JP3474630B2 - 磁気共鳴検査装置用高周波コイル - Google Patents

磁気共鳴検査装置用高周波コイル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は核磁気共鳴現象を用いて
人体などの内部組織を無侵襲に検査する磁気共鳴検査装
置に用いられる高周波コイルに関する。特に、高周波電
力と高周波磁場の相互変換効率を高くし、かつ人体など
の挿入空間を広くした高周波コイルに関する。
【0002】
【従来技術】従来、人体の内部構造を非破壊的に検査す
る装置として、X線CTや超音波診断装置が広く用いら
れている。近年、核磁気共鳴現象を用いてX線CTや超
音波診断装置では得られなかった多くの医学的診断情報
が得られるようになった。この核磁気共鳴現象を用いた
検査装置(以下、MRI装置という)の構成は、図5に
示すように、均一な磁場強度を発生する磁石18と、検
査部位の核磁気共鳴信号に位置情報を付与する傾斜磁場
を発生する傾斜磁場コイル19と、傾斜磁場コイル19
に電流を駆動する傾斜磁場電源20と、検査部位の核ス
ピンを励起する高周波磁場を発生する照射用高周波コイ
ル26と、それを駆動する高周波電源27、励起後の核
スピンの運動を電気信号として検出する検出用高周波コ
イル28と、それにつながる信号増幅回路29と、信号
から画像に変換する信号処理と各ユニットを制御する計
算機21と、画像を表示するモニター30と、被検体3
1を移動させる患者テーブル32から構成されている。
【0003】このようなMRI装置では、磁石18の発
生する静磁場中に置かれた組織(検査部位)中の所定の
原子核のスピンに、照射用高周波コイル26により所定
の周波数の高周波磁場をパルス状に照射することによっ
て、スピンを励起し、次いで励起後の核スピンが発生す
る電磁波であるNMR信号を検出用高周波コイル28で
検出し、画像再構成に必要な電気信号を得て、画像を得
るものである。これら照射用高周波コイル26と検出用
高周波コイル28とは、それぞれ別個に設ける方式と1
つの高周波コイルを照射用と検出用に切り替えて使用す
る場合があり、検査部位や用途に応じて、選択される。
例えば、胸腹部の検査では、励起と検出の機能を別々の
高周波コイルで実現することは装置全体が大きくなる問
題があるので、通常は励起と検出の機能を一つの高周波
コイルで実現する高周波コイルが開発されている。
【0004】ところで、MRI装置において画像診断に
より有効な検査結果を得るには、上述の構成ユニットが
それぞれ要求される性能で正しく動作することが必要で
ある。とりわけ、照射用及び検査用高周波コイルの性能
は、画像のコントラストと信号対雑音比そして、画像の
均一度に直接影響するため重要である。この高周波コイ
ルについて、要求される性能としては、例えばアメリカ
ン・アソシェーション・オブ・フィジシスト・イン・メ
ディスン発行のモノグラフ14号「NMR・イン・メデ
ィスン:ザ・インストールメンテーション・アンド・ク
リニカル・アプリケーション」143頁から166頁
(American Association of Physicists in Medici
ne, Monograph No.14,"NMR in Medicine : The Instru
mentation and Clinical Applications" p143〜p166)
に詳しく述べられているが、性能の主要項目として、希
望の動作周波数に共振しなければならない、検査部位に
適応する十分な大きさでなければならない、均一な高周
波磁場を発生しなければならない、良好なフィリングフ
ァクターを有していなければならない、高周波コイルの
損失が最少でなければならない、印加電圧に耐えなけれ
ばならない、被検体に発生する電界が最少でなければな
らない、装置システムの他のユニットとの干渉が最少で
なければならない等が挙げられる。
【0005】これらの項目において、お互いの関係を検
討すると、容易に全てを満足することができないことが
理解できる。一例として、高周波磁場の均一性とフィリ
ングファクターには強い関係がある。すなわち高周波磁
場の均一性を向上するため、その高周波コイルの径を大
きくすると、フィリングファクターが低下する。また、
高周波コイルの周辺ユニットとの干渉が増大する。この
フィリングファクターの低下は必要な高周波磁場強度を
発生に要する電力の増加やNMR信号検出感度の低下と
なる。
【0006】このため、これら高周波コイルが備えなけ
ればならない性能の互いのバランスを考慮した高周波コ
