JP2023524779A - ラッパー繊維と粗繊維によって互いに結び付けられた平行繊維からのコアを含む、結束紡績糸の構造的欠陥を検出する方法、同方法を実行するための装置、同装置用のコンピュータプログラム、および同コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読媒体 - Google Patents

ラッパー繊維と粗繊維によって互いに結び付けられた平行繊維からのコアを含む、結束紡績糸の構造的欠陥を検出する方法、同方法を実行するための装置、同装置用のコンピュータプログラム、および同コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読媒体 Download PDF

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Abstract

本発明は、平行繊維によって形成されたコアを備え、コアが、ラッパー繊維と粗繊維とを備える繊維のラッピング層によって互いに結び付けられている、結束紡績糸の構造的欠陥を検出する方法であって、移動する糸画像が、少なくとも1つの光学式糸センサによって糸の長さの少なくとも一部で取り込まれ、光学式糸センサは、少なくとも1列の放射感応素子と少なくとも1つの放射源とを備え、光学式センサは、ソフトウェアを搭載した電子機器に接続され、取り込まれた糸画像をデジタル画像解析法により処理し、糸の表面構造に関するデータを取得し、取得されたデータから、糸の長さに沿った糸の表面構造の変化を評価し、糸の表面構造のこれらの変化が、これらの事前に設定された基準と比較され、糸の表面構造のこれらの変化が、事前に設定された基準を超える場合、糸の関連する場所が、糸の構造的欠陥の発生として決定される、方法に関するものである。また、本発明は、この方法を実行するための装置、コンピュータプログラム、およびコンピュータ可読媒体に関するものである。

Description

本発明は、ラッパー(包装)繊維および粗繊維によって互いに結び付けられた平行繊維からのコアを含む結束紡績糸の構造的欠陥を検出する方法に関するものである。
本発明はまた、結束紡績糸の構造的欠陥を検出するための装置に関するものである。
さらに、本発明は、結束紡績糸の構造的欠陥を検出する装置に、その製造、処理、または解析中に結束紡績糸の欠陥を検出させる命令を含むコンピュータプログラム(製品)に関するものである。
また、本発明は、このコンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読媒体に関するものである。
糸は、適切に構成された繊維スライバーを糸の形に変換するための適切な装置を備えた繊維機械で製造される。様々な方法および関連する糸製造装置が知られている。糸は、例えば、リング紡績機、ローター紡績機、ならびに特に最近かなりの進歩を遂げたエアジェット紡績機で製造される。
様々な種類の糸が知られており、個々の糸の特性および構造は、糸製造技術およびそれぞれの製造機械の設定によって決定され、影響を受ける。
製造される糸の種類の1つは、繊維のラッピング層によって互いに結び付けられた略平行な繊維の束からなるコアを含む結束紡績糸である。繊維のラッピング層は、糸コアを構成する平行繊維を圧縮し、それによって、直接接触している個々の糸繊維間の摩擦力を増加させる。この圧縮は、全体的な糸の強度にプラスの効果をもたらす。繊維のラッピング層には、ラッパー繊維と粗繊維が含まれている。ラッパー繊維は、比較的正確なピッチで螺旋状に比較的安定した方法で糸コアの周りに螺旋状に巻き付けられる。天然の繊維もまた、螺旋状に糸コアに巻き付けられているのは事実であるが、これらの螺旋は可変ピッチまたはおそらく可変の方向さえ有するか、または粗繊維の一部が糸コアに不完全に巻き付けられている。結束紡績糸コアの周りの粗繊維のこの不完全なラッピングは、基本的に2つの方法で糸構造全体に現れる。結束紡績糸コアの周りの粗繊維の不完全なラッピングの第1の現れは、結束紡績糸コアの周りに巻かれたその端部の2つの間のそのような粗繊維のたるみであり、つまり、そのような粗繊維の中央部は、結束紡績糸の表面のループまたは房を形成する。結束紡績糸コアの周りの粗繊維の不完全なラッピングの第2の現れは、糸コアの周りの粗繊維の端部の不完全なラッピングであり、そこではこの粗繊維の巻き付けられていない方の端部が糸コアから、ひいては糸自体から突出している。結束紡績糸の全体構造において、ラッパー繊維の端部、および場合によってはコア繊維の端部、すなわち糸コアを構成する平行繊維の端部も、結束紡績糸コアから突出している。結束紡績糸が形成される典型的な製造技術は、エアジェット紡績機での糸の製造であり、これは非常に効率的で経済的に有益である。ジェット紡績機で形成された結束紡績糸は「エアジェット糸」とも呼ばれ、ラッパー繊維と粗繊維が巻かれた平行繊維からのコアを含む、つまり、コアが繊維のラッピング層によって巻かれた上記の特異な構造を特徴とする。
昨今、様々な技術で製造された糸において、つまり、上記の結束紡績糸に限らず、糸の品質を評価する指標の1つは、糸の毛羽立ちの指標である。糸の毛羽立ちは、糸または平らな織物(布地、ジャージー布地、たて編み布地、フリース)から突出するか、または自由に移動できる複数の繊維端部または繊維ループによって特徴付けられる。したがって、糸の毛羽立ちの評価基準は、本質的に、糸に垂直な方向に突出する繊維の数、または繊維端部の糸からの測定される距離である。
例えばエアジェット紡績機による、結束紡績糸を製造する技術は、これまでに使用された糸製造技術(つまり、リング紡績およびローター紡績)では未知であった問題点および技術的課題ももたらす。結束紡績糸に関連するこれらの比較的最近の問題点の1つは、結束紡績糸の特定の構造上の欠陥を示す場所または長さ部分が結束紡績糸に偶発的に発生することであり、結束紡績糸のこれらの特定の構造上の欠陥は、一見して結束紡績糸には顕著ではないが、それらは、例えば、その特定の場所またはセクションにおける不十分な結束紡績糸の強度によって、および/またはその特定の場所またはセクションにおける結束紡績糸の不十分な外観によって、客観的に明らかにされ、そのような構造的欠陥の現れは、既に製造された結束紡績糸の後続の処理中、例えば、結束紡績糸の仕上げ中、または結束紡績糸からの繊維製品の製造(織り、編み)中にのみ主に検出される。場合によっては、これらの結束紡績糸の構造上の欠陥は、染色前または染色後の完成品にのみ現れ、例えば、完成した生地またはニットウェアでは、以前は人間の目には見えなかったこれらの欠陥が、目に見える生地またはニットウェアなどの特定の場所の違いになる。以下、これらの欠陥を「構造的欠陥」と呼ぶことにする。なぜなら、その起源は、結束紡績糸のある部分の構造変化にあるからである。
糸のこれらの構造的欠陥は、現在、例えばエアジェット紡績機での糸の製造において、従来のオンライン結束紡績糸品質管理方法では検出できず、さらに、結束紡績糸の製造中に結束紡績糸の品質を監視する非接触方法を使用してもまったく検出できない。一般的に、エアジェット紡績技術の使用者、すなわち結束紡績糸の製造者は、結束紡績糸の製造プロセスのパラメータを設定することにより、経験的な方法でこれらの構造的欠陥の発生を防止しようし、通常、糸の製造中にすでに設定が成功しているかどうかチェックすることは不可能であるが、これは、糸が製造された後のフィードバックで、例えば、実験室内での詳細な糸の試験によって、または後続の糸処理装置からの応答を受け取ることによってチェックできるものの、大量の結束紡績糸の実験室試験の高いコスト、または顧客に届けられる不十分な品質の結束紡績糸を潜在的に大量に製造する高いリスクによるによって非常に望ましくない。
糸形成のプロセスとその特定の構造がエアジェット紡績機に与える影響については、例えば、非特許文献1の博士論文で詳細に説明されており、https://dspace.tul.cz/handle/15240/26033で入手できる。この論文は、糸形成のプロセスを説明し、エアジェット紡績機の選択された技術的パラメータが糸の特性、特にエアジェット糸の強度に与える影響を調査し、そして何よりも、エアジェット糸の強度予測問題に光を当てることを目的としている。この論文では、エアジェット糸構造の解析に取り組み、平行な繊維の束としての糸コアの強度の計算、ならびに糸コアの周り螺旋状に巻かれた繊維の束としての繊維のラッピング層の強度の計算を提供する。この論文では、糸のラッピングにおける繊維と糸コア内の繊維との間の相互作用効果も考慮している。繊維パラメータに加えて糸構造パラメータも、短いゲージ長での理論上の糸の頑強さを計算するためのモデルの入力パラメータとして使用される。糸の強度を(短いセクションで)予測する代替アプローチとして、統計モデルが提示されている。このモデルを使用して、リング、ローター、およびエアジェット紡績糸の強度とその変動係数に及ぼす引張試験機ゲージ長の影響を調査した。
