JP3474773B2 - 白色パルス光源 - Google Patents
白色パルス光源Info
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Description
媒質に励起パルス光を入射して広帯域かつ平坦性に優れ
た白色パルス光を発生させる白色パルス光源に関する。
percontinuum) 光と呼ばれる超広帯域の白色パルス光が
通信用や計測用の光源として注目されている。
に、励起パルス光源と導波路型光非線形媒質から構成さ
れる。励起パルス光源から出射された励起パルス光は、
導波路型光非線形媒質を伝搬する際に3次の非線形光学
効果を誘起し、広帯域の白色パルス光を発生する。ここ
で、導波路型光非線形媒質における励起パルス光の伝搬
距離をzとし、入射端をz=0、出射端をz=Lとす
る。
1(特開平8−234249号公報「コヒーレント白色
光源」)では、導波路型光非線形媒質の分散スロープと
分散の大きさを規定し、この分散スロープが小さいほど
広帯域の白色パルス光が発生することを明らかにしてい
る。そして、導波路型光非線形媒質として単一モード光
ファイバを用いた実験で、図27に示すような広帯域で
平坦性に優れた白色パルス光が得られたことを示してい
る。なお、図27には、励起パルス光のスペクトルも共
に示している。
向に分散値が減少する導波路型光非線形媒質を用いるこ
とにより、発生する白色パルス光の帯域が増加すること
も示している。
効率Supercontinuum発生用光ファイバの検討」、電子情
報通信学会1997年総合大会SB−13−6)にも示されて
いる。すなわち、図28に示すように、導波路型光非線
形媒質(光ファイバ)の励起パルス光の中心波長λ0 に
おける分散値を、入射端(z=0)から出射端(z=
L)に向かって正から負に変化させ、さらに分散スロー
プを小さく抑えることにより、広帯域な白色パルス光が
発生するというものである。文献2の白色パルス光源で
得られた白色パルス光のスペクトルを図29に示す。
n of 10 GHz pulse trains at 16 wavelengths by spec
trally slicing a high power femtosecond source", E
lectronics Letters, vol.32, no.18, pp.1691-1693, 1
996)では、利得特性を有する導波路型光非線形媒質(希
土類添加ファイバ)を励起して白色パルス光を発生させ
る構成が示されている。この構成では、励起パルス光の
強度が低い場合や、導波路型光非線形媒質が短い場合で
も白色パルス光を発生させることができる。
光を通信および計測に利用するに当たっては、スペクト
ルが広帯域であるとともに、その波長範囲で平坦性に優
れていることが重要である。
は、導波路型光非線形媒質について、分散値の波長に関
する1次の項(分散スロープ)までを規定するに止まっ
ている。また、文献3は、導波路型光非線形媒質に希土
類元素を添加していることを除けば、分散値の減少性を
規定するのみである。そのため、図27および図29に
示すように広帯域性と平坦性を共に満足する白色パルス
光は得られていない。
る白色パルス光を発生させるための新たな設計指針に基
づく白色パルス光源を提供することを目的とする。
は、中心波長λ0 の励起パルス光を発生する励起パルス
光源と、励起パルス光を入射して白色パルス光を発生す
る長さL [m] の導波路型光非線形媒質とを備える。
導波路型光非線形媒質の分散値D(λ0,z) は、入射端
(z=0)で正の値をとり、励起パルス光の伝搬方向に
向かって減少する特性を有する。
L1 ≦z≦L(ただし0≦L1<L)で、分散値D(λ,
z) がピーク波長λp(z)において極大値D(λp(z),z)
を有し、さらにこの極大値が正となる伝搬距離zの範囲
で、分散値D(λ,z)が0となる2つの零分散波長λ
1(z)およびλ2(z)を有する構成である。
ス光の発生および成長の原理について説明する。白色パ
ルス光は、2段階の過程を経て発生し成長する。すなわ
ち、ソリトン圧縮によるスペクトル広がり過程と、ソリ
トンが分散性波動に変化することによるスペクトルの矩
形化・平坦化の過程である。
ルス光は、中心波長λ0 における導波路型光非線形媒質
の分散値D(λ0,z)が正(異常分散)となる伝搬距離z
の範囲で、ソリトン圧縮を受けてスペクトルが広がる。