イルが必要となるが、更にこれら性能は高周波コイルの
種類に応じた考慮が必要である。例えば、目的の検査部
位からNMR信号を検出する機能を有する高周波コイル
は均一性より検出感度に重点をおいて設計されており、
例えば、特公平5−25492号公報に記載されるMR
I装置では、検出用高周波コイルとして検査の目的や検
査の対象となる部位に適合する複数の高周波コイルを用
いることが提案されている。また米国特許4,641,
097号に記載されているように、高周波コイル内に挿
入される被検体の形状に合わせて高周波コイルの形状を
楕円の断面を有する円筒面に構成した例もある。これ
は、フィリングファクターを改善して検出感度の向上を
図っている。但し、この場合磁場均一度は多少犠牲にせ
ざるを得ない。更に励起用高周波コイルと検出用高周波
コイルとを別々に構成する場合には、二つのコイル間の
干渉を避ける必要からコイル間の距離を確保する必要が
ある。
【0007】一方、照射用高周波コイルでは均一な高周
波磁場を発生するように、その形状が考慮されている。
一例として、特開昭61−95234号(米国特許4,
680,548号)には21MHzで動作する共振回路
による全身サイズの高周波コイルが記載されている。こ
の高周波コイルは図6に示すように、二つのリング状の
伝送線101、102とこれら伝送線間に等間隔で付加
された複数のインダクタンス103と、伝送線101、
102に等間隔で挿入された容量素子104とから成
り、リング状の伝送線101、102間が21MHで共
振しており、sinψに比例した電圧を有する二つの終
端リングを構成する。ここでψは隣接するインダクタン
ス103とコイル中心軸105を結ぶ直線のなす角度で
ある。上のリング回路101では電流はcosψに比例
し、下の回路102では−cosψに比例する。この高
周波コイルは、二つの伝送線間に等間隔でインダクタン
ス103を付加することでn(図ではn=8)段の高域
通過フィルター回路と考えることができ、共振点では各
々の段は2π/nの位相シフトを起こす。これは、多く
の電流素子が正確に所望の正弦波で重み付けられた表面
電流を形成しているとみなすことができる。一般に正弦
波で重み付けられた表面電流密度は最適な均一性を有す
る磁場を発生する。従ってこの高周波コイルでは、従来
の単純なLCR回路では不可能であった成人男子の胸腹
部領域で均一な磁場を発生することが可能となった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、高
周波コイルの改善が進められ、画像などの検査結果の質
的向上があった。しかし、高周波コイルの特性上、その
導体素子の近傍には比較的高い密度で磁界が発生してい
るため、その近傍に配置される他のユニットの導電体に
よって共振特性が変化したり、コイル損失が増大する問
題がある。これを解決するためには、高周波コイルの外
側に配置される傾斜磁場コイルとの距離を確保すること
が必要となる。この場合、高周波コイルを小さくするこ
とは、被検体のアクセス空間を確保する必要から限界が
ある。他方、高周波コイルの外側に置かれる傾斜磁場コ
イルを大きくした場合には、傾斜磁場コイルの外側に位
置する静磁場発生磁石、例えば超電導磁石の形状も大き
くせざるを得なくなる。また、傾斜磁場コイルの必要と
する駆動電力も増大する。一般に傾斜磁場コイルの駆動
電力はその大きさの5乗に比例する。これら傾斜磁場コ
イル及び静磁場発生磁石の大型化は、装置のコストに大
きく影響するばかりか、装置を設置するスペースの確保
の問題がある。従って、高周波コイルの特性を多少犠牲
にしても傾斜磁場コイルの大きさを制限せざるを得なか
った。
【0009】本発明の目的は、高周波コイルの高周波電
界を、検査体が占める空間に効率良くかつ、高い均一度
で発生し、同時にフィリングファクターを改善するこ
と、また、装置の他のユニットと高周波コイルとの干渉
を少なくし、高周波コイルの特性の安定化と外部誘導雑
音を低くしたS/N比の高い高周波コイルを提供するこ
とである。
【0010】本発明の他の目的は、高周波コイル内に挿
入される検査体の形状に好適な空間を有する高周波コイ
ルを提供することである。更に、本発明の他の目的は、
傾斜磁場コイルの形状を最少にして装置の製造コストを
低下したMRI装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のMRI装置高周波コイルは、静磁場中に置かれた検
査対象に高周波磁場を照射し、或いは検査対象からのN
MR信号を検出するためのMRI装置用高周波コイルで