結束紡績糸、例えば、エアジェット紡績機で製造された糸の構造的欠陥の1つは、結束紡績糸の強度が低下しているが、同時に、結束紡績糸の質量および/または直径特性、または結束紡績糸のこれらの場所またはセクションにおける糸の毛羽立ちのパラメータに大きな影響を与えることのない糸の場所またはセクションの発生である。それにもかかわらず、例えばエアジェット紡績機での、結束紡績糸の製造中の結束紡績糸の品質の評価に使用されるのは、結束紡績糸の質量および/または直径特性の監視、および糸の毛羽立ちの監視である。上記の結束紡績糸の毛羽立ちは、本質的に、糸の長いセクション、すなわち長さ数十~数百メートルの糸のセクションを測定することによって得られる統計的数値として評価され、それによって結束紡績糸の毛羽立ちは後で1cmまたは1mの結束紡績糸の長さに再計算され、これは、局部的にのみまたは結束紡績糸の短いセクションにのみ発生する糸欠陥の評価には適していない。
糸強度が低下しているが、同時に結束紡績糸の質量および/または直径特性に大きな影響を与えることなく、またはエアジェット紡績機上での結束紡績糸のこれらの場所または部分における糸の毛羽立ちのパラメータに大きな影響を与えることのない結束紡績糸の場所またはセクションの発生を検出するために、特許文献1に開示されている解決策を使用することができる。この文献は、エアジェット紡績機で移動する糸の張力の変化を検出するためのセンサを記載しており、このセンサは、測定された糸が通過するプーリーの形の接触素子を含み、プーリーは、変形測定部材のアーム上に取り付けられ、構造糸欠陥の局所的な発生によって引き起こされる糸張力の変化は、変形測定部材の変形の変化をもたらす。変形測定部材の変形におけるこれらの変化は、例えばひずみゲージによって検出され、評価されて、糸強度が低下した結束紡績糸、いわゆる弱い糸の場所またはセクションの発生を決定する。
特許文献1による解決策において、製造中の結束紡績糸に対する追加の機械的作用(摩擦および糸負荷の増加)は、製造中の結束紡績糸の品質を低下させ、結束紡績糸製造の連続性を妨害し、結束紡績糸製造の製造性を低下させるか、または結束紡績糸の後続の処理にも影響を与える可能性がある。繊維製造プロセスにおける不純物の自然発生は、測定部材自体の機械的問題を引き起こす可能性がある。それは機械的またはメカトロニクス装置であるため、比較的高価であり、サービス、製造される糸の様々な種類と様々な繊度の調整、および糸製造プロセスの長期的な安定性などの点で、要求が厳しい。
糸を監視するための多くの種類の糸センサが一般的に知られている。非接触式糸センサと同様に、接触式糸センサが知られており、上述の特許文献1を参照されたい。
接触式糸センサ、すなわち、糸パラメータを決定するために、測定中に糸がセンサの測定部材と直接接触する必要があるセンサは、主に実験室内で、追加の糸品質評価に使用される。なぜなら、測定中、糸は静止しているか、限られた速度でのみ移動する必要があるからである。しかしながら、特許文献1が証明するように、エアジェット紡績機での糸の製造において、特に糸センサに代わる十分に信頼性があり強力な非接触式の代替物がない場合、接触式糸センサも使用される。
非接触式糸センサは、静電容量センサ、超音波センサ、電荷センサなどの様々な物理原理に基づいているか、または、非接触式糸センサは、光学原理に基づいている。
異なる種類の光学式糸センサが多数の文献、例えば、特許文献2~12他に記載されている。
光学式糸センサの分野における背景技術の一般的な欠点は、主に糸のその後の処理でのみ現れる上記のまたは言及した構造的欠陥の発生を監視および評価できないことである。結束紡績糸の品質の非接触評価のためにこれまで使用されてきた方法および技術、および例えば、エアジェット紡績機での製造中に、結束紡績糸の品質の非接触評価のためにこれまで使用されてきた定量的(質量または直径)パラメータ(例えば、基本的に結束紡績糸の質量および/または直径の特性と欠陥を監視することに基づいている、CV、IPI、糸の直径、糸の繊度)も、構造的欠陥のある結束紡績糸の場所またはセクションを通過する間の結束紡績糸の毛羽立ちを評価する技術も、製造された結束紡績糸のその特定の場所またはセクションにおける結束紡績糸の特定の構造的欠陥の発生の可能性の増加、またはその場所において実際に結束紡績糸の構造的欠陥が生じることのいずれかが存在することの指標を実質的に示さない。
欧州特許第2565307号明細書 捷国特許第306117号明細書 捷国特許第305265号明細書 欧州特許第2827132号明細書 米国特許第371274号明細書 欧州特許第0627623号明細書 特許第4756411号明細書 米国特許第6219135明細書 米国特許第5270787号明細書 米国特許第5654554号明細書 米国特許第5521395号明細書 国際公開第2011/026249号
Moaaz Ahmed Samy Moustafa Eldeeb、「エアジェット紡績糸強度を予測するための異なるアプローチ(Different Approaches for Predicting Air Jet Spun Yarn Strength)」、2017
したがって、本発明の目的は、背景技術の欠点を排除するか、少なくとも最小限に抑えることであり、特に、結束紡績糸、すなわち平行繊維からのコアを含む糸であり、コアが、ラッパー繊維および粗繊維を含む繊維のラッピング層によって巻かれている糸の構造的欠陥の発生を非接触で測定する方法、装置、ソフトウェア、およびソフトウェアキャリアを提供することである。
本発明の目的は、平行繊維によって形成されたコアを備え、コアが、ラッパー繊維と粗繊維とを備える繊維のラッピング層によって互いに結び付けられている、結束紡績糸の構造的欠陥を検出する方法であって、移動する糸画像が、糸の長さの少なくとも一部で少なくとも1つの光学式センサによって取り込まれ、光学式糸センサは、少なくとも1列の放射感応素子と少なくとも1つの放射源とを備え、取り込まれた糸画像をデジタル画像解析法により処理し、糸の表面構造に関するデータを取得し、取得されたデータから、糸の長さに沿った糸の表面構造を評価し、糸の表面構造の変化が、事前に設定された基準と比較され、糸の表面構造の変化が、これらの事前に設定された基準を超える場合、糸の関連する場所が、糸の構造的欠陥の発生場所として決定される、方法によって達成される。
結束紡績糸の画像を取り込む方法、および結束紡績糸の構造的欠陥の発生を評価するために結束紡績糸のこの画像を画像解析する方法を簡素化および高速化するために、糸画像が、糸のエッジに沿って光学式糸センサによって取り込まれた場合、取り込まれた糸画像をデジタル画像解析法で処理して、糸のエッジに沿った領域の糸構造に関するデータを取得し、取得されたデータから、糸のエッジに沿った糸構造の変化が検出され、評価された後、糸のエッジに沿った糸構造のこれらの変化は、事前に設定された基準と比較され、糸のエッジに沿った糸構造のこれらの変化が事前に設定された基準を超える場合、糸の関連する場所は、糸の構造的欠陥の発生場所としてとして分類されるのが有利である。
光学式糸センサが、糸の中と、糸の外側のゾーンであって、このゾーンが糸のエッジに沿って位置する、ゾーン内の両方に延在する、糸のエッジに沿った画像フィールドの限定された領域である、糸のエッジに沿った領域内の糸エンベロープの画像を取り込む場合、結束紡績糸の画像を取り込むのに有利である。同時に、糸のまっすぐな方向からの糸のエンベロープの画像の横方向の偏差の解析が、デジタル画像解析法によって行われる、および/または糸構造の乱れの解析が行われる。
一実施形態によれば、糸のまっすぐな方向からの結束紡績糸エンベロープの画像の横方向の偏差を解析するために、光学式糸センサに対する糸画像のエッジの位置の変化が評価され、糸の表面エッジの位置のスペクトルの周波数の少なくとも1つの範囲が決定または設定され、少なくとも1つの決定または設定された周波数範囲内の糸画像のエッジの位置のスペクトルが監視され継続的に評価される。少なくとも1つの決定または設定された周波数範囲内の糸画像のエッジの位置の、監視され継続的に評価されたスペクトルから、糸表面のうねりが、糸エンベロープの糸のまっすぐな方向からの偏差の関数として決定される。糸のまっすぐな方向からの糸エンベロープの画像の現在の横方向の偏差は、連続的に統計的に評価され、糸表面のうねりの基準値と比較され、糸表面のうねりの基準値は、同じ紡績ユニットからの糸表面のうねりの値の長期平均か、および/または同じ糸を製造するために設定された複数の紡績ユニットからの糸表面のうねりの値の長期平均によって形成される、および/または糸表面のうねりの基準値は、エアジェット紡績機の紡績ステーションでの現在の製造または処理または測定パラメータに従って、例えば、製造または処理または測定機械の中央制御システムによって設定される。糸表面のうねりが、表面うねりの基準値に対して設定された判定閾値を超えた現在の偏差の発生時に、糸の構造的欠陥が検出される。
一実施形態によれば、結束紡績糸のエッジの位置のスペクトルの解析された周波数の上述の範囲は、現在の糸パラメータ、特に糸製造のための繊維状材料の種類、糸の移動速度、紡績ノズル内の紡績圧力、紡績糸の繊度、および紡績ユニットの現在の構成要素、特に紡績ノズルの種類に応じて設定される。
