JP6729878B2 - 多光子励起用スーパーコンティニウム光生成光源、多光子励起用スーパーコンティニウム光生成方法、多光子励起蛍光顕微鏡及び多光子励起方法 - Google Patents

多光子励起用スーパーコンティニウム光生成光源、多光子励起用スーパーコンティニウム光生成方法、多光子励起蛍光顕微鏡及び多光子励起方法 Download PDF

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Description

本願の発明は、スーパーコンティニウム光の生成技術に関するものであり、また蛍光顕微鏡の技術に関するものである。
高いピーク強度を有する狭帯域の超短パルスが非線形光学効果により広帯域化する現象は、スーパーコンティニウム光として知られている。特許文献1〜5は、従来知られたスーパーコンティニウム光生成光源を開示している。
スーパーコンティニウム光を生成して出射させる光源(スーパーコンティニウム光生成光源)は、超短パルス光を発振させるパルス光発振部と、非線形光学素子とを備えている。パルス発振部には超短パルスレーザー発振器が使用される場合が多く、非線形光学素子としては非線形ファイバのような導波路型のものが使用されることが多い。パルス光発振部から発振された超短パルス光が導波路に入射すると、導波路内を伝搬する際に自己位相変調、相互位相変調、四光波混合、ラマン散乱などの非線形光学効果により広帯域化し、スーパーコンティニウム光となって出射する。
特開平10−90737号公報 特開平11−174503号公報 特開2003−149695号公報 特開2007−279704公報 特開2008−216716号公報 特表2015−511312号公報
Japanese journal of optics : a publication of the Optical Society of Japan, the Japan Society of Applied Physics 44(1), 11-17, 2015-01
スーパーコンティニウム光は、主として光通信用の用途で実用化が期待されて研究されてきた。通信の大容量化のためにはマルチキャリア(多重伝送)化することが必要で、このための技術としてスーパーコンティニウム光の採用が検討されてきたが、マルチコア構造の光ファイバ等の開発もあって、スーパーコンティニウム光の実用化はそれほど進んでいない。
このような状況ではあるものの、レーザー光としての性質を保持しつつある程度広いスペクトル成分を有するスーパーコンティニウム光の優れた特性は、他の分野において好適に利用できる可能性があると考えられる。
本願発明は、上記の点を解決課題として為されたものであり、新たな用途に利用できるスーパーコンティニウム光を出射するスーパーコンティニウム光生成光源を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、照射面で対象物を多光子励起可能なスーパーコンティニウム光を生成して出射させる多光子励起用スーパーコンティニウム光生成源であって、
超短パルス光を発振するパルス光発振部と、
パルス光発振部から発振された超短パルス光を非線形光学効果によりスーパーコンティニウム光に変換して出射させる導波路と
を備えており、
導波路は、850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において連続したスペクトルのスーパーコンティニウム光となるよう超短パルス光を変換するものであり、
パルス光発振部及び導波路は、ピーク強度が1kW以上であるスーパーコンティニウム光を出射させるものであり、
導波路は、超短パルス光を1パルス内での波長の経時的変化が連続的であるスーパーコンティニウム光に変換するものであり、
導波路から出射されたスーパーコンティニウム光を圧縮して当該スーパーコンティニウム光のピーク強度を増加させるパルス圧縮部を備えており、
パルス圧縮部は、プリズムペアと、プリズムペアを光が往復して透過するよう配置されたミラーとを備えており、ピーク強度を2倍以上とする圧縮部であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において3dB以内の波長平坦性を有するスーパーコンティニウム光を出射させるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記パルス光発振部は、パルス幅が1ピコ秒以下であって且つ1000nm以上1100nm以下の波長域に中心波長を有する超短パルス光を発振するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1乃至いずれかの構成において、前記導波路は、850nm以上1550nm以下の波長域において正常分散特性を示すファイバであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記超短パルス光の中心波長が、前記正常分散特性を示すファイバの群速度分散スペクトルのピーク波長に対して±50nmの範囲内であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、照射面で対象物を多光子励起可能なスーパーコンティニウム光を生成して出射させる多光子励起用スーパーコンティニウム光生成方法であって、
パルス光発振部により超短パルス光を発振するステップと、
パルス光発振部から発振された超短パルス光を導波路に入射させ、導波路における非線形光学効果によりスーパーコンティニウム光に変換して出射させるステップと
を備えており、
導波路は、850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において連続したスペクトルのスーパーコンティニウム光となるよう超短パルス光を変換するものであり、
導波路から出射されるスーパーコンティニウム光は、ピーク強度が1kW以上であって、1パルス内での波長の経時的変化が連続的であり、
さらに、
導波路から出射されたスーパーコンティニウム光のパルスを圧縮して当該スーパーコンティニウム光のピーク強度を増加させるパルス圧縮ステップを備えており、
パルス圧縮ステップは、プリズムペアにスーパーコンティニウム光を往復して透過させることでパルスを圧縮するステップであり、パルスの圧縮によりピーク強度を2倍以上とするステップである
という構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において3dB以内の波長平坦性を有するスーパーコンティニウム光を出射させるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項の構成において、前記パルス光発振部から発振される超短パルス光は、パルス幅が1ピコ秒以下であって且つ1000nm以上1100nm以下の波長域に中心波長を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項6乃至8いずれかの構成において、前記導波路は、850nm以上1550nm以下の波長域において正常分散特性を示すファイバであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項10記載の発明は、前記請求項の構成において、前記超短パルス光の中心波長が、前記正常分散特性を示すファイバの群速度分散スペクトルのピーク波長に対して±50nmの範囲内であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項11記載の発明は、前記請求項1乃至いずれかに記載の多光子励起用スーパーコンティニウム光生成光源を備えた多光子励起蛍光顕微鏡であって、
前記導波路から出射されたスーパーコンティニウム光を対象物上に照射するための光学系と、
対象物を当該スーパーコンティニウム光で多光子励起したときに放出される蛍光を検出する検出部とを備えているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項12記載の発明は、生成されたスーパーコンティニウム光により蛍光物質を多光子励起して蛍光を発生させる多光子励起方法であって、
