JP3474844B2 - 陰極線管及びこれを用いた画像表示装置 - Google Patents
陰極線管及びこれを用いた画像表示装置Info
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- JP3474844B2 JP3474844B2 JP2000322804A JP2000322804A JP3474844B2 JP 3474844 B2 JP3474844 B2 JP 3474844B2 JP 2000322804 A JP2000322804 A JP 2000322804A JP 2000322804 A JP2000322804 A JP 2000322804A JP 3474844 B2 JP3474844 B2 JP 3474844B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰極線管(以下、本
明細書ではカラー受像管と称する)及びこれを用いた画
像表示装置に係わり、特にマスクが引張力を印加された
状態で架張されたフレームの支持に使用される弾性支持
体に特徴を備えるカラー受像管及びこれを用いた画像表
示装置に関する。
明細書ではカラー受像管と称する)及びこれを用いた画
像表示装置に係わり、特にマスクが引張力を印加された
状態で架張されたフレームの支持に使用される弾性支持
体に特徴を備えるカラー受像管及びこれを用いた画像表
示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー受像管は、図17に示すように、
周辺に側壁51が形成されたパネル52とこのパネル5
2に接合されたファンネル53からなる外囲器を備え、
パネル有効部の内面にはR,G,Bの3色からなる蛍光
体スクリーン54が形成されている。この蛍光体スクリ
ーン54と対向して多数の電子ビーム通過孔が形成され
たシャドウマスク55が配置される。一方、ファンネル
53のネック56には3つの電子ビームを放出する電子
銃57が配設されており、この3つの電子ビームをファ
ネル53の外側に装着した偏向ヨーク80で発生する磁
界により偏向させ、上記シャドウマスク55を介して蛍
光体スクリーン54を水平、垂直走査することにより、
カラー画像を表示する構造となっている。
周辺に側壁51が形成されたパネル52とこのパネル5
2に接合されたファンネル53からなる外囲器を備え、
パネル有効部の内面にはR,G,Bの3色からなる蛍光
体スクリーン54が形成されている。この蛍光体スクリ
ーン54と対向して多数の電子ビーム通過孔が形成され
たシャドウマスク55が配置される。一方、ファンネル
53のネック56には3つの電子ビームを放出する電子
銃57が配設されており、この3つの電子ビームをファ
ネル53の外側に装着した偏向ヨーク80で発生する磁
界により偏向させ、上記シャドウマスク55を介して蛍
光体スクリーン54を水平、垂直走査することにより、
カラー画像を表示する構造となっている。
【0003】ここで、最近のカラー受像管は、外光の映
り込みが少なく見栄えが良いという点から、パネル面が
平面化してきており、これに伴いシャドウマスク55も
平面化している。シャドウマスク55が平面化してくる
と、シャドウマスク55本体をフレーム58で支持する
のみではその平面を維持できない。また、単にフレーム
58で支持するのみでは、外部からの振動により容易に
シャドウマスク55が振動してしまい、カラー受像管の
表示画像に悪影響を与える。このため、シャドウマスク
55に一定の張力(テンション)を加えてフレーム58
に架張することが行われている。
り込みが少なく見栄えが良いという点から、パネル面が
平面化してきており、これに伴いシャドウマスク55も
平面化している。シャドウマスク55が平面化してくる
と、シャドウマスク55本体をフレーム58で支持する
のみではその平面を維持できない。また、単にフレーム
58で支持するのみでは、外部からの振動により容易に
シャドウマスク55が振動してしまい、カラー受像管の
表示画像に悪影響を与える。このため、シャドウマスク
55に一定の張力(テンション)を加えてフレーム58
に架張することが行われている。
【0004】また、シャドウマスク55に電子ビームが
衝突することによりシャドウマスク55面が変形するド
ーミング現象においても、シャドウマスク55が平面化
することにより、特に画面の左右両端面近傍において電
子ビームの変位量が大きくなる。このためシャドウマス
ク55の架張保持において、電子ビームの衝突による熱
膨張を吸収させるべく、シャドウマスク55には弾性限
界に近い実用最大限の張力を加えることが行われてい
る。
衝突することによりシャドウマスク55面が変形するド
ーミング現象においても、シャドウマスク55が平面化
することにより、特に画面の左右両端面近傍において電
子ビームの変位量が大きくなる。このためシャドウマス
ク55の架張保持において、電子ビームの衝突による熱
膨張を吸収させるべく、シャドウマスク55には弾性限
界に近い実用最大限の張力を加えることが行われてい
る。
【0005】このようなカラー受像管において、蛍光体
スクリーン54上に正しいカラー画像を表示するために
は、蛍光体スクリーン54を構成する3色蛍光体層に対
してシャドウマスク55を所定の整合関係に保持するこ
とが必要である。シャドウマスク55と蛍光体スクリー
ン54との整合関係を崩す要因の一つとして、シャドウ
マスク55の振動がある。先述のようにシャドウマスク
55にはテンションが印加されているが、これだけでは
シャドウマスク55の振動を完全に抑制することは難し
い。シャドウマスク55の振動は、外部から加えられる
振動や衝撃(例えばパネル52の側部に設置したスピー
カー等の振動)が、パネル52から弾性支持体59、フ
レーム58を介してシャドウマスク55に伝達すること
で生じる。シャドウマスク55が振動することでシャド
ウマスク55・蛍光体スクリーン54間の距離が変わ
り、電子ビームのランディングずれが生じる。このため
シャドウマスク55の振動は、できるだけ小さく短時間
で減衰することが望まれる。
スクリーン54上に正しいカラー画像を表示するために
は、蛍光体スクリーン54を構成する3色蛍光体層に対
してシャドウマスク55を所定の整合関係に保持するこ
とが必要である。シャドウマスク55と蛍光体スクリー
ン54との整合関係を崩す要因の一つとして、シャドウ
マスク55の振動がある。先述のようにシャドウマスク
55にはテンションが印加されているが、これだけでは
シャドウマスク55の振動を完全に抑制することは難し
い。シャドウマスク55の振動は、外部から加えられる
振動や衝撃(例えばパネル52の側部に設置したスピー
カー等の振動)が、パネル52から弾性支持体59、フ
レーム58を介してシャドウマスク55に伝達すること
で生じる。シャドウマスク55が振動することでシャド
ウマスク55・蛍光体スクリーン54間の距離が変わ
り、電子ビームのランディングずれが生じる。このため
シャドウマスク55の振動は、できるだけ小さく短時間
で減衰することが望まれる。
【0006】シャドウマスク55の振動を抑制するに
は、シャドウマスク55自身の振動抑制とフレーム58
の振動抑制が必要である。シャドウマスク55自身の振
動を抑制する方法としては、シャドウマスク55の端面
にダンパーを設置する例が報告されている。図18にダ
ンパーの一例を示す。このダンパー61はワイヤーの端
部を折り曲げた構造で、折り曲げた部分をシャドウマス
ク55の孔62に通して設置する。シャドウマスク55
の孔62は、ダンパー61が自由に振動できる程度の大
きさに設定される。シャドウマスク55が振動すると、
シャドウマスク55を振動させるエネルギーの一部がダ
ンパー61を振動させるのに使用され、シャドウマスク
55の振動は減衰する。このようなダンパー61を設置
した構造であっても、シャドウマスク55全域で振動減
衰効果を発揮させるには不十分である。
は、シャドウマスク55自身の振動抑制とフレーム58
の振動抑制が必要である。シャドウマスク55自身の振
動を抑制する方法としては、シャドウマスク55の端面
にダンパーを設置する例が報告されている。図18にダ
ンパーの一例を示す。このダンパー61はワイヤーの端
部を折り曲げた構造で、折り曲げた部分をシャドウマス
ク55の孔62に通して設置する。シャドウマスク55
の孔62は、ダンパー61が自由に振動できる程度の大
きさに設定される。シャドウマスク55が振動すると、
シャドウマスク55を振動させるエネルギーの一部がダ
ンパー61を振動させるのに使用され、シャドウマスク
55の振動は減衰する。このようなダンパー61を設置
した構造であっても、シャドウマスク55全域で振動減
衰効果を発揮させるには不十分である。
【0007】一方、フレーム58の振動を抑制するため
には、フレーム58の振動エネルギーを例えば熱エネル
ギー等に変換して吸収するような作用(以後ダンパー作
用と称する)を付加する必要がある。従来例としては、
特開平9−293459号公報で開示されているよう
に、弾性支持体59自身に摺動部を設けて摩擦によりフ
レーム58の振動を抑制する方法が報告されている。図
19に特開平9−293459号公報に開示された弾性
支持体の構造を示す。図19において、(a)は正面
図、(b)は側面を示す図であり、スタッドピン63
(図20参照)に嵌合する嵌合孔64を備えた嵌合部6
5と、フレーム58に固定される固定部66、及び嵌合
部65と固定部66を繋ぐ連結部67から構成される。
連結部67は途中で溶接により接合され、V型形状にな