あって、第1の仮想円筒の円筒面上で、この第1の仮想
円筒の軸に沿って配置された複数の導体素子と、第1の
仮想円筒と同心で且つその径より大きい径を有する第2
の仮想円筒の円筒面上に設けられ、複数の導体素子に電
流を流す導体とを備えたものである。尚、仮想円筒と
は、実際には存在しないが、空間の位置を示すために仮
想された円筒である。
【0012】本発明のMRI装置高周波コイルの好適な
態様において、第2の仮想円筒の円筒面上に設けられた
導体は、一対のリング状の導体であり、このリング状の
導体は、複数の導体素子との各接続部間に容量素子を含
み、所定の周波数で共振するリング回路を構成する。更
に本発明のMRI装置高周波コイルの好適な態様におい
て、複数の導体素子の各導体素子間は自由空間であり、
複数の導体素子はそれぞれ絶縁性樹脂で覆われているも
のである。
【0013】
【作用】高周波コイルの周囲には傾斜磁場コイルが存在
しているが、導体素子の位置を表面とする仮想円筒は、
導体素子に電流を流す導体(リング状の導体)の位置を
表面とする仮想円筒よりも径が小さいので、導体素子と
傾斜磁場コイル間の距離はリング状導体と傾斜磁場コイ
ル間の距離より長く確保することができる。この結果、
導体素子は傾斜磁場コイルとの電磁気的干渉を減少する
ことができ、リング状導体の近傍にまで傾斜磁場コイル
を近付けることができる。
【0014】また導体素子と隣接する導体素子間は構造
物のない自由空間としたことにより、導体素子が検査対
象の形状に好適な位置に配されるように高周波コイルを
装置本体に組み込むことができる。更に第2の仮想円筒
の円筒面上に設けられた導体が一対のリング状の導体で
ある場合には、これらリング状の導体は所定の周波数で
共振する一対のリング回路を構成し、それぞれ共振周波
数で正弦波の電位分布が発生する。このリング回路をn
(nは導体素子の数)等分に分割した位置にn本から成
る導体素子で二つのリング回路を接続することにより、
n等分された正弦波電圧に対応した電流が流れる。この
電流は、導体素子が位置する仮想円筒の表面に形成され
る正弦波で重みづけられた表面電流と等価な働きをし、
この円筒の軸に垂直に均一な磁界を発生する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。図2は本発明の高周波コイルが用いられるMRI装
置の全体を示す側面図で、被検体の置かれる空間に、静
磁場を発生する静磁場磁石18と、この磁石18のボア
内に配置され、静磁場に重畳される傾斜磁場を発生する
傾斜磁場コイル19と、傾斜磁場コイル19内に配置さ
れる照射用及び検出用高周波コイル1とを備えている。
このMRI装置におけるその他の構成は、図5のMRI
装置と同様である。即ち、高周波コイル1及び傾斜磁場
コイル19を駆動する電源(20、27)、高周波コイ
ル1に接続された信号増幅回路(29)、NMR信号か
ら画像に変換する信号処理を行うとともに各ユニットを
制御する計算機(21)、画像を表示するモニター(3
0)及び磁石18のボア内の空間に被検体(31)を移
動させる患者テーブル(32)を備えている。
【0016】静磁場磁石18としては、永久磁石、常電
動磁石、超電導磁石が用いられるが、通常は超電導磁石
タイプが用いられる。傾斜磁場コイル19の内側には高
周波シールド、即ちファラデーシールド22が張り付け
てある。ファラデーシールド22は、図示しない傾斜磁
場電源やそれに接続されている制御用の計算機から誘起
される雑音電磁界を遮蔽するためのもので、その効果を
最大限に発揮するようにアース線23が接続され、グラ
ンド電位に保たれている。通常このアース線23は抵抗
値の低い電線で、撮影室全体を電磁遮蔽するシールド2
4と接続される。
【0017】高周波コイル1は、図1に示すような全身
撮影用の高周波コイルで、所定の距離をおいて隔置され
た一対のリング回路2、3と、これらリング回路2、3
間に等間隔に設けられた複数(図では8本が示されてい
る)の導体素子6〜13とから成り、二つのリング回路
2、3は実際には存在しない仮想の円筒4の面上に、ま
た導体素子6〜13は実際には存在しない仮想の円筒5
の面上であってその軸に沿って、配置されており、円筒
4はその径が円筒5の径よりも大きい。
【0018】典型的には、リング回路2、3部の内径は
56cm、リング回路2、3間の長さは60cmで成人
男子の胸腹部の断層像を撮影するのに十分な大きさを有
している。リング回路2、3は0.3mm厚、幅1cm
の銅板で構成されている。また円筒5の内径は50cm
である。導体素子6〜13はそれぞれ直径3mmの銅パ
