JP3474714B2 - 相変化光記録媒体 - Google Patents

相変化光記録媒体

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はレーザー光を照射し
て情報の記録・再生を行う相変化光記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】光記録媒体は、大容量性、高速アクセス
性、媒体可搬性を兼ね備えた大容量記憶メディアとし
て、昨今のパーソナルコンピューターの隆盛を支えてい
る。なかでも相変化光記録媒体は動作原理が単純なこと
から実用化が急速に進んでいる。相変化光記録媒体の原
理は以下のようなものである。すなわち記録時には、相
変化光記録層に比較的高出力で短パルスのレーザービー
ムを照射して記録部位を融点以上に加熱した後、急冷し
て非晶質の記録マークを形成する。再生時には、記録部
位の反射率変化を検出することにより記録情報を読み取
る。消去時には、相変化記録層に記録時よりも低出力で
長パルスのレーザービームを照射した後、徐冷して結晶
化温度以上融点未満に保持することにより結晶化する。 【0003】以上のように相変化光記録媒体では、非晶
質−結晶質の反射率変化を読み取るため、光学系の構造
が簡単である。また、光磁気記録媒体のように磁界を必
要とせず、光強度変調による重ね書き(オーバーライ
ト)が容易で、データ転送速度が速いという特徴も持っ
ている。さらに、CD−ROMをはじめとする再生専用
媒体との互換性にも優れている。 【0004】相変化光記録媒体の記録密度を向上させる
ためには、記録マーク間隔を短くする、記録マークを小
さくする、などが考えられる。このうち、記録マーク間
隔を短くするためには、ランド/グルーブ記録(L/D
記録)やマーク長記録などが提案されている。L/G記
録は、グルーブの深さをレーザー波長の1/6程度に設
定してクロストークを低減することによりランドおよび
グルーブへの記録を可能にするもので、従来のランドま
たはグルーブのみに記録する方式に比較して約2倍の高
密度化が期待できる。マーク長記録は、記録マークエッ
ジ部の反射率変化(反射率の微分成分)を検出するもの
で、従来のマークポジション記録に比べて約1.5倍の
高密度化が期待できる。このような高密度化記録技術に
加えて、ROM媒体などに対して提案されている超解像
技術を用いれば、現状で650Mbpsi(bit/i
nch2 )の記録密度を10〜20倍向上させることが
可能であると予想されている。 【0005】マーク長記録により記録密度の向上を達成
するためには、マークエッジ位置を正確に決定する必要
がある。しかし、基板上に下部保護層、相変化光記録
層、上部保護層、全反射層を積層した4層構造の従来の
相変化光記録媒体ではマークエッジ位置の変動が大き
く、ジッターの増加を招くため、期待されるほど線記録
密度を向上させることができない。 【0006】従来の相変化光記録媒体においてマークエ
ッジが変動する原因の一つは、非晶質部の光吸収率(A
a)の方が結晶部の光吸収率(Ac)よりも高いことに
よるものである。すなわち、Aa>Acという条件での
オーバーライトを考えると、結晶部は光吸収率が小さい
ため温度上昇が少ないうえに溶融潜熱を要することか
ら、非晶質部と比較して溶融しにくい。このため、オー
バーライトする領域が結晶状態および非晶質状態のうち
どちらであるかによって、新たに形成される記録マーク
のサイズが異なってしまう。 【0007】以上のようなオーバーライト記録時のマー
クエッジ部の乱れを抑制するためには、結晶部の溶融潜
熱も考慮して、Aa≦Ac、すなわちAc/Aa≧1と
いう条件を満たすことが好ましい。Ac/Aa≧1の条
件を実現するためには、上述した下部保護層、相変化光
記録層、上部保護層、全反射層という4層構造に代え
て、相変化光記録媒体の積層構造を改良することが提案
されている。例えば、上部保護層上に全反射層の代わり
に半透明反射層を設けた積層構造が知られている(IS
OM/ODS−joint internationa
l conference proceeding,
p.71(Th.3.5))。この積層構造は、半透明
反射層で一部の光を透過させることにより、実効的にA
c/Aa≧1の条件を実現するものである。また、基板
と下部保護層との間に半透明反射層を挿入した積層構造
が知られている(USP5,431,978)。この積
層構造では、光の干渉作用を利用して実効的にAc/A
a≧1の条件を実現している。 【0008】しかし、このようにマーク長記録方式に対
応させた相変化光記録媒体では、半透明反射層を設けた
ことによる放熱特性の低下に起因して、相変化光記録層
の熱負荷の増大により繰り返し記録回数が低下するとい