っている。固定部66には翼辺68が設置され、この翼
辺68は嵌合部65に設けられた孔69を挿通する構造
である。フレームの振動に伴ってこの弾性支持体が矢印
方向に伸縮作動すると、翼辺68と孔69が摺動するこ
とでダンパー作用となるものである。しかしながら、こ
のような弾性支持体は構造が複雑で作製しにくく、コス
トが高くなるという課題から、実際に採用することは困
難であった。
には、フレーム58の振動エネルギーを例えば熱エネル
ギー等に変換して吸収するような作用(以後ダンパー作
用と称する)を付加する必要がある。従来例としては、
特開平9−293459号公報で開示されているよう
に、弾性支持体59自身に摺動部を設けて摩擦によりフ
レーム58の振動を抑制する方法が報告されている。図
19に特開平9−293459号公報に開示された弾性
支持体の構造を示す。図19において、(a)は正面
図、(b)は側面を示す図であり、スタッドピン63
(図20参照)に嵌合する嵌合孔64を備えた嵌合部6
5と、フレーム58に固定される固定部66、及び嵌合
部65と固定部66を繋ぐ連結部67から構成される。
連結部67は途中で溶接により接合され、V型形状にな
っている。固定部66には翼辺68が設置され、この翼
辺68は嵌合部65に設けられた孔69を挿通する構造
である。フレームの振動に伴ってこの弾性支持体が矢印
方向に伸縮作動すると、翼辺68と孔69が摺動するこ
とでダンパー作用となるものである。しかしながら、こ
のような弾性支持体は構造が複雑で作製しにくく、コス
トが高くなるという課題から、実際に採用することは困
難であった。
【0008】加えて、シャドウマスク55は、このシャ
ドウマスク55をフォトマスクとして写真印刷法により
形成される蛍光体スクリーン54の形成工程において、
複数回の着脱が要求される。そのため、シャドウマスク
55が架張されたフレーム58を装着保持する弾性支持
体59については、着脱が容易でありかつその着脱に対
して再現性良く同一位置に装着できることが必要であ
る。さらに、振動抑制に加えて、弾性支持体59には下
記の特性も要求される。(1)ドーミング特性、冷高温
特性の改善。(2)耐衝撃性の確保。
ドウマスク55をフォトマスクとして写真印刷法により
形成される蛍光体スクリーン54の形成工程において、
複数回の着脱が要求される。そのため、シャドウマスク
55が架張されたフレーム58を装着保持する弾性支持
体59については、着脱が容易でありかつその着脱に対
して再現性良く同一位置に装着できることが必要であ
る。さらに、振動抑制に加えて、弾性支持体59には下
記の特性も要求される。(1)ドーミング特性、冷高温
特性の改善。(2)耐衝撃性の確保。
【0009】上記(1)のドーミング特性(現象)と
は、先述のように電子ビームの衝突によりシャドウマス
ク55の温度が上昇してパネル52(通常はガラス)と
の間に温度差が生じ、シャドウマスク55とパネル52
を構成する材料の熱膨張率の差で所定の整合関係がずれ
る現象である。冷高温特性も同様で、パネル52の周辺
温度環境によるシャドウマスク55とパネル52との温
度差で両者の位置整合関係がすれる現象である。いずれ
もシャドウマスク55とパネル52との温度差で両者の
位置整合関係がすれる現象であり、色ずれ・色むらの原
因となる。これらのずれは、シャドウマスク55に張力
を加えても完全に吸収することはできない。従って、相
対的にシャドウマスク55が膨張した場合には、シャド
ウマスク55と蛍光体スクリーン54が形成されたパネ
ル内面との距離を小さくして、両者の位置ずれを吸収し
なければならない。逆にパネル52が膨張した場合は、
シャドウマスク55とパネル52との間の距離を広げる
必要がある。このように、弾性支持体59には、パネル
52とシャドウマスク55との温度差に応じて、シャド
ウマスク55の位置を変位させる機能が必要である。
は、先述のように電子ビームの衝突によりシャドウマス
ク55の温度が上昇してパネル52(通常はガラス)と
の間に温度差が生じ、シャドウマスク55とパネル52
を構成する材料の熱膨張率の差で所定の整合関係がずれ
る現象である。冷高温特性も同様で、パネル52の周辺
温度環境によるシャドウマスク55とパネル52との温
度差で両者の位置整合関係がすれる現象である。いずれ
もシャドウマスク55とパネル52との温度差で両者の
位置整合関係がすれる現象であり、色ずれ・色むらの原
因となる。これらのずれは、シャドウマスク55に張力
を加えても完全に吸収することはできない。従って、相
対的にシャドウマスク55が膨張した場合には、シャド
ウマスク55と蛍光体スクリーン54が形成されたパネ
ル内面との距離を小さくして、両者の位置ずれを吸収し
なければならない。逆にパネル52が膨張した場合は、
シャドウマスク55とパネル52との間の距離を広げる
必要がある。このように、弾性支持体59には、パネル
52とシャドウマスク55との温度差に応じて、シャド
ウマスク55の位置を変位させる機能が必要である。
【0010】またカラー受像器を搬送する際には、不慮
の事態(例えば荷崩れなど)により、通常の使用状態で
は考えられない衝撃が加わることがある。この衝撃で弾
性支持体59の塑性変形や嵌合部挫屈によりシャドウマ
スク55が変位すると、シャドウマスク・パネル間の位
置整合にずれが生じる。このため弾性支持体59には、
特定の衝撃(加速度)が加わった時でもシャドウマスク
55に変位を生じさせない強度が必要である。
の事態(例えば荷崩れなど)により、通常の使用状態で
は考えられない衝撃が加わることがある。この衝撃で弾
性支持体59の塑性変形や嵌合部挫屈によりシャドウマ
スク55が変位すると、シャドウマスク・パネル間の位
置整合にずれが生じる。このため弾性支持体59には、
特定の衝撃(加速度)が加わった時でもシャドウマスク
55に変位を生じさせない強度が必要である。
【0011】以上のように、フレーム、シャドウマス
ク、弾性支持体からなる構造体(以後これをフレーム構
造体と称する)は、シャドウマスクの振動抑制、ドーミ
ング・冷高温特性、耐衝撃性、について総合的に優れた
特性が望まれる。
ク、弾性支持体からなる構造体(以後これをフレーム構
造体と称する)は、シャドウマスクの振動抑制、ドーミ
ング・冷高温特性、耐衝撃性、について総合的に優れた
特性が望まれる。
【0012】以下に、従来のフレ−ム構造体の一例を示
す。図20(a)は、フレーム58が帯板状の弾性支持
体60によりパネル62に設置されている状態を示す全
体図であり、図20(b)は、帯板状の弾性支持体60
を示す拡大図である。帯板状の弾性支持体60は、パネ
ル62のスタッドピン63に係止する係止部60(a)
と、フレームに固定される固定部60(b)と、係止部
60(a)と固定部60(b)を繋ぐ連結部60(c)
とから構成される。このような帯状の弾性支持体はTC
M型と称され、耐衝撃性に優れるという特徴がある。ま
た、ドーミング・冷高温対策のために熱膨張の異なる2
種類の材料α(斜線部)とβ(非斜線部)とからなるバ
イメタル構造を備える。しかしながら、この弾性支持体
60は、弾性支持体60自身の温度が変化しないとバイ
メタル効果が発揮されないため、環境変化や急激なシャ
ドウマスク温度上昇に対しての応答性が悪いという課題
がある。また弾性支持体60の温度変化量が小さいため
に補正量は大きくとれず、パネル材料と熱膨張係数が大
きく異なるシャドウマスク材料は使用できないという課
題があった。
す。図20(a)は、フレーム58が帯板状の弾性支持
体60によりパネル62に設置されている状態を示す全
体図であり、図20(b)は、帯板状の弾性支持体60
を示す拡大図である。帯板状の弾性支持体60は、パネ
ル62のスタッドピン63に係止する係止部60(a)
と、フレームに固定される固定部60(b)と、係止部
60(a)と固定部60(b)を繋ぐ連結部60(c)
とから構成される。このような帯状の弾性支持体はTC
M型と称され、耐衝撃性に優れるという特徴がある。ま
た、ドーミング・冷高温対策のために熱膨張の異なる2
種類の材料α(斜線部)とβ(非斜線部)とからなるバ
イメタル構造を備える。しかしながら、この弾性支持体
60は、弾性支持体60自身の温度が変化しないとバイ
メタル効果が発揮されないため、環境変化や急激なシャ
ドウマスク温度上昇に対しての応答性が悪いという課題
がある。また弾性支持体60の温度変化量が小さいため
に補正量は大きくとれず、パネル材料と熱膨張係数が大
きく異なるシャドウマスク材料は使用できないという課
題があった。
【0013】また、このフレーム構造体において、フレ
ーム58のコーナー部74はフリーであるために振動が
発生しやすく、TCM型の弾性支持体にはダンパー効果
が無いために一度振動が発生するとなかなか減衰せず、
その結果シャドウマスクも振動して画質に色ずれ等の悪
影響を及ぼすという課題があった。
ーム58のコーナー部74はフリーであるために振動が
発生しやすく、TCM型の弾性支持体にはダンパー効果
が無いために一度振動が発生するとなかなか減衰せず、
その結果シャドウマスクも振動して画質に色ずれ等の悪
影響を及ぼすという課題があった。
【0014】図21に、別の従来例のフレーム構造体を
示す。同図に示すようにパネル70の対角部の内側壁に
スタッドピン71を設け、そのスタッドピン71に係止
する係止部72(a)、フレームに固定される固定部7
2(b)、及びこれら係止部72(a)と固定部72
(b)とを繋ぐV型形状の連結部72(c)とから構成
され、その連結部72(c)を蛍光体スクリーン側にし
て装着するものがある。しかしながらこの構成では、次
