JP3474728B2 - 基板処理装置 - Google Patents

基板処理装置

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JP3474728B2
JP3474728B2 JP14323797A JP14323797A JP3474728B2 JP 3474728 B2 JP3474728 B2 JP 3474728B2 JP 14323797 A JP14323797 A JP 14323797A JP 14323797 A JP14323797 A JP 14323797A JP 3474728 B2 JP3474728 B2 JP 3474728B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば工業用とし
て、シリコンウェーハやガラス基板等の基板の処理、特
にリンス(すすぎ)など洗浄処理に供されて好適な基板
処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置として、図14乃至
図16に示すものがある。この装置は、シリコンウェー
ハの洗浄を行う。
【0003】図14に示すように、この基板処理装置
は、処理用流体として例えば純水1を貯留する処理槽2
と、被洗浄物であるシリコンウェーハ3を保持した基板
保持手段としてのカセット4を該処理槽2に対して搬入
・搬出する搬送手段5とを備えている。
【0004】前記カセット4は、複数枚、例えば25枚
のシリコンウェーハ3をその主たる面同士が平行となる
ように所定の隙間:e(図16に図示)を隔てて配列し
て保持する。
【0005】図15及び図16に示すように、前記処理
槽2の底部上面には受け台7が固定されている。前記カ
セット4はこの受け台7上に載置され、位置決めされ
る。カセット4が該受け第7条に載置された状態で各シ
リコンウェーハ3は完全に前記純水1に浸漬する。
【0006】図15及び図16から、前記処理槽2の底
部2aは細かな孔2bが多数形成されたパンチング板と
なされている。そして、該底部2aの下方には、該底部
2aと共に内部空間10を形成する給水ボックス9が設
けられている。該給水ボックス9の底部には給水孔9a
が設けられている。
【0007】図15に示すように、前記給水孔9aは多
量の純水を蓄えた純水槽11に給水パイプ12により接
続され、該給水パイプ12によって形成される給水路に
は該給水路の開度を調節するためのバルブ14が設けら
れている。
【0008】また、給水量を調整すべく前記バルブ14
の作動制御をなす供給水量制御部16が設けられてい
る。
【0009】また、前記内部空間10内であって前記給
水孔9aの近傍には、該給水孔9aから吐出される純水
をパンチング板たる処理槽2の底部2aの全面にわたる
べく拡散せしめるパンチング板18が設けられている。
図15及び図16において、純水槽11からの純水が該
給水孔9aを通じて矢印Aで示すように供給されると、
この純水は該パンチング板18によって矢印Bにて示す
ように拡散され、更にパンチング板である処理槽2の底
部2aにて拡散されて該処理槽2内に流入する。
【0010】続いて、前記搬送手段5について説明す
る。
【0011】図14に示すように、この搬送手段5は、
水平方向:Hに移動自在な可動ベース31と、該可動ベ
ース31を移動させる駆動手段(図示せず)とを有して
いる。この可動ベース31には可動ポール33が昇降自
在(矢印Zで示す)に設けられており、該可動ベース3
1内に設けられた図示しない駆動手段によって昇降せし
められる。
【0012】前記可動ポール33の上端には基体部35
が設けられている。この基体部35には、長手状にして
互いに平行に水平に伸長する2本の支持部材37及び3
8が各々の一端部にて取り付けられている。これらの支
持部材37、38は、基体部35内に設けられた軸受機
構によってその軸中心周りに回転自在に支持されてお
り、該基体部35内に配設された駆動手段によって回転
駆動される。
【0013】図15にも示すように、前記支持部材3
7、38の先端部及びその近傍には、一対ずつのハンガ
ー部材41、42が垂下状態にて固定されている。この
ハンガー部材41及び42の下端部はフック41a、4
2aとなされており、前記カセット4の端部に設けられ
た取手4aをこれらフック41a、42aで支え持つ。
【0014】次に、上述した構成の基板処理装置の動作
を説明する。但し、以下に説明する動作の制御は、当該
基板処理装置が備えた制御部が司る。
【0015】洗浄に際し、シリコンウェーハ3を搭載し
たカセット4を処理槽2内に搬入する。詳しくは、前段
の行程で搬送手段5のハンガー部材41、42にカセッ
ト4が装填され、その状態で可動ベース31を水平に移
動させる(図14において矢印H1で示す)。これによ
って、該カセット4が処理槽2の直上に位置決めされ
る。
【0016】この位置決めが完了したら、可動ポール3
3を下降させ、カセット4を処理槽2内の純水1に浸漬
せしめ、受け台7上に載置する(図14で矢印Z1にて
示している)。
【0017】この後、図15において二点鎖線及び実線
で示すように支持部材37、38を回動させることによ
り各ハンガー部材41及び42を開き、カセット4の保
持状態を解除する。そして、該カセット4を処理槽2内
に残して前記可動ポール33を上昇させる。
【0018】他方、処理槽2側では次の動作を行わしめ
る。
【0019】すなわち、図15において、前記バルブ1
4を開き、矢印Bにて示すように処理槽2の底部側から
純水を注入する。よって、処理槽2中にに純水1が満た
され、該処理槽2の上端開口部からあふれる分は排水路
44を経て排出される。この注水によって、処理槽内に
貯留されている純水1に下から上に向かいかつ各シリコ
ンウェーハ3を巡る流れが生じ、各シリコンウェーハ3
の洗浄がなされる。
【0020】かくして洗浄が完了すると、搬送手段5に
