JP3474845B2 - 水稲の育苗箱用プール及び育苗箱用プールの集合体 - Google Patents

水稲の育苗箱用プール及び育苗箱用プールの集合体

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/14Measures for saving energy, e.g. in green houses

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水稲を育成させる
めの水稲の育苗箱用プール及び育苗箱用プールの集合
体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の水稲の育苗方法は、図13〜図1
5に示すように、通水性の育苗箱bの床に種籾を播種す
る播種工程Aと、播種工程A後に育苗箱bを育苗箱用プ
ールPに移設して種籾を稚苗にまで育成させる育成工程
Bとを備える。播種工程Aは、図13に示すように次の
(1)〜(4)の工程から構成されている。 (1)先ず、育苗箱bに床土(育苗箱用のマットでも良
い)を敷設する(図13(1)参照)。 (2)床土の上に種籾を播種する。播種は催芽状態の種
を用いることもできる(図13(2)参照)。 (3)育苗箱bに灌水を施す(図13(3)参照)。 (3’)また、所望に応じて、播種した床土の上に、種
籾が見えない程度に覆土を敷設する(図13(3’)参
照)。 (4)育苗箱bを芽出し装置に入れ積層し種籾の芽出し
(幼芽の状態)を行なう。このとき芽出し装置内の温度
は、昼夜30℃に保つようにしている(図13(4)参
照)。以上、従来の播種工程Aは、種籾を幼芽の状態に
する工程である。
【0003】育成工程Bは、図14に示すように次の
(5)〜(8)の工程から構成されている。 (5)芽出しが行なわれた育苗箱bをハウス内に設営し
た育苗箱用プールPに運搬し列設する。(図14(5)
参照)。 (6)芽が緑化する迄育苗箱用プールPに保温シート2
3を敷設する。(図14(6)参照)。 (7)芽が緑化したならば、育苗箱用プールPから保温
シート23を外し、育苗箱用プールPに給水を行なう
(図14(7)参照)。このときハウス内の温度は、昼
においては10℃〜30℃,夜においては5℃以下にな
らないように保たせる。 (8)次いで、ハウスのサイドシートを開閉して調整し
苗の硬化を促す。この期間には、霜に当たらないように
注意する(図14(8)参照)。以上、従来の育成工程
Bは、種籾を幼芽から稚苗の状態にする工程である。
【0004】また、育苗箱用プールPを用いず育苗箱b
をハウス内に運搬して育成する場合には、図15に示す
ように次の(5’)〜(9’)の工程から育成工程Bが
構成される。 (5’)播種が行なわれた育苗箱bをハウス内に運搬し
列設する。(図15(5’)参照)。 (6’)育苗箱bの上に保温シート23を敷設し保温を
行なう(図15(6’)参照)。 (7’)保温シートを育苗箱bから外し、育苗箱bに灌
水を行なう(図15(7’)参照)。 (8’)育苗箱bの上に保温シート23を敷設し保温を
行なう(図15(8’)参照)。 (9’)種籾が緑化したならば、育苗箱bから保温シー
ト23を外し、育苗箱bに灌水を行なう。このときハウ
ス内の温度は、昼においては10℃〜30℃,夜におい
ては5℃以下にならないように保温シートを開閉して調
整する。この期間には、霜に当たらないように注意する
(図15(9’)参照)。このように、従来の水稲の育
苗方法は、育苗箱bに床土を土入れ種籾を播いて灌水し
芽出し装置に入れることで種籾の発芽を促進させてい
る。この従来の方法によれば、芽出し装置により種籾の
発芽が促進される。
【0005】一方、図16に示すように、従来の水稲の
育苗箱用プールPは、簡易ハウス内の水平な地面の四方
に盛り土等により所望の領域を囲む枠部1と、枠部1に
より囲まれた領域がビニルシートで覆われて貯水域を形
成するプール体2と、枠部1を介してビニルシートを止
着する止着手段3とを備えて簡易的に設営される。従来
の水稲の育苗箱用プールPは、苗の育苗時期に設営され
プール体2に設置される育苗箱bに播種された水稲の種
籾の育成環境を提供し、育苗終了後に解体される。育苗
箱用プールPは構造が簡易なことから解体を容易に行な
うことができ、解体後設営した場所は他の植物の栽培等
に利用できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の水稲
の育苗方法では、芽出し装置に育苗箱bを移設する前に
育苗箱bに多量の灌水を行なわなければならない。育苗
箱bは、灌水により多量の水を含み重量が増すため運搬
性が悪くなる。従って、芽出し装置や育苗箱用プールP
への運搬に多大の労力を要するため育苗作業性が悪いと
いう問題が生じている。また、従来の水稲の育苗箱用プ
ールPは、苗を育成する期間にのみ必要となる設備であ
ることから、必要な期間設営されてその期間の経過後に
解体される。この育苗箱用プールPの設営は、先ず、簡
易ハウス内に所定数の育苗箱bを列設することができる
領域を確保して四方を盛り土等により囲んで枠部1を形
成し、その枠部1の内側にビニルシートを敷設して、ビ
ニルシートを枠部1にて固定することによりプール体2
を形成する。この育苗箱用プールPを設営するにあたっ
ては、枠部1の形成、特に盛り土による枠の形成に多大
な労力を要することから設営が煩雑であるという問題が
あった。また、育苗箱用プールPは毎年苗を育成する所
定の期間に設営することを要することから、育苗箱用プ
ールPの設営に加担させる労力を毎年所定時期に確保し
なければならないという問題もある。更に、設営した育
苗箱用プールPにおいて枠部1は、再利用できないので
設営効率が悪いという問題がある。