の課題がある。
示す。同図に示すようにパネル70の対角部の内側壁に
スタッドピン71を設け、そのスタッドピン71に係止
する係止部72(a)、フレームに固定される固定部7
2(b)、及びこれら係止部72(a)と固定部72
(b)とを繋ぐV型形状の連結部72(c)とから構成
され、その連結部72(c)を蛍光体スクリーン側にし
て装着するものがある。しかしながらこの構成では、次
の課題がある。
【0015】(1)パネル70の対角部に弾性支持体7
2を設置するために、パネル70とフレーム73との間
の隙間が狭く、装着が難しい。このためフレーム73の
パネル70への装着組立が容易ではなく、弾性支持体7
2やスタッドピン71、パネル70の損傷による歩留ま
りの低下が課題となる。 (2)パネル70の対角部に設置するために弾性支持体
72の幅は大きくできず、耐衝撃特性が悪い。
2を設置するために、パネル70とフレーム73との間
の隙間が狭く、装着が難しい。このためフレーム73の
パネル70への装着組立が容易ではなく、弾性支持体7
2やスタッドピン71、パネル70の損傷による歩留ま
りの低下が課題となる。 (2)パネル70の対角部に設置するために弾性支持体
72の幅は大きくできず、耐衝撃特性が悪い。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来の課題を解決し、外部振動に強く、ドーミング・
冷高温特性、耐衝撃性にも優れ、かつ組み立てやすい構
成のカラー受像管及びこれを用いた画像表示装置を提供
するものである。
な従来の課題を解決し、外部振動に強く、ドーミング・
冷高温特性、耐衝撃性にも優れ、かつ組み立てやすい構
成のカラー受像管及びこれを用いた画像表示装置を提供
するものである。
【0017】上記目的を達成するために、本願発明は、
少なくとも、蛍光体スクリーンが形成されたパネルと、
複数の電子ビーム通過部を備えたマスクと、このマスク
が保持されたフレームとを備え、前記蛍光体スクリーン
とマスクとが対向した状態で、前記パネルと前記フレー
ムとが複数の弾性支持体で装着保持される陰極線管であ
って、前記複数の弾性支持体が実質的にフレームの縦横
各中央部に設けられ、且つ、フレームの縦方向中央部に
設けられた弾性支持体と、横方向中央部に設けられた弾
性支持体とのバネ定数が実質的に異なることを特徴とす
る。
少なくとも、蛍光体スクリーンが形成されたパネルと、
複数の電子ビーム通過部を備えたマスクと、このマスク
が保持されたフレームとを備え、前記蛍光体スクリーン
とマスクとが対向した状態で、前記パネルと前記フレー
ムとが複数の弾性支持体で装着保持される陰極線管であ
って、前記複数の弾性支持体が実質的にフレームの縦横
各中央部に設けられ、且つ、フレームの縦方向中央部に
設けられた弾性支持体と、横方向中央部に設けられた弾
性支持体とのバネ定数が実質的に異なることを特徴とす
る。
【0018】上記構成の如く、フレームの縦方向中央部
に設けられた弾性支持体と、横方向中央部に設けられた
弾性支持体とのバネ定数が実質的に異なると、振動の抑
制が容易な単振動モードが強くなっていくので、フレー
ム振動を抑制することができる。
に設けられた弾性支持体と、横方向中央部に設けられた
弾性支持体とのバネ定数が実質的に異なると、振動の抑
制が容易な単振動モードが強くなっていくので、フレー
ム振動を抑制することができる。
【0019】なお、前記弾性支持体は、前記フレームに
設置された保持板に固定されることが好ましい。
設置された保持板に固定されることが好ましい。
【0020】上記構成であれば、弾性支持体がフレーム
に設置された保持板に固定されているので、フレーム間
が同一平面上に位置しない場合であっても、保持板の延
設方向を調節することにより、弾性支持体を同一平面内
に配置することができる。
に設置された保持板に固定されているので、フレーム間
が同一平面上に位置しない場合であっても、保持板の延
設方向を調節することにより、弾性支持体を同一平面内
に配置することができる。
【0021】ここで、上記本発明において、弾性支持体
が、フレームに固定される固定部、パネル側壁の内面に
設けられたスタッドピンに嵌合する嵌合部、及びこれら
固定部と嵌合部とを繋ぐ連結部から構成されることが望
ましい。また、連結部がほぼV型の形状であることが望
ましい。このようにすれば、良好なドーミング特性・冷
高温特性を得ることができるからである。
が、フレームに固定される固定部、パネル側壁の内面に
設けられたスタッドピンに嵌合する嵌合部、及びこれら
固定部と嵌合部とを繋ぐ連結部から構成されることが望
ましい。また、連結部がほぼV型の形状であることが望
ましい。このようにすれば、良好なドーミング特性・冷
高温特性を得ることができるからである。
【0022】このとき、弾性支持体の固定部の面積が5
cm2 以上であることが好ましい。これは固定部の面積
を大きくすることでフレームにかかる力を分散させ、フ
レームの変形によるシャドウマスクのテンション分布の
パターンが変化することを防止するためである。この効
果を更に効果的とするためには、弾性支持体の固定部の
面積と弾性支持体が固定されるフレームの面積との比
が、少なくとも1/25より大きいことが好ましい。
cm2 以上であることが好ましい。これは固定部の面積
を大きくすることでフレームにかかる力を分散させ、フ
レームの変形によるシャドウマスクのテンション分布の
パターンが変化することを防止するためである。この効
果を更に効果的とするためには、弾性支持体の固定部の
面積と弾性支持体が固定されるフレームの面積との比
が、少なくとも1/25より大きいことが好ましい。
【0023】また、弾性支持体が制振構造を備えること
が望ましい。これは、シャドウマスクの振動が減衰され
ても、フレームの振動が減衰されなければ、この振動が
シャドウマスクに伝播するという理由による。
が望ましい。これは、シャドウマスクの振動が減衰され
ても、フレームの振動が減衰されなければ、この振動が
シャドウマスクに伝播するという理由による。
【0024】弾性支持体のバネ定数は、弾性支持体の連
結部に孔を形成し、孔の大きさで調整するようにすれ
ば、弾性支持体の大きさを変えることなく、比較的容易
にバネ定数を変えることができる。
結部に孔を形成し、孔の大きさで調整するようにすれ
ば、弾性支持体の大きさを変えることなく、比較的容易
にバネ定数を変えることができる。
【0025】弾性支持体によってフレームに加わる力は
1kg重以上8kg重以下であることが好ましく、弾性
支持体のバネ定数は0.1kg重/mm〜2.5kg重
/mmであることが好ましい。
1kg重以上8kg重以下であることが好ましく、弾性
支持体のバネ定数は0.1kg重/mm〜2.5kg重
/mmであることが好ましい。
【0026】マスクが引張力(テンション)を印加され
た状態で、前記フレームに架張保持されることが好まし
く、この場合、マスクのテンション分布が、中央部近傍
のテンションが端部のテンションより大きいことが更に
好ましい。これは、架張されたマスクには、振動を減衰
するためのダンパーが設置されており、マスクは中央部
が最も大きく端面部に向かうに従って小さくなるテンシ
ョン分布を備えることで、マスク全体の振動を確実に減
衰できるからである。この際、マスク全体にダンパーの
減衰効果を広げるためには、マスクのテンション分布
を、マスク中央部のテンションをT1、端部のテンショ
ンをT3、中央部と端部との間の中間部のテンションを
T2とすると、T1≧T2≧T3、且つ、T1≧1.1
×T3の関係を満足させることがより一層好ましい。
た状態で、前記フレームに架張保持されることが好まし
く、この場合、マスクのテンション分布が、中央部近傍
のテンションが端部のテンションより大きいことが更に
好ましい。これは、架張されたマスクには、振動を減衰
するためのダンパーが設置されており、マスクは中央部
が最も大きく端面部に向かうに従って小さくなるテンシ
ョン分布を備えることで、マスク全体の振動を確実に減
衰できるからである。この際、マスク全体にダンパーの
減衰効果を広げるためには、マスクのテンション分布
を、マスク中央部のテンションをT1、端部のテンショ
ンをT3、中央部と端部との間の中間部のテンションを
T2とすると、T1≧T2≧T3、且つ、T1≧1.1
×T3の関係を満足させることがより一層好ましい。
【0027】ダンパーは、減衰効果を高めるためにシャ
ドウマスクとの固着部分が無く、かつ遊動可能である構
造が好ましい。具体的には、ダンパーがシャドウマスク
に形成された孔を挿通している構成で、ダンパーがワイ
ヤー状部材やリング状部材であることが好ましい。シャ
ドウマスクの材質としては、高温に加熱してもクリープ
が少ないFe−Ni合金であることが好ましい。
ドウマスクとの固着部分が無く、かつ遊動可能である構
造が好ましい。具体的には、ダンパーがシャドウマスク
に形成された孔を挿通している構成で、ダンパーがワイ
ヤー状部材やリング状部材であることが好ましい。シャ
ドウマスクの材質としては、高温に加熱してもクリープ
が少ないFe−Ni合金であることが好ましい。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】なお、単振動モードの強度をより高めるに
は、弾性支持体のうち対向する弾性支持体は同じバネ定
数であることが望ましい。
は、弾性支持体のうち対向する弾性支持体は同じバネ定
数であることが望ましい。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】尚、上記本発明において、上記陰極線管だ