伝搬距離zに伴って分散値D(λ0,z)が減少し、2つの
零分散波長λ1(z),λ2(z)が励起パルス光の中心波長λ
0 に近づくと、スペクトルの両端の波長領域は分散値が
負(正常分散)の領域に入るが、励起パルス光は全体と
してソリトン性を維持してスペクトルが広がり続ける。
(λ0,z)が減少し続けると、スペクトルの両端の波長領
域は正常分散に負けてソリトン性を失って分散性波動に
変化し、その降伏点でスペクトル広がりは止まる。とこ
ろが、励起パルス光の中心波長λ 0 に近い波長領域で
は、分散値が依然として正(異常分散)であり、スペク
トルは広がり続けるので、降伏点での光のエネルギー密
度が増大し、角状のスペクトルが成長する。そして、2
つの零分散波長がさらに励起パルス光の中心波長に近づ
くと、降伏点もその中心波長に近づくので、平坦なスペ
クトルが形成される。
パルス光源の第1の実施形態は、図26に示すような励
起パルス光源と導波路型光非線形媒質から構成される。
ただし、本発明の白色パルス光源に用いられる導波路型
光非線形媒質は、その波長−分散値特性に特徴がある。
散値特性〕図1は、本発明の白色パルス光源に用いられ
る導波路型光非線形媒質の第1の波長−分散値特性を示
す。図において、横軸は波長、縦軸は分散値を示す。
路型光非線形媒質の分散値D(λ0,z)は、入射端(z
=0)では正値をとり、励起パルス光の伝搬方向に向か
って減少する。
(λ,z)は、波長λp(z)において1つの極大値D(λ
p(z),z)を有し、このピーク波長λp(z)の近傍では2
次関数で近似される。なお、図1ではλ0 =λp(z)のよ
うに記載しているが、両者は必ずしも一致していなくて
もよく、所定の波長差Λが許容されている。また、ピー
ク波長λp(z)は伝搬距離zの関数であり、導波路型光非
線形媒質の伝搬方向に変化してもよい。この2つの事項
については後述する。
おいて、分散値D(λ,z)は2つの零分散波長λ1(z)お
よびλ2(z)を有する(λ1(z)<λ2(z))。すなわち、分
散値D(λ,z)は、白色パルス光の波長がλ1(z)以上か
つλ2(z)以下で0[ps/nm/km]以上となり、λ1(z)以下ま
たはλ2(z)以上で0 [ps/nm/km] 以下となる。この零分
散波長λ1(z)およびλ2(z)は、分散値D(λ0,z)の減少
に伴って接近する。
いられる導波路型光非線形媒質の波長−分散値特性は、
励起パルス光の中心波長λ0 における分散値D(λ0,
z)が励起パルス光の伝搬方向に向かって正値から減少
し、かつ分散値D(λ,z)が極大値D(λp(z),z)を
有し、この極大値が正となる伝搬距離zの範囲で2つの
零分散波長λ1(z),λ2(z)を有することを特徴とする。
(b),(c) に示すような2重クラッド、3重クラッド、ま
たは4重クラッドの屈折率分布を有する光導波路により
実現可能である。ここで、2重クラッドは、コア、第1
クラッド、第2クラッドのそれぞれの平均の屈折率をn
0 ,n1 ,n2 とすると n0 >n2 >n1 の関係に設定される。また、3重クラッドは、コア、第
1クラッド、第2クラッド、第3クラッドのそれぞれの
平均の屈折率をn0 ,n1 ,n2 ,n3 とすると n0 >n2 >n3 >n1 の関係に設定される。また、4重クラッドは、コア、第
1クラッド、第2クラッド、第3クラッド、第4クラッ
ドのそれぞれの平均の屈折率をn0 ,n1 ,n2,
n3 ,n4 とすると n0 >n2 >n4 >n3 >n1 または n0 >n2 >n4 >n3 =n1 の関係に設定される。この屈折率分布は公知であり、例
えば文献4(川上 他著「光ファイバとファイバ形デバ
イス」、培風館、1996) 、または文献5(L.G.Cohen, e
t al.,"Low-loss quadruple-clad single-mode lightgu
ides with dispersion below 2 ps/nm/km over the 1.2
8 μm - 1.65μm wavelength range", Electron. Let
t., vol.18, p.1023, 1982) 等に記載がある。
向に分散値を変化させるには、コアまたはクラッドの径
を変化させるか、コアまたはクラッドの屈折率を変化さ
せることにより実現可能である。
導波路型光非線形媒質に、図3に示すスペクトルの励起
パルス光を入射して得られた白色パルス光のスペクトル
