JP3473081B2 - 接ぎ苗順化装置 - Google Patents
接ぎ苗順化装置Info
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- JP3473081B2 JP3473081B2 JP00700094A JP700094A JP3473081B2 JP 3473081 B2 JP3473081 B2 JP 3473081B2 JP 00700094 A JP00700094 A JP 00700094A JP 700094 A JP700094 A JP 700094A JP 3473081 B2 JP3473081 B2 JP 3473081B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
- Y02A40/25—Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor
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- Greenhouses (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は接ぎ木後の接ぎ苗を活着
促進させる接ぎ苗順化装置に関し、特に順化装置内の接
ぎ苗活着促進に最適な環境を保つための制御装置を備え
た接ぎ苗順化装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】接ぎ苗順化装置では、その内部に収納さ
れた接ぎ苗の活着を促進させるために、順化装置内の空
間に冷却空気、加熱空気、加湿空気をそれぞれ供給し
て、順化装置内の雰囲気温度を調節している。加湿空気
は加湿器から水滴を霧状にして噴霧して、これを前記冷
却空気および／または加熱空気により加湿空気とするも
のである。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の接ぎ苗
の順化装置には冷凍機用温度調節器と加熱用温度調節器
が別々に独立して設置されており、冷却と暖房の切り換
えが効率的に行えず、省エネルギー運転ができなかっ
た。また各々の温度調節器の精度が悪ければ、冷凍機と
加熱機とが同時運転されたり、冷凍機と加熱機のいずれ
かの運転開始が遅れたりして順化装置内の雰囲気温度の
バラツキが大きくなることがあった。そこで、本発明の
目的は効率的に冷房と暖房の切り換えが容易にでき、装
置内の雰囲気温度を適切に調節することができる順化装
置を提供することである。また、本発明の目的は接ぎ苗
の活着を適切に促進させることができる順化装置を提供
することである。 【０００４】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。すなわち、接ぎ木後の接ぎ苗
を活着促進のため好適環境を保つ接ぎ苗順化装置におい
て、順化装置の壁面を外壁と内壁との二重壁で構成し、
二重壁間の空間に冷却手段と加熱手段と該両手段で得ら
れる冷房空気または暖房空気を前記空間内に循環させる
ファンを配置し、前記二重壁間の空間と内室内の加湿空
間とを隔てる内壁２の内部には加湿器を設け、さらに内
壁内に複数段の接ぎ苗収納用の収納棚が配置された順化
室を配置し、加湿器から内壁内の上方側と側方側から各
収納棚に向けてそれぞれ噴霧水を噴霧する配管とスプレ
ノズルを設け、また、順化室には温度センサーを配置
し、該温度センサーの順化室内の雰囲気温度の測定値と
該温度設定値との偏差に応じて、前記冷却手段または加
熱手段を作動させる温度制御器を設けた接ぎ苗順化装置
である。 【０００５】 【作用】本発明の接ぎ苗順化装置の壁面は外壁と内壁と
の二重壁で構成され、二重壁間の空間に設けられた冷却
手段と加熱手段で得られる冷房空気または暖房空気を循
環ファンにより該空間内を循環させることで内壁内に設
けられる接ぎ苗収納用の順化室内の雰囲気温度を調整す
る。順化室に設けられた温度センサーにより測定される
順化室内の雰囲気温度と該温度設定値との偏差に応じ
