JP3170309B2 - 磁気共鳴検査装置 - Google Patents

磁気共鳴検査装置

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JP3170309B2 JP17120591A JP17120591A JP3170309B2 JP 3170309 B2 JP3170309 B2 JP 3170309B2 JP 17120591 A JP17120591 A JP 17120591A JP 17120591 A JP17120591 A JP 17120591A JP 3170309 B2 JP3170309 B2 JP 3170309B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気共鳴検査装置に係
り、磁気共鳴現象を利用して生体内の各組織の特定な原
子核(例えば水素原子核やリン原子核など)の密度分布
や緩和時間の値を無侵襲に測定し、医学的診断のための
情報を得る磁気共鳴検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、人体の内部構造を非破壊的に検査
する装置として、X線CTや超音波撮像装置が広く用い
られている。近年では、更に磁気共鳴現象を用いて、X
線CTや超音波撮像装置では得られなかった多くの医学
的診断情報が取得できるようになった。
【0003】磁気共鳴現象を用いた検査装置では、検査
対象物からの信号を各部に対応させて分離識別するため
に、傾斜磁場と高周波磁場を印加してその共鳴信号の周
波数と位相変化を位置情報に対応させる方法が採用され
ている。例えば特開昭55−20495号公報には、磁
気共鳴を用いて検査対象物内の原子核密度線のマッピン
グのための方法及び装置が示されている。
【0004】次に図面を参照して、従来、最も多く用い
られているスピンエコー手法の検出原理について説明す
る。図12に示すように被検者1は、静磁場を発生する
磁石2と、互いに直交するX,Y,Zの三つの軸方向の
傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル3,4,5と、高周
波磁場を発生する高周波コイル6で形成される空間の中
に設置されている。7は被検者1が横たわる寝台であ
る。静磁場の方向をZ軸とするのが一般的であるから、
X軸とY軸は図12中に示すように決定される。ここで
被検者1の横断面(X−Y面)1Aを撮影するには、図
13に示す撮影シーケンスに従って傾斜磁場と高周波磁
場を発生する。すなわち図13で、期間Aでは、被検者
1にスライス用傾斜磁場(Z軸方向傾斜磁場)を印加し
た状態で振幅変調された高周波電力を高周波コイル6に
印加する。横断面1Aの磁場強度は、静磁場Hと位置z
の傾斜磁場の強度Gzの和H+Gzで示される。一方、
振幅変調された周波数ωの高周波電力は特定の周波数帯
域ω±Δωを有しているので、ω±Δω=γ(H+G
z)を満足するように周波数ω又は傾斜磁場強度Gを選
ぶことで、横断面1Aの部分の水素原子核スピンを励起
することになる。ここで、γは水素原子核の磁気回転比
を示す。期間Bでは、位相エンコード用傾斜磁場(Y軸
方向傾斜磁場)をΔtの間印加することで、先に励起さ
れた核スピンはyの位置により、
【0005】
【数1】Δω′=γGyΔt で示される周波数変移を、その共鳴信号に誘起する。期
間Dでは、周波数エンコード用傾斜磁場(X軸方向傾斜
磁場)を印加した状態で、共鳴信号を、256点のディ
ジタル信号として収集する。このとき、期間Aで励起さ
れた核スピンは、位置xによって、
【0006】
【数2】Δω″=γGx で示される周波数差を有することになる。期間Cでは、
励起された核スピンのスピンエコーを得るために、18
0度の高周波磁場とスライス用傾斜磁場が印加されてい
る。期間Eは核スピンが平衡に戻る待ち時間である。期
間Bの位相エンコード用傾斜磁場の振幅値を256ステ
ップ変化させて繰り返し共鳴信号を収集すれば、256
×256のデータが得られる。これらのデータを二次元
フーリエ変換することで画像が得られる。
【0007】磁気共鳴検査装置で最も重要なことは、得
られた再構成画像が、その画質として、いかに忠実に被