う問題が生じる。しかも、光照射時の熱応答時間が比較
的長くため、L/G記録を採用すると、隣接トラックの
記録マーク端部を消去(クロスイレーズ)しやすいとい
う問題が生じる。 【0009】また、初期結晶化後の結晶組織と2回目以
降の消去後の結晶組織とが異なることによる問題も指摘
されている。特に、2回目以降の消去を経た後にオーバ
ーライトすると、記録マーク周辺には溶融後に結晶化し
たものと思われる粗大結晶組織が存在する。このため、
結晶組織の不均一性に伴うジッターの増加が問題とな
る。しかも、初期化直後と比較して、2回目以降の消去
後のオーバーライト記録時のC/Nは極端に低下するた
め、繰り返し記録回数が制限される原因となっている。 【0010】このような2回目以降の消去後の結晶組織
を調整するために、下部保護層と相変化光記録層との界
面に凹凸を形成した相変化光記録媒体が知られている
(特開平6−180861号)。この相変化光記録媒体
では、下部保護層に凹凸を設けることにより相変化光記
録層との界面の面積を広くし結晶核の生成を容易にな
り、多数回の記録・消去を行なっても結晶部の結晶粒子
サイズを安定させることができる。 【0011】しかし、この相変化光記録媒体を製造する
には、保護層をスパッタリングにより形成した後、マス
クを設けてドライエッチングすることにより凹凸を形成
する必要があり、製造工程が複雑になるという問題があ
った。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、記録
マークエッジ部の乱れが少なく、マークエッジ記録に適
した高密度記録が可能な相変化光記録媒体を提供するこ
とにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明の相変化光記録媒
体は、光照射により結晶状態と非晶質状態の2つの状態
間を遷移する相変化光記録層を具備した相変化光記録媒
体において、相変化光記録層に隣接して、5〜100n
mの粒子サイズを有する金属粒子を誘電体中に2〜20
%の体積分率で分散させた混合膜からなり、相変化光記
録層の結晶粒子サイズを制御する作用を有するシード層
を設けたことを特徴とするものである。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の相変化光記録媒体を構成する相変化光記
録層には、光照射によって結晶状態と非晶質状態間を可
逆的に遷移し、両状態間で光学的特性が異なる材料が用
いられる。具体的には、GeSbTe、InSbTe、
SnSeTe、GeTeSn、InSeTlCoなどが
挙げられる。相変化光記録層の結晶粒子の面積は最小記
録マーク面積の1/20以下に維持されることが好まし
い。このため、相変化光記録層の結晶粒子サイズは5〜
100nm、さらに5〜50nmに維持されることが好
ましい。 【0015】本発明の相変化光記録媒体において、相変
化光記録層に隣接して相変化光記録層の結晶粒子サイズ
を制御する作用を有するシード層を設ける。シード層
は、相変化光記録層のいずれか一方の面に隣接して設け
てもよいし、両面に隣接して設けてもよい。このシード
層は、金属粒子を誘電体中に分散させた混合膜からなっ
ている。シード層は記録層材料より高い融点を持ち、レ
ーザー光の照射により溶融および再結晶化しないことが
要求される。相変化光記録層の結晶粒子サイズを上記の
範囲に制御するためには、シード層中の金属粒子の粒子
サイズも5〜100nm、さらに5〜50nmであるこ
とが好ましい。 【0016】また、相変化光記録層は記録時に急熱急
冷、消去時に徐熱徐冷されるので、シード層は熱伝導の
制御性に優れていることが好ましい。さらに、相変化光
記録層の非晶質部と結晶部の光吸収率の比がAc/Aa
≧1という条件を満たすように、シード層は光学定数の
制御性にも優れていることが好ましい。 【0017】これらの観点から、シード層を構成する金
属粒子および誘電体に好適な材料としては以下のような
ものが挙げられる。金属粒子としては、比較的融点が高
い金属または合金が好ましい。具体的には、Fe、C
o、Cr、Ti、Cu、Au、Pt、Pd、Ag、N
i、V、Mo、W、Taからなる群より選択される1種
以上が用いられる。誘電体としては、酸化物系セラミッ
クス例えばSiO2 、SiO、ZnO、Al23 、C
eO、Ta25 、V25 、CaO;窒化物系セラミ
ックス例えばAlN、Si34 、BN、TiN、V
N、NbN、TaN、HfN、ZrN;炭化物系セラミ
ックス例えばTiC、ZrC、HfC、VC、TaC、
NbC、WC、B4 C、SiC;その他ZnS、SIA
LON(サイアロン)からなる群より選択される1種以
上が用いられる。 【0018】金属粒子は熱伝導率を高くし、誘電体は熱
伝導率を低くするので、両者の比率を調整することによ