て、温度制御器が前記冷却手段または加熱手段のいずれ
かを作動することで、順化室内の温度を制御して、接ぎ
木後の接ぎ苗の活着促進のために好適な環境を保つこと
ができる。このように１つの温度調節器により冷却手段
と加熱手段の作動を制御し、温度制御を行うことがで
き、適正温度を効率的に保持できる。また、循環ファン
を冷却空気と加熱空気の送風用に兼用できるので、設備
のコストダウンが図れる。また、前記冷暖房空気は直接
順化室を流れるものではないので、冷暖房空気の風速に
より、接ぎ苗のしおれ発生がなく活着が良好となる。 【０００６】 【実施例】本発明の一実施例を図面と共に説明する。本
実施例の順化装置の正面側断面視面を図１に、横断面視
面を図２に、側面側断面視面を図３にそれぞれ示す。本
実施例の順化装置の構造的特徴は断熱性パネルで構成し
た順化装置の外壁１の内部に熱伝導性の高い材質で構成
した内壁２を設け、外壁１と内壁２との間に作られた空
間に冷暖房空気を循環させることである。そして、内壁
２内には複数段の収納棚３を設け、各収納棚３上に接ぎ
苗を植え付けたプラグトレー５が配置される。収納棚３
の段数は特に限定がなく図示の例では４段配置されたも
のである。収納棚３は板を格子状に配置して、隣接する
板間は隙間が設けられているので、収納棚３の上下方向
には空気が流通可能であり、外壁１と内壁２との間に作
られた空間に配置される循環ファン（庫内ファン１３）
の作動により内壁２内全体の雰囲気を同一条件とするこ
とができる。前述したように、外壁１と内壁２との間に
は冷暖房空気の循環風路があり、冷暖房空気は熱伝導性
の高い材質で構成された内壁２を介して接ぎ苗の収納室
内の温度制御が行われる。 【０００７】冷暖房空気は順化装置の頂部外壁１に設置
される冷凍機６と加熱ヒータ７により形成される。冷凍
機６はコンデンサ９、コンデンサ用庫外ファン１０、コ
ンプレッサー１１、蒸発器１２および庫内ファン１３と
からなり、庫内ファン１３と蒸発器１２は外壁１と内壁
２の間の空間に配置される。また、加熱ヒータ７も前記
庫内ファン１３と蒸発器１２近傍の外壁１と内壁２の間
の空間に配置される。そして庫内ファン１３の作動で外
壁１と内壁２の間の空間内の空気が循環する。このと
き、冷凍機６の蒸発器１２が作動中であると冷却空気が
得られ、加熱ヒータ７が作動中であると加熱空気が得ら
れる。収納棚３上部にはプラグトレー５の接ぎ苗を照明
するための人工照明灯１５（３０００Ｌｕｘ以上）が設
けられる。また、最上段の収納棚３のある部分には湿度
制御（９０％以上）のための加湿器１６が配置され、加
湿器１６から適宜の収納棚３に向けて噴霧する噴霧水の
スプレノズル１７を端部に備えた配管１８が配置されて
いる。本実施例では加湿器１６は噴霧液滴が微粒である
ので、超音波式のものを用いることが望ましい。しか
し、これに限定されず、いかなる種類の加湿器１６を用
いても良い。 【０００８】また、図４に示すように、順化装置の二重
壁構造の一側壁には内壁２内部、すなわち順化室１９よ
り外壁１外部に連通する吸気口２０を設け、該側壁と対
向する順化装置側壁には内壁２内部より外壁１外部に連
通する排気口２１、該排気口内ファン２２を設ける。ま
た、吸気口２０の吸い込み口にはダンパー２３を設け
る。そして、内壁２内部の適宜箇所、望ましくは中央空
間にＣＯ2濃度センサー２５および温度センサー２６を
設ける。また、図５に本実施例の順化装置の順化室１９
内の雰囲気温度制御回路を示す。冷却用スイッチ（ＳＳ
1）および加熱用スイッチ（ＳＳ2）を入れると、温度調
節器３０は温度センサー２６により測定される順化室１
９内の雰囲気温度が設定温度（２８℃程度）より高い場
合には、Ｘ1リレーをＯＮさせ、また、コンプレッサー
開閉器（５２Ｃ）をＯＮさせ、その結果冷凍機６が作動
開始し、冷却運転が開始する。また、順化室１９内の雰
囲気温度が設定値に低下すると、Ｘ1リレーがＯＦＦと
なり冷凍機６が停止する。もし、順化室１９内の雰囲気
温度が設定温度より低ければ加熱ヒータ開閉器（Ｍ
Ｃ1）がＯＮし、加熱ヒータ７（図１参照）が作動し、