の例(数値実験)を図4に示す。広帯域でかつ高い平坦
性を有する白色パルス光が得られることがわかる。これ
は、導波路型光非線形媒質が上記,の条件を満たし
ていることによる。
減少するが、波長−分散値特性が通常の導波路型光非線
形媒質(図28)のように零分散波長が1つしかない導
波路型光非線形媒質を用いる場合には、励起光波長に対
してその零分散波長側にのみ角状スペクトルが発生す
る。そのため、零分散波長が2つある場合のようにスペ
クトルが対称に成長せず、図29に示すようにスペクト
ルの平坦化が十分に達成できない。
値特性が2つの零分散波長を有するが、分散値の減少が
ない導波路型光非線形媒質を用いる場合には、励起光波
長の両側に角状スペクトルが発生するが、降伏点が励起
光波長に接近しないので、角状スペクトルの形成が励起
光波長の方向に進行しない。そのため、図5に示すよう
にスペクトルの平坦化が十分に達成できない。
光の条件〕以下、本発明の白色パルス光源に用いる導波
路型光非線形媒質の条件、入射する励起パルス光の条件
について具体的に説明する。
分散値D(λ0,L)の関係 励起パルス光の中心波長λ0 における導波路型光非線形
媒質の分散値D(λ0,z)は、励起パルス光の入射端で
正値をとり、伝搬方向に向かって減少していく。ここ
で、導波路型光非線形媒質の分散値D(λ0,z)が正(異
常分散)の領域で発生する白色パルス光のスペクトル
は、分散値D(λ0,z)が入射端(z=0)の分散値D
(λ0,0)の1/40以下になる伝搬距離から平坦化を開始
する。したがって、出射端(z=L)の分散値D(λ0,
L)は、 D(λ0,L) < D(λ0,0)/40 とする。
の領域に入ると、スペクトルはほとんど広がらない。し
かし、D(λ0,z)=0 [ps/nm/km] となる伝搬距離LZD
を出射端とするより、しばらく正常分散領域を伝搬させ
た方がスペクトルの平坦性が向上することが数値実験で
確認されている。すなわち、出射端(z=L)の分散値
D(λ0,L)は、 D(λ0,L) ≦ −D(λ0,0)/40 とする。
端(z=L)の分散値D(λ0,L)は、図6に示すよう
に、入射端(z=0)の分散値D(λ0,0)の1/40未満
であることが要求され、−1/40以下にすればさらにス
ペクトルの平坦性を高めることができる。ここで、出射
端の分散値D(λ0,L)が入射端の分散値D(λ0,0)の−
1/20になる伝搬距離における白色パルス光のスペクト
ルを図7に示す。
ル幅の関係 D(λ0,z)=0 [ps/nm/km] となる伝搬距離(導波路型
光非線形媒質の長さ)を媒質長LZD [m] とする。
クトル幅の関係を示す。なお、スペクトル幅は、強度ス
ペクトルがそのピーク値の 0.5%(−23dB)以上の値を
とる波長範囲とする。以下の説明でも同様である。図に
示すように、スペクトル幅が急激に増大する媒質長LZD
があり、これを媒質長のしきい値L0 とする。
のピーク強度の関係 図9は、媒質長のしきい値L0 と励起パルス光のピーク
強度の関係を示す。媒質長のしきい値L0 は、励起パル
ス光のピーク強度が大きいほど小さくなる。すなわち、
励起パルス光のピーク強度をP0[W] とすると、 γP0 L0 = 4.6 γ=(ω0 n2)/(c0 A) の関係がある。ただし、c0 は真空中の光速 [m/s]
、n2 は導波路型光非線形媒質の非線形屈折率 [m2/
W] 、ω0(=2πc0/λ0)は励起パルス光の角周波
数、Aは励起パルス光の中心波長λ0 における導波路型
光非線形媒質のモードフィールド面積 [m2]である。
0 および分散値D(λ0,z)が0になる伝搬距離である媒
質長LZDを γP0 LZD≧ 4.6 の条件を満足する値に設定すれば、スペクトル幅の広い
白色パルス光を発生させることができる。例えば、γP
0 =0.00775[1/m] のときは、媒質長LZDは約600
[m] 以上に設定すればよい。
ペクトル幅の関係 図10は、導波路型光非線形媒質の入射端における分散
値D(λ0,0)と白色パルス光のスペクトル幅の関係の一
例を示す。図に示すように、所定のスペクトル幅が得ら
れる分散値D(λ0,0)には範囲があり、ここでは下限
(2ps/nm/km)と上限(27ps/nm/km)が存在することが
わかる。
光のスペクトル幅の関係 図11は、励起パルス光のパルス幅と白色パルス光のス
ペクトル幅の関係の一例を示す。図に示すように、所定
