JP3475556B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JP3475556B2 JP04441795A JP4441795A JP3475556B2 JP 3475556 B2 JP3475556 B2 JP 3475556B2 JP 04441795 A JP04441795 A JP 04441795A JP 4441795 A JP4441795 A JP 4441795A JP 3475556 B2 JP3475556 B2 JP 3475556B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るトロイダル型無段
変速機は、例えば自動車用の変速機として、或は各種産
業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用変速機として、図15〜
16に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する
事が研究されている。このトロイダル型無段変速機は、
例えば実開昭62−71465号公報に開示されている
様に、入力軸1と同心に、第一のディスクである入力側
ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置された
出力軸3の端部に、第二のディスクである出力側ディス
ク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めた
ケーシングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に
対して捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動す
るトラニオン6、6が設けられている。
【0003】これら各トラニオン6、6は、両端部外側
面に上記枢軸5、5を設けている。又、各トラニオン
6、6の中心部には変位軸7、7の基端部を支持し、上
記枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動さ
せる事により、各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在
としている。各トラニオン6、6に支持された変位軸
7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転
自在に支持している。そして、各パワーローラ8、8
を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持し
ている。
【0004】入力側、出力側両ディスク2、4の互いに
対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢
軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面をなし
ている。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ
8、8の周面8a、8aは、上記両内側面2a、4aに
当接させている。
【0005】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9
は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11
により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、
12とから構成されている。上記カム板10の片側面
(図15〜16の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面
であるカム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外
側面(図15〜16の右側面)にも、同様のカム面14
を形成している。そして、上記複数個のローラ12、1
2を、上記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心
とする回転自在に支持している。
【0006】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回
転すると、カム面13によって複数個のローラ12、1
2が、入力側ディスク2外側面のカム面14に押圧され
る。この結果、上記入力側ディスク2が上記複数のパワ
ーローラ8、8に押圧されると同時に、上記1対のカム
面13、14と複数個のローラ12、12との押し付け
合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そ
して、この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワ
ーローラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達され、
この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0007】入力軸1と出力軸3との回転速度を変える
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6
を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが
図15に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中
心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り
部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜
させる。
【0008】反対に、増速を行なう場合には、上記トラ
ニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面
8a、8aが図16に示す様に、入力側ディスク2の内
側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4
aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位
軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図
15と図16との中間にすれば、入力軸1と出力軸3と
の間で、中間の変速比を得られる。
【0009】更に、図17〜18は、実願昭63−69
293号(実開平1−173552号)のマイクロフィ
ルムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段
変速機を示している。入力側ディスク2と出力側ディス
ク4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニード
ル軸受16、16を介して回転自在に支持している。
又、カム板10は上記入力軸15の端部(図17の左端
部)外周面にスプライン係合し、鍔部17によって上記
入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止されて
いる。そして、このカム板10とローラ12、12とに
より、ローディングカム型の押圧装置9を構成してい
る。この押圧装置9は、上記入力軸15の回転に基づい
て上記入力側ディスク2を、出力側ディスク4に向け押
圧しつつ回転させる。上記出力側ディスク4には出力歯
車18を、キー19、19により結合し、これら出力側
ディスク4と出力歯車18とが同期して回転する様にし
ている。
【0010】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図17の表裏
方向、図18の左右方向)に亙る変位自在に支持してい
る。そして、上記各トラニオン6、6の中間部に形成し
た円孔23、23部分に、変位軸7、7を支持してい
