JP3471446B2 - ガス中の金属不純物検出法 - Google Patents

ガス中の金属不純物検出法

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JP3471446B2 JP27955694A JP27955694A JP3471446B2 JP 3471446 B2 JP3471446 B2 JP 3471446B2 JP 27955694 A JP27955694 A JP 27955694A JP 27955694 A JP27955694 A JP 27955694A JP 3471446 B2 JP3471446 B2 JP 3471446B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体製造工程のプロセ
スガスなどのガスに含まれる金属不純物の検出方法に関
し、特に微粒子状の金属不純物を捕集し、高感度で検出
するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超LSI製造プロセス中に混入してくる
金属不純物はデバイスの電気特性に悪影響を及ぼす。デ
バイス中に金属不純物が1×1011原子/cm2以上存
在するとゲート酸化膜の耐電圧が低下したり、少数キャ
リアの生成ライフタイムが低下するという問題点が発生
する。したがって金属不純物は1×1010原子/cm
以下に抑制する必要がある。
【0003】さらにギガビット時代には1×10原子
/cm2のレベルの高純度ガスが要求され、これらを達
成するためには原料ガス中、ガス供給系、装置ならびに
排気系に起因するすべての金属汚染要因からの金属不純
物を低減する必要がある。そこで感度の高いガス中の金
属不純物の検出方法が必要となる。
【0004】ガス中の金属不純物検出法としては、従来
より、純水や希酸溶液中に被分析ガスをバブリング
し、バブリングされた溶液中にガス中の金属不純物を溶
解し、その溶解液中の金属成分を誘導結合プラズマ発光
分析計(以下、ICP/AESと称す)で分析するバブ
リング法や、図4(a)に示すように、充填剤を充填
した充填カラム1に被分析ガス2を流通させて、被測定
ガス2中の金属不純物を、充填カラム1に捕集し、その
後、図4(b)に示すように、充填カラム1に捕集され
た金属不純物を、テフロン製ダイヤフラムポンプ3を用
いて窒素ガスを流しつつ、希酸4で洗浄し、その洗浄液
をICP/AESで分析する(特開平4−198863
号公報参照)カラムトラップ法が適用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ウエハ表面の金属不純
物量は原料ガス、ガス供給系、装置ならびに排気系に起
因する金属汚染源すべてからのトータル量であり、純粋
にガスに起因する金属不純物量を定量することは難し
い。しかしながらある仮定に基づいてガス中の金属不純
物がウエハ表面にどの程度影響を及ぼすかを知ること
は、ガス品質のレベルを決める上で重要となる。そこで
Siエピタキシャル成膜を想定してモノシラン中の金属
不純物がどの程度ウエハ表面に影響するかを算出した。
【0006】ここでは、完全に2次元的に評価すること
は気相分解法、ウェハの表面分析法(WSA)や全反射
蛍光X線分析法(TXRF)では不可能であるので、表
面から50オングストロームの厚さが評価されると仮定
した。Si膜厚50オングストローム中に含まれるcm
2当たりのSi原子数は、 NSi=Nl×(t/D3) …(1) で求められる。ここでNlは1格子当たりのSi原子数
8個であり、tは評価膜厚5×10ー7cm、DはSi格
子の格子定数5.43×10-8cmである。またcm2
