JP3745938B2 - ラマン増幅方式とそれを用いた光信号伝送方法 - Google Patents

ラマン増幅方式とそれを用いた光信号伝送方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信に利用されるラマン増幅方式とそれを用いた光信号伝送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在の光通信に用いられている強度変調された光信号の周波数成分(波長成分)はある程度の幅をもっている。一方で、光ファイバには波長によって伝搬速度が異なるという分散特性がある。この二つの性質により、強度変調された光信号が光ファイバ中を伝搬すると、波長成分ごとの伝搬速度の違いにより信号波形が歪む。光信号としてパルスを入射した場合、伝搬後のパルス幅が広がることからこの現象は分散によるパルス広がりと呼ばれている。(例えば、岡本勝就著、光導波路の基礎、コロナ社)
【0003】
デジタル通信はアナログ通信に比べれば波形の変化には強いのだが、前後のビットと重なり合うほどにパルス幅が広がれば、当然のことながら、検出時の誤りは著しく増加する。そこで従来は、分散が小さい(0に近い)波長を用いてパルスの広がりを小さく抑えたり、伝送路と逆の分散をもつ媒質に通して先に進んだ波長成分を遅らせ、遅れた波長成分を進ませて広がったパルスを元に戻したりしている。
【0004】
しかしながら最近の光通信システムでは、光信号の高出力化と波長多重化によって光ファイバ中の非線形現象が顕著になり、分散という観点だけでは波形の歪みに対処しきれなくなっている。主に問題とされている非線形現象として、自己位相変調(SPM)、相互位相変調(XPM)、四光波混合(FWM)があげられる。SPM、XPMは光の強度に応じて光ファイバの屈折率が僅かに変化することによって光の位相が変化するものである。この位相変化が瞬時的な周波数の変化をもたらすことと、その変化量が一定でないことから、光ファイバの分散特性により非可逆な波形歪が発生する。FWMは周波数の異なる複数の入射光によって分極場が励起されると、入射光の周波数とは異なる成分が生じることにより、新たな周波数の光が発生するという現象である。FWMは分散が0に近い波長において特に顕著となる。FWMにより発生した光が、信号として使用している波長と一致すると検出時の誤りを増加させることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような光ファイバの非線形性に起因する伝送特性の劣化を防ぐ手段として、二つのアプローチがある。一つは光ファイバ中の光強度を下げて、非線形効果を小さくする方法である。他の一つは非線形効果を利用する伝送方式を用いる方法である。前者の方法は、単純に光ファイバへの入力レベルを下げたり、モードフィールド径の大きい光ファイバを利用することによって実現できる。後者の方法は、光ソリトン通信を利用することで実現できる。しかし、これらの方法を用いたとしてもさらに次のような問題が残る。
【0006】
光ファイバへの入力レベルを下げると受信側の信号対雑音比(S/N比)を下げることになるため、検出時の誤りが増加する。このことは、伝送可能な距離が短くなるとも解釈できる。モードフィールド径の大きい光ファイバは、分散スロープ(分散の波長依存性)が大きいため、波長多重化された全てのチャンネルに対して最適な分散を設定するのが難しい。光ソリトン通信は、実際の光伝送路に存在する摂動(伝搬損失や分散のゆらぎなど)により、ソリトンの条件から外れた分散波の成分が生じ、これが伝送特性を劣化させる要因となる。以上のように、現在の光通信システムはいくつかの制限要因に対して注意深く配慮しながら設計しなければならないのだが、仮に光伝送路である光ファイバに損失がないとすると、これらの制限が著しく緩和される。例えば、無損失伝送路では、伝搬損失によるS/N比の劣化がなくなるため、光ファイバへの入力レベルを下げることに関する前記制限要因が緩和される。また、光ソリトン通信に無損失伝送路を適用した場合、分散波の発生が著しく減少する。このような無損失伝送路に最も近い従来の光伝送路として、ラマン増幅によって損失補償された光伝送路がある。
【0007】
光ファイバのラマン散乱を利用したラマン増幅方式は、光伝送路自体が増幅用光ファイバになるという利点や、任意の波長帯を増幅できるという利点を持つ。石英系の光ファイバの場合、励起光の波長よりも長波長側、周波数にして約13THz低い周波数帯に利得のピークが現れる。例えば、波長1450nmと1547nmの周波数の差が13THzである。励起光と利得ピークの波長差もしくは周波数差をラマンシフトと呼び、光ファイバの組成に応じた値となる。
【0008】
一般に、通信用のラマン増幅方式には、図21に示すように励起光と信号光が逆方向に伝搬する後方励起構成が採用される。ラマン利得の発生機構は非常に高速であるため、励起光と信号光が同方向に伝搬する前方励起構成では、励起光の強度ゆらぎが信号波形にそのまま重畳されてしまい、伝送特性が著しく劣化するからである。このことは特開平9−318981号の段落番号0027〜0030にも開示されている。
【0009】
従来の後方励起構成を採用したラマン増幅方式における増幅用光ファイバ中の励起光と信号光の長手方向における強度分布の一般的な特性を図22〜図27に示す。(これらの計算方法はG.P.Agrawal の“Nonlinear Fiber Optics”,Chap.8,Academic Press、R.G.Smith のApplied Optics,Vol.11,pp.2489-2494,1972 、J.Auyeung とA.Yariv のJ.Quantum Electron.,Vol.QE-14,pp.347-352,1978 等を参照)。
【0010】
ラマン増幅方式を応用したラマン増幅器には、光伝送路を増幅用光ファイバとして用いる分布型と、光伝送路とは別に増幅用光ファイバを用いる集中型とがある。以下の記述では分布型を想定した例を示す。ただし、集中型であっても、増幅用光ファイバにおける信号光及び励起光の振舞いは同じ方程式で記述されるため、各種パラメータの値が異なるだけで、同様な効果を得ることが可能である。
【0011】