る。各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心した支持
軸部21、21と枢支軸部22、22とを、それぞれ有
する。このうちの支持軸部21、21を上記各円孔2
3、23の内側に、ニードル軸受24、24を介して、
回転自在に支持している。又、上記各枢支軸部22、2
2の周囲にパワーローラ8、8を、別のニードル軸受2
5、25を介して回転自在に支持している。
【0011】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部22、22が支持軸
部21、21に対し偏心している方向は、上記入力側、
出力側両ディスク2、4の回転方向に対して同方向(図
18で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記
出力軸15の配設方向に対してほぼ直交する方向として
いる。従って上記各パワーローラ8、8は、上記入力軸
15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。こ
の結果、構成部品の寸法精度や弾性変形等に起因して、
上記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方向に
変位する傾向となった場合でも、構成各部品に無理な力
を加える事なく、この変位を吸収できる。
【0012】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受26、26とスラストニードル軸受27、27とを設
けている。このうちのスラスト玉軸受26、26は、上
記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を
支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容
するものである。この様なスラスト玉軸受26、26は
それぞれ、複数個ずつの玉29、29と、各玉29、2
9を転動自在に保持する円環状の保持器28、28と、
円環状の外輪30、30とから構成されている。各スラ
スト玉軸受26、26の内輪軌道は上記各パワーローラ
8、8の外側面に、外輪軌道は上記各外輪30、30の
内側面に、それぞれ形成している。
【0013】又、上記スラストニードル軸受27、27
は、図19〜20に詳示する様なレース31と保持器3
2とニードル33、33とから構成される。このうちの
レース31と保持器32とは、回転方向に亙る若干の変
位自在に組み合わされている。又、これらレース31と
保持器32とは、上記枢支軸部22を中心とする円環部
34a、34bと、各円環部34a、34bの一部外周
縁から直径方向外方に突出した突出部35a、35bと
を有する。
【0014】この様なスラストニードル軸受27、27
は、上記レース31、31を上記各トラニオン6、6の
内側面に当接させた状態で、この内側面と上記外輪3
0、30の外側面との間に挟持している。尚、上記各突
出部35a、35bの配置方向は、上記支持軸部21、
21に対する枢支軸部22、22の偏心方向に一致させ
ている。この様なスラストニードル軸受27、27は、
上記各パワーローラ8、8から上記各外輪30、30に
加わるスラスト荷重を支承しつつ、上記枢支軸部22、
22及び上記外輪30、30が上記支持軸部21、21
を中心として揺動する事を許容する。
【0015】更に、上記各トラニオン6、6の一端部
(図18の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド36、36
を結合し、各駆動ロッド36、36の中間部外周面に駆
動ピストン37、37を固設している。そして、これら
各駆動ピストン37、37を、それぞれ駆動シリンダ3
8、38内に油密に嵌装している。
【0016】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合には、入力軸15の回転は押圧装置9を介し
て入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側
ディスク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介し
て出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディス
ク4の回転が、出力歯車18より取り出される。
【0017】入力軸15と出力歯車18との間の回転速
度比を変える場合には、上記1対の駆動ピストン37、
37を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピスト
ン37、37の変位に伴って上記1対のトラニオン6、
6が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図18の下側の
パワーローラ8が同図の右側に、同図の上側のパワーロ
ーラ8が同図の左側に、それぞれ変位する。この結果、
これら各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記入
力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4
aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化す
る。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニ
オン6、6が、支持板20、20に枢支された枢軸5、
5を中心として、互いに逆方向に揺動する。
【0018】この結果、前述の図15〜16に示した様
に、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記
各内側面2a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸
15と出力歯車18との間の回転速度比が変化する。
【0019】例えば、伝達すべきトルクが変動したりし
て構成部品の弾性変形量が変化したりすると、これら各
変位軸7、7が上記各支持軸部21、21を中心として
僅かに回動して、上記パワーローラ8、8を上記両ディ
スク2、4の内側面2a、4aに追従させる。この回動
の結果、上記各スラスト玉軸受26、26の外輪30、
30の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面とが相
対変位する。これら外側面と内側面との間には、上記各
スラストニードル軸受27、27が存在する為、この相
対変位に要する力は小さい。従って、上述の様にパワー
ローラ8、8を内側面2a、4aに追従させる為の力が
小さくて済む。
【0020】上述の様に構成され作用するトロイダル型
無段変速機の場合、スラスト玉軸受26を構成する外輪
30の耐久性が必ずしも十分でなく、自動車用変速機等
としてトロイダル型無段変速機を実用化する為には、こ
の点を改良する必要がある事が、本発明者等の研究によ
り分かった。この理由は、図19〜20に示す様な形状
のレース31及び保持器32を含んで構成され、スラス
ト玉軸受26の外輪30とトラニオン6の内側面との間
に挟持するスラストニードル軸受27が、上記スラスト
玉軸受26を介して上記外輪30に加わるスラスト荷重
を、必ずしも十分に支承できない為である。
【0021】即ち、従来のトロイダル型無段変速機に組
み込まれていたスラストニードル軸受27は、外輪30
とトラニオン6との相対変位の円滑化をその目的として
おり、上記スラスト荷重に対して外輪30をバックアッ
プする事を考慮していなかった。この為、図19に示す
様な形状の保持器32と上記外輪30とを重ね合わせた
場合に、この外輪30の一部が保持器32の外周縁から
直径方向外方に突出する。そして、この様に突出した外
輪30の一部は、上記保持器32に保持されたニードル
33、33による支持を受けられない。
【0022】一方、上記外輪30には、この外輪30と
共に上記スラスト玉軸受26を構成する複数の玉29、
29により、その全周に亙ってスラスト荷重が加わる。