一実施形態によれば、結束紡績糸構造の乱れを解析するために、糸構造の乱れを監視するのに重要な、糸の長さの少なくとも一部に粗繊維の画像を監視するための少なくとも1つの領域が決定または設定され、この領域の中で、糸の乱れが監視および評価される。糸構造の乱れから、糸の荒れが、結束紡績糸構造内の凹凸の発生の関数として、および/または、結束紡績糸表面構造内の凹凸の発生の関数として決定される。糸の荒れが監視され、糸の荒れの基準値と比較され、糸の荒れの基準値は、同じ紡績ユニットからの糸の荒れの値の長期平均であるか、および/または同じ糸を製造するために設定された複数の紡績ユニットからの糸の荒れの値の長期平均である、および/または糸の荒れの基準値は、製造または処理または測定機械の現在の製造または処理または測定パラメータに従って設定され、糸の荒れの基準値から設定された判定閾値を超えた現在の糸の荒れの偏差の発生時に、糸の構造的欠陥が検出される。
結束紡績糸の長さの少なくとも一部の粗繊維の画像を監視する領域は、現在の糸パラメータ、特に糸製造のための繊維状材料の種類、糸の移動速度、紡績ノズル内の紡績圧力、紡績糸の繊度、および紡績ユニットの現在の構成要素、特に紡績ノズルの種類に応じて設定される。
結束紡績糸の構造的欠陥を検出する精度と信頼性を高めるために、糸のまっすぐな方向からの糸エンベロープの画像の横方向の偏差の解析と、糸構造の乱れの解析が同時に実行される。
糸の構造的欠陥を検出するための糸画像の取り込みと同時に、結束紡績糸パラメータを複雑に決定するために、糸品質の光学式センサは、少なくとも1つの糸直径パラメータ、特に糸直径を感知する。
装置が少なくとも1列の放射感応素子を有する少なくとも1つの光学式糸センサを備え、少なくとも1つの放射源をさらに備える、結束紡績糸の構造的欠陥を検出するための装置の原理は、装置が、上述の方法に従って、結束紡績糸の構造的欠陥を検出する方法を実行するように適合された手段を有することにある。
製造機械、処理機械、または測定機械の作業手段を効率的に使用するという観点から、光学式糸センサが糸品質の光学式センサによって形成されると有利である。
装置の計算および制御性能を保証するために、上述の方法に従って結束紡績糸の構造的欠陥を検出する方法を実行するように適合された手段が、メモリを有するマイクロプロセッサ、またはゲートアレイ、またはASICタイプのカスタム電子回路を備えるか、またはこれらの素子の少なくとも2つの組み合わせを備える場合に有利である。
コンピュータプログラム(製品)の原理は、前述の段落に係る装置に、上記段落に係る結束紡績糸の構造的欠陥を検出する方法のステップを実行させる命令を含むことにある。
本発明のコンピュータ可読媒体の原理は、前述の段落に係る装置に上記段落に係る結束紡績糸装置の構造的欠陥を検出する方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータプログラムを内部に格納していることにある。
本発明は、結束紡績糸、すなわち平行な繊維によって形成されたコアを含み、コアがラッパー繊維および粗繊維からなる繊維のラッピング層によって互いに結び付けられている糸の構造的欠陥の発生はまた、結束紡績糸の構造(特に、結束紡績糸の表面構造)の視覚的特徴または視覚的特徴の変化を記述する取得されたデータの詳細な処理のための特定の方法を用いることにより、光学式糸センサによって検出することができるという事実に基づいている。光学式センサによって取り込まれた糸構造または糸表面構造の特性の変化から、糸構造のそのような変化、またはより具体的には、糸表面構造のそのような変化を決定することが可能であり、これらの変化に基づいて、糸製造自体に続くその後の糸処理プロセス、すなわち糸の使用の処理段階において、構造的な糸欠陥、いわゆる処理糸欠陥が現れる場所またはセクションのカテゴリーに属する、結束紡績糸の場所または結束紡績糸の部分を決定することが可能である。
したがって、本発明に係る方法は、従来の糸品質パラメータによって記述される糸の品質に影響を与える糸の欠陥、例えば、細い場所と太い場所の発生、毛羽立ちなどを検出しないが、以前においては隠されていたこれらの欠陥が、この織物または編物上の特定の場所または領域に、例えば、染色後の以前においては区別できない糸のこれらの異なる場所またはセクションの異なる色に基づくか、または以前においては区別できない糸のこれらの場所またはセクションからの異なる光反射率に起因しているなど、特定の場所または領域の光学的相違として現れる場合、その特定の特性または発現のために、糸の後続の処理(例えば、織物または編物の製造中または織物または編物の製造後)にのみ結束紡績糸の短いセクションに現れる欠陥を検出する。構造的欠陥を有する糸のこのような場所またはセクションは、典型的に監視される質量欠陥または糸の直径欠陥または糸の毛羽立ちの欠陥を示さず、一般的に構造的な糸の欠陥を有するこれらの場所は、減少した軸方向強度を有するが、この減少した軸方向強度でさえ、糸の製造およびそのような糸のその後の処理にとって依然として十分であることに留意すべきである。しかしながら同時に、繊維のラッピング層が安定していない、均一でないなどの場合、糸コアが十分に圧縮されていないことに留意すべきである。その結果、糸の半径方向の強度が低下し、次いで、構造的な糸の欠陥の現れとして、この糸のより速い摩耗をもたらす。糸の半径方向強度は、例えば、圧延試験によって評価される。当然のことながら、光学式糸センサでは、結束紡績糸の製造、処理、または解析などの間に糸の強度を監視することはできないか、またはそれは、結束紡績糸の製造、処理、または解析の間に糸の張力の変化を監視することはできない。
したがって、本発明に係る解決策は、構造的な糸の欠陥を有する糸の場所またはセクションの発生が、結束紡績糸の構造および特性の局所的かつ短時間の変化によって明らかになり、これは、上述のセクションが構造上の欠陥の無い糸と混ざっている糸を製品(織物)にする後続の処理において、製品に目に見える違いの形成をもたらすという事実と共に機能する。この目に見える違いは、糸の強度の違いによって引き起こされないが、結束紡績糸の構造的欠陥の代わりに、結束紡績糸の構造と特性の違いによって引き起こされることに留意すべきである。
原則として、本発明に係る構造的欠陥を有する糸の場所またはセクションの光学的監視および評価は、糸の質量または直径欠陥の発生の観点、または糸の毛羽立ちの観点などからの糸品質の監視など、光学的または他の方法によって行われる糸品質の他の監視プロセスおよび評価を制限するものではないことを付け加えておくべきである。逆に、本発明の主題である光学的手法による糸の監視および構造的欠陥を有する糸の場所またはセクションの発生の評価は、糸の製造中または結束紡績糸のその後の処理または解析において、現在何ら適用されていない糸構造の急激な変化または糸表面の構造の急激な変化の発生に着目することにより、結束紡績糸の品質の評価を、結束紡績糸の評価がかなり詳細になる全く新しいレベルの評価にすると言うことができる。
したがって、本発明に係る結束紡績糸の特性の詳細な解析の主題は、結束紡績糸の表面に直接的にか、および/または結束紡績糸の表面の外側(表面の上方)の非常に限定的な領域内における、結束紡績糸の構造の急速な変化、特に結束紡績糸の表面構造の急速な変化、特にラッパー繊維および/または粗繊維による糸コアのラッピングの変化、および粗繊維のたるんだ部分または自由端、他の糸形成繊維の自由端、および不十分なラッピングの結果として可能性のある糸コアのたるみの発生である。本発明の目的のために、結束紡績糸の表面構造におけるこれらの急速な変化は、糸表面のうねりの変化および/または糸表面の荒れ(乱れ)の変化によって十分に特徴付けられ、これに従って、結束紡績糸のそのような場所またはセクションは、結束紡績糸の構造的欠陥のある場所またはセクションとして分類できる。
問題の本質から分かるように、光学式糸センサ(特に、糸の直径の欠陥を評価する、場合によっては糸の毛羽立ちも評価する糸品質の光学式センサ)は原則としてよく知られている。これらのセンサは、糸画像の十分に詳細かつ迅速な取得と、結束紡績糸構造の視覚的特徴に関する(またはより具体的に言えば、結束紡績糸の表面構造の視覚的特徴に関する)取得された画像データの処理を可能にする限り、本発明に使用することができる。好ましくは、1つまたは複数の感知素子が、結束紡績糸の表面構造を評価するための詳細な糸画像を取り込むのに十分な解像度を提供するセンサが使用される。このような1つ(または複数)の感知素子は、例えば、エアジェット紡績機の紡績ステーションまたは巻取機の作業ステーションなどで、例えば、糸の移動経路を横切る方向に互いに隣り合う列に配置された十分な密度の放射感応素子を有する単列またはさらには複数列の光感知素子である。本発明に係る解決策の別の利点は、結束紡績糸の構造の視覚的特徴に関する画像データ、または結束紡績糸の表面構造の視覚的特徴に関する画像データが、結束紡績糸に作用する追加の機械的構成要素なしに光学式糸センサによって得られ、したがって、追加の応力にさらされることがなく、これにより、結束紡績糸の製造、処理、または測定の高い速度を維持し、製造、処理、または測定した結束紡績糸の品質に影響を与えないことが可能となるという事実である。また、異なる種類の結束紡績糸における構造的糸欠陥の光学的監視および評価のための設定に対する変更および調整は、ソフトウェアの修正および本発明に係る装置内の評価アルゴリズムの関連パラメータの変更のみによって行うことができ、これは高速で比較的安価である。別の利点は、光学式糸センサが、本発明に係る結束紡績糸の感知と、これまで使用されてきた、直径糸欠陥、糸の毛羽立ちなどの原理に基づく糸品質の光学式感知および評価方法の両方に共通とすることができ、これは経済的に有利であり、(例えば、エアジェット紡績機の紡績ユニットの)作業ステーションまたは巻取機の作業ステーションの構造を簡素化することである。しかしながら、同時に、本発明は、結束紡績糸の品質を評価する既存の手段とは独立した解決策として実施することもできることに留意すべきである。
