JP3474109B2 - 頭部保護エアバッグ袋体の固定構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ピラー部からルー
フサイドレール部に沿って格納され、車体側部への所定
の高荷重作用時にインフレータから噴出したガスによっ
てカーテン状に膨張する頭部保護エアバッグ袋体の固定
構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】車体側部への所定の高荷重作用時におけ
る前席に着座した乗員の頭部の保護性能を向上させるべ
く、フロントピラー部からルーフサイドレール部に跨が
って折り畳み状態で格納されたエアバッグ袋体を、サイ
ドウインドガラスに沿ってカーテン状に膨張させる頭部
保護エアバッグ装置が既に提案されている。以下、この
種の頭部保護エアバッグ装置を開示したＷＯ ９６／２
６０８７号公報に示される構成について説明する。

【０００３】図７に示される如く、この頭部保護エアバ
ッグ装置１００は、フロントピラー部１０２からルーフ
サイドレール部１０４に跨がって配設された長尺状のダ
クト１０６と、このダクト１０６内に折り畳み状態で格
納されると共に前端固定点１０８及び後端固定点１１０
にて車体側に固定されたエアバッグ袋体１１２と、ホー
ス１１４を介してダクト１０６の後端部と接続されると
共に車体側部への所定の高荷重作用時にガスを噴出する
インフレータ１１６と、一端部が車体側に固定されると
共に他端部がエアバッグ袋体１１２の後端部に固定され
た帯状のストラップ１１８と、を主要構成要素として構
成されている。さらに、エアバッグ袋体１１２は、各々
略円筒状に形成されかつ略車両上下方向を長手方向とし
て配置された複数のセル１２０を連接させることにより
構成されている。

【０００４】上記構成によれば、車体側部への所定の高
荷重作用時になると、インフレータ１１６からガスが噴
出される。このため、噴出されたガスは、ホース１１４
及びダクト１０６を介して折り畳み状態のエアバッグ袋
体１１２の各セル１２０内へ流入される。その結果、各
セル１２０が略車両上下方向を長手方向として略円筒状
に膨張し、これによりエアバッグ袋体１１２がウインド
ガラス１２２に沿ってカーテン状に膨張される。さら
に、エアバッグ袋体１１２の後端部はストラップ１１８
を介して車体側に連結されているため、エアバッグ袋体
１１２の後端側は確実にセンタピラー部１２４の上部内
側に配置されるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな頭部保護エアバッグ装置１００では、エアバッグ袋
体１１２をフロントピラー部１０２及びルーフサイドレ
ール部１０４の各内装材の内側部に格納するため、格納
スペースが少ない。この結果、折り畳まれた状態で格納
されたエアバッグ袋体が、車室内側方向に変移した（倒
れ込んだ）場合には、例えば、エアバッグ袋体が天井部
内装材の車幅方向外側縁部を車室内側方向へ押圧する。
この結果、天井部内装材の車幅方向外側縁部と、ボデー
側に固定されたウエザーストリップとの間に隙間が発生
することが考えられる。また、エアバッグ袋体の上方縁
部に、所定の間隔でベロ状の取付部を突出形成し、この
取付部に穿設した取付穴に挿入したボルトによって、エ
アバッグ袋体をボデーに締結する取付構造とした場合に
は、取付部をボデーに締結する際に、取付部がボルトの
締結方向に回転することがあり、組付け不良となること
が考えられる。

【０００６】本発明は上記事実を考慮し、折り畳まれた
状態で格納されたエアバッグ袋体の車室内側への倒れ込
みを防止できると共に、ボデーへの組付時に発生するエ
アバッグ袋体の取付部の締結方向への回転を防止できる
頭部保護エアバッグ袋体の固定構造を得ることが目的で
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の本発明
は、カーテン状エアバッグ袋体を折り畳んでピラーとル
ーフサイドレールに跨がって格納する頭部保護エアバッ
グ袋体の固定構造において、前記折り畳まれたエアバッ
グ袋体の長手方向中間部に配設された保持手段を備え、
該保持手段は車両側面視が略十字形状をなし、横方向に
延び前記エアバッグ袋体を保持する保持部と、該保持部
から上方に延びボデー側に締結固定された固定部と、該
固定部から下方に延び弾性変形し前記ボデー側に形成さ
れたフランジ部に係止された係止部と、を有し、前記係
止部にオープニングウエザストリップが嵌着されたこと
を特徴とする。