この為上記外輪30には、上記一部に加わるスラスト荷
重と残部に加わるスラスト荷重とによって、これら一部
と残部との境目を中心とする曲げ応力が加えられる。自
動車用変速機として使用するトロイダル型無段変速機の
場合には、この様な曲げ応力は相当に大きく、しかも上
記複数の玉29、29の公転運動に伴って繰り返し加わ
る。この為、上記外輪30に亀裂、外輪軌道表面の剥離
等の損傷が発生し易くなり、トロイダル型無段変速機の
耐久性が不足する。
【0023】例えば本発明者が、図19〜20の従来構
造に準じたスラストニードル軸受を使用して行なった実
験によると、外輪30の内側面に形成した外輪軌道に早
期に剥離が発生し、上記スラスト玉軸受26部分で振動
が発生した。実験に使用したスラストニードル軸受は、
図21に示す様に、円環状の主保持器39と円弧状の副
保持器40a、40bとを有し、各保持器39、40
a、40bにそれぞれ複数本ずつのニードル33、33
を、転動自在に保持したものである。このうちの主保持
器39は、変位軸7を構成する支持軸部21の周囲に配
置し、副保持器40a、40bは支持軸部21に対する
枢支軸部22の偏心方向に合わせて、上記主保持器39
の外側部分に配置している。尚、図21で41は各保持
器39、40a、40bに形成したポケット、42a、
42bはスラストニードル軸受を構成するレース31
の、それぞれ外周縁、及び内周縁である。
【0024】この様なスラストニードル軸受を構成する
複数のニードル33、33の内接円と外接円とで内外周
を区画される部分、並びに近接して隣り合うニードル同
士の間部分が、ニードルによりスラスト荷重を支承可能
な荷重受部分となる。図21の構造の場合には、1個所
のドーナツ形部分と2個所の円弧形部分、並びにこれら
各部分同士の間部分が、上記荷重受部分となる。実験に
使用したスラストニードル軸受の場合には、この荷重受
部分と上記スラスト玉軸受26のピッチ円aとを上記枢
支軸部22の軸方向に見て重ね合わせた場合に、上記ピ
ッチ円aの周長の凡そ65%が、上記荷重受部分に含ま
れていた。即ち、ピッチ円aを表す一点鎖線のうち、太
線で表した部分は上記荷重受部分に含まれるが、細線で
表した部分は、この荷重受部分から外れている。
【0025】この事から、上記スラスト玉軸受26を構
成する玉29、29のピッチ円aの65%程度がスラス
ト荷重に対してバックアップされていただけでは、十分
な耐久性を得られない事が確認された。この様な事情に
鑑みて本発明者は先に、図22〜25に示す様なトロイ
ダル形無段変速機を発明した(特願平6−5997
号)。
【0026】
【先発明の説明】先ず、図22は、上記先発明の第一の
構造例を示している。スラストニードル軸受27aは、
円環状に形成された主保持器39Aと、円弧状に形成さ
れた副保持器40Aとを有する。先発明のトロイダル型
無段変速機の場合には、前述の図21に示した、従来構
造に属するトロイダル型無段変速機の場合に比べて、上
記主保持器39Aの径を(図21の主保持器39の径よ
りも)大きくしている。そして、この主保持器39A
を、変位軸7を構成する枢支軸部22を中心として配置
している。
【0027】この主保持器39Aには多数のポケット4
1、41を、枢支軸部22を中心とする放射方向に形成
している。そして、これら各ポケット41、41内にそ
れぞれ1本ずつのニードル33、33を、転動自在に保
持している。これら複数のニードル33、33は、隣り
合うニードル33、33同士の間隔(ピッチ)が、最大
でもスラスト玉軸受26を構成する玉29、29のピッ
チ円aの周長の5%以下となる様に配列されている。
【0028】従って、上記ニードル33、33を等間隔
で配列する場合には、ニードル33、33の数は20本
以上とする必要がある。ニードル33、33は、必ずし
も等間隔で配列する必要はない。但し、不等間隔で配列
する場合には、最も間隔が広い部分でも上記周長の5%
以内となる様に、ニードル33、33の最低必要数を増
やす。尚、一般的には上記間隔が上記周長の2〜3%と
なる様に、50〜33本のニードル33、33を等間隔
で配列する。
【0029】これら複数のニードル33、33の内接円
と外接円とで内外周を区画される部分(複数のニードル
33、33が配列された円環状部分)が、これらニード
ル33、33によりスラスト荷重を支承可能な荷重受部
分となる。図22に示した第一の構造例の場合には、こ
の荷重受部分と、上記スラスト玉軸受26を構成する複
数の玉29、29のピッチ円aとを、上記枢支軸部22
の軸方向(図22の表裏方向)に重ね合わせた場合に、
上記ピッチ円aがその全長に亙って、上記荷重受部分に
含まれる。即ち、本構造例の場合には、上記ピッチ円a
が100%、上記荷重受部分に含まれる。
【0030】又、上記トラニオン6の内側面で上記複数
本のニードル33、33の転動面が当接する部分には、
硬質金属板製のレース31Aを添設する。このレース3
1Aの外周縁42aは上記枢支軸部22とほぼ同心であ
り、内周縁42bは、この枢支軸部22と共に上記変位
軸7を構成する支持軸部21とほぼ同心である。尚、ト
ラニオン6が硬質金属製であれば、上記内側面を平滑に
する事により、上記レース31Aを省略する事もでき
る。但し、一般的には、大きな靱性を要求されるトラニ
オン6の表面硬度を高くする事は難しい(そのまま軌道
面として利用できる程の表面硬度を確保すると、トラニ
オン6の靱性が不足する)。又、トラニオン6の内側面
をそのまま軌道面とする為には、この内側面を精度良く
(粗さを小さく)仕上げる為に研磨加工が必要となり、
製造コストの上昇を招く。この為、上記レース31Aを
使用する。
【0031】一方、上記副保持器40Aは、前述の図2
1に示した構造とは異なり、上記主保持器39Aの内側
で、上記支持軸部21を中心とする円弧上に配置されて
いる。上記レース31Aの一部で、この副保持器40A
の外周縁と対向する部分には、やはり上記支持軸部21
を中心とする円弧状の突条43を形成している。上記副
保持器40Aは、この突条43と上記支持軸部21の外
周面との間に位置決めされている。そして、この副保持
器40Aのポケット41、41に保持されたニードル3
3、33が、外輪30の一部外側面で、上記支持軸部2
1に対して偏心した部分の内周寄り部分を支承してい
る。
【0032】上述の様に構成される先発明のトロイダル
型無段変速機の運転時、パワーローラ8(図15〜18
参照)が入力側、出力側、各ディスク2、4(図15〜
17参照)の振れや構成各部材の弾性変形等に基づいて
変位すると、この変位に伴って上記外輪30の外側面と
トラニオン6の内側面とが相対変位する。この相対変位
は、上記スラストニードル軸受27aを構成する複数の
ニードル33、33の転動に伴って、軽い力で行なわれ
る。又、上記パワーローラ8及び外輪30の変位量は小
さい為、この変位に伴って上記ピッチ円aが上記荷重受
部分から外れる事はない。
【0033】即ち、先発明のトロイダル型無段変速機の
場合には、上記パワーローラ8及び外輪30の変位に拘
らずこの外輪30が、玉29、29のピッチ円aの全長
に亙ってバックアップされる(外側面側でスラスト荷重
を支承される)。従って、トロイダル型無段変速機の運
転に伴ってパワーローラ8に加わったスラスト荷重が、
玉29、29を介して繰り返し加えられた場合にも、こ
の外輪30に大きな曲げ応力が加わりにくくなる。この
結果、この外輪30の外輪軌道が剥離したり、或はこの
外輪30に亀裂が発生したりする様な損傷を発生しにく
くなる。従って、外輪30並びにこの外輪30を組み込
んだトロイダル型無段変速機の耐久性向上を図れる。
【0034】次に、図23〜25は先発明の第二の構造
例を示している。上述した第一の構造例の場合、主、
副、2個の保持器39A、40Aを組み合わせてスラス
トニードル軸受27aを構成していたのに対し、本構造
例の場合には、図23に示した様な形状を有する1枚の
保持器44により、図24〜25に示す様なスラストニ
ードル軸受27bを構成している。
【0035】この保持器44は、金属板、或は合成樹脂
板等の基板45に、それぞれが長矩形である複数のポケ
ット41、41を形成して成る。スラスト玉軸受26の