順化室１９内が加熱される。 【０００９】このように１つの温度調節器３０により冷
凍機６の運転と加熱ヒータ７の通電を制御し、温度制御
を行うことができる。なお、冷凍機６の運転と加熱ヒー
タ７の作動は同時に行われないようにインターロックさ
れる。こうして、１つの温度調節器３０によって加熱ヒ
ータ制御と蒸発器制御を同時に行い、適正温度を効率的
に保持できる。また、冷凍機６の庫内ファン１３を蒸発
器１２の冷却用に用いるのみならず、加熱ヒータ７の暖
房用ファンとしても用いることができるので、設備費用
のコストダウンが図れる。なお、図５において、ＴＭは
除霜タイマ、ＲＹ1、ＲＹ2はリレー、５１Ｃはサーマル
リレー、ＣＭはコンプレッサー、Ｘ1はリレー、ＳＶは
電磁弁、ＦＭCはコンデンサ９の庫外ファン１０用のモ
ーター、ＦＭEは蒸発器１２用の庫内ファン１３用のモ
ーターを表す。 【００１０】本実施例では、上記したように冷凍機６と
庫内ファン１３または加熱ヒータ７と庫内ファン１３を
作動させると接ぎ苗活着に最適な温度（２８℃程度）の
温度調節用の冷暖房用空気が形成され、この冷暖房空気
を外壁１と内壁２からなる二重壁間の空間に循環させ、
熱伝導率の高い内壁２を介して、順化室１９内の雰囲気
が冷却または加熱制御され、順化室１９内に収納されて
いる接ぎ苗を適切な雰囲気温度で生育させることができ
る。しかも、この冷暖房空気は直接内壁２内、すなわち
順化室１９を流れるものではないので、冷暖房空気の風
速により、接ぎ苗のしおれ発生がなく活着が良好とな
る。これは従来の順化装置が温度調節用空気を接ぎ苗を
収納した順化室内に直接循環させていたため、加湿空気
にしても接ぎ苗をしおらす原因となり、活着率が低かっ
たことと対照的である。本実施例の接ぎ苗の活着率は９
５〜９８％であった。 【００１１】また、従来の順化装置は９０％以上の高湿
度のもとで冷凍機６を運転していたので、冷凍機６の蒸
発器１２に霜が付着し易く運転効率が悪かったが、本実
施例では冷凍機６は順化室１９に直接臨んでいないの
で、順化室１９内の高湿度雰囲気により、冷凍機６に霜
が付くことも無く、その冷却効率が高くなり、省エネル
ギーとなる。また、冷凍機６を天井上部の外壁１に設け
ているので、庫内容積を有効に利用できる。さらに、加
熱用ヒータ７の暖房用ファンとして冷凍機６の蒸発器１
２用の庫内ファン１３を利用するので、設置スペースの
節約、および、効率的運転が可能となる。 【００１２】本実施例の順化装置では、接ぎ木後、接ぎ
苗の活着促進のための好適環境を保つため、前記外壁１
と内壁２の二重構造からなる空間を設けた順化装置側面
の一面に順化室１９より外壁１に連通する吸気口２０
と、該側面と対向する側面の外壁１と内壁２を貫通する
排気口２１と該排気口内に排気ファン２２を設けている
ので、接ぎ苗を収納する順化室１９に新鮮な空気を取り
入れることができる。また、順化室１９に設けたＣＯ2
濃度センサ２５のＣＯ2濃度測定値とその設定値との対
比により排気ファン２２を運転してＣＯ2濃度を一定以
上に保ち、かつ必要なら新鮮な空気を順化室１９へ取り
入れることができ、ＣＯ2濃度も低くならず接ぎ苗の炭
酸同化作用も旺盛となり、接ぎ苗の生育も良好となる。
また、適時順化室１９内の空気を換気することができ、
カビの発生などを防止することもできる。従来の順化装
置では接ぎ苗の配置されている室内が低ＣＯ2濃度にな
ったり、また、高温多湿のためウドンコ病が発生しやす
い環境になり易く、接ぎ苗の生育不調および病気が発生
しがちであったが、本実施例の装置ではそのような不具
合は解消された。 【００１３】 【発明の効果】本発明によれば、一つの温度調節器によ
って加熱手段の運転制御と冷却手段の運転制御を同時に
行い、接ぎ苗の活着に最適な温度を効率的に保持でき、
また、単一のファンを用いて加熱手段と冷却手段の送風
を行うことで設備のコストダウンが図れる。また、前記
冷房空気または暖房空気は直接順化室内を流れるもので
はないので、冷暖房空気流の風速により、接ぎ苗のしお
れ発生がなく活着が良好となる。
促進させる接ぎ苗順化装置に関し、特に順化装置内の接