結束紡績糸の画像処理の観点から、デジタル画像解析(例えば、ここでは、この信号が適切に選択された一連の周期的関数の和として理解される光学式糸画像センサの出力信号の表現であり、これは、光学式糸画像センサの出力信号が時間の関数として理解される標準アプローチとは異なるアプローチである、周波数領域における信号の表現に基づく、画像解析のこの特定の手順に基づくが、これに限定されない、特定の画像解析手順)が使用される。実際には、三角関数(つまり、正弦関数と余弦関数)の使用が最も効果的であることが証明されている。これを行うには、例えばフーリエ変換によって、所与の出力信号が高調波成分(1.、2.、3.、.)に分解され、所与の信号の周波数スペクトルが生成される。各々の周波数には独自の振幅と位相があるため、この処理の出力は複素数になる。この場合、通常は振幅スペクトルと位相スペクトルが使用される。所与の信号に関する情報は、両方のスペクトルによって共に運用され、一方が欠けても、完全な情報にはならない。周波数スペクトルは、特定の信号周波数を、それらの繰り返し、周波数強度、またはさらには振幅で表したものである。振幅スペクトルは、測定量の振幅の周波数依存性である。周波数スペクトルから、結果として生じる複雑な経過に最大の影響を与える単純な振動運動の周波数が表示される。我々のケースでは、いわゆるパワースペクトル、平たく言えば、「信号の周波数成分がもつパワー」を使用することもでき、これは振幅スペクトルの2乗として単純化できるが、パワースペクトルがエネルギー信号の比率を示すという事実を考慮に入れる必要があり、これは、周波数領域を使用する従来のアプローチとはある程度重要な違いである。
我々のケースでは、例えば、紡績速度、結束紡績糸の移動速度などの紡績機、巻取機などの製造パラメータに従って、本発明の目的にとって重要であり、パワースペクトルのこの範囲の「エネルギー」を決定することが可能である周波数スペクトルの周波数範囲を決定することも可能である。次いで、例えば、糸表面のうねりの基準を決定するために、このように決定された値を使用することが可能である。
もう1つの選択肢は、信号処理にデジタルフィルターを使用することである。この場合、入力信号はデジタルバンドパスフィルターによって処理され、特定の周波数の信号のみがフィルター出力に通過し、それによって特定の周波数が機械パラメータに従って設定されるか、適切な方法で決定される。
本発明の目的のために、糸表面のうねりは、糸のまっすぐな方向からの糸エンベロープの偏差を意味する。糸表面のうねり、または糸のうねりは、好ましくは、直線状の光感知素子上の糸の各々の画像から、光感知素子の最初の、または場合によっては最後の、連続的に影になった放射感応素子の位置を記憶することによって決定され、これにより、糸のエッジの現在の位置を検出し、こうして本発明に係る方法によってさらに解析される糸エンベロープを監視する。さらに、直線状光学感知素子上の各々の糸画像について、最初に糸コアから突出する繊維がフィルター除去され、次に、糸コアの少なくとも1つのエッジの光学式センサの影になった放射感応素子の位置が決定される。糸のエッジの位置が保存され、糸コアのエンベロープが監視される。続いて、糸コアのエンベロープが本発明の方法に従って解析される。
「結束紡績糸の荒れ」という用語の下では、結束紡績糸の評価に今日使用されている定性的パラメータとは異なる、結束紡績糸の評価の新しい定性的パラメータが基本的に理解されており、糸の毛羽立ちと呼ばれるパラメータとも異なる。原則として、糸の荒れは、主に繊維のラッピング層による糸コアのラッピングの凹凸および糸構造自体の他の凹凸に起因する、結束紡績糸構造の凹凸、またはより具体的には、結束紡績糸の表面構造内の凹凸の発生を記述および定量化する、結束紡績糸の指標(特性)である。したがって、糸の荒れは、糸コアに撚られた粗繊維、それらの数、糸コア上でたるんだ繊維の方向の両方を考慮しており、また撚られていない自由端または粗繊維の他の部分の発生も考慮している。さらに、糸の荒れのパラメータは、糸コアの局所的なラッピングが不十分であることに起因する糸コアのたるみの発生を考慮している。さらに、糸の荒れのパラメータは、糸コアから繊維がはみ出し、糸コアのエッジに沿って限られた領域を通って糸の毛羽立ち評価領域に入る繊維の発生などを考慮している。したがって、結束紡績糸の荒れとは、糸構造の乱れの度合い、あるいは結束紡績糸の短い長さセクションでの糸構造の乱れの度合いを記述する特性である。
結束紡績糸の構造を監視および認識するための1つのアプローチは、糸画像が光学式糸センサによって取り込まれたときに、それが光感知素子の放射感応素子の少なくとも一列に糸が影を落とすことによって得られる糸画像かどうか、または光感知素子の放射感応素子の少なくとも一列への糸からの放射エネルギーの反射および反射された放射エネルギーの入射によって得られる糸画像であるかどうか、糸コアのエッジに沿った狭いバンド内の粗繊維の無撚自由端を監視および認識することである。取り込まれた糸画像から、糸コアの位置と範囲(サイズ、太さ、直径)が特定され、このように特定された糸コアに沿って画像の設定された狭いバンド内に記録されているすべての物体が、結束紡績糸の荒れの評価の範囲内の物体と見なされる。
結束紡績糸の構造を監視および認識するための別のアプローチは、糸画像の画像解析を使用して、糸コアの位置および範囲(大きさ、太さ、直径)、粗繊維の無撚自由端、ならびに糸コアの周りに巻かれた粗繊維、ラッパー繊維の自由端、糸コアからはみ出した繊維の自由端など、すなわち糸表面に位置する凹凸を認識しながら糸画像の画像解析を用いることである。
その後、例えば、感知素子のアクティブの(糸から反射された放射エネルギーによって影になったまたは照射された)放射感応素子の数が合計され、それによって、放射感応素子は、特定された糸コアに沿って設定された狭いバンド内の糸コアの識別された画像の外側に位置する。任意選択で、これらの凹凸は、結束紡績糸の取り込まれた画像の全幅に沿った結束紡績糸の構造内の凹凸等を認識することを可能にする全体的な糸画像の画像解析を含む、(例えば、センサの感知素子のいくつかの列にわたってさえ)取り込まれた糸画像内の糸コアに沿った設定された狭いバンド内で監視される。
既に上述したように、結束紡績糸に関する画像データ、またはより具体的には、結束紡績糸の表面構造に関する画像データは、糸画像の画像解析の方法によっても得ることができ、それから、結束紡績糸の視覚的特徴、またはより具体的には、結束紡績糸の表面構造の視覚的特徴を記述するデータが、画像解析方法によって決定され、これらのデータは、結束紡績糸の構造的な糸の欠陥を有する場所またはセクションを検出するために、本発明に係る方法によって使用される。画像解析は、例えば、著者がKlima,M.、Bernas,M.、Hozman,J.,Dvorak,P.による出版物:Zpracovani obrazove informace(画像情報処理)、CVUTの教科書、プラハ 1996によれば、そして出版物 An Introduction to Digital Image Processing(デジタル画像処理入門)、Frederic Patin aka YOV408、http://teachme.free.fr/ImageProc.pdfによると、および著者がO.Zmeskal、O.Sedlak、M.Nezadalによる出版物:Metody obrazove analyzy dat(画像データ解析の方法)(5/2002)などによると、例えば、畳み込み法、フィルタリング法、画像内のエッジまたはオブジェクトの検出などの助けを借りて可能である。
本発明は、図面に概略的に表されている。
エアジェット紡績機とその紡績ステーションのうちの1つの構成を示す。 本発明に係る装置の一般的な構成の詳細を示す。 本発明に係る装置の一実施形態の構成の詳細を示す。 本発明に係る装置の第2の実施形態の構成の詳細を示す。 本発明に係る結束紡績糸およびその部分の構造の一例を示す。 構造的欠陥を有する結束紡績糸構造の一例を示す。 本発明に係る結束紡績糸の構造的欠陥の評価の概略フローチャートを示す。 本発明に係る結束紡績糸の構造的欠陥の評価の詳細なフローチャートを示す。 周波数領域における糸表面のエッジの位置のスペクトル(エッジの位置の変化)を示しており、糸表面のエッジの位置のスペクトル(エッジの位置の変化)を監視するために重要な周波数の1つの決定されたまたは設定された範囲を伴う。 本発明に係る構造的欠陥の検出を受けた実際の結束紡績糸の取り込まれた画像を示す。 例えば、図2aのセンサの構成によって取り込まれた、本発明の目的のための実際の結束紡績糸のエッジの検出からの画像を示す。 例えば、図2bのセンサの構成によって取り込まれた、本発明の目的のための実際の結束紡績糸の糸コア、ラッパー繊維、および粗繊維の検出からの画像を示す。 図8aおよび図8bの取り込み画像の組み合わせによって生成された、本発明の目的のための糸構造の検出から取り込まれた画像を示す。