外輪30の外側面とトラニオン6の内側面との間に装着
した状態で、この保持器44の外周縁46は、変位軸7
を構成する枢支軸部22とほぼ同心となり、内周縁47
は変位軸7を構成する支持軸部21とほぼ同心になる。
【0036】更に、本構造例の場合には、上記保持器4
4に形成した各ポケット41、41を、各ポケット4
1、41の長さ方向と変位軸7を構成する支持軸部21
の中心軸上の点oを中心とする放射線方向とを一致させ
た状態で形成している。従って、各ポケット41、41
内に保持される総てのニードル33、33の軸線方向
が、上記点oを中心とする放射線の方向に一致してい
る。
【0037】トロイダル型無段変速機の運転時、パワー
ローラ8(図15〜18参照)が入力側、出力側、各デ
ィスク2、4(図15〜17参照)の振れや構成各部材
の弾性変形に基づいて変位し、この変位に伴って上記外
輪30の外側面とトラニオン6の内側面とが相対変位す
る際にこの外輪30は、上記支持軸部22を中心として
揺動する。本構造例の場合には、上記総てのニードル3
3、33の軸線方向が、上記外輪30の揺動方向に対し
直角方向に配置されている。言い換えれば、上記スラス
トニードル軸受27bを構成する全ニードル33、33
の軸線方向が、上記支持軸部21の中心oを中心とする
放射線方向に一致している。従って、前述した第一の構
造例の場合とは異なり、外輪30の揺動時に各ニードル
33、33の転動面と相手面との間で滑り摩擦が発生し
ない。即ち、本構造例の場合には、上記各ニードル3
3、33の転動面と相手面との接触状態は、100%転
がり接触に近い状態となる。この結果、前記第一の構造
例の場合に比べて、上記外輪30の外側面とトラニオン
6の内側面との相対変位をより円滑に行なわせる事がで
きる。
【0038】尚、先発明のトロイダル型無段変速機の場
合、上記スラスト玉軸受26を構成する玉29、29の
ピッチ円aの70%以上が、上記荷重受部分に重なり合
う事が必須条件である。70%以上であれば、図示の第
一、第二の各構造例の様に、必ずしも100%重なり合
わなくても、従来構造に比べて優れた耐久性を得られ
る。勿論100%重なり合わせれば、70%程度の場合
に比べて耐久性は向上する。又、スラストニードル軸受
27a、27bを構成する複数のニードル33、33の
うち、隣り合うニードル33、33同士の間隔を上記ピ
ッチ円aの周長の5%以下とする必要があるのは、上記
70%以上を確保すべき荷重受部分である。この70%
を確保できれば、残りの部分(周長の30%以下の部
分)の間隔は、上記5%を越えても、従来構造に比べて
耐久性向上を図れる。但し、より耐久性向上を図るべ
く、好ましくは全長に亙って上記間隔を周長の5%以下
とする。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】上述した先発明に係る
トロイダル型無段変速機によれば、スラスト玉軸受26
を構成する外輪30の耐久性向上により、この外輪30
を含んで構成されるトロイダル型無段変速機の耐久性並
びに信頼性向上を図れるが、更に耐久性向上を図る為
に、次の様な面で、ニードル33、33の耐久性向上を
考慮する必要がある。
【0040】即ち、上述した先発明のトロイダル型無段
変速機は、スラスト玉軸受26を構成する外輪30の耐
久性に就いては考慮しているが、スラストニードル軸受
27の構成部品の耐久性に就いての考慮は特に行なって
いない。より具体的には、上記スラストニードル軸受2
7を構成する保持器39A、44の変位量を制限する機
構を設けていなかった為、保持器39A、44のポケッ
ト41、41に保持されたニードル33、33がトラニ
オン6の内側面から外れる可能性がある。この様にニー
ドル33、33がトラニオン6の内側面から外れると、
ニードル33、33の転動面の一部がスラスト軌道面の
縁に当たる事で、この転動面の一部に過大な面圧が作用
し、転動面の疲れ寿命が損なわれる。又、著しい場合に
はポケット41、41からニードル33、33が脱落す
る可能性も考えられる。
【0041】図22、25に記載した先発明構造の場合
には、上記各ニードル33、33の転動面を当接させる
為のレース31Aの外径寸法を上記トラニオン6の幅寸
法(図22、25の左右方向寸法)よりも大きくして、
上記脱落の発生を防止している。但し、ニードル33、
33が上記トラニオン6の内側面から外れる事は防止で
きず、一部のニードル33、33の転動面に過大な面圧
が作用する事を防止できない。即ち、ニードル33、3
3の転動面がレース31Aに対向していても、このレー
ス31Aがトラニオン6の内側面によりバックアップさ
れていなければ、このトラニオン6の縁部に対向する転
動面には過大な面圧が作用する。
【0042】この様に、レース31Aの外径寸法をトラ
ニオン6の幅寸法より大きくしても、ニードル33、3
3の転動面に過大な面圧が作用する事を防止する効果は
不十分である。又、レース31Aの材料費の低減、同じ
く重量の軽減、トラニオン6の幅方向両側から突出した
レース31Aの外周縁と他の構成部品との干渉防止を考
えた場合には、上記レース31Aの形状をトラニオン6
の内側面の形状に合わせる事が好ましい。そして、この
様な場合には、ニードル33、33の転動面に過大な面
圧が作用する事を防止するだけでなく、これらニードル
33、33がポケット41、41から脱落する事を確実
に防止できる構造でなければならない。本発明のトロイ
ダル型無段変速機は、この様な事情に鑑みて発明したも
のである。
【0043】
【課題を解決する為の手段】本発明のトロイダル型無段
変速機は何れも、前述した従来のトロイダル型無段変速
機と同様に、互いの内側面同士を対向させた状態で、互
いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二のデ
ィスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸に対し
捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオン
と、互いに平行で且つ偏心した支持軸部及び枢支軸部を
有し、このうちの支持軸部により上記トラニオンに回転
自在に支持されて、上記枢支軸部をこのトラニオンの内
側面から突出させた変位軸と、上記枢支軸部の周囲に回
転自在に支持された状態で、上記第一、第二の両ディス
クの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラ
の外側面に添設して設けられ、このパワーローラに加わ
るスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラ
の回転を許容するスラスト玉軸受と、このスラスト玉軸
受を構成する外輪の外側面と上記トラニオンの内側面と
の間に設けられ、上記パワーローラから上記外輪に加わ
るスラスト荷重を支承しつつ、上記枢支軸部及び上記外
輪が上記支持軸部を中心として揺動する事を許容するス
ラストニードル軸受とを備える。そして、上記第一、第
二のディスクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面で
あり、上記パワーローラの周面は球面状の凸面であり、
この周面と上記内側面とが互いに当接している。
【0044】又、本発明のトロイダル型無段変速機は
れも、やはり前述した先発明に係るトロイダル型無段変
速機と同様に、次のの条件を総て満たす。 上記
スラストニードル軸受を構成する複数のニードルにより
スラスト荷重を支承可能な荷重受部分と、上記スラスト
玉軸受のピッチ円とを、上記枢支軸部の軸方向に重ね合
わせた場合に、上記ピッチ円の周長の70%以上が、上
記荷重受部分に含まれる。 上記スラストニードル軸
受を構成する複数のニードルのうち、少なくとも上記周
長の70%以上に対応する荷重受部分に存在するニード
ルは、隣り合うニードル同士の間隔が、最大でもスラス
ト玉軸受のピッチ円の周長の5%以下となる様に配列さ
れている。勿論、これらの条件は、トラニオンと外
輪との相対変位に拘らず満たす必要がある。
【0045】特に、本発明のトロイダル型無段変速機は