図22は励起光パワーの変化と信号光パワーの変化を示すグラフである。このグラフ中の曲線aは励起光の入射パワーが100mW(曲線A)のときの信号光パワーを示し、曲線bは励起光の入射パワーが200mW(曲線B)のときの信号光パワーを示し、曲線cは励起光の入射パワーが300mW(曲線C)のときの信号光パワーを示す。グラフ中の直線dは励起光を入射しない場合の信号光パワーを示す。同グラフ中の直線dから明らかな様に、信号光パワーは励起光を入射しないと伝搬距離に比例して減衰する。減衰定数が0.25dB/kmの励起光を入射するとラマン増幅が起こり、信号光パワーが増加する。このパワーの増加量がラマン利得である。図22に示すグラフ中の曲線A〜Cと曲線a〜cとの関係から明らかな様に、ラマン利得の大きさは励起光の入射パワーにほぼ比例する。励起光も伝搬距離に比例して減衰するため、信号入力端付近では励起光強度が小さくなり、ラマン利得も小さい。従って、信号光は入力端から近い位置では減衰し、出力端(励起光が入射される端:この例では入力端から50kmの位置)付近で大きな利得を受ける。信号光強度が十分小さい場合、励起光の減衰は伝搬損失によるものであるから、励起光の長手方向の強度分布は増幅用光ファイバの減衰定数によって一意に決まる。ラマン利得の長手方向の分布(信号光の長手方向の強度分布)は励起光の長手方向の強度分布に応じて決まる。
【0012】
図23は励起光の入射パワーが一定、その減衰定数αpも0.25dB/kmで一定であるときに、信号光の減衰定数αsを変化させた場合の信号光パワーを示すグラフである。このグラフ中の曲線Aは減衰定数αs=0.3dB/kmの場合、曲線Bは減衰定数αs=0.25dB/kmの場合、曲線Cは減衰定数αs=0.2 dB/kmの場合である。図23に示すグラフから明らかな様に、光伝送路の長手方向における信号光の強度分布は信号光の減衰定数αsに応じて変わる。
【0013】
図24は励起光の入射パワーが一定、信号光の減衰定数αsが一定であるときに、励起光の減衰定数αpを変化させた場合の信号光パワーの変化を示すグラフである。このグラフ中の曲線aは、励起光の減衰定数αp=0.3dB/km(曲線A)のときの信号光パワーを示し、曲線bは減衰定数αp=0.25dB/km(曲線B)のときの信号光パワーを示し、曲線cは減衰定数αp=0.2dB/km(曲線C)のときの信号光パワーを示す。図24に示すグラフから明らかな様に、励起光の減衰定数αpを変えると光伝送路の長手方向における励起光の強度分布が異なるため、同方向における信号光の強度分布が変わる。
【0014】
図25は増幅用光ファイバの長さを変えたときの励起光パワーと信号光パワーとの関係を示すグラフである。この場合、励起光の入射パワーは一定、信号光と励起光の減衰定数は同じ値としてある。このグラフから増幅用光ファイバの長さを変えると、同ファイバの長手方向における励起光の強度分布が異なるため、同方向における信号光の強度分布も変わることが分かる。図25に示すグラフ中の曲線A〜Eは増幅用光ファイバの長さが10km、20km、30km、40km、50kmのときの励起光パワーを示し、曲線a〜eは増幅用光ファイバが前記夫々の長さである場合の信号光パワーを示す。
【0015】
図26は励起光の入射パワーが一定、信号光と励起光の減衰定数が同一で、信号光のラマン利得係数gRが異なる場合の信号光パワーの変化を示すグラフである。このグラフ中の曲線aは利得係数gR=1/3×10-13m/Wのときの信号光パワー、曲線bは利得係数gR=2/3×10-13m/Wのときの信号光パワー、曲線cは利得係数gR=1×10-13m/Wのときの信号光パワーを示す。このグラフから明らかな様に、ラマン利得係数gRの大きさを変えると発生するラマン利得の大きさが変わり、光伝送路の長手方向における信号光の強度分布が変わる。
【0016】
図27は入射パワーが一定の励起光により前方励起したときと、後方励起したときの信号光パワーの変化を示すグラフである。このグラフ中の曲線aは前方励起したときの信号光パワーを示し、曲線bは後方励起したときの信号光パワーを示す。ここで示したgRの値は励起波長が1μmの場合の値である。このグラフから明らかな様に、励起構成が異なると、光伝送路の長手方向における励起光の強度分布が異なるため、発生するラマン利得の分布も変わり、信号光の分布が変わる。尚、グラフ中の曲線Aは前方励起光のパワーを示し、曲線Bは後方励起光のパワーを示す。
【0017】
光増幅器を用いた伝送系の雑音特性の一般的な振舞いとして、光増幅前の信号損失が雑音特性を著しく劣化させることが知られている。このため、光ファイバ増幅器のように増幅効果が光ファイバの長手方向に分布を持つ場合、増幅器入力端に近い位置での損失が雑音特性を劣化させる。一方、後方励起構成の場合、増幅用光ファイバにおける伝搬損失によって信号光入力端での励起光強度が小さくなるため、信号光入力端での増幅作用も小さくなる。従って、後方励起構成では信号光入力端における損失が比較的大きくなり、増幅器の雑音特性を劣化させることが問題点となる。このため、雑音特性の良いラマン増幅器を構成するためには、できるだけ損失の小さい光ファイバ(信号光と励起光のどちらに対しても)を用いること、できるだけ短い光ファイバを用いることが常套手段であった。
【0018】
一方で、光伝送路を増幅用光ファイバとして用いる分布型ラマン増幅器の場合は、光伝送路における非線形効果を抑えつつ高いS/N比を維持する必要がある。そこで、光伝送路は同伝送路の長手方向における信号光のレベルが一定となる無損失伝送路の状態が理想的であり、この場合、励起光の強度も光伝送路の長手方向で一定となるのが望ましい。しかし、従来技術でこれを実現できる距離は比較的短く、その距離は光伝送路を構成する光ファイバのパラメータ(ファイバ長、利得係数、励起光と信号光の減衰定数)によって一意に決まっていた。これは、光伝送路の長手方向における励起光の分布を制御することができなかったためである。
【0019
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、光伝送路の長手方向における励起光の強度分布を制御することにより、増幅器の雑音特性を改善可能なラマン増幅方式を提供すると共に、従来のラマン増幅方式と比較して、より無損失伝送路に近い状態を実現可能なラマン増幅方式を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、前記ラマン増幅方式を用いた光信号伝送方法を提供することにある。
【0021】
本件出願の第1のラマン増幅方式は、光ファイバ中のラマン散乱を利用したラマン増幅方式であって、信号光をラマン増幅するための第一の励起光を増幅用光ファイバの信号光出力端から入射し、第一の励起光の波長よりも短い波長をもち第一の励起光をラマン増幅するための第二の励起光を光ファイバの信号光入力端から入射し、さらに前記第二の励起光を増幅用光ファイバの信号光出力端からも入射するものである。
