JP3474159B2 - 糸に含まれる明暗部の検出方法及び装置 - Google Patents

糸に含まれる明暗部の検出方法及び装置

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JP3474159B2 JP2000269493A JP2000269493A JP3474159B2 JP 3474159 B2 JP3474159 B2 JP 3474159B2 JP 2000269493 A JP2000269493 A JP 2000269493A JP 2000269493 A JP2000269493 A JP 2000269493A JP 3474159 B2 JP3474159 B2 JP 3474159B2
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    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01HSPINNING OR TWISTING
    • D01H13/00Other common constructional features, details or accessories
    • D01H13/26Arrangements facilitating the inspection or testing of yarns or the like in connection with spinning or twisting
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B11/00Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques
    • G01B11/24Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring contours or curvatures
    • G01B11/2433Measuring arrangements characterised by the use of optical techniques for measuring contours or curvatures for measuring outlines by shadow casting

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸に含まれる夾雑
物により構成される明暗部を検出するための方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紡績工程において、梱包された原
綿を開梱する際に、原綿中にシート状の梱包材が混入し
たり、原綿を混打綿工程に移す際に、作業者が着用又は
保持する手袋やハンカチのような編織物が原綿中に混入
してしまう場合がある。
【0003】原綿に混入した異物は、混打綿工程におけ
るスパイク・ビータ等により原綿の解舒と混綿作用の繰
り返しや、カーディング工程における針布等によるコー
ミングに伴い、引き裂き分断されて繊維状に解舒され、
夾雑物として原綿素材中に混入拡散される。
【0004】例えば、原綿に混入した異物がポリプロピ
レン等の延伸プラスチックフィルム素材等のプラスチッ
クシートから成る場合、フィルムの延伸方向に引き裂か
れた長短繊維が原綿素材中に混入拡散される。また、異
物が合成繊維等の特殊綿糸から成る場合、解舒された異
種繊維が原綿素材中に混入拡散される。
【0005】このような異物としての不純物を含む原綿
素材は、そのままコーミング工程及びドローイング工程
を経てスライバーとされ、スピニング工程を経て紡績さ
れているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このような工
程を経て製造された紡績糸は、糸中に含まれた不純物が
夾雑物として現れるため、この紡績糸を編織して提供さ
れる編織物に致命的な欠陥を有することになる。即ち、
織物の場合、経糸又は緯糸が規則的又は不規則的に前記
夾雑物を含むため、該織物を染色した際に、夾雑物を含
む部分とそうでない部分との間に染色むらを生じ、所謂
霜降り状の欠陥模様を呈してしまうことになる。
【0007】例えば、糸に含まれる夾雑物が前述のよう
なポリプロピレン等のプラスチック繊維である場合は、
その部分が染色されない。また、夾雑物が原綿と異なる
素材の特殊綿糸の繊維である場合は、その部分と他の部
分の染色度合いに差を生じてしまう。
【0008】ところで、糸に含まれる夾雑物は、上述の
ような原綿素材に対する異物の混入が原因であるから、