【0007】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、設営が容易にできるとともに再利用可能な
水稲の育苗箱用プール及び育苗箱用プールの集合体を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の水稲の
育苗方法を実施するのに有効である。その水稲の育苗方
法は、通水性の育苗箱の苗床に種籾を播種する播種工程
と、該播種工程後に該育苗箱を育苗箱用プールに移設し
て該種籾を稚苗まで育成させる育成工程とを備えた水稲
の育苗方法において、上記播種工程で上記育苗箱に灌水
することなく上記育苗箱用プールに移設し、上記育成工
程で上記育苗箱用プールに移設後、該育苗箱用プールに
水を給水及び排水することにより上記育苗箱に灌水を行
ない、その後該種籾を幼芽させて育成する構成とした。
育苗箱への灌水は、播種工程後育苗箱を育苗箱用プール
に移設してから行なう。従って、灌水した育苗箱の移設
作業は不要となり、灌水により育苗箱に付帯する重量を
除いた重量にて育苗箱の移設作業を行なうことができ
る。また、必要に応じ、上記育成工程において、幼芽さ
せた種籾を緑化させるため上記育苗箱用プールに保温シ
ートを敷設した構成とした。育苗箱用プール内を保温シ
ートで保温して緑化条件を整え維持することができる。
更に、必要に応じ、上記育苗箱用プールを、簡易ハウス
内に設営した構成とした。育苗箱用プールを直接外気に
晒すことがなく、育苗箱用プール内の保温性が高まる。
更にまた、必要に応じ、上記育苗箱用プールを、露地に
設営した構成とした。育苗箱用プールを所望の場所に設
営できる。
【0009】そして、上記課題を解決するための本発明
の水稲の育苗箱用プールは、水稲の育苗箱が列設され苗
を育成させるため該育苗箱に水が供給される水稲の育苗
箱用プールにおいて、枠体と、該枠体の内側に嵌められ
て水が入れられるとともに上記育苗箱が列設される水槽
部及び該水槽部の外周に連設され上記枠体を包持する包
持部を有した可撓性樹脂で形成されたプール体と、該プ
ール体の包持部を上記枠体に止着する止着手段と、該プ
ール体の側面に上記枠体を貫通して上記水槽部から水を
排出させる排出孔とを備えた構成とした。枠体に包持部
を包持させて止着部材でプール体を枠体に止着する。従
来のように育苗箱用プールを設営する度に枠を作成しな
くてもよく容易に育苗箱用プールを設営することができ
る。また、育苗箱用プールの構成要素は保存可能であ
り、設営効率に優れている。また、プール体を可撓性樹
脂で形成しているので、折り畳み可能となり収納性に優
れる。また、給水された水は、排出孔から容易に排出さ
せることができる。
【0010】また、必要に応じ、上記包持部を、上記水
槽部の側面上部に設けられ上記枠体を上から包持する上
包持体と、上記水槽部の側面底部に設けられ上記枠体を
下から包持する下包持体とを備えて構成し、上記止着手
段を、上記上包持体に形成した上孔と、上記下包持体に
形成した下孔と、上記上孔及び下孔を連通して結着させ
る紐状体とを備えた構成とした。上包持体の上孔と下包
持体の下孔を紐状体を通して結着し、枠体に包持部を強
固に止着させることができる。枠体に包持部が強固に止
着されることにより、プール体の設置が安定する。更
に、必要に応じ、上記水槽部の開口を被覆する保温シー
トと、上記水槽部の開口を跨いで上記上包持体同士を連
絡させる連絡手段を備えた構成とした。上包持体同士の
連絡は、水槽部の開口の歪を抑え、プール体の設置安定
性に寄与する。また、上包持体同士を連絡した連絡手段
を介して保温シートを開口に被覆させることができる。
連絡手段を介して開口上に保温シートが敷設されるの
で、保温シートが育苗箱内に垂れ込まない。更にまた、
必要に応じ、上記連絡手段を、上記水槽部の開口を跨い
で上記上孔間を連通して連絡させる棒状体を備えた構成
とした。棒状体は上包持体同士の連絡を強くする。ま
た、一方の上包持体側から上包持体同士の連絡を可能に
する。また、必要に応じ、上記水槽部の内周に外部から
温水が供給される温水ホースを配設した構成とした。所
望とする熱量を水槽部に供給させることができる。この
ような水稲の育苗箱用プールを複数備えた育苗箱用プー
ルの集合体において、上記プール体の側面に、上記枠体
を貫通して上記水槽部の内外へ水が移動可能な移動孔を
設け、中空に形成され上記移動孔に嵌入して育苗箱用プ
ールを移動孔を介して接続し育苗箱用プール間に水の移
動径路を形成する接続部材で連絡した構成とした。複数
の育苗箱用プールが接続され、移動孔を介して水が移動
できる。接続した育苗箱用プールは、水の移動により共
通の育成環境を保つことができる。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プール及び育苗箱用
プールの集合体を説明する。尚、上記と同様のものには
同一の符号を付して説明する。図1(図2の断面線A−
Aで切断された斜視図)及び図2に示すように、水稲の
育苗箱用プールPは、催芽した種籾を育苗箱bに植えて
稚苗(乳苗)に育成する設備として用いられる。育苗箱
用プールPは、枠体10と、枠体10の内側に嵌められ
て水が入れられるとともに育苗箱bが列設される水槽部
11及び水槽部11の外周に連設され枠体10を包持す
る包持部13を有した可撓性樹脂で形成されたプール体
16と、プール体16の包持部13を枠体10に止着す
る止着手段17とを備えて構成される。枠体10は、断
面長方形の四角枠に形成されている。枠体10の材質
は、水槽部11の外壁を支持できるものであればよく、
鉄骨,角材,単管等で形成することができ、ここでは、
軽量にて持ち運びが便利な軽金属製の単管を利用してい
る。また、枠体10の高さは、育苗箱bで育成する苗の