【0022】
本件出願の第2のラマン増幅方式は、前記第1のラマン増幅方式において、第一の励起光を増幅用光ファイバの信号光入力端からも入射するものである。
【0023】
本件出願の第3のラマン増幅方式は、前記第1又は第2のラマン増幅方式において、第二の励起光の波長が、第一の励起光の波長よりも増幅用光ファイバのラマンシフト分だけ短いものである。
【0024】
本件出願の第4のラマン増幅方式は、前記第1又は第2のラマン増幅方式において、第二の励起光のラマン増幅帯域と信号光の波長帯域とが重複しないものである。
【0025】
本件出願の第5のラマン増幅方式は、前記第1又は第2のラマン増幅方式において、第二の励起光の波長を、第一の励起光の波長よりも増幅用光ファイバのラマンシフト分だけ短い波長から若干ずれた波長としたものである。
【0026】
本件出願の第6のラマン増幅方式は、前記第1乃至第5のいずれかのラマン増幅方式において、第一と第二の励起光のいずれか一方又は双方を、複数の波長で構成される波長多重励起光源としたものである。
【0027】
本件出願の第7のラマン増幅方式は、前記第1乃至第6のいずれかのラマン増幅方式において、第一の励起光の光源に半導体レーザーを用いたものである。
【0028】
本件出願の第8のラマン増幅方式は、前記第1乃至第7のいずれかのラマン増幅方式において、光伝送路に第三の励起光を導き、第二の励起光をラマン増幅するものである。
【0029】
本件出願の第1の光信号伝送方法は、前記第1乃至第8のいずれかのラマン増幅方式を用いて、光信号を光伝送路の長手方向でほぼ一定なレベルで伝播させるものである。
【0030】
本件出願の第2の光信号伝送方法は、前記第1の光信号伝送方法において、信号光として波長多重化されたソリトン信号を用いるものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本発明のラマン増幅方式の第1の実施形態を図1に基づいて詳細に説明する。図1の光ファイバ1は光伝送路もしくは集中型光増幅器を構成する任意のタイプの光ファイバであり、例えば光伝送路として用いられるSMF、DSF、NZ−DSF、LEAF、RDF、分散補償用ファイバ、非線形デバイス用ファイバ等である。前記光ファイバ1を用いた光通信システムにおいて、信号光(波長λS)が光ファイバ1を伝搬する際に、第一の励起光(波長λP1)を信号光の出力端2から入射し、第二の励起光(波長λP2)を信号光の入力端3から入射する。これにより、第一の励起光と第二の励起光が共に光ファイバ1中に存在し、第一の励起光は第二の励起光によるラマン増幅を受けて増幅され、信号入力端3付近での第一の励起光強度は第二の励起光が存在しない場合よりも大きくなる。従って、信号入射端3側での伝搬損失に起因するS/N比の劣化が軽減され、伝送系の雑音特性が改善される。また、第二の励起光が信号光の入力端3から入射することにより、信号光出力端2から入射する場合に比して、信号光入力端3付近における第二の励起光強度が大きくなり、信号光入力端3付近において第一の励起光が第二の励起光から受ける利得を効率的に大きくすることができ、ラマン増幅器の雑音特性の改善も効率的になされる。
【0032】
本実施形態では第二の励起光の波長λP2を第一の励起光の波長λP1よりも光ファイバ1(増幅用光ファイバ1)のラマンシフト分だけ短い波長としてある。両波長がこの関係にあるときに第一の励起光が第二の励起光によって最も効率よくラマン増幅される。しかし、第二の励起光の波長λP2が第一の励起光の波長λP1よりも短い波長であれば増幅は可能であるため、第二の励起光の波長λP2を第一の励起光の波長λP1よりも増幅用光ファイバ1のラマンシフト分だけ短い波長に限定する必要はない。例えば、第一の励起光の波長λP1よりも増幅用光ファイバ1のラマンシフト分だけ短い波長から、更に若干ずれた波長とすることもできる。このように若干ずらすと、第一の励起光が第二の励起光から受けるラマン利得の利得係数を任意に減少させることができる。例えば、ラマンシフト分だけ短い波長から20から30nm程度ずれると利得係数が約半分になる。これは増幅用光ファイバ1の長手方向における第一の励起光の強度分布を制御する手段となり、増幅器の入・出力レベルが規定されたときに、雑音特性を最適化するために利用することができる。
【0033】
前記の背景技術の欄に記載した様に、励起光と信号光が同方向に伝搬する前方励起構成では、励起光の強度ゆらぎが信号波形にそのまま重畳されてしまい、伝送特性が著しく劣化するため、ラマン利得を生み出す励起光は信号光と逆方向に伝搬することが望ましい。そこで本実施形態では、第一の励起光を信号光の出力端2から(信号光と逆方向に)入射して、伝送特性の劣化を抑制してある。
【0034】
本実施形態のように第二の励起光を信号光と同方向に伝搬させる場合、第二の励起光の利得帯域と信号光の帯域とが重複すると、励起光の強度ゆらぎが信号波形にそのまま重畳されてしまい、伝送特性が著しく劣化する。そこで本実施形態では同方向に伝搬する第二の励起光の利得帯域と信号光の帯域とが重複しないようにして伝送特性の劣化を抑制してある。例えば、第二の励起光の波長と信号光の波長が20THz程度離れていればよい。
【0035】
光増幅器を用いた伝送系において、光信号が増幅された後に増幅値以上の損失を受けると、増幅前に損失を受けた場合と同様に、雑音特性の著しい劣化を招くことが知られている。(オーム社発行、石尾他、光増幅器とその応用、P26)。従って、ラマン増幅器のように増幅用光ファイバが比較的長い場合には同ファイバ中の信号光レべルをできるだけ高く保つことが雑音特性上の観点からは望ましい。分布型増幅器による多段中継のように信号光の入・出力レべルが同程度の場合には、光伝送路全体にわたる信号光レベルを入・出力レべルと同程度かそれ以上に保つことが望ましい。例えば、G.P.Agrawalの“NonlinearFiberOptics”,Chap.8,AcademicPressに示されるように、信号光強度の伝搬方向の微分係数は下記数式で表されるので、増幅用ファイバの利得係数(gR)と損失係数(αS:信号光の減衰定数)が与えられれば、信号光強度の伝搬方向の微分係数を0にするための励起光強度がIP=αS/gRと求められる。従って、励起光強度がαS/gRよりも小さければ、信号光は伝搬するにつれて減衰し、αS/gRよりも大きければ増加する。よって、光伝送路中の全ての位置において励起光強度がαS/gRとなっていることが理想的であるが、実際にはαS/gR付近である程度の幅に収めるのが現実的である。このようにすることで光伝送路の長手方向における信号光のレべルを一定に近い状態に保持することができ、良好な雑音特性を得ることができる。