けでなく、この陰極線管に電子ビーム制御回路、キャビ
ネット等を加えたTV受像装置等の画像表示装置全般に
適用することができる。
けでなく、この陰極線管に電子ビーム制御回路、キャビ
ネット等を加えたTV受像装置等の画像表示装置全般に
適用することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて具体的に説明する。以下に説明するカラー受像
管のシャドウマスクは平板マスクであり、図17を用い
て説明したようなカラー受像管の構成は、以下の実施の
形態でも同様である。
を用いて具体的に説明する。以下に説明するカラー受像
管のシャドウマスクは平板マスクであり、図17を用い
て説明したようなカラー受像管の構成は、以下の実施の
形態でも同様である。
【0039】(第1の形態)図1に、本発明の第1の形
態に係るフレーム部の斜視図を示す。図1において、1
は左右フレーム、2は上下フレームであり、シャドウマ
スク3は上下方向(矢印方向)に引張りのテンションが
加わった状態で上下フレーム2に架張保持されている。
シャドウマスク3の左右端面部には、シャドウマスク3
の振動を減衰させるためのワイヤー状ダンパー4が設置
される。本実施例では29型用のフレームをしており、
シャドウマスク3には、中央部が4.3kg重/m
m2 、左右端面部が3.4kg重/mm2 、中央部と端
面部との中間部が3.6kg重/mm2 のテンション分
布が設定されている。また、シャドウマスク3には36
%Ni−Fe合金を使用した。
態に係るフレーム部の斜視図を示す。図1において、1
は左右フレーム、2は上下フレームであり、シャドウマ
スク3は上下方向(矢印方向)に引張りのテンションが
加わった状態で上下フレーム2に架張保持されている。
シャドウマスク3の左右端面部には、シャドウマスク3
の振動を減衰させるためのワイヤー状ダンパー4が設置
される。本実施例では29型用のフレームをしており、
シャドウマスク3には、中央部が4.3kg重/m
m2 、左右端面部が3.4kg重/mm2 、中央部と端
面部との中間部が3.6kg重/mm2 のテンション分
布が設定されている。また、シャドウマスク3には36
%Ni−Fe合金を使用した。
【0040】またフレーム1,2をパネルに装着する弾
性支持体5は、組立性やフレーム1,2の支持性を考慮
して、フレーム1,2のほぼ中央部に設置される(軸上
SP構造)。図2に、本実施例で使用した弾性支持体5
の拡大図を示す。弾性支持体5は、フレームに固定され
る固定部6、パネル側壁の内面に設けられたスタッドピ
ンに嵌合する嵌合部7、及びこれら固定部6と嵌合部7
とを繋ぐV型形状の連結部8から構成され、連結部8に
は孔13が形成されている。孔13の大きさ(特に長さ
L)と連結部8の板厚を変えることで、弾性支持体5の
バネ定数を選定することが可能であり、本実施例ではL
が25mm、板厚0.6mmでバネ定数は1.2kg重
/mmである。
性支持体5は、組立性やフレーム1,2の支持性を考慮
して、フレーム1,2のほぼ中央部に設置される(軸上
SP構造)。図2に、本実施例で使用した弾性支持体5
の拡大図を示す。弾性支持体5は、フレームに固定され
る固定部6、パネル側壁の内面に設けられたスタッドピ
ンに嵌合する嵌合部7、及びこれら固定部6と嵌合部7
とを繋ぐV型形状の連結部8から構成され、連結部8に
は孔13が形成されている。孔13の大きさ(特に長さ
L)と連結部8の板厚を変えることで、弾性支持体5の
バネ定数を選定することが可能であり、本実施例ではL
が25mm、板厚0.6mmでバネ定数は1.2kg重
/mmである。
【0041】ここで、シャドウマスク3の全域で振動減
衰効果を発揮させるためには、図3(a)に示すよう
に、シャドウマスクの中央部が最も高く端部に向かうに
従って徐々に低くなるようなテンション分布(以下、A
型分布と称する)であることが望ましい。なぜなら、図
3(b)に示すように、中央部以外でテンションのピー
クを持つような分布(以下、M型分布と称する)では、
端部からテンションがピークとなるまでの領域(a)は
ダンパーによる振動減衰効果が認められるが、中央部の
領域(b)には振動減衰効果が広がらないからである。
これはテンションがピークとなるところPが節となって
振動するためであり、ダンパーの振動減衰効果の広がり
はテンションピークの所で抑制されるという理由によ
る。尚、シャドウマスクにシワやテンションムラがある
場合にも、同様の理由で振動減衰効果が広がらない。
衰効果を発揮させるためには、図3(a)に示すよう
に、シャドウマスクの中央部が最も高く端部に向かうに
従って徐々に低くなるようなテンション分布(以下、A
型分布と称する)であることが望ましい。なぜなら、図
3(b)に示すように、中央部以外でテンションのピー
クを持つような分布(以下、M型分布と称する)では、
端部からテンションがピークとなるまでの領域(a)は
ダンパーによる振動減衰効果が認められるが、中央部の
領域(b)には振動減衰効果が広がらないからである。
これはテンションがピークとなるところPが節となって
振動するためであり、ダンパーの振動減衰効果の広がり
はテンションピークの所で抑制されるという理由によ
る。尚、シャドウマスクにシワやテンションムラがある
場合にも、同様の理由で振動減衰効果が広がらない。
【0042】〔実験〕以上のようなシャドウマスク・フ
レームをCRT化して評価した。表1にその結果を示
す。尚、表1においては、従来から用いられている帯板
状の弾性支持体(以下、TCM型と称する)、及び下記
第2の形態で示すものについても記載している。
レームをCRT化して評価した。表1にその結果を示
す。尚、表1においては、従来から用いられている帯板
状の弾性支持体(以下、TCM型と称する)、及び下記
第2の形態で示すものについても記載している。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、いずれの項目に
ついても目標をクリアーしており、外部振動に強く、ド
ーミング・冷高温特性、耐衝撃性にも優れている。また
軸上SP構造のために組み立てやすく、フレームをパネ
ルに装着する工程(フォトリソグラフィー工程も含む)
での不良率は1/10以下と飛躍的に低下した。また、
従来のTCM型では、ドーミング特性、冷高温特性、耐
衝撃性が十分ではない。したがって、上記のような弾性
支持体構造(以下、メカニカル型と称する)とするのが
望ましい。
ついても目標をクリアーしており、外部振動に強く、ド
ーミング・冷高温特性、耐衝撃性にも優れている。また
軸上SP構造のために組み立てやすく、フレームをパネ
ルに装着する工程(フォトリソグラフィー工程も含む)
での不良率は1/10以下と飛躍的に低下した。また、
従来のTCM型では、ドーミング特性、冷高温特性、耐
衝撃性が十分ではない。したがって、上記のような弾性
支持体構造(以下、メカニカル型と称する)とするのが
望ましい。
【0045】〔その他の事項〕
(1)本第1の形態で使用した弾性支持体5のフレーム
に固定される固定部6の面積は、10cm2 としたが、
これに限定するものではない。但し、この面積は大きい
方が望ましく、最低でも5cm2 であることが好まし
い。これは、固定部6の面積が小さいと、弾性支持体5
からフレームに加わる力が集中することでフレームが変
形し、図4に示すようにシャドウマスク3のテンション
分布のパターンを変化させてしまうからである。先述の
ように、シャドウマスクのテンション分布のパターンが
変化すると、シャドウマスクの振動が減衰しにくい領域
が生じるために好ましくない。このような理由から、弾
性支持体5のフレームに固定される固定部6の面積は大
きい方が望ましく、最低でも5cm2 であることが好ま
しい。
に固定される固定部6の面積は、10cm2 としたが、
これに限定するものではない。但し、この面積は大きい
方が望ましく、最低でも5cm2 であることが好まし
い。これは、固定部6の面積が小さいと、弾性支持体5
からフレームに加わる力が集中することでフレームが変
形し、図4に示すようにシャドウマスク3のテンション
分布のパターンを変化させてしまうからである。先述の
ように、シャドウマスクのテンション分布のパターンが
変化すると、シャドウマスクの振動が減衰しにくい領域
が生じるために好ましくない。このような理由から、弾
性支持体5のフレームに固定される固定部6の面積は大
きい方が望ましく、最低でも5cm2 であることが好ま
しい。
【0046】(2)本第1の形態(パネルの大きさ29
型)では、上記のように弾性支持体5のフレームに固定
される固定部6の面積を5cm2 より大きくすること
で、シャドウマスク3の振動を防止できるが、その他の
大きさのパネルについても、この方法は適応できる。こ
の場合、弾性支持体5の固定部6の面積(A1cm2 )
と弾性支持体5が固定されるフレ−ムの面積(A2cm
2 )の比(A1/A2)を、1/25より大きくする構
成にすることで同様な効果を得られることを実験により
確認した。
型)では、上記のように弾性支持体5のフレームに固定
される固定部6の面積を5cm2 より大きくすること
で、シャドウマスク3の振動を防止できるが、その他の
大きさのパネルについても、この方法は適応できる。こ
の場合、弾性支持体5の固定部6の面積(A1cm2 )
と弾性支持体5が固定されるフレ−ムの面積(A2cm
2 )の比(A1/A2)を、1/25より大きくする構
成にすることで同様な効果を得られることを実験により
確認した。
【0047】(3)本第1の形態では、バネ定数が1.