何れも、次のの条件を満たす。 上記スラストニ
ードル軸受には、上記全ニードルを転動自在に保持する
保持器が設けられており、この保持器と上記トラニオン
との間には、上記支持軸部を中心とするこの保持器の揺
動変位角度を制限する為の凹凸係合部が設けられてい
る。 上記スラストニードル軸受を構成する全ニード
ルの軸線方向が、上記支持軸部を中心とする放射線方向
に一致している。
【0046】又、請求項1に記載したトロイダル型無段
変速機は、上記〜の条件に加えて、次のの条件を
満たす。 上記トラニオンの端部から上記パワーロー
ラ設置側に折れ曲がった折れ曲がり部の内側面中間部に
所定幅寸法を有する凹部が、上記保持器の端縁で上記折
れ曲がり部に対向する部分にはこの端縁から突出する、
上記所定幅寸法よりも小さな幅寸法を有する凸部が、そ
れぞれ形成されている。そして、この凸部を上記凹部の
内側に進入させる事で上記の凹凸係合部を構成してい
る。 又、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機
は、上記〜の条件に加えて、次のの条件を満た
す。 上記トラニオンの端部から上記パワーローラ設
置側に折れ曲がった折れ曲がり部の内側面中間部2個所
位置にそれぞれ所定幅寸法を有する凹部が、上記保持器
の端縁の2個所位置でそれぞれ上記折れ曲がり部に対向
する部分にこの端縁から突出する、上記所定幅寸法より
も小さな幅寸法を有する凸部が、それぞれ形成されてお
り、これら両凸部を上記両凹部の内側に進入させる事に
より上記の凹凸係合部を構成している。 又、請求項3
に記載したトロイダル型無段変速機は、上記〜の条
件に加えて、次のの条件を満たす。 上記保持器の
長さ方向一端縁に形成した切り欠きに、上記トラニオン
の内側面の長さ方向一端中央部に突設したピンを係合さ
せる事により、上記の凹凸係合部を構成している。
に、請求項4に記載したトロイダル型無段変速機は、上
記〜の条件に加えて、次のの条件を満たす。
上記トラニオンの端部から上記パワーローラ設置側に
折れ曲がった折れ曲がり部の内側面中間部に所定幅寸法
を有する凹部が、上記保持器の端縁で上記折れ曲がり部
に対向する部分にこの端縁から突出する、上記所定幅寸
法よりも小さな幅寸法を有する凸部が、それぞれ形成さ
れており、この凸部を上記凹部の内側に進入させる事で
上記の凹凸係合部を構成している。 上記トラニオ
ンの内側面のうちで上記凹部に対応する部分は、同じく
内側面 のうちでスラストニードル軸受を構成する複数の
ニードルが対向若しくは当接する部分よりも上記パワー
ローラ側に突出している。
【0047】
【作用】上述の様に構成される本発明のトロイダル型無
段変速機は何れも、前述した従来のトロイダル型無段変
速機と同様の作用に基づき、回転力の伝達を行ない、更
に回転速度比を変える。又、先発明のトロイダル型無段
変速機と同様に、スラスト玉軸受を構成する外輪が広い
範囲(ピッチ円の周長の70%以上)でバックアップさ
れているので、スラスト荷重を受けた場合にも、この外
輪に大きな曲げ応力が加わりにくくなる。この結果、こ
の外輪に剥離や亀裂等の損傷を発生しにくくなって、ト
ロイダル型無段変速機の耐久性向上を図れる。
【0048】特に、本発明のトロイダル型無段変速機の
場合には何れも、トラニオンと保持器との間に設けられ
た凹凸係合部により、保持器の揺動変位角度が制限され
る為、スラストニードル軸受を構成するニードルがスラ
スト軌道面から外れる事を防止でき、ニードルの転動面
がスラスト軌道面の縁に当接する事でこの転動面を傷め
る事を防止できる。又、ニードルが保持器のポケットか
ら脱落する事も、確実に防止できる。尚、の条件を満
たさない場合、各ニードルの転動面と相手面との接触状
態が、滑り接触を含むものとなる。この為、スラストニ
ードル軸受部分での摩擦損失が大きくなり、スラスト玉
軸受の外輪の変位を円滑に行なえず、トロイダル型無段
変速機の効率が低下する。従って、上記の条件を満た
す事で、上記転動面と相手面との接触状態をほぼ100
%転がり接触状態とし、スラストニードル軸受部分での
摩擦損失を小さくする。これにより、スラスト玉軸受の
外輪の変位を円滑に行なわせ、トロイダル型無段変速機
の効率を向上させる。
【0049】更に、請求項4に記載したトロイダル型無
段変速機の場合には、トラニオンの内側面のうちで上記
凹部に対応する部分と、同じく内側面のうちでスラスト
ニードルを構成する複数のニードルが対向若しくは当接
する部分とを別の工具で加工する事が可能になる。従っ
て、上記凹部に対向する部分に比較して広い面積を有す
る複数のニードルが対向若しくは当接する部分の加工を
能率良く行なえる。この理由の詳細に就いては後述す
る。
【0050】
【実施例】図1〜5は請求項1に対応する、本発明の第
一実施例を示している。尚、本発明の特徴は、スラスト
ニードル軸受27cを構成するニードル33、33がト
ラニオン6の内側面に、この内側面からはみ出さない状
態で添設したレース31Bからはみ出す事を防止すべ
く、保持器48とトラニオン6との間に凹凸係合部を設
けた点にある。その他多くの部分の構造及び作用は、前
述した先発明の場合と同様である為、同等部分に就いて
は説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部
分を中心に説明する。
【0051】上記保持器48は、金属板、或は合成樹脂
板等により大略小判形に形成された基板49に、それぞ
れが長矩形である複数のポケット41、41を形成して
成る。又、上記基板49の一部で、中央から少し長さ方
向片側(図1〜2の上下方向下側)に偏った部分には、
円孔50と、この円孔50の一部から直径方向外方に突
出する切り欠き51とを形成している。上記円孔50に
は、トラニオン6の内側面に形成した突条52をがたつ
きなく、回転自在に嵌合させている。変位軸7の支持軸
部21(前述した図17〜18、又は後述する図10参
照)を挿通する為にトラニオン6に形成した円孔23の
一端は、上記突条52の内側に開口している。上記円孔
50を上記突条52に外嵌した状態で、上記保持器48
の基板49に形成した各ポケット41、41の長さ方向
は、上記円孔50を中心とする放射線方向に一致する。
従って、スラストニードル軸受27cを構成する全ニー
ドル33、33の軸線方向が、上記円孔23に挿通した
支持軸部21を中心とする放射線方向に一致する。
【0052】尚、図示の実施例では、上記複数のポケッ
ト41、41を達磨形に配置し、上記枢支軸部21から
離れる(図1〜2の上方に向かう)に従って、幅方向両
側(図1〜2の左右方向両側)に位置するポケット4
1、41同士の間隔が狭くなる様にしている。これは、
上記突条52を中心とする保持器48の揺動に拘らず、
上記各ポケット41、41に保持されたニードル33、
33の転動面がレース31Bからはみ出す事を確実に防
止する為である。又、上記基板49の左右両側縁の形状
は、上記揺動に拘らず、この基板49がトラニオン6の
左右両側から大きく突出する事がない様に、山形に形成
している。
【0053】更に、本発明のトロイダル型無段変速機の
場合には、上記基板49の長さ方向一端(図1〜2の上
端)に凸部54を形成している。一方、上記トラニオン
6の長さ方向両端(図1〜2の上下両端、図3、5の表
裏両端、図4の左右両端)に、パワーローラ設置側(図
1〜2の手前側、図3〜5の下側)に折れ曲がる状態で
形成した折れ曲がり部55a、55bのうち、上記凸部
54に対向する折れ曲がり部55aの内側面の中間部分
には、凹部56を形成している。この凹部56の幅寸法
56は、上記凸部54の幅寸法W54よりも少し大きい
(W56>W54)。そして、上記円孔50を上記突条52
に外嵌した状態で上記凸部54は、上記凹部56内に遊
嵌される。従って上記保持器48は、上記凹部56の内
側で上記凸部54が変位できる範囲内で(『W56
54』なるストローク範囲内で)、上記支持軸部21を
中心に揺動自在となる。本実施例を示す図1〜2のう
ち、図1は保持器48が中立位置にある状態を、図2は
最も揺動変位した状態を、それぞれ表しているが、本発
明の場合には、図1に示した中立状態は勿論、図2に示