【0036】
【数1】
Figure 0003745938
【0037】
図2は実施形態1に示す本発明のラマン増幅方式において、第二の励起光を入射した場合と入射しない場合とで、光ファイバ1の長手方向における第一の励起光の強度分布を比較した結果を示すグラフである。このグラフから第二の励起光を入射しない場合は、第一の励起光の強度分布が光ファイバの伝搬損失によって指数関数状に減衰しているが、第二の励起光を入射した場合は、第一の励起光が増幅されるため、信号光入射端における第一の励起光の強度が増加していることが分かる。
【0038】
図3は実施形態1に示す本発明のラマン増幅方式において、第二の励起光を入射した場合と入射しない場合とで、光ファイバ1の長手方向における信号光の強度分布を比較した結果を示すグラフである。このグラフから第二の励起光が存在している方が、第二の励起光が存在しない場合よりも、信号光入力端付近での信号光強度が大きくなっており、雑音特性が改善されることが伺える。
【0039】
図4は実施形態1に示す本発明のラマン増幅方式において、第二の励起光を信号光の入力端3(図1)から入射した場合と、出力端(図1)から入射した場合とで、光ファイバ1(図1)の長手方向における第一の励起光の強度分布を比較した結果を示すグラフである。このグラフから第二の励起光を信号光の入力端3から入射した方が出力端2から入射する場合よりも、入力端3付近における第二の励起光の強度を大きくできるため、入力端3付近で第一の励起光が第二の励起光から受ける利得が大きなり、第一の励起光の強度が大きくなることが分かる。
【0040】
図5は実施形態1に示す本発明のラマン増幅方式において、第二の励起光を信号光の入力端3(図1)から入射した場合と、出力端2(図1)から入射した場合とで、光ファイバ1(図1)の長手方向における信号光の強度分布を比較した結果を示すグラフである。このグラフから第二の励起光を信号光の入力端3から入射した方が、出力端2から入射するよりも、入力端3付近における信号光の強度が大きくなっており、雑音特性が良いことが伺える。
【0041】
図6は実施形態1に示す本発明のラマン増幅方式において、信号光の利得が一定になる条件の下で、第一の励起光と第二の励起光の入射パワーの組み合わせを変えた場合の信号光パワーの変化を示すグラフである。図6に示すグラフ中の曲線Aは、第一の励起光の入射パワーが100mW、第二の励起光の入射パワーが1100mWの場合、曲線Bは第一の励起光の入射パワーが150mW、第二の励起光の入射パワーが370mWの場合、曲線Cは第一の励起光の入射パワーが200mW、第二の励起光の入射パワーが0mWの場合を夫々示す。このグラフより、第一の励起光と第二の励起光の両方のパワーを調整することによって光ファイバの途中における信号光の最小レベルを制御することができ、最小レベルを高く設定することで、雑音特性の改善が可能であることが分かる。
【0042】
(実施形態2)
本発明のラマン増幅方式の第2の実施形態を図7に基づいて詳細に説明する。本実施形態の基本的な構成は前記実施形態1と同様である。異なるのは図7に示す様に第二の励起光(波長λp2)を信号光の入力端3からだけでなく、出力端2からも入射していることである。この場合も実施形態1と同様に、第二の励起光の波長λP2を第一の励起光の波長λP1よりも短い波長としたり、第一の励起光の波長λP1よりも光ファイバ1(増幅用光ファイバ1)のラマンシフト分だけ短い波長としたり、第一の励起光の波長λP1よりも増幅用光ファイバ1のラマンシフト分だけ短い波長から若干ずれた波長とすることができる。
【0043】
第二の励起光(波長λp2)を信号光の出力端2からも入射すると、光ファイバ1の長手方向における第一の励起光(波長λp1)の強度分布を制御する際の自由度が増し、光ファイバ1の長手方向における信号光の強度分布を制御し易くなる。分布型増幅器による多段中継のように、信号光の入・出力レべルが規定されてしまう条件下で雑音特性を最適化する場合はこの方法が効果を発揮する。
【0044】
図8は図7に示す光ファイバ1の長手方向における信号光の強度分布を示すグラフであり、グラフ中の曲線aは従来のラマン増幅方式によって光ファイバ1中の信号光を増幅した場合の同信号光の強度分布を示し、曲線bは実施形態1に示す本発明のラマン増幅方式によって信号光を増幅した場合の同信号光の強度分布を示し、曲線cは実施形態2に示す本発明のラマン増幅方式によって信号光を増幅した場合の同信号光の強度分布を示す。このグラフから、実施形態1の示したラマン増幅方式を用いた方が従来の増幅方式を用いた場合に比べて光ファイバ1の途中における信号光の最小レべルが高いところにあるため、雑音特性が良いことが分かる。また、実施形態2に示したラマン増幅方式を用いた場合は、実施形態1に示したそれを用いた場合よりも信号光の最小レべルがさらに高いレべルに保たれており、雑音特性が更に良くなることが分かる。実施形態1に示したラマン増幅方式でも第一と第二の励起光の強度を調整することによって、信号光の最小レべルを実施形態2に示すラマン増幅方式の場合と同じにすることもできる。但し、図9に示す例では実施形態2に示すラマン増幅方式を用いた場合の方がトータルで必要とされる励起パワーが少なくなっているので効率が良いといえる。図9は実施形態1に示すラマン増幅方式を用いた場合と、実施形態2に示すラマン増幅方式を用いた場合との信号光パワーの比較結果を示すグラフである。このグラフ中の曲線aは実施形態1に示すラマン増幅方式において、第一の励起光を100mW、第二の励起光を1100mWとしたときの信号光パワーを示し、曲線bは実施形態2に示すラマン増幅方式において、第一の励起光を25mW、第二の励起光を300mW×2としたときの信号光パワーを示す。
【0045】