パルス光発振部により超短パルス光を発振する発振ステップと、
パルス光発振部から発振された超短パルス光を導波路に入射させ、導波路における非線形光学効果によりスーパーコンティニウム光に変換して出射させる変換ステップと、
出射したスーパーコンティニウム光をパルス圧縮してピーク強度を増加させる圧縮ステップと、
圧縮ステップによりピーク強度を増加させたスーパーコンティニウム光の全部又は一部を蛍光物質に照射して蛍光物質を多光子励起する照射ステップと
を備えており、
変換ステップは、850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において連続したスペクトルのスーパーコンティニウム光となるよう導波路により超短パルス光を変換するステップであり、
変換ステップにおいて出射されるスーパーコンティニウム光は、ピーク強度が1kW以上であって、1パルス内での波長の経時的変化が連続的であり、
圧縮ステップは、プリズムペアにスーパーコンティニウム光を往復して透過させることでパルスを圧縮するステップであり、パルスの圧縮によりピーク強度を2倍以上とするステップであるという構成を有する。
以下に説明する通り、本願の請求項1、6又は12記載の発明によれば、850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において連続したスペクトルのスーパーコンティニウム光が出射され、当該スーパーコンティニウム光は対象物を多光子励起可能であるので、多光子励起を利用した対象物の蛍光観察や計測等に好適に使用することができる。
また、ピーク強度が1kW以上であるので、生体試料の蛍光観察に好適に使用することができる。
また、線形チャープであるスーパーコンティニウム光が生成されるので、その特性を多光子励起の用途に活かすことができる。
また、導波路から出射されたスーパーコンティニウム光を圧縮して当該スーパーコンティニウム光のピーク強度を増加させるので、高いピーク強度のスーパーコンティニウム光を得て多光子励起を行うことができる。
また、請求項2又は7記載の発明によれば、上記効果に加え、3dB以内の波長平坦性を有するので、より汎用性の高いスーパーコンティニウム光生成光源となる。
また、請求項3又は8記載の発明によれば、上記効果に加え、高い波長平坦性を容易に実現することができる。
また、請求項4又は9記載の発明によれば、上記効果に加え、850〜1550nmの波長域のスーパーコンティニウム光が容易に生成できたり、ピーク強度の大きなスーパーコンティニウム光を容易に生成できたりする効果が得られる。
また、請求項5又は請求項10記載の発明によれば、上記効果に加え、超短パルス光の中心波長が、正常分散特性を示すファイバの群速度分散スペクトルのピーク波長に対して±50nmの範囲内であるので、線形チャープであるスーパーコンティニウム光をより容易に得ることができる。
また、請求項11記載の発明によれば、上記効果に加え、850nm以上1550nm以下の波長域において、異なる吸収波長をもつ複数の蛍光タンパクを同時に多光子励起することが一台のレーザーで可能となる。なお、当然ながら波長調節機構を設け、任意の波長を切り出して単色励起の多光子励起蛍光観察を行うこともできる。従来、多色同時励起には複数のレーザーを必要としたため、本発明にれば省スペースで汎用性の高い多光子励起蛍光顕微鏡を実現できる。
第一の実施形態のスーパーコンティニウム光生成光源の概略図である。 図1に示す実施形態のスーパーコンティニウム光生成光源の一例(実施例1)について、出射された光をスペクトルアナライザで分析した結果を示す図である。 別の実施例(実施例2,実施例3)のスーパーコンティニウム光生成光源の出射光の分析結果について示した図である。 実施形態のスーパーコンティニウム光生成光源が備える導波路の波長分散特性を示した図である。 参考例で導波路として使用された非線形ファイバの波長分散特性を示す図である。 参考例の構成により生成したスーパーコンティニウム光のスペクトルの分析結果を示す図である。 実施形態に係る多光子励起蛍光顕微鏡の概略図である。 実施例1のスーパーコンティニウム光生成光源について、出射されたスーパーコンティニウム光のスペクトログラムを示した図である。 参考例のスーパーコンティニウム光生成光源について、出射されたスーパーコンティニウム光のスペクトログラムを示した図である。 第二の実施形態のスーパーコンティニウム光生成光源の概略図である。 第二の実施形態のスーパーコンティニウム光生成光源の機能、動作について模式的に表した図である。 第二の実施形態のSC光生成光源に使用されたパルス圧縮部7の概略図である。 第二の実施形態においてピーク強度の増加が確認された実験の結果を示す図である。 図13に示すSC光をスペクトログラムとして示した図である。 光の取り出しのための他の構成例を示した概略図である。 パルス圧縮部7の別の例を示す概略図である。 パルス圧縮部7の別の例を示す概略図である。
次に、本願発明を実施するための形態(以下、実施形態)について説明する。図1は、第一の実施形態のスーパーコンティニウム光(以下、SC光という)生成光源の概略図である。尚、以下の説明では、実施形態のSC光生成光源の動作に関する説明を含むが、この説明は、SC光生成方法の発明の実施形態の説明に相当している。
この実施形態のSC光生成光源の大きな特徴点は、対象物を多光子励起可能な光子密度以上となる光子密度のSC光を出射するものとなっている点である。即ち、実施形態のSC光生成光源は、多光子励起用の光源として構成されたものとなっている。
このような実施形態の多光子励起用のSC光生成光源の好ましい利用例として、多光子励起蛍光顕微鏡が想定されている。
蛍光顕微鏡は、対象物に励起光を照射し、発生する蛍光を捉えることで対象物を観察するタイプの顕微鏡であり、バイオ研究や生体試料の観察等の分野において特に重要な技術となっている。蛍光顕微鏡の場合、対象物のうちの観察したい部分のみ色づけして観察したり、細胞内の動きを細胞が生きている状態で観察したりすることも可能であるという特長点を有する。
このような蛍光顕微鏡の分野において、近年、二光子励起蛍光顕微鏡の技術が開発されている。励起光による蛍光放出は、通常、一つの光子が分子に吸収されて生じるが、二光子励起は、二つの光子を同時に吸収させて励起し、蛍光を放出させる。理論的には三個以上の光子を同時に吸収させて励起することも可能であり、多数の光子を同時に吸収させて励起する蛍光顕微鏡は、多光子励起蛍光顕微鏡と呼ばれる。多光子励起蛍光顕微鏡のより詳しい内容は、例えば非特許文献1に開示されている。
多光子励起蛍光顕微鏡が他の蛍光顕微鏡に比べて優れている点は幾つかあるが、その一つが波長分離が容易であるという点である。蛍光顕微鏡においては、発生する蛍光を励起波長の光から分離して蛍光のみを観察する必要があるが、通常の蛍光顕微鏡、即ち一光子で励起する蛍光顕微鏡の場合、蛍光の波長と励起波長とが近い場合が多く、分離が難しい。シャープカットフィルタ等を使用して励起光を除去し、蛍光のみを取り出すようにするが、蛍光の波長域が励起光の波長域と一部重なっている場合が多く、励起光を取り除く際に蛍光まで取り除くことになってしまう場合が多い。このため、蛍光を十分な強度で捉えることができない。一方、二光子励起の場合、励起波長が発生する蛍光波長の2倍になるため、シャープカットフィルタ等で容易に分離が可能であり、発生する蛍光を損なうことなく観察が可能である。
多光子励起蛍光顕微鏡のもう一つの優位性は、深さ方向の任意の位置で蛍光観察が可能という点である。多光子励起は、非常に短い時間幅(10−16秒程度、実質的に同時)に二以上の光子が蛍光分子に衝突する必要があり、そのためには、非常に高い光子密度が必要である。したがって、励起光をある程度透過する対象物において対象物の内部で励起光を集光した場合、集光点でのみ多光子励起が生じ、その点での発生蛍光のみを観察することができる。そして、集光位置を変更することで、深さ方向の任意の位置で観察を行うことができる。このように、必然的に共焦点顕微鏡のピンホールの効果が得られ、ピンホールが不要であるため発生蛍光のロスも生じない。この点は、例えば生体試料の組織内部の状態を観察する場合等において特にメリットとなる。