【０００８】従って、保持部に折り畳まれたエアバッグ
袋体を保持した保持手段が、保持部から上方に延びる固
定部においてボデー側に締結固定されると共に、該固定
部から下方に延びる係止部が弾性変形しボデー側に形成
されたフランジ部に係止されており、保持手段が上下２
点止めとなっている。この結果、保持手段の保持部がボ
デー側に係止されて車室内側方向へ倒れ込まないため、
保持部に保持されたエアバッグ袋体の車室内側への倒れ
込みを有効に防止できる。更に、係止部にオープニング
ウエザストリップを嵌着できる。

【０００９】また、保持手段の固定部をボデー側に締結
固定する際には、保持手段の係止部がボデー側に係止さ
れているため、保持手段が締結方向に回転しようとして
も、係止部により、締結方向への回転を防止できる。こ
の結果、ボデーへの組付時に発生するエアバッグ袋体の
取付部の締結方向への回転を防止できる。

【００１０】

【００１１】

【００１２】

【００１３】請求項２記載の発明は、カーテン状エアバ
ッグ袋体を折り畳んでピラーとルーフサイドレールに跨
がって格納する頭部保護エアバッグ袋体の固定構造にお
いて、前記折り畳まれたエアバッグ袋体の長手方向中間
部に配設された保持手段を備え、前記保持手段はプレー
トから成り、車両側面視が略逆Ｔ字形状をなし、横方向
に延びる保持部に前記エアバッグ袋体が保持され、上方
に延びる固定部がボデー側部に締結固定され、且つ、且
つ、前記固定部の真下に形成された係止部の貫通孔がク
リップにより前記ボデー側に形成された係止孔に係止さ
れたことを特徴とする。

【００１４】従って、横方向に延びる保持部に、折り畳
まれたエアバッグ袋体を保持したプレートから成る保持
手段が、上方に延びる固定部においてボデー側に締結固
定されると共に、固定部の真下に形成された係止部の貫
通孔がクリップによりボデー側に形成された係止孔に係
止されており、保持手段が上下２点止めとなっている。
この結果、保持手段の保持部が車室内側方向へ倒れ込ま
ないため、この保持部に保持されたエアバッグ袋体の車
室内側への倒れ込みを有効に防止できる。

【００１５】また、保持手段の固定部をボデー側に締結
固定する際には、固定部の真下に形成された係止部の貫
通孔がクリップによりボデー側に形成された係止孔に係
止されるため、保持手段が締結方向に回転しようとして
も、係止部により、締結方向への回転を防止できる。こ
の結果、ボデーへの組付時に発生するエアバッグ袋体の
取付部の締結方向への回転を防止できる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の頭部保護エアバッグ袋体
の固定構造の第１実施形態を図１〜図４に従って説明す
る。

【００１７】なお、図中矢印ＦＲは車両前方方向を、矢
印ＵＰは車両上方方向を、矢印ＩＮは車幅内側方向を示
す。

【００１８】図３に示される如く、本実施形態の頭部保
護エアバッグ装置１０は、側突状態を検出するためのセ
ンサ１２と、作動することによりガスを噴出する円柱状
のインフレータ１４と、エアバッグ袋体１６と、を主要
構成要素として構成されている。センサ１２は、センタ
ピラー（Ｂピラー）１８の下端部付近に配設されてお
り、所定値以上の側突荷重が車体側部に作用した場合に
側突状態を検出するようになっている。

【００１９】インフレータ１４はフロントピラー（Ａピ
ラー）２０とインストルメントパネル２２との接続部付
近に車幅方向に沿って配設されており、前述したセンサ
１２と接続されている。従って、センサ１２が側突状態
を検出すると、インフレータ１４が作動するようになっ
ている。