原綿素材とは異なる何らかの色彩を有している。例え
ば、原綿の梱包シートや、作業者のハンカチ等は、製品
とされる段階で着色又は染色されている。また、染色さ
れていない白いハンカチ等であっても、原綿素材に混入
する前に汚れ等により黒ずんでいる。更に、糸とそこに
含まれる夾雑物が肉眼により判別できないような場合で
あっても、素材が異なるため、少なくとも糸の表面と夾
雑物の間において光の反射率を相違している。従って、
このような夾雑物は「糸に含まれる明暗部」と定義する
ことが可能である。
【0009】そこで、従来、光学的手段を用いることに
より、糸に含まれる明暗部を検出することが試みられて
いるが、公知のように紡績糸は太さに関する糸むらを有
しているため、糸むらの影響を受けないで糸に含まれる
明暗部だけを検出しなければならず、この点の課題を如
何にして解決するかが糸に含まれる明暗部の検出方法に
おいて最も重要である。この点に関して、従来提案され
ている検出装置は、特殊な高価な構造を必要としたり、
センサーからの出力信号を処理するための複雑な処理方
法を必要としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、糸の走行通路
に対して光を照射し、糸の表面から反射する糸反射光を
形成せしめると共に、糸の背景を構成する反射壁から反
射する散乱反射光を形成せしめたとき、通路の内部にお
いて糸反射光と散乱反射光の光束密度(照度)が必ずし
も常に均等ではなく、通路における特定の場所で光を受
けると、糸反射光よりも散乱反射光の照度が勝り、通路
における別の特定の場所で光を受けると、反対に、糸反
射光よりも散乱反射光の照度が劣ることを見出した。こ
のような糸反射光と散乱反射光の光束密度の優劣の関係
は、光源と糸と反射壁の三者の相互位置に対して、場所
を特定することにより決定される。例えば、糸の表面の
うち反射壁の反射光を含む多量の光を受ける部分は明る
く、糸の背後の散乱反射光よりも照度が高いのに対し
て、糸の表面のうち比較的少量の光を受ける部分は相対
的に暗く、糸の背後の散乱反射光よりも照度が低い。
【0011】従って、光の照度を検出する二つのセンサ
ーを前述のような二つの特定場所に配置すれば、第一の
センサーは、糸の太むら部分が来ると出力信号を高め、
糸の細むら部分が来ると出力信号を低下し、反対に、第
二のセンサーは、糸の太むら部分が来ると出力信号を低
下し、糸の細むら部分が来ると出力信号を高めるように
構成することが可能である。即ち、糸むらに依存する二
つのセンサーの出力信号の高低を逆相の関係に構成する
ことができる。このため、例えば、二つのセンサーの出
力信号の和をとると、二つの信号の高低差は相殺される
ので、糸むらに依存しない検出信号を得ることが可能に
なる。
【0012】これに対して、糸に含まれる夾雑物による
明暗部は、糸の表面における光反射率を顕著に変化す
る。例えば、光の場の中に糸の暗部が来ると、糸反射光
それ自体が失われ又は光束密度が顕著に減じるので、二
つのセンサーの何れもが出力信号を低下する。反対に、
光の場の中に明部が来ると、光反射光が増加するので、
二つのセンサーの何れもが出力信号を増大する。従っ
て、糸の明暗部に対する二つのセンサーの出力信号の高
低は、常に同相の関係にあるので、これにより糸に含ま
れる明暗部の有無を検出することが可能になる。
【0013】その結果、簡単で安価な構造と、簡単な信
号処理方法により、糸むらの影響を受けないで糸に含ま
れる明暗部だけを検出する方法と装置を提供することが
可能になる。
【0014】そこで、本発明が提供する糸に含まれる明
暗部の検出方法は、連続走行する糸の一部に光を照射
し、糸の表面から反射する糸反射光を形成せしめると共
に、糸の背景を構成する反射壁から反射する散乱反射光
を形成せしめる工程と、散乱反射光と糸反射光の光束密
度を、それぞれ、Φ1(0)、Φy1としたとき、Φ
1(0)<Φy1となる光束B1を受取る場所又は姿勢
の下に配置された第一センサーSにより、該光束B
照度に対応する第一信号を出力せしめる工程と、散乱
反射光と糸反射光の光束密度を、それぞれ、
Φ2(0)、Φy2としたとき、Φ2(0)>Φy2
なる光束B2を受取る場所又は姿勢の下に配置された第
二センサーSにより、該光束B 照度に対応する第
二信号を出力せしめる工程と、第一センサーSと第二
センサーSから同時に出力される第一信号と第二信号
を比較し、両信号の値の変化が逆相の関係にあるときは
明暗部が無しと判定し、両信号の値の変化が同相の関係
にあるときは明暗部が有りと判定することにより、糸の
太細の影響を受けないで糸に含まれる明暗部の有無を検
出する工程とから成る。