高さより高ければよい。水槽部11は、所定の容積を有
する凹部12を形成する。凹部12は、枠体10の内側
に入れられて枠体10に支持される。包持部13は、水
槽部11の側面上部に設けられ水槽部11が入れられた
枠体10を上から包持する上包持体14と、水槽部11
の側面底部に設けられ枠体10を下から包持する下包持
体15とで構成される。水槽部11と包持部13とは、
同じ可撓性樹脂により一体形成されてプール体16を構
成する。可撓性樹脂としては、非透水性の重畳可能な樹
脂であるビニルシートを用いている。
【0015】止着手段17は、水槽部11と枠体10と
を密接に止着させる手段であり、上包持体14に形成し
た上孔18と、下包持体15に形成した下孔19と、上
孔18及び下孔19を連通して結着させる紐状体20と
を備えて構成している。上孔18と下孔19の外郭は図
示しないが金属製のリング部材で補強されている。紐状
体20としては、止着に所望の張力を生じさせることが
できるロープ,バネ等が利用できる。止着方法は、特に
定められることなく、枠体10を上包持体14と下包持
体15とで水槽部11の外側面に密着するように止着さ
せればよい。ここでは、紐状体20として両端部にフッ
クを設けたロープを使用し、止着は上孔18と下孔19
とに紐状体20のフックを掛けた。用いるロープの長さ
は、止着した際に適度の張力がロープに生じるようにす
ることが好ましい。また、水稲の育苗箱用プールPは、
水槽部11の開口を跨いで上包持体14同士を連絡させ
る連絡手段21を備えている。連絡手段21は、主に水
槽部11に水が入れられた際にその水圧により水槽部1
1の形状に歪が生じるのを防ぐための手段であり、水槽
部11の開口を跨いで上孔18間を連通して連絡させる
棒状体22を備える。棒状体22には両端に内側に折り
曲げられた鈎が設けられた鉄棒が用いられ(図1の透視
箇所参照)、上孔18のリング部材に鈎を掛けて上包持
体14同士を連絡している。鉄棒は、連絡時に水槽部1
1の開口面に接する長さにしている。また、水槽部11
の開口を被覆する保温シート23を備えた。保温シート
23は、開口上に張られた鉄棒の上から開口全体を覆う
ように敷設される。保温シート23の周端には複数のリ
ング部材で外郭が補強された孔25が設けられ、その孔
25と包持部13の上孔18または下孔19とを両端に
フックが設けられたロープで止着させている。また、水
槽部11の内周には外部から供給される温水が循環する
温水ホース26を配設してある。そのため、プール体1
6の1側面には枠体10を貫通して温水ホース26の流
入側が嵌入される導入孔27と温水ホース26の流出側
が嵌入される導出孔28とが設けられている。温水ホー
ス26の配設には、温水ホース26を水槽部11に固定
する固定具を用いることができる。また、プール体16
の1側面には、枠体10を貫通して水槽部11から水を
排出させる排出孔29を設けている。排出孔29は栓に
より開閉自在である。
【0016】上記の如き水稲の育苗箱用プールPは、複
数備えて所定の育苗箱用プールの集合体Hにすることに
より大量の稚苗を育成できる。図3には、育苗箱用プー
ルの集合体Hの構成例が示される(水稲の育苗箱用プー
ルPを4つ接続した例)。ここで用いる水稲の苗を育成
させる育苗箱用プールPにはプール体16の各側面に枠
体10を貫通して水槽部11の内外へ水が移動可能な移
動孔30が設けられている。育苗箱用プールの集合体H
は、中空に形成され移動孔30に嵌入して育苗箱用プー
ルPを育苗箱用プールP間に水の移動径路を形成する接
続部材31で接続して構成されている。移動径路を形成
しない移動孔30には、移動孔30を閉状態にする栓3
2が嵌入される。また水槽内に給水する移動孔30と水
槽内から排水する最適な排出孔29とが選択され、他の
排出孔29には排出孔29を閉状態にする栓32が嵌入
される。このようにして、給水が行なわれる移動孔30
と水が移動する移動孔30と水を排出させる排出孔29
とが定まり、水の移動径路が確立される。
【0017】従って、実施の形態に係る水稲の育苗箱用
プールP及び育苗箱用プールの集合体Hに依れば、以下
のようにして水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プー
ルの集合体Hの設営とその解体が行なわれる。 (水稲の育苗箱用プールPの設営) 育苗箱用プールPに利用できる簡易ハウスを構築してお
く。この簡易ハウスは、他の植物のハウス栽培にも利用
できる汎用性を備える。育苗時期に、簡易ハウス内に育
苗箱用プールP(または育苗箱用プールの集合体H)を
設営する領域を確保し平坦にしておく。先ず、簡易ハウ
ス内の所定位置にプール体16を配置する。そして、プ
ール体16の包持部13に枠体10を包持させて止着手
段17によってプール体16を枠体10に止着させる。
止着は、包持部13の上包持体14に形成された上孔1
8と下包持体15に形成された下孔19とに所定の張力
を生じさせるようにロープをフックで取付けた。止着に
よりプール体16が枠体10に支持されることで、水が
入れられる凹部12が表出される。このように、育苗箱
用プールPの基本枠組は、所定の大きさの枠体10にプ
ール体16を止着させるだけで容易に形成することがで
きる。従来のように盛り土をして枠部1を形成する必要
がない。
【0018】次いで、温水ホース26を水槽部11の内
周に配設させる。温水ホース26はビニルホースを用い
たので、導入孔27から導出孔28への配設を容易にさ
せる。ビニルホースは所望の手段で水槽部11に固定し
ておく。このようにして、水槽部11に育苗箱bを列設
する準備が完了する。水槽部11に育苗箱bを列設した
後、表出された凹部12の開口を跨ぐように複数の上孔
18の所望の対に鈎を掛けて鉄棒を取付ける。水槽部1