多光子励起を実現するには、光子密度を時間的及び空間的に高める必要がある。このため、光源には、フェムト秒のようなごく短い時間しか発光しない超短パルスレーザー発振器が使用される。レーザー発振器が発生させる全強度を短い時間に集中させることで、多光子励起に必要とされる高い光子密度を実現するためである。
このような多光子励起蛍光顕微鏡は、一部に実用化されているものの、幾つかの課題があり、それ程普及していない。一つには、観察条件の自由度が極めて低いことである。
周知のように、蛍光分子によって励起波長は異なり、また発生する蛍光の波長も異なる。したがって、異なる試料を観察する場合、殆どの場合、異なる波長の励起光を照射する必要がある。従来の多光子励起蛍光顕微鏡において、異なる波長の励起光を照射するためには、出射波長の異なる超短パルスレーザー発振器が必要になるから、理屈の上では、観察する蛍光分子の種類毎に超短パルスレーザー発振器が必要になる。周知のように超短パルスレーザー発振器は非常に高価な機器であり、蛍光分子の種類毎に超短パルスレーザー発振器を備えることは、実現可能な範囲を遙かに超えている。
特許文献6には、三つの異なる蛍光分子を観察するため、二台の超短パルスレーザー発振器を用いた多光子励起蛍光顕微鏡が開示されている。この技術によれば、観察される蛍光分子の種類よりも一つ少ない超短パルスレーザー発振器の台数で済むものの、それでも二台の超短パルスレーザー発振器が必要であり、コストの問題は大きい。
また、特許文献6の多光子励起蛍光顕微鏡では、二つの超短パルスレーザー発振器から発振される超短パルスレーザー光を集光スポットにおいて時間的及び空間的に重ね合わせる必要がある。非常に複雑で大がかりな機構や制御系が必要になり、コスト上の問題に加え、調整作業の困難性も問題となる。
実用化されている一部の多光子励起蛍光顕微鏡には、超短パルスレーザー発振器に対して波長調整機構を設けた構成(チューナブルレーザーの構成)が採用されているものもある。しかしながら、この種の波長調整機構は、OPO(光パラメトリック発振器)のような非線形光学素子を使用した機構であり、位相整合等の波長調整にかなりの労力を要する問題がある。
発明者は、このような多光子励起蛍光顕微鏡において、SC光を採用することで上記各課題をクリアすることができるのではないかと考え、鋭意研究を行った。実施形態のSC光生成光源は、この研究の成果に基づいている。
より具体的に説明すると、図1に示す実施形態のSC光生成光源は、超短パルス光を発振するパルス光発振部1と、非線形光学効果を生じさせる導波路2とを備えている。
パルス光発振部1には、超短パルスレーザー発振器が使用される。この超短パルスレーザー発振器は、フェムト秒オーダーの超短パルスを発振するものであり、より好ましくは1ps(ピコ秒)以下のパルス幅のものが使用される。超短パルスレーザー発振器の出射光の中心波長は、1000〜1100nm程度であることが好ましい。具体的には、Ybのような希土類ドープファイバを用いた超短パルスファイバレーザー発振器、半導体レーザーで励起されるYb:KYWのようなYb系結晶を用いた超短パルスレーザー発振器が使用される。
導波路2は、非線形光学効果により超短パルスからSC光を生成するもの(非線形導波路)である。この実施形態では光ファイバが導波路2として使用されており、特に高非線形ファイバが導波路2として好適に使用される。導波路2としての非線形ファイバは、ループ状とされたフレキシブルなものであったり、又はロッド状のものであったりし得る。
この実施形態では、パルス光発振部1と導波路2との間に偏光制御素子3が設けられている。偏光制御素子3は、導波路2の非線形光学効果をより高めるためのものであり、超短パルス光を導波路2の特性に応じて所望の偏光状態として導波路2に入射させるためのものである。偏光制御素子3としては、1/2波長板や1/4波長板といった波長板が使用されている。偏光制御素子3は、超短パルスレーザー光を導波路2の特性に応じて所定の向きの直線偏光光に変換して導波路2に入射させる。本実施形態では直線偏光を用いて説明するが、この限りではない。
このような実施形態のSC光生成光源は、850〜1550nmの波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において連続したSC光を出射するものとなっている。そして、実施形態のSC光生成光源は、より好ましくは、時間ピーク強度が1kW以上であるSC光を出射するものとなっている。これらの点について、より具体的な例を取りあげて説明する。
図2は、図1に示す実施形態のSC光生成光源の一例(実施例)について、出射された光をスペクトルアナライザで分析した結果を示す図である。図2の(1)は、パルス波形即ち時間経過に伴う出射光の強度(波長積分)を示した図である。また、図2の(2)は、(1)のパルス波形の出射光のスペクトル分布を示した図であり、1パルスでの各波長のエネルギー(時間積分)を波長の大きさで規格化して示した図である。
この例では、パルス光発振部1には、出射するレーザー光の中心波長1045nm、パルス幅は200fs(フェムト秒)のYb系結晶を用いたパルスレーザー発振器が使用されている。図2(1)に示すように、導波路2からの出射光の時間ピーク強度は、2kW程度となっている。また、図2(2)に示すように、出射光は、800〜1400nm程度の範囲に亘って連続しており、SC光となっていることが確認された。
このような実施形態のSC光生成光源は、出射されるSC光の波長平坦性が3dB以下となっている。波長平坦性とは、各スペクトルの強度の均一性のことであり、スペクトル強度の凹凸の小ささを意味する。3dB以下とは、最も強度の低い波長の当該強度に対して、最も強度の高い波長の強度が3dB以内になっているということである。図2(2)に示すように、実施例1のSC光生成光源によるSC光は、850nm程度から1250nm程度の範囲での強度の凹凸は3dB以内となっている。
波長平坦性3dB以内という点について、別の実施例を挙げてさらに詳しく説明する。図3は、別の二つの実施例(実施例2,実施例3)のSC光生成光源の出射光の分析結果について示した図である。
図3(1)には、実施例2として、パルス光発振部1に、中心波長1100nm、パルス幅1psの光パラメトリック増幅システム(OPA)を用いた例が示されている。この例では、850〜1550nm程度の波長範囲において3dB以内の波長平坦性が得られている。
また、図3(2)には、実施例3として、パルス光発振部1に中心波長1030nm、パルス幅170fsのYbドープファイバレーザー発振器を用いた例が示されている。この例では、950〜1150nm程度の波長範囲において3dB以内の波長平坦性が得られている。
このような高い波長平坦性を有する実施形態のSC光生成光源の優れた性能は、使用された導波路2の特性が大きく影響している。以下、この点について説明する。
実施形態のSC光生成光源は、出射波長の範囲内において正常分散特性を示す非線形ファイバを導波路2として使用している。図4は、実施形態のSC光生成光源が備える導波路2の波長分散特性を示した図である。
波長分散特性は光ファイバの基本的特性の一つであり、通信の分野では波長分散を小さくすることが重要であるが、SC光生成に用いる非線形光ファイバは、波長分散を非線形光学効果により逆に高めることで広帯域化を図るものであるといえる。このような波長分散特性には、正常分散特性と異常分散特性とが知られている。
このうち、実施形態において導波路2として使用された非線形ファイバは、図4に示すような正常分散特性を示すものとなっている。即ち、この導波路2は、800〜1600nmの範囲においてGVD(群速度分散)が負となっている。この例の非線形ファイバは、1000〜1100nm程度でGVDは最大となっているが、その値は−30ps/nm/km程度である。このような非線形ファイバは、NKTフォトニクス社(本社:デンマーク)からNL-1050-NEG-1として販売されており、同社から入手可能である。尚、実施例1では、導波路2として使用された非線形ファイバの長さは500mmとされた。
