端のフック20を係合部13に引っ掛け、その後操作
レバー17をフレーム側に押し、ロックすればワンタッ
チで組立が完了することとなる。
【0020】図7は本発明の折り畳み自転車フレームの
係止機構の特に好ましい例を示す前記図6と略同様の一
部切断平面図である。この例では、蝶番継手11を構成
する座部111 、112 の突き合わせ面に突部113
び凹部114 を形成したものであり、上下方向の緩みを
防止するために座部111 、112 面を緊密に固定する
ものである。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。 a)操作レバーを片手で回動するだけでメインパイプの
組立及び折り畳みが可能となったものであり、他の治具
等は全く不要となったものである。 b)又、操作レバーを立パイプにロックされる機構とし
た場合には、運搬用の取っ手として利用でき、しかも衣
服の引っ掛かりがなくなる利点がある。勿論、自転車の
走行中に操作レバーが外れて、折り畳み自転車フレーム
の固定が解除されることがなくなった。 c)又、操作レバー支持用の軸を上下に分断した分割軸
とした場合には、ロッドが外側方に突出しないため、衣
服の引っ掛かりがなく、かつ係止機構全体もコンパクト
化が図られる。 d)ロッドの長さ調整機能を備えたものにあっては、適
度の締め付け力が得られるように調整可能であり、その
ため、製作の精度が要求されないのでコストが安くな
る。 e)座部の突き合わせ面を工夫することにより、組立時
のがたつきがなくなり、走行安定性、乗車時のフィーリ
ングがよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の係止機構を採用した折り畳み自
転車フレームの組立状態を示す側面図である。
【図2】図2は蝶番継手における拡大した一部切断側面
図である。
【図3】図3は蝶番継手における拡大した一部切断平面
図である。
【図4】図4は組立状態からの折り畳み操作時の第1ス
テップを示す拡大した一部切断平面図である。
【図5】図5は組立状態からの折り畳み操作時の第2ス
テップを示す拡大した一部切断平面図である。
【図6】図6は組立状態からの折り畳み操作時の第3ス
テップを示す拡大した一部切断平面図である。
【図7】図7は本発明の折り畳み自転車フレームの係止
機構の別例を示す前記図6と略同様の一部切断平面図で
ある。
【符号の説明】
1‥‥メインパイプ、11 ‥‥前側パイプ、12 ‥‥後
側パイプ、2‥‥ヘッドパイプ、3‥‥立パイプ、4‥
‥ハンガラグ、5‥‥チェーンステー、6‥‥バックホ
ーク、7‥‥後爪、8‥‥前ホーク、9‥‥シートラ
グ、10‥‥ハンガパイプ、11‥‥蝶番継手、110
‥‥段部、111 、112 ‥‥座部、11 3 ‥‥突部、
11 4 ‥‥凹部、 12‥‥蝶番軸、13‥‥係合部、1
4‥‥ロッド溝、15‥‥フランジ、16‥‥分割軸、
17‥‥操作レバー、170 ‥‥水平部、18‥‥ロッ
ド、19‥‥軸、20‥‥フック、 21‥‥バネ、22
‥‥係止金具、23‥‥ノブ、230 ‥‥突出部、24
‥‥バネ、25‥‥開口部、26 ナット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62K 15/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドパイプ(2)側に固定された前側
    パイプ(1 1 と、立パイプ(3)側に固定された後側
    パイプ(1 2 とを突き合わせて自転車フレームのメイ
    ンパイプ(1)を構成し、前側パイプ(1 1 )と後側パ
    イプ(1 2 )との突き合わせ端に一対の座部(11 1
    11 2 を備え、この一対の座部(11 1 ,11 2
    一側縁を蝶番軸(12)によって開閉自在とした蝶番継
    (11)となし、座部(11 1 ,11 2 )の一方の他
    側縁に係合部(13)を形成すると共に、座部(1
    1 ,11 2 )の他方の他側縁に操作レバー(17)
    回転自在に軸支し、一端に前記係合部(13)に係合す
    るフック(20)を形成したロッド(18)を前記操作
    レバー(17)に回転自在に軸支すると共に、前記フッ
    ク(20)が、係合部(13)と離れる方向にバネ(2
    1)で付勢されたことを特徴とする折り畳み自転車フレ
    ームの係止機構
  2. 【請求項2】 操作レバー(17)一端を立パイプ
    (3)に係止するようにした請求項第1項記載の折り畳
    み自転車フレームの係止機構。
  3. 【請求項3】 上下の分割軸(16,16)によって操
    作レバー(17)が軸支され、当該分割軸(16,1
    6)間にロッド(18)が介在する請求項1記載の折り
    畳み自転車フレームの係止機構
  4. 【請求項4】 ロッド(18)のフック(20)までの
    長さを調整可能な構造とした請求項第1項記載の折り畳
    み自転車フレームの係止機構。
  5. 【請求項5】 一対の座部(11 1 ,11 2 の突き合
    わせ面に相互に嵌り合う段部(11 0 を形成した請求
    項第1項記載の折り畳み自転車フレームの係止機構。
  6. 【請求項6】 一対の座部(11 1 ,11 2 の突き合
    わせ面に相互に嵌り合う突部(11 3 及び凹部(11
    4 を形成した請求項第1項記載の折り畳み自転車フレ
    ームの係止機構。
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