当たりの50オングストローム厚を成膜するときに使わ
れる全SiH4分子数は、 NSiH4=NSi/CRSiH4 …(2) となる。ここでCRSiH4はSiH4のSi膜への消費効
率であり、約10%とする。
【0007】通常ガス中の金属不純物の単位はwt/w
tであるのでSiH4重量とSiH4中に含まれる金属不
純物重量は、 WSiH4=MSiH4×NSiH4/NA …(3) Wmetal=WSiH4×Cmetal …(4) となる。MSiH4、NAとCmetalはそれぞれSiH4の質
量32、アボガドロ数6×1029原子/molとSiH
4中の金属不純物濃度を示す。このSiH4中の金属不純
物がウエハ表面に汚染するわけであるから、付着する金
属原子数は Nmetal=NA×Wmetal/Mmetal×CRmetal …(5) で表され、金属元素の質量数をMmetalで示し、SiH4
中の金属不純物のSi膜中への偏析率をCRmetal(1
00%)で示した。これらの(2)(3)(4)式を
(5)式に代入し整理すると、ウエハ表面にSiH4
ら汚染する金属原子数は Nmetal=NSi×Cmetal×(MSiH4/Mmetal)×(CRmetal/CRSiH4) …(6) で与えられる。
【0008】(6)式に基づいて、Siエピタキシャル
成膜工程で、FeとAlにつき、SiH4ガス中の金属
濃度と、ウエハ表面への汚染金属原子数との関係は図3
のようになる。この関係からSiH4中の金属濃度が1
00ppbの時、SiH4単体のウエハへの金属汚染レ
ベルは1×1010原子/cm2であり、1ppbである
と1×108原子/cm2となる。したがって、ギガビッ
ト時代に要求されるウエハ表面で1×108原子/cm2
以下のレベルは、ガス中金属不純物として1ppb以下
を保証すべきであることを示している。
【0009】しかしながら上記の従来の金属不純物の検
出方法にあっては、このような高感度で金属不純物を検
出することができない。
【0010】例えば、上記バブリング法にあっては、ガ
ス中に含まれる、微粒子状金属または金属化合物(以
下、微粒子状金属不純物という)が、純水や希酸溶液に
溶解しないので、ガスの流れとともにガス中金属不純物
サンプリング系を通過してしまうという問題点を有して
いる。また上記カラムトラップ法にあっては、金属溶出
時の金属溶出装置からの汚染によるバックグラウンドの
上昇、金属酸化物などの金属溶出液に対する難溶性など
の問題があった。
【0011】上記のガス中の微粒子状金属不純物には、
金属と、希酸に溶解しにくい金属不純物すなわち金属酸
化物などの金属化合物が含まれる。上記バブリング法や
カラムトラップ法における溶解液や洗浄液として使用さ
れる希酸溶液では、たとえ完全にガス中の微粒子状金属
不純物を捕捉できたとしてもすべての種類の金属不純物
を溶解し、分析することは不可能である。したがって、
上記バブリング法やカラムトラップ法は、ガス中の微粒
子状金属不純物の捕集効率や金属酸化物の溶解性に問題
があるため、サブppbレベルのガス中の金属不純物を
正確に分析できない。
【0012】さらにガス中の金属不純物分析の高感度化
を考慮した場合、分析における操作中や使用する容器な
どからの金属汚染の低減や検出下限を決定する重要な因
子となる。ガス中の金属不純物分析の検出限界の要求レ
ベルが10-12(ppt)である現在においては、バブ
リング法におけるガスバブリング容器やカラムトラップ
法における充填カラム及び捕集した金属不純物の充填カ
ラム洗浄ラインからの金属汚染がサブppbレベルの分
析手法では対応が不可能になっている。