このように出射波長範囲において正常分散特性を示す導波路2を使用することで、出射されるSC光はスペクトルの抜けや極端なスパイク(極狭帯域の強いスペクトル)のない好適な波長成分の光となる。この点を確認した比較実験の結果について、以下に説明する。
この実験では、前述した実施例1で使用された導波路(非線形ファイバ)2に代え、850〜1550nmの波長範囲において正常分散特性を示さない非線形ファイバを導波路2として用い、同様にSC光を生成してそのスペクトルを分析した。正常分散特性を示さない非線形ファイバを使用した以外の条件については、実施例1と同様とした。尚、「850〜1550nmの波長範囲において正常分散特性を示さない」とは、850〜1550nmの波長範囲の一部又は全部において異常分散特性を示すという意味である。
図5は、参考例で導波路2として使用された非線形ファイバの波長分散特性を示す図である。図5に示すように参考例の導波路2として使用された非線形光ファイバは、1040nm付近から長波長側でGVDが正となっており、異常分散特性を有する。より具体的には、参考例の導波路2には、NKTフォトニクス社からSC-5.0-1040として販売されている非線形ファイバが使用された。ファイバの長さは1000mmとした。
図6は、参考例の構成により生成したSC光のスペクトルの分析結果を示す図である。図2と同様、図6(1)は時間経過に伴う出射光の強度(波長積分)を示し、図6(2)は1パルスでの各波長のエネルギー(時間積分)を波長の大きさで規格化して示した図である。
図6(2)に示すように、参考例では、スパイク状の波長ピークが多く観察されており、フラットなスペクトル分布のSC光にはなっていない。即ち、少なくとも950〜1150nmにおいて3dB以下の波長平坦性は確保されていない。これは、GVDが正の値であることから、超短パルスのうちの最初の(時間的に早く発生した)長波長側の光の伝搬速度が遅くなり、後の(時間的に遅く発生した)短波長側の光の伝搬速度が速くなる結果、自己急峻化、誘導ラマン散乱、光ソリトン効果といった複数の3次非線形光学効果が生じる。このため、SC光は、波長範囲は広がるものの、図6(2)に示すような多数のスパイク状のスペクトルを有するものとなってしまう。一方、図2(2)に示すように、正常分散特性を示す非線形ファイバを導波路2として使用した場合、スパイクノイズのない高い波長平坦性を有するSC光が得られる。
上述したように、実施形態のSC光生成光源によれば、850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nm以上の波長幅の帯域において連続したSC光である光が出射され、当該SC光は対象物を多光子励起可能であるので、多光子励起を利用した対象物の蛍光観察や計測等に好適に使用することができる。また、3dB以内の波長平坦性を有するので、より汎用性の高いSC光生成光源となる。
また、正常分散特性を示す非線形ファイバを導波路2として使用しているので、上記高い波長平坦性が容易に得られる。正常分散特性を示さない非線形ファイバを導波路2として使用すると、高次の非線形光学効果を制御したり調整したりして高い波長平坦性を確保する必要があるが、これを達成することは非常に難しい。
尚、パルス光発振部1が、1ps以下のパルス幅であって中心波長が1000〜1100nm程度である超短パルス光を発振させる点は、850〜1550nmの波長域においてスーパーコンティニウム光が容易に生成できたり、ピーク強度の大きなスーパーコンティニウム光を容易に生成できたりする効果をもたらす。即ち、1psよりもパルス幅が長くなってくると、SC光のスペクトル広がりが狭くなる。また、超短パルス光の中心波長が1000〜1100nmの範囲内であると、非線形光学効果によりSC光が850〜1550nmの波長域において少なくとも200nm幅の帯域に広がったものとして得られ易くなるので、好適である。
次に、第一の実施形態のSC光生成光源を搭載した多光子励起蛍光顕微鏡の発明の実施形態について説明する。
図7は、実施形態に係る多光子励起蛍光顕微鏡の概略図である。図7に示す多光子励起蛍光顕微鏡は、SC光生成光源4と、SC光生成光源4から出射したSC光を対象物Sに照射する光学系5と、SC光の照射により励起された対象物Sが放出する蛍光を検出する検出部6とを備えている。SC光生成光源4は、前述した実施形態の光源であり、パルス発振部1と、偏光制御素子3と、導波路2とを備えたものである。
光学系5は、この実施形態では、複数のレンズ51と、ダイクロイックミラー52と、スキャニングミラーユニット53と、対物レンズ54等で構成されている。複数のレンズ51は、出射されたSC光のビーム形状を整えたり、ビームの大きさを変更したりするために配置される。ダイクロイックミラー52は、励起光であるSC光と、励起により発生した蛍光とを分離するために配置されている。
対物レンズ54は、対象物SにSC光を集光するために配置されている。特に、生体試料であり得る対象物S中の任意の深さの位置にSC光を集光できる対物レンズ54が採用される。
実施形態の多光子励起蛍光顕微鏡は、レーザー走査顕微鏡の一種であり、スキャニングミラーユニット53は、光軸に対して垂直な観察面上において集光点をスキャンするための機構である。スキャニングミラーユニット53は、一対のスキャニングミラー531を備えており、各スキャニングミラー531を独立して姿勢変化させる不図示の駆動機構が設けられている。駆動機構が各スキャニングミラー531を駆動することで、対物レンズ54による集光点が光軸に垂直なXY平面上でスキャンされる。
検出部6としては、光電子増倍管又はアバランシェフォトダイオード等が使用される。図7に示すように、検出部6にはイメージング装置61が付設されている。イメージング装置61は、検出部6からの出力を記憶して2次元イメージとしたり、さらに2次元イメージを重ね合わせることで3次元イメージとしたりして観察結果を表示する装置である。
イメージング装置61は、スキャニングミラーユニット53によるスキャニングに同期して検出部6の出力を記憶部(メモリ)に記憶する。各出力は、各集光点から発せられる蛍光の強度信号である。そして、強度信号に応じた濃淡で1フレームの画像を可視化する。また、対物レンズ54が操作されて集光点が変更された場合、別の観察面での観察であるので、別の画像データとして記憶し、他の観察面の画像データと統合することで3次元の観察画像とする。このようなデータ処理が行われるよう、イメージング装置61は、プロセッサとプロセッサによって実行されるプログラムとを備えており、また画像を表示するディスプレイを備えている。
尚、検出部6の手前側の光路上には、観察する蛍光のみを取り出すためのフィルタ62が配置されている。フィルタ62は、シャープカットフィルタやバンドバスフィルタ等であり得る。
また、検出部6の手前側の光路上には、ピンホール板が配置されることもあり得る。ピンホールは、対物レンズ54による対象物Sにおける焦点と共焦点とされ、いわゆる共焦点レーザー顕微鏡の構成とされる。これにより、深さ方向でのノイズが除去された鮮明な画像が得られる。
このような実施形態の多光子励起蛍光顕微鏡において、SC光生成光源4は、対象物Sの蛍光観察において多光子励起による蛍光観察が可能なものとなっている。以下、この点について説明する。
多光子励起による蛍光観察が可能かどうかは、多光子励起により蛍光が放出され、その蛍光が顕微鏡による観察(イメージング)を可能する強さとなっているかどうかであり、最終的には、励起光の光子密度によるということになる。実際には、前述したように励起光は対物レンズ54により一点に集光され、その点がイメージングにおける一画素(ピクセル)ということになるので、その点での光子数ないし密度が、多光子励起による蛍光観察が可能な量以上であるかどうかということになる。尚、理論的には三光子以上の励起もあり得るが、二光子励起の場合を採り上げる。
以下の説明では、一例として、EGFP(Enhanced Green Fluorescent Protein,高感度緑色蛍光タンパク質)を、波長1000nmの光で励起する場合を採り上げる。