1に水が入れられると水の重量により開口部分が外側に
広がるが、鉄棒により開口が広がるのを抑えることがで
き設置安定性が高まる。次いで、開口上に張り渡した鉄
棒の上に保温シート23を被覆する。保温シート23
は、端部に形成された孔25と上孔18とにフックを掛
けてロープを取付ける。保温シート23を被覆すること
により、水槽部11内の保温性を高めることができる。
また、保温シート23は鉄棒を介して被覆されるので、
育苗箱b内に保温シート23が垂れ込まず、保温シート
23を覆土等で汚すことも育苗環境に悪影響を与えるこ
ともない。
【0019】(育苗箱用プールの集合体Hの設営) 育苗箱用プールの集合体Hは、上述した育苗箱用プール
Pを所望の数隣接させて接続部材31で接続させること
により設営される。予め育苗箱用プールPを接続部材3
1で連絡できる間隔に配置しておく。この配置におい
て、育苗箱用プールPの接続パターンと給水される移動
孔30と排水される排出孔29とを定める。移動孔30
は育苗箱用プールPの4側面に各1つ形成され排出孔2
9は育苗箱用プールPに1つ形成されているので、給水
量,育苗箱用プールPの保水量を考慮して給水する移動
孔30と排出孔29の数を定める。接続パターンに従
い、育苗箱用プールPの接続を行なう。接続は、接続部
材31の一端を移動孔30に嵌入し、相対する接続部材
31の他端同士をバンドで着脱容易に接続させることに
より行なう。利用しない移動孔30と排出孔29には着
脱可能な栓32が処される。育苗箱用プールPの接続
は、育苗箱用プールPの形成過程において、特に枠体1
0にプール体16を止着した際の軽量時(育苗箱bが列
設されていないとき)に行なうのが好ましい。以上の如
く、育苗箱用プールの集合体Hは設営する場所を確保し
て容易に組み立てることができる。
【0020】(水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プ
ールの集合体Hの解体) 育苗を終えた育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集
合体Hは、設営した手順を逆にして解体すればよい。育
苗箱用プールPの構成要素は、着脱可能な物品のみから
構成されているため、育苗箱用プールPを設営するとき
そのまま再使用ができるので、経済性に優れている。ま
た、解体後の設営場所は、設営当初と同じく平坦のまま
であるから、すぐさま他のハウス栽培品の培地に利用さ
せることができる。
【0021】尚、上記実施の形態に係る水稲の育苗箱用
プールPにおいて、移動孔30及び排出孔29をプール
体16の側面に設けたが、底面に設けることができる。
この場合、集合体Hを形成するにあたって、育苗箱用プ
ールPを縦に積み重ねることも可能になる。また、水稲
の育苗箱用プールPを乗せる架台を備えて、育苗箱を眼
前に位置させ育苗作業を容易にさせることもできる。ま
た、上記実施の形態に係る水稲の育苗箱用プールの集合
体Hにおいて、排出孔29を接続部材31に設けること
もできる。また、プール体16の下に断熱用のシートを
敷設させれば、水槽部11内の保温性を高めるととも
に、プール体16の底部の破損を防止することにも寄与
する。
【0022】また、図4(a)には、形状の異なる包持
部13を用いた場合の水稲の育苗箱用プールPが示され
る。この育苗箱用プールPは、包持部13が水槽部11
の側面上部に設けられ水槽部11が入れられた枠体10
を上から包持する上包持体14のみで構成されたこと以
外は前述の育苗箱用プールPと同様の作用効果を奏す
る。この育苗箱用プールPは、下包持体15が無い分構
成が簡易になる。また、図4(b)には、形状の異なる
棒状体22を用いた場合の水稲の育苗箱用プールPの構
成例が示される。棒状体22は、開口に張られる直線状
の張部50と張部50に直角に設けられプール体の外壁
に接する外接部51とプール体16の内壁に接する内接
部52とから構成される。この棒状体22を用いれば、
上部からプール体16の側部を内接部52と外接部51
とで挟み込むことで容易に棒状体22を開口に張らさせ
ることができる。
【0023】次に、本発明の開発過程で提案された水稲
の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体Hにつ
いて、参考のため挙げて説明する。尚、上記と同様のも
のには同一の符号を付して説明する。図5(図1と同様
の断面斜視図)及び図6に示す水稲の育苗箱用プールP
は、空気注入孔40を備え側部に空気を注入することで
立設されて水が入れられるとともに育苗箱bが列設され
る水槽部11からなる重畳可能なプール体16により構
成される。水槽部11は、連続した複数の空気封入袋4
1からなる側部とシート状の底部とから構成されてい
る。空気封入袋41は、空気の注入により所定の大きさ
の直方体を呈する枠を形成し、底部とで水が入れられる
凹部12を形成する。呈する直方体の高さは、育成する
稚苗の高さより高ければよい。水槽部11は、強度に優
れ軽量にて持ち運びが便利な材質であればよく、ここで
は折り畳み可能で携帯性に優れたビニルシートを二重に
して形成している。また、空気封入袋41には隣接する
空気封入袋41内を連絡する通空孔43が上下の内壁に
設けられた敷居44により形成されており個々の空気封
入袋41が密閉した空間を有するものではなく、直方体
を構成する側部毎に空気封入袋41による1つの連続す
る空間を形成する。この場合、1つの連続する空間対応
に空気注入孔40が設けられている。図5においては、
5つの空気封入袋41から1つの側部が形成されてい
る。また、図6に示すように、空気封入袋41内部に
は、内壁間隔を維持する膨張防止部45が設けられてい
