JP3475006B2 - 地下埋設プラスチック槽 - Google Patents

地下埋設プラスチック槽

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JP3475006B2 JP11197996A JP11197996A JP3475006B2 JP 3475006 B2 JP3475006 B2 JP 3475006B2 JP 11197996 A JP11197996 A JP 11197996A JP 11197996 A JP11197996 A JP 11197996A JP 3475006 B2 JP3475006 B2 JP 3475006B2
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俊夫 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空下水システム用
の汚水槽や浄化槽等に用いる地下埋設プラスチック槽に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の真空下水システム用の汚水
槽は繊維強化プラスチック(FRP)製のものが主流で
あった。この繊維強化プラスチック製の槽は硬質物体の
尖った部分が強く当たるとクラックが入るという問題が
あり、地下埋設時には周囲に砂を入れて養生する必要が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように周囲に砂を入れて養生させる方法では地下水が上
がり、地震等で地盤が揺れると、流動化現象が発生し、
槽が浮き上がってしまう恐れが強い。こうした現象を抑
制するためには、槽を設置する底部基盤に厚いコンクリ
ートを打って、アンカーボルト等で槽を締め付け固定す
る必要があった。そのため、埋設工事に多くの工数を必
要とし、且つ埋設施工コストが高くなるという問題があ
った。
【0004】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、繊維強化プラスチック材を用いることなく強度を維
持し、且つ地下埋設工事が容易な地下埋設プラスチック
槽を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1に記載の発明は、地下に埋設するプラスチック
製の槽であって、前記プラスチック材料にポリディシク
ロペンタジェン(PDCPD)を主成分とし且つ繊維強
化しないプラスチック材料を用い、槽本体の外表面に所
定の間隔で水平方向に複数の水平補強リブと所定の間隔
で垂直方向に該槽本体の底部まで連続する複数の垂直補
強リブを、該槽本体と一体的にRIM成形したことを特
徴とする。
【0006】 請求項に記載の発明は、請求項1に記載
の地下埋設プラスチック槽において、前記槽本体の底部
に設けた補強リブにはパイプ貫通用の穴を設けているこ
とを特徴とする。
【0007】 請求項に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の地下埋設プラスチック槽において、前記補強
ブの高さを少なくとも37mm以上とすると共に、該
リブの間隔を220mm以上525mm以下としたこ
とを特徴とする。
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図5は本発明に係る地下
埋設プラスチック槽の構造を示す図で、図1は外観斜視
図、図2(a)は正面図、図2(b)は左側面図、図2
(c)は右側面図、図3はC−C平断面、図4はA−A
側断面、図5はB−B正断面である。図示するように、
本地下埋設プラスチック槽は槽本体20と蓋10から構
成されている。槽本体20には垂直方向の垂直補強リブ
21と水平方向の水平補強リブ22が設けられている。
【0010】上記地下埋設プラスチック槽の槽本体20
は、ポリディシクロペンタジェン(PDCPD)を主成
分とするプラスチック材料を用い、RIM成形法によっ
て一体的に成形されたものである。槽本体20の側壁2
3は図3に示すように、断面円弧状をなしている。垂直
補強リブ21は槽本体20の底部にまで連続しており、
底部の垂直補強リブ21には金属パイプを通すための穴
21a、21aが設けられている。
【0011】蓋10も同じプラスチック材からなり、そ
の表面には人などが滑らないように格子状に溝が形成さ