2kg重/mmのメカニカル型弾性支持体5を使用して
おり、フレームをパネルに設置した時のフレームに加わ
る力は約3.5kg重であるが、本発明に適応するメカ
ニカル型弾性支持体5はこれに限るものではない。但
し、フレームに加わる力は1kg重以上8kg重以下が
好ましい。なぜなら、1kg重より小さいとマスクに対
するフレームの設置状態が不安定となる一方、8kg重
を越えるとフレームが変形してシャドウマスク3のテン
ション分布がM型に変わり、振動が減衰しにくくなるか
らである。
2kg重/mmのメカニカル型弾性支持体5を使用して
おり、フレームをパネルに設置した時のフレームに加わ
る力は約3.5kg重であるが、本発明に適応するメカ
ニカル型弾性支持体5はこれに限るものではない。但
し、フレームに加わる力は1kg重以上8kg重以下が
好ましい。なぜなら、1kg重より小さいとマスクに対
するフレームの設置状態が不安定となる一方、8kg重
を越えるとフレームが変形してシャドウマスク3のテン
ション分布がM型に変わり、振動が減衰しにくくなるか
らである。
【0048】そこで、上記のような設置状態を実現する
メカニカル型弾性支持体5のバネ定数は、0.1kg重
/mm以上2.5kg重/mm以下であることが好まし
いことを実験により確認した。なぜなら、フレームとパ
ネルとの間の隙間は現実的に最大20mmが限界(パネ
ルサイズが小さくなるともっと小さい)であり、上記設
置力を実現するためには0.1kg重/mm以上のバネ
定数が必要となる一方、バネ定数が2.5kg重/mm
以上になると、バネ剛性が大きすぎて変形が起こりにく
くなり、極端に組み立て性が悪くなり、しかも同じ力を
加えても変形する量が少なくなるため、ドーミング特性
や冷高温特性が低下する(補正範囲が極端に狭くなる)
からである。
メカニカル型弾性支持体5のバネ定数は、0.1kg重
/mm以上2.5kg重/mm以下であることが好まし
いことを実験により確認した。なぜなら、フレームとパ
ネルとの間の隙間は現実的に最大20mmが限界(パネ
ルサイズが小さくなるともっと小さい)であり、上記設
置力を実現するためには0.1kg重/mm以上のバネ
定数が必要となる一方、バネ定数が2.5kg重/mm
以上になると、バネ剛性が大きすぎて変形が起こりにく
くなり、極端に組み立て性が悪くなり、しかも同じ力を
加えても変形する量が少なくなるため、ドーミング特性
や冷高温特性が低下する(補正範囲が極端に狭くなる)
からである。
【0049】(4)本第1の形態において、シャドウマ
スク3の左右端面部に設置したダンパー4は、ワイヤー
状部材を一部折曲させてシャドウマスク3に形成した孔
21に挿通した構成であるが、本発明に適応するダンパ
ー4はこれに限るものではなく、例えば図5のようなリ
ング状部材9であってもかまわない。また図6に示すよ
うに、一部がシャドウマスク端面12に接触し、他の一
部がフレーム10に固着した構成のダンパー11でもか
まわない。
スク3の左右端面部に設置したダンパー4は、ワイヤー
状部材を一部折曲させてシャドウマスク3に形成した孔
21に挿通した構成であるが、本発明に適応するダンパ
ー4はこれに限るものではなく、例えば図5のようなリ
ング状部材9であってもかまわない。また図6に示すよ
うに、一部がシャドウマスク端面12に接触し、他の一
部がフレーム10に固着した構成のダンパー11でもか
まわない。
【0050】(5)シャドウマスクの材料としては、テ
ンションが付加された状態での高温時の熱クリープ量が
少ないものが望ましい。CRT製造プロセスでは、シャ
ドウマスク架張時に生じる応力緩和のための熱処理や外
井器形成のためのフリット工程等、複数回の高温熱処理
工程が必要である。シャドウマスクがテンションを備え
てフレームに架張された構成において、前記熱処理工程
時にシャドウマスクの熱クリープが生じると、テンショ
ンの減少、テンション分布の変化、シャドウマスクのシ
ワなど現象が発生して好ましくない。また熱クリープを
吸収するために、非常に大きなテンションをシャドウマ
スクに加える必要があり、フレーム強度upによりフレ
ーム重量の増加、架張設備の複雑化・費用up、プロセ
スの煩雑化等、多くの問題が生じる。このためシャドウ
マスクの材料としては、本実施例で使用したNi- Fe
合金(インバー材)等、テンションが付加された状態で
の高温時の熱クリープ量が少ないものが望ましい。
ンションが付加された状態での高温時の熱クリープ量が
少ないものが望ましい。CRT製造プロセスでは、シャ
ドウマスク架張時に生じる応力緩和のための熱処理や外
井器形成のためのフリット工程等、複数回の高温熱処理
工程が必要である。シャドウマスクがテンションを備え
てフレームに架張された構成において、前記熱処理工程
時にシャドウマスクの熱クリープが生じると、テンショ
ンの減少、テンション分布の変化、シャドウマスクのシ
ワなど現象が発生して好ましくない。また熱クリープを
吸収するために、非常に大きなテンションをシャドウマ
スクに加える必要があり、フレーム強度upによりフレ
ーム重量の増加、架張設備の複雑化・費用up、プロセ
スの煩雑化等、多くの問題が生じる。このためシャドウ
マスクの材料としては、本実施例で使用したNi- Fe
合金(インバー材)等、テンションが付加された状態で
の高温時の熱クリープ量が少ないものが望ましい。
【0051】(6)シャドウマスク全体にダンパーの減
衰効果を広げるためには、シャドウマスクのテンション
分布を、シャドウマスク中央部のテンションをT1、端
部のテンションをT3、中央部と端部との間の中間部の
テンションをT2とすると、T1≧T2≧T3、且つ、
T1≧1.1×T3の関係を満足させることが好まし
い。これは、図7に示すように、T1<1.1×T3に
なると、制振時間が長くなるという理由による。尚、図
7において、制振時間とは、振動振幅が1/10以下に
なるまでの時間をいう。
衰効果を広げるためには、シャドウマスクのテンション
分布を、シャドウマスク中央部のテンションをT1、端
部のテンションをT3、中央部と端部との間の中間部の
テンションをT2とすると、T1≧T2≧T3、且つ、
T1≧1.1×T3の関係を満足させることが好まし
い。これは、図7に示すように、T1<1.1×T3に
なると、制振時間が長くなるという理由による。尚、図
7において、制振時間とは、振動振幅が1/10以下に
なるまでの時間をいう。
【0052】(7)図8(a)(b)に示すように、ス
タッドピン34の先端に摺動する断面円筒状の摺動用部
材33を固定部6に溶接するか、或いは、図9に示すよ
うに、スタッドピン34の先端に摺動する帯状の摺動用
部材35を固定部6に溶接すること等の方法により、弾
性支持体が制振構造を備えることが望ましい。これは、
シャドウマスクの振動が減衰されても、フレームの振動
が減衰されなければ、この振動がシャドウマスクに伝播
するという理由による。
タッドピン34の先端に摺動する断面円筒状の摺動用部
材33を固定部6に溶接するか、或いは、図9に示すよ
うに、スタッドピン34の先端に摺動する帯状の摺動用
部材35を固定部6に溶接すること等の方法により、弾
性支持体が制振構造を備えることが望ましい。これは、
シャドウマスクの振動が減衰されても、フレームの振動
が減衰されなければ、この振動がシャドウマスクに伝播
するという理由による。
【0053】(第2の形態)図10に、本発明の第2の
形態に係るフレーム部の斜視図を示す。尚、第1の形態
と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付
して、その説明は省略する。
形態に係るフレーム部の斜視図を示す。尚、第1の形態
と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付
して、その説明は省略する。
【0054】フレームをパネルに装着する弾性支持体5
の内、上下フレーム2への設置については、上下フレー
ム2のほぼ中央部に設置された弾性支持体保持板20
(弾性支持体保持板20の上下フレーム16に固定され
る面積は15cm2 である)に固定されるということ、
及び、シャドウマスク3には、中央部が4.0kg重/
mm2 、左右端面部が3.2kg重/mm2 、中央部と
端面部との中間部が3.5kg重/mm2 のテンション
分布が設定されているということを除く他は、上記第1
の形態と同様の構造である。
の内、上下フレーム2への設置については、上下フレー
ム2のほぼ中央部に設置された弾性支持体保持板20
(弾性支持体保持板20の上下フレーム16に固定され
る面積は15cm2 である)に固定されるということ、