イプで構成されており、円筒5面上を等間隔で配置され
ている。これにより、後述するように内部に発生する高
周波磁場の均一度を向上することができる。
【0019】更に全ての導体素子6〜13は内部に入る
被検体に直接触れることがないように、FRP(繊維強
化プラスチック)等の絶縁性樹脂14で覆われている。
尚、図では絶縁性樹脂14は、導体素子10のみに省略
して示してある。この絶縁性樹脂14は、高周波コイル
に印加される電圧に対して充分な耐電圧を有することが
必要である。隣接する導体素子と導体素子の間は自由空
間となっている。
【0020】導体素子6〜13はその両端をリング回路
2、3に向けて放射状に延長した屈折部6a〜13a、
6b〜13bを有し、これら屈折部6a〜13a、6b
〜13bがリング回路2、3との交点で接続されてい
る。また各リング回路2、3の、導体素子との接続点と
接続点との間には、容量素子15a〜15h、16a〜
16hが挿入されている。これら容量素子のうち、リン
グ回路毎に少なくとも1つは、可変容量素子で構成され
る。可変容量素子の容量を調整することにより、各リン
グ回路2、3上に所定周波数、例えば21MHzの正弦
波分布の電圧が発生する共振特性を持たせてある。この
周波数はMRI装置によって決まる共鳴周波数である。
これら容量素子の容量は典型的には472pFで、可変
容量素子は容量の値を20から100pFまで変化させ
ることができる。前述したように導体素子6〜13を等
間隔で配列するとともにリング回路にこのような共振特
性を持たせることにより、導体素子6〜13に流れる電
流は正確にθづつ位相が変位している。尚、θは隣接す
る導体素子と円筒5の軸とが囲む角度であり、本実施例
では導体素子が8本なので、θ=45°(360°÷
8)となる。8本の導体素子6〜13に流れる電流は正
確に45°づつ位相が変位していることは、導体素子6
〜13の電流分布が円筒5面上の正確な正弦波に近似す
ることができる。円筒5面上の正確な正弦波分布の電流
は、その円筒5の軸に垂直な方向(矢印17)に均一な
回転磁場を発生する。尚、導体素子の数は8本に限定さ
れるものではなく、数が多いほど正確な正弦波に近くな
るが、ベンチレーション効果及び被検体配置の自由度が
減少するので、これらファクタとの兼合で、4〜12程
度とするのが適当である。
【0021】このような構成の高周波コイルは、図2及
び図3に示すようにリング回路2、3とファラデーシー
ルド22とを接近させて配置した場合、導体素子6〜1
3はリング回路2、3より径の小さい円筒上にあるの
で、傾斜磁場コイルとの間隔を充分に取ることができ
る。例えば、リング回路2、3部の内径が56cmで、
導体素子の置かれる円筒5の内径が50cmである前掲
の例では、ファラデーシールド22の内径を60cmと
すると、ファラデーシールド22とリング回路2、3と
の間隔は2cmと近接しているが、導体素子6〜13は
ファラデーシールド22からの間隔を5cmとることが
できる。従って、ファラデーシールド22と高周波コイ
ル1の内部に均一な磁界を発生する導体素子6〜13と
の電磁気的干渉を少なくすることができ、コイルの特性
を安定させることができる。また導体素子6〜13が高
周波コイル1の内部に配置される検査部位に近づくこと
になり、フィリングファクターを向上でき、NMR信号
検出の際のSNを向上させることができる。
【0022】しかも導体素子間が自由空間であるので、
人体断面形状に適合させることが容易で、例えば図3に
示すように胸複部25を撮影する場合、患者の肩や肱、
腕はその自由空間を占めるようにすることができるので
その配置に自由度が増し、しかも患者に対する圧迫感を
軽減することができる。以上の実施例では、リング回路
に容量素子を挿入したハイパス型の高周波コイルについ
て説明したが、本発明の高周波コイルは、導体素子に容
量素子を挿入したローパス型にも適用できることは言う
までもない。この場合にも、フィリングファクターを向
上させるとともに、傾斜磁場コイル等の近傍に配置され
るユニットの影響を軽減し、コイルの特性を安定させる
ことができる。
【0023】また以上の実施例では高周波パルス照射と
NMR検出を兼ねた全身撮影用の高周波コイルについて
説明したが、本発明はこれに限るものではなく、照射用
高周波コイル或いは検出用高周波コイルのいずれかであ
ってもよい。更に、本発明の高周波コイルは、両端にリ
ング回路を有する形状のものに限定されるものではな
く、例えば図4に示すように鞍型コイルにも適用でき
る。この鞍型コイルは、一対の同型のコイル30、30