まず、対象物SとしてのEGFPの条件について説明すると、まず、細胞内でのEGFPの濃度(発現濃度)は1×10−5Mとし、EGFPを含む細胞が浸漬された溶液の屈折率は1.47であるとする。また、EGFPの量子効率は0.6であるとする。
一方、多光子励起による蛍光観察が可能であるとは、多光子励起により発生した蛍光(通常は励起光の半分の波長の光)が検出部6により捉えられ、電気信号に変換されて画像として観察できることを意味する。したがって、光学系5や検出系の条件も考慮する必要がある。
一例として、スキャニングミラーユニット53によるXY平面(観察面)のサイズを512×512ピクセルとする。これは、512×512の各点で励起光を集光して二光子励起による蛍光放出を行わせることを意味する。この場合、1ピクセルの大きさは、対物レンズによる集光点でのビーム径に相当しており、直径1μmが想定されている。各ピクセルで表される濃淡の程度(階調)も必要な光子数に影響を与えるが、階調は12ビットであるとする。
また、一点に励起光が照射されている時間は、512×512ピクセルで1フレームの観察面(XY平面)をどの程度の周期で観察するかということによる。生体試料等を動画として観察する場合には1フレームの周期(フレームレート)は短い方が好ましいが、フレームレートが短くなると、1点で発生して検出部6に捉えられる蛍光の総量が小さくなるので、十分に蛍光観察ができなくなる場合もある。これらを考慮し、一例としてフレームレートは5fps(1秒間に5フレーム)とした。
この他の光学系5、検出系の条件について示すと、SC光生成光源4から出射した光のうち、30%の光が光学系5により集められてEGFPに照射されるとし、また、検出部6として用いた光電子増倍管の光電変換効率は40%であるとした。
具体的な計算式は省略するが、以上の条件により1ピクセル(対物レンズ54による集光点)において必要な光子数は8192個であるという計算結果となった。
一方、上記の条件で仮に1kWの出力のSC光生成光源4が使用されたと仮定すると、EGFPに照射されて蛍光に遷移して検出部6に捉えられる(即ち電気信号に換算される)光子数は10112個となり、必要個数を上回ることが確認された。この場合の1kWの出力とは、1パルスにおける時間ピーク強度が1kW以上ということであり、且つ二光子励起させる波長において1kW以上ということである。尚、前述したようにSC光の照射径が1μmであり、1ピクセルが1μm角サイズであるとすると、1ピクセルにおいて必要な光子密度は、8192×1012個/m程度以上ということなる。この場合、1μm径の照射径において10112個の光子が得られていると、光子密度は12882個×1012個/m程度となり、必要な光子密度が確保されていることになる。
以上はEGFPを例にしたものであったが、他の多くの蛍光物質についても、発現濃度、浸液の屈折率、量子効率の各条件に従って必要な光子数は適宜計算によって求めることができ、その光子数を上回るSC光生成光源4の出力(ピーク強度)を知ることができる。尚、詳細な説明は省略するが、1kW以上であれば、おおよその生体試料の多光子励起蛍光観察に必要な光子数以上の励起光が照射され、生体試料の多光子励起観察用として好適である。また、出力が100kWを超えると、生体試料に対してダメージを与える場合が多い。したがって、1kW以上100kW以下としておくと、生体試料の多光子励起蛍光観察用のSC光として好適ということになる。
上記必要光子数の検討において、必要なピーク強度は励起光の波長におけるピーク強度であったが、観察する蛍光分子の種類が異なれば、励起光も異なってくるので、ある程度の波長範囲において時間ピーク強度が必要光子数以上の光子数をもたらすものであることが必要である。この点について、補足して説明する。
図8及び図9は、実施例1及び参考例の各SC光生成光源について、出射されるSC光のスペクトログラムを示した図である。図8は実施例1のもの、図9は参考例のものを示す。オリジナルのスペクトログラムでは強度が色で示されているが、各図は白黒であるので、強度を図8、図9において各々下側に示す。
図8から判る通り、実施例1のSC光生成光源から出射されたSC光は、1パルスにおいて最初に長波長側の光が出射され、その後、時間的に連続して徐々に短波長側の光が出射されており、スペクトルは時間的にも連続している。そして、この例では、850nm程度から1550nm程度の範囲において1kW以上の強度となっており、この波長域の励起光として使用される多光子励起蛍光顕微鏡に好適に使用できることが判る。
一方、図9に示すように、参考例のSC光生成光源から出射されたSC光は、帯域としては広がっているものの、連続したスペクトルではなく、スペクトルの抜けがある。スペクトルの抜けがあると、そのスペクトルで励起される蛍光分子は対象物にできないので、多光子励起蛍光顕微鏡用のSC光としては不向きということになる。
上述した実施形態の多光子励起蛍光顕微鏡によれば、波長調節機構を特に備えていなくても850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nm幅の帯域において任意の波長の光を励起光として対象物Sを多光子励起しながら蛍光観察を行うことができる。このため、汎用性の高い多光子励起蛍光顕微鏡となる。
上記説明では、蛍光分子としてEGFPを採り上げたが、他の合成又は天然由来の蛍光分子についても同様に多光子励起蛍光観察が可能である。また、生体試料以外の各種物質を対象物Sとした蛍光観察においても、実施形態のSC光生成光源4は好適に使用され得る。また、蛍光顕微鏡以外にも多光子励起を利用するプロセスは知られており(例えば多光子励起分光計測)、そのような用途にも実施形態のSC光生成光源4は使用することができる。
次に、第二の実施形態のSC光生成光源について説明する。図10は、第二の実施形態のSC光生成光源の概略図である。
図1と図10とを対比すると解るように、第二の実施形態のSC光生成光源は、導波路2の出射側にパルス圧縮部7を設けた構成となっている。図11は、第二の実施形態のSC光生成光源の機能、動作を模式的に表した図である。図11の上段は、第二の実施形態においてパルス波形がどのように変換されるのかを模式的に示し、下段はスペクトル波形がどのように変換されるのかを模式的に示す。
図11に示すように、第二の実施形態では、例えば、パルス幅が250フェムト秒未満で中心波長1045nm、半値幅16nm以下であるパルス光発振部の出力を正常分散ファイバによる自己位相変調を利用して400〜500nm程度の幅のSC光に変換する。この際、パルス幅は数ピコ秒程度まで広がる。そして、ブロードな波長幅を維持しつつパルス圧縮部7で圧縮し、パルス幅を1ピコ秒未満にする。
図12は、このような第二の実施形態のSC光生成光源に使用されたパルス圧縮部7の概略図である。パルス圧縮部7を設けることは、上記第一の実施形態のSC光生成光源の構成を想到した結果、発明者らが思いついたたものである。発明者らは、上述したように、多光子励起蛍光顕微鏡等の用途に好適に使用できるように、850nm以上1550nm以下の少なくとも200nmの波長幅の帯域で連続したスペクトルのSC光を得ることを意図し、これを達成する具体的手段の一例として、正常分散特性を示す非線形ファイバを採用する。これにより、当該波長帯域においてフラットな連続スペクトルのSC光を生成する。この結果、図8(1)に例示するように、時間的にも連続したスペクトルのSC光が生成される。
図8(1)に示すような時間的にも連続したスペクトルは、チャープパルスと呼ばれる。通常、チャープパルスを得る場合には、線形な群遅延素子を用いる。パルス中に元々あった波長の光に波長に応じたタイムラグを生じさせ、チャープパルスとする。