よってカセット4が搬出される。搬出動作は搬入動作と
は全く逆の手順をたどってなされる。つまり、各ハンガ
ー部材41、42を開いた状態にして可動ポール33を
下降させ(図14において矢印Z2で示す)、該ハンガ
ー部材41、42をカセット4を保持し得る位置に持ち
来す。
【0021】この後、前記支持部材37、38を回動さ
せてハンガー部材41、42を閉じ、カセット4を保持
させる。そして、可動ポール33を上昇させ、カセット
4を処理槽2の上方に引き出す。続いて、可動ベース3
1を水平に移動させ、洗浄後のシリコンウェーハ3を収
容した該カセット4を後段の工程に向けて搬送する(図
14で矢印H2にてしめす)。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の基板処
理装置は超精密洗浄を可能とするもものであり、例えば
半導体産業において多用されている。しかしながら、従
来の装置では下記の問題を擁している。
【0023】まず、図16から、各シリコンウェーハ3
が比較的小さな隙間eを隔てて配列されていることか
ら、該シリコンウェーハ3各々の主たる面に対する水流
の流体抵抗が大きくなってしまう。これに対し、列の最
端に位置するシリコンウェーハ3-1と処理槽2の内側面
2dとの距離aは大きく設定されており、この処理槽2
の内側面2dと該シリコンウェーハ3-1の片面に対する
水流の流体抵抗は小さい。
【0024】なお、前記最端のシリコンウェーハ3-1
処理槽2の内側面2dとの距離を大きく採っているの
は、カセット4の端部が突出していること等による。
【0025】上記から、図16において矢印Fで示すよ
うに処理槽2の底部2aから全面にわたってほぼ均等な
水流を与えても、流体抵抗の小さな方へと流れ込み易
く、シリコンウェーハ3間の流量が不足し、特にシリコ
ンウェーハ3の上部に有効な層流が生じ難くなり、シリ
コンウェーハの下部と上部とで洗浄効果が異なってしま
うなどの不都合が生じている。図16において、処理槽
2内の各部位での流れの方向を矢印で示し、その流れの
速度を該矢印の長さで示している。
【0026】更に、処理槽2の底部2a上に位置する前
記カセット4及び受け台7は、パンチング板である前記
底部2aを通じて均一化された前記流れ(前記矢印Fで
示される)を乱し、層流の発生を阻害する。
【0027】また、上記距離aを隔てた処理槽2の内側
面2dと最端のシリコンウェーハ3-1との間において
は、該内側面2dに近づくほど流速が早くなる傾向があ
る。故に、該内側面2d側と最端のシリコンウェーハ3
-1側 との流速の差に基づき渦が発生しやすく、その結
果、この部分の純水がパーティクル(particl
e)を含んだまま滞留して完全には排出されず、洗浄効
果が損なわれる。
【0028】他方、図15に示すように、シリコンウェ
ーハ3の主たる面と平行な方向においても、該シリコン
ウェーハと処理槽2の内側面2eとの間に比較的大きな
隙間dが設けられる。これは、前記搬送手段5が具備す
るハンガー部材41、42が挿入されかつ作動するため
である。この隙間dにおいても、上述したウェーハ配列
方向の距離aにおけると同様の問題がある。
【0029】本発明は、上記従来技術の欠点に鑑みてな
されたものであって、その目的とするところは、例えば
洗浄作業に関して、洗浄対象たる基板の全面にわたる有
効な層流を生ぜしめかつ槽内での渦の発生を防止して処
理能力を高めると共に、高い周波数帯域の超音波を併用
し、又、大きな被洗浄物の処理を可能とし、以て処理能
力を飛躍的に向上させた基板処理装置を提供することで
ある。
【0030】
【0031】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、処理用流体を貯留する処理槽と、前記処
理槽内において複数枚の基板をその主たる面が略平行と
なるように所定の隙間を隔てて配列して保持する基板保
持手段とを備えた基板処理装置において、前記処理槽の
上端開口部に対して挿通・離脱可能な筐体と、前記筐体
に設けられて処理用流体を前記基板の主たる面と略平行
に前記処理槽内に流下する流体供給手段と、前記処理槽
の底部側から前記流体を該処理槽外に排出する排出手段
と、前記流体供給手段により流下される流体に超音波を
付与する超音波付与手段とを設け、前記筐体に、前記基
板保持手段上の基板と前記処理槽の内側面又は他の基板
との間に位置して流体の流れを制御する制御壁部を設け
ている。
【0032】加えて、前記基板保持手段は、前記基板を
搭載して前記処理槽に対して搬入、搬出されるカセット
からなり、最端の基板と該カセットの内側面との距離が
前記基板間の隙間よりも大であるときには該最端の基板
とカセットとの間に前記制御壁部が位置するように、
又、該距離が該隙間と略等しいときには前記カセットと
前記処理槽の内側面との間に前記制御壁部が位置するよ
うになしている。
【0033】また、前記基板保持手段に保持されている
基板を該基板の主たる面に沿って動かす基板駆動手段を
前記処理槽の底部近傍に設け、該基板駆動手段による基
板の動きを案内する案内手段を前記筐体に設けている。
【0034】また、前記流体供給手段は、その流下する
流体の流れを基板各々にわたるべく拡散する拡散手段を
具備する。
【0035】また、前記排出手段は、排出する流体の少
なくとも一部を浄化して前記流体供給手段に還流せしめ
る浄化・還流手段を有する。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を添付図面
を参照しつつ説明する。
【0037】図1乃至図4に本発明の第1実施例として
の基板処理装置を示す。但し、当該基板処理装置は以下
に説明する部分以外は前述した従来の基板処理装置と同
様に構成されており、装置全体としての構成の説明は重
複する故に省略し、要部のみの説明に止め、又、動作の
説明(後述)も簡単にする。
【0038】また、以下の説明において、前記従来例の