【0013】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、従来分析技術の問題点を解決し、ガス中の微粒子状
の金属不純物を正確にかつ高感度に検出する方法を提供
するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のガス中の金属不
純物検出法は、金属ガスが測定される被測定ガスを強酸
耐性材料の多孔体からなるフィルターに流通させて、こ
の被測定ガス内の金属不純物を上記多孔体に捕集する捕
集工程と、この多孔体に捕集された上記金属不純物を濃
酸を主成分とする溶出液を用いて溶出する溶出工程と、
上記溶出液に溶出された金属不純物を分析する分析工程
を含むことを特徴とするものである。上記検出法におい
ては、上記濃酸が5〜40%HCl、5〜70%HNO
3、5〜50%HFのうちの1種または2種以上の混酸
であることが好ましい。
【0015】また上記捕集工程の前に、上記多孔体を上
記溶出液で洗浄する洗浄工程を含むことが好ましい。こ
の多孔体の洗浄工程は、上記溶出液で前洗浄された洗浄
容器内で行われることが好ましい。
【0016】以下本発明を詳細に説明する。本発明に係
る第1の検出方法(フィルタートラップ法)は、洗浄工
程、捕集工程、溶出工程、および分析工程を含む。
【0017】
【実施例】図1は本発明に係るガス中の金属不純物検出
法における捕集工程で好適に用いられる捕集装置の一例
を示したものである。
【0018】図1において、符号11は被測定ガスが充
填されるガス容器、12は被測定ガスが流れされる配
管、13は被測定ガスの流量を調節するためのバルブ、
14はフィルターを内蔵するためのフランジまたはガス
継ぎ手、15はガス中の金属不純物を捕集するためのフ
ィルターであり、これらが漏れのないように連結されて
いる。安全製の確保並びに高感度分析を実現するために
は、被測定ガスの物性を十分考慮した材質の構成部品を
選択することに注意すべきである。
【0019】本発明における微粒子状金属不純物が測定
される被測定ガスは、半導体製造プロセスで消費される
全てのガス状の物質に適用可能であり、常圧で液体であ
っても真空雰囲気下でガス状となる物質においても適用
可能である。
【0020】上記被測定ガスとしては、例えば、キャリ
アガスとして消費されるAr、N2、He、H2、O2
CO2、CO等をはじめ、プロセスガスとして消費され
るシリコン系ガス(SiH4、Si26、SiH2
2,SiCl4、SiF4、Si(OC254など)、
ヒ素系ガス(AsH3、AsCl3、As(OC25)、
TBAなど)、リン系ガス(PH3,PCl3,POCl
3、TBPなど)、ホウ素系ガス(B26,BF3,BC
3など)、その他の水素化物(H2Se、H2Te、S
bH3,SnH4,GeH4など)、ハロゲン化物(N
3,SF6,MoF6、WF6、HF,HCl,HBr,
HI,F2,Cl2など)、金属アルキル化物((C
33Ga、(CH33In、(CH33Al、(CH
33Znなど)、ハロゲン化炭化水素(CF4、CH
3,CH22,C26,CCl4など)、窒素酸化物
(NO、NO2、N2Oなど)、およびその他(H2S,
NH3、CH4,C26,O3など)のガスやそれら数種
の混合ガスの微粒子状金属不純物を好適に分析可能であ
るが、これらのガスに制限されるものではなく、半導体
製造分野に供給されているガスに限らず、各種のガスを
用いることができる。
【0021】上記被測定ガスは、ガス容器11から、配
管12を通じて、フランジもしくはガス継ぎ手14内に
内蔵されたフィルター15を通過するようになってい
る。
【0022】上記配管12、フィルター15が内蔵され
るフランジまたは継ぎ手14には、テフロン製やSUS