る。膨張防止部45としては、空気封入袋41の所定の
容積が越えないように、相対する内部壁間隔を維持する
機構からなる。ここでは、通空孔43の前後に設けられ
空気封入袋41の相対する内壁間隔を維持させる材質か
らなる敷居44を膨張防止部45としている。敷居44
は、内壁を直接形成しない所定の箇所に縫い付けてある
(空気が抜けないようにしてある)。空気注入孔40は
所定の空気封入袋41の外部に設けられており、ここか
ら注入された空気は通空孔43を介して側部を形成する
空気封入袋41に供給される。
【0024】また、水稲の育苗箱用プールPは、水槽部
11の開口を跨いで縁部46同士を連絡させる連絡手段
21を備えている。連絡手段21は、主に水槽部11に
水が入れられた際にその水圧により水槽部11の形状に
歪が生じるのを防ぐための手段であり、水槽部11の外
周に連設された縁部46と縁部46に設けられた複数の
孔47と孔47を介して縁部46を連絡させる棒状体2
2とで構成される。孔47には補強用の金属からなるリ
ング部材が設けられている。棒状体22は、両端に内側
に折り曲げられた鈎が設けられた鉄棒を用いた。連絡さ
せる縁部46の孔47に鈎を掛けるだけで開口に鉄棒を
張ることができる。また、水槽部11の開口には開口を
被覆する保温シート23を敷設した。保温シート23の
周端には金属からなるリング部材で外郭が補強された複
数の孔25が設けられており、その孔25と縁部46の
孔47とに両端にフックが設けられたロープのフックを
掛けて連絡し保温シート23を固定させることができ
る。また、水槽部11の内周には、外部から供給される
温水が循環する温水ホース26を配設した。温水ホース
26は、前述の実施の形態における育苗箱用プールPと
同様に図2に示す如く配設している。同様に、プール体
16の側面には、空気封入袋41を貫通して水槽部11
から水を排出させる排出孔29を設けている。
【0025】以上の如くして得られた水稲の育苗箱用プ
ールPは、複数備え所定の育苗箱用プールの集合体Hに
することにより大量の稚苗を育成できる。前述した実施
の形態と同様に、図3に示すように、プール体16の側
面に、水槽部11の内外へ水が移動可能な移動孔30が
設けられ、育苗箱用プールの集合体Hは、中空に形成さ
れ移動孔30に嵌入して育苗箱用プールPを移動孔30
を介して接続し育苗箱用プールP間に水の移動径路を形
成する接続部材31で接続して構成される。
【0026】従って、この水稲の育苗箱用プールP及び
育苗箱用プールの集合体Hに依れば、以下のようにして
水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体H
の設営が行なわれ、利用後に解体される。 (水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体
Hの設営) 育苗箱用プールPに利用できる簡易ハウスを構築してお
く。この簡易ハウスは、他のハウス栽培にも利用できる
汎用性を備える。育苗時期に、簡易ハウス内に育苗箱用
プールP(育苗箱用プールの集合体H)の領域を確保し
平坦にしておく。先ず、簡易ハウス内の所定位置にプー
ル体16を配置する。そして、空気注入孔40から空気
封入袋41に空気を注入する。空気の注入は適度の内圧
が生じるまで行なう。このように、育苗箱用プールPの
基本枠組は、プール体16に空気を注入するだけで容易
に形成することができる。従来のように盛り土をした
り、角材を用いたりして枠を形成する必要がなくなる。
次いで、温水ホース26を前述の実施の形態の場合と同
様に水槽部11の内周に配設させる。このようにして、
水槽部11に育苗箱bを列設する準備が完了する。水槽
部11に育苗箱bを列設した後、凹部12の開口を跨ぐ
ように複数の孔47の所望の対に鈎を掛けて鉄棒を取付
ける。水槽部11に水が入れられると水の重量により開
口部分が下方に引かれるが、鉄棒により開口が引かれる
のを抑えることができる。次いで、開口上に張り渡した
鉄棒の上に保温シート23を被覆する。保温シート23
は、端部に形成された孔25と孔47とにロープを通し
連絡させる。保温シート23を被覆することにより、水
槽部11内の保温性を高めることができる。また、保温
シート23は鉄棒を介して被覆されるので、育苗箱b内
に保温シート23が垂れ込まず、保温シート23を汚す
ことなく育苗環境に悪影響を与えることもない。育苗箱
用プールの集合体Hの形成及び解体は、前述した実施の
形態に係る水稲の育苗箱用プールの集合体Hと同様にし
て行なわれる。ただし、プール体16は枠体10を必要
としないため、プール体16自体を折り畳んで収納させ
ることができ収納性に優れている。
【0027】尚、上記水稲の育苗箱用プールPにおい
て、空気封入袋41に空気を注入したが、空気封入袋4
1に所望の材質を用いることで水を注入させることもで
きる。この場合、育苗箱用プールPは、空気封入袋41
に注入される水の重量が加えられ配置安定性が向上す
る。また、育苗箱用プールPの形状は、限定されず遊戯
用プールのように円状であってもよい。また、水稲の育
苗箱用プールPを乗せる架台を利用し、育苗箱bを眼前
に位置させ育苗作業を容易にさせることもできる。ま
た、プール体16の下に断熱用のシートを敷設させれ
ば、水槽部11内の保温性を高めるとともに、プール体
16の底部の破損を防止することにも寄与する。
【0028】次に、本発明の開発過程で提案された別の
水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体H
について、参考のため挙げて説明する。尚、上記と同様
のものには同一の符号を付して説明する。図7に示す水
稲の育苗箱用プールPは、側面に補強が施され水が入れ
られるとともに育苗箱bが列設される箱状の水槽部11