から成り、これらコイル30、30は2本の直線状の導
体素子31と、これに連結する導体32とから成り、導
体32はそれぞれ円弧の一部をなしており、その円の径
は導体素子31が位置する円筒面の円筒の径よりも大き
い。そして導体素子31の両端は屈曲し導体32に連結
している。この場合、磁場は円筒の軸に垂直に形成され
る。このような鞍型コイルにおいても、内部に置かれる
検査対象の配置の自由度を確保し、フィリングファクタ
を向上できる、周辺ユニットとの干渉を軽減できる等、
上述の高周波コイル同様の効果が得られる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、MRI装置用高周波コ
イルにおいて、円筒の軸線に沿って配置される導体素子
と、この導体素子に電流を供給する導体とを特定の空間
配置とすることにより、高周波コイルの高周波磁界を検
査体が占める空間に効率良くかつ、最良の均一度で発生
することができる。また、高周波コイルを大型化するこ
となく、それを構成する導体素子と高周波コイル周辺の
他のユニットとの間隔を大きくすることができ、これに
より他のユニットとの電磁気的干渉を低く押さえ、高周
波コイルを磁気共鳴検査装置に組み込んだとき、その特
性を安定に維持することができる。また信号検出時は、
フィリングファクターが良好で外部ユニットとの干渉が
低いことから、外部ユニットを介して誘起する雑音が少
なくS/Nの良好な検査結果が得られる。
【0025】また本発明の高周波コイルは、導体素子と
の間を自由空間とすることにより、挿入される人体の形
状に好適な空間を有しているので、患者の腕や肘の配置
に自由度が増す等、患者のハンドリングが向上し、しか
も患者自身の圧迫感を低減することができる。更に、本
発明によれば、装置全体をコンパクトに設計することが
でき、製造コストの低減と、装置の設置空間の縮少が計
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波コイルの一実施例を示す斜視
図。
【図2】図1の高周波コイルを適用したMRI装置を示
す側面図。
【図3】図2のA−A断面を左側面より見た図。
【図4】本発明の高周波コイルの他の実施例を示す図。
【図5】MRI装置の構成を示す図。
【図6】従来技術による高周波コイル。
【符号の説明】
1・・・・・・高周波コイル 2、3・・・・・・リング回路(導体) 4・・・・・・第1の仮想円筒 5・・・・・・第2の仮想円筒 6〜13・・・・・・導体素子 14・・・・・・絶縁性樹脂(FRP) 15(a〜h)、16(a〜h)・・・・・・容量素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−39939(JP,A) 実開 平6−9603(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静磁場中に置かれた検査対象に高周波磁場
    を照射し、或いは検査対象からの核磁気共鳴信号を検出
    するための磁気共鳴検査装置用高周波コイルであって、
    第1の仮想円筒の円筒面上で、前記第1の仮想円筒の軸
    に沿って等間隔に配置された複数の導体素子と、前記第
    1の仮想円筒と同心で且つその径より大きい径を有する
    第2の仮想円筒の円筒面上に設けられ、前記複数の導体
    素子に電流を流すリング状の導体と、前記導体素子と前
    記リング状の導体とを接続する、放射状に配置された導
    体屈曲部とを備えたことを特徴とする磁気共鳴検査装置
    用高周波コイル。
  2. 【請求項2】前記リング状の導体は、前記複数の導体素
    子との各接続部間に容量素子を含み、所定の周波数で共
    振するリング回路であることを特徴とする請求項2記載
    の磁気共鳴検査装置用高周波コイル。
  3. 【請求項3】前記複数の導体素子の各導体素子間は自由
    空間であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気
    共鳴検査装置用高周波コイル。
  4. 【請求項4】前記複数の導体素子はそれぞれ絶縁性樹脂
    で覆われていることを特徴とする請求項3記載の磁気共
    鳴検査装置用高周波コイル。
JP05191794A 1994-03-23 1994-03-23 磁気共鳴検査装置用高周波コイル Expired - Fee Related JP3474630B2 (ja)

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