【0015】また、本発明が提供する糸に含まれる明暗
部の検出装置は、連続走行する糸を通過せしめる通路
と、糸を含む通路の内部に光を照射する光源と、照射さ
れた光を反射せしめるように通路に設けた反射壁と、反
射壁からの散乱反射光と糸の表面からの糸反射光を同時
に受取ることにより照度信号を出力する第一センサー及
び第二センサーとを備え、前記第一センサーS1 に入射
される散乱反射光と糸反射光の光束密度を、それぞれ、
Φ1(0)、Φy1としたとき、Φ1(0)<Φy1となるように、
光源及び反射壁に対する第一センサーS1 の設置場所又
は設置姿勢が決定されており、前記第二センサーS2
入射される散乱反射光と糸反射光の光束密度を、それぞ
れ、Φ2(0)、Φy2としたとき、Φ2(0)>Φy2となるよう
に、光源及び反射壁に対する第二センサーS2 の設置場
所又は設置姿勢が決定されており、第一センサーS1
第二センサーS2 から出力される第一信号と第二信号を
比較し、両信号の値の変化が逆相の関係にあるときは明
暗部が無しと判定し、両信号の値の変化が同相の関係に
あるときは明暗部が有りと判定することにより、糸の太
細の影響を受けないで糸に含まれる明暗部の有無を検出
する検出手段を構成して成る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の好ま
しい実施形態を詳述する。
【0017】図1(A)は、本発明に基づく装置の要部
を示している。糸1は、上述したような夾雑物を含んで
いる。検査対象とされる糸1は、ロービング工程で粗紡
ボビンに巻き取られる粗糸であっても良く、或いは、該
粗糸をドラフトすると共に撚りを与えるスピニング工程
で木管に巻き取られる紡績糸であっても良い。そこで、
このようなロービング工程における巻き取り及び/又は
スピニング工程における巻き取りに際して糸が走行され
ている最中に、又はこれらの工程後に糸をワインダ又は
ボビンに巻き取ることにより走行せしめている最中に、
糸中の夾雑物の有無を検査される。
【0018】検査のための装置は、連続走行する糸1を
通過せしめるスロット状の通路2を形成する固定部材3
を有している。図例の場合、固定部材3は、対向して配
置されたほぼ平行な第一壁4及び第二壁5と、これに交
差して両壁4、5を連結する第三壁6とから構成され、
これらの壁4、5、6により三方を囲まれた空間により
通路2を形成しているが、必ずしもこのような形状には
限定されない。
【0019】糸1を含む通路2の内部に向けて光を照射
する光源7が設けられている。光源7は、発光ダイオー
ドその他により構成することができる。固定部材3をプ
ラスチックにより形成する場合、光源7を固定部材3の
壁4、5、6の何れかの壁に埋入せしめることにより、
装置を全体としてコンパクトに構成できるが、光源7を
固定部材3の外部に設けても良い。また、光源7は、1
個所に設ければ足りるが、複数個所に設けても良い。
【0020】通路2に臨む固定部材3の壁4、5、6
は、光源7から照射された光を反射せしめる反射壁8を
形成する。固定部材3を乳白色のプラスチックで成形す
ることにより、全ての壁4、5、6に白色の反射壁を形
成せしめることが好ましいが、図面では、説明を簡単に
するため、第二壁5の表面を反射壁8とし、第一壁4に
設けた光源7から反射壁8に対向して光を照射する構成
を例示している。
【0021】光源7から通路2の内部に向けて光を照射
すると、反射壁8からの反射光(散乱反射光という)
と、糸1の表面からの反射光(糸反射光という)が生じ
る。そこで、このような散乱反射光と糸反射光を同時に
受け取ることにより照度に対応する信号を出力する第一
センサーS1 と第二センサーS2 の二つのセンサーが設
けられている。このようなセンサーは、フォトトランジ
スタその他により構成することができ、固定部材3をプ
ラスチックにより形成する場合、壁4、5、6の所望の
個所に埋入せしめることにより、装置を全体としてコン
パクトに構成することができる。図面では、説明を理解
し易くするため、第一センサーS1 を第三壁6に設け、
第二センサーS2 を第一壁4に設けた構成を例示してい
る。
【0022】実際には、光源7から照射された光は、糸
1の表面と反射壁8の表面で反射するだけでなく、更
に、第一壁4と第三壁6の表面でも反射し、通路2の内
部で散乱する。従って、通路2の内部には光束密度が一
様でない光の場が形成され、その中で直径D(t) を一様
としない糸1が走行される。
【0023】図1(B)に示すように、糸1の表面反射
率をρO とし、角度φ方向の光束密度をρO ・Φy(φ)
とし、図1(A)に示すように、第一センサーS1 に対
して角度θ1 で入射する光束B1 の光束密度をΦ1(θ)