製の電解研磨管が好適に使用され、特に、SUS配管内
のAl23やMnSなどの介在物が少ない2重溶解材お
よび3重溶解材などの高清浄材がより好ましい。
【0023】また、これらの配管12やフランジまたは
継ぎ手14の少なくとも内表面には、テフロンコーティ
ング、NiやCrなどの金属コーティング、Fe23
Cr23などの熱酸化処理、あるいは金属コーティング
と熱酸化および熱フッ化を併用したTa23、Ti
23,V23,NiF2、FeF2などを施すことが、接
ガス面でのガスの分解や金属汚染を低減するために好ま
しい。
【0024】上記フィルター15は、多孔体から構成さ
れ、着脱自在となっている。フィルター用多孔体の材質
としては、酸溶液で洗浄されるとき金属汚染の少ないも
のが選ばれることが好ましく、例えば高分子樹脂製やセ
ラミック製の多孔体が好適に使用され、より好ましくは
ポリフッ化ビニリデン、酢酸セルロース、パーフルオロ
アルコキシエチレン共重合体樹脂(以下PFAと称す)
及びポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下PTFEと
称す)、アルミナ、及び多孔質ガラスなどの多孔体が使
用される。
【0025】上記フィルター用多孔体の孔径としては、
ガス中の微粒子状金属不純物の捕集効率を上げるために
できるだけ小さい方が望ましいが、1nm〜1μm程度
の孔径の多孔体が好適に使用される。
【0026】上記フィルター用多孔体は、多孔体自体か
らの金属汚染を低減するために、上記フランジまたは継
ぎ手内に内蔵され、捕集工程に供される前に、下記のご
とく洗浄されることが、好ましい(洗浄工程)。
【0027】上記洗浄工程は、清浄雰囲気内で、あらか
じめ酸清浄などの前洗浄により金属汚染を低減した洗浄
容器内で行われることが好ましい。洗浄容器としてはテ
フロン容器もしくはセラミック容器が好ましい。
【0028】上記洗浄容器の前洗浄およびフィルター用
多孔体の洗浄においては、1回もしくは複数回酸溶液中
で洗浄する必要がある。このときの洗浄用酸溶液として
は5〜40%の濃塩酸、5〜70%の濃硝酸、及び5〜
50%の濃フッ酸またはこれらの混酸、もしくは前記濃
酸に過酸化水素水を添加した洗浄液が好適に使用され、
40℃〜200℃程度の温度に30分以上加熱すること
によってさらに洗浄効果が上がる。この濃酸溶液のうち
濃塩酸加熱による洗浄が最も洗浄効果が高く、この時の
濃塩酸の濃度は15%〜36%程度が好ましい。上記洗
浄工程を行うことにより、多孔体や洗浄容器自体からの
金属汚染が低減でき、被測定ガス自体に含まれる金属不
純物の高感度の検出が実現される。
【0029】次に、上記構成を有する捕集装置を用いて
ガス中の金属不純物を検出する方法について説明する。
上述のごとく洗浄された多孔体が内蔵されたフランジや
継ぎ手14は、被測定ガス供給ラインに取り付けられ、
Heリークディテクターや不活性ガスの加圧による発泡
試験によって気密性が確認される。
【0030】次に十分にガス供給ラインに不活性ガスを
流しパージし、望ましくは大気が完全にパージされたか
どうかを確認するために、多孔体後段に酸素もしくは水
分モニター計を設置し、酸素もしくは水分が10ppb
以下であるかどうかを確認する。
【0031】この確認が終了後、バルブ13を開いて、
ガス容器11から被測定ガスをフィルター(多孔体)1
5に流し、ガス中の微粒子状金属不純物をフィルター1
5に捕集する。
【0032】上記捕集の条件として考慮されるべきもの
には、被測定ガスの流量および圧力などが挙げられる。
被測定ガスの流量は、多孔体の捕集効率を考慮して0.
1l/min〜10l/minの範囲で制御され、0.