ぎ苗活着促進に最適な環境を保つための制御装置を備え
た接ぎ苗順化装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】接ぎ苗順化装置では、その内部に収納さ
れた接ぎ苗の活着を促進させるために、順化装置内の空
間に冷却空気、加熱空気、加湿空気をそれぞれ供給し
て、順化装置内の雰囲気温度を調節している。加湿空気
は加湿器から水滴を霧状にして噴霧して、これを前記冷
却空気および／または加熱空気により加湿空気とするも
のである。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の接ぎ苗
の順化装置には冷凍機用温度調節器と加熱用温度調節器
が別々に独立して設置されており、冷却と暖房の切り換
えが効率的に行えず、省エネルギー運転ができなかっ
た。また各々の温度調節器の精度が悪ければ、冷凍機と
加熱機とが同時運転されたり、冷凍機と加熱機のいずれ
かの運転開始が遅れたりして順化装置内の雰囲気温度の
バラツキが大きくなることがあった。そこで、本発明の
目的は効率的に冷房と暖房の切り換えが容易にでき、装
置内の雰囲気温度を適切に調節することができる順化装
置を提供することである。また、本発明の目的は接ぎ苗
の活着を適切に促進させることができる順化装置を提供
することである。 【０００４】 【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。すなわち、接ぎ木後の接ぎ苗
を活着促進のため好適環境を保つ接ぎ苗順化装置におい
て、順化装置の壁面を外壁と内壁との二重壁で構成し、
二重壁間の空間に冷却手段と加熱手段と該両手段で得ら
れる冷房空気または暖房空気を前記空間内に循環させる
ファンを配置し、前記二重壁間の空間と内室内の加湿空
間とを隔てる内壁２の内部には加湿器を設け、さらに内
壁内に複数段の接ぎ苗収納用の収納棚が配置された順化
室を配置し、加湿器から内壁内の上方側と側方側から各
収納棚に向けてそれぞれ噴霧水を噴霧する配管とスプレ
ノズルを設け、また、順化室には温度センサーを配置
し、該温度センサーの順化室内の雰囲気温度の測定値と
該温度設定値との偏差に応じて、前記冷却手段または加
熱手段を作動させる温度制御器を設けた接ぎ苗順化装置
である。 【０００５】 【作用】本発明の接ぎ苗順化装置の壁面は外壁と内壁と
の二重壁で構成され、二重壁間の空間に設けられた冷却
手段と加熱手段で得られる冷房空気または暖房空気を循
環ファンにより該空間内を循環させることで内壁内に設
けられる接ぎ苗収納用の順化室内の雰囲気温度を調整す
る。順化室に設けられた温度センサーにより測定される
順化室内の雰囲気温度と該温度設定値との偏差に応じ
て、温度制御器が前記冷却手段または加熱手段のいずれ
かを作動することで、順化室内の温度を制御して、接ぎ
木後の接ぎ苗の活着促進のために好適な環境を保つこと
ができる。このように１つの温度調節器により冷却手段
と加熱手段の作動を制御し、温度制御を行うことがで
き、適正温度を効率的に保持できる。また、循環ファン
を冷却空気と加熱空気の送風用に兼用できるので、設備
のコストダウンが図れる。また、前記冷暖房空気は直接
順化室を流れるものではないので、冷暖房空気の風速に
より、接ぎ苗のしおれ発生がなく活着が良好となる。 【０００６】 【実施例】本発明の一実施例を図面と共に説明する。本
実施例の順化装置の正面側断面視面を図１に、横断面視
面を図２に、側面側断面視面を図３にそれぞれ示す。本
実施例の順化装置の構造的特徴は断熱性パネルで構成し
た順化装置の外壁１の内部に熱伝導性の高い材質で構成
した内壁２を設け、外壁１と内壁２との間に作られた空
間に冷暖房空気を循環させることである。そして、内壁
２内には複数段の収納棚３を設け、各収納棚３上に接ぎ
苗を植え付けたプラグトレー５が配置される。収納棚３
の段数は特に限定がなく図示の例では４段配置されたも
のである。収納棚３は板を格子状に配置して、隣接する
板間は隙間が設けられているので、収納棚３の上下方向
