JP3372099B2 - Rfプローブ - Google Patents
RfプローブInfo
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Description
らの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を検出
し、核の密度分布や緩和時間分布等を映像化する核磁気
共鳴イメージング(MRI)装置に用いられる高周波
(RF)プローブに関する。
中のプロトン密度やプロトンのスピンの緩和状態を測定
し人体の断層画像を得るものであり、被検体の周りに強
く均一な静磁場を発生させる静磁場発生磁石と、被検体
に高周波磁場を印加するための高周波コイル(以下、R
Fコイルという)と、被検体の発生するNMR信号を受
信するためのRFコイルとを備えている。
す。静磁場磁石30は、通常は0.2Tから2T程度の
磁場強度が使われ、0.5T以上では静磁場磁石として
図示のような円筒状の超電導コイルを用いる。この磁石
30が作る磁束の向きは紙面に垂直である。更にMRI
装置は、NMR信号の空間的情報を得るために空間的に
傾斜した磁場を印加する傾斜磁場コイル31を備え、こ
の傾斜磁場コイル31は超電導コイルのボア32内に設
置される。
RFコイル34は、傾斜磁場コイル31の内側に設置さ
れる。RFコイル34の内部にはスライド型ベッド35
がありこの上に被検体(患者)36を寝かせ検査する。
RFコイル34は、このように被検体36に高周波磁場
を送信するのみならず、被検体36からのNMR信号を
受信する場合もある。また、RFコイル34の内側に受
信専用のRFコイル(図示せず)を置き、これによりN
MR信号を受信する場合もある。
よりマルチプルエレメントレゾネータ(MER)やスロ
ッテドチューブレゾネータ(STR)などがある。これ
らのコイルは据置型全身用コイルや頭部用コイルとして
使われ、その形状は円柱形状である。また腹部用コイル
や小児用コイルでは、コイルを被検体に近づけフィリン
グファクタを上げコイル感度を向上させるために、コイ
ルを扁平型にすることが提案されている。これら従来の
RFコイルの形状及び特性については、電子情報通信学
会論文誌B−II、J76巻、2号、79〜85頁。「R
Fシールドを有するMRIアンテナの特性解析」、特開
昭60−132547号、特開昭61−95234号、
第11回ソサイアティ オブ マグネチック レゾナン
ス インメディソン予稿集、272頁、ビムソン他、
「アン エリプティカル クロスセクション バードケ
ージ ボディコイル」(Proceedings of the 11th Soci
ety of magnetic resonance in medicine, Bimson et a
l. An elliptical cross section birdcage body coi
l)、同予稿集、4005頁、タカハシ他、「ローテシ
ョナリー アシンメトリック クオドラチャー プロー
ブ フォー ボディーイメジング」(Takahashi et al.