のスペクトル幅が得られる励起パルス光のパルス幅(半
値全幅)には範囲があり、ここでは下限(2ps)と上限
(8ps)が存在することがわかる。
としたときの励起パルス光のパルス幅と白色パルス光の
スペクトル幅の関係の一例を示す。図に示すように、分
散値D(λ0,0)を大きく設定した場合には、励起パルス
光のパルス幅(半値全幅)を大きくすることにより、ス
ペクトル幅を広げることができる。
おける分散値D(λ0,0)と、励起パルス光の半値全幅Δ
tが、 0.05Δt2 ≦D(λ0,0) ≦ 3.0Δt2 の関係であれば、励起パルス光のピーク強度P0 および
媒質長LZDは γP0 LZD≧ 4.6 の条件を満足する値に設定すればよい。たとえば、Δt
=4 [ps] 、γP0 =0.00775[1/m] のとき、2
[ps/nm/km] ≦D(λ0,0)≦ 27 [ps/nm/km]、LZD≧ 60
0 [m] となる。
LZDは γP0 LZD≧ 3.5 の条件を満足する値に設定すればよい。
0)の関係 白色パルス光発生に必要な導波路型光非線形媒質の条件
は、励起パルス光のピーク強度P0[W] および半値全幅
Δt[sec] で規格化された媒質長Ln =γP0LZDおよ
び入射端の分散値Dn =D(λ0,0)/(γP0Δt2) を用
いて普遍的な式で表すと、 Ln ≧a/Dn +b+cDn +dDn2 となる。ただし、a=0.30×1020、b=2.9 、c=−0.
17×10-20 、d=0.40×10-40 である。
が 0.5[W]、半値全幅Δtが4[ps]の場合に、媒質長L
ZDおよび入射端の分散値D(λ0,0)に対する導波路型光
非線形媒質の出力光のスペクトル幅は、図13の等高線
マップとして表される。ここで、等高線の間隔はスペク
トル幅 25[nm] に対応する。このときの白色パルス光発
生に必要な導波路型光非線形媒質の媒質長LZDは、 LZD≧ 480/D(λ0,0)+374−1.8D(λ0,0)+0.34D
(λ0,0)2 となる。
多くの材料(代表的なものとして溶融石英(fused sili
ca))は、誘導ラマン効果を引き起こす。このような導波
路型光非線形媒質の出力光のスペクトル幅の等高線マッ
プは、同様に励起パルス光のピーク強度P0 および半値
全幅Δtを 0.5[W]、4[ps]とした場合に、図14のよ
うに表される。このときの白色パルス光発生に必要な導
波路型光非線形媒質の媒質長LZDは、 LZD≧ 426/D(λ0,0)+308−1.7D(λ0,0)+0.18D
(λ0,0)2 となる。
図13と比較して白色パルス光のスペクトル幅に対する
媒質長のしきい値L0 が小さくなったことを示してい
る。この導波路型光非線形媒質の条件は、上記の普遍的
な式 Ln ≧a/Dn +b+cDn +dDn2 において、a=0.26×1020、b=2.3 、c=−0.16×10
-20 、d=0.21×10-40となる。
は、導波路型光非線形媒質の入射端における分散値D
(λ0,0)、入射する励起パルス光のピーク強度P0 およ
び半値全幅Δt、さらに分散値D(λ0,z)=0になる媒
質長LZDとしてそれぞれ満足すべき範囲が存在し、各々
相互に関係している。
散値特性〕図15は、本発明の白色パルス光源に用いら
れる導波路型光非線形媒質の第2の波長−分散値特性を
示す。
ルス光の中心波長λ0 と、ピーク波長λp(z)が一致せ
ず、両者の間に λp(z)−Λ≦λ0 ≦λp(z)+Λ で規定される波長差Λを許容するところにある。
[nm] としたときに発生する白色パルス光のスペクト
ルを図16(a),(b),(c) に示す。励起パルス光の中心波
長λ 0 がピーク波長λp(z)から30 [nm] または40 [n
m] 離調する場合には、白色パルス光のスペクトル対称
性は若干悪化するが、平坦性はほぼ満足できるものが得
られる。一方、離調が50 [nm] になると、平坦なスペ
クトルは得られなくなる。これは、2つの零分散波長を
有する波長−分散値特性の利点を活かすことができず、
図29に示す文献2の白色パルス光源と同様になってし
まうためと考えられる。
散値特性〕以上の説明では、ピーク波長λp(z)が導波路
型光非線形媒質の伝搬方向に一定であるとしたが、必ず
しも一定である必要はない。例えば、図17に示すよう
に、ピーク波長λp(z)が導波路型光非線形媒質の伝搬方
向に変化してもよい。このような第3の波長−分散値特