には空気が流通可能であり、外壁１と内壁２との間に作
られた空間に配置される循環ファン（庫内ファン１３）
の作動により内壁２内全体の雰囲気を同一条件とするこ
とができる。前述したように、外壁１と内壁２との間に
は冷暖房空気の循環風路があり、冷暖房空気は熱伝導性
の高い材質で構成された内壁２を介して接ぎ苗の収納室
内の温度制御が行われる。 【０００７】冷暖房空気は順化装置の頂部外壁１に設置
される冷凍機６と加熱ヒータ７により形成される。冷凍
機６はコンデンサ９、コンデンサ用庫外ファン１０、コ
ンプレッサー１１、蒸発器１２および庫内ファン１３と
からなり、庫内ファン１３と蒸発器１２は外壁１と内壁
２の間の空間に配置される。また、加熱ヒータ７も前記
庫内ファン１３と蒸発器１２近傍の外壁１と内壁２の間
の空間に配置される。そして庫内ファン１３の作動で外
壁１と内壁２の間の空間内の空気が循環する。このと
き、冷凍機６の蒸発器１２が作動中であると冷却空気が
得られ、加熱ヒータ７が作動中であると加熱空気が得ら
れる。収納棚３上部にはプラグトレー５の接ぎ苗を照明
するための人工照明灯１５（３０００Ｌｕｘ以上）が設
けられる。また、最上段の収納棚３のある部分には湿度
制御（９０％以上）のための加湿器１６が配置され、加
湿器１６から適宜の収納棚３に向けて噴霧する噴霧水の
スプレノズル１７を端部に備えた配管１８が配置されて
いる。本実施例では加湿器１６は噴霧液滴が微粒である
ので、超音波式のものを用いることが望ましい。しか
し、これに限定されず、いかなる種類の加湿器１６を用
いても良い。 【０００８】また、図４に示すように、順化装置の二重
壁構造の一側壁には内壁２内部、すなわち順化室１９よ
り外壁１外部に連通する吸気口２０を設け、該側壁と対
向する順化装置側壁には内壁２内部より外壁１外部に連
通する排気口２１、該排気口内ファン２２を設ける。ま
た、吸気口２０の吸い込み口にはダンパー２３を設け
る。そして、内壁２内部の適宜箇所、望ましくは中央空
間にＣＯ2濃度センサー２５および温度センサー２６を
設ける。また、図５に本実施例の順化装置の順化室１９
内の雰囲気温度制御回路を示す。冷却用スイッチ（ＳＳ
1）および加熱用スイッチ（ＳＳ2）を入れると、温度調
節器３０は温度センサー２６により測定される順化室１
９内の雰囲気温度が設定温度（２８℃程度）より高い場
合には、Ｘ1リレーをＯＮさせ、また、コンプレッサー
開閉器（５２Ｃ）をＯＮさせ、その結果冷凍機６が作動
開始し、冷却運転が開始する。また、順化室１９内の雰
囲気温度が設定値に低下すると、Ｘ1リレーがＯＦＦと
なり冷凍機６が停止する。もし、順化室１９内の雰囲気
温度が設定温度より低ければ加熱ヒータ開閉器（Ｍ
Ｃ1）がＯＮし、加熱ヒータ７（図１参照）が作動し、
順化室１９内が加熱される。 【０００９】このように１つの温度調節器３０により冷
凍機６の運転と加熱ヒータ７の通電を制御し、温度制御
を行うことができる。なお、冷凍機６の運転と加熱ヒー
タ７の作動は同時に行われないようにインターロックさ
れる。こうして、１つの温度調節器３０によって加熱ヒ
ータ制御と蒸発器制御を同時に行い、適正温度を効率的
に保持できる。また、冷凍機６の庫内ファン１３を蒸発
器１２の冷却用に用いるのみならず、加熱ヒータ７の暖
房用ファンとしても用いることができるので、設備費用
のコストダウンが図れる。なお、図５において、ＴＭは
除霜タイマ、ＲＹ1、ＲＹ2はリレー、５１Ｃはサーマル
リレー、ＣＭはコンプレッサー、Ｘ1はリレー、ＳＶは
電磁弁、ＦＭCはコンデンサ９の庫外ファン１０用のモ
ーター、ＦＭEは蒸発器１２用の庫内ファン１３用のモ
ーターを表す。 【００１０】本実施例では、上記したように冷凍機６と
庫内ファン１３または加熱ヒータ７と庫内ファン１３を
作動させると接ぎ苗活着に最適な温度（２８℃程度）の
温度調節用の冷暖房用空気が形成され、この冷暖房空気
を外壁１と内壁２からなる二重壁間の空間に循環させ、
熱伝導率の高い内壁２を介して、順化室１９内の雰囲気
が冷却または加熱制御され、順化室１９内に収納されて