本発明は、エアジェット紡績機の紡績ステーション1での結束紡績糸3の製造中に結束紡績糸3の構造的欠陥を検出する方法の例示的な実施形態を参照して説明される。それにもかかわらず、本発明は、多くの他の繊維機械、特に巻取機および結束紡績糸3の品質を測定するための機械に適用可能である。したがって、本発明は、結束紡績糸3の製造中の結束紡績糸3の構造的欠陥のオンライン非接触検出だけでなく、結束紡績糸3のその後の処理の段階、例えば、結束紡績糸3を巻くとき、結束紡績糸3を次の製品に処理するときなどにも適用可能である。
以下の本文で「糸」という用語のみが使用される場合、それは、平行な繊維によって形成されたコア30を含む「結束紡績糸3」を意味し、コア30はラッパー繊維31と粗繊維32を含む繊維のラッピング層と互いに結び付けられる。
平行繊維によって形成されたコア30を含み、コア30が、ラッパー繊維31および粗繊維32を含む繊維のラッピング層と互いに結び付けられている、結束紡績糸3の構造的欠陥を検出する方法は、糸3の画像が、糸3の長さの少なくとも一部で、糸3の少なくとも1つの光学式センサ6によって取り込まれるという事実を用いる。光学式糸センサ6は、放射感応素子6100の少なくとも1つの列610と、少なくとも1つの放射源62とを備え、光学式センサ6は、ソフトウェアを備えた電子機器7に接続される。糸3の取り込みした画像をデジタル画像解析法により処理して糸3の表面構造のデータを取得し、これらの得られたデータから糸3の長さに沿った糸3の表面の構造変化を評価する。糸3の表面の構造におけるこれらの変化は、予め設定された基準と比較され、糸3の表面の構造におけるこれらの変化が予め設定された基準を超える場合、糸の関連する場所は、結束紡績糸3の構造的欠陥Vの発生の場所として決定される。
好ましくは、糸の光学式センサ6は、糸3のエッジHに沿って結束紡績糸3の画像を取り込み、取り込まれた糸3の画像は、デジタル画像解析法によって処理されて、糸のエッジに沿った糸3の構造に関するデータを取得し、得られたデータから、糸3のエッジに沿った糸構造の変化が評価される。糸3のエッジに沿った糸構造のこれらの変化は、予め設定された基準と比較され、糸のエッジに沿った糸3表面の構造のこれらの変化が予め設定された基準を超える場合、糸の関連する場所は、結束紡績糸3の構造的欠陥Vの発生場所として決定される。
糸の光学式センサ6が糸3のエッジに沿って糸エンベロープの画像を取り込み、糸のまっすぐな方向からの糸3のエンベロープの画像の横方向の偏差の解析が、デジタル画像解析によって行われる、および/または糸構造の乱れの程度の解析が行われる場合、有利である。
糸3のまっすぐな方向からの糸3エンベロープの画像の横方向の偏差を解析するために、糸の移動中(例えば、糸の製造中または糸の巻取中など)の糸の光学式センサ6に対する糸画像のエッジHの位置の変化を解析し、これにより、糸の移動中の糸3のエッジHの位置のスペクトルの周波数の1つの範囲Oと、決定されたまたは設定された少なくとも1つの周波数の範囲Oにおける糸3の画像のエッジHの位置のスペクトルEとが、連続的に監視および評価される。周波数の少なくとも1つの決定された範囲Oにおける糸3の画像のエッジHの位置の、監視および連続的に評価されたスペクトルEから、糸3の表面のうねりKが、糸3のまっすぐな方向からの糸3エンベロープの偏差の関数として決定される。糸3のまっすぐな方向からの糸3エンベロープの画像の現在の横方向偏差は、連続的に統計的に評価され、糸表面のうねりKの基準値Krefと比較され、糸3表面のうねりKの基準値Krefは、同じユニット1からの糸3表面のうねりKの値の長期平均としてか、および/または同じ糸3を製造、処理、または測定するように設定された複数のユニット1からの糸3表面のうねりKの値の長期平均として形成される、および/または糸3表面のうねりKの基準値Krefは、製造または処理または測定機械の現在の製造または処理または測定パラメータに従って設定され、糸の構造的欠陥Vは、糸3のうねりKの基準値Krefに対する、設定された判定閾値を超えた糸3表面のうねりKの現在の偏差ΔKの発生時に検出される。
一実施形態によれば、結束紡績糸3のエッジHの位置のスペクトルEの解析された周波数の範囲は、現在の糸3のパラメータ、特に糸3の製造のための繊維状材料の種類、糸3の移動速度、。紡績ノズル20内の紡績圧力、紡績糸3の繊度、および紡績ユニット2の現在の構成要素、特に紡績ノズル20の種類などに応じて設定される。
結束紡績糸3の構造の乱れを解析するために、糸3の長さの少なくとも一部上の粗繊維32の画像を監視するための少なくとも1つの周波数領域OLであって、糸3構造の乱れを監視するために重要である領域OLが、決定または設定され、この領域OL内において、結束紡績糸3の構造の乱れが監視および評価される。糸3構造の乱れから、糸3の荒れWは、結束紡績糸の構造内の凹凸の発生の関数として、および/または結束紡績糸3の表面構造内の凹凸の発生の関数として決定される。糸3の荒れWが監視され、糸3の荒れWの基準値Wrefと比較され、糸3の荒れWの基準値Wrefは、同じユニット1から糸の荒れWの値の長期平均としてか、および/または同じ糸を製造するように設定された複数のユニット1からの糸の荒れWの値の長期平均として形成される、および/または糸3の荒れWの基準値Wrefは、製造または処理または測定機械の現在の製造または処理または測定パラメータに従って設定され、糸の構造的欠陥Vは、糸の荒れWの基準値Wrefからの現在の糸の荒れWの偏差ΔWが、設定された判定閾値を超えるときに検出される。
結束紡績糸3の長さの少なくとも一部上の粗繊維32の画像を監視するための領域OLが、現在の糸パラメータ3、特に糸3を製造するための繊維状材料11、14の種類、糸3の移動速度、紡績ノズル20内の紡績圧力、紡績糸3の繊度、および紡績ユニット2の現在の構成要素、特に紡績ノズル20の種類などに応じて設定される場合、有利である。
糸3のまっすぐな方向からの結束紡績糸3のエンベロープの画像の横方向の偏差の解析、および糸3構造の乱れの解析は、より正確な結果を達成し、糸3の構造的欠陥Vの検出の信頼性を高めるために、好ましくは同時に実行される。
機械の作業ステーション1で手段を効率的に使用するために、糸の構造的欠陥Vを検出するための結束紡績糸3の画像を取り込むと同時に、糸3の少なくとも1つの平均パラメータ、特に糸3の直径Φが、糸3の品質の光学式センサ6によって感知される。
結束紡績糸3の構造的欠陥を検出するための装置は、放射感応素子6100の少なくとも1つの列610を有する糸3の少なくとも1つの光学式センサ6を有する。装置は、少なくとも1つの放射源62をさらに備え、例えば、エアジェット紡績機での結束紡績糸3の製造中、または以前に製造された糸3の巻取中などに、結束紡績糸3の構造的欠陥Vの光学的検出方法を実行するように適合された手段も備える。好ましい一実施形態によれば、光学式糸センサ6は、糸品質の光学式センサによって形成される。結束紡績糸3の構造的欠陥Vを光学的に検出する方法を実行するように適合された手段、または電子機器7は、メモリを有するマイクロプロセッサ、またはゲートアレイ、またはASICタイプのカスタム電子回路を備えるか、またはこれらの素子のうちの少なくとも2つの組み合わせを備える。
本発明を実施するためのコンピュータプログラム(製品)は、結束紡績糸3の構造的欠陥の光学的検出方法のステップを実行する、結束紡績糸3の構造的欠陥の光学的検出のための装置のための命令を含む。このコンピュータプログラムは、コンピュータ可読媒体に格納されることが好ましい。
以下の説明は、平行な繊維によって形成されたコア30を備え、コア30が、ラッパー繊維31および粗繊維32を含む繊維のラッピング層によって巻かれている、結束紡績糸を製造するためのエアジェット紡績機の構成の例の説明、および糸3の画像取得と画像処理の例の説明、およびエアジェット紡績機での結束紡績糸3の製造中の糸3の構造的欠陥Vの光学的検出を目的とした糸3画像の評価に焦点を当てる。適切には、この説明は、巻取機、および結束紡績糸3を処理する、またはさもなければ結束紡績糸3を取り扱うその他の繊維機械(例えば、特殊な繊維機械または測定機など)にも使用することができる。
エアジェット紡績機は、互いに隣接して配置された同一の紡績ステーション1の少なくとも1つの列を含む。各々の紡績ステーション1は、結束紡績糸3を製造するための繊維状材料の容器を備える。容器は、通常、繊維のスライバー11が貯蔵されるスライバー缶10によって形成される。紡績ステーション1は、スライバー11が缶10から供給され、スライバー11を、紡績ステーション1の一部である紡績ユニット2内に配置された紡績ノズル20に供給するのに適した形成物14に縮小するドラフト装置13をさらに備える。
紡績ユニット2は、紡績ノズル20内の繊維形成物14を糸3に変換するように適合されており、糸3は、紡績ステーション1に繊維状材料の移動方向に配置された引き出し機構4によって紡績ユニット2から引き出され、ここでは紡績ユニット2の下流ですでに糸3の形になっている。紡績ステーション1は、ボビン50上の糸3の横行・巻取装置5をさらに備え、ボビン50は、紡績ステーション1において糸3の引き出し機構4の下流の繊維状材料の移動方向に配置され、回転するボビン50の幅を横切って糸3をトラバースし、回転するボビン50に糸3を巻き付けるように適合されている。