Rotationally asymmetric quadrature probe for body
imaging)、第12回ソサイアティ オブ マグネチッ
ク レゾナンス イン メディソン予稿集、1342
頁、キャセイ他、「セオリティカル カルキュレーショ
ン オブ ザ オプティマム カレント ディストリビ
ューション フォー アン エリプティカル バードケ
ージ RFコイル」に報告されている。
との間には、外部からのRFノイズを遮断し、RFコイ
ル34が傾斜磁場コイル31などと高周波結合するのを
除去し、その性能劣化を防ぐ目的で、RFシールド33
が設置される。RFシールド33は、円柱状の支持体に
銅箔を張ったものなどが使われる。このRFシールド3
3とRFコイル34が接近すると、RFコイル34が放
射する高周波磁場がRFシールド33上にうず電流を発
生させ、これによりRF磁場が乱れるので、従来RFシ
ールド33とRFコイル34を十分に離し高周波的な相
互作用を極力小さくして磁場の乱れを防いでいた。
装置の設置条件を緩和しまた価格を下げるために、装置
を小形化することが望まれている。これを実現するため
には、特に静磁場磁石30を小形化することが効果的で
ある。磁石を小形化するためには磁石30のボア径を小
さくする必要があるが、患者の不安感を無くしたり、検
査を容易に行うには、装置の内径すなわちRFコイル3
4の内径dは大きい必要がある。特に患者がベッド35
に寝た際に肩方向の幅が狭いと心理的に圧迫感が増す。
磁石30のボア径を小さく且つRFコイル34の内径d
を大きくするためには、傾斜磁場コイル31とRFコイ
ル34が占有するスペースSが小さくなる。更に傾斜磁
場コイル31は磁石ボア面38でのうず電流を低く押え
るためボア面38とはある程度の距離が必要である。こ
のような装置の設計上の要請から、RFコイル34とR
Fシールド33との直径の比は、1.2以下であること
が望ましい。
するためにRFシールド33とRFコイルが接近する
と、前述したようにRF磁場が乱れ、またその送信効率
が大きく低下する。このため、RFコイル34に高周波
電力を供給するRF送信器が大容量になり、また、極端
な場合実質的にRFコイル34が動作しないなどの問題
が生じる。この傾向は静磁場強度が高くなるほど顕著に
なる。このようなRFコイルの送信効率は、RFコイル
を受信コイルとして用いた場合における受信感度と可逆
的性質があるので、上述の状態では、RFコイルの受信
効率も低下する。
信効率を維持し、しかもRFコイル内の患者の居住性を
向上させるためには、RFコイルとRFシールドを一体
として考え、実用的な構成を見出す必要が生じた。しか
し従来RFシールドとRFコイルの相互作用については
ほとんど検討されておらず、わずかに円柱状コイルと円
柱状シールドについて考察されているだけであった。
て設置されるRFシールドとを1つのRF共振系とみな
し、この両者からなるRFプローブについて送信効率ま
たは受信感度を改善することを目的とする。また本発明
は、RFシールドとRFコイルとの距離が装置小形化の
要請を満たす範囲において、RFシールドとRFコイル
の形状を最適化し、小形でかつ内径が大きく効率の良い
RFプローブを実現することを目的とする。
Fシールドと、RFシールドの内部に接近して配置さ
れ、RFシールドと中心軸を共通とする楕円柱状のRF
コイルからなるRFプローブにより達成される。本発明
の好適な態様によれば、RFコイルの軸方向長さは、R
Fシールドの軸方向長さの0.5倍から1.0倍であ
り、RFコイルは、その長径と短径の比が1.05から
1.3である。
径と等しい直径の円柱に比べ、RFコイルとRFシール
ドの結合が小さくなり、送信効率が向上する。また、送
信効率の等しい円柱状RFコイルの直径に比べ、楕円形
状RFコイルの長径は長いため、人体の肩幅に比べより
広い内部空間を確保できる。
図3は、ともに円柱状であるRFシールド及びRFコイ
ルからなる従来のRFプローブのシールド直径/コイル
直径(以下、シールド/コイル比という)と感度との関
係を示すグラフである。この図は、RFコイルとして6
3MHzで共振するハイパス型マルチプルエレメントレ
ゾネータを用いた場合の静磁場強度1.5TのMRI装
置を想定した、無負荷(被検体が無い状態)におけるシ
ミュレーシュンの結果である。図から明らかなようにシ
ールド/コイル比が1.2以下になると効率(感度)が
急激に低下する。この傾向は被検体がある場合や、0.
5Tでの計算結果(RFコイルの共振周波数21MH
z)でも同様であった。従って、RFプローブの感度/
効率の観点からは、シールド/コイル比が1.2以上が
望ましいが、既に述べたように、装置の設計上はシール
ド/コイル比が1.2以下の範囲が好適である。
た範囲においてRFコイルの感度もしくは効率の向上を
図れることを示す。図4は、円柱状RFシールドの直径
と円柱状RFコイルの直径のシールド/コイル比が1.