図10は実施形態2に示すラマン増幅方式において、信号光の入・出力レべル及び最小レべルが同一となる条件下で、第一の励起光と第二の励起光の波長間隔を異ならせた場合の光ファイバの長手方向における信号光の強度分布を比較した結果を示すグラフである。このグラフ中の曲線aは第一の励起光の波長λp1が1450nm、第二の励起光の波長λp2が1350nmの場合(両波長間隔がラマンシフトの場合)、曲線bは第一の励起光の波長λp1が1450nm、第二の励起光の波長λp2が1325nmの場合(両波長間隔がラマンシフトからずれた場合)を示す。このグラフより第一の励起光と第二の励起光の波長間隔をラマンシフトからずらすことによって信号光の最大レべルを小さくすることができ、光ファイバ中の非線形性による伝送特性の劣化を小さくできることが分かる。この理由は、第一の励起光の受ける利得係数が小さくなるため光ファイバの長手方向における第一の励起光の強度分布が緩やかとなり、光ファイバの長手方向における信号光の強度分布も緩やかとなるからである。図11は、図10の条件下における第一の励起光の強度分布を示すグラフであり、曲線aは第一の励起光の波長λp1が1450nm、第二の励起光の波長λp2が1350nmの場合における第一の励起光の強度分布を示し、曲線bは第一の励起光の波長λp1が1450nm、の第二の励起光の波長λp2が1325nmの場合における第一の励起光の強度分布を示す。このグラフより第一の励起光と第二の励起光の波長間隔をラマンシフトからずらすことによって、光ファイバの長手方向における第一の励起光の強度分布が緩やかになることがわかる。
【0046】
実施形態2に示すラマン増幅方式では、同一波長(λp2)の第二の励起光を信号光の入力端3(図7)及び出力端2(図7)から同一パワーで入射したが、信号光の入力端3及び出力端2から入射する2つの第二の励起光は、必ずしも同一波長である必要も同一パワーである必要もない。これらは光ファイバの長手方向において実現しようとする信号光の強度分布に応じて適宜調整することができる。
【0047】
(実施形態3)
本発明のラマン増幅方式の第3の実施形態を図12に基づいて詳細に説明する。本実施形態の基本的な構成は前記実施形態2と同様である。異なるのは図12に示す様に第一の励起光(波長λp1)を信号光の出力端2からだけでなく、入力端3からも入射していることである。この場合も実施形態1、2と同様に、第二の励起光の波長λp2を第一の励起光の波長λp1よりも短い波長としたり、第一の励起光の波長λp1よりも光ファイバ1(増幅用光ファイバ1)のラマンシフト分だけ短い波長としたり、第一の励起光の波長λp1よりも増幅用光ファイバ1のラマンシフト分だけ短い波長から若干ずれた波長とすることができる。
【0048】
第一の励起光(波長λp1)を信号光の入力端3からも入射すると、光ファイバ1の長手方向における第一の励起光(波長λp1)及び第二の励起光(波長λp2)の強度分布をより一様にすることができるため、無損失伝送路に近い状態を実現しやすくなる。但し、第一の励起光が信号光と同じ方向に伝搬するため、入力端3から入射する第一の励起光の光源には強度雑音が十分小さい半導体レーザー等を使用する必要がある。
【0049】
図13は本実施形態3に示すラマン増幅方式に最も近い従来技術の構成である。図13に示すラマン増幅方式は、実施形態3に本発明のラマン増幅方式と同様に第一の励起光が信号光と同方向に伝搬するため、入力端3から入射する第一の励起光の光源には強度雑音が十分小さい半導体レーザー等を使用する必要がある。
【0050】
図14は、従来のラマン増幅方式を用いた場合、実施形態2に示す本発明のラマン増幅方式を用いた場合、実施形態3に示す本発明のラマン増幅方式を用いた場合の光ファイバ1の長手方向における信号光の強度分布を示すグラフである。尚、いずれの場合も信号光のレベル変動幅が最も小さくなるように励起光のパワーを最適化してある。このグラフから明らかなように、実施形態3に示す本発明のラマン増幅方式を用いることで光ファイバ1の長手方向における信号光のレベル変動幅を著しく小さくすることができる。
【0051】
図15は、図14の条件下における第一の励起光の、光ファイバの長手方向における強度分布を示すグラフである。このグラフより実施形態3に示すラマン増幅方式において信号光のレベル変動が小さいのは、第一の励起光のレベル変動が小さくなっているからであることが分かる。
【0052】
図16は、信号光のレベル変動幅をほぼ同じに設定した場合の中継距離の違いを比較したグラフである。このグラフから実施形態3に示す本発明のラマン増幅方式において実現される信号光のレベル変動幅(図14)と同一の変動幅を実現するためには、従来のラマン増幅方式では中継距離を20km、実施形態2に示す本発明のラマン増幅方式でも25kmに縮める必要があることが分かる。
【0053】
(実施形態4)
雑音特性の最適化のためにはラマン増幅器の励起光が高出力であることが望ましく、第一と第二の励起光のパワーレンジが大きい方が都合がよい。この場合、いずれか一方又は双方の励起光を複数の発振波長を有する励起用半導体レーザーから構成される波長多重励起光源から得ることができる。(参考文献:Y.EmoriらのElectronics Letters,vol.34,pp.2145-2146,1998)。このような励起光源を用いる場合、利得のピーク波長と増幅される信号光の波長が一致するように励起光源の波長を選択する必要がある。例えば、1435nm、1450nm、1465nm、1480nmを多重化した励起光源を用いた場合、1570nm付近が利得ピーク波長となるので、この波長帯に信号光の波長が含まれるように設定することになる。
【0054】
波長多重励起光源を用いた場合、実効的な利得係数が光ファイバ長手方向で変化するという現象が生じる。これは、信号光波長における利得係数は各励起光に起因する係数の和となるのだが、各励起光の減衰率が異なるため、その振舞いが多重化していない場合とは異なったものとなる。減衰率が異なる理由は、損失係数の波長依存性と、励起光間のラマン増幅効果によるものである。従って、多重化する波長を適切に選択することによって、光ファイバの長手方向における利得係数の分布を制御することもできる。
【0055】
(実施形態5)
信号光をラマン増幅するための第一の励起光として波長多重励起光を用いた場合、各励起光間でラマン効果が発生するため、短波長の励起光は長波長の励起光よりも減衰率が高くなる(H.Kidorf et al., Photonics Technology Letters, pp.530-532,Vol.11, Fig.5参照)。このため、短波長の励起光から利得を受ける波長帯は、長波長の励起光から利得を受ける波長帯よりも雑音特性が悪くなる。例えば、Cバンド(1530nm−1565nm)とLバンド(1570nm−1610nm)を同時にラマン増幅する場合、波長が1450nm付近の励起光と1490nm付近の励起光を用いるが、励起光間のラマン効果のため1450nmの励起光の方が減衰率が高くなり、Cバンドの方が雑音特性が悪くなる。このとき、1450nmの励起光に対する利得が1490nmの励起光に対する利得よりも大きくなるように、第二の励起光の波長を設定することにより、Cバンドの雑音特性改善効果をLバンドの雑音特性改善効果よりも大きくすることができる。その結果、CバンドとLバンドの間に雑音特性の差が生じないようにすることが可能となる。