れ、裏面には縦横に縦補強リブ11、横補強リブ12が
一体的に形成され、その外周部には槽本体20の上端に
形成した蓋嵌合溝24に嵌合する嵌合突起13が設けら
れている。
【0012】上記構造の槽本体20は上記のようにポリ
ディシクロペンタジェン(PDCPD)を主成分とする
非強化熱硬化性プラスチック材料でつくられているか
ら、槽本体20が軽量となると同時に、該ポリディシク
ロペンタジェン(PDCPD)は靱性に富んでいるの
で、非常に割れにくく、硬質物体の尖った部分が当たっ
ても繊維強化プラスチックのようにクラックが発生する
ことがない。従って、繊維強化プラスチック製槽の場合
のように砂で養生する必要がなく、割グリ(砕石)を槽
本体20の表面に直接突接させて埋設することができ
る。
【0013】図6は上記構造の地下埋設プラスチック槽
を地下に埋設した状態を示す図である。図示するよう
に、地盤26に設けた穴にプラスチック槽を入れ、槽本
体20と地盤26の穴壁面の間に割グリ27を充填して
いる。これにより、水平補強リブ22と垂直補強リブ2
1及び槽本体20の側壁23で囲まれた矩形状の空間に
割グリ27が挿入され、地下埋設プラスチック槽を地盤
26の穴内に強固に固定する。
【0014】このように直接割グリ27を槽本体20の
表面に当てて埋設すると、地下水の上昇や地震等の振動
による流動化現象が発生しても割グリ27と割グリ27
との間にある空間を水だけが流動し、周囲に砂を入れた
場合のように砂と水とが一緒に流動し強い浮上力が作用
することがないと同時に、浮上力が作用しても、割グリ
27が槽本体20の側部に設けた水平補強リブ22及び
垂直補強リブ21に突き当たり槽本体20の浮上をアン
カー効果により防止する。即ち、槽本体20の外面に適
当な高さの垂直補強リブ21と水平補強リブ22で囲ま
れた空間に割グリが入り込み、地盤との間にクサビ効果
が生じて、槽本体20が浮上するのを大幅に抑制する。
従って、従来のように底部に打ち込むコンクリート基盤
を全く省略するか、著しく埋設工事費を削減することが
可能となる。
【0015】この場合、垂直補強リブ21と水平補強リ
ブ22の高さ(槽本体20の側壁23の面からの高さ)
は37mm以上にすることにより、またポリディシクロ
ペンタジェン(PDCPD)を主成分とする非強化のプ
ラスチック材料は強靱であるため、槽構造を矩形状とし
ても、強度を十分に維持できる。例えば、槽を真空下水
システムの汚水槽として用いた場合、槽内部に真空度−
7mAqが作用したとしても十分耐えうる強度となる。
【0016】本実施の形態では垂直補強リブ21及び水
平補強リブ22の最小を37mm、最大を75mmとし
た。ポリディシクロペンタジェン(PDCPD)を主成
分とするプラスチック材料はこのような大きな垂直補強
リブ21及び水平補強リブ22でも槽本体20と一体成
形できる。また、この樹脂は強靱であり、垂直補強リブ
21及び水平補強リブ22が大きなリブで断面係数が大
きくなるための槽本体20への付け根の強度は高く、信
頼性が高くなり、振動や地盤変動等によって破壊するこ
とが殆どない。
【0017】ここで用いる割グリ27の大きさは、50
〜70mmの粒度のものを30%〜50%含むものとす
るとアンカー効果が大きいことが判明した。このとき、
槽本体20の垂直補強リブ21及び水平補強リブ22の
厚さを4.5〜8mmとし、水平補強リブ22の間隔を
240mm〜525mmとし、さらに垂直補強リブ22
の間隔を220mm〜260mmとするとアンカー効果
が高いことが実験的に判明した。
【0018】また、槽本体20を埋設するに際して、底
部の垂直補強リブ21に設けた穴21aに所定長さの金
属パイプを通して埋設すると、かなり軟弱な地盤におい
ても、十分に槽本体20の浮き上がりを防止できること
も実験的に確認した。
【0019】図7は上記プラスチック槽を真空下水シス
テム用の汚水槽に用いた例を示す図である。図示するよ
うに、槽本体20内に仕切板31を設け、該仕切板31
に真空弁32、コントローラ33、真空仕切弁34及び
吸込管35を搭載する。なお、36は吐出エルボーであ
る。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、地下埋設プラスチック槽をそのプラスチ
ック材料にポリディシクロペンタジェン(PDCPD)
を主成分とし且つ繊維強化しないプラスチック材料を用
い、槽本体の外表面に所定の間隔で水平方向に複数の水