からなるプール体16により構成される。水槽部11
は、軽量にて持ち運びが便利な材質であればよく、ここ
では開口から底部を入れて積み重ねることができる軽量
性に優れた合成樹脂(FRP)からなる箱で形成されて
いる。水槽部11の高さは、育成する苗の高さより高け
ればよい。また、水槽部11の側面には、強度補強のた
め格子状を呈する凹凸模様が形成されている。また、水
稲の育苗箱用プールPには、水槽部11の開口を跨いで
縁部46同士を連絡させる連絡手段21を備えている。
連絡手段21は、水槽部11に水が入れられた際にその
水圧により水槽部11の形状に歪が生じるのを防ぐため
の手段であり、水槽部11の外周に連設された縁部46
と縁部46に設けられた複数の孔47と孔47を介して
縁部46を開口を跨いで連絡させる棒状体22とで構成
される。孔47の外郭には補強用のリング部材が設けら
れている。棒状体22としては両端に内側に折り曲げら
れた鈎が設けられた鉄棒を用い、縁部46の孔47に鈎
を掛けて開口上に鉄棒を張った。また、水槽部11の開
口を被覆する保温シート23が開口上に張られた鉄棒の
上から敷設されている。また、水槽部11の内周に外部
から供給される温水が循環する温水ホース26を配設し
た。温水ホース26は、前述の実施の形態における育苗
箱用プールPと同様に図2に示す如く配設している。同
様に、プール体16の側面には、側面を貫通して水槽部
11から水を排出させる排出孔29を設けている。
【0029】以上の如くして得られた水稲の育苗箱用プ
ールPは、複数備えて所定の育苗箱用プールの集合体H
にすることによって、大量の苗を育成可能にする。前述
した実施の形態と同様に、図3に示すように、プール体
16の側面に、水槽部11の内外へ水が移動可能な移動
孔30が設けられ、育苗箱用プールの集合体Hは、中空
に形成され移動孔30に嵌入して育苗箱用プールPを移
動孔30を介して接続し育苗箱用プールP間に水の移動
径路を形成する接続部材31で接続して構成される。
【0030】従って、この別の水稲の育苗箱用プールP
及び育苗箱用プールの集合体Hに依れば、以下のように
して水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合
体Hの設営が行なわれ、利用後に解体される。 (水稲の育苗箱用プールP及び育苗箱用プールの集合体
Hの設営) 育苗箱用プールPに利用できる簡易ハウスを構築してお
く。この簡易ハウスは、他のハウス栽培にも利用できる
汎用性を備える。育苗時期に、簡易ハウス内に育苗箱用
プールP(育苗箱用プールの集合体H)の領域を確保し
平坦にしておく。先ず、簡易ハウス内の所定位置にプー
ル体16を配置する。従来のように盛り土をしたり、角
材を用いたりして枠を形成する必要がなくなる。次い
で、温水ホース26を前述の実施の形態の場合と同様に
水槽部11の内周に配設させる。このようにして、水槽
部11に育苗箱bを列設する準備が完了する。水槽部1
1に育苗箱bを列設した後、凹部12の開口を跨ぐよう
に複数の孔47の所望の対に鈎を掛けて鉄棒を取付け
る。水槽部11に水が入れられると水の重量により水槽
部11の形状に歪(外側に広がろうとする)が生じる
が、鉄棒を張ることにより歪を抑えることができる。次
いで、開口上に張り渡した鉄棒の上に保温シート23を
被覆する。保温シート23も、端部に形成された孔25
と孔47とにロープを通し連絡させる。保温シート23
を被覆することにより、水槽部11内の保温性を高める
ことができる。育苗箱用プールの集合体Hの形成及び解
体は、前述した実施の形態に係る水稲の育苗箱用プール
の集合体Hの場合と同様にして行なわれる。ただし、水
槽部11は箱であるため重畳させて収納させることはで
きないが、図8に示すように箱を積み重ねることができ
るので収納性に優れている。
【0031】尚、この水稲の育苗箱用プールPにおい
て、水槽部11を構成する箱を分解可能にすることがで
きる。この場合、育苗箱用プールPの収納性が高められ
る。また、プール体16の下に断熱用のシートを敷設さ
せれば、水槽部11内の保温性を高めるとともに、プー
ル体16の底部の破損を防止することにも寄与する。
【0032】次に、本発明の実施の形態に係る水稲の育
苗箱用プール及び育苗箱用プールの集合体を用いた水稲
の育苗方法について説明する。この水稲の育苗方法は、
図1に示す育苗箱用プールPを利用した。水稲の育苗方
法は、図9〜図12に示すように、通水性の育苗箱bの
苗床に種籾を播種する播種工程Aと、播種工程A後に育
苗箱bを育苗箱用プールPに移設して種籾を稚苗まで育
成させる育成工程Bとを備える。播種工程Aは、図9に
示すように次の(1)〜(3)の工程から構成されてい
る。 (1)先ず、育苗箱bに床土(育苗箱用のマットでも良
い)を敷設する(図9(1)参照)。 (2)床土の上に種籾を播く。播種は所望に応じて催芽
状態の種を用いることができる(図9(2)参照)。 (3)所望に応じて、播種した床土の上に、種籾が見え
ない程度に覆土を敷設する(図9(3)参照)。以上、
播種工程Aにより、種籾を育苗箱bに固定する。
【0033】育成工程Bは、図10及び図11に示すよ
うに次の(4)〜(14)の工程から構成されている。 (4)播種が行なわれた育苗箱bをハウス内に設営した
上述の育苗箱用プールPに運搬し列設する。育苗箱bに
は灌水が施されないので多量の水が含まれず、水の重量
が加算しない分運搬作業が容易になる(図10(4)参
照)。 (5)育苗箱bの列設を終えたら、プール体16の開口
に棒状体22を張る(図10(5)参照)。 (6)次いで、給水を行なう移動孔30から育苗箱用プ
ールPに給水を行なう。給水の際は、排出孔29に栓3
2をして育苗箱b全体を浸す程度の給水を行なう(図1