りシード層の熱伝導率を調整でき、同時に光学定数も調
整できる。所望の熱伝導率および光学定数を得るために
は、シード層中の金属粒子の体積分率は2〜20%であ
ることが好ましい。 【0019】本発明におけるシード層を形成するには以
下のような方法が用いられる。例えば、金属ターゲット
および誘電体ターゲットを同時または交互にスパッタす
る方法;複数の金属材料からなるターゲットを用い、酸
素、窒素または炭素を含有する不活性ガス(Ar、N
e、Krなど)雰囲気中において、同時または交互にス
パッタする方法などを用いることができる。いずれの方
法でも、別個のターゲットを用いてもよいし、複合ター
ゲットを用いてもよい。これらの方法において、投入電
力、到達圧力、スパッタ圧力、反応性ガス種、基板バイ
アス、基板温度、添加物などのプロセスパラメーターを
選択・制御することにより、シード層中の金属粒子の粒
子サイズおよび体積分率ならびにシード層の熱伝導率お
よび光学定数を制御できる。 【0020】本発明の相変化光記録媒体は、基板上に上
述した相変化光記録層およびシード層を含む種々の層を
積層した構造を有する。具体的には、以下のような積層
構造が挙げられる。 【0021】例えば、基板上に、シード層、相変化光記
録層、上部保護層、反射層を形成した積層構造を採用す
ることができる。この場合、シード層の膜厚は10〜2
0nmとすることが好ましい。なお、基板とシード層と
の間または上部保護層と反射層との間に熱伝導率または
光吸収率を調整するための層を挿入してもよい。 【0022】基板上に、下部保護層、相変化光記録層、
シード層、反射層を形成した積層構造としてもよい。こ
の場合、シード層の膜厚は50〜250nmとすること
が好ましい。なお、シード層の反射率を上げて、反射層
を省略してもよい。また、基板と下部保護層との間また
はシード層と反射層との間に熱伝導率または光吸収率を
調整するための層を挿入してもよい。 【0023】基板上に、第1シード護層、相変化光記録
層、第2シード層、反射層を形成した積層構造としても
よい。この場合、第1シード層の膜厚は20〜200n
m、第2シード層の膜厚は50〜200nmとすること
が好ましい。なお、第2シード層の反射率を上げて、反
射層を省略してもよい。また、基板と第1シード層との
間または第2シード層と反射層との間に熱伝導率または
光吸収率を調整するための層を挿入してもよい。 【0024】基板の材料としては、ポリカーボネート
(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)など
を用いることができる。基板の表面にはトラッキングガ
イド用のグルーブが設けられる。 【0025】保護層の材料としては、酸化物、窒化物、
炭化物、ホウ化物、硫化物もしくはフッ化物またはこれ
らの混合物からなる誘電体を用いることができる。反射
層は、半透明反射層でも全反射層でもよい。半透明反射
層としては、Al、AuもしくはCuまたはこれらを含
有する合金を用い、光透過性を示すように薄い膜厚に形
成したものが挙げられる。また、Siなど厚膜でも光透
過性のある材料を用いることもできる。全反射層として
は、Al、Au、Ti、Cr、MoもしくはCuまたは
これらを含有する合金を用い、光透過性を示さないよう
に厚い膜厚に形成したものが挙げられる。 【0026】本発明の相変化光記録媒体では、基板のそ
りを防止して記録再生動作を安定させるために、最上層
の上に上記基板と同様な材質からなる対向基板を接着し
てもよい。接着層には例えば紫外線硬化樹脂を用いるこ
とができる。 【0027】 【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 図1に本実施例における相変化光記録媒体の断面図を示
す。ポリカーボネート基板11上に、AuをZnS−S
iO2 中に分散させた混合膜からなるシード層12、G
eSbTeからなる相変化光記録層13、ZnS−Si
2 からなる保護層14、Auからなる反射層15が順
次形成されている。 【0028】この相変化光記録媒体は以下のようにして
作製された。グルーブ付きポリカーボネート基板11を
多元スパッタ装置内の基板ホルダーに装着し、装置内を
真空排気した後、Arガスを導入した。基板ホルダーを
自公転させながらスパッタリングを行い、各層を順次形
成した。まず、ZnS−SiO2 ターゲットとAuター
ゲットにそれぞれRF電力とDC電力を投入して2元同
時スパッタリングを行い、基板11上に膜厚50〜20
0nmのシード層12を形成した。このとき、両ターゲ
ットへの投入電力や膜厚を調整することにより、シード
層12の金属/誘電体の混合比を変化させ、光学定数、
熱伝導率、金属粒子の粒径、粒子間隔を制御した。な