【００２０】図４に示される如く、エアバッグ袋体１６
の側面視で上下方向中間部には、エアバッグ袋体１６の
前端固定点と後端固定点とを結ぶテンションラインＴを
横切りエアバッグ袋体上下方向を長手方向とする複数の
非膨張部２４が所定の間隔で形成されており、これらの
非膨張部２４によって、エアバッグ袋体展開時にテンシ
ョンラインＴを横切る複数の略平行な円筒状膨張部が形
成されるようになっている。

【００２１】図３に示される如く、エアバッグ袋体１６
の前端部１６Ａは、インフレータ１４に連結された導管
１４Ａの先端部に配置されており、中間部１６Ｂの上縁
部はフロントピラー２０及びルーフサイドレール２８に
沿って配置され、後端部１６Ｃの上縁部はクォータピラ
ー（Ｃピラー）３０付近に配置されている。また、略上
下方向へ蛇腹状に折り畳まれて長尺状にされたエアバッ
グ袋体１６の車室内側には、フロントピラーガーニッシ
ュ（図示省略）とルーフヘッドライニング（図示省略）
とが配設されており、エアバッグ袋体は、これらのフロ
ントピラーガーニッシュとルーフヘッドライニング（図
示省略）とを押し開いて車室内に展開するようになって
いる。なお、図３の符号３１はアシストグリップを示し
ている。図４に示される如く、エアバッグ袋体１６は、
基布により構成されており、上縁部にはベロ状の取付部
３５が突出形成されており、これらの取付部３５の略中
央部には円形の取付孔３６が穿設されている。エアバッ
グ袋体１６はこれらの取付孔３６において、ボルト等の
締結手段によりフロントピラー２０及びルーフサイドレ
ール２８に固定されており、各取付孔３６のピッチは、
ボデー側の取付穴のピッチよりも長く、且つ、エアバッ
グ袋体展開時に、フロントピラー２０及びルーフサイド
レール２８を隙間無く覆うことができる長さ以下に設定
されている。

【００２２】図２に示される如く、ルーフサイドレール
２８は、車室外側に配置されたアウタパネル３２と、車
室内側に配置されたインナパネル３４とによって閉断面
構造とされている。なお、ルーフサイドレール２８の下
端フランジ部２８Ａには、オープニングウエザストリッ
プ３８が弾性的に嵌着されている。

【００２３】ルーフサイドレール２８のインナパネル３
４の車室内側には、樹脂製のルーフヘッドライニング４
０の車幅方向外側縁部４２が配設されている。ルーフヘ
ッドライニング４０の車幅方向外側縁部４２は、エアバ
ッグ袋体展開時に、図２に二点鎖線で示される如く、車
室内方へ変形し、開く構成となっている。なお、ルーフ
ヘッドライニング４０の車幅方向外側縁部４２の端末部
４２Ａは、前述したオープニングウエザストリップ３８
に係止されている。

【００２４】図３に示される如く、折り畳まれたエアバ
ッグ袋体１６の中間部１６Ｂ、例えば、ルーフサイドレ
ール２８の前端部近傍には、保持手段としてのスプリン
グクリップ４４が配設されている。

【００２５】図１に示される如く、このスプリングクリ
ップ４４は、車両側面視が略十字形状をなし、横方向に
延びる保持部４４Ａに、折り畳まれたエアバッグ袋体１
６が、テープ４６によって固定されている。なお、保持
部４４Ａの両端部には、上下方向に拡幅された幅広部４
４Ｂが形成されて、テープ４６が保持部４４Ａから抜け
るのを防止している。また、テープ４６は、エアバッグ
袋体展開時に容易に破断するようになっている。

【００２６】スプリングクリップ４４の保持部４４Ａの
長手方向中央部には上方に延びる固定部４４Ｃが形成さ
れており、固定部４４Ｃには、円形状の取付孔４８が穿
設されている。この取付孔４８と対向するルーフサイド
レール２８のインナパネル３４の部位には、貫通孔５０
が穿設されている。なお、固定部４４Ｃの車室内側に
は、エアバッグ袋体１６の取付部３５を挟んで補強板３
７がカシメ等によって固定されており、エアバッグ袋体
１６の取付部３５は、固定部４４Ｃと補強板３７とで挟
持されている。なお、補強板３７には貫通孔３９が穿設
されている。図２に示される如く、補強板３７の貫通孔
３９、取付部３５の取付孔３６、固定部４４Ｃの取付孔
４８、インナパネル３４の貫通孔５０には車室内側から
締結手段としてのボルト５２が挿入されており、このボ
ルト５２は、ルーフサイドレール２８のインナパネル３
４の車室外側面３４Ａに溶着されたウエルドナット５４
に螺合している。