性は、例えば光導波路の長手方向にコアおよびクラッド
の径のみを変化させた場合に生ずる。この第3の波長−
分散値特性を有する白色パルス光源で発生する白色パル
ス光のスペクトルを図18に示す。第1および第2の波
長−分散値特性を有する場合と同様に、広帯域でかつ高
い平坦性を有する白色パルス光が得られることがわか
る。
は、上述したように必ずソリトン圧縮によるスペクトル
広がり過程を経る。このソリトン圧縮を起こすために
は、必ずしも2つの零分散波長を有する導波路型光非線
形媒質を用いる必要はない。すなわち、図19に示すよ
うに、2種類の導波路型光非線形媒質を縦続に接続し、
前段(0≦z≦L1 )にソリトン圧縮を起こす導波路型
光非線形媒質を用いてスペクトル広がりを実現し、後段
(L1 ≦z≦L)に上記,の条件を満たす導波路型
光非線形媒質を用いてスペクトルの矩形化・平坦化を実
現するようにしてもよい。この構成により発生する白色
パルス光のスペクトルの例を図20に示す。
は、製造時に白色パルス光の発生・成長に寄与する部分
と、寄与しない部分に分かれて形成される場合がある。
すなわち、図21に示すように、L1 ≦z≦L2 の範囲
で白色パルス光の発生および成長に寄与する部分が形成
される場合がある。この場合に、入射された励起パルス
光が、z=L1 の位置で白色パルス光の発生条件を満足
すれば、白色パルス光の発生が可能となる。
として、利得特性を有する導波路型光非線形媒質を用い
る。これにより、利得特性がない導波路型光非線形媒質
では白色パルス光を発生させることができない程度に小
さい強度の励起パルス光や、長さが短い導波路型光非線
形媒質を用いても、白色パルス光を発生させることが可
能となる。図22は、利得特性を有する導波路型光非線
形媒質の媒質長LZDと白色パルス光のスペクトル幅の関
係を示す。白丸は導波路型光非線形媒質の利得が0.01
[dB/m] の場合であり、黒丸は0.05 [dB/m] の場合
を示す。なお、励起パルス光のピーク強度、パルス幅、
および導波路型光非線形媒質の入射端における分散値D
(λ0,0)は、図8に示す利得特性がない導波路型光非線
形媒質の場合と同一条件とした。
利得特性を有する場合には、スペクトル幅が急激に増大
する媒質長のしきい値L0 が短くなることがわかる。ま
た、媒質長のしきい値L0 と励起パルス光のピーク強度
は図9に示す関係となるので、導波路型光非線形媒質が
利得特性を有する場合は大きい強度の励起パルス光を用
いる場合と同等の効果が得られる。すなわち、利得特性
を有する導波路型光非線形媒質では、小さい強度の励起
パルス光や、長さが短い導波路型光非線形媒質を用いて
も白色パルス光を発生させることが可能となる。
の実施形態の構成を示す。本実施形態の白色パルス光源
は、励起パルス光源と、利得特性を有する導波路型光非
線形媒質として、例えば半導体光増幅器等により構成さ
れる。
色パルス光源の第5の実施形態の構成を示す。本実施形
態の白色パルス光源は、励起パルス光源と、希土類添加
導波路型光非線形媒質と、希土類添加導波路型光非線形
媒質に反転分布を生じさせるための励起光を発生する励
起光源と、この励起光と励起パルス光を合波して希土類
添加導波路型光非線形媒質に入力する光合波器とにより
構成される。
色パルス光源の第6の実施形態の構成を示す。本実施形
態の白色パルス光源は、励起パルス光源と、希土類添加
導波路型光非線形媒質と、希土類添加導波路型光非線形
媒質に反転分布を生じさせるための励起光を発生する励
起光源と、この励起光を希土類添加導波路型光非線形媒
質の出力端側から入力する光合波器と、希土類添加導波
路型光非線形媒質を通過した励起光が励起パルス光源に
入射されることを防ぐ光アイソレータとにより構成され
る。
第6の実施形態(後方励起構成)を併用する構成として
もよい。また、希土類添加導波路型光非線形媒質に代え
てラマン利得特性を有する導波路型光非線形媒質を用
い、この導波路型光非線形媒質にラマン利得を生じさせ
るための励起光を入力するようにしてもよい。
構成において、導波路型光非線形媒質の前または後に、
励起光パルス光源または導波路型光非線形媒質への反射
戻り光を阻止する手段を備えることにより、増幅動作を
安定させることができる。
おいて、導波路型光非線形媒質に偏波保持性を付与する
ことにより、励起パルス光の偏波は安定に保たれ、偏波
の安定した白色パルス光を発生させることができる。