構成部分と同一又は対応する構成部分については同じ参
照符号を付して示している。
【0039】当該基板処理装置においても、例えば25
枚のシリコンウェーハ3を搭載した基板保持手段として
のカセット4を処理槽2の底部2a上に置いて洗浄が行
われる。
【0040】ここで、カセット4の構成について詳述し
ておく。
【0041】図5及び図6に示すように、このカセット
4は、その左右方向及び前後方向の夫々において対称の
形状にて形成されており、各々長手状にして互いに前後
に平行に伸長して設けられた4本の基板支持部材46
と、これら基板支持部材46の端部間に介装されて該端
部同士を結合させる前後一対の平板状の側部材47とを
有している。当該カセット4を前記搬送手段5のハンガ
ー部材41、42によって保持せしめるための取手4a
は該側部材47に形成されている。
【0042】該基板支持部材46及び側部材47は、P
FA等を素材として一体成形されたものである。
【0043】前記4本の基板支持部材46は夫々同形
状、同寸法に形成されており、図6に示すように、支持
するシリコンウェーハ3の下部外周に沿うように互いに
離間して配置されている。図5に示すように、該基板支
持部材46には、支持すべきシリコンウェーハ3の枚数
分の受け溝46bが長手方向に沿って形成されている。
各シリコンウェーハ3はその外周下部にてこれら受け溝
46bに係合して支持される。
【0044】上記したカセット4はボートカセットと称
され、その高さが例えばシリコンウェーハ3の直径の約
4分の1以下と、小型なものであり、該カセットが搬入
される処理槽2の容量を小さくすることが可能になるな
どの利点から多用される。
【0045】図4から明らかなように、このカセット4
の端部が突出していることなどから、最端のシリコンウ
ェーハ3-1の主たる面と処理槽2の内側面2dとの距離
aがシリコンウェーハ3同士の隙間e(同図に示す)に
比してかなり大きく採られている。
【0046】また、図2及び図3に示すように、シリコ
ンウェーハ3の主たる面と平行な方向において、該シリ
コンウェーハと処理槽2の内側面2eとの間にも比較的
大きな隙間dが設けられる。これは、図1に示した搬送
手段5が具備するハンガー部材41、42が挿入され、
且つ作動するためである。
【0047】前記距離a及び隙間dでは、列をなす各シ
リコンウェーハ3同士の間(前記隙間e)に比して流れ
の流体抵抗が小さく、そのままでは、処理槽2の上方か
ら槽の全面にわたって均等に注水してもこの大きなスペ
ースに向かう偏流が生じて集中的に流れ込み易い。
【0048】また、前記距離a及び隙間dを隔てた処理
槽2の内側面2d、2eとシリコンウェーハ3との間に
おいては、何も対策を施さなければ、該内側面2d、2
eに近づくほど流速が大きくなる傾向がある。よって、
該内側面側とシリコンウェーハ3側との流速の差に基づ
き渦が発生し易く、その結果、この部分の純水がパーテ
ィクルを含んだまま滞留して完全には排出され難くな
る。
【0049】一方、当該基板処理装置で被洗浄物として
扱うシリコンウェーハ3はかなり大径のものとする。従
って、この大きなシリコンウェーハ3を収容して洗浄を
行うための処理槽2は大型であり、その内部に貯留した
純水1による大きな圧力を受けるから、大きな機械的強
度を確保しなければならない。
【0050】他面、前記シリコンウェーハ3を超精密洗
浄することが望まれ、そのために極く高い周波数帯域、
例えば2乃至3MHzの超音波を純水の流れに与えるこ
とを行おうとする。
【0051】上述した種々の問題に対処するため、当該
基板処理装置では下記の構成を採用している。
【0052】すなわち、図1、図2及び図4に示すよう
に、略直方体上に形成された筐体たるボックス51が設
けられている。このボックス51は、前記処理槽2の上
端開口部に対して挿通・離脱可能な大きさとされてい
る。そして、図示しない駆動手段により支持シャフト5
2を介して支持され、該駆動手段によって搬送されて処
理槽2に対して挿通・離脱される。詳しくは、図1にお
いて矢印H3で示すように水平に搬送された後、矢印Z3
で示す如く垂直に下降せしめられて処理槽2内に搬入さ
れる。処理槽2外への搬出、すなわち離脱はこの逆の過
程を辿る。
【0053】前記ボックス51は高純度石英又はテフロ
ン等を素材として形成されている。そして、図2から特
に明らかなように、上板部53、振動板55,パンチン
グ板57と、各々水平な板状部を上から下に3段に配置
した構成とされている。これらの板状部は、相互間を結
合する側壁部59と共に上下2層の内部空間61、62
を形成する。
【0054】図2及び図4に示すように、上側の内部空
間61内であって前記振動板55上に、振動子63が固
着されている。該振動子63は、例えばPZT(pie
zoelectric)素子を含み、発振器64によっ
て所定周波数の電圧を印加され、この周波数の超音波を
発する。詳しくは、図1及び図2に示すように、前記ボ
ックス51の側壁部59にソケット65が装着されてお
り、発振器64からの駆動電圧を印加するためのケーブ
ル66(図2に図示)がこのソケット65を通じて振動
子63の電極部に接続されている。該振動子63と発振
器64とを、超音波付与手段と総称する。
【0055】前記発振器64による駆動周波数はメガソ
ニックと呼ばれる850KHz以上、例えば2乃至3M
Hz程度、本実施例では1MHzに設定される。かかる
高い周波数帯域は、サブミクロンのパーティクルの除去
が可能である点、キャビテーションが発生しないために
被洗浄物へのダメージがない点、波長が短いが故に定在
波の影響がなく斑のない洗浄効果が得られる点等々、超
精密洗浄を可能とすることから実用化を目指して開発が
進められている。
【0056】ボックス51に設けられた前記振動板55
の厚み:t(図4参照)は、前記振動子63による駆動
周波数における1/2波長の整数:n倍に設定されてい