【００２７】図１に示される如く、スプリングクリップ
４４の保持部４４Ａの長手方向中央部には下方に延びる
係止部４４Ｄが形成されている。

【００２８】図２に示される如く、係止部４４Ｄの先端
部は断面コ字状のフック４４Ｅとなっており、ルーフサ
イドレール２８の下端フランジ部２８Ａに係止されてい
る。また、フック４４Ｅの根元部には、断面円弧状の変
形部４４Ｆが形成されている。この結果、スプリングク
リップ４４は、変形部４４Ｆによる弾性変形により、フ
ック４４Ｅがルーフサイドレール２８の下端フランジ部
２８Ａに係止されている状態で、固定部４４Ｃをインナ
パネル３４に当接させることが可能となっている。

【００２９】次に、本実施形態の作用を説明する。

【００３０】本実施形態の頭部保護エアバッグ装置１０
では、横方向に延びる保持部４４Ａに、折り畳まれたエ
アバッグ袋体１６を保持したスプリングクリップ４４の
固定部４４Ｃをボルト５２によってルーフサイドレール
２８のインナパネル３４に締結する際に、先ず、スプリ
ングクリップ４４に形成された係止部４４Ｄのフック４
４Ｅをルーフサイドレール２８の下端フランジ部２８Ａ
に係止する。その後、フック４４Ｅがルーフサイドレー
ル２８の下端フランジ部２８Ａに係止されている状態
で、弾性変形させ固定部４４Ｃをインナパネル３４に当
接させる。

【００３１】この状態で、補強板３７の貫通孔３９、取
付部３５の取付孔３６、固定部４４Ｃの取付孔４８、イ
ンナパネル３４の貫通孔５０に、車室内側からボルト５
２が挿入し、ボルト５２をルーフサイドレール２８のイ
ンナパネル３４の車室外側面３４Ａに溶着されたウエル
ドナット５４に螺合する。

【００３２】この際、ボルト５２の回転により、スプリ
ングクリップ４４が締結方向（図１の矢印Ａ方向）に回
転しようとしても、スプリングクリップ４４に形成され
た係止部４４Ｄのフック４４Ｅが、ルーフサイドレール
２８の下端フランジ部２８Ａに係止されている。この結
果、スプリングクリップ４４の締結方向への回転を防止
できるため、ボデーへの組付時に発生するエアバッグ袋
体１６の取付部３５の締結方向への回転を防止できる。

【００３３】さらに、スプリングクリップ４４に形成し
た係止部４４Ｄのフック４４Ｅをルーフサイドレール２
８の下端フランジ部２８Ａに弾性的に係止できるので、
この係止により、エアバッグ袋体１６を車体へ仮止めで
きる。この結果、エアバッグ袋体１６の車体への組付け
作業性を向上させることが可能である。

【００３４】また、本実施形態では、エアバッグ袋体１
６の車体への組付け状態において、スプリングクリップ
４４が、ルーフサイドレール２８のインナパネル３４に
対して固定部４４Ｃとフック４４Ｅとの上下２点止めと
なっている。この結果、スプリングクリップ４４の保持
部４４Ａが車室内側方向へ倒れ込まないため、折り畳ま
れた状態でスプリングクリップ４４の保持部４４Ａに保
持されたエアバッグ袋体１６の車室内側への倒れ込みを
有効に防止できる。

【００３５】次に、本発明の頭部保護エアバッグ袋体の
固定構造の第２実施形態を図５及び図６に従って説明す
る。

【００３６】なお、第１実施形態と同一部材については
同一符号を付してその説明を省略する。

【００３７】図５に示される如く、本実施形態では、保
持手段としてのプレート５６は、車両側面視が略逆Ｔ字
形状となっており、横方向に延びる保持部５６Ａに、折
り畳まれたエアバッグ袋体１６が、テープ４６によって
固定されている。なお、保持部５６Ａの両端部に、上下
方向に拡幅された幅広部を形成し、テープ４６が保持部
５６Ａから抜けるのを防止する構成としても良い。