波路型光非線形媒質の入射端前に励起パルス光を増幅す
る光増幅器を備えてもよい。これにより、出力光強度が
小さい励起パルス光源を用いた場合でも、白色パルス光
の発生条件を満足させることができる。
ス光波長におけるピークは、白色パルス光に変換されな
かった励起パルス光の裾に対応する。したがって、以上
示した各実施形態において、導波路型光非線形媒質の出
射端後に励起パルス光波長成分を阻止する波長フィルタ
を備えてもよい。これにより、単位波長あたりの白色パ
ルス光の光強度に比べて大きい光強度をもつ励起パルス
光波長におけるピークを除去または抑圧することができ
る。
ス光源は、励起パルス光の中心波長λ 0 における導波路
型光非線形媒質の分散値が、励起パルス光の伝搬方向に
沿って正の値から0 [ps/nm/km] の前後まで減少し、さ
らに極大値を有し、極大値が正となる伝搬距離の範囲で
励起パルス光の中心波長λ0 の両側に零分散波長が形成
されるようにする。これにより、ソリトン圧縮によるス
ペクトル広がり過程と、ソリトンが分散性波動に変化す
ることによるスペクトルの矩形化・平坦化の過程を引き
起こすことができる。したがって、高い平坦性および対
称性を有する白色パルス光を発生させることができる。
付与することにより、より小さい強度の励起パルス光
や、より短い導波路型光非線形媒質を用いても、高い平
坦性および対称性を有する白色パルス光を発生させるこ
とができる。
光非線形媒質の第1の波長−分散値特性を示す図。
光のスペクトルを示す図。
源で発生する白色パルス光のスペクトルの例を示す図。
質で伝搬距離に伴う分散値の減少がない場合の出力スペ
クトルの例を示す図。
D(λ0,L)を説明する図。
なる伝搬距離における白色パルス光のスペクトルを示す
図。
係を示す図。
強度の関係を示す図。
値D(λ0,0)と白色パルス光のスペクトル幅の関係の一
例を示す図。
ペクトル幅の関係の一例を示す図。
励起パルス光のパルス幅と白色パルス光のスペクトル幅
の関係の一例を示す図。
する導波路型光非線形媒質出力のスペクトル幅の関係の
一例を示す図。
する導波路型光非線形媒質(ラマン利得特性あり)出力
のスペクトル幅の関係の一例を示す図。
型光非線形媒質の第2の波長−分散値特性を示す図。
光源で発生する白色パルス光のスペクトルの例を示す
図。
型光非線形媒質の第3の波長−分散値特性を示す図。
光源で発生する白色パルス光のスペクトルの例を示す
図。
構成を示す図。
白色パルス光のスペクトルの例を示す図。
構成を示す図。
質長LZDと白色パルス光のスペクトル幅の関係を示す
図。
構成を示す図。
構成を示す図。
構成を示す図。
ス光のスペクトルの例を示す図。
型光非線形媒質の波長−分散値特性を示す図。
ス光のスペクトルの例を示す図。
Claims (23)
- 【請求項1】 中心波長λ0 の励起パルス光を発生する
励起パルス光源と、前記励起パルス光を入射して白色パ
ルス光を発生する長さL [m] の導波路型光非線形媒質
とを備え、 前記励起パルス光の中心波長λ0 における前記導波路型
光非線形媒質の分散値D(λ0,z) [ps/nm/km] は、入射
端(z=0)で正の値をとり、前記励起パルス光の伝搬
方向に向かって減少する特性を有する白色パルス光源に
おいて、 前記導波路型光非線形媒質は、前記励起パルス光の伝搬
距離zの範囲L1 ≦z≦L(ただし0≦L1<L)で、分
散値D(λ,z) がピーク波長λp(z)において極大値D
(λp(z),z) を有し、さらにこの極大値が正となる伝搬
距離zの範囲で、分散値D(λ,z)が0 [ps/nm/km] と
なる2つの零分散波長λ1(z)およびλ2(z)を有する構成
であることを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項2】 請求項1に記載の白色パルス光源におい
て、 導波路型光非線形媒質の分散値D(λ,z) の減少に伴っ
て、2つの零分散波長λ1(z)およびλ2(z)が接近する構
成であることを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項3】 請求項1に記載の白色パルス光源におい
て、 励起パルス光の中心波長λ0 とピーク波長λp(z)は、 λp(z)−Λ≦λ0 ≦λp(z)+Λ の関係で規定される波長差Λを許容することを特徴とす
る白色パルス光源。 - 【請求項4】 請求項3に記載の白色パルス光源におい