る。これによって、該振動板55は共振し、音響的損失
が小さく(理論的には零)なり前記振動子63からの超
音波エネルギーはほとんど損なわれることなく有効に伝
達される。
【0057】前記1/2(半)波長:λ/2は次のよう
に算出される。
【0058】λ/2=C/2f ここで、 λ:1波長 C:振動板55の材質の振動伝播音速 f:駆動周波数
【0059】振動板55の材質として例えばステンレス
鋼を選定し、又、駆動周波数fを例えば2MHzとし、
前記整数nを1に設定すれば、振動板55の厚み:tは
約2mmとなる。
【0060】前記振動板55の下方に位置するパンチン
グ板57も、該振動板55と同様に共振板厚となされ
る。
【0061】なお、上述した超音波付与手段により超音
波が放射されている間、前記各シリコンウェーハ3を適
宜動かす手段が設けられている。これにより、各シリコ
ンウェーハの全面が超音波に有効に曝される。この手段
については後に詳述する。
【0062】図1及び図2に示すように、前記ボックス
51の前記側壁部59には、下側の内部空間62に連通
する他のソケット69が装着されている。図2から、こ
のソケット69には、純水槽11からの純水を導く給水
パイプ12が接続されている。該給水パイプ12によっ
て形成される給水路には該給水路の開度を調節するため
のバルブ14が設けられ、このバルブ14は供給水量制
御部16により作動制御される。
【0063】なお、図2に示すように、前記ボックス5
1の前記側壁部59には、前記ソケット69の上方に、
前記下側の内部空間62に連通するガス抜き用細孔59
aが形成されている。
【0064】前記ソケット69、純水槽11、給水パイ
プ12、バルブ14及び供給水量制御部16等とを、流
体供給手段と総称する。該流体供給手段によって、処理
用流体たる純水が処理槽2内のシリコンウェーハ3の主
たる面と平行に該処理槽内に流下される。
【0065】前述したパンチング板57もこの流体供給
手段に含まれる。図2及び図4から、該パンチング板5
7は、多数の細孔57aが形成され、流下する純水の流
れを前記シリコンウェーハ3各々にわたるべく拡散する
拡散手段として作用する。該細孔57aは詳しくは、配
列している各シリコンウェーハ3の配列ピッチ間隔の中
心に沿って複数個ずつが1列に並べて形成され、この列
各々において例えば40mm以下の間隔で配置されてい
る。
【0066】前記ソケット69を経て純水槽11(図2
参照)から供給される純水は比較的細い流れで且つ勢い
を有している。故に、これを直に流下させると全てのシ
リコンウェーハ3にわたり均等な流量を与えることはで
きない。そこで、前記パンチング板57により拡散させ
ることで全シリコンウェーハ3に対してほぼ均等な流量
を付与することが可能となる。
【0067】前述した振動子63を含む超音波付与手段
は、上述した流体供給手段により流下される純水に対し
て超音波を付与する。
【0068】一方、図2乃至図4に示すように、前記処
理槽2の下方には排水ボックス20が設けられている。
図2から、該排水ボックス20の下部には排水孔20a
が形成されており、該排水孔20aに連通する排水路2
4には、該排水路24の開度を調節するためのバルブ2
6が設けられている。
【0069】また、排水量を調節すべく該バルブ26を
作動制御する排水量制御部28が設けられている。
【0070】前記バルブ26、排水量制御部28等は、
処理槽2の底部側から純水1を該処理槽外に排出する働
きをなすことから、これらを排出手段と総称する。
【0071】また、図2に示すように、前記バルブ26
を経た排水を導出する排水路75から排水の一部を前記
純水槽11からの供給路77へと導く還流路79が設け
られている。この還流路79には、該還流路79に排水
を取り込み且つ前記供給路77に送り込むためのポンプ
81と、該ポンプ81を経た排水を浄化するフィルター
83とが設けられている。これら還流路79、ポンプ8
1及びフィルター83を、浄化・還流手段と総称する。
該浄化・還流手段は前記排出手段に含まれる。
【0072】図1及び図2並びに図4に示すように、前
記ボックス51には、前記パンチング板57の下方に2
面ずつ、合計4面の制御壁部71及び72が互いに矩形
を呈するように設けられている。制御壁部71は、列を
なす各シリコンウェーハ3のうち最端のものの主たる面
と平行に対向し、他の制御壁部72は、シリコンウェー
ハ4の主たる面に平行な方向において各シリコンウェー
ハ3に対応するようになされている。
【0073】前記制御壁部71及び72は、前述した流
体供給手段により処理槽2の上部側から流下される純水
の流れ(後述する)を制御する制御手段として作用す
る。具体的には、制御壁部71は、図4から、カセット
4上に配列された各シリコンウェーハ3のうち最端のも
の3-1の主たる面と該主たる面に対向する処理槽2の内
側面2dとの間において流れの制御をなす。そして、他
の制御壁部72は、図2から、前記各シリコンウェーハ
3の主たる面と平行な方向において、該シリコンウェー
ハと処理槽2の内側面2eとの間において流れを制御す
る。
【0074】なお、図2から、前記制御壁部72の上部
位置に、ガス抜き用細孔72aが形成されている。
【0075】ところで、当該基板処理装置では、前述し
た超音波付与手段により放射される超音波にシリコンウ
ェーハ3の全面を曝すための構成が付加されている。こ
の構成は、処理槽2内において前記カセット4上に保持
されているシリコンウェーハ3を該シリコンウェーハの
主たる面に沿って動かす基板駆動手段と、該基板駆動手
段によるシリコンウェーハ3の動きを案内する案内手段
がそれである。
【0076】図2に示すように、前記基板駆動手段は処
理槽2の底部近傍に設けられた一対の回転ローラ101
を有している。そして、前記案内手段は、図2に示すよ
うに前記ボックス51に溝歯103として設けられてい
る。
【0077】前記回転ローラ101を含む基板駆動手段