【００３８】プレート５６の保持部５６Ａの長手方向中
央部には上方に延びる固定部５６Ｂが形成されており、
固定部５６Ｂには、円形状の取付孔５８が穿設されてい
る。この取付孔５８と対向するルーフサイドレール２８
のインナパネル３４の部位には、貫通孔５０が穿設され
ている。

【００３９】図６に示される如く、補強板３７の貫通孔
３９、取付部３５の取付孔３６、固定部５６Ｂの取付孔
５８、インナパネル３４の貫通孔５０には車室内側から
ボルト５２が挿入されており、このボルト５２は、ルー
フサイドレール２８のインナパネル３４の車室外側面３
４Ａに溶着されたウエルドナット５４に螺合している。

【００４０】図５に示される如く、プレート５６の保持
部５６Ａの長手方向中央部は係止部５６Ｃとなってお
り、貫通孔６０が穿設されている。この貫通孔６０に
は、係止部材としてのクリップ６２が車室内側から取付
られている。また、ルーフサイドレール２８のインナパ
ネル３４には、ボデー側係止部としての係止孔６４が穿
設されており、この係止孔６４に、プレート５６に取付
られたクリップ６２が係止されている。

【００４１】次に、本実施形態の作用を説明する。

【００４２】本実施形態の頭部保護エアバッグ装置１０
では、横方向に延びる保持部４４Ａに、折り畳まれたエ
アバッグ袋体１６を保持したプレート５６の固定部５６
Ｂをボルト５２によってルーフサイドレール２８のイン
ナパネル３４に締結する際に、先ず、プレート５６に取
付られたクリップ６２を、ルーフサイドレール２８のイ
ンナパネル３４に穿設された係止孔６４に係止する。そ
の後、プレート５６に取付られたクリップ６２がインナ
パネル３４の係止孔６４に係止されている状態で、補強
板３７の貫通孔３９、取付部３５の取付孔３６、固定部
５６Ｂの取付孔５８、インナパネル３４の貫通孔５０
に、車室内側からボルト５２が挿入し、ボルト５２をル
ーフサイドレール２８のインナパネル３４の車室外側面
３４Ａに溶着されたウエルドナット５４に螺合する。

【００４３】この際、ボルト５２の回転により、プレー
ト５６が締結方向（図５の矢印Ｂ方向）に回転しようと
しても、プレート５６に取付られたクリップ６２がイン
ナパネル３４の係止孔６４に係止されている。この結
果、プレート５６の締結方向への回転を防止でききるた
め、ボデーへの組付時に発生するエアバッグ袋体１６の
取付部３５の締結方向への回転を防止できる。

【００４４】さらに、プレート５６に取付られたクリッ
プ６２をインナパネル３４の係止孔６４に係止できるの
で、この係止により、エアバッグ袋体１６を車体へ仮止
めできる。この結果、エアバッグ袋体１６の車体への組
付け作業性を向上させることが可能である。

【００４５】また、本実施形態では、エアバッグ袋体１
６の車体への組付け状態において、プレート５６が、ル
ーフサイドレール２８のインナパネル３４に対して固定
部５６Ｂと係止部５６Ｃとの上下２点止めとなってい
る。この結果、プレート５６の保持部５６Ａが車室内側
方向へ倒れ込まないため、折り畳まれた状態でプレート
５６に保持されたエアバッグ袋体１６の車室内側への倒
れ込みを有効に防止できる。

【００４６】以上に於いては、本発明を特定の実施形態
について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々
の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかで
ある。例えば、ルーフサイドレール２８のインナパネル
３４に形成されたボデー側係止部は、係止孔６４に代え
て、凹部、切欠等の他の係止部でも良い。また、クリッ
プ６２に代えて、フック等の他の係止部材を使用しても
良い。また、テープ４６に代えて糸等の他の保持部材を
使用しても良い。