上記第一の実施形態の構成は、これとは異なり、自己位相変調のような非線形光学効果により、元々無かった波長の光を新たに生成し、それによって200nm以上の広帯域に亘って抜けの無い連続したスペクトルを得る。この際、必然的に得られたスペクトルは、図8(1)に示すように時間的にも連続したものであり、チャープパルスが得られる。図8(1)に示すパルスは、線形チャープパルスと呼び得る。線形チャープとは、時間経過とともに波長が連続的に変化する光のことを指す。さらに、図8(1)に示すチャープパルスは、波長の変化において極値(極大値又は極小値)を持たないパルスということができる。
発明者らは、このような第一の実施形態のパフォーマンスを前にして、得られたSC光をパルス圧縮することを思いついた。パルス圧縮を行うと、ピーク強度が高くなるので多光子励起のような用途にはより好適であり、何よりも、図8(1)に示すような線形チャープの場合、パルス圧縮が容易だからである。
より具体的に説明すると、第二の実施形態では、図12に示すように、パルス圧縮部7としてプリズムペアユニット71が使用されている。この例では、二つのペアのプリズム(合計4個のプリズム)711を備えたユニットとなっている。
図8(1)に示すように、導波路2から出射されるSC光は、1パルスにおいて時刻の早い光ほど長波長であり、時刻の遅い光ほど短波長である。即ち、時刻が進むにつれて光の波長は短波長側にシフトする。このようなチャープパルスは、波長が長くなるにつれて線形的に遅延する群遅延素子によって容易にパルス圧縮できる。図12のプリズムペアユニット71は、このような群遅延を行う素子となっている。二対のプリズム711に対して折り返しミラー712が配設されており、光は、計8回プリズム711中を通過する。
図12に示すように、各プリズム711は三角プリズムであり、図12の紙面に対して垂直方向に長い。二対のプリズム711は、紙面に垂直な面(図12にSで示す)に対して対称である。
図12に示すように、長波長側の光Lは、4個のプリズム711中の合計の光路長が長く、波長が短くなるにつれて合計の光路長は短くなり、最も短波長の光Lで最も短くなる。このため、より波長の長い光ほど遅延が多く生じ、波長が短い光ほど遅延は小さくなる。このため、プリズム711の媒質の屈折率に応じてプリズム711のサイズや配置間隔を適宜選定すると、プリズム711を8回通過して戻ってきた際にSC光における各波長は、時間的に揃った状態で伝搬するようになり、パルスが圧縮される。
尚、このような優れたパルス圧縮特性は、元の光が線形チャープであることによる。そして、線形チャープは、超短パルスレーザー光の中心波長が、正常分散特性を示すファイバの群速度分散スペクトルのピーク波長にほぼ一致していることによる。超短パルスレーザー光の中心波長に対して短波長側、長波長側に均一に分散するので、線形チャープパルスが得られる。発明者らの検討によると、線形チャープパルスを容易に得るにようにするには、超短パルスレーザー光の中心波長は、正常分散特性を示すファイバの群速度分散スペクトルのピーク波長に対して±50nmの範囲内であれば良い。
プリズムペアユニット71のより具体的な設計例を示すと、各プリズム711は石英製(波長1000nmにおいて屈折率=1.45)とされ、頂角は69.1°、プリズム711の間隔(図12にLで示す)は1m、光の入射位置としてd1+d2=10cmとすると、1000nmでの分散値は−822(fs)程度とされる。スペクトルの中心は1000nm程度であるので、プリズム711の入射面に対する入射角θは、1000nmでのブリュースター角(55.4°)とされる。
このようにして圧縮されたSC光は、極狭い時間帯に波(光)が重なるようになるため、ピーク強度が高くなる。この様子が、図13に示されている。図13は、第二の実施形態においてピーク強度の増加が確認された実験の結果を示す図である。
図13は、図8に示すSC光を図11に示すような二対のプリズム711で圧縮した実験の結果を示している。図13(1)は、全波長でのパルスを示し、破線は圧縮前のパルス波形(図8(1)と同じ図)、実線は圧縮後のパルスを示す。また、図13(2)はスペクトル分布を示し、破線は圧縮前のもの、実線は圧縮後のものを示す。
尚、図13(1)の横軸は時間(ピコ秒)であり、縦軸は強度(kW)である。また、図13(2)の横軸は波長、縦軸は波長で規格化した波長毎のエネルギー(pJ/nm)を示す。
図13(1)に示すように、プリズムペアユニット71を通すことでSC光はパルス圧縮される。半値幅で見ると、圧縮前は4ピコ秒程度のパルス幅であるが、圧縮後は1ピコ秒程度となる。そして、圧縮によりピーク強度も2倍以上増加している。そして、図13(2)において破線と実線とは殆ど重なっており、圧縮の前後でスペクトル波形に変化は殆どない。即ち、圧縮後も850〜1350nm程度の範囲で連続したスペクトルが得られている。
尚、図13(2)では縦軸は時間積分したエネルギー(pJ)となっており、各波長の光はパルス内で時間積分した量としては変化はないが、パルス幅が短くなっているため、各波長の瞬時値のピークは増加している。増加の仕方は、図13(1)に示す全波長におけるものと同様である。
図14は、図13に示すSC光をスペクトルグラムとして示した図である。オリジナルはカラーであるため、図8と同様に下側にパルス波形を示す。
図8と図14とを比較する良くわかるように、パルス圧縮により、各波長の光がほぼ同じ時刻に重なった状態となっている。この重なりの結果、ピーク強度が大幅に増加している。
このように、第二の実施形態のSC光生成光源では、導波路2から出射したSC光を圧縮するパルス圧縮部7を備えているので、ピーク強度が高くなる。このため、多光子励起蛍光顕微鏡等の用途にさらに好適なものとなっている。即ち、ピーク強度が高いために多光子励起が生じ易く、且つパルス幅が狭いために対象物に対するダメージが少なくなる。多光子励起のためには同じ時刻(又は非常に狭い時間帯)に多数の光子が存在していることが必要で、そのためには高いピーク強度が有効である。一方、対象物に対する熱的ダメージは、時間積分した照射量に依存する。したがって、パルス幅が小さくてピーク強度の高い光の方が、生体試料のような熱的に弱い対象物を多光子励起で観察するのに特に好適である。例えば、各種蛍光タンパクについて、褪色を抑制しながら観察を行うことができる。
尚、第二の実施形態のSC光生成光源では、圧縮した光を光路から取り出すための構成が必要である。これには幾つか考えられるが、図12に示す例では、偏光ビームスプリッタ713を用いる構成が採用されている。
即ち、導波路2からの光路上には、偏光ビームスプリッタ713が配置されており、導波路2から出射した光は偏光ビームスプリッタ713に入射する。偏光ビームスプリッタ713とパルス圧縮部7との間には、1/4波長板714が配置される。上述したように、実施形態のSC光生成光源は偏光制御素子3を備えていて導波路2から出射されるSC光は直線偏光光であるが、導波路2から出射されるSC光が直線偏光光でない場合、導波路2と偏光ビームスプリッタ713との間には、適当な偏光制御素子が配置され、SC光を直線偏光光に変換する。
導波路2からのSC光P1は、偏光ビームスプリッタ713を透過し、1/4波長板714で円偏光P2となった後、各プリズム711で上記の通りパルス圧縮されながら1/4波長板714に戻ってくる。そして、1/4波長板714で当初とは180°異なる向きの直線偏光P3になった後、偏光ビームスプリッタ713に達する。そして、偏光ビームスプリッタ713に反射して光路から取り出されて、目的とする場所に導かれて利用される。
上記の偏光ビームスプリッタ713でSC光を取り出す構成の他、光路に傾きを設けたり、屋根型ミラーを用いたりする構成が採用されることが多い。これらについて、図15を使用して説明する。図15は、光の取り出しのための他の構成例を示した概略図である。
図15(1)では、屋根型ミラー716を用いる例が示されている。屋根型ミラー716は、図12の折り返し用ミラー712の代わりに用いられる。屋根型ミラー716を用いる場合、往路と復路は、各プリズム711の長さ方向において互いにずれた経路とされる。この場合も、取り出し用ミラー715を復路の出口に配置し、パルス圧縮されたSC光を取り出す。