について、図7に基づいて詳述する。
【0078】図示のように、回転ローラ101は、例え
ばステンレス鋼等からなるスピンドル101aと、合成
ゴムなどを素材として形成されて該スピンドル101a
に嵌着された保持部101bとから成る。該保持部10
1bには前記シリコンウェーハ3の外周部が係合する保
持溝101cが並設され、この保持溝101cにて各シ
リコンウェーハ3を保持する。スピンドル101aは処
理槽2に装着された軸受機構103によって回転自在に
支持され、該処理槽2外に突出した駆動端部101dに
図示しないモータにより駆動力を付与することで回転す
る。これにより、その保持したシリコンウェーハ3が回
転する。但し、図2から明らかなように、この回転ロー
ラ101は、前記カセット4が受け台7上に載置される
少し前に各シリコンウェーハ3に係合してこれらを受
け、この後はカセット4のみが下降する。そして、該回
転ローラ101が回転することによって、各シリコンウ
ェーハ4は所定ストロークを以て回転(矢印Rにて示
す)させられる。
【0079】一方、前記回転ローラ101によるシリコ
ンウェーハ3の動きを案内する前記溝歯103は、図8
に示すように構成されている。
【0080】すなわち、、該溝歯103はボックス51
が有する制御壁部72にシリコンウェーハ3が並ぶ方向
において並設され、隣り合うもの同士の間に1枚のシリ
コンウェーハ3を回転自在(矢印Rで示す)に挟み込
み、案内する。
【0081】上述した基板駆動手段101及び溝歯10
3の作用により、前記超音波付与手段から放射される超
音波が各シリコンウェーハ3の全面に至り、高い洗浄効
果が得られる。因みに、前記振動子63から放射される
超音波は均一に分布しない。そのため、本実施例のよう
にシリコンウェーハ3を動かさなければ超音波がシリコ
ンウェーハの比較的狭い部分にしか至らない。
【0082】なお、前記基板駆動手段101からも多少
のパーティクルが発生する恐れがあるが、該基板駆動手
段101は処理槽2内の流れの下流側に配置されている
故に、パーティクルが生じようとも下降層流に乗って直
ちに排出され、洗浄効果には何ら影響を及ぼさない。当
該基板処理装置では、かかる構成を採用したことで前記
超音波付与手段を装備することが意味をなし、該超音波
付与手段をしてその機能を有効に発揮せしめることがで
きる。
【0083】続いて、上記した基板処理装置の動作につ
いて説明する。但し、以下に示す動作は、当該基板処理
装置が備えた制御部が司る。
【0084】洗浄に当たって、まず、図1に示した搬送
手段5により、シリコンウェーハ3を保持したカセット
4を処理槽4内に搬入させ、受け台7上に載置せしめ
る。これにより、該シリコンウェーハ3各々は前述の回
転ローラ101上に載る。この後、該搬送手段5は処理
槽2外に退避する。
【0085】上記の後、図2に示すバルブ14及びバル
ブ26を共に開く。よって、同図及び図1に示すソケッ
ト69よりボックス51の下側の内部空間62内に注水
され、排水ボックス20の排水孔20aを通じて処理槽
2内の純水が排出(図2において矢印Bで示す)され
る。ソケット69を経て注がれる純水はパンチング板5
7により拡散され、図4において矢印Gで示すように全
シリコンウェーハ3にわたるほぼ均等な水流となる。
【0086】ここで、前述の注水が開始されると、処理
槽2内にある程度の量が貯留されている純水1が更に増
え、満ちてくる。この充満につれて、図2に示すガス抜
き用細孔72aから空気が排出され、空気の溜まりであ
るエアーポケットの発生が防止される。勿論、ガス抜き
用細孔72aは、後述するプロセス処理、すなわち洗浄
処理中に発生するガスを抜く役割もなす。
【0087】また、図2において、前記ガス抜き用細孔
72aの上方に形成された他のガス抜き用細孔59a
は、前記ソケット69から給水されたときに純水に混入
している窒素(N2)ガスによるガスポケットの発生を
防止する。
【0088】上記の注水と同時に、図2に示す発振器6
4が駆動され、振動子63が励振される。該振動子63
が発する超音波振動は上記の如く各シリコンウェーハに
向けて流下する純水に付与される。
【0089】前記のように超音波が乗せられた均等な水
流が供給されると、流体抵抗の小さな方、つまり処理槽
2の内側面2d(図4に図示)、2e(図2及び図3に
図示)側へと流れ込もうとするが、ボックス51に形成
された前記制御壁部71、72によってこの偏流が抑止
される。よって、図4及び図2に示すように前記水流G
はそのまま維持されて各シリコンウェーハ3間に流入す
る。このため、各シリコンウェーハ3間に充分な流量が
供給されてシリコンウェーハ3の全面にわたる有効な層
流が生じ、良好な洗浄効果が得られる。
【0090】また、前記制御壁部71及び72により、
処理槽2の前記内側面2d、2eとシリコンウェーハ3
との間においても整流がなされ、それ故に渦が発生し難
く、パーティクルを含んだ純水は滞留することなく処理
槽2の底部2a(パンチング板)を経て直ちに排出され
る。
【0091】ここで、図4において、ボックス51に形
成された前記制御壁部71、72が各シリコンウェーハ
3を覆う寸法:bは、該シリコンウェーハ3の半径の約
1/10以上とすることが必要である。この寸法:bの
値を判定した経緯を説明する。
【0092】すなわち、単にシリコンウェーハ3の洗浄
効果のみに着目するならば、流れを整える前記制御壁部
71、72をかなり大きいものにしてシリコンウェーハ
3の下端近傍まで延在させることをまず考えるのが常套
である。しかし、このように大きな制御壁部を設けるこ
とはボックス51が大きくなり過ぎるなど、不便であ
る。
【0093】そこで、制御壁部の幅(高さ方向の寸法)
を、機能を損なうことなく小さくできないものかと考
え、幅の異なる制御壁部を複数枚製作し、洗浄効果を確
かめるべく実験を行った。しかして、幅をかなり小さく
しても比較的良好な結果が得られた。前記の寸法:bは