及び、シャドウマスク3には、中央部が4.0kg重/
mm2 、左右端面部が3.2kg重/mm2 、中央部と
端面部との中間部が3.5kg重/mm2 のテンション
分布が設定されているということを除く他は、上記第1
の形態と同様の構造である。
【0055】〔実験〕以上のようなシャドウマスク・フ
レームをCRT化して評価した。前記表1にその結果を
示す。前記第1の形態の場合と同様、いずれの項目につ
いても目標をクリアーしており、外部振動に強く、ドー
ミング・冷高温特性、耐衝撃性にも優れている。また軸
上SP構造のために組み立てやすく、フレームをパネル
に装着する工程(フォトリソグラフィー工程も含む)で
の不良率は1/10以下と飛躍的に低下した。
レームをCRT化して評価した。前記表1にその結果を
示す。前記第1の形態の場合と同様、いずれの項目につ
いても目標をクリアーしており、外部振動に強く、ドー
ミング・冷高温特性、耐衝撃性にも優れている。また軸
上SP構造のために組み立てやすく、フレームをパネル
に装着する工程(フォトリソグラフィー工程も含む)で
の不良率は1/10以下と飛躍的に低下した。
【0056】〔その他の事項〕前記第1の形態の(1)
〜(7)については、本第2の形態でも同様であるの
で、その説明は省略する。
〜(7)については、本第2の形態でも同様であるの
で、その説明は省略する。
【0057】(第3の形態)図11に、本発明の第3の
形態に係る弾性支持体の斜視図を示す。尚、第1の形態
と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付
して、その説明は省略する。
形態に係る弾性支持体の斜視図を示す。尚、第1の形態
と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付
して、その説明は省略する。
【0058】上下フレーム2にはバネ定数が0.2kg
重/mm(L1:50mm、L2:25mm、t:0.
3mm、)の弾性支持体を、また左右フレーム1にはバ
ネ定数が1.2kg重/mm(L1:50mm、L2:
25mm、t:0.6mm、)の弾性支持体を設置した
他は、上記第1の形態と同様の構造である。尚、このよ
うな弾性支持体を用いて、フレームをパネルに設置した
時のフレームに加わる力はそれぞれ1.2kg重、3.
5kg重であった。
重/mm(L1:50mm、L2:25mm、t:0.
3mm、)の弾性支持体を、また左右フレーム1にはバ
ネ定数が1.2kg重/mm(L1:50mm、L2:
25mm、t:0.6mm、)の弾性支持体を設置した
他は、上記第1の形態と同様の構造である。尚、このよ
うな弾性支持体を用いて、フレームをパネルに設置した
時のフレームに加わる力はそれぞれ1.2kg重、3.
5kg重であった。
【0059】〔実験〕以上のようなフレーム構造体をC
RTとして評価した。表2にその結果を示す。
RTとして評価した。表2にその結果を示す。
【0060】
【表2】
【0061】表2から明らかなように、いずれの項目に
ついても目標をクリアーしており、外部振動に強く、ド
ーミング・冷高温特性、耐衝撃性にも優れている。特に
振動については、図12(b)に示すように、パネルに
加速度3Gがかかるような衝撃を与えても、0.5秒以
下の時間でフレームの振動が抑制される。また軸上SP
構造のために組み立てやすく、フレームをパネルに装着
する工程(フォトリソグラフィー工程も含む)での不良
率は1/10以下と飛躍的に低下した。
ついても目標をクリアーしており、外部振動に強く、ド
ーミング・冷高温特性、耐衝撃性にも優れている。特に
振動については、図12(b)に示すように、パネルに
加速度3Gがかかるような衝撃を与えても、0.5秒以
下の時間でフレームの振動が抑制される。また軸上SP
構造のために組み立てやすく、フレームをパネルに装着
する工程(フォトリソグラフィー工程も含む)での不良
率は1/10以下と飛躍的に低下した。
【0062】一方、従来のTCM型では、ドーミング特
性、冷高温特性、耐衝撃性が十分ではない。したがっ
て、上記のようなメカニカル型とするのが望ましい。
性、冷高温特性、耐衝撃性が十分ではない。したがっ
て、上記のようなメカニカル型とするのが望ましい。
【0063】このように、本第3の形態のものでは、フ
レーム振動抑制に効果があるが、その原理について以下
に説明する。フレームのほぼ中央部にメカニカル型の弾
性支持体を配置したフレーム構造体の振動モードを解析
すると、図13に示すように3つのモードが存在する
(図13の解析結果は29型パネルのものである。パネ
ルの大きさが変わると、モード形態は同じだがモードの
発生周波数が変わる)。
レーム振動抑制に効果があるが、その原理について以下
に説明する。フレームのほぼ中央部にメカニカル型の弾
性支持体を配置したフレーム構造体の振動モードを解析
すると、図13に示すように3つのモードが存在する
(図13の解析結果は29型パネルのものである。パネ
ルの大きさが変わると、モード形態は同じだがモードの
発生周波数が変わる)。
【0064】(1)捻れ振動モード:フレームが捻れる
様に振動するモード(29型用のフレームでは85Hz近
傍で発生)。 (2)単振動モード:上下フレームに設置された弾性支
持体、もしくは左右フレームに設置された弾性支持体を
支点として回転振動するモード(29型用のフレームで
は115Hz及び130Hz近傍で発生)。 (3)平行振動モード:フレームが管軸方向(図のA矢
印方向)に平行移動する振動モード(29型用のフレー
ムでは140Hz近傍で発生)。
様に振動するモード(29型用のフレームでは85Hz近
傍で発生)。 (2)単振動モード:上下フレームに設置された弾性支
持体、もしくは左右フレームに設置された弾性支持体を
支点として回転振動するモード(29型用のフレームで
は115Hz及び130Hz近傍で発生)。 (3)平行振動モード:フレームが管軸方向(図のA矢
印方向)に平行移動する振動モード(29型用のフレー
ムでは140Hz近傍で発生)。
【0065】パネル面にスピーカーを設置して各振動モ
ードが発生する周波数の振動のみを印加した後、スピー
カーをOFFにして振動減衰状態を測定する(スピーカ
ー単音試験と称す)と、捻れ振動モードでは、振動がな
かなか減衰せず振動が継続する。単振動モードでは、捻
れ振動モードに比べて1/10以下の時間で振動が抑制
される。平行振動モードでは、測定が困難なくらいに早
く振動が抑制される。
ードが発生する周波数の振動のみを印加した後、スピー
カーをOFFにして振動減衰状態を測定する(スピーカ
ー単音試験と称す)と、捻れ振動モードでは、振動がな
かなか減衰せず振動が継続する。単振動モードでは、捻
れ振動モードに比べて1/10以下の時間で振動が抑制
される。平行振動モードでは、測定が困難なくらいに早
く振動が抑制される。
【0066】この理由については、弾性支持体の作動形
態にあると考えている。捻れ振動モードの場合、図14
に示すように、いずれの弾性支持体もスタッドピン85
を中心に弾性支持体の嵌合部86(a)や連結部86
(c)が捻れるように作動する。このような作動におい
ては、弾性支持体にはダンパー効果がないためにフレー
ム振動は抑制されることなく継続する。単振動モードで
は、支点となる弾性支持体は捻れモードと同じ作動をす
るが、それ以外の弾性支持体は図15に示すように伸縮
作動する(矢印の方向に伸縮作動する)。この時スタッ
トピン85と弾性支持体の嵌合部86(a)において、
弾性支持体の嵌合孔87とスタッドピン85はわずかで
はあるが摺動する。この嵌合孔87とスタッドピン85
の摺動による摩擦がダンパー作用となり、フレーム振動
を抑制するように働く。平行振動モードでは、すべての
弾性支持体が伸縮作動となり極めて大きなダンパー作用
が働くために、フレーム振動は瞬時に抑制される。
態にあると考えている。捻れ振動モードの場合、図14
に示すように、いずれの弾性支持体もスタッドピン85
を中心に弾性支持体の嵌合部86(a)や連結部86
(c)が捻れるように作動する。このような作動におい
ては、弾性支持体にはダンパー効果がないためにフレー
ム振動は抑制されることなく継続する。単振動モードで
は、支点となる弾性支持体は捻れモードと同じ作動をす
るが、それ以外の弾性支持体は図15に示すように伸縮
作動する(矢印の方向に伸縮作動する)。この時スタッ
トピン85と弾性支持体の嵌合部86(a)において、
弾性支持体の嵌合孔87とスタッドピン85はわずかで
はあるが摺動する。この嵌合孔87とスタッドピン85
の摺動による摩擦がダンパー作用となり、フレーム振動