また、図15(2)は、屋根型ミラーを2個使用することで全体をコンパクト化したパルス圧縮部7の例である。導波路2からのSC光は、プリズム711で屈折した後に第一の屋根型ミラー718に反射して戻り、再度プリズム711を透過する。そして、第二の屋根型ミラー719に反射してさらにプリズム711に戻り、第一の屋根型ミラー718で反射してさらにもう一度プリズム711を透過する。そして、最終的に取り出し用ミラー715に反射して取り出される。この構成では、2個のプリズム(1個のプリズムペア)を使用して光を往復させたのと等価であるが、全体的にコンパクトになっている。
上記の他、図示は省略するが、図12に示すプリズムペアユニット71において往路と復路とで光路に僅かに傾きを設けるようにしても良い。SC光のビーム径や光路長に応じて傾き角を適宜選定し、パルス圧縮されたSC光がずれた位置に戻ってくるようにし、その位置に取り出し用ミラーを設けて取り出す構成とされる。
尚、図12に示す偏光ビームスプリッタ713を使用する構成では、導波路2からの光が直線偏光光ではない場合、偏光素子を設けて直線偏光光とする必要があり、その際に損失が発生する。図15(1)(2)や傾き角を設ける構成の場合、そのような損失がない点で好適である。
次に、パルス圧縮部7の他の例について説明する。第二の実施形態では、パルス圧縮部7としてプリズムペアユニット71が使用されたが、これら以外にも種々の圧縮手段が使用できる。このうち、図16は、パルス圧縮部7の別の例を示す概略図である。
まず、図16(1)に示すように、パルス圧縮部7として、グレーティング(回折格子)72の対を使用することができる。図16(1)において、SC光のパルスのうち、遅い時刻に発生している短波長側の光Lは、早い時刻に発生している長波長側の光Lに比べ、グレーティング72の対を抜け出るまでの光路長が長い。このため、各グレーティング72の配置角度をSC光の中心波長に対して適宜選定することで、各波長がほぼ同じタイミングとなり、パルス圧縮がされる。
グレーティング対は、分散の波長幅が大きく取れるので、実施形態のような広帯域のSC光の圧縮用として好適である。但し、効率の問題はある。グレーティング対を用いる場合、SC光の中心波長に応じてブレーズ角を選定するが、ブレーズ角から離れる程回折損失が発生する。つまり、スペクトル強度分布において中心波長から離れる程強度が低くなるような損失が発生する。このため、プリズムペアを用いる場合に比べると、多光子励起可能なピーク強度をもつ波長域が狭くなってしまうことがあり得る。
また、図16(2)に示すように、パルス圧縮部7としてグリズム73を使用することができる。グリズム73は、2個の面対称配置のプリズム731,731の間に櫛形グレーティング732を配置した構造を有している。一対のプリズム731はプリズムペアと同様に波長に応じた光路長差を生じさせるとともに櫛形グレーティング732による分散(空間的分散)を補償するよう動作する。
グリズムの場合、グレーティング対に比べて小型化できるメリットがある。但し、グレーティングを使用していることに変わりはないので、回折損失の問題はある。
また、図16(3)に示すように、パルス圧縮部7としてチャープミラー74を使用することができる。チャープミラー74は、基板上に形成された多層膜で光を反射させるミラーであり、長波長の光ほど多層膜の深部で反射するため、結果的に光路長が長くなるミラーである。
チャープミラー74は、比較的簡単にパルス圧縮が行えるものの、1個のチャープミラー74で得られる群遅延は一般に−50fs程度と小さい。このため、この実施形態におけるパルス圧縮部7として用いるには、例えば200回以上反射を繰り返す必要がある。チャープミラー74の反射率は高いものの、このように多数の反射を繰り返す場合には全体として損失が大きくなる欠点がある。
また、図16(4)に示すように、パルス圧縮部7として、SLM(空間光変調器)75を使用することができる。SLM75は、液晶ディスプレイと同様、独立して屈折率が制御される多数の画素を配列した素子であり、印加電圧に応じて2次および高次の分散補償が可能である。SLM75をパルス圧縮に用いる場合、透過型と反射型があるが、反射型の場合、例えば図16(4)に示すように、SC光をグレーティング751で分光した後、レンズ752で平行光とし、各画素に入射させる構成などが採用される。SLM75の場合、任意の波長の光を選択的に群遅延させることができること、および高次の分散補償も可能である長所がある。1回反射での群遅延は一般に数十〜200fs程度となっている。したがって、この実施形態におけるパルス圧縮用として用いる場合、特に選択的に群遅延や高次の分散補償が必要な波長について追加して用いる、即ち最終的な調整用として用いることが好ましい。
また、実施形態のSC光生成光源におけるパルス圧縮部7として、特定の構造、機能を有するファイバが使用される場合もあり得る。以下、この点について図17を参照して説明する。図17は、パルス圧縮部7のさらに別の例を示す概略図である。
パルス圧縮部7としてファイバを使用する場合のごくシンプルな例は、異常分散ファイバを使用する例である。異常分散ファイバの場合、長波長側の光ほど遅延するので、適宜のGVDを有するファイバを適宜の長さで使用してSC光を通すことで、パルス圧縮を行うことができる。
また、図17(1)に示すように、パルス圧縮部7としてチャープドファイバブラッググレーティング(CFBG)76を使用することができる。FBGは、コアの長さ方向に屈折率が変化する部位を周期的に設けて回折格子を構成したファイバであるが、このうち、CFBG76は、チャープミラーの機能をファイバを使って実現されるように反射位置が波長に応じて異なる位置となるようにしたものということができる。CFBG76は、入射した光のうち、短波長側の光はファイバ中の進行方向の手前側で反射して戻り、長波長側になるにつれて奥側で反射して戻る特性を有するファイバである。
また、図17(2)に示すように、パルス圧縮部7として分散減少ファイバ77を用い、断熱ソリトン圧縮を行うようにしても良い。分散減少ファイバ77は、光の伝搬方向に向かって徐々に分散が減少する特性のファイバである。分散減少ファイバ77は、例えば、光の伝搬方向に向かってコア径、クラッド径ともに小さくなる構造のファイバである。基本ソリトンとは、ファイバにおける異常分散と自己位相変調とが釣り合った安定状態を指す。分散減少ファイバ77を用いると距離に応じて連続的に基本ソリトン条件を変化させることができるため基本ソリトンのままパルス圧縮が可能となる。このような断熱ソリトン圧縮は高い圧縮率とsech型の優れたパルス品質を有する。
また、図17(3)に示すように、パルス圧縮部7としては、櫛形分散配置ファイバ78を使用することもできる。櫛形分散配置ファイバ78は、分散シフトファイバ(DSF)とシングルモードファイバ(SMF)を交互に配置したファイバである。櫛形分散配置ファイバ78では、ファイバの接合箇所が多くなるので接合箇所での損失の問題があり得るが、市販品ファイバで目的とする圧縮特性のものが得易いメリットがある。
尚、実施形態のSC光生成光源は、導波路2として非線形ファイバを使用しているので、パルス圧縮部7についてもファイバを使用すると、SC光の生成とパルス圧縮とがファイバ系ですべて行えるので、要素間の親和性が高くなり、取り扱いや調整がし易くなるというメリットがある。
但し、ファイバを用いてパルス圧縮を行う場合、高エネルギーのSC光の入射によって望まない非線形効果が生じないように注意する必要がある。せっかく広帯域でフラットなSC光を生成したのに、パルス圧縮の際に再び非線形光学効果が発生してスペクトルの抜けや極端な落ち込み等が生じることがあり得るが、これは避けなければならない。この観点では、プリズムペア、グレーティング、グリズム、チャープミラーといった群遅延素子はビーム径がμmオーダーであるファイバに対し、空間系のためビーム径を自由に大きくすることが可能であるため非線形光学効果を生じにくいため設計し易い。
また、ファイバを使用する場合、パルス圧縮によりピーク強度が高まるから、自己集束等によるファイバの損傷にも気をつける必要がある。ファイバの損傷を防ぐには、コア径を大きくした大口径(Large Mode Area:LMA)ファイバまたは中空コアフォトニックバンドギャップファイバ(Hollow Core Photonic Bandgap Fiber:中空コアPBF)を採用することが有効であり、望まない非線形光学効果によるスペクトル形状の乱れを防止する観点でも有効である。