て、 励起パルス光の中心波長λ0 とピーク波長λp(z)の波長
差Λは、50 [nm] 未満であることを特徴とする白色パ
ルス光源。 - 【請求項5】 請求項1に記載の白色パルス光源におい
て、 励起パルス光の中心波長λ0 における導波路型光非線形
媒質の入射端(z=0)の分散値D(λ0,0)と、出射端
(z=L)の分散値D(λ0,L)が D(λ0,L) < D(λ0,0)/40 の関係に設定されたことを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項6】 請求項1に記載の白色パルス光源におい
て、 励起パルス光の中心波長λ0 における導波路型光非線形
媒質の入射端(z=0)の分散値D(λ0,0)と、出射端
(z=L)の分散値D(λ0,L)が D(λ0,L) ≦ −D(λ0,0)/40 の関係に設定されたことを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項7】 請求項1に記載の白色パルス光源におい
て、 励起パルス光の中心波長λ0 における導波路型光非線形
媒質の入射端の分散値D(λ0,0) [ps/nm/km] と、励起
パルス光の半値全幅Δt [ps] が 0.05Δt2 ≦D(λ0,0) ≦ 3.0Δt2 の関係に設定されたことを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項8】 請求項7に記載の白色パルス光源におい
て、 励起パルス光のピーク強度をP0[W] 、励起パルス光の
中心波長λ0 における導波路型光非線形媒質の分散値D
(λ0,z)が0 [ps/nm/km] となる伝搬距離をL ZD [m]
、真空中の光速をc0 [m/s] 、導波路型光非線形媒
質の非線形屈折率をn2 [m2/W] 、励起パルス光の角
周波数をω0(=2πc0/λ0)、励起パルス光の中心波
長λ0 における導波路型光非線形媒質のモードフィール
ド面積をA[m2]としたときに、 γP0 LZD≧ 4.6 γ=(ω0 n2)/(c0 A) の関係に設定されたことを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項9】 請求項1に記載の白色パルス光源におい
て、 励起パルス光の中心波長λ0 における導波路型光非線形
媒質の入射端の分散値D(λ0,0) [ps/nm/km] と、励起
パルス光の半値全幅Δt [ps] が 0.1Δt2 ≦D(λ0,0) ≦ 1.7Δt2 の関係に設定されたことを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項10】 請求項9に記載の白色パルス光源にお
いて、 励起パルス光のピーク強度をP0[W] 、励起パルス光の
中心波長λ0 における導波路型光非線形媒質の分散値D
(λ0,z)が0 [ps/nm/km] となる伝搬距離をL ZD [m]
、真空中の光速をc0 [m/s] 、導波路型光非線形媒
質の非線形屈折率をn2 [m2/W] 、励起パルス光の角
周波数をω0(=2πc0/λ0)、励起パルス光の中心波
長λ0 における導波路型光非線形媒質のモードフィール
ド面積をA[m2]としたときに、 γP0 LZD≧ 3.4 γ=(ω0 n2)/(c0 A) の関係に設定されたことを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項11】 請求項1に記載の白色パルス光源にお
いて、 励起パルス光のピーク強度P0[W] および半値全幅Δt
[sec] 、励起パルス光の中心波長λ0 における導波路型
光非線形媒質の入射端の分散値D(λ0,0)[sec/m2] お
よび分散値D(λ0,z)が0となる伝搬距離LZD [m] か
ら得られる規格化された媒質長Ln および入射端の分散
値Dn が Ln =γP0 LZD Dn =D(λ0,0)/(γP0Δt2) であり、γが真空中の光速c0 [m/s] 、導波路型光非
線形媒質の非線形屈折率n2[m2/W] 、励起パルス光の
角周波数ω0(=2πc0/λ0)、励起パルス光の中心波
長λ0 における導波路型光非線形媒質のモードフィール
ド面積A [m2]を用いて γ=(ω0 n2)/(c0 A) と表されるときに、 Ln ≧a/Dn +b+cDn +dDn2 の関係を満足し、a=0.30×1020、b=2.9 、c=−0.