1l/min〜2l/minの制御がより好ましい。ま
た被測定ガスの圧力範囲は、高圧ガスにおいては0.2
kgf/cm2G〜150kgf/cm2G、液化ガスに
おいては1mmTorr〜40kgf/cm2G並びに
半導体プロセス装置の前後のガス中の金属不純物分析に
おいては1mmTorr〜2kgf/cm2Gで制御さ
れる。分析の高感度化を考慮すると、被測定ガスの量は
多い方が望ましいので、できるだけ多く被測定ガスを多
孔体に通過させることが肝要である。
【0033】上述のごとく、フィルター15に被測定ガ
スを通過させた後、この捕集済みフィルター用多孔体は
清浄雰囲気下で、フランジもしくは継ぎ手14から取り
外され、以下の溶出工程に供される。
【0034】上記溶出工程は、あらかじめ酸洗浄によっ
て金属汚染を低減したテフロン容器もしくはセラミック
容器などの溶出容器内で行われる。溶出容器の洗浄は、
上記洗浄における洗浄容器の前洗浄と同様に行うことが
できる。
【0035】上記溶出工程においては、多孔体に捕集さ
れた、金属や金属酸化物及び金属塩化物などの金属化合
物からなる金属微粒子をすべて溶出液に溶出すること
が、ガス中金属不純物の分析の信頼性を高めるためには
重要となる。
【0036】そのためには、まず、溶出液の量は、多孔
体を洗浄容器内で完全に浸すような液量に決定される。
例えば、多孔体の体積に依存した1ml〜50mlの酸
溶液が洗浄溶解液量として選択されることが好ましく、
特に5ml〜20mlが望ましい。
【0037】また、溶出液の種類としては、濃酸溶液が
用いられ、例えば、5〜40%の濃塩酸、5〜70%の
濃硝酸、および5〜50%の濃フッ酸またはこれらの混
酸、もしくは前記濃酸に過酸化水素水を添加した洗浄液
が好適に使用される。
【0038】さらに溶出液は、40℃〜200℃程度の
温度に30分以上加熱することによってさらに多孔体に
捕集された微粒子状金属不純物の溶出効率が上がる。こ
の濃酸溶液のうち濃塩酸加熱による溶出あるいは濃硝酸
と濃フッ酸との混酸を加熱した溶出が最も溶出効果が高
くなる。この時の濃塩酸、濃フッ酸と濃硝酸の濃度は1
5%〜36%が好ましく、濃硝酸と濃フッ酸1:00.
01〜1程度の割合で混合される。
【0039】溶出用の容器は密閉型がよく、容器材質は
PFA、PTFE、アルミナ、ジルコニアが使用され、
150℃の温度に加熱する場合は、耐圧を有するテフロ
ンコーティングされたSUS製容器が好適に使用され
る。この場合の耐圧は30kgf/cm2程度必要であ
る。
【0040】上述のごとく、捕集した微粒子状金属不純
物を溶出した後、上記溶出容器をメスアップし、溶出液
に含まれる金属または金属化合物を分析する(分析工
程)。分析方法としては、従来用いられているいかなる
方法でもよく、例えば、ICP/AES、誘導結合プラ
ズマ質量分析計(ICP−MS)、フレームレス原子吸
光もしくはイオンクロマトなどが好ましく用いられる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づき更に
説明する。 (実施例1−微粒子の捕集効率の確認)フィルターにガ
ス中の金属微粒子を捕集させた場合の微粒子の捕集効率
の確認を行った。サンプルガスとして窒素ガスを用い、
フィルターを介してミニチュア容器(SUS304、内
面酸洗浄、容量50cm3)に流し、この容器に超音波
を当てることで加速的に微粒子状金属不純物を発生さ
せ、しかる後に、上述のフィルターでこの微粒子状金属
不純物を捕集した後、フィルタートラップ後段の微粒子
状金属不純物の量を測定した。また同時にSUS製ミニ
チュア容器から発生している微粒子状金属不純物を測定
するためにフィルターをバイパスして測定する系もおい
た。この時使用したフィルターはPTFE製0.1μm
の孔径のものを使用した。
【0042】図2において、縦軸はフィルタートラップ
後段の1lあたりの0.05μm以上の微粒子の個数、
横軸はサンプリング開始後の経過時間を示している。バ
イパス(図中、■印)の測定値より、SUS容器に超音
波振動をあてることにより微粒子状金属不純物が発生し
ており、0.05μm以上の微粒子状金属不純物が約1
00個/l検出されていることがわかる。
【0043】本発明で用いられるフィルタートラップ
(図中、●印)では0.05μm以上の微粒子状金属不
純物はほとんど検出されなかった。以上の結果から、
0.1μm以上の微粒子状金属不純物はフィルタートラ