この実験及び流体シミュレーションの結果に基づく。
【0094】各シリコンウェーハ3が並ぶ方向において
流れを制御する前記制御壁部71について更に詳述す
る。
【0095】図4に示すように、この制御壁部71は、
列をなす各シリコンウェーハ3のうち最端のもの3-1
の隙間e1が各シリコンウェーハ3同士の隙間eと略等
しく設定されている。これによれば、該最端のシリコン
ウェーハ3-1に関して、該制御壁部71があたかも更に
もう1枚のシリコンウェーハを配置した如く作用し、最
端のシリコンウェーハについても洗浄効果が有効に発揮
される。
【0096】この場合、特に下記の構成が採られること
が好ましい。
【0097】つまり、制御壁部71について、最端のシ
リコンウェーハ3-1との対向面の粗度を、該シリコンウ
ェーハの表面の粗度と略等しく設定することである。こ
のようにすれば、最端のシリコンウェーハ3-1に対して
隣接するシリコンウェーハとしての制御壁部71の作用
が確実となる。
【0098】これまでの説明から明らかなように、当該
基板処理装置においては、処理槽2の上部側から純水を
流下することとし、又、処理槽2内で配列した各シリコ
ンウェーハ3と処理槽2の内側面2d、2eとの間に位
置してこの流下される純水の流れを制御する制御壁部7
1、72が設けられている。
【0099】かかる構成においては、処理槽2の内側面
2d、2eに向かおうとする偏流がこの制御壁部71、
72によって抑止され、又、カセット4は下流にあって
純水の流れを乱さない。従って、各シリコンウェーハ3
間に充分な流量が供給されてシリコンウェーハの全面に
わたる有効な層流が生じ、又、該制御壁部71、72に
より処理槽2の内側面2d、2eとシリコンウェーハ3
との間においても整流がなされる故に渦が発生し難く、
パーティクルを含んだ純水は滞留することなく直ちに排
出される。よって、処理能力が向上している。
【0100】しかも、従来の装置と同等の成果を得るの
であれば、投入する純水の量は大幅に削減されるから、
運用コストが安く済む。
【0101】また、前記制御壁部71、72の作用に基
づく層流の流れの方向と一致した下向きに超音波を発す
るから、該層流に均一性(純水の供給範囲全域にわたっ
て流速が等しい)及び直進性を与えると共に加速させ
る。故に、処理能力が更に高まる。
【0102】因みに、前記シリコンウェーハ3が直径が
8インチのものである場合、シリコンウェーハ間の隙
間:e(図4など参照)は6.35mmに設定される。
本実施例の装置を製作して実験を行った結果、シリコン
ウェーハ間に生ずる前記層流は各シリコンウェーハ間で
例えば約50(mm/sec)にて一定、均一であっ
た。但し、この流速は、給水量に応じた値となる。
【0103】一般に(拡散)前処理と呼ばれるプロセス
では、極薄(Å単位)の酸化膜厚のコントロールが必要
である。この膜厚についてシリコンウェーハ全面にわた
る均一化を図るためには、温度、濃度、清浄度のコント
ロールが不可欠であり、それに加え、シリコンウェーハ
間の狭い空間に均一な流速を生じさせることが重要であ
る。
【0104】上記に対し、図14以降に示した従来のオ
ーバーフロー方式の基板処理装置では、各シリコンウェ
ーハ間で、流速は例えば約30(mm/sec)からか
なり高い数値までバラつきが生じる。その他、説明はし
ないが、APMによる洗浄工程で多用される液中噴流方
式の装置では例えば約150(mm/sec)以上にて
大きなばらつきを生じることが判明している。
【0105】前記効果に加えて、当該基板処理装置にお
いては、槽、つまり処理槽2及び排水ボックス20には
前記振動子63からの超音波が伝達されないから、該処
理槽2及び排水ボックス20の板厚は共振長に設定する
必要はなく大きく採ることができる。よって、例えば2
乃至3MHz程度とかなり高い周波数帯域の駆動周波数
を利用することが可能となり、又、槽の容量も板厚と共
に自由に設定し得るから被洗浄物として大径のシリコン
ウェーハなどを難なく処理することができる。
【0106】ところで、図2から、当該基板処理装置で
は、ポンプ81等からなって排水の一部を浄化し、かつ
前記流体供給手段(の供給路77)に還流せしめる浄化
・還流手段が設けられている。これにより、該流体供給
手段による供給量にこの循環量も加わり、かかる循環を
行わない場合に比して、シリコンウェーハ間の隙間:e
に更に早い均一層流を発生させることができる。
【0107】
【実施例】次に、上述した第1実施例の基板処理装置と
同等の洗浄効果を達成した他の実施例について説明す
る。
【0108】まず、第2実施例としての基板処理装置
を、図9に基づいて説明する。但し、この第2実施例の
基板処理装置は、以下に説明する部分以外は前述した第
1実施例と同様に構成されており、装置全体としての構
成及び動作の説明は重複する故に省略し、要部のみを説
明する。
【0109】また、以下の説明において、第1実施例の
構成部分と同一又は対応する構成部分については同じ参
照符号を付して示している。これらのことは後述する第
3実施例以降の説明に関しても同様とする。
【0110】前記第1実施例では、基板保持手段として
ボートカセットと称される高さの低いカセット4が用い
られているが、当該基板処理装置ではいわゆるフルカセ
ットである高さの高いカセット91が使用される。この
カセット91も、例えば25枚のシリコンウェーハ3を
その主たる面が平行となるように所定の隙間を隔てて配
列して保持する。
【0111】該カセット91にはその上端部に張出部9
1aが形成されており、前記搬送手段5はその具備する
ハンガー部材41、42の下端に形成されたフック41
a、42aによって該張出部91aを吊るようにして保
持する。
【0112】当該基板処理装置においては、図2などに
示したボックス51の制御壁部71は下記のように設定
される。
【0113】なお、前記第1実施例においてこの制御壁