検者の人体組織の性質を再現しているかということであ
る。磁気共鳴を用いた検査装置で、上記目的を達成する
には、信号検出時の信号対雑音比が高い他に、静磁場と
高周波磁場の均一性が高いこと、傾斜磁場と高周波磁場
が定められたシーケンスに従って正確に動作すること、
これらが互いに干渉しないことが要求される。
【0008】なお、図12では、前記各種の磁場を発生
するための信号発生系、検出された信号を処理するため
の信号処理系、検出シーケンス等を実行する制御系、画
像を作成するための画像処理系等のシステム構成の図示
は省略している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】次に、上記の如く構成
される従来の磁気共鳴検査装置の問題を説明する。一般
的に、時間的に変化する磁束の近傍に存在する導体に
は、その磁束の変化を妨げるように電流が誘起される。
この電流は渦電流として良く知られている。前記の磁気
共鳴検査装置では、図13に示す如くパルス状傾斜磁場
を発生するので、傾斜磁場の磁束変化を妨げる反磁場が
発生することになる。この反磁場は、静磁場発生用磁石
2を構成する金属製内筒に渦電流を生じさせる。このた
め、静磁場発生用磁石2と傾斜磁場コイル3,4,5と
の間に所要の一定距離を確保することが、画像の質的向
上を図る上には必要となる。
【0010】更に、信号検出時に傾斜磁場コイルからの
雑音の混入を防止するため、例えば特開平2−7423
5号公報に開示されるMRI(磁気共鳴イメージング)
画像診断装置に示すように、傾斜磁場コイルと高周波コ
イルの間に高周波遮蔽体が用いられている。また198
6年に開催された第7回日本磁気共鳴医学会で発表され
た演題番号60(抄録は日本磁気共鳴医学会雑誌第6S
1巻122頁)の「RFコイルと周囲との結合損失に関
する考察」に述べられているように、高周波コイルが傾
斜磁場コイルと電磁的に結合することによって高周波コ
イルのQが低下する問題がある。これは、損失のある周
囲素子との結合によるもので、これを防ぐためにも、高
周波コイルと傾斜磁場コイル間に高周波遮蔽体を入れる
ことが必要不可欠である。
【0011】図12の磁気共鳴検査装置で、高周波コイ
ル6と傾斜磁場コイル3,4,5との間に高周波遮蔽体
を入れる場合を考えてみると、図12及び図14に示す
ように、高周波遮蔽体8は、高周波コイル6と傾斜磁場
コイル支持体9との間に配設される。なお、この傾斜磁
場コイル支持体9は、前述の傾斜磁場コイル3,4,5
を一体的に組み付けたボビンの機能を有する部材であ
る。
【0012】ところが、高周波遮蔽体8を高周波コイル
6と傾斜磁場コイル支持体9との間に配設すると、次の
ような問題が起きる。高周波磁束は高周波遮蔽体8を通
過できないので、図14に示す如く、X軸方向(Y軸方
向も同様)の磁束は高周波遮蔽体8の手前で急激に歪め
られる。この歪が高周波コイル6内の高周波磁場の均一
性を悪くし、結果として画質が劣化したり、画像に歪が
生じることになる。このことは、1989年に開催され
た第13回日本磁気共鳴医学会で発表された演題番号6
6(抄録は日本磁気共鳴医学会雑誌第9S1巻148
頁)の「RFシールドの近接によるボディコイルの特性
変化について」に述べられている。すなわち、設置の容
易な小型磁石が一般化しつつあり、これに応じて傾斜磁
場コイルも小型化の傾向にある。一方、腹部用の高周波
コイルは被検者の居住性の点から小型化は好ましくな
い。この結果、傾斜磁場コイル内面に設けられる高周波
遮蔽体と高周波コイルが近接して高周波遮蔽体に発生す
る高周波渦電流の影響が増大するために、信号対雑音比
の低下や核スピンの励起に必要な高周波電力の増加が生
じることや、高周波遮蔽体の近傍で磁束が歪められるこ
とにより、高周波コイル内の高周波磁場の均一性が著し
く低下する。従って、高周波磁場の均一性の確保と信号
対雑音比の維持には、高周波コイルと高周波遮蔽体の間
に高周波磁束を余裕を持って通過させる空間を確保する
ことが必要である。
【0013】以上の説明で明らかなように、従来の高周
波遮蔽体を備えた磁気共鳴検査装置では、高周波コイル
の大きさは被検者の大きさで定められているので、良い
画像を得ようとすると、傾斜磁場コイルの大きさを大き