した最大変位状態でも、ニードル33、33の一部がレ
ース31Bから外れる事はない。尚、図1、2で57は
潤滑油流通用の油孔である。この油孔57は上記切り欠
き51と整合し、必要箇所に潤滑油を送り込む。従っ
て、保持器48の揺動変位に拘らず、この切り欠き51
はその一部が上記油孔57に整合する様に、その大きさ
を定める。
【0054】上述の様に構成される本発明のトロイダル
型無段変速機の場合には、トラニオン6の折れ曲がり部
55aの内側面中間部分に形成した凹部56と、保持器
48の長さ方向一端縁中間部に形成した凸部54とによ
り構成される凹凸係合部により、上記保持器48の揺動
変位角度が制限される。この為、スラストニードル軸受
27cを構成するニードル33、33がスラスト軌道面
を構成するレース31Bから外れる事を防止できる。こ
の結果、上記各ニードル33、33の転動面が上記レー
ス31Bの縁に当接する事でこの転動面を傷める事を防
止できる。又、上記各ニードル33、33が保持器48
のポケット41、41から脱落する事も、確実に防止で
きる。
【0055】次に、図6〜7は請求項2に対応する、本
発明の第二実施例を示している。本実施例の場合には、
トラニオン6の折れ曲がり部55aの内側面中間部分2
個所位置に形成した凹部56a、56aと、保持器48
aの長さ方向一端縁中間部2個所位置に形成した凸部5
4a、54aとにより構成される2組の凹凸係合部によ
り、保持器48aの揺動変位角度を制限している。その
他の構成及び作用は、上述した第一実施例の場合と同様
である。尚、上記保持器48aの長さ方向一端部中央部
分に形成した小円孔58は、組立作業時に於ける保持器
48aの位置決め用のもので、本発明の要旨とは関係な
い。
【0056】次に、図8〜9は請求項3に対応する、本
発明の第三実施例を示している。本実施例の場合には、
保持器48bの長さ方向一端縁(図8〜9の上端縁)に
切り欠き59を形成し、トラニオン6内側面の長さ方向
一端中央部にピン60を突設している。そして、特許請
求の範囲の凹部に相当する切り欠き59の内側に、同じ
く凸部に相当するピン60を係合させる事で、上記保持
器48bの揺動変位角度を制限する為の凹凸係合部を形
成している。その他の構成及び作用は、前述した第一実
施例及び上述した第二実施例と同様である。
【0057】次に、図10〜12は請求項1、4に対応
する、本発明の第四実施例を示している。本実施例の場
合には、トラニオン6の内側面に段差61を設けてい
る。即ち、この内側面のうちで、折れ曲がり部55aの
内側面に形成した凹部56に対応する部分を、同じく内
側面のうちでスラストニードル軸受27cを構成する複
数のニードル33、33が当接するレース31Bを添設
する部分よりも、パワーローラ8を設ける側(図10の
右側、図11〜12の手前側)に突出させている。図示
の実施例では、上記段差61の高さhを、上記レース3
1Bの厚さ寸法Tと同じかこの厚さ寸法Tよりも少し小
さく(h≦T)している。本実施例の場合には、上記ト
ラニオン6の内側面にこの様な段差61を設ける事で、
トラニオン6の加工を能率良く行なえる。
【0058】この理由に就いて、図12と図13、14
とを参照しつつ説明する。トラニオン6の両端部に設け
た枢軸5、5の中心線とこのトラニオン6の内側面との
距離は、正確に仕上げなければならない。この理由は、
パワーローラ8の周面8aと入力側、出力側両ディスク
2、4の内側面2a、4a(図15〜17)との当接位
置を適正にする為である。一方、大きな強度を要求され
るトラニオン6は、金属材(主として鋼)に鍛造加工を
施す事により造られる。ところが、鍛造加工のみで上記
距離を必要な精度に仕上げる事はできず、レース31B
を当接させる内側面の平坦度を十分に確保する事も難し
い。この為、トラニオン6の内側面には、鍛造加工後に
切削加工を施す必要がある。この様な切削加工は、例え
ば、図13(A)に示す様に、トラニオン6内側面の大
部分を直径Dの大きな工具65で加工した後、この工具
65では加工しきれない、折れ曲がり部55aの隅角部
を、同図(A)、(B)に示す様に直径dの小さな工具
62で加工する。尚、上記図13(A)は小さな工具6
2による加工初期の段階を、同図(B)は加工末期の段
階を、それぞれ示している。この様な加工方法を用いれ
ば、鋳造加工のみを施す場合に比べて上記内側面の平坦
度を向上させられる。しかしながら、上記寸法精度及び
平坦度を高度に確保する為には、加工部位(面方向位
置)に応じて、切削加工の途中で工具を交換する事は好
ましくない。
【0059】上記切削加工の能率は、使用する回転工具
の直径が大きい程良くなるが、使用できる回転工具の直
径の最大値は、切削加工を施すべき面の形状により規制
される。例えば、図14に斜格子で示す様に、上記凹部
56も含めた部分を一挙に加工する場合には、この凹部
56の隅角部の加工も行なえる様に、同図に示す様に直
径dの小さな工具62により、上記斜格子で示した部分
全体を加工しなければならない。従って、加工に要する
時間が長くなり、トラニオン6の製作費が嵩む。図13
に示す様な方法によりトラニオン6の内側面を加工すれ
ば、実際上問題のない面精度を得られるが、一部に微小
な段差が生じる可能性はある。
【0060】これに対して本実施例の場合には、上記凹
部56に対応する部分63とレース31Bを添設する部
分64との間には、元々段差61が存在する為、これら
両部分63、64を同一の工具により加工する必要はな
い。この為、図12に示す様に、小さな直径dを有する
工具62では、上記凹部56に対応する部分63の加工
のみを行ない、レース31Bを添設する部分64は大き
な直径Dを有する工具65により加工を行なう事が可能
になる。従って、上記凹部56に対向する部分に比較し
て広い面積を有する、レース31Bを添設する部分64
の加工を能率良く行なえる。この結果、全面を小径の工
具により加工するのに比べれば、上記トラニオン6の加
工の能率化により、トラニオン6及びこのトラニオン6
を組み込んだトロイダル型無段変速機の製作費の低廉化
を図れる。その他の構成及び作用は、前述した第一実施
例と同様である。尚、図11〜14には、保持器48に
形成する切り欠き51、位置決め用の小円孔58、並び
にトラニオン6に穿設する油孔57を省略して描いてい
る。
【0061】
【発明の効果】本発明のトロイダル型無段変速機は、以
上に述べた通り構成され作用する為、先発明の場合と同
様に、スラスト玉軸受を構成する外輪の耐久性を向上さ
せる事ができる。又、スラストニードル軸受を構成する
ニードルがスラスト軌道面から外れる事を防止できる
為、ニードルの転動面がスラスト軌道面の縁に当接する
事でこの転動面を傷める事を防止できる。又、ニードル
が保持器のポケットから脱落する事も、確実に防止でき
る。これらにより、上記外輪及びニードルを含んで構成
されるトロイダル型無段変速機の耐久性並びに信頼性の
向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を中立状態で示す、スラス
トニードル軸受を組み付けたトラニオンの内側面図。
【図2】同じく最大変位状態で示す、図1と同様の図。
【図3】トラニオンを図1の上方から見た図。
【図4】図3のA−A断面図。
【図5】図4のB−B断面図。
【図6】本発明の第二実施例を示す、図1と同様の図。
【図7】同じく図2と同様の図。
【図8】本発明の第三実施例を示す、図1と同様の図。
【図9】同じく図2と同様の図。
【図10】本発明の第四実施例を示す、トラニオンにパ
ワーローラを組み付けた状態で示す断面図。
【図11】パワーローラ、スラスト玉軸受、変位軸を除
いて図10の右方から見た図。
【図12】更にスラストニードル軸受も除いて図10の
右方から見た図。
【図13】第四実施例の構造を採用しない場合に生じる
トラニオン加工上の面倒の第1例を説明する為、第一実
施例に採用したトラニオンを図12と同方向から見た
図。
【図14】同第2例を説明する為の図13と同様の図。
【図15】従来から知られたトロイダル型無段変速機の
基本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図16】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図17】従来の具体的構造の1例を示す断面図。