部71と共にボックス51に設けられた他の制御壁部7
2に関しては、本実施例では前記カセット91がこの制
御壁部72に代わる側壁部91bを有していることから
必要とせず、設けられていないものとする。但し、本実
施例における該制御壁部71と同様の態様にて設けても
よい。
【0114】本実施例において、前記制御壁部71の配
置位置は、配列された各シリコンウェーハ3のうち最端
のものとカセット91及び処理槽2の内側面との距離に
関連して下記のように選択される。
【0115】まず、本実施例に関しては、図10に示す
ように、最端のシリコンウェーハ3-1の主たる面とカセ
ット91の内側面91cとの距離j1が各シリコンウェ
ーハ3同士の隙間eと略等しくなされているものとす
る。この場合、最端のシリコンウェーハ3-1とカセット
91の内側面91cとの間では有効な層流が得られると
考えられる。
【0116】前記制御壁部71は、同図に示すようにカ
セット91と処理槽2の内側面2dとの間に生じている
大きな隙間に配置される。これにより、制御壁部71は
この隙間で有効に流れの制御作用をなす。
【0117】これに対し、図11に示す場合が考えられ
る。つまり、最端のシリコンウェーハ3-1とカセット9
1の内側面91cとの距離j2が各シリコンウェーハ3
間の隙間eに比してかなり大きい場合である。この場
合、制御壁部71は、該最端のシリコンウェーハ3-1
カセット91の内側面91cとの間に配置される。これ
によって、該最端のシリコンウェーハ3-1の外側面に関
する洗浄効果が得られ、これと反対側の大きな隙間にお
ける流れの制御効果も奏される。
【0118】上述した第2実施例ではフルカセットが用
いられているが、高さがフルカセットの約半分のハーフ
カセットも多用され、その場合でも上記と同様にして制
御壁部71の位置を選択することが有効である。
【0119】続いて、第3実施例としての基板処理装置
を、図12を参照して説明する。
【0120】この基板処理装置では、基板保持手段とし
ての載置台97が処理槽2底部に固定状態にて設けられ
ている。この載置台97は、例えば25枚のシリコンウ
ェーハ3をその主たる面が互いに平行となるように所定
の隙間(e:前記各実施例と同様)隔てて配列して保持
する。詳しくは、該載置台97の上面側に所要の条数の
受け溝(図示せず)が並設されており、各々のシリコン
ウェーハ3はその下端部がこれら受け溝に係合すること
で保持される。各シリコンウェーハ3は、該載置台97
上に載置された状態で純水1に完全に浸漬する。
【0121】一方、搬送手段5については、各ハンガー
部材41、42の下端部間に基板挟持部材45が2本ず
つ平行に取り付けられている。これらの基板挟持部材4
5は、シリコンウェーハ3をその主たる面に平行な方向
で挟持するもので、各シリコンウェーハ3の外周部が係
合する保持溝45aが等ピッチにて並設されている。
【0122】当該基板処理装置はいわゆるカセットレス
タイプにて、前記搬送手段5は前段の工程から各シリコ
ンウェーハ3のみ(カセットに収容されていない)を受
け取り、搬送して処理槽2内の前記載置台97上に載置
する。そして、洗浄処理を終えたら、該シリコンウェー
ハ3を保持して後段の工程に向けて搬出する。
【0123】該洗浄処理で、各シリコンウェーハ3の配
列方向及び該シリコンウェーハの主たる面と平行な方向
の両方向において、前記各実施例と同様に処理槽2の内
側面とシリコンウェーハとの間で比較的大きな隙間が採
られる。よって、前述の第1実施例におけると同じく制
御壁部71、72を有するボックス51によって流れの
制御を行う。
【0124】なお、前述した各実施例においては、例え
ば25枚のシリコンウェーハを1ロットとして洗浄に供
しているが、例えば図13に示すように2ロット、つま
り50枚(これ以上の枚数を扱うことも可)のシリコン
ウェーハ3を一度に洗浄させる場合が考えられる。
【0125】この場合、該洗浄工程の前段及び後段の工
程における取り扱い上の観点から、カセット95上で1
ロットずつに分けて配置することが考えられる。このと
き、各ロット間で隙間nが設けられる。よって、制御壁
部71は、各ロット間の片側のシリコンウェーハ3-1
処理槽2の内側面2dとの間だけでなく、各ロットの対
向側の最端のシリコンウェーハ3-1同士の間にも設ける
必要がある。
【0126】ところで、前記各実施例では、使用する処
理用流体を純水としているが、処理対象の材質等、又、
除去しようとするパーティクルの種類などに応じて所要
の薬液等を使用する。例えばDHF、BHF、APM等
である。
【0127】また、前記実施例では、処理対象としてシ
リコンウェーハを扱っているが、本発明はガラス基板な
ど他の基板の処理にも適用可能である。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる基
板処理装置においては、処理槽の上部側から処理用流体
を流下することとし、又、配列した基板と処理槽の内側
面又は他の基板との間に位置してこの流下される処理用
流体の流れを制御する制御手段を設けている。
【0129】かかる構成においては、処理槽の内側面等
に向かおうとする偏流がこの制御手段によって抑止さ
れ、又、カセット等からなる基板保持手段は下流にあっ
て流体の流れを乱さない。従って、各基板間に充分な流
量が供給されて基板の全面にわたる有効な層流が生じ、
又、該制御手段により処理槽の内側面と基板との間にお
いても整流がなされる故に渦が生じ難く、パーティクル
を含んだ流体は滞留することなく直ちに排出される。よ
って、処理能力が向上している。
【0130】しかも、従来の装置と同等の成果を得るの
であれば、投入する処理用流体の量は大幅に削減される
から、運用コストが安く済む。
【0131】また、本発明によれば、前記制御手段の作
用に基づく層流の流れの方向と一致した下向きに超音波
を発するから、該層流に均一性(流体の供給範囲全域に