いる接ぎ苗を適切な雰囲気温度で生育させることができ
る。しかも、この冷暖房空気は直接内壁２内、すなわち
順化室１９を流れるものではないので、冷暖房空気の風
速により、接ぎ苗のしおれ発生がなく活着が良好とな
る。これは従来の順化装置が温度調節用空気を接ぎ苗を
収納した順化室内に直接循環させていたため、加湿空気
にしても接ぎ苗をしおらす原因となり、活着率が低かっ
たことと対照的である。本実施例の接ぎ苗の活着率は９
５〜９８％であった。 【００１１】また、従来の順化装置は９０％以上の高湿
度のもとで冷凍機６を運転していたので、冷凍機６の蒸
発器１２に霜が付着し易く運転効率が悪かったが、本実
施例では冷凍機６は順化室１９に直接臨んでいないの
で、順化室１９内の高湿度雰囲気により、冷凍機６に霜
が付くことも無く、その冷却効率が高くなり、省エネル
ギーとなる。また、冷凍機６を天井上部の外壁１に設け
ているので、庫内容積を有効に利用できる。さらに、加
熱用ヒータ７の暖房用ファンとして冷凍機６の蒸発器１
２用の庫内ファン１３を利用するので、設置スペースの
節約、および、効率的運転が可能となる。 【００１２】本実施例の順化装置では、接ぎ木後、接ぎ
苗の活着促進のための好適環境を保つため、前記外壁１
と内壁２の二重構造からなる空間を設けた順化装置側面
の一面に順化室１９より外壁１に連通する吸気口２０
と、該側面と対向する側面の外壁１と内壁２を貫通する
排気口２１と該排気口内に排気ファン２２を設けている
ので、接ぎ苗を収納する順化室１９に新鮮な空気を取り
入れることができる。また、順化室１９に設けたＣＯ2
濃度センサ２５のＣＯ2濃度測定値とその設定値との対
比により排気ファン２２を運転してＣＯ2濃度を一定以
上に保ち、かつ必要なら新鮮な空気を順化室１９へ取り
入れることができ、ＣＯ2濃度も低くならず接ぎ苗の炭
酸同化作用も旺盛となり、接ぎ苗の生育も良好となる。
また、適時順化室１９内の空気を換気することができ、
カビの発生などを防止することもできる。従来の順化装
置では接ぎ苗の配置されている室内が低ＣＯ2濃度にな
ったり、また、高温多湿のためウドンコ病が発生しやす
い環境になり易く、接ぎ苗の生育不調および病気が発生
しがちであったが、本実施例の装置ではそのような不具
合は解消された。 【００１３】 【発明の効果】本発明によれば、一つの温度調節器によ
って加熱手段の運転制御と冷却手段の運転制御を同時に
行い、接ぎ苗の活着に最適な温度を効率的に保持でき、
また、単一のファンを用いて加熱手段と冷却手段の送風
を行うことで設備のコストダウンが図れる。また、前記
冷房空気または暖房空気は直接順化室内を流れるもので
はないので、冷暖房空気流の風速により、接ぎ苗のしお
れ発生がなく活着が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の一実施例の順化装置の正面側断面視
面を示す図。 【図２】 図１の順化装置の横断面視面を示す図。 【図３】 図１の順化装置の側面側断面視面を示す図。 【図４】 図１の順化装置の側壁面の吸気口、排気口部
分の側面側断面視面を示す図。 【図５】 本発明の一実施例の順化装置の順化室内の雰
囲気温度制御回路を示す図。 【符号の説明】 １…外壁、２…内壁、３…収納棚、５…プラグトレー、
６…冷凍機、７…加熱ヒータ、９…コンデンサ、１０…
庫外ファン、１１…コンプレッサー、１２…蒸発器、１
３…庫内ファン、１５…人工照明灯、１６…加湿器、１
７…スプレノズル、１８…配管、１９…順化室、２０…
吸気口、２１…排気口、２２…排気口内ファン、２３…
ダンパー、２５…ＣＯ2濃度センサー、２６…温度セン
サー、３０…温度調節器
面を示す図。 【図２】 図１の順化装置の横断面視面を示す図。 【図３】 図１の順化装置の側面側断面視面を示す図。 【図４】 図１の順化装置の側壁面の吸気口、排気口部
分の側面側断面視面を示す図。 【図５】 本発明の一実施例の順化装置の順化室内の雰
囲気温度制御回路を示す図。 【符号の説明】 １…外壁、２…内壁、３…収納棚、５…プラグトレー、
６…冷凍機、７…加熱ヒータ、９…コンデンサ、１０…