糸3の少なくとも1つの光学式センサ6が、紡績ユニット2からの糸3の出口21と、ボビン50への糸3の横行・巻取装置5との間に配置される。糸3の光学式センサ6は、エアジェット紡績機の紡績ステーション1での糸3の製造中に糸3の光学感知を行うように、すなわち、糸3の製造中に糸3の画像を取り込むように適合されている。光学式糸3センサ6は、ソフトウェアを備えた電子機器7に接続されている。糸3の光学式センサ6および電子回路7は、本発明に従って糸画像を取り込み、それらを処理するように、すなわち結束紡績糸3の視覚的特徴に関する情報を、より具体的には、糸画像の形態であるか、監視されたパラメータのいくつかに対応する出力信号の形態であるかにかかわらず、両者ともエアジェット紡績機の紡績ステーション1で糸製造中に糸3の構造的欠陥の検出のために、光学式センサ6によって提供される結束紡績糸の表面構造の視覚的特徴に関するデータを取得および処理するように適合されている。
光学式センサ6は、通常、糸3に対して適切な位置に、または光学式センサ6を通過する糸3の経路に対して適切な位置に配置された少なくとも1つの放射源60を備える。光学式センサ6は、光感知素子61をさらに備え、これに対しても放射源60は適切に配置される。
図1および図2aに示される例示的な一実施形態では、放射源60は感知素子61の反対側に配置され、放射源60と感知素子61との間に、糸3の製造中に糸3を感知する間に糸3が通過するための測定スロット62が配置される。したがって、糸3は、糸製造中に紡績ステーション1で感知されながら、測定スロット62を通過する。
別の例示的な一実施形態では、放射源60、感知素子61、および糸3の経路、すなわち、糸3の製造中の感知される糸3の位置の別の適切な相互配置が存在し、例えば、放射源60によって放出され、感知素子61の前の測定空間内に位置する糸3から反射される放射エネルギーによって糸3を感知するための構成が存在し、放射源60は、糸3の感知素子61と同じ側に位置し、言い換えると、放射源60は、ここでは感知素子61が糸に向けられているのと同じ方向から糸3を照射する、図2bに示される一実施形態を含む。
図示されていない例示的な一実施形態では、光学式センサ6は、少なくとも一対の放射源60を備え、1つの放射源60が感知素子61の反対側に配置され、測定スロット62が、この放射源60と感知素子61との間に配置され、他方の放射源60は、糸3の感知素子61と同じ側に配置される、すなわち、ここで放射源60は、感知素子61が糸に向けられるのと同じ方向から糸3を照射する。したがって、これは原則として、図2aに示される実施形態の放射源60と図2bに示される実施形態の放射源との組み合わせである。感知素子61の反対側に配置された放射源60(図2aを参照)は、感知素子61上に糸3の輪郭を生成するのに役立ち、感知素子61と同方向に配置された放射源60(図2b参照)は、糸3から反射され、感知素子61に入射する放射エネルギーを感知するのに役立つため、放射源60のこの組み合わせは有利である。上述の2つの放射源60は、この場合、相互に同期されているので、それらによって放出される放射エネルギーは急速に交互に変化し、その結果、1つの感知素子61は、糸3の輪郭、すなわちエッジH、それらの横方向の変位、糸3表面の突出部における糸3構造の凹凸の発生およびパラメータ、例えば、ラッパー繊維31、粗繊維32、粗繊維の自由端320、粗繊維32のたるんだ部分321、糸3のコア30の短いたるんだ部分LN、ラッパー繊維31の突出端310、糸3のコア30の繊維の突出端300など(図8a参照)を交互に感知することができるのみならず、感知素子61に面する側からの糸3構造の視覚的外観、すなわち、ラッパー繊維31および粗繊維32による糸3のコア30のラッピング、ならびにラッパー繊維31自体、粗繊維32自体、粗繊維32の自由端320、粗繊維32のゆるんだ部分321、糸3のコア30の短いゆるんだ部分LN、ラッパー繊維31の突出端310、糸3のコア30の繊維の突出端300など(図8b参照)も感知することができる。製造された結束紡績糸3の構造に関する糸画像および得られた視覚的データを処理するために、結束紡績糸3の画像取得のこれらの結果は、次いで、別々に処理することができる(図8aおよび図8b参照)か、または、それらを組み合わせて(図8c参照)、それらを共に処理することが有利であり得る。
放射源60は、適切な放射エミッタ(例えば、点または多点または平面など)によって形成され、任意選択で、放射方向を最適化して糸3を感知するプロセスを改善するための適切な光学系が先行する。例えば、図2aの実施形態では、点放射エミッタの前に、放射源60から測定スロット62を通して感知素子61に光線を平行化するためのコリメート光学系600などが配置される。
感知素子61は、互いに隣り合って配置された放射感応素子6100(ピクセル)の少なくとも1つの列610を含み、放射感応素子6100の列610は、その長さLが糸3に対して略横方向に配置され、放射感応素子6100の列610は、図示の実施形態では、その長さLが、糸3の製造中の糸3の移動方向Pに対して略横方向、すなわち、糸3の製造中の糸3の経路に対して横方向に配置される。
図示されていない例示的な一実施形態では、糸センサ6は、互いに隣り合って配置された放射感応素子6100の少なくとも1つの列610をそれぞれが有する少なくとも2つの感知素子61を備え、少なくとも2つの感知素子61は、エアジェット紡績機の紡績ステーション1で、互いに対して、および、糸経路3に対して、すなわち、互いに対して、および感知された糸3に対して、空間的に向けられ、これにより、糸3の多次元画像を取り込み、このようにして取り込まれた糸3の画像の結果の多次元処理実行することが可能となり、これは、糸3の構造的欠陥Vを有する場所またはセクションの発生を決定する精度を高めることに特に貢献する。
図示されていない別の例示的な実施形態では、物理的に異なる糸3のセンサ(例えば、糸3の張力センサ、容量式糸センサ、糸振動センサ、音響糸センサなど)を光学式糸センサ6に割り当て、これにより、本発明に係る糸3の構造的欠陥を感知する光学的原理を、物理的に異なる糸3の感知と適切にかつ現在の必要性に従って組み合わせることが可能となる。
好ましくは、光学式糸3センサ6は、糸3の品質の光学式センサからなり、これは感知された糸3の視覚的外観に関する包括的かつ詳細なデータを供給することができる、すなわち、それは要求される品質および要求される速度で糸画像を取り込むことができる。
ソフトウェアを備えた電子機器7は、光学式センサ6によって取り込まれた出力糸3の画像を処理するため、およびエアジェット紡績機の第1ステーションでの糸3の製造中に糸3の構造的欠陥Vを検出するためのソフトウェア操作を実行するための計算性能および論理操作を提供するハードウェア素子を備える。
電子機器7が、メモリを有するマイクロプロセッサ、またはゲートアレイ、またはASICタイプのカスタム電子回路、またはこれらの素子(すなわち、マイクロプロセッサ、ゲートアレイ、またはASICタイプのカスタム電子回路)のうちの少なくとも2つの適切な組み合わせを備え、このようにしてソフトウェア操作を実行して、光学式センサ6によって取り込まれた出力糸3の画像を処理し、エアジェット紡績機の紡績ステーション1での糸製造中に糸3の構造的欠陥Vを検出するように適合された手段を構成すると有利である。
電子機器7の一部であるコンピュータ可読媒体に含まれるソフトウェアには、光学式センサ6によって取り込まれた糸3の画像を処理し、糸の構造的欠陥Vを検出するソフトウェア操作を実行するように適合され、かつ互いに隣り合って配置された放射感応素子6100の少なくとも1つの列610を有し、ソフトウェアによって電子機器7に接続された、少なくとも1つの糸3の光学式センサ6を含む、本発明に係る糸3の構造的欠陥Vを検出するための装置全体に、必要な方法に従って動作させる、すなわち、本発明に係る方法のステップを実行させる、プログラムブロックまたは命令が提供される。
本発明のコンピュータ可読媒体は、上記段落に係るコンピュータプログラムおよびソフトウェアを含む。
例えばエアジェット紡績機の紡績ステーション1で製造される結束紡績糸3は、略平行な繊維の束によって形成されたコア30を含み、糸3のコア30は、ラッパー繊維31および粗繊維32を含む繊維のラッピング層によって巻かれる。ラッパー繊維31は、螺旋の比較的規則的なピッチRを有する螺旋状に糸3のコア30の周りに巻かれる。粗繊維32も、糸3のコア30の周りに螺旋状に巻かれるが、これらの螺旋は、符号R1、R2、R3によって図3に示されるように、糸3のコア30に沿って可変の不規則的なピッチを有するか、または粗繊維32は、糸3のコア30の未完成のラッピングを有し、したがって、糸3のコア30から突出する無撚(自由)端320を形成する。あるいはまた、粗繊維3は、糸表面に房またはループを形成するたるんだ部分321を有する。また、結束紡績糸は、糸3コアの短いたるんだ部分LN、ラッパー繊維31の突出端310、糸3のコア繊維30の突出端300など、および突出端または自由端300、310、および320を示す。