ップ法での捕集効率が高いことが確認できた。
【0044】(実施例2−溶出液の金属評価)試薬のブ
ランク評価としてA社、B社、C社の3社のHCl中の
金属分析を行った。その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】金属検出値はB社のHClが全般的に低い
が、各HClとも濃酸に換算した場合の金属濃度はpp
b〜サブppbレベルとなり、金属溶出液として影響の
ないレベルであると判断できる。溶出方法の検討から、
金属溶出量は同溶出時間で溶出液の酸濃度に依存すると
考えられるので、3種の中で最も酸濃度の高いC社のH
Clを使用することに決定した。
【0047】(実施例3−検出例)ガス中の微粒子状金
属不純物を捕集するための多孔体には、PTFE製で
0.1μm孔径のフィルターを使用した。PTFEフィ
ルターを洗浄するためのPFA製の容器は、クリーンル
ーム内で、36%塩酸が満たされ、120℃の加熱下で
60分以上洗浄されることにより、金属汚染低減処理を
施された。またPTFEフィルターは、この洗浄された
PFA容器内で同じ濃度の塩酸中で120℃の加熱下で
60分以上洗浄され、同じく金属汚染低減処理を施され
た。最後にPTFEフィルターは超純水で十分洗浄後、
自然乾燥された。
【0048】乾燥したPTFEフィルターはあらかじめ
IPA中で超音波洗浄したテフロン表面を有するSUS
製フランジ内に固定され、ガス流通ラインに据え付けら
れた。ここでガス流通ラインとしてはSUS製EP研磨
管を使用した。ガス流通ラインをHeリークディテクタ
でリークチェックしたところ、2×10-11Torr・
l/sec以下であった。
【0049】このラインの後段に微量酸素モニターを付
設し、N2を1l/minで流しながら酸素濃度を測定
したところ、酸素濃度は1ppb以下であった。N2
しくはSiH4を高圧容器からPTFEフィルターに直
接、それぞれ120kgf/cm2G、40kgf/c
2Gの圧力で流通させ、ガス中の微粒子状金属不純物
を捕集した。この時のN2とSiH4の流通量は831g
であった。
【0050】次に、PTFEフィルターに捕集された微
粒子状金属不純物を溶解するため、クリーンルーム内で
PEFEフィルターをSUSフランジより取り出し、あ
らかじめ金属汚染低減のための洗浄を施されたPFA容
器内にPTFEフィルターをいれ、さらに10ccの3
6%塩酸を加えて、120℃、60分間、PTFEフィ
ルター上の金属や金属化合物を溶解させる操作を行っ
た。10ccの溶解液は、超純水を加え100ccにメ
スアップされ、ICP−MSとフレームレス原子吸光に
よって金属分析された。この分析結果と検出下限値を表
2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】微粒子状金属不純物溶解操作に使用したP
FA容器とフィルターから溶解操作中に溶解してくる金
属不純物濃度と金属汚染低減処理液中のICP−MSと
フレームレス原子吸光で測定した金属不純物濃度を表3
に示す。金属汚染低減処理をPTFEフィルターやPF
A容器に施してあるため、検出下限がppbレベルに比
較して低いことがわかる。
【0053】
【表3】
【0054】表3から金属低減処理液中にはPFA容器
においてはZnがPTFEフィルターにおいてはAlが
サブppb検出されており、微粒子状金属不純物溶解操
作に使用する冶具を十分に洗浄することが重要であるこ
とが示された。
【0055】(実施例4−検出例)実施例3と同様の方
法で金属汚染低減処理が施されたPTFEフィルターは
あらかじめイソプロピルアルコール中で超音波洗浄した
テフロン被覆表面を有するSUS製フランジ内に固定さ
れ、減圧CVD装置直近のガス導入部に設置に取り付け
られた。Heリークディテクタでリークチェックしたと
ころ、2×10-11Torr・l/sec以下であっ
た。
【0056】N2ガスのパージと真空引きを5回繰り返
した後、SiH4をマスフローコントローラーで制御し
ながら、0.2l/min、100Torrで減圧CV
D装置に流し、SiH4ガス中の微粒子状金属不純物を
PTFEフィルターに捕集させた。この時のSiH4
サンプリング量は100gであった。実施例3と同様の
方法で、PTFEフィルターの微粒子状金属不純物溶解
操作を実施し、ICP−MSとフレームレス原子吸光で
分析したところ表4の結果を得た。
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス中の