庫外ファン、１１…コンプレッサー、１２…蒸発器、１
３…庫内ファン、１５…人工照明灯、１６…加湿器、１
７…スプレノズル、１８…配管、１９…順化室、２０…
吸気口、２１…排気口、２２…排気口内ファン、２３…
ダンパー、２５…ＣＯ2濃度センサー、２６…温度セン
サー、３０…温度調節器
─────────────────────────────────────────────────────
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(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
A01G 1/06
A01G 7/00
A01G 9/24
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 接ぎ木後の接ぎ苗を活着促進のため好適
環境を保つ接ぎ苗順化装置において、 順化装置の壁面を外壁と内壁との二重壁で構成し、二重
壁間の空間に冷却手段と加熱手段と該両手段で得られる
冷房空気または暖房空気を前記空間内に循環させるファ
ンを配置し、前記二重壁間の空間と内室内の加湿空間と
を隔てる内壁２の内部には加湿器を設け、さらに内壁内
に複数段の接ぎ苗収納用の収納棚が配置された順化室を
配置し、加湿器から内壁内の上方側と側方側から各収納
棚に向けてそれぞれ噴霧水を噴霧する配管とスプレノズ
ルを設け、また、順化室には温度センサーを配置し、該
温度センサーの順化室内の雰囲気温度の測定値と該温度
設定値との偏差に応じて、前記冷却手段または加熱手段
を作動させる温度制御器を設けたことを特徴とする接ぎ
苗順化装置。」
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00700094A JP3473081B2 (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | 接ぎ苗順化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00700094A JP3473081B2 (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | 接ぎ苗順化装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07203769A JPH07203769A (ja) | 1995-08-08 |
| JP3473081B2 true JP3473081B2 (ja) | 2003-12-02 |
Family
ID=11653835
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP00700094A Expired - Lifetime JP3473081B2 (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | 接ぎ苗順化装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3473081B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109429821A (zh) * | 2018-11-22 | 2019-03-08 | 湖北金草堂药业有限公司 | 一种金线莲种植用幼苗培育装置 |
-
1994
- 1994-01-26 JP JP00700094A patent/JP3473081B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07203769A (ja) | 1995-08-08 |
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Legal Events
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