エアジェット紡績機の紡績ステーション1での結束紡績糸3の製造における本発明の適用例は、移動する結束紡績糸3の長さの少なくとも一部の画像が光学式糸3センサ6によって取り込まれ、これにより、糸3の外観(画像)に関するデータD1、すなわち、糸3の視覚的外観に関するデータ、より具体的には、糸3の視覚的構造に関するデータが得られることにある。これらのデータD1から、糸3のコア30がラッパー繊維31および/または粗繊維32によってどのように巻かれるかを記述する、言い換えると、視覚的な糸3の構造が何であるかを記述する、記述データD2が引き続いて抽出される。抽出された記述データD2から、ラッパー繊維31および/または粗繊維32による糸3のコア30のラッピングSが決定される。ラッパー繊維31および/または粗繊維32による糸3のコア30のラッピングSは、エアジェット紡績機の紡績ステーション1での糸3の製造中に連続的に決定され、それによってラッパー繊維31および/または粗繊維32による糸3のコア30のラッピングSの変化が検出される。ラッパー繊維31および/または粗繊維32による糸3のコア30のラッピングSの変化が検出される、すなわち発見された場合、糸3の構造的欠陥Vの対応する発生場所が、例えば、図4に示されるように決定される。
さらに、エアジェット紡績機の紡績ステーション1での糸3の移動速度により、糸3の表面構造、すなわち、糸3のエッジHの近傍における糸3表面の構造の視覚的変化から、糸3のエッジHの移動などから(これらすべては、糸3に沿った、または糸3エンベロープ内の監視ゾーンZ内において)、ラッパー繊維31および/または粗繊維32による糸3のコア30のラッピングSを非常に良好に決定することが可能であるようである。
糸3の表面構造の視覚的変化の決定は、糸3の表面のうねりKを決定すること、および/または粗繊維32の特性から糸3の荒れWを決定することを目的とした糸3の表面構造の解析を行うことによって行うことができるようである。
糸3の表面のうねりKの偏差ΔKが検出された場合、例えば、糸3の表面のうねりKの長期統計平均と比較して、設定された判定閾値よりも大きく、例えば5%を超えた場合、および/または糸3の荒れWの偏差ΔHが検出された場合、例えば、糸3の荒れWの長期統計平均と比較して、設定された判定閾値よりも大きく、例えば5%を超えた場合、糸3の構造的欠陥Vの対応する発生場所が、例えば図4に示されるように決定される。
結束紡績糸の表面のうねりKは、光学式センサ6の感知素子61の幅の方向において、または互いに隣り合って配置された糸3の光学式センサ6の感知素子61の素子6100の少なくとも1つの列610の長さの方向において、糸3表面のエッジHの位置のスペクトルEの周波数領域において良好に決定することができる。この周波数領域では、周波数の少なくとも1つの範囲Oが決定または設定され、これらの周波数は、糸3の表面のエッジHの位置(エッジの位置の変化ΔH)のスペクトルEの監視にとって重要であり、少なくとも1つの決定または設定された範囲Oにおいて、糸3の表面のエッジHの位置のこのスペクトルEが監視され、連続的に評価される。周波数の少なくとも1つの決定または設定範囲Oにおける糸3表面のエッジHの位置のスペクトルEの監視および連続評価から、糸3表面のうねりKが決定され、これは本質的に、長さ方向における糸3のコア30上のラッパー繊維31の螺旋のピッチRの挙動、または感知された糸3の移動Pの方向を記述し、すなわち、それは本質的に、ラッパー繊維31による糸3のコア30のラッピングを記述する。
糸3の構造的欠陥の対応する発生場所の改善された決定は、糸3表面の基準うねりKrefからの糸3表面うねりの現在のうねりKの偏差ΔKの監視および連続的な統計的評価によって行われる。糸3表面の基準うねりKrefは、同じ紡績ユニット2からの糸3表面のうねりKの長期平均としてか、および/または同じ糸3を製造するように設定された複数の紡績ステーション2からの糸3表面のうねりKの長期平均として決定される、および/または糸3表面の基準うねりKrefは、エアジェット紡績機の紡績ステーション1での現在の製造パラメータに従って設定される。
糸の構造的欠陥Vの発生場所を検出するために、糸3表面の現在検出されているうねりKの、設定閾値からの偏差ΔKの発生、例えば5%を超える偏差の発生が検出される。
光学センサ6の感知素子61の幅方向における糸3表面のエッジHの位置のスペクトルEの周波数領域における糸3表面のうねりKの決定を用いる本発明の別の一実施形態によれば、糸3表面のエッジHの位置のスペクトルEの長期平均と比較して、糸表面のエッジHの位置のスペクトルE(エッジの位置の変化ΔH)の監視にとって重要な周波数の少なくとも1つの範囲Oの設定は、糸3の現在の生産パラメータ、特に、糸3の製造のための繊維状材料11、14の種類、糸3の移動速度、紡糸ノズル20内の紡糸圧力、紡績糸3の繊度に応じて、および紡糸ユニット2の現在の構成要素、特に、紡糸ノズル20の種類に応じて実行される。
糸3のコア30のラッピングSは、糸3の荒れWを決定することによって良好に決定することができ、これは原則として、糸3の構造の乱れの程度を評価し、この評価は、ラッパー繊維31および粗繊維32による糸3のコア30のラッピングを評価すること、ならびにラッパー繊維31自体、粗繊維自体、粗繊維32の自由端320、粗繊維32のたるんだ部分321、糸3のコア30の短いたるんだ部分LN、ラッパー繊維31の突出端310、糸3のコア30繊維の突出端300などを評価することを含み、これらすべては、上述のパラメータによって表される、糸3の構造の乱れを監視するのに重要な少なくとも1つの領域OLが、糸3のコア30のエッジHに沿った限られた領域Zで決定または設定される、粗繊維32のスペクトルの時間領域内にある。糸3の構造3における乱れのスペクトルのこの決定または設定された領域OLにおいて、糸3のコア30のラッピング、すなわち、ラッパー繊維31および粗繊維32による糸3のコア30のラッピング、ラッパー繊維31自体、粗繊維自体、粗繊維32の自由端320、粗繊維32のたるんだ部分321、糸3のコア30の短いたるんだ部分LN、ラッパー繊維31の突出端310、糸3のコア30の繊維の突出端300などが監視および評価される。
結束紡績糸3の荒れWは、糸3の荒れの基準値Wrefからの現在の糸3の荒れWの偏差ΔWを監視し、継続的に統計的に評価することによって、本発明に従って糸3の構造的欠陥を評価するために使用される。糸3の荒れの基準値Wrefは、同じ紡績ユニット2からの糸3の荒れWの長期平均であるか、および/または同じ糸3を製造するように設定された複数の紡績ステーション2からの糸3の荒れWの長期平均である、および/または糸3の荒れの基準値Wrefは、エアジェット紡績機の紡績ステーション1での現在の製造パラメータに従って設定される。
簡単かつ迅速な評価のために、糸3の構造的欠陥Vの発生の決定のために、設定された判定閾値を超える、例えば5%を超える、糸3の荒れWの偏差ΔWの発生が検出される。
糸3の構造的欠陥Vの発生の検出の設定を容易にするために、本発明の別の一実施形態によれば、糸3の荒れの値Wを決定するために重要な領域の設定は、現在の糸3の製造パラメータに従って、特に、糸3の製造のための繊維状材料11、14の種類、糸3の移動速度、紡績ノズル20内の紡績圧力、紡績糸3の繊度に従って、および紡績ユニット2の現在の構成要素、特に、紡績ノズル20の種類などに従って実行される。
糸3の構造的欠陥Vを検出する精度を向上させるために、糸3表面のうねりKおよび糸3の荒れWが連続的に監視され、ラッパー繊維31および粗繊維32による糸3のコア30の全体ラッピングKWSが、糸3表面のうねりKの偏差から、および糸3の荒れWの偏差から決定される。
糸3の構造的欠陥Vを検出するために、糸3のコア30の全体ラッピングKWSの基準度KWSrefからの糸3のコア30の現在の全体ラッピングKWSの偏差ΔKWSが監視され、連続的に統計的に評価される。糸3のコア30の全体ラッピングKWSの基準度KWSrefは、同じ紡績ユニット2で製造された糸3のコア30の全体ラッピングKWSの長期平均であるか、および/または同じ糸3を製造するように設定された複数の紡績ステーション2で製造された糸3のコア30の全体ラッピングKWSの長期平均である、および/または糸3のコア30の全体ラッピングKWSは、エアジェット紡績機の紡績ステーションでの現在の製造パラメータに従って設定される。
別の例示的な一実施形態では、結束紡績糸3は、糸3の少なくとも1つの直径パラメータ、特に糸3の直径Φを同時に感知する糸3品質の光学式センサ6によって感知される。
本発明は、結束紡績糸の製造におけるエアジェット紡績機に適用可能である。また、それは巻取機に適用可能であり、原則として、直径特性の観点および毛羽立ちの観点からだけでなく、製造および/または処理される糸構造の変化の観点からも、製造および/または処理された結束紡績糸を評価することが必要または望ましい場合、結束紡績糸を製造および/または処理および/または解析または測定するための他の種類の繊維機械にも一般的に適用可能である。
1 紡績ステーション
10 スライバー缶
11 スライバー
13 ドラフト装置
14 繊維状形成物
2 紡績ユニット
20 紡績ノズル