【0056】
図17に示すように、第二の励起光の波長を1450nmよりも増幅用光ファイバのラマンシフト分だけ短い波長よりも僅かに短い波長とすることにより、1450nmの励起光が受ける利得よりも1490nmの励起光が受ける利得が小さくなる(図18参照)。また、波長多重励起光源を用いたラマン増幅器は波長間隔や波長配置を適切に設定することにより、任意の利得形状を実現することが可能である。従って、第二の励起光として波長多重励起光源を用いることにより、第一の励起光の波長帯に対する利得形状が自由に設定できるようになり、その結果として、第一の励起光が増幅する信号帯の雑音特性の波長依存性を制御することが可能となる。図19に第二の励起光として波長多重励起光源を用いた場合における第一の励起光の波長帯に対する利得形状の一例を示す。図19では、1450nmの励起光と1490nm励起光の利得差が図18の場合よりもさらに小さくなっている。特に、第一の励起光が比較的狭い波長間隔(例えば、15nm程度)で多重化されている場合、第二の励起光によって利得形状を調整できると、信号帯の雑音特性の波長依存性をより細かく制御することができる。これは、信号帯の利得プロファイルが複数の励起光から得られる利得プロファイルの足し合わせによって成り立っているからである。
【0057】
(実施形態6)
信号光のレベル変動を小さく抑えるためには、第一の励起光のレベル変動をなるべく小さくすればよい。従来のラマン増幅方式では、第一の励起光のレベル変動は伝搬損失によるものであり、それを制御することができなかった。これまで示してきた本発明のラマン増幅方式の実施形態では、第二の励起光が第一の励起光に与えるラマン利得を用いて、第一の励起光の実効的な損失が光ファイバの長手方向で変化するようにして、第一の励起光のレベル変動を従来方式の場合よりも小さくした。しかし、第二の励起光のレベル変動はやはり伝搬損失によるものであって、これは制御されていない。そこで、第二の励起光をラマン増幅するための第三の励起光を導入すれば、第二の励起光のレベル変動をより小さくすることができ、それは第一の励起光、信号光のレベル変動をもより小さくする効果が期待される。
【0058】
(実施形態7)
これまでの公知事実として、無損失な光伝送路におけるソリトンは、信号光波長が単一である場合はもとより、波長多重システムの場合でも、その波形を維持することが知られている。(参考文献:例えば、L.F.Mollenauerら、Soliton propagation in long fibers with periodically compensated loss, Journal of Quantum Electronics, Vol.QE-22, No.1, 1986)また、単一波長のソリトンの場合、損失のある伝送路でも、光直接増幅によって損失補償をすればソリトンとして伝送されることが理論的にも実験的にも証明されている。(参考文献:A.Hasegawa, Numerical study of optical solution transmission amplified periodically by the stimulated Raman process, Applied Optics, Vol.23, No.19, pp.3302-3309,1984、L.F.Mollenauerら,Experimental demonstration of solution propagation in long fibers:loss compensated by Raman gain, Optics Letters, Vol.10, No.5, pp229-231, 1985、米国特許第4558921号)かつては、波長多重システムでもこれが可能であるとされていたが(参考文献:特許第2688350号、L.F.Mollenauerら、Wavelength division multiplexing with solutions in ultra-long distance transmission using lumped amplifiers, Journal of Lightwave Technology, Vol.9, No.3, 1991)、その後に、波長多重システムでは適切な設定をしなければソリトン通信が実現されないことが明らかとなった。(参考文献:P.V.Mamyshevら, Pseudo-phase-matched four-wave mixing in solution wavelength-division multiplexing transmission, Optics Letters, Vol.21, No.6, 1996)また、ソリトンの一種に分散補償ソリトンと呼ばれる技術があり、この技術は実用的な波長多重伝送が可能であるため広く普及している。しかしながら、純粋なソリトンと異なり、伝播途中ではパルス広がりを伴うため、前後のビットの重なりによって生じた非線形効果が非可逆な波形歪みをもたらす。
【0059】
公知文献には、光伝送路の損失に応じて分散を減少させた光伝送路を用いることで純粋な波長多重ソリトン通信が可能であることが示されている。しかしながら、このような手法は既設の光伝送路を用いることができない上に、光伝送路の分散の制御が複雑で難しいため、実用性に乏しい。
【0060】
一方で、ラマン増幅のような分布的な増幅を用いて、無損失伝送路に極めて近い状態の光伝送路を実現することで、純粋な波長多重ソリトンが伝搬可能となると予想される。しかし、従来の技術レベルでこのような光伝送路を実現するには、比較的短い距離間隔で励起光源を配置する必要があるため実用的ではなかった。これまでに述べてきたように、本発明のラマン増幅方式を用いることで、従来と比較してより無損失伝送路に近い状態の光伝送路をより長距離にわたって実現できる。従って、この光伝送路を用いた波長多重ソリトン通信は従来のものと比較して、伝送特性が著しく改善されると予想される。図20は実施形態3に示す本発明のラマン増幅方式を適用した光伝送路を用いた波長多重ソリトン通信システムの実施例である。このシステムでは、光伝送路を無損失伝送路にどれだけ近くする必要があるか、即ち、信号光のレベル変動の許容値をどれだけ与えるかで伝送路区間の最大距離が決まるので、それよりも短い距離で一区間を構成し、それを接続して全体のシステムを構築する。