とし、第二センサーS2 に対して角度θ2 で入射する光
束B2 の光束密度をΦ2(θ) とする。尚、両センサーS
1 及びS2 に対する糸1の背後(即ちθ=0)の光束密
度は、それぞれΦ1(0)及びΦ2(0)とする。
【0024】そこで、第一センサーS1 及び第二センサ
ーS2 の配置場所又は姿勢がそれぞれ糸1の中心に対し
て角度φ1 及びφ2 の方向にあるとすると、各センサー
1、S2 に入射する光束B1 、B2 は、それぞれ、図
1(C)に示す式1及び式2により表される。
【0025】式1におけるρO ・Φy(φ1)及び式2にお
けるρO ・Φy(φ2)は、糸1の表面から反射して第一セ
ンサーS1 及び第二センサーS2 に入射される糸反射光
であり、センサーに対する入射量は、糸の直径D(t)
太くなると増大し、細くなると減少する。一方、式1に
おけるΦ1(0)及び式2におけるΦ2(0)は、糸の背後から
糸の周面を通過して第一センサーS1 及び第二センサー
2 に入射される散乱反射光であり、センサーに対する
入射量は、糸の直径D(t) が太くなると減少し、細くな
ると増大する。そこで、糸反射光(説明の便宜上、Φy1
及びΦy2に置き換える))と糸の背後の散乱反射光(前
述のΦ1(0)及びΦ2(0))は、通常必ずΦ 1(0)≠Φy1かつ
Φ2(0)≠Φy2とされているから、光束B1 及びB2 の何
れも、糸の直径D(t) に依存することになる。このた
め、式1及び式2の何れにおいても、散乱反射光(Φ
1(0)、Φ2(0))と糸反射光(Φy1、Φy2)の差、即ち、
Φ(y)−Φ(0) の値は、正(Φ(y) >Φ(0) )又は負
(Φ(y) <Φ(0) )となる。
【0026】この点に関して、前述のΦ(y) −Φ(0)
値が、第一センサーS1 及び第二センサーS2 にそれぞ
れ入射される光束B1 及びB2 の何れにおいても正、又
は、何れにおいても負とされる場合は、糸の直径D(t)
に対する光束B1 及びB2 の依存関係は同相となる。従
って、光束B1 及びB2 の何れにおいても正とされる場
合は、糸の直径D(t) が増大すると、二つのセンサーS
1 及びS2 の出力信号は同時に増加する。反対に、光束
1 及びB2 の何れにおいても負とされる場合は、糸の
直径D(t) が減少すると、二つのセンサーS1 及びS2
の出力信号は同時に低下する。このため、センサーS1
及びS2 の出力信号を分析しても、信号の値の変化が糸
の直径D(t) に基づくものか或いは糸に含まれる明暗部
に基づくものかを判定することができない。
【0027】これに対して、本発明は、光の場が形成さ
れた通路2の内部において、前述のΦ(y) −Φ(0) の値
について、正(Φ1(0)<Φy1)となる光束B1 が形成さ
れる場所と、負(Φ2(0)>Φy2)となる光束B2 が形成
される場所を選択し、これらの光束B1 とB2 をそれぞ
れ受け取るような場所に第一センサーS1 と第二センサ
ーS2 を配置している。従って、糸の直径D(t) に対す
る光束B1 及びB2 の依存関係は逆相となる。即ち、糸
の直径D(t) が増大すると、光束B1 は増大するので第
一センサーS1 の出力信号が増加し、光束B2 は減じる
ので第二センサーS2 の出力信号が低下する。反対に、
糸の直径D(t) が減少すると、光束B1は減じるので第
一センサーS1 の出力信号が低下し、光束B2 は増大す
るので第二センサーS2 の出力信号が増加する。
【0028】このような糸の直径D(t) に対する依存関
係が逆相となる光束B1 及びB2 は、糸1に対する光源
7と、反射壁8と、二つのセンサーS1 及びS2 との相
互の配置関係により形成することができる。図1(A)
に例示した構成の場合、糸1を挟んで光源7と反射壁8
を対向配置し、第一センサーS1 を光の照射方向に交差
する方向に臨ましめる一方、第二センサーS2 を反射壁
8に対面して臨ましめている。従って、光束B1 におい
ては、糸反射光Φy1が通路2の内部における多量の散乱
光の反射により形成されるに対して、糸の背後の散乱反
射光Φ1(0)は通路2の横向き開口部から光漏れを生じて
いるので、正の条件(Φ1(0)<Φy1)を形成する。一
方、光束B2 においては、糸反射光Φy2が主として光源
7から直接に照射された光により構成されるのに対し
て、糸の背後の散乱反射光Φ2(0)は三方の壁4、5、6
を繰り返して反射した多量の散乱光から構成されている
ので、負の条件(Φ2(0)>Φy2)を形成する。
【0029】その他、糸の直径D(t) に対する依存関係
が逆相となるような二つの光束B1及びB2 を形成する
ためには、例えば、反射壁8の反射面を湾曲せしめた