お、粒径や粒子間隔は、基板へのバイアスパワー調整
や、基板温度調整などで制御することもできる。次に、
GeSbTeターゲットにRF電力を投入してスパッタ
リングを行い、シード層12上に膜厚10nmの相変化
光記録層13を形成した。ZnS−SiO2 ターゲット
にRF電力を投入してスパッタリングを行い、相変化光
記録層13上に膜厚200nmの保護層14を形成し
た。最後に、AuターゲットにDC電力を投入してスパ
ッタリングを行い、保護層14上に膜厚50nmの反射
層15を形成した。 【0029】上記の方法で、種々の粒子サイズ、粒子間
隔、光学特性、熱伝導率を持つシード層12を形成し、
相変化光記録媒体を作製した。得られた相変化光記録媒
体について下記に示す条件で記録/再生特性を評価し
た。また、評価が終了した媒体に対しては、シード層と
相変化光記録層の構造を調べるために、サンプル加工を
施した後、TEM観察を実施した。 【0030】記録/再生条件 光源波長:685nm 対物レンズNA:0.6 トラックピッチ:0.7μm 最短マーク長:0.4μm 線速度:6m/s 変調符号:8/16変調 ウィンドウ幅:36ns 上記の条件では最小マークの面積は0.19μm2 とな
る。 【0031】図2に、TEM観察によるシード層の粒子
サイズと初期結晶化後の相変化光記録層の結晶粒子サイ
ズとの関係を示す。相変化光記録層の結晶粒子サイズ
は、シード層の粒子サイズよりやや大きな値を示してい
るが、両者はよく比例しており、相変化光記録層の結晶
粒子サイズがシード層の粒子サイズに依存していること
が明らかになった。 【0032】図3に、相変化光記録層の結晶粒子サイズ
とジッターとの関係を示す。ここで表示しているジッタ
ーは、ウィンドウ幅に対するエッジ位置におけるジッタ
ーの比率として定義している。図3から明らかなよう
に、相変化光記録層の結晶粒子サイズが100nm以下
ではジッターは15%以下となり、特に50nm以下
(最小マークに対する面積比率約2%以下)では3%前
後の非常に良好な特性を示している。 【0033】比較のために、ポリカーボネート基板上
に、膜厚100nmのZnS−SiO2 、膜厚15nm
のGeSbTe、膜厚200nmのZnS−SiO2
膜厚50nmのAuを形成して従来の相変化光記録媒体
を作製した。この相変化光記録媒体を上記と同一の条件
で評価したところ、ジッターは平均して10%であっ
た。 【0034】以上のように、本発明における相変化光記
録媒体において、シード層は相変化光記録層の結晶粒子
サイズの制御に非常に有効であり、その結果として非常
に良好なジッター特性を得ることができる。 【0035】実施例2 図4に本実施例における相変化光記録媒体の断面図を示
す。ポリカーボネート基板21上に、ZnS−SIAL
ONからなる保護層22、InSbTeからなる相変化
光記録層23、AlをZnS−SiO2 中に分散させた
混合膜からなるシード層24、AlMoからなる反射層
25が順次形成されている。 【0036】この相変化光記録媒体は、実施例1と同様
の操作で作製された。グルーブ付きポリカーボネート基
板21を多元スパッタ装置内の基板ホルダーに装着し、
装置内を真空排気した後、Arガスを導入した。基板ホ
ルダーを自公転させながらスパッタリングを行い、各層
を順次形成した。まず、ZnS−SIALONターゲッ
トにRF電力を投入してスパッタリングを行い、基板2
1上に膜厚220nmの保護層22を形成した。次に、
InSbTeターゲットにRF電力を投入してスパッタ
リングを行い、保護層22上に膜厚15nmの相変化光
記録層23を形成した。ZnS−SiO2 ターゲットと
AlターゲットにそれぞれRF電力とDC電力を投入し
て2元同時スパッタリングを行い、相変化光記録層13
上に膜厚50〜200nmのシード層24を形成した。
このとき、両ターゲットへの投入電力や膜厚を調整する
ことにより、シード層24の金属/誘電体の混合比を変
化させ、光学定数、熱伝導率、金属粒子の粒径、粒子間
隔を制御した。なお、粒径や粒子間隔は、基板へのバイ
アスパワー調整や、基板温度調整などで制御することも
できる。最後に、AlMoターゲットにDC電力を投入
してスパッタリングを行い、シード層24上に膜厚70
nmの反射層25を形成した。 【0037】得られた相変化光記録媒体について実施例
1と同一の条件で記録/再生評価およびTEM観察を行
った。図5に、相変化光記録層の結晶粒子サイズとジッ
ターとの関係を示す。図5から明らかなように、相変化
光記録層の結晶粒子サイズが100nm以下ではジッタ
ーは12%以下となり、特に50nm以下(最小マーク
に対する面積比率約2%以下)では3%前後の非常に良
好な特性を示している。 【0038】以上のように、本発明における相変化光記
録媒体において、シード層を相変化光記録層に対して反