21 紡績ノズルからの糸の出口
3 結束紡績糸
30 結束紡績糸コア
300 結束紡績糸コアの突出端
31 ラッパー繊維
310 ラッパー繊維の突出端
32 粗繊維
320 粗繊維の自由端
321 粗繊維のたるんだ部分
4 引き出し機構
5 巻き取り装置
50 ボビン
6 光学式糸センサ
60 放射源
600 コリメーション光学系
61 光感知素子
610隣同士に配置された放射感応素子の列
6100 放射感応素子
62 測定スロット
7 電子機器
D1 糸の視覚的外観に関する(糸画像に関する)データ
D2 ラッパー繊維および/または粗繊維によって糸コアがどのように巻かれるか、または糸の視覚的構造がどのようなものであるかに関する記述データ
E 光学式センサの感知素子の幅方向における糸表面のエッジの位置のスペクトル
Φ 糸径
H 糸エッジ
ΔH 糸エッジの位置の変化
K 糸の表面うねり
ΔK 糸表面のうねりの偏差
Kref 糸表面の基準うねり
KWS ラッパー繊維と粗繊維による糸コアの全体ラッピング
ΔKWS 糸コアの基準全体ラッピング
L 配置された放射感応素子の列の長さ
LN 糸コアのたるみの短い部分
O 糸表面のエッジ位置のスペクトル(エッジ位置の変化)を監視するために重要な周波数の範囲
OL 糸コアのエッジに沿った限定された領域の粗繊維のスペクトルの時間領域で糸構造の乱れを監視するために重要な周波数領域
P 製造中の糸の移動方向
R ラッパー繊維の螺旋のピッチ
R1、R2、R3 粗繊維の螺旋のピッチ
S 糸コアのラッピング
V 糸の構造的欠陥
W 糸の荒れ
ΔW 糸の荒れの偏差
Wref 基準糸荒れ
Z 糸に沿った監視ゾーン

Claims (14)

  1. 平行繊維によって形成されたコアを備え、前記コアが、ラッパー繊維と粗繊維とを備える繊維のラッピング層によって互いに結び付けられている、結束紡績糸の構造的欠陥を検出する方法であって、
    移動する糸画像が、前記糸の長さの少なくとも一部で少なくとも1つの光学式糸センサによって取り込まれ、
    前記光学式糸センサは、少なくとも1列の放射感応素子と少なくとも1つの放射源とを備え、
    前記光学式センサは、ソフトウェアを搭載した電子機器に接続され、
    前記取り込まれた糸画像をデジタル画像解析法により処理し、前記糸の表面構造に関するデータを取得し、
    前記取得されたデータから、前記糸の長さに沿った前記糸の表面構造の変化を評価し、
    前記糸の表面構造のこれらの変化が、事前に設定された基準と比較され、
    前記糸の表面構造のこれらの変化が、前記事前に設定された基準を超える場合、糸の関連する場所が、糸の構造的欠陥の発生場所として決定される、方法。
  2. 前記光学式センサは、前記糸のエッジに沿って結束紡績糸画像を取り込み、
    前記糸の前記取り込まれた画像を、デジタル画像解析法を使用して処理して、前記糸のエッジに沿った前記糸構造に関するデータを取得し、
    前記取得されたデータから、前記糸のエッジに沿った前記糸構造の変化を評価し、
    前記糸のエッジに沿った前記糸構造のこれらの変化が、事前に設定された基準と比較され、
    前記糸のエッジに沿った前記糸構造のこれらの変化が、前記事前に設定された基準を超える場合、糸の関連する場所が、糸の構造的欠陥の発生場所として決定される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記光学式糸センサは、前記糸のエッジに沿って結束紡績糸エンベロープの画像を取り込み、
    糸のまっすぐな方向からの前記糸の前記エンベロープの前記画像の横方向の偏差の解析が、デジタル画像解析法によって行われる、および/または前記糸構造の乱れの解析が行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記糸のまっすぐな方向からの前記結束紡績糸エンベロープの前記画像の前記横方向の偏差を解析するために、前記光学式糸センサに対する前記糸画像の前記エッジの位置の変化が評価され、
    前記糸の表面エッジの前記位置のスペクトルの周波数の少なくとも1つの範囲が決定または設定され、
    前記少なくとも1つの決定または設定された周波数範囲内の前記糸画像の前記エッジの前記位置の前記スペクトルが監視され継続的に評価され、
    前記少なくとも1つの決定または設定された周波数範囲内の前記糸画像の前記エッジの前記位置の前記監視され継続的に評価されたスペクトルから、前記糸表面のうねりが、前記糸エンベロープの前記糸のまっすぐな方向からの前記偏差の関数として決定され、
    前記糸のまっすぐな方向からの前記糸エンベロープの前記画像の現在の横方向の偏差は、連続的に統計的に評価され、前記糸表面のうねりの基準値と比較され、前記糸表面のうねりの前記基準値は、同じユニットからの前記糸表面のうねりの値の長期平均か、および/または同じ糸を製造または処理または解析するために設定された複数のユニットからの前記糸表面のうねりの値の長期平均によって形成される、および/または前記糸表面のうねりの前記基準値は、製造または処理または測定機械の現在の製造または処理または測定パラメータに従って設定され、
    前記糸表面のうねりが、前記表面うねりの前記基準値から設定された判定閾値を超えた現在の偏差の発生時に、糸の構造的欠陥が検出される、請求項3に記載の方法。
  5. 結束紡績糸の前記エッジの前記位置の前記スペクトルの前記解析された周波数の範囲は、前記現在の糸パラメータ、特に糸製造のための繊維状材料の種類、糸の移動速度、紡績ノズル内の紡績圧力、紡績糸の繊度、および紡績ユニットの現在の構成要素、特に紡績ノズルの種類に応じて設定される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記結束紡績糸構造の乱れを解析するために、前記糸構造の前記乱れを監視するのに重要な、前記糸の長さの少なくとも一部の粗繊維の画像を監視するための少なくとも1つの領域が決定または設定され、
    この領域では、前記糸の乱れが監視および評価され、
    前記糸構造の乱れから、糸の荒れが、前記結束紡績糸構造内の凹凸の発生の関数として、および/または、前記結束紡績糸表面構造内の凹凸の発生の関数として決定され、
    前記糸の荒れが監視され、前記糸の荒れの基準値と比較され、前記糸の荒れの前記基準値は、同じユニットからの前記糸の荒れの値の長期平均であるか、および/または同じ糸を製造または処理または測定するために設定された複数のユニットからの前記糸の荒れの値の長期平均である、および/または前記糸の荒れの前記基準値は、製造または処理または測定機械の現在の製造または処理または測定パラメータに従って設定され、
    前記糸の荒れの前記基準値から設定された判定閾値を超えた前記糸の荒れの現在の偏差の発生時に、糸の構造的欠陥が検出される、請求項3に記載の方法。
  7. 結束紡績糸の長さの少なくとも一部の粗繊維の画像を監視する領域は、現在の糸パラメータ、特に糸製造のための繊維状材料の種類、糸の移動速度、紡績ノズル内の紡績圧力、紡績糸の繊度、ならびに紡績ユニットの現在の構成要素、特に紡績ノズルの種類に応じて設定される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記糸のまっすぐな方向からの前記結束紡績糸エンベロープの前記画像の横方向の偏差の解析と、前記糸構造の乱れの解析が同時に実行される、請求項3~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 結束紡績糸の構造的欠陥を検出するための前記糸画像の前記取り込みと同時に、光学式糸品質センサが、少なくとも1つの糸直径パラメータ、特に糸直径を感知する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 少なくとも1列の放射感応素子を有する少なくとも1つの光学式糸センサを有し、少なくとも1つの放射源、ならびに、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実行するように適合された手段をさらに有する、結束紡績糸の構造的欠陥を検出するための装置。
  11. 前記光学式糸センサは、糸品質の光学式センサによって形成されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
  12. 請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実行するように適合された前記手段は、メモリを有するマイクロプロセッサ、またはゲートアレイ、またはASICタイプのカスタム電子回路を備えるか、またはこれらの素子の少なくとも2つの組み合わせを備えることを特徴とする、請求項10または11に記載の装置。
  13. 請求項10~12のいずれか一項に記載の装置に、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータプログラム(製品)。
  14. 請求項13に記載のコンピュータプログラムを内部に格納したコンピュータ可読媒体。
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