金属不純物検出法は、金属不純物が測定される被測定ガ
スを強酸耐性材料の多孔体からなるフィルターに流通さ
せて、この被測定ガス内の金属不純物を上記多孔体に捕
集する捕集工程と、この多孔体に捕集された上記金属不
純物を濃酸を主成分とする溶出液を用いて溶出する溶出
工程と、上記溶出液に溶出された金属不純物を分析する
分析工程を含むことを特徴とするものである。上記検出
法においては、上記濃酸として5〜40%HCl、5〜
70%HNO3、5〜50%HFのうちの1種または2
種以上の混酸が好ましく用いられる。
【0059】上記方法により、ガス中の0.1μm以上
の微粒子状金属不純物を完全に捕集することができ、酸
化物などの難溶な金属化合物を溶出させることができる
ので、ガス中の金属不純物を正確に分析することが可能
となった。
【0060】また上記捕集工程の前に、上記多孔体を上
記溶出液で洗浄することにより、多孔体からのクロスコ
ンタミを低減することができる。さらに上記洗浄工程の
前に、上記多孔体を洗浄するための洗浄容器が上記溶出
液で前洗浄されることにより、金属不純物の検出下限が
0.1ppb以下のレベルに達する。
【0061】これらの金属不純物要因を明確にし解決す
ることによって、ガス中の金属不純物検出感度は、著し
く向上し、ギガビット時代に要求される金属不純物レベ
ル1×108原子/cm2に十分対処できるレベルとなっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス中の金属不純物検出法におけ
る捕集工程で好適に用いられる捕集装置の一例を示した
図である。
【図2】本発明で用いられるフィルターの微粒子状金属
不純物の捕集効率の比較を示すグラフである。
【図3】Siエピタキシャル成膜工程で、FeとAlに
つき、SiH4ガス中の金属濃度と、ウエハ表面への汚
染金属原子数との関係を示すグラフである。
【図4】ガス中の金属不純物を検出するための従来法で
あるカラムトラップ法を示したもので、(a)は、充填
剤を充填した充填カラムに被分析ガスを流通させガス中
の金属不純物を充填カラムに捕集するための装置、
(b)は、カラムに捕集された金属不純物を酸で洗浄す
るための装置を示した図である。
【符号の説明】
11 ガス容器 15 フィルター(多孔体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 克広 茨城県つくば市大久保10 日本酸素株式 会社 つくば研究所内 (72)発明者 ラリー サムエル 茨城県つくば市大久保10 日本酸素株式 会社 つくば研究所内 (56)参考文献 特開 平4−198863(JP,A) 特開 平8−5524(JP,A) 特開 平6−102181(JP,A) 特開 平7−136434(JP,A) 実開 平6−60408(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 31/00 G01N 1/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属不純物が測定される被測定ガスを強
    酸耐性材料の多孔体からなるフィルターに流通させて、
    この被測定ガス内の金属不純物を上記多孔体に捕集する
    捕集工程と、この多孔体に捕集された上記金属不純物を
    濃酸を主成分とする溶出液を用いて溶出する溶出工程
    と、上記溶出液に溶出された金属不純物を分析する分析
    工程を含むことを特徴とするガス中の金属不純物検出
    法。
  2. 【請求項2】 上記濃酸が5〜40%HCl、5〜70
    %HNO3、5〜50%HFのうちの1種または2種以
    上の混酸であることを特徴とする請求項1記載のガス中
    の金属不純物検出法。
  3. 【請求項3】 上記捕集工程の前に、上記多孔体を上記
    溶出液で洗浄する洗浄工程を含むことを特徴とする請求
    項1または2記載のガス中の金属不純物検出法。
  4. 【請求項4】 上記洗浄工程の前に、上記多孔体を洗浄
    するための洗浄容器が上記溶出液で前洗浄されることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のガス中
    の金属不純物検出法。
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