0(6)参照)。 (7)所定の給水量が育苗箱用プールPに供給された
後、排出孔29の栓32を外し速やかに排水を行なう。
排出孔29を自由に開閉状態にすることができるので、
育苗箱bに対する灌水を育苗箱用プールPに育苗箱bを
移設した後に行なうことができる(図10(7)参
照)。 (8)排水後、育苗箱用プールPの温水ホース26には
温水が循環される。このとき育苗箱用プールP内の温度
は、温水ホース26に温水を循環させることにより昼夜
30℃程度を保つようにしている(図10(8)参
照)。 (9)また、育苗箱用プールPには棒状体22を介して
保温シート23を敷設する。保温シート23は、床土及
び覆土に浸透した水分が水槽内から失われるのを防ぐと
ともにプール内部の温度低下を防ぎ、幼芽期間中(葉が
出ていない間)敷設して種籾の育成を促進させる(図1
0(9)参照)。このとき用いる保温シート23は遮光
性のものが好ましい。 (10)育苗箱b全面に幼芽が現われたら温水の循環を
停止する。幼芽が緑化するまで現状を維持する(図10
(10)参照)。 (11)緑化が育苗箱b全面に広がったら保温シート2
3を外し、前記の給水と同様にして育苗箱bの覆土上面
迄給水を行なう(図10(11)参照)。 (12)給水後、温水ホース26に温水の循環を開始し
て給水により供給された水の温度を所望値に上昇させる
(図10(12)参照)。 (13)更に、育苗箱用プールPには棒状体22を介し
て保温シート23が敷設され、育苗箱用プールP内部の
温水の温度低下を防ぐ(図10(13)参照)。このと
き用いる保温シート23は透光性のものが好ましい。 (14)苗の成長度合いを観て温水の循環を停止する。
このとき育苗箱用プールP内の温度は、昼においては1
0℃〜30℃を保つように、夜においては5℃以下にな
らないように(特に霜にあたるのを防ぐ)ハウスのサイ
ドシートを開閉して調整する(図10(14)参照)。 (15)苗が所望に成長したら、保温シート23を外し
苗の成長に応じて深水にする。このときハウス内の温度
は、昼においては10℃〜30℃を保つように、夜にお
いては5℃以下にならないように(特に霜にあたるのを
防ぐ)ハウスのサイドシートを開閉して通気させて調整
し苗の硬化を促す(図10(15)参照)。このように
して、種籾の催芽,幼芽,緑化,硬化を経て水稲の稚苗
を得ることができる。 (16)田植の1〜2日前になったら、排出孔29を開
状態にして排水を行ない育苗箱用プールPの水切りを行
なう。得られた稚苗は、その後田に植えられる(図10
(16)参照)。
【0034】一方、温水ホース26が配設されていない
水稲の育苗箱用プールPにおいて、上述した育成工程B
の(8)以降の工程は、図10(8’)〜図12に示す
ようにして行なわれる。 (8’)排水後、育苗箱用プールPに保温シート23を
敷設する。保温シート23は、床土及び覆土に浸透した
水分が水槽内から失われるのを防ぐとともにプール内部
の温度低下を防ぎ、緑化する迄敷設して種籾の育成を促
進させる(図10(8’)参照)。このとき用いる保温
シート23は遮光性のものが好ましい。 (9’)育苗箱b全面に緑化が広がったら、保温シート
23を外す(図12(9’)参照)。 (10’)次いで、前記の給水と同様にして育苗箱bの
覆土上面迄給水を行なう(図12(10’)参照)。 (11’)苗の育成状態に応じて深水にて育成を行な
う。このとき育苗箱用プールP内の温度は、昼において
は10℃〜30℃を保つように、夜においては5℃以下
にならないように(特に霜にあたるのを防ぐ)ハウスの
サイドシートを開閉して調整し低温育成を行なう(図1
2(11’)参照)。このようにして、種籾の催芽,幼
芽,緑化,硬化を経て水稲の稚苗を得ることができる。 (12’)田植の1〜2日前になったら、排出孔29を
開状態にして排水を行ない育苗箱用プールPの水切りを
行なう。得られた稚苗は、その後田に植えられる(図1
2(12’)参照)。
【0035】また、育苗箱用プールPをハウス内に設営
せずに露地に設営した場合には、前述の図1に示す育苗
箱用プールPを利用した場合と同様に水稲の育苗が行な
われる。即ち、育苗過程は、図9〜図11に示す(1)
〜(16)に示す通りである。
【0036】尚、上記水稲の育苗方法において、育苗箱
用プールPの代わりに育苗箱用プールの集合体Hを利用
することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水稲の育
苗箱用プールによれば、枠体と、枠体の内側に嵌められ
て水が入れられるとともに育苗箱が列設される水槽部及
び水槽部の外周に連設され枠体を包持する包持部を有し
た可撓性樹脂で形成されたプール体と、プール体の包持
部を枠体に止着する止着手段と、プール体の側面に、枠
体を貫通して上記水槽部から水を排出させる排出孔とを
備えたので、排水能に優れた育苗箱用プールを容易に設
営させることができる。また、包持部を、水槽部の側面
上部に設けられ枠体を上から包持する上包持体と、水槽
部の側面底部に設けられ枠体を下から包持する下包持体
とを備えて構成し、止着手段を、上包持体に形成した上
孔と、下包持体に形成した下孔と、上孔及び下孔を連通
して結着させる紐状体とを備えて構成した場合には、枠
体に包持部を強固に止着させるのでプール体の設置を安
定させることができる。更に、水槽部の開口を被覆する
保温シートと、水槽部の開口を跨いで上包持体同士を連
絡させる連絡手段を備えた場合には、水槽部の歪を抑え
てプール体の設置安定性を向上させることができ、保温
シートの被覆を容易にさせる。更にまた、連絡手段を、
水槽部の開口を跨いで上孔間を連通して連絡させる棒状
体を備えた場合には、連絡の強度を強くし連絡作業を容
易にさせる。また、水槽部の内周に外部から温水が供給