07のときに、RFプローブの形状を円柱状から楕円形
状に変更した場合のRFコイルの効率(感度)を、長径
/短径の値(以下、アスペクト比という)との関係で示
している。尚、図4は無負荷、静磁場強度0.5T(2
1MHz)で、縦方向及び横方向に受信ポートを有する
RFコイルについてのシミュレーションの結果である。
グラフからわかるようにRFコイルの形状を円柱状から
楕円形状に変えることで感度が向上し、特に、アスペク
ト比が1.05から1.3の範囲で縦方向の受信(縦ポ
ート)と横方向の受信(横ポート)がともに大きくな
る。これは、アスペクト比をあげることでシールドとコ
イルの間隔が総体として広がり実質的に図3におけるシ
ールド/コイル比が向上したのと同様な効果が生まれた
ものと考えられる。
する。図1は、MRI装置に用いられる据置型全身用プ
ローブ1の全体を示す斜視図で、円柱状のRFシールド
10と、RFシールド10の内部に固定された楕円柱状
のRFコイル20とから成る。このRFプローブ1は、
図2に示すようにMRI装置の静磁場発生磁石30のボ
ア内に置かれた傾斜磁場コイル40の内側に設置され
る。静磁場はRFプローブ1の軸方向(図1中、矢印A
方向)に形成されている。
ズを遮断し、RFコイル20が傾斜磁場コイル40など
との高周波結合を除去するもので、軸方向に長い円柱状
で、ガラスエポキシ等の絶縁性支持体11の外側に銅箔
等の導体12が接着されたものであり、高周波的に接地
されている。一方、RFコイル20は、断面が楕円形の
柱状のコイル支持体21の外周に形成され、楕円柱の軸
はRFシールド10の軸と共通である。コイル支持体2
1は例えばガラスエポキシ製でこの内面が装置のボア2
2を形成し、このボア内に軸方向にスライドするベッド
50(図2)が装備されており、被検体60をベッド5
0にのせて出入り可能になっている。また必要に応じて
RFコイル20の内側に受信専用の頭部コイルや頚椎コ
イル、脊椎コイルを設置し、コイル20を送信のみに使
用し、受信はこれらの受信コイル(図示せず)を用いる
ことができる。
の形状とRFコイル20と形状との関係について更に説
明する。まずRFシールド10の軸方向の長さl0は、
RFシールド10がRFコイル20と接近している場
合、極力小さいことが望ましいが、傾斜磁場コイルの軸
方向長さよりも大きい必要があり、据置型全身用のRF
プローブの場合、1m程度となる。一方RFコイル20
は、送信用コイルである場合、人体の胴体のほぼ全体を
覆う必要があるので、その軸方向の長さl1は500m
m程度以上である。従って、本発明が適用されるRFコ
イル10は、送信用コイルの場合、長さが典型的にはR
Fシールドの軸方向長さl0の0.5倍から1.0倍で
ある。例えば図示するような0.5Tプロトン検出用M
RI装置に好適な据置型全身用RFプローブの場合、銅
箔部分の軸方向の長さl0を約900mm、RFコイル
(支持体)の長さl1を約500mmとすることができ
る。
の間隔、即ちRFコイル20の長径とRFシールド10
の内径との比は、RFコイル20の効率(感度)のみを
考慮した場合には、図3のグラフからも明らかなように
大きいほどよいが、RFコイル20の内側に被検体が置
かれる空間を確保し、しかも傾斜磁場コイル40と静磁
場磁石30のボア面との間に所定の距離をとるために
は、RFシールド10の直径d0をRFコイルの長径d1
の1.3倍以下、好適には1.05倍から1.2倍とす
る。
d1と短径d2の比)は、1より大きく2以下程度とす
る。特に1.05から1.3の範囲で、楕円形状による
感度の向上の効果が大きい。例えば前掲の0.5Tプロ
トン検出用MRI装置に好適な据置型全身用RFプロー
ブの場合、長さ(l0)900mm、直径(d0)590
mmのRFシールドに対し、RFコイル支持体の、軸方
向の長さ(l1)500mm、長径(d1)550mm、
短径(d2)478mm(アスペクト比1.15)のも