くする必要があり、それに伴って静磁場発生用磁石が大
きなものになる。このことは、静磁場強度の維持に費用
を要し、設置性が著しく低下し、漏洩磁場の他の機器へ
の悪影響が増大し、更に傾斜磁場強度を確保するため駆
動電源の容量を増加しなければならないという問題を提
起した。
【0014】また静磁場発生用の磁場コイルを小型化及
び軽量化を図った装置として、例えば特開昭63−10
08号公報で、高周波磁場発生コイルと傾斜磁場発生コ
イルを同一の中空円筒に取り付けた装置構成が提案され
ている。しかしこの従来技術によれば、高周波コイルの
軸方向の長さが制限されるため、高周波磁場の均一度を
多少犠牲にしなければならないこと、傾斜磁場の直線性
能を犠牲にしなければならないこと等の問題点が存在す
る。
【0015】本発明の目的は、電源効率の良い、設置性
の良好な、良い画像の得られる磁気共鳴検査装置を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気共鳴検
査装置は、上記目的を達成するため、次のように構成さ
れる。 1.内部空間を有し、この内部空間に静磁場を発生する
磁石と、内部空間に配設され、三つの軸方向に傾斜磁場
を発生する傾斜磁場コイルと、検査対象に対して励起用
高周波磁場を与える高周波コイルと、検査対象からの磁
気共鳴信号を検出する信号検出手段と、信号検出手段か
らの検出信号を入力し、演算を行う計算手段と、この計
算手段による演算結果を出力する出力手段を有する磁気
共鳴検査装置であることを前提とし、高周波コイルの外
側に傾斜磁場コイルを配置し、更にこの傾斜磁場コイル
の外側であって、磁石の内側に高周波遮蔽体を配置し
高周波遮蔽体と高周波コイルとの間に、傾斜磁場コイル
を配置し、傾斜磁場コイルの支持体は高周波磁場を透過
させる構造を有する。2.好ましくは、上記磁気共鳴検査装置において、高周
波遮蔽体は、磁石と接して配置される。
【0017】
【作用】本発明による磁気共鳴検査装置によれば、傾斜
磁場コイルの支持体が高周波磁束を透過する構造を有す
るため、高周波磁束は傾斜磁場コイルの内側で急峻に曲
がらず、高周波磁場の均一度が向上し、且つ高周波磁場
の遮蔽体を傾斜磁場コイルの外側にてできるだけ距離を
とって配置したため、高周波遮蔽体による高周波渦電流
の影響を無視できる。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【実施例】以下に、本発明の好適な実施例を添付図面に
基づいて説明する。図1は本発明の一実施例である均一
な高周波磁場を形成する磁気共鳴検査装置の構成図であ
る。図1において被検者1、静磁場を発生する磁石2、
互いに直交するX,Y,Zの三つの軸方向の傾斜磁場を
発生する傾斜磁場コイル3,4,5及びこれらの傾斜磁
場コイルをユニットとして備える傾斜磁場コイル支持体
9、高周波磁場を発生すると共に検出信号を受信する高
周波コイル6、被検者1が横たわるための寝台7等の構
成は、図12で説明した構成と同じである。
【0022】次に制御及び信号処理のシステムの構成を
説明する。傾斜磁場コイル3,4,5には、それぞれの
駆動電源10,11,12から傾斜磁場を発生するため
の電力が供給される。13は高周波パルス発生器、14
は高周波電力増幅器で、高周波コイル6に対し高周波磁
場を発生させるための所要レベルの電力が供給される。
被検者1から発生した検出信号は、高周波コイル6、高
周波増幅器15、検波器16で取出され、A/D変換器
17でディジタル信号に変換される。18は、上記の各
回路要素に種々の制御信号を一定の時間間隔で与え又は
検出された信号を取り込む機能を有する制御装置であ
る。19は信号処理を行う計算機で、制御装置18を経
由して取り込まれた信号に対して画像を作成するための
信号処理を行い、作成した画像を表示装置20に表示す
る。
【0023】上記において、静磁場発生用磁石2は超電
導磁石で構成される。ここでは、超電導磁石2という。
傾斜磁場コイル3,4,5は均一な磁場を発生する超電
導磁石2の内側に組み込まれ、被検者1の置かれている
空間の磁場分布を、所望の傾斜を有する分布にする。高
周波パルス発生器13の出力は高周波電力増幅器14で