される温水ホースを配設した場合には、所望の温度環境
を実現させることができる。
【0038】また、本発明の育苗箱用プールの集合体に
よれば、水稲の育苗箱用プールを複数備えた育苗箱用プ
ールの集合体において、プール体の側面に、水槽部の内
外へ水が移動可能な移動孔を設け、中空に形成され移動
孔に嵌入して育苗箱用プールを移動孔を介して接続し育
苗箱用プール間に水の移動径路を形成する接続部材で接
続したので、接続された育苗箱用プールの育苗環境を共
通にして大量の苗を育成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プー
ルを示す斜視断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プー
ルを示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プー
ルの集合体を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プー
ルを示す図であり、(a)は包持部の形状を変えた育苗
箱用プールを示す斜視断面図であり、(b)は棒状体の
形状を変えた育苗箱用プールを示す斜視断面図である。
【図5】本発明の開発過程で提案した水稲の育苗箱用プ
ールを説明する斜視断面図である。
【図6】本発明の開発過程で提案した水稲の育苗箱用プ
ールの空気封入袋を説明する図であり、(a)は正面断
面図であり、(b)は内部斜視図であり、(c)は内部
側面図である。
【図7】本発明の開発過程で提案した水稲の育苗箱用プ
ールを説明する斜視断面図である。
【図8】本発明の開発過程で提案した別の水稲の育苗箱
用プールの収納例を示す説明図である。
【図9】本発明の開発過程で提案した別の水稲の育苗方
法の工程を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プ
ールを用いて行なう水稲の育苗方法の工程を示す説明図
である。
【図11】本発明の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プ
ールを用いて行なう水稲の育苗方法の工程を示す説明図
である。
【図12】本発明の実施の形態に係る水稲の育苗箱用プ
ールを用いて行なう水稲の育苗方法の工程を示す説明図
である。
【図13】従来の水稲の育苗方法の工程を示す説明図で
ある。
【図14】従来の水稲の育苗方法の工程を示す説明図で
ある。
【図15】従来の水稲の育苗方法の工程を示す説明図で
ある。
【図16】従来の育苗箱用プールを示す斜視図である。
【符号の説明】
P 水稲の育苗箱用プール H 育苗箱用プールの集合体 b 育苗箱 1 枠部 2 プール体 3 止着手段 10 枠体 11 水槽部 12 凹部 13 包持部 14 上包持体 15 下包持体 16 プール体 17 止着手段 18 上孔 19 下孔 20 紐状体 21 連絡手段 22 棒状体 23 保温シート 25 孔 26 温水ホース 27 導入孔 28 導出孔 29 排出孔 30 移動孔 31 接続部材 32 栓 40 空気注入孔 41 空気封入袋 43 通空孔 44 敷居 45 膨張防止部 46 縁部 47 孔 50 張部 51 外接部 52 内接部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水稲の育苗箱が列設され苗を育成させる
    ため該育苗箱に水が供給される水稲の育苗箱用プールに
    おいて、 枠体と、 該枠体の内側に嵌められて水が入れられるとともに上記
    育苗箱が列設される水槽部及び該水槽部の外周に連設さ
    れ上記枠体を包持する包持部を有した可撓性樹脂で形成
    されたプール体と、該プール体の包持部を上記枠体に止着する止着手段と、 該プール体の側面に上記枠体を貫通して上記水槽部から
    水を排出させる排出孔とを備えて構成したことを特徴と
    する水稲の育苗箱用プール。
  2. 【請求項2】 上記包持部を、上記水槽部の側面上部に
    設けられ上記枠体を上から包持する上包持体と、上記水
    槽部の側面底部に設けられ上記枠体を下から包持する下
    包持体とを備えて構成し、 上記止着手段を、上記上包持体に形成した上孔と、上記
    下包持体に形成した下孔と、上記上孔及び下孔を連通し
    て結着させる紐状体とを備えて構成したことを特徴とす
    請求項1記載の水稲の育苗箱用プール。
  3. 【請求項3】 上記水槽部の開口を被覆する保温シート
    と、上記水槽部の開口を跨いで上記上包持体同士を連絡
    させる連絡手段とを備えたことを特徴とする請求項2記
    の水稲の育苗箱用プール。
  4. 【請求項4】 上記連絡手段を、上記水槽部の開口を跨い
    で上記上孔間を連通して連絡させる棒状体を備えて構成
    したことを特徴とする請求項3記載の水稲の育苗箱用プ
    ール。
  5. 【請求項5】 上記水槽部の内周に外部から温水が供給
    される温水ホースを配設したことを特徴とする請求項
    1,2,3または4記載の水稲の育苗箱用プール。
  6. 【請求項6】 上記請求項1,2,3,4または5記載
    の水稲の育苗箱用プールを複数備えた育苗箱用プールの
    集合体において、 上記プール体の側面に、上記枠体を貫通して上記水槽部
    の内外へ水が移動可能な移動孔を設け、 中空に形成され上記移動孔に嵌入して育苗箱用プールを
    移動孔を介して接続し育苗箱用プール間に水の移動径路
    を形成する接続部材で連絡してなることを特徴とする育
    苗箱用プールの集合体。
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