【0061】
【発明の効果】
本発明の第1のラマン増幅方式には次のような効果がある。
(1)第一の励起光と第二の励起光が増幅用光ファイバ中に同時に存在することで、第一の励起光が第二の励起光によるラマン増幅を受け、第二の励起光が存在しない場合よりも、信号入力端付近での第一の励起光強度が大きくなり、信号入力側でのS/Nの劣化が改善され、伝送系と増幅器の雑音特性が改善される。(2)増幅用光ファイバの長さや信号光と各励起光の減衰定数に応じて、第一の励起光と第二の励起光のパワー配分、波長間隔、励起構成を適切に選択し、信号光をラマン増幅するための第一の励起光の長手方向の強度分布を任意に制御することによって、雑音特性の最適化が可能となる。
(3)第二の励起光を信号光の入力端から入射するので、第二の励起光を信号光の出力端から入射する場合と比較して信号入力端付近における第二の励起光強度を大きくできる。従って、信号入力端付近で第一の励起光が第二の励起光から受ける利得を効率的に大きくすることができ、ラマン増幅器の雑音特性の改善も効率的になされる。
【0062】
本発明の第のラマン増幅方式には、前記効果の他に次の効果もある。即ち、第二の励起光を信号光の出力側からも入射するので、光ファイバの長手方向における第一の励起光の強度分布を制御する際の自由度が増し、光ファイバの長手方向における信号光の強度分布を制御し易くなる。分布型増幅器による多段中継のように、信号光の入・出力レベルが規定されてしまう条件下で雑音特性を最適化するのに有効である。
【0063】
本発明の第のラマン増幅方式には、前記効果の他に次の効果もある。
(1)信号光をラマン増幅するための第一の励起光を増幅用光ファイバの信号光入力端からも入射するので、第1、第2のラマン増幅方式と比べて、信号光入力端付近の第一の励起光の強度を容易に大きくすることができるため、ラマン増幅器の雑音特性の改善がより効率的になされる。
(2)第一、第二の励起光を信号光の入力端及び出力端の両方から入射するので、第1、第2のラマン増幅方式と比べて、光ファイバの長手方向における第一の励起光強度分布をより一様にすることができるため、無損失伝送路に近い状態を実現し易くなる。
【0064】
本発明の第のラマン増幅方式には、前記効果の他に次の効果もある。即ち、第二の励起光の波長を第一の励起光の波長よりも増幅用光ファイバのラマンシフト分だけ短い波長にするので、第一の励起光が第二の励起光から受けるラマン利得が最大となり、効率良く雑音特性が改善される。
【0065】
本発明の第のラマン増幅方式には、前記効果の他に次の効果もある。即ち、第二の励起光のラマン増幅帯域と信号光の波長帯域とが重複しないようにしたので、信号光と同方向に伝搬する第二の励起光の強度揺らぎが信号波形に重畳されることがなく、雑音が発生しにくくなり、伝送特性が向上する。
【0066】
本発明の第のラマン増幅方式には、前記効果の他に次の効果もある。即ち、第二の励起光の波長を、第一の励起光の波長よりも増幅用光ファイバのラマンシフト分だけ短い波長から若干ずれた波長にするので、第一の励起光が第二の励起光から受けるラマン利得の利得係数を任意に減少させることができる。この手段を利用することにより、第一の励起光の長手方向の強度分布を制御する際の自由度が増すため、増幅器の入出力レべルが規定されたときの雑音特性の最適化が容易になる。
【0067】
本発明の第のラマン増幅方式には、前記効果の他に次の効果もある。即ち、第一又は第二、又は両方の励起光に多重光源を使用するので高出力の励起光が得られ、雑音特性の最適化を図るのに都合が良い。特に、第一の励起光に複数の波長からなる波長多重励起光源を用いる場合には、第二の励起光の波長を適切に選択することによって、信号光の雑音特性の波長依存性さえも制御することが可能となる。さらに、第二の励起光が波長多重励起光源である場合には、信号光の雑音特性の波長依存性を一層自由に制御することが可能となる。
【0068】
本発明の第のラマン増幅方式には、前記効果の他に次の効果もある。即ち、第一の励起光と信号光が同方向に伝搬する場合、励起光の強度揺らぎが利得の揺らぎとなって信号光に重畳され、これが信号光の強度雑音となって伝送特性を劣化させるのだが、第一の励起光に一般に強度揺らぎが小さい半導体レーザを用いるため、この種の強度雑音を小さくすることができる。
【0069】
本発明の第のラマン増幅方式には、前記効果の他に次の効果もある。即ち、伝送路に第三の励起光を導き、第二の励起光をラマン増幅することにより、第二の励起光の実効的な伝搬損失を小さくすることができるため、第三の励起光を入射しない場合と比較して、第二の励起光の長手方向のレベル変動が小さくなり、第一の励起光、信号光の長手方向のレベル変動も小さくすることができる。従って、信号光の強度が伝搬方向に一様であるような無損失伝送路により近い状態が実現できる。
【0070】
本発明の第1の光信号伝送方法は、第1乃至第のラマン増幅方式を用いて、光信号を光伝送路の長手方向でほぼ一定なレベルで伝搬させることにより、S/N比の劣化と非線形効果による波形劣化の両方を同時に緩和することができるため、従来よりも優れた伝送特性を持つ光通信システムが実現可能となる。
【0071】
本発明の第2の光信号伝送方法は、第1の光信号伝送方法の効果の他に次のような効果もある。
(1)純粋なソリトンを用いて波長多重伝送を可能にするためには、伝送路の損失に応じて分散を減少させた伝送路を用いる必要がある。これは、ソリトン波形を維持するためには、伝送路の分散がソリトンパルスのピークパワーに応じた値である必要があるためである。一方、本発明の光信号伝送方法は、第1乃至第9のラマン増幅方式を用いて、光信号を光伝送路の長手方向でほぼ一定なレベルで伝搬させるため、伝送路の分散を変える必要がない。これは、従来不可能とされていた既設の伝送路を用いた純粋な波長多重ソリトン通信が可能となることを意味する。