必要な値に増幅され、高周波コイル6に印加され、被検
者1に照射されて体内に核スピンを励起する。励起され
た核スピンの運動は、高周波コイル6で電流に変換さ
れ、磁気共鳴信号として検出される。磁気共鳴信号は高
周波増幅器15で増幅され、検波器16で可聴周波数に
変換される。可聴周波数信号は、その後A/D変換器1
7でディジタル信号に変換され、計算機19で画像信号
に変換され、表示装置20で表示される。被検者1は寝
台7上に搭載され、超電導磁石2の内部空間の中央位置
にて、移動自在に配置される。
【0024】図2は、図1に示した超電導磁石2の横断
面図で、高周波コイル6と傾斜磁場コイル3,4,5と
超電導磁石2の位置関係を示している。傾斜磁場コイル
3,4,5は傾斜磁場コイル支持体9に配設されてお
り、図2では見ることができない。超電導磁石2は、例
えば直径90cmの内径を有しており、被検者1が配置
される検査対象空間の直径40cmの球体で例えば10
ppm程度の均一な磁場を発生している。超電導磁石2
の内筒部材の内面に高周波遮蔽体であるファラデーシー
ルド21が組み込まれる。ファラデーシールド21は内
筒部材の内壁面に、例えば貼付けにより、取り付けられ
る。また、このファラデーシールド21は接地電位に保
持される。ファラデーシールド21の内側空間に傾斜磁
場コイル支持体9が同芯状に設置されている。傾斜磁場
コイル支持体9は例えば直径70cmのFRP材で作ら
れており、X,Y,Zの傾斜磁場コイル3,4,5がそ
れぞれ所定位置に巻設されている。また各傾斜磁場コイ
ル3,4,5とファラデーシールド21との間には、例
えば共鳴周波数21MHzでのインピーダンスが低くな
るように例えば容量値0.1μFのコンデンサ素子22
が複数個接続されている。傾斜磁場コイル支持体9の内
側空間には、更に例えば直径60cmの高周波コイル6
が同芯状に組み込まれている。インピーダンスは、50
Ω以下になることが望ましい。高周波コイル6に高周波
電力を印加した時に発生する高周波磁束は、図の破線で
示すようになる。すなわち、高周波磁束の分布について
見ると、高周波磁場は傾斜磁場コイル支持体9を透過
し、傾斜磁場コイルが存在しない場合とほぼ同じ磁束分
布が形成される。
【0025】ここで、一例としてX軸方向の傾斜磁場コ
イル3(Y軸とZ軸の場合も同様)の等価回路を図3に
示す。傾斜磁場コイル3は、複数のコンデンサ素子22
によってn等分され、L1,L2,…,Lnとなる。分
割されたインダクタンスの間には、コンデンサ素子22
が、接地点との間にそれぞれ接続されている。図より明
らかなように、端子23,24から見ると、傾斜磁場コ
イル3は低域通過濾波回路を形成している。傾斜磁場の
動作波形はおよそ1KHzの矩形波であり、第5次の高
調波成分までを考慮すれば充分であるので、低域通過濾
波回路としての傾斜磁場コイル3は5KHzまでを通過
させればよいように設計されている。一方、共鳴周波数
は21MHzであり、この共鳴周波数における傾斜磁場
コイルのインピーダンスはコンデンサ素子の値でほぼ決
められる0.5Ω程度となり、接地電位に限りなく等し
く、雑音誘起の問題が生じない。
【0026】上記の如く構成すれば、傾斜磁場コイルの
直径が90cmと同様の高周波磁場均一度を有する装置
を、70cmの直径を有する傾斜磁場コイルで実現する
ことができ、且つ雑音の混入がないS/N比の高い画像
を得ることができる。
【0027】次に、コンデンサ素子22を実現する具体
的構成の例を説明する。図4は、コンデンサ素子22を
形成する部材の斜視図である。以下、これをコンデンサ
部材22とする。コンデンサ部材22は、2枚の銅円板
22aと、これらの銅円板22aの間に挟まれた円板状
誘電体22bとから構成される。このコンデンサ部材2
2の容量はおよそ1μFに設定される。一方の銅円板2
2aにはタッピング処理が施されネジ孔22cが形成さ
れ、他方の銅円板22aにはネジ部材22dが埋設され
ている。
【0028】図5は、傾斜磁場コイル5とファラデーシ
ールド21との間に前記コンデンサ部材22を複数配設
した構造を示す横断面図である。図5において、9は傾
斜磁場コイル支持体、5はZ軸方向の傾斜磁場コイル、
21はファラデーシールドである。上記のコンデンサ部