【図18】図17のC−C断面図。
【図19】従来構造に組み込まれていたスラストニード
ル軸受を、図1と同方向から見た図。
【図20】図19の拡大D−D断面図。
【図21】耐久性試験を行なうべく、従来構造に準じて
製作したスラストニードル軸受を示す、図1と同様の
図。
【図22】先発明の第一の構造例を示す、スラスト玉軸
受及びスラストニードル軸受を組み付けたトラニオン内
側面部分の透視図。
【図23】先発明の第二の構造例に使用する保持器を、
図22と同方向から見た図。
【図24】保持器を、レース、枢軸、スラスト玉軸受と
組み合わせた状態を示す、図22と同方向から見た図。
【図25】先発明の第二の構造例を示す、図22と同様
の図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 鍔部 18 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 支持軸部 22 枢支軸部 23 円孔 24、25 ニードル軸受 26 スラスト玉軸受 27、27a、27b、27c スラストニードル軸受 28 保持器 29 玉 30 外輪 31、31A、31B レース 32 保持器 33 ニードル 34a、34b 円環部 35a、35b 突出部 36 駆動ロッド 37 駆動ピストン 38 駆動シリンダ 39、39A 主保持器 40a、40b、40A 副保持器 41 ポケット 42a 外周縁 42b 内周縁 43 突条 44 保持器 45 基板 46 外周縁 47 内周縁 48、48a、48b 保持器 49 基板 50 円孔 51 切り欠き 52 突条 54、54a 凸部 55a、55b 折れ曲がり部 56、56a 凹部 57 油孔 58 小円孔 59 切り欠き 60 ピン 61 段差 62 工具 63、64 部分 65 工具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 13/00 - 15/56 F16H 51/00 - 55/30 F16C 19/00 - 19/56 F16C 33/30 - 33/66 F16D 1/00 - 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いの内側面同士を対向させた状態で、
    互いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二の
    ディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸に対
    し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオ
    ンと、互いに平行で且つ偏心した支持軸部及び枢支軸部
    を有し、このうちの支持軸部により上記トラニオンに回
    転自在に支持されて、上記枢支軸部をこのトラニオンの
    内側面から突出させた変位軸と、上記枢支軸部の周囲に
    回転自在に支持された状態で、上記第一、第二の両ディ
    スクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーロー
    ラの外側面に添設して設けられ、このパワーローラに加
    わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーロー
    ラの回転を許容するスラスト玉軸受と、このスラスト玉
    軸受を構成する外輪の外側面と上記トラニオンの内側面
    との間に設けられ、上記パワーローラから上記外輪に加
    わるスラスト荷重を支承しつつ、上記枢支軸部及び上記
    外輪が上記支持軸部を中心として揺動する事を許容する
    スラストニードル軸受とを備え、上記第一、第二のディ
    スクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、上
    記パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面
    と上記内側面とが互いに当接しており、且つ、次の〜
    の条件を総て満たすトロイダル型無段変速機。 上
    記スラストニードル軸受を構成する複数のニードルによ
    りスラスト荷重を支承可能な荷重受部分と、上記スラス
    ト玉軸受のピッチ円とを、上記枢支軸部の軸方向に重ね
    合わせた場合に、上記ピッチ円の周長の70%以上が、
    上記荷重受部分に含まれる。 上記スラストニードル
    軸受を構成する複数のニードルのうち、少なくとも上記
    周長の70%以上に対応する荷重受部分に存在するニー
    ドルは、隣り合うニードル同士の間隔が、最大でもスラ
    スト玉軸受のピッチ円の周長の5%以下となる様に配列
    されている。 上記スラストニードル軸受には、上記
    全ニードルを転動自在に保持する保持器が設けられてお
    り、この保持器と上記トラニオンとの間には、上記支持
    軸部を中心とするこの保持器の揺動変位角度を制限する
    為の凹凸係合部が設けられている。 上記スラストニ
    ードル軸受を構成する全ニードルの軸線方向が、上記支
    持軸部を中心とする放射線方向に一致している。
    記トラニオンの端部から上記パワーローラ設置側に折れ
    曲がった折れ曲がり部の内側面中間部に所定幅寸法を有
    する凹部が、上記保持器の端縁で上記折れ曲がり部に対
    向する部分にこの端縁から突出する、上記所定幅寸法よ
    りも小さな幅寸法を有する凸部が、それぞれ形成されて
    おり、この凸部を上記凹部の内側に進入させる事により
    上記の凹凸係合部を構成している。
  2. 【請求項2】 互いの内側面同士を対向させた状態で、
    互いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二の
    ディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸に対
    し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオ
    ンと、互いに平行で且つ偏心した支持軸部及び枢支軸部
    を有し、このうちの支持軸部により上記トラニオンに回
    転自在に支持されて、上記枢支軸部をこのトラニオンの
    内側面から突出させた変位軸と、上記枢支軸部の周囲に
    回転自在に支持された状態で、上記第一、第二の両ディ
    スクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーロー
    ラの外側面に添設して設けられ、このパワーローラに加
    わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーロー
    ラの回転を許容するスラスト玉軸受と、このスラスト玉
    軸受を構成する外輪の外側面と上記トラニオンの内側面
    との間に設けられ、上記パワーローラから上記外輪に加
    わるスラスト荷重を支承しつつ、上記枢支軸部及び上記
    外輪が上記支持軸部を中心として揺動する事を許容する
    スラストニードル軸受とを備え、上記第一、第二のディ
    スクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、上
    記パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面
    と上記内側面とが互いに当接しており、且つ、次の〜
    の条件を総て満たすトロイダル型無段変速機。 上
    記スラストニードル軸受を構成する複数のニードルによ
    りスラスト荷重を支承可能な荷重受部分と、上記スラス
    ト玉軸受のピッチ円とを、上記枢支軸部の軸方向に重ね
    合わせた場合に、上記ピッチ円の周長の70%以上が、