を抑制するように働く。平行振動モードでは、すべての
弾性支持体が伸縮作動となり極めて大きなダンパー作用
が働くために、フレーム振動は瞬時に抑制される。
【0067】左右フレーム、上下フレームに設置される
弾性支持体はすべて同じもの(形状、バネ定数、等)で
あることが多いが、この場合フレーム振動は捻れモード
が主体で、単振動モードや平行振動モードはほとんど発
生しない。このためフレーム振動が抑制されずに継続す
る。我々は、バネ定数の異なる弾性支持体を用いること
で、捻れ振動モードと単振動モードの2つの振動モード
を発生させることができることを見いだした。
弾性支持体はすべて同じもの(形状、バネ定数、等)で
あることが多いが、この場合フレーム振動は捻れモード
が主体で、単振動モードや平行振動モードはほとんど発
生しない。このためフレーム振動が抑制されずに継続す
る。我々は、バネ定数の異なる弾性支持体を用いること
で、捻れ振動モードと単振動モードの2つの振動モード
を発生させることができることを見いだした。
【0068】表3は上下フレームに設置する弾性支持体
のバネ定数を0.2kg重/mmに固定し、左右フレー
ムに設置する弾性支持体のバネ定数を0.2kg重/m
mから1.9kg重/mmへと変化させた時の捻れモー
ドと単振動モードの強度比を検討した結果である。
のバネ定数を0.2kg重/mmに固定し、左右フレー
ムに設置する弾性支持体のバネ定数を0.2kg重/m
mから1.9kg重/mmへと変化させた時の捻れモー
ドと単振動モードの強度比を検討した結果である。
【0069】
【表3】
【0070】この表3に示す強度は、外部振動を印加し
た時に生じる測定系の振動強度を1とした時の相対値で
ある。この結果から、左右フレームと上下フレームの弾
性支持体のバネ定数を異ならせることで、単振動モード
が強くなっていくことがわかる。
た時に生じる測定系の振動強度を1とした時の相対値で
ある。この結果から、左右フレームと上下フレームの弾
性支持体のバネ定数を異ならせることで、単振動モード
が強くなっていくことがわかる。
【0071】このように弾性支持体のバネ定数を異なら
せることで、捻れ振動モードの一部を単振動モードに置
き換えることができ、フレーム振動は抑制される。単振
動モードの強度を高めるには、上下フレームに設置した
対向する弾性支持体、左右フレームに設置した対向する
弾性支持体、はそれぞれ同じバネ定数であることが効果
的である。
せることで、捻れ振動モードの一部を単振動モードに置
き換えることができ、フレーム振動は抑制される。単振
動モードの強度を高めるには、上下フレームに設置した
対向する弾性支持体、左右フレームに設置した対向する
弾性支持体、はそれぞれ同じバネ定数であることが効果
的である。
【0072】弾性支持体のバネ定数は、弾性支持体の連
結部に孔を形成し、孔の大きさで調整するようにすれ
ば、弾性支持体の大きさを変えることなく、比較的容易
にバネ定数を変えることができる。
結部に孔を形成し、孔の大きさで調整するようにすれ
ば、弾性支持体の大きさを変えることなく、比較的容易
にバネ定数を変えることができる。
【0073】〔その他の事項〕前記第1の形態の(1)
〜(7)については、本第3の形態でも同様であるの
で、その説明は省略する。
〜(7)については、本第3の形態でも同様であるの
で、その説明は省略する。
【0074】(8)本第3の形態において弾性支持体は
フレームに直接設置する構造としたが、本発明はこれに
限るものでなく、第2の形態で示したように、弾性支持
体を弾性支持体保持板を介してフレームに設置する構造
でも良い。
フレームに直接設置する構造としたが、本発明はこれに
限るものでなく、第2の形態で示したように、弾性支持
体を弾性支持体保持板を介してフレームに設置する構造
でも良い。
【0075】(9)本第3の形態においては弾性支持体
が実質的に前記フレームの中央に設置されているが、こ
のような構造に限定するものではない。但し、マスクの
振動をより抑制するためには、弾性支持体が実質的に前
記フレームの中央に設置されることが好ましい。
が実質的に前記フレームの中央に設置されているが、こ
のような構造に限定するものではない。但し、マスクの
振動をより抑制するためには、弾性支持体が実質的に前
記フレームの中央に設置されることが好ましい。
【0076】(10)単振動モードの強度を高めるに
は、弾性支持体のうち対向する弾性支持体は同じバネ定
数であることが望ましい。
は、弾性支持体のうち対向する弾性支持体は同じバネ定
数であることが望ましい。
【0077】(11)マスクが引張力(テンション)を
印加された状態で、前記フレームに架張保持されること
が好ましく、この場合、マスクのテンション分布が、中
央部近傍のテンションが端部のテンションより大きいこ
とが更に好ましい。これは、架張されたシャドウマスク
には、振動を減衰するためのダンパーが設置されてお
り、シャドウマスクは中央部が最も大きく端面部に向か
うに従って小さくなるテンション分布を備えることで、
シャドウマスク全体の振動を確実に減衰できるからであ
る。
印加された状態で、前記フレームに架張保持されること
が好ましく、この場合、マスクのテンション分布が、中
央部近傍のテンションが端部のテンションより大きいこ
とが更に好ましい。これは、架張されたシャドウマスク
には、振動を減衰するためのダンパーが設置されてお
り、シャドウマスクは中央部が最も大きく端面部に向か
うに従って小さくなるテンション分布を備えることで、
シャドウマスク全体の振動を確実に減衰できるからであ
る。
【0078】(12)第3の発明は、「複数の電子ビー
ム通過孔を備えた平板マスクを画面の縦/横二方向に架
張保持したマスク」「アパーチャグリル」と呼ばれる複
数の細条を上下方向に架張保持したマスク」にも適用で
きる。さらになお、シャドウマスクは平面のものに限ら
ず円筒面(シリンドリカル)の架張面となっているもの
も含む。
ム通過孔を備えた平板マスクを画面の縦/横二方向に架
張保持したマスク」「アパーチャグリル」と呼ばれる複
数の細条を上下方向に架張保持したマスク」にも適用で
きる。さらになお、シャドウマスクは平面のものに限ら
ず円筒面(シリンドリカル)の架張面となっているもの
も含む。
【0079】(第4の形態)本発明の第4の形態は、第
1〜第3の形態のカラー受像管を適応したTV受像器で
ある。図16にその概略を示す斜視図を示す。図16に
おいて、25は本発明のカラー受像管、26はスピーカ
ー、27は電子ビーム制御やチューナーなどの回路であ
る。この構成により、外部振動に対する色ずれが少な
く、搬送時の不慮の事故に対する信頼性の高い、フラッ
トTV受像器が実現できる。尚、本発明の構成はTV受
像器に限るものではなく、モニタ−等の画像表示装置全
般にも適応が可能である。
1〜第3の形態のカラー受像管を適応したTV受像器で
ある。図16にその概略を示す斜視図を示す。図16に
おいて、25は本発明のカラー受像管、26はスピーカ
ー、27は電子ビーム制御やチューナーなどの回路であ
る。この構成により、外部振動に対する色ずれが少な
く、搬送時の不慮の事故に対する信頼性の高い、フラッ
トTV受像器が実現できる。尚、本発明の構成はTV受
像器に限るものではなく、モニタ−等の画像表示装置全
般にも適応が可能である。
【0080】
【発明の効果】以上、本発明によれば、外部振動に強
く、ドーミング・冷高温特性、耐衝撃性にも優れ、かつ
組み立てやすい構成のカラー受像管を提供でき、且つ、
このカラー受像管を利用したフラットTV受像器を提供
することができるという優れた効果を奏する。
く、ドーミング・冷高温特性、耐衝撃性にも優れ、かつ
組み立てやすい構成のカラー受像管を提供でき、且つ、
このカラー受像管を利用したフラットTV受像器を提供
することができるという優れた効果を奏する。
【図1】第1の形態を示す斜視図である。
【図2】第1の形態に使用する弾性支持体の斜視図であ
る。
る。
【図3】シャドウマスクのテンション分布の一例を示す
状態図であって、同図(a)はA型分布のもの、同図
(b)はM型分布のものである。
状態図であって、同図(a)はA型分布のもの、同図
(b)はM型分布のものである。
【図4】シャドウマスクのテンション分布変化を示す状
態図である。
態図である。
【図5】ダンパーの一形態を示す斜視図である。
【図6】ダンパーの他の形態を示す斜視図である。
【図7】T1/T3と制振時間との関係を示すグラフで
ある。
ある。
【図8】弾性支持体の変形例を示す図であって、同図
(a)は斜視図、同図(b)は断面図である。
(a)は斜視図、同図(b)は断面図である。
【図9】図9は弾性支持体の他の変形例を示す図であっ