り、反射面の反射率を部分的に相違せしめたり、或い
は、二つのセンサーS1 及びS2の設定角度を調整し姿
勢を決定する等、それぞれの光束B1 及びB2 に加えら
れる散乱反射光Φ1(0)、Φ2(0)の光束密度を調整する手
段を用いることにより達成できる。
【0030】図2(A)は、糸のむらによる直径D(t)
の変化を波形で示しており、むらの中に「太部」と「細
部」が現れている。図2(B)は、糸の表面を反射する
糸反射光の変化を波形で示しており、糸の表面積に依存
すると共に、「太部」と「細部」に対応している。尚、
糸に含まれる夾雑物が着色物である場合、「暗部」で示
すように糸反射光を顕著に低下する。
【0031】糸に夾雑物(図2(B)の「暗部」)が含
まれていない場合について説明すると、光束B1 の照度
に対応して第一センサーS1 から出力される信号(第一
信号という)は、図2(C)に一点鎖線で示すように、
糸のむらに正比例する波形を表し、「太部」に対応する
「出力高」の部分と「細部」に対応する「出力低」の部
分を含んでいる。一方、光束B2 の照度に対応して第二
センサーS2 から出力される信号(第二信号という)
は、図2(D)に一点鎖線で示すように、糸のむらに反
比例する波形を表し、「太部」に対応する「出力低」の
部分と「細部」に対応する「出力高」の部分を含んでい
る。このように、第一信号と第二信号の波形の変化が糸
の直径D(t) に依存したものである場合、その変化は相
互に逆相の関係にある。従って、両信号の波形の変化が
逆相の関係にある限りは、糸に「明暗部は無し」と判定
すれば良い。例えば、図2(E)に示すように、第一信
号と第二信号の和をとれば、二つの信号の波形により表
される値が相殺されるので、糸の直径D(t) に依存しな
い信号を形成することができる。この際、第一信号と第
二信号の波形の形状が図例のような正確な線対称に表れ
ないときは、小さい波形となる方の信号を増幅すれば良
い。
【0032】これに対して、糸に夾雑物(図2(B)の
「暗部」)が含まれている場合について説明すると、図
2(B)に示すように「暗部」では糸反射光が顕著に低
下する。従って、第一センサーS1 の第一信号と第二セ
ンサーS2 の第二信号は、何れも、出力を低下し、図2
(C)及び図2(D)に実線で示すような「出力低」の
部分を表す。尚、図示省略しているが、糸に含まれる夾
雑物が反射率の高いものである場合は「明部」を構成す
るから、前記とは反対に、第一信号と第二信号は何れも
出力を上昇する。このように、第一信号と第二信号の波
形の変化が糸の明暗部に依存したものである場合、その
変化は相互に同相の関係にある。従って、両信号の波形
の変化が逆相から同相に変化したとき、糸に「明暗部が
有り」と判定すれば良い。前述した図2(E)に示すよ
うに第一信号と第二信号の和をとる場合は、第一信号と
第二信号の「出力低」の和として、図2(E)に示すよ
うな顕著な波形による「検出部」が表される。これによ
り、糸の直径D(t) の影響を受けないで糸に含まれる
「明暗部」の検出が行われる。
【0033】或いは、第一信号と第二信号の和をとらな
くても、両信号の波形の変化が逆相の関係を維持してい
るかどうかをチェックすることにより、糸の直径D(t)
に依存しないで「明暗部」の検出を行うことが可能にな
る。例えば、第一信号と第二信号のそれぞれに関してプ
ラス側(出力高側)とマイナス側(出力低側)の基準感
度レベル設定し、一方の信号がプラス側(又はマイナス
側)で基準感度レベルを越える場合でも、他方の信号が
マイナス側(又はプラス側)で基準感度レベルを越えて
いるときは、糸の直径D(t) に依存した信号であると判
定し、両方の信号が何れもプラス側又はマイナス側の同
じ側で基準感度レベルを越えるときだけ「明暗部が有
り」と判定するようなAND回路を構成しても良い。
【0034】第一信号と第二信号の値の変化が逆相の関
係にあるときは明暗部が無しと判定し、両信号の値の変
化が同相の関係にあるときは明暗部が有りと判定するた
めの手段は、公知の電子回路を利用することにより、種
々構成することができるが、例えば、上述の例のように
第一信号と第二信号の和により検出信号を形成する場合
は、該検出信号を増幅器を経てレベル比較回路に入力す
ることにより、該レベル比較回路に設定した所定感度レ
ベルを越えるピーク波形を検出すれば良い。このような
レベル比較回路は、電気容量式のセンサーを用いて走行
中の糸の糸むらを検査する公知のクリアラに設けられて
いるから、本発明は、光源7と二つのセンサーS1 及び
2 を備えた固定部材3の通路2を糸の走行路に配置
し、センサーS1 及びS2 からの第一信号と第二信号を
既設のクリアラのレベル比較回路に入力せしめるだけ