広帯域においてシングルモード伝搬できるLMAのPCF(LMA−PCF)も既に市販されている。本発明の波長帯全域において異常分散を示すLMA−PCFは現在のところ存在していないが、そのようなものが開発されれば使用することができる。中空コアPBFは、コアが空孔となっているため実質的に光非線形性を生じない特徴を有するが、現在主に市販されているものは低分散のものである。但し、十分な分散を有するものが開発されれば、使用が可能である。
1 パルス発振部
2 導波路
3 偏光制御素子
4 SC光生成光源
5 光学系
51 レンズ
52 ダイクロイックミラー
53 スキャニングミラーユニット
531 スキャニングミラー
54 対物レンズ
6 検出器
61 イメージング装置
62 フィルタ
7 パルス圧縮部
71 プリズムペアユニット
711 プリズム
712 折り返しミラー
713 偏光ビームスプリッタ
714 1/4波長板
72 グレーティング
73 グリズム
74 チャープミラー
75 空間光変調器
76 CFBG
77 分散減少ファイバ
78 櫛形配置ファイバ

Claims (12)

  1. 照射面で対象物を多光子励起可能なスーパーコンティニウム光を生成して出射させる多光子励起用スーパーコンティニウム光生成源であって、
    超短パルス光を発振するパルス光発振部と、
    パルス光発振部から発振された超短パルス光を非線形光学効果によりスーパーコンティニウム光に変換して出射させる導波路と
    を備えており、
    導波路は、850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において連続したスペクトルのスーパーコンティニウム光となるよう超短パルス光を変換するものであり、
    パルス光発振部及び導波路は、ピーク強度が1kW以上であるスーパーコンティニウム光を出射させるものであり、
    導波路は、超短パルス光を1パルス内での波長の経時的変化が連続的であるスーパーコンティニウム光に変換するものであり、
    導波路から出射されたスーパーコンティニウム光を圧縮して当該スーパーコンティニウム光のピーク強度を増加させるパルス圧縮部を備えており、
    パルス圧縮部は、プリズムペアと、プリズムペアを光が往復して透過するよう配置されたミラーとを備えており、ピーク強度を2倍以上とする圧縮部であることを特徴とする多光子励起用スーパーコンティニウム光生成光源。
  2. 850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において3dB以内の波長平坦性を有するスーパーコンティニウム光を出射させるものであることを特徴とする請求項記載の多光子励起用スーパーコンティニウム光生成光源。
  3. 前記パルス光発振部は、パルス幅が1ピコ秒以下であって且つ1000nm以上1100nm以下の波長域に中心波長を有する超短パルス光を発振するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の多光子励起用スーパーコンティニウム光生成光源。
  4. 前記導波路は、850nm以上1550nm以下の波長域において正常分散特性を示すファイバであることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載の多光子励起用スーパーコンティニウム光生成光源。
  5. 前記超短パルス光の中心波長が、前記正常分散特性を示すファイバの群速度分散スペクトルのピーク波長に対して±50nmの範囲内であることを特徴とする請求項記載の多光子励起用スーパーコンティニウム光生成光源。
  6. 照射面で対象物を多光子励起可能なスーパーコンティニウム光を生成して出射させる多光子励起用スーパーコンティニウム光生成方法であって、
    パルス光発振部により超短パルス光を発振するステップと、
    パルス光発振部から発振された超短パルス光を導波路に入射させ、導波路における非線形光学効果によりスーパーコンティニウム光に変換して出射させるステップと
    を備えており、
    導波路は、850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において連続したスペクトルのスーパーコンティニウム光となるよう超短パルス光を変換するものであり、
    導波路から出射されるスーパーコンティニウム光は、ピーク強度が1kW以上であって、1パルス内での波長の経時的変化が連続的であり、
    さらに、
    導波路から出射されたスーパーコンティニウム光のパルスを圧縮して当該スーパーコンティニウム光のピーク強度を増加させるパルス圧縮ステップを備えており、
    パルス圧縮ステップは、プリズムペアにスーパーコンティニウム光を往復して透過させることでパルスを圧縮するステップであり、パルスの圧縮によりピーク強度を2倍以上とするステップであることを特徴とする多光子励起用スーパーコンティニウム光生成方法。
  7. 850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において3dB以内の波長平坦性を有するスーパーコンティニウム光を出射させることを特徴とする請求項6記載の多光子励起用スーパーコンティニウム光生成方法。
  8. 前記パルス光発振部から発振される超短パルス光は、パルス幅が1ピコ秒以下であって且つ1000nm以上1100nm以下の波長域に中心波長を有することを特徴とする請求項6又は7記載の多光子励起用スーパーコンティニウム光生成方法。
  9. 前記導波路は、850nm以上1550nm以下の波長域において正常分散特性を示すファイバであることを特徴とする請求項6乃至8いずれかに記載の多光子励起用スーパーコンティニウム光生成方法。
  10. 前記超短パルス光の中心波長が、前記正常分散特性を示すファイバの群速度分散スペクトルのピーク波長に対して±50nmの範囲内であることを特徴とする請求項記載の多光子励起用スーパーコンティニウム光生成方法。
  11. 請求項1乃至いずれかに記載の多光子励起用スーパーコンティニウム光生成光源を備えた多光子励起蛍光顕微鏡であって、
    前記導波路から出射されたスーパーコンティニウム光を対象物上に照射するための光学系と、
    前記対象物を当該スーパーコンティニウム光で多光子励起したときに放出される蛍光を検出する検出部とを備えていることを特徴とする多光子励起蛍光顕微鏡。
  12. 生成されたスーパーコンティニウム光により蛍光物質を多光子励起して蛍光を発生させる多光子励起方法であって、
    パルス光発振部により超短パルス光を発振する発振ステップと、
    パルス光発振部から発振された超短パルス光を導波路に入射させ、導波路における非線形光学効果によりスーパーコンティニウム光に変換して出射させる変換ステップと、
    出射したスーパーコンティニウム光をパルス圧縮してピーク強度を増加させる圧縮ステップと、
    圧縮ステップによりピーク強度を増加させたスーパーコンティニウム光の全部又は一部を蛍光物質に照射して蛍光物質を多光子励起する照射ステップと
    を備えており、
    変換ステップは、850nm以上1550nm以下の波長域に含まれる少なくとも200nmの波長幅の帯域において連続したスペクトルのスーパーコンティニウム光となるよう導波路により超短パルス光を変換するステップであり、
    変換ステップにおいて出射されるスーパーコンティニウム光は、ピーク強度が1kW以上であって、1パルス内での波長の経時的変化が連続的であり、
    圧縮ステップは、プリズムペアにスーパーコンティニウム光を往復して透過させることでパルスを圧縮するステップであり、パルスの圧縮によりピーク強度を2倍以上とするステップであることを特徴とする多光子励起方法。
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