材22は、傾斜磁場コイル5とファラデーシールド21
との間であって、傾斜磁場コイル5の周囲に複数配設さ
れる。各コンデンサ部材22は、そのネジ部材22dを
用いて傾斜磁場コイル5に固定される。傾斜磁場コイル
5の周囲には例えば30度の間隔で12個のコンデンサ
部材22が固定される。取付けられた複数のコンデンサ
部材22の外側の他方の端部には、ファラデーシールド
21が配置され、各コンデンサ部材22のネジ孔22c
とネジ25とによりファラデーシールド21が固定され
ている。
【0029】上記の実施例では、Z軸方向の傾斜磁場コ
イル5についてのみ説明したが、X軸方向又はY軸方向
の傾斜磁場コイル3,4についても同様に構成される。
以上の如く、各傾斜磁場コイルとファラデーシールド2
1との間に容量を持たせることができ、この構成によっ
て、各傾斜磁場コイル3,4,5のインピーダンスをフ
ァラデーシールドの設置インピーダンスに近づけること
ができる。
【0030】図6及び図7は、コンデンサ素子22を実
現する他の具体的構成の例を説明する。図6は超電導磁
石2、傾斜磁場コイル支持体9、Z軸用傾斜磁場コイル
5、の横断面を示している。図6において、傾斜磁場コ
イル5の周囲に、図7に示す形態のハニカム構造を有し
たベルト部材26を巻き付けている。このベルト部材2
6は、銅又はアルミニウム等の導電性部材を用いて形成
される。かかる巻き付け状態にあるベルト部材26の周
囲には、更に例えばテフロンで形成されたリボン27を
巻き付ける。一方、超電導磁石2の内壁には、前述の通
り、ファラデーシールド21を張り付けて設けている。
こうして、ファラデーシールド21を内面に取り付けた
超電導磁石2の内部空間に、前述の如くベルト部材26
とリボン27を備えた傾斜磁場コイルの支持体9を挿
入、設置する。かかる構成により、テフロンのリボン2
7を誘電体とし、ベルト部材26とファラデーシールド
21のそれぞれを電極としたコンデンサ素子22を実現
することができる。上記では、Z軸用傾斜磁場コイル5
について説明したが、X軸及びY軸の各傾斜磁場コイル
3,4についても同様に構成される。本実施例によるコ
ンデンサ素子22では、容量を、傾斜磁場コイルの全体
に均等に分布させることができ、これにより各傾斜磁場
コイルのインピーダンスを、より理想的に制御すること
ができる。
【0031】図8は、Z軸方向の傾斜磁場を発生する傾
斜磁場コイル5と高周波コイル6を組み合わせた構造の
実施例を示す。この実施例では、高周波コイル6の外周
には誘電体として作用するテフロンリング30が取り付
けられ、更にテフロンリング30の周囲外側に傾斜磁場
コイル5が巻き付けられる。かかる構造を有する高周波
コイル6は、被検者として人体を用いたときに人体によ
る誘電体損失の影響を最小限にするために、Alderman等
により提案されたコイルである(「アルダーマン形コイ
ル」と呼ばれる)。このコイルについては、特開平1−
254155号公報に詳述されている。
【0032】ここで、図10及び図11を用いて上記ア
ルダーマン形コイルを概説する。図10は斜視図、図1
1はその等価回路を表す図である。各図において、31
及び32はアーム、33〜40はウイング、41〜44
はコンデンサ素子、45及び46はガードリングであ
る。上記において、アーム31,32とウイング33〜
40はインダクティブ素子として、ウイング33〜40
とガードリング45,46の間の容量とコンデンサ素子
41〜44をキャパシティブ素子として、両者によって
共振回路が形成される。図10の構造では、ガードリン
グ45,46がウイング33〜40の内側に配置されて
いるが、ガードリングはウイングの外側、又は内側及び
外側に配置することができる。図8で示した前記構造
は、ガードリングをウイングの外側に配置した構造に相
当する図8に示した構造を有する高周波コイル6の等価
回路を示すと、図9の回路のようになる。4個のコンデ
ンサ47は、高周波コイル6と傾斜磁場コイル5によっ
て形成される静電容量である。接地電位ポイント48,
49は、傾斜磁場コイル5により実現される。テフロン
リング30は誘電体として働き、その厚さと表面積と誘
電率でコンデンサ47の容量値を制御することができ
る。
【0033】本実施例によれば、コンデンサ47の容量