17×10-20 、d=0.40×10-40 であることを特徴とする
白色パルス光源。 - 【請求項12】 請求項1に記載の白色パルス光源にお
いて、 導波路型光非線形媒質として、ラマン利得特性を有する
導波路型光非線形媒質を用い、 励起パルス光のピーク強度P0[W] および半値全幅Δt
[sec] 、励起パルス光の中心波長λ0 における導波路型
光非線形媒質の入射端の分散値D(λ0,0)[sec/m2] お
よび分散値D(λ0,z)が0となる伝搬距離LZD [m] か
ら得られる規格化された媒質長Ln および入射端の分散
値Dn が Ln =γP0 LZD Dn =D(λ0,0)/(γP0Δt2) であり、γが真空中の光速c0 [m/s] 、導波路型光非
線形媒質の非線形屈折率n2[m2/W] 、励起パルス光の
角周波数ω0(=2πc0/λ0)、励起パルス光の中心波
長λ0 における導波路型光非線形媒質のモードフィール
ド面積A [m2]を用いて γ=(ω0 n2)/(c0 A) と表されるときに、 Ln ≧a/Dn +b+cDn +dDn2 の関係を満足し、a=0.26×1020、b=2.3 、c=−0.
16×10-20 、d=0.21×10-40 であることを特徴とする
白色パルス光源。 - 【請求項13】 請求項1に記載の白色パルス光源にお
いて、 導波路型光非線形媒質は、2重(W)クラッド構造、3
重クラッド構造、または4重クラッド構造とし、その長
手方向にコアまたはクラッドの径または屈折率を変化さ
せて分散値を変化させる構成であることを特徴とする白
色パルス光源。 - 【請求項14】 請求項13に記載の白色パルス光源に
おいて、 導波路型光非線形媒質が2重クラッド構造であり、コ
ア、第1クラッド、第2クラッドのそれぞれの平均の屈
折率をn0 ,n1 ,n2 とすると、 n0 >n2 >n1 の関係に設定したことを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項15】 請求項13に記載の白色パルス光源に
おいて、 導波路型光非線形媒質が3重クラッド構造であり、コ
ア、第1クラッド、第2クラッド、第3クラッドのそれ
ぞれの平均の屈折率をn0 ,n1 ,n2 ,n3 とする
と、 n0 >n2 >n3 >n1 の関係に設定したことを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項16】 請求項13に記載の白色パルス光源に
おいて、 導波路型光非線形媒質が4重クラッド構造であり、コ
ア、第1クラッド、第2クラッド、第3クラッド、第4
クラッドのそれぞれの平均の屈折率をn0 ,n1,
n2 ,n3 ,n4 とすると、 n0 >n2 >n4 >n3 >n1 または n0 >n2 >n4 >n3 =n1 の関係に設定したことを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項17】 請求項1に記載の白色パルス光源にお
いて、 導波路型光非線形媒質が偏波保持性を有する構成である
ことを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項18】 請求項1に記載の白色パルス光源にお
いて、 導波路形光非線形媒質として、利得特性を有する導波路
型光非線形媒質を用いたことを特徴とする白色パルス光
源。 - 【請求項19】 請求項1に記載の白色パルス光源にお
いて、 導波路形光非線形媒質として、希土類元素を添加した導
波路型光非線形媒質を用い、 前記導波路型光非線形媒質に反転分布を生じさせるため
の励起光を発生する励起光源と、 前記励起光を前記導波路型光非線形媒質に入力する励起
光入力手段とを備えたことを特徴とする白色パルス光
源。 - 【請求項20】 請求項1に記載の白色パルス光源にお
いて、 導波路形光非線形媒質として、ラマン利得特性を有する
導波路型光非線形媒質を用い、 前記導波路型光非線形媒質にラマン利得を生じさせるた
めの励起光を発生する励起光源と、 前記励起光を前記導波路型光非線形媒質に入力する励起
光入力手段とを備えたことを特徴とする白色パルス光
源。 - 【請求項21】 請求項18から請求項20のいずれか
に記載の白色パルス光源において、 導波路型光非線形媒質または励起光パルス光源へ入力さ
れる反射戻り光を阻止する手段を備えたことを特徴とす
る白色パルス光源。 - 【請求項22】 請求項1に記載の白色パルス光源にお
いて、 導波路型光非線形媒質に入射する励起パルス光を増幅す
る光増幅器を備えたことを特徴とする白色パルス光源。 - 【請求項23】 請求項1に記載の白色パルス光源にお
いて、 導波路型光非線形媒質の出射端後に、励起パルス光波長
成分を阻止する波長フィルタを備えたことを特徴とする
白色パルス光源。
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Publications (2)
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JPH11174503A JPH11174503A (ja) | 1999-07-02 |
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ID=27321886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16482998A Expired - Lifetime JP3474773B2 (ja) | 1997-06-18 | 1998-06-12 | 白色パルス光源 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (5)
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-
1998
- 1998-06-12 JP JP16482998A patent/JP3474773B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
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Electron.Lett.,1994年 5月12日,Vol.30,No.14,790−791 |
Electron.Lett.,1994年 7月 7日,Vol.30,No.14,1166−1168 |
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