わたって流速が等しい)及び直進性を与えると共に加速
させる。故に、処理能力が更に高まる。
【0132】加えて、本発明では、槽には前記超音波が
伝達されないから、槽の板厚は共振長に設定する必要は
なく大きく採ることができる。よって、例えば2乃至3
MHz程度とかなり高い周波数帯域の駆動周波数を利用
することが可能となり、又、槽の容量も板厚と共に自由
に設定し得るから被処理物として大径のシリコンウェー
ハなどを難なく処理することができる。
【0133】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例としての基板処理
装置の要部を示す一部断面を含む斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した基板処理装置について、
一部をブロック化して示す縦断面図である。
【図3】図3は、図1に示した基板処理装置の要部を示
す縦断面図である。
【図4】図4は、図1に示した基板処理装置においてシ
リコンウェーハの洗浄処理を行っている状況を示す要部
の縦断面図である。
【図5】図5は、図1に示した基板処理装置で使用され
るカセットとその周辺の部材を示す一部断面を含む正面
図である。
【図6】図6は、図5に示したカセットの一部断面を示
す側面図である。
【図7】図7は、図1に示した基板処理装置が具備する
基板駆動手段を示す図である。
【図8】図8は、図1に示した基板処理装置の要部の一
部断面を含む斜視図である。
【図9】図9は、本発明の第2実施例としての基板処理
装置の要部を示す一部断面を含む斜視図である。
【図10】図10は、図9に示した基板処理装置におい
てシリコンウェーハの洗浄処理を行っている状況を示す
要部の縦断面図である。
【図11】図11は、図10に示した構成とは異なる例
を示す縦断面図である。
【図12】図12は、本発明の第3実施例としての基板
処理装置の要部を示す一部断面を含む斜視図である。
【図13】図13は、本発明にかかる基板処理装置の変
形例を示す縦断面図である。
【図14】図14は、従来の基板処理装置の要部を示す
一部断面を含む斜視図である。
【図15】図15は、図14に示した基板処理装置につ
いて、一部をブロック化して示す縦断面図である。
【図16】図16は、図14に示した基板処理装置にお
いてシリコンウェーハの洗浄処理を行っている状況を示
す要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 純水(処理用流体) 2 処理槽 2a (処理槽2の底部:パンチング板) 2d、2e (処理槽2の内側面) 3 シリコンウェーハ(基板) 4 (ボート)カセット(基板保持手段) 5 搬送手段 7 受け台 11 純水槽 14、26 バルブ 16 供給水量制御部 20 排水ボックス 24 排水路 28 排水量制御部 41、42 (搬送手段5が具備する)ハンガー
部材 51 ボックス(筐体) 53 (ボックス51の)上板部 55 振動板 57 パンチング板 63 振動子 64 発振器 71、72 (ボックス51に設けられた)制御
壁部(制御手段) 75 排水路 77 供給路 79 還流路 81 ポンプ 83 フィルター 91 (フル)カセット 97 載置台 101 回転ローラ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理用流体を貯留する処理槽と、 前記処理槽内において複数枚の基板をその主たる面が略
    平行となるように所定の隙間を隔てて配列して保持する
    基板保持手段とを備えた基板処理装置であって、 前記処理槽の上端開口部に対して挿通・離脱可能な筐体
    と、 前記筐体に設けられて処理用流体を前記基板の主たる面
    と略平行に前記処理槽内に流下する流体供給手段と、 前記処理槽の底部側から前記流体を該処理槽外に排出す
    る排出手段と、 前記流体供給手段により流下される流体に超音波を付与
    する超音波付与手段とを有し、 前記筐体に、前記基板保持手段上の基板と前記処理槽の
    内側面又は他の基板との間に位置して流体の流れを制御
    する制御壁部が設けられていることを特徴とする基板処
    理装置。
  2. 【請求項2】 前記基板保持手段は、前記基板を搭載し
    て前記処理槽に対して搬入、搬出されるカセットからな
    り、最端の基板と該カセットの内側面との距離が前記基
    板間の隙間よりも大であるときには該最端の基板とカセ
    ットとの間に前記制御壁部が位置するように、又、該距
    離が該隙間と略等しいときには前記カセットと前記処理
    槽の内側面との間に前記制御壁部が位置するようになさ
    れていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記基板保持手段に保持されている基板
    を該基板の主たる面に沿って動かす基板駆動手段が前記
    処理槽の底部近傍に設けられ、該基板駆動手段による基
    板の動きを案内する案内手段が前記筐体に設けられてい
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の基板処
    理装置。
  4. 【請求項4】 前記流体供給手段は、その流下する流体
    の流れを基板各々にわたるべく拡散する拡散手段を具備
    することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいず
    れか1記載の基板処理装置。
  5. 【請求項5】 前記排出手段は、排出する流体の少なく
    とも一部を浄化して前記流体供給手段に還流せしめる浄
    化・還流手段を有することを特徴とする請求項1乃至請
    求項4のうちいずれか1記載の基板処理装置。
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