平補強リブと所定の間隔で垂直方向に該槽本体の底部ま
で連続する複数の垂直補強リブを、該槽本体と一体的に
RIM成形したので、下記のような効果が得られる。
【0021】プラスチック材料に繊維強化プラスチッ
ク材を用いたものに比べて、強靭な地下埋設プラスチッ
ク槽を提供できる。 割グリが直接槽本体の外側面にあ
たっても槽本体にクラックが発生することがないので、
槽本体を直接割グリで囲んで埋設することができる。
槽本体を直接割グリで囲んで埋設すると、垂直補強リブ
と水平補強リブで囲まれた空間に割グリが入り込み、且
つ地下水が上がり、地震等で地盤が揺れ流動化現象が発
生しても、割グリのアンカー効果により、槽が浮き上が
ってしまうおそれがない。
【0022】 請求項2に記載の発明によれば、槽本体の
底部に設けた補強リブにパイプ貫通用の穴を設けるの
、該パイプ貫通用の穴に剛性を有するパイプを貫通さ
せて槽を地下に埋設することにより、かなり軟弱な地盤
においても、十分に槽本体の浮き上がりを防止できる。
【0023】請求項3に記載の発明によれば、補強リブ
の高さを少なくとも37mm以上とすると共に、該補強
リブの間隔を220mm以上525mm以下としたの
で、槽本体を直接割グリで囲んで埋設すると、割グリの
アンカー効果が顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地下埋設プラスチック槽の構造を
示す外観斜視図である。
【図2】本発明に係る地下埋設プラスチック槽の構造を
示す図で、同図(a)は正面図、同図(b)は左側面
図、同図(c)は右側面図である。
【図3】本発明に係る地下埋設プラスチック槽の構造を
示す図で、図4のC−C平断面図である。
【図4】本発明に係る地下埋設プラスチック槽の構造を
示す図で、図3のA−A側断面図である。
【図5】本発明に係る地下埋設プラスチック槽の構造を
示す図で、図3のB−B正断面である。
【図6】本発明に係る地下埋設プラスチック槽を地下に
埋設した状態を示す図である。
【図7】本発明に係る地下埋設プラスチック槽を真空下
水システム用の汚水槽に用いた例を示す図である。
【符号の説明】
10 蓋 11 縦補強リブ 12 横補強リブ 13 嵌合突起 20 槽本体 21 垂直補強リブ 22 水平補強リブ 23 槽本体の側壁 24 蓋嵌合溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−81566(JP,A) 特開 平5−287793(JP,A) 実開 昭62−85588(JP,U) 実開 平6−40083(JP,U) 実公 昭46−26204(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03F 5/10 E03F 11/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下に埋設するプラスチック製の槽であ
    って、 前記プラスチック材料にポリディシクロペンタジェン
    (PDCPD)を主成分とし且つ繊維強化しないプラス
    チック材料を用い、槽本体の外表面に所定の間隔で水平
    方向に複数の水平補強リブと所定の間隔で垂直方向に該
    槽本体の底部まで連続する複数の垂直補強リブを、該槽
    本体と一体的にRIM成形したことを特徴とする地下埋
    設プラスチック槽。
  2. 【請求項2】 前記槽本体の底部に設けた補強リブには
    パイプ貫通用の穴を設けていることを特徴とする請求項
    1に記載の地下埋設プラスチック槽。
  3. 【請求項3】 前記補強リブの高さを少なくとも37m
    m以上とすると共に、該補強リブの間隔を220mm以
    上525mm以下としたことを特徴とする請求項1又は
    2に記載の地下埋設プラスチック槽。
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JP4972031B2 (ja) * 2008-05-22 2012-07-11 積水化学工業株式会社 真空弁装置の取付構造及び真空弁付き汚水ます
WO2018121116A1 (zh) * 2016-12-29 2018-07-05 南通沪望塑料科技发展有限公司 一种加强型集水排水装置

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