    上記荷重受部分に含まれる。 上記スラストニードル
    軸受を構成する複数のニードルのうち、少なくとも上記
    周長の70%以上に対応する荷重受部分に存在するニー
    ドルは、隣り合うニー ドル同士の間隔が、最大でもスラ
    スト玉軸受のピッチ円の周長の5%以下となる様に配列
    されている。 上記スラストニードル軸受には、上記
    全ニードルを転動自在に保持する保持器が設けられてお
    り、この保持器と上記トラニオンとの間には、上記支持
    軸部を中心とするこの保持器の揺動変位角度を制限する
    為の凹凸係合部が設けられている。 上記スラストニ
    ードル軸受を構成する全ニードルの軸線方向が、上記支
    持軸部を中心とする放射線方向に一致している。 上
    記トラニオンの端部から上記パワーローラ設置側に折れ
    曲がった折れ曲がり部の内側面中間部2個所位置にそれ
    ぞれ所定幅寸法を有する凹部が、上記保持器の端縁の2
    個所位置でそれぞれ上記折れ曲がり部に対向する部分に
    この端縁から突出する、上記所定幅寸法よりも小さな幅
    寸法を有する凸部が、それぞれ形成されており、これら
    両凸部を上記両凹部の内側に進入させる事により上記
    の凹凸係合部を構成している。
  3. 【請求項3】 互いの内側面同士を対向させた状態で、
    互いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二の
    ディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸に対
    し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオ
    ンと、互いに平行で且つ偏心した支持軸部及び枢支軸部
    を有し、このうちの支持軸部により上記トラニオンに回
    転自在に支持されて、上記枢支軸部をこのトラニオンの
    内側面から突出させた変位軸と、上記枢支軸部の周囲に
    回転自在に支持された状態で、上記第一、第二の両ディ
    スクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーロー
    ラの外側面に添設して設けられ、このパワーローラに加
    わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーロー
    ラの回転を許容するスラスト玉軸受と、このスラスト玉
    軸受を構成する外輪の外側面と上記トラニオンの内側面
    との間に設けられ、上記パワーローラから上記外輪に加
    わるスラスト荷重を支承しつつ、上記枢支軸部及び上記
    外輪が上記支持軸部を中心として揺動する事を許容する
    スラストニードル軸受とを備え、上記第一、第二のディ
    スクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、上
    記パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面
    と上記内側面とが互いに当接しており、且つ、次の〜
    の条件を総て満たすトロイ ダル型無段変速機。 上
    記スラストニードル軸受を構成する複数のニードルによ
    りスラスト荷重を支承可能な荷重受部分と、上記スラス
    ト玉軸受のピッチ円とを、上記枢支軸部の軸方向に重ね
    合わせた場合に、上記ピッチ円の周長の70%以上が、
    上記荷重受部分に含まれる。 上記スラストニードル
    軸受を構成する複数のニードルのうち、少なくとも上記
    周長の70%以上に対応する荷重受部分に存在するニー
    ドルは、隣り合うニードル同士の間隔が、最大でもスラ
    スト玉軸受のピッチ円の周長の5%以下となる様に配列
    されている。 上記スラストニードル軸受には、上記
    全ニードルを転動自在に保持する保持器が設けられてお
    り、この保持器と上記トラニオンとの間には、上記支持
    軸部を中心とするこの保持器の揺動変位角度を制限する
    為の凹凸係合部が設けられている。 上記スラストニ
    ードル軸受を構成する全ニードルの軸線方向が、上記支
    持軸部を中心とする放射線方向に一致している。 上
    記保持器の長さ方向一端縁に形成した切り欠きに、上記
    トラニオンの内側面の長さ方向一端中央部に突設したピ
    ンを係合させる事により、上記の凹凸係合部を構成し
    ている。
  4. 【請求項4】 互いの内側面同士を対向させた状態で、
    互いに同心に、且つ回転自在に支持された第一、第二の
    ディスクと、これら第一、第二のディスクの中心軸に対
    し捻れの位置にある枢軸を中心として揺動するトラニオ
    ンと、互いに平行で且つ偏心した支持軸部及び枢支軸部
    を有し、このうちの支持軸部により上記トラニオンに回
    転自在に支持されて、上記枢支軸部をこのトラニオンの
    内側面から突出させた変位軸と、上記枢支軸部の周囲に
    回転自在に支持された状態で、上記第一、第二の両ディ
    スクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーロー
    ラの外側面に添設して設けられ、このパワーローラに加
    わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーロー
    ラの回転を許容するスラスト玉軸受と、このスラスト玉
    軸受を構成する外輪の外側面と上記トラニオンの内側面
    との間に設けられ、上記パワーローラから上記外輪に加
    わるスラスト荷重を支承しつつ、上記枢支 軸部及び上記
    外輪が上記支持軸部を中心として揺動する事を許容する
    スラストニードル軸受とを備え、上記第一、第二のディ
    スクの内側面はそれぞれ断面が円弧形の凹面であり、上
    記パワーローラの周面は球面状の凸面であり、この周面
    と上記内側面とが互いに当接しており、且つ、次の〜
    の条件を総て満たすトロイダル型無段変速機。 上
    記スラストニードル軸受を構成する複数のニードルによ
    りスラスト荷重を支承可能な荷重受部分と、上記スラス
    ト玉軸受のピッチ円とを、上記枢支軸部の軸方向に重ね
    合わせた場合に、上記ピッチ円の周長の70%以上が、
    上記荷重受部分に含まれる。 上記スラストニードル
    軸受を構成する複数のニードルのうち、少なくとも上記
    周長の70%以上に対応する荷重受部分に存在するニー
    ドルは、隣り合うニードル同士の間隔が、最大でもスラ
    スト玉軸受のピッチ円の周長の5%以下となる様に配列
    されている。 上記スラストニードル軸受には、上記
    全ニードルを転動自在に保持する保持器が設けられてお
    り、この保持器と上記トラニオンとの間には、上記支持
    軸部を中心とするこの保持器の揺動変位角度を制限する
    為の凹凸係合部が設けられている。 上記スラストニ
    ードル軸受を構成する全ニードルの軸線方向が、上記支
    持軸部を中心とする放射線方向に一致している。 上
    記トラニオンの端部から上記パワーローラ設置側に折れ
    曲がった折れ曲がり部の内側面中間部に所定幅寸法を有
    する凹部が、上記保持器の端縁で上記折れ曲がり部に対
    向する部分にこの端縁から突出する、上記所定幅寸法よ
    りも小さな幅寸法を有する凸部が、それぞれ形成されて
    おり、この凸部を上記凹部の内側に進入させる事で上記
    の凹凸係合部を構成している。 上記トラニオンの
    内側面のうちで上記凹部に対応する部分は、同じく内側
    面のうちでスラストニードル軸受を構成する複数のニー
    ドルが対向若しくは当接する部分よりも上記パワーロー
    ラ側に突出している。
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