射層の側に設けた場合でも非常に良好なジッター特性を
得ることができる。 【0039】実施例3 図6に本実施例における相変化光記録媒体の断面図を示
す。ポリカーボネート基板31上に、AlをSi34
中に分散させた混合膜からなる第1シード層32、Ge
SbTeからなる相変化光記録層33、CoをZnS中
に分散させた混合膜からなる第2シード層34が順次形
成されている。 【0040】この相変化光記録媒体は、実施例1と同様
の操作で作製された。グルーブ付きポリカーボネート基
板31を多元スパッタ装置内の基板ホルダーに装着し、
装置内を真空排気した後、Arガスを導入した。基板ホ
ルダーを自公転させながらスパッタリングを行い、各層
を順次形成した。まず、Si34 ターゲットとAlタ
ーゲットにRF電力を投入してスパッタリングを行い、
基板31上に膜厚150nmの第1シード層32を形成
した。次に、GeSbTeターゲットにRF電力を投入
してスパッタリングを行い、第1シード層32上に膜厚
13nmの相変化光記録層33を形成した。最後に、Z
nSターゲットとCoターゲットにそれぞれRF電力と
DC電力を投入して2元同時スパッタリングを行い、相
変化光記録層13上に膜厚50〜200nmの第2シー
ド層34を形成した。このとき、両ターゲットへの投入
電力や膜厚を調整することにより、第2シード層34の
金属/誘電体の混合比を変化させ、光学定数、熱伝導
率、金属粒子の粒径、粒子間隔を制御した。なお、粒径
や粒子間隔は、基板へのバイアスパワー調整や、基板温
度調整などで制御することもできる。 【0041】得られた相変化光記録媒体について実施例
1と同一の条件で記録/再生評価およびTEM観察を行
った。図7に、相変化光記録層の結晶粒子サイズとジッ
ターとの関係を示す。図7から明らかなように、相変化
光記録層の結晶粒子サイズが100nm以下ではジッタ
ーは10%以下となり、特に50nm以下(最小マーク
に対する面積比率約2%以下)では4%前後の非常に良
好な特性を示している。 【0042】以上のように、本発明における相変化光記
録媒体において、シード層を相変化光記録層の両面に設
け、反射層を設けない構成でも非常に良好なジッター特
性を得ることができる。 【0043】 【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、マ
ーク長記録において微小記録マークを形成した場合で
も、マークエッジの乱れが小さくジッター特性が良好な
相変化光記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例1における相変化光記録媒体の
断面図。 【図2】本発明の実施例1におけるシード層の粒子サイ
ズと初期結晶化後の相変化光記録層の結晶粒子サイズと
の関係を示す図。 【図3】本発明の実施例1における相変化光記録層の結
晶粒子サイズとジッターとの関係を示す図。 【図4】本発明の実施例2における相変化光記録媒体の
断面図。 【図5】本発明の実施例2における相変化光記録層の結
晶粒子サイズとジッターとの関係を示す図。 【図6】本発明の実施例3における相変化光記録媒体の
断面図。 【図7】本発明の実施例3における相変化光記録層の結
晶粒子サイズとジッターとの関係を示す図。 【符号の説明】 11…ポリカーボネート基板 12…シード層 13…相変化光記録層 14…保護層 15…反射層 21…ポリカーボネート基板 22…保護層 23…相変化光記録層 24…シード層 25…反射層 31…ポリカーボネート基板 32…第1シード層 33…相変化光記録層 34…第2シード層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−158637(JP,A) 特開 平7−326073(JP,A) 特開 平1−113936(JP,A) 特開 平2−42654(JP,A) 特開 昭63−244424(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 光照射により結晶状態と非晶質状態の2
    つの状態間を遷移する相変化光記録層を具備した相変化
    光記録媒体において、相変化光記録層に隣接して、5〜
    100nmの粒子サイズを有する金属粒子を誘電体中に
    2〜20%の体積分率で分散させた混合膜からなり、相
    変化光記録層の結晶粒子サイズを制御する作用を有する
    シード層を設けたことを特徴とする相変化光記録媒体。
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Cited By (1)

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