【００４７】また、本発明の頭部保護エアバッグ装置
は、クォータピラー（Ｃピラー）３０側にインフレータ
を配設した構成にも適用可能であり、折り畳まれたエア
バッグ袋体１６を、長尺のケース内に格納した状態でフ
ロントピラー２０からルーフサイドレール２８に跨がっ
て配置する構成としても良い。

【００４８】

【発明の効果】上記説明した如く、請求項１、２に記載
の本発明の頭部保護エアバッグ袋体の固定構造は、折り
畳まれた状態で格納されたエアバッグ袋体の車室内側へ
の倒れ込みを防止できると共に、ボデーへの組付時に発
生するエアバッグ袋体の取付部の締結方向への回転を防
止できるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態に係る頭部保護エアバッ
グ袋体の固定構造を示す車両内側後方から見た一部断面
で示す斜視図である。

【図２】図３の２−２線に沿った拡大断面図である。

【図３】本発明の第１実施形態に係る頭部保護エアバッ
グ袋体の格納状態を示す概略側面図である。

【図４】本発明の第１実施形態に係る頭部保護エアバッ
グ袋体を示す概略側面図である。

【図５】本発明の第２実施形態に係る頭部保護エアバッ
グ袋体の固定構造を示す車両内側後方から見た斜視図で
ある。

【図６】本発明の第２実施形態に係る頭部保護エアバッ
グ袋体の固定構造を示す図２に対応する拡大断面図であ
る。

【図７】従来の実施形態に係る頭部保護エアバッグ装置
におけるエアバッグ袋体の展開完了状態を示す概略側面
図である。

【符号の説明】

１０ 頭部保護エアバッグ装置 １４ インフレータ １６ エアバッグ袋体 １８ センタピラー ２０ フロントピラー ２８ ルーフサイドレール ３０ クォータピラー ３４ ルーフサイドレールのインナパネル ３５ エアバッグ袋体の取付部 ４０ ルーフヘッドライニング ４２ ルーフヘッドライニングの車幅方向外側縁部 ４４ スプリングクリップ（保持手段） ４４Ａ スプリングクリップの保持部 ４４Ｃ スプリングクリップの固定部 ４４Ｄ スプリングクリップの係止部 ４６ テープ ５２ ボルト（締結手段） ５６ プレート（保持手段） ５６Ａ プレートの保持部 ５６Ｂ プレートの固定部 ５６Ｃ プレートの係止部 ６２ クリップ（係止部材） ６４ 係止孔（ボデー側係止部）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−138861（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−181497（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−203288（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−157555（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B60R 21/16 B60R 21/22 B60R 21/20 B60R 13/02 B62D 25/06

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カーテン状エアバッグ袋体を折り畳んで
   ピラーとルーフサイドレールに跨がって格納する頭部保
   護エアバッグ袋体の固定構造において、 前記折り畳まれたエアバッグ袋体の長手方向中間部に配
   設された保持手段を備え、 該保持手段は車両側面視が略十字形状をなし、横方向に
   延び前記エアバッグ袋体を保持する保持部と、該保持部
   から上方に延びボデー側に締結固定された固定部と、該
   固定部から下方に延び弾性変形し前記ボデー側に形成さ
   れたフランジ部に係止された係止部と、を有し、 前記係止部にオープニングウエザストリップが嵌着され
   たことを特徴とする頭部保護エアバッグ袋体の固定構
   造。
2. 【請求項２】 カーテン状エアバッグ袋体を折り畳んで
   ピラーとルーフサイドレールに跨がって格納する頭部保
   護エアバッグ袋体の固定構造において、 前記折り畳まれたエアバッグ袋体の長手方向中間部に配
   設された保持手段を備え、 前記保持手段はプレートから成り、車両側面視が略逆Ｔ
   字形状をなし、横方向に延びる保持部に前記エアバッグ
   袋体が保持され、上方に延びる固定部がボデー側部に締
   結固定され、且つ、前記固定部の真下に形成された係止
   部の貫通孔がクリップにより前記ボデー側に形成された
   係止孔に係止されたことを特徴とする頭部保護エアバッ
   グ袋体の固定構造。