(2)ソリトンの一種に、実用的な波長多重伝送が可能な分散補償ソリトンと呼ばれる技術がある。この技術は純粋なソリトンと比較すると、ソリトンパルスのピークパワーの変化に強いのだが、この技術に対しても、信号光が光伝送路の長手方向でほぼ一定なレベルであることは望ましいことである。従って、本発明の光信号伝送方法はこの技術に対しても有効に作用する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラマン増幅方式の第1の実施形態を示す説明図。
【図2】図1に示すラマン増幅方式において第二の励起光を入射した場合と入射しない場合とで、光ファイバの長手方向における第一の励起光の強度分布を比較した結果を示す図。
【図3】図1に示すラマン増幅方式において、第二の励起光を入射した場合と入射しない場合とで、光ファイバの長手方向における信号光の強度分布を比較した結果を示す図。
【図4】図1に示すラマン増幅方式において、第二の励起光を信号光の入力端から入射した場合と出力端から入射した場合とで、光ファイバの長手方向における第一の励起光の強度分布を比較した結果を示す図。
【図5】図1に示すラマン増幅方式において、第二の励起光を信号光の入力端から入射した場合と出力端から入射した場合とで、光ファイバの長手方向における信号光の強度分布を比較した結果を示す図。
【図6】図1に示すラマン増幅方式において、信号の利得が一定となる条件下で第一の励起光と第二の励起光の組合わせを変えた場合の信号光の変化を示す図。
【図7】本発明のラマン増幅方式の第2の実施形態を示す説明図。
【図8】図1に示すラマン増幅方式、図7に示すラマン増幅方式、従来のラマン増幅方式の夫々における信号光の強度分布を示す図。
【図9】図1に示すラマン増幅方式と図7に示すラマン増幅方式とで、信号光の最小レベルを同じくするために必要とされる励起パワーを示す図。
【図10】図1に示すラマン増幅方式において、信号光の入・出力レべル及び最小レべルが同一となる条件下、第一の励起光と第二の励起光の波長間隔を異ならせた場合の信号光の強度分布を示す図。
【図11】図10における条件と同じ条件での、光ファイバの長手方向における第一の励起光の強度分布の比較図。
【図12】本発明のラマン増幅方式の第3の実施形態を示す説明図。
【図13】図12に示すラマン増幅方式に最も近い従来のラマン増幅方式を示す図。
【図14】光ファイバの長手方向における信号光の強度分布を示す図。
【図15】図14に示す条件における第一の励起光の光ファイバの長手方向における強度分布を示す図。
【図16】信号光のレベル変動幅をほぼ同じく設定した場合の中継距離の違いを示す図。
【図17】本発明のラマン増幅方式の第5の実施形態を示す説明図。
【図18】第二の励起光の波長を適切に選択することによって、波長多重化された第一の励起光のうちの一方の励起光が受ける利得を他方の励起光が受ける利得よりも大きくすることが可能であることを示す図。
【図19】第二の励起光として波長多重励起光源を用いた場合における第一の励起光の波長帯に対する利得形状の一例を示す図。
【図20】図12に示すラマン増幅方法を適用した光伝送路を用いた波長多重ソリトン通信システムの概略図。
【図21】従来のラマン増幅方式を示す説明図。
【図22】従来のラマン増幅方式において励起光を入射しない場合と入射した場合、及び励起光の入射パワーを変化させた場合の信号光パワーの変化を示す図。
【図23】従来のラマン増幅方式において、信号光の減衰定数の変化に伴う信号光パワーの変化を示す図。
【図24】従来のラマン増幅方式において、励起光の減衰定数の変化に伴う励起光及び信号光の変化を示す図。
【図25】従来のラマン増幅方式において、増幅用光ファイバの長さを変えた場合の励起光及び信号光の強度分布を示す図。
【図26】従来のラマン増幅方式において、ラマン利得係数を変えた場合の信号光の変化を示す図。
【図27】従来のラマン増幅方式において、前方励起と後方励起の場合の励起光及び信号光の強度分布を示す説明図。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2 信号光の出力端
3 信号光の入力端

Claims (10)

  1. 光ファイバ中のラマン散乱を利用したラマン増幅方式であって、信号光をラマン増幅するための第一の励起光を増幅用光ファイバの信号光出力端から入射し、第一の励起光の波長よりも短い波長をもち第一の励起光をラマン増幅するための第二の励起光を光ファイバの信号光入力端から入射し、さらに前記第二の励起光を増幅用光ファイバの信号光出力端からも入射することを特徴とするラマン増幅方式。
  2. 第一の励起光を増幅用光ファイバの信号光入力端からも入射することを特徴とする請求項1記載のラマン増幅方式。
  3. 第二の励起光の波長が、第一の励起光の波長よりも増幅用光ファイバのラマンシフト分だけ短いことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のラマン増幅方式。
  4. 第二の励起光のラマン増幅帯域と信号光の波長帯域とが重複しないことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のラマン増幅方式。
  5. 第二の励起光の波長を、第一の励起光の波長よりも増幅用光ファイバのラマンシフト分だけ短い波長から若干ずれた波長としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のラマン増幅方式。
  6. 第一と第二の励起光のいずれか一方又は双方を、複数の波長で構成される波長多重励起光源としたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のラマン増幅方式。
  7. 第一の励起光の光源に半導体レーザーを用いた請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のラマン増幅方式。
  8. 光伝送路に第三の励起光を導き、第二の励起光をラマン増幅する請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のラマン増幅方式。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のラマン増幅方式を用いて、光信号を光伝送路の長手方向でほぼ一定なレベルで伝播させることを特徴とする光信号伝送方法。
  10. 信号光として波長多重化されたソリトン信号を用いることを特徴とする請求項9記載の光信号伝送方法。
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