値を変えることで、高周波コイル6に、共鳴信号の周波
数に対応する共振特性を持たせることができる。また、
高周波コイル6に最も接近している傾斜磁場コイル5
を、高周波コイル6のガードリングとして用いているの
で、外部の影響を受けることがなく、高周波コイル6の
Q特性を向上することができる。更に、高周波コイル6
が発生する磁束は、外部の導体の影響を受けることな
く、本来の均一性を確保することができる。
【0034】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、高周波遮蔽体を傾斜磁場コイルの外側のできるだ
け遠い位置に配置し、傾斜磁場コイル支持体は高周波磁
場を透過させるようにしたため、高周波磁場の均一性を
向上させることができる。これにより傾斜磁場コイル支
持体と高周波コイル支持体とは近接して配設することが
可能となり、また傾斜磁場を発生するコイルの形状を小
さくすることが可能となり、更に磁気共鳴検査装置にお
いて画質の向上と電源の効率を向上し、且つコンパクト
な装置により設置性の高い装置を構成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気共鳴検査装置の実施例を示す
構成図である。
【図2】磁気共鳴検査装置の静磁場発生用磁石の中央部
の周辺構造の横断面図である。
【図3】傾斜磁場コイルの等価回路を示す回路図であ
る。
【図4】コンデンサ素子の第1の実施例を示す斜視図で
ある
【図5】前記第1実施例のコンデンサ素子を用いた傾斜
磁場コイルと高周波遮蔽体との組み付け構造を示す断面
図である。
【図6】コンデンサ素子の第2の実施例を示す横断面図
である。
【図7】ハニカム構造のベルト部材の一部を示す斜視図
である。
【図8】傾斜磁場の全部が高周波コイルの構成要素とし
て利用された実施例を示す斜視図である。
【図9】図8の構成を等価回路で表した回路図である。
【図10】アルダーマン形コイルを説明するための当該
コイルの斜視図である。
【図11】図10のコイルを概念的に示した線図であ
る。
【図12】磁気共鳴検査装置を説明するための構成図で
ある。
【図13】磁気共鳴検査装置の動作を説明するためのシ
ーケンス図である。
【図14】従来の問題点を説明するための静磁場発生用
磁石の中央部周辺構造を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 被検者 2 静磁場発生用磁石(超電導磁石) 3 傾斜磁場コイル(X) 4 傾斜磁場コイル(Y) 5 傾斜磁場コイル(Z) 6 高周波コイル 7 寝台 9 傾斜磁場コイル支持体 18 制御装置 19 計算機 21 ファラデーシールド(高周波遮蔽体) 21 コンデンサ素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部空間を有し、この内部空間に静磁場を
    発生する磁石と、前記内部空間に配設され、三つの軸方
    向に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイルと、検査対象に
    対して励起用高周波磁場を与える高周波コイルと、前記
    検査対象からの磁気共鳴信号を検出する信号検出手段
    と、前記信号検出手段からの検出信号を入力し、演算を
    行う計算手段と、この計算手段による演算結果を出力す
    る出力手段を有する磁気共鳴検査装置において、 前記高周波コイルの外側に前記傾斜磁場コイルを配置
    し、更にこの傾斜磁場コイルの外側であって、前記磁石
    の内側に高周波遮蔽体を配置して高周波遮蔽体と高周波
    コイルとの間に、傾斜磁場コイルを配置し、前記傾斜磁
    場コイルの支持体は前記高周波磁場を透過させる構造を
    有することを特徴とする磁気共鳴検査装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気共鳴検査装置におい
    て、前記高周波遮蔽体は、前記磁石と接して配置される
    ことを特徴とする磁気共鳴検査装置。
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