で、極めて容易に実施できる。尚、夾雑物の存在が検出
されたときは、レベル比較回路から警告信号を出力して
カットトリガ信号発生回路を起動し、カットトリガ信号
をカッター駆動回路に入力することによりカッター手段
を作動させ、糸を自動的に切断することにより、前記夾
雑物を含む糸の部分を除去することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、糸に含まれる夾雑物に
より構成される明暗部を検出するに際して、糸の太細の
影響を受けないで明暗部の有無を検出できる効果があ
り、特に、構造が簡単で安価に提供することができ、し
かも、検出のための信号処理が簡単なため実施化が容易
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による検出方法を示しており、(A)は
本発明装置と糸の関係を示す説明図、(B)は糸の反射
光とセンサーの関係を示す説明図、(C)は二つの光束
密度を示す数式である。
【図2】本発明による検出方法の理論を示しており、
(A)は糸の直径変化を示す波形図、(B)は糸反射光
の変化を示す波形図、(C)は第一センサーから出力さ
れる第一信号を示す波形図、(D)は第二センサーから
出力される第二信号を示す波形図、(E)は第一信号と
第二信号に基づく検出信号を示す波形図である。
【符号の説明】
1 糸 2 通路 3 固定部材 4、5、6 壁 7 光源 8 反射壁 S1 、S2 センサー B1 、B2 光束
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958 D01H 13/26 G01N 33/36 G01B 11/00 - 11/30 102 G06T 1/00 300

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続走行する糸の一部に光を照射し、糸
    の表面から反射する糸反射光を形成せしめると共に、糸
    の背景を構成する反射壁から反射する散乱反射光を形成
    せしめる工程と、 散乱反射光と糸反射光の光束密度を、それぞれ、Φ
    1(0)、Φy1としたとき、Φ1(0)<Φy1とな
    光束B1を受取る場所又は姿勢の下に配置された第一
    センサーSにより、該光束B 照度に対応する第一
    信号を出力せしめる工程と、 散乱反射光と糸反射光の光束密度を、それぞれ、Φ
    2(0)、Φy2としたとき、Φ2(0)>Φy2とな
    光束B2を受取る場所又は姿勢の下に配置された第二
    センサーSにより、該光束B 照度に対応する第二
    信号を出力せしめる工程と、 第一センサーSと第二センサーSから同時に出力さ
    れる第一信号と第二信号を比較し、両信号の値の変化が
    逆相の関係にあるときは明暗部が無しと判定し、両信号
    の値の変化が同相の関係にあるときは明暗部が有りと判
    定することにより、糸の太細の影響を受けないで糸に含
    まれる明暗部の有無を検出する工程とから成ることを特
    徴とする糸に含まれる明暗部の検出方法。
  2. 【請求項2】 連続走行する糸を通過せしめる通路と、
    糸を含む通路の内部に光を照射する光源と、照射された
    光を反射せしめるように通路に設けた反射壁と、反射壁
    からの散乱反射光と糸の表面からの糸反射光を同時に受
    取ることにより照度信号を出力する第一センサー及び第
    二センサーとを備え、 前記第一センサーSに入射される散乱反射光と糸反射
    光の光束密度を、それぞれ、Φ1(0)、Φy1とした
    とき、Φ1(0)<Φy1となるように、光源及び反射
    壁に対する第一センサーSの設置場所又は設置姿勢が
    決定されており、 前記第二センサーSに入射される散乱反射光と糸反射
    光の光束密度を、それぞれ、Φ2(0)、Φy2とした
    とき、Φ2(0)>Φy2となるように、光源及び反射
    壁に対する第二センサーSの設置場所又は設置姿勢が
    決定されており、 第一センサーSと第二センサーSから出力される第
    一信号と第二信号を比較し、両信号の値の変化が逆相の
    関係にあるときは明暗部が無しと判定し、両信号の値の
    変化が同相の関係にあるときは明暗部が有りと判定する
    ことにより、糸の太細の影響を受けないで糸に含まれる
    明暗部の有無を検出する検出手段を構成して成ることを
    特徴とする糸に含まれる明暗部の検出装置。
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