て、同図(a)は斜視図、同図(b)は断面図である。
て、同図(a)は斜視図、同図(b)は断面図である。
【図10】第2の形態に使用する弾性支持体の斜視図で
ある。
ある。
【図11】第3の形態に使用する弾性支持体の斜視図で
ある。
ある。
【図12】第3の形態におけるフレーム振動の減衰状態
を示す状態図である。
を示す状態図である。
【図13】フレーム振動モードの解析結果を示す状態図
である。
である。
【図14】捻れ振動モード時の弾性支持体の動作を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図15】単振動モード時の弾性支持体の動作を示す断
面図である。
面図である。
【図16】第4の形態を示す斜視図である。
【図17】カラー受像管の構成を示す断面図である。
【図18】従来のカラー受像管のダンパーが設置された
シャドウマスクを示す斜視図である。
シャドウマスクを示す斜視図である。
【図19】ダンパー作用を備えた従来の弾性支持体を示
す図であって、同図(a)は正面図、同図(b)は側面
図である。
す図であって、同図(a)は正面図、同図(b)は側面
図である。
【図20】従来のカラー受像管を示す構成図であって、
同図(a)は正面図、同図(b)は拡大斜視図である。
同図(a)は正面図、同図(b)は拡大斜視図である。
【図21】従来のカラー受像管を示す構成図であって、
同図(a)は正面図、同図(b)は拡大斜視図である。
同図(a)は正面図、同図(b)は拡大斜視図である。
1:左右フレーム
2:上下フレーム
3:シャドウマスク
4:ワイヤー状ダンパー
5:弾性支持体
6:固定部
7:嵌合部
8:連結部8
9:リング状部材
10:フレーム
11:ダンパー
13:孔
20:弾性支持体保持板
21:孔
25:本発明のカラー受像管
26:スピーカー
27:回路
33:摺動用部材
34:スタッドピン
フロントページの続き
(72)発明者 中谷 俊文
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電
器産業株式会社内
(72)発明者 鈴木 秀生
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電
器産業株式会社内
(72)発明者 大木 滋
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電
器産業株式会社内
(56)参考文献 特開 平11−250824(JP,A)
特開 平8−329851(JP,A)
特開 平8−171865(JP,A)
特開 平6−5222(JP,A)
特開 平8−7777(JP,A)
特開 平8−315744(JP,A)
特開 平4−41653(JP,A)
特開 昭61−267238(JP,A)
特開 昭61−267239(JP,A)
特開 昭53−54467(JP,A)
実開 平6−84663(JP,U)
実開 昭57−4154(JP,U)
実開 昭52−161058(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01J 29/02 - 29/07
Claims (14)
- 【請求項1】 少なくとも、蛍光体スクリーンが形成され
たパネルと、複数の電子ビーム通過部を備えたマスク
と、このマスクが保持されたフレームとを備え、前記蛍
光体スクリーンとマスクとが対向した状態で、前記パネ
ルと前記フレームとが複数の弾性支持体で装着保持され
る陰極線管であって、 前記複数の弾性支持体が実質的にフレームの縦横各中央
部に設けられ、且つ、フレームの縦方向中央部に設けら
れた弾性支持体と、横方向中央部に設けられた弾性支持
体とのバネ定数が実質的に異なることを特徴とする陰極
線管。 - 【請求項2】 前記弾性支持体は、前記フレームに設置
された保持板に固定されることを特徴とする、請求項1
記載の陰極線管。 - 【請求項3】 前記弾性支持体が、前記フレームに固定さ
れる固定部、前記パネル側壁の内面に設けられたスタッ
ドピンに嵌合する嵌合部、及びこれら固定部と嵌合部と
を繋ぐ連結部から構成されることを特徴とする、請求項
1又は2記載の陰極線管。 - 【請求項4】 前記連結部がほぼV型の形状であることを
特徴とする、請求項3記載の陰極線管。 - 【請求項5】 前記弾性支持体の連結部に孔を設置し、こ
の孔の大きさでバネ定数を調整することを特徴とする、
請求項3記載の陰極線管。 - 【請求項6】 前記弾性支持体の固定部の面積が5cm2
以上であることを特徴とする、請求項3に記載の陰極線
管。 - 【請求項7】 前記弾性支持体の固定部の面積と、前記弾
性支持体が固定される前記フレームの面積との比が、少
なくとも1/25より大きいことを特徴とする、請求項
3記載の陰極線管。 - 【請求項8】 前記弾性支持体のうち対向する弾性支持体
は同じバネ定数であることを特徴とする、請求項1又は
2に記載の陰極線管。 - 【請求項9】 前記マスクが引張力を印加された状態で、
前記フレームに架張保持されることを特徴とする、請求
項1記載の陰極線管。 - 【請求項10】 前記マスクのテンション分布が、中央部
近傍のテンションが端部のテンションより大きいことを
特徴とする、請求項9記載の陰極線管。 - 【請求項11】 前記マスクのテンション分布が、マスク
中央部のテンションをT1、端部のテンションをT3、
中央部と端部との間の中間部のテンションをT2とする
と、T1≧T2≧T3、且つ、T1≧1.1×T3の関
係を満足することを特徴とする、請求項10記載の陰極
線管。 - 【請求項12】 前記弾性支持体が制振構造を備えること
を特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の陰
極線管。 - 【請求項13】 前記制振構造はダンパーであり、当該ダ
ンパーが前記マスクに対して遊動可能であることを特徴
とする、請求項12記載の陰極線管。 - 【請求項14】 請求項1から請求項13のいずれかに記
載の陰極線管と、電子ビーム制御回路、キャビネットを
備えた画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000322804A JP3474844B2 (ja) | 1999-10-21 | 2000-10-23 | 陰極線管及びこれを用いた画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-299654 | 1999-10-21 | ||
JP29965499 | 1999-10-21 | ||
JP11-367205 | 1999-12-24 | ||
JP36720599 | 1999-12-24 | ||
JP2000322804A JP3474844B2 (ja) | 1999-10-21 | 2000-10-23 | 陰極線管及びこれを用いた画像表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001243889A JP2001243889A (ja) | 2001-09-07 |
JP3474844B2 true JP3474844B2 (ja) | 2003-12-08 |
Family
ID=27338324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000322804A Expired - Fee Related JP3474844B2 (ja) | 1999-10-21 | 2000-10-23 | 陰極線管及びこれを用いた画像表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3474844B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE60206364T2 (de) * | 2001-03-19 | 2006-03-23 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd., Kadoma | Farbkathodenstrahlröhre |
-
2000
- 2000-10-23 JP JP2000322804A patent/JP3474844B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001243889A (ja) | 2001-09-07 |
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