のを用いることができる。このRFコイルでは、RFシ
ールドとのスペースを横方向(S1)で20mm、縦方
向(S2)で144mmとすることができる。
て用いられる楕円形状のRFコイルとしては、マルチプ
ルエレメントレゾネータ(MER)やスロッテドチュー
ブレゾネータ(STR)が挙げられる。図5に、本発明
が適用されるハイパス型8エレメントのMER200の
一実施例を示す。このレゾネータの導体部分は、例えば
直径3mmの銅パイプである。ラング201は8本あ
り、隣接するラングの軸をみこむ角θがすべて45度に
なるように配置されている。導体のリング部分202に
はコンデンサ203が各リングごとに8個直列に挿入さ
れている。給電は直交する2つの給電点204、205
から行う。各給電点からみたレゾネータの共振周波数が
21MHzになるように各コンデンサ203の値は調節
してある。
点204に高周波信号を与えると横方向のRF磁場を発
生し、縦方向の給電点205に高周波信号を与えると縦
方向の磁場を発生する。従って給電点204と205に
与える高周波信号の位相を90度ずらして与えることに
より公知のクォドラチャ送信が行える。尚、送信用のR
Fコイル20とは、別個の受信用コイルを備える場合に
は、受信コイルがMR信号を受信する時に、RFコイル
20と受信コイルの磁気結合を除去するため必要があ
る。このためスイッチによりコイル20内に存在する高
周波的閉ループを切断するデカップリング手段(図示せ
ず)を併用する。デカップリング手段としては公知のP
INダイオードを使ったアクティブデカップリングやク
ロスダイオードを使ったパッシブデカップリング等を採
用することができる。
イパス型MERを用いたがローパス型MERやSTRな
どその他のコイルを用いることも可能である。
明のRFプローブによれば円柱状のRFシールドと楕円
柱状のRFコイルを組合わせることにより、装置の小形
化を図り、しかも円柱状のRFコイルに比べ内径を拡大
できる。また本発明のRFプローブによれば、直径が同
等の円柱状のコイルに比べ、実質的にRFシールドとの
間隔を大きくし、その送信効率及び/又は受信感度を向
上することができる。本発明によれば、RFコイルとR
Fシールドとの高周波結合を効果的に除去できるので、
静磁場強度が大きい、即ち共鳴周波数が42MHz、6
4MHz等の高いMRI測定において、特に有効であ
る。
示す図。
全体を示す断面図。
RFコイルの各直径の比(シールド/コイル比)とRF
コイルの受信感度との関係を示すグラフ。
RFコイルのアスペクト比とRFコイルの受信感度との
関係を示す図。
図。
Claims (4)
- 【請求項1】円柱状のRFシールドと、前記RFシール
ドの内部に接近して配置されたRFコイルとからなるR
Fプローブであって、前記RFコイルは前記RFシール
ドと中心軸を共通とする楕円柱状のマルチプルエレメン
トレゾネータであり、その長径と短径との比が1.05から
1.3であることを特徴とするRFプローブ。 - 【請求項2】前記RFシールドの直径が、前記RFコイ
ルの長径の1.05倍から1.2倍であることを特徴とする請
求項1記載のRFプローブ。 - 【請求項3】前記RFコイルの軸方向長さが、前記RF
シールドの軸方向長さの0.5倍から1.0倍であることを特
徴とする請求項1記載のRFプローブ。 - 【請求項4】 前記RFコイルは、送信のための給電点を
コイルの長軸上及び短軸上に有し、クオドラチャ送信用
のコイルであることを特徴とする請求項1記載のRFプ
ローブ。
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-
1994
- 1994-02-14 JP JP01737694A patent/JP3372099B2/ja not_active Expired - Fee Related
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