JP3471045B2 - 高純度キノフタロンジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

高純度キノフタロンジカルボン酸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色素の中間体として有
用なキノフタロンジカルボン酸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下記一般式(I)(化4)
【0003】
【化4】 (式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル
基を表す。)で示されるキノフタロンジカルボン酸無水
物は、液晶用染料または分散染料の中間体として重要な
化合物である。しかしながら、一般式(I)の化合物
は、有機溶媒に対して難溶のため、精製方法として従来
より知られる再結晶法やクロマトグラフ法が使用できな
いため、工業的な精製は実質不可能であった。そのた
め、一般式(I)の化合物は、未精製であるが故に低純
度であり、該化合物を中間体として使用して誘導される
染料は、不純物を多く含み、品質が不安定なものであっ
た。不純物のなかでも特に、一般式(IV)(化5)
【0004】
【化5】 (式中、Xは一般式(I)と同一の意味を表す。)で表
される化合物もまた有機溶媒に対して難溶であり、しか
も該化合物は一般式(I)の化合物より誘導される各種
染料の性能を阻害するため、この化合物の除去は必須で
あった。そこでキノフタロン化合物の精製方法として、
一般式(I)の化合物に二級アミンを反応させて一般式
(V)(化6)
【0005】
【化6】 (式中、Xは一般式(I)のXと同一の意味を表し、R
1 及びR2 は各々独立に炭素数1〜10のアルキル基、
アルコキシアルキル基、またはヒドロキシアルキル基を
表す。)で示される溶媒可溶なアミック酸を生成し、一
般式(IV)で示される溶媒不溶の不純物を濾過により
除去して、高純度な該アミック酸溶液を得た後、この溶
液に酸を加えて加水分解処理して高純度な一般式(I)
のキノフタロンジカルボン酸無水物を得る方法が提案さ
れている(特開平01−306404号公報および特開
平01−319480号公報記載)。しかしながら、該
公報記載の方法では、使用する二級アミンは、一般的に
有害性を有するため、アミック酸溶液の加水分解により
生じるアミン水溶液の廃棄処理が難しく、また使用する
有機溶媒の引火性等に考慮する必要がある等の問題点を
有し、工業的に好ましい方法ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、液晶
用染料または分散染料の中間体として重要な化合物であ
る、一般式(I)で表されるキノフタロンジカルボン酸
無水物の精製を基軸とする高純度なキノフタロンジカル
ボン酸の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、一般式(I)で示
されるキノフタロンジカルボン酸無水物の新規な可溶化
により、不純物を不溶物として除去し、高純度なキノフ
タロンジカルボン酸を製造する方法を見出し、本発明に
至った。即ち、本発明は、下記一般式(I)(化7)
【0008】
【化7】 (式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル
基を表す。)で示されるキノフタロンジカルボン酸無水
物を、アルカリ性化合物により加水分解および中和し
て、下記一般式(II)(化8)
【0009】
【化8】 (式中、YおよびZはカチオンを表し、Xは一般式
(I)と同様の意味を表す。)で表されるキノフタロン
化合物の塩として可溶化せしめ、不溶性不純物を濾別
し、次いで濾液に酸を加え、下記一般式(III)(化
9)
【0010】
【化9】 (式中、Xは一般式(I)と同一の意味を表す。)で示
される高純度キノフタロンジカルボン酸を析出させる、
高純度キノフタロンジカルボン酸の製造方法に関する。
本発明において製造される一般式(III)で表される
高純度キノフタロンジカルボン酸は、公知の方法によ
り、容易に高純度な一般式(I)で表されるキノフタロ
ンジカルボン酸無水物を製造することができる。本発明
で使用される一般式(I)で示されるキノフタロンジカ
ルボン酸無水物は、粗製物であり、置換基Xで示される
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基など炭素数1〜10の炭化水
素およびそのハロゲン、アシルアルコキシまたはヒドロ
キシ置換体を表し、ハロゲン原子としてはフッ素、塩
素、臭素、沃素等が挙げられる。一般式(I)のキノフ
タロンジカルボン酸無水物の粗製物を溶媒中、アルカリ
性化合物により加水分解および中和して、一般式(I
I)で表されるカルボン酸塩として可溶化する。溶媒は
使用しても、しなくても構わないが、アルカリ性化合物
を溶解させたり、生成したカルボン酸塩を可溶化させる
ことを考慮すると、使用する方が好ましい。ここで、一
般式(II)で示される化合物のYおよびZで示される
カチオンとしては、特に限定されることはないが、好ま
しくは金属カチオン、さらに好ましくはリチウムカチオ
ン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン等が挙げら
れる。
【0011】使用する溶媒としては、アルカリ性化合物
を溶解するものならなんでも良い。特に好ましい溶媒と
しては、水である。しかしながらメタノール、エタノー
ル、エチレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、ジエチレングリコール等のアルコール類、あ
るいはエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサ
ン等のエーテル類を、水と混合したものを溶媒として使
用しても構わない。溶媒の使用量は、一般式(I)の粗
製物の1〜100重量倍、好ましくは、3〜30重量倍
である。本発明で使用するアルカリ性化合物は、水に溶
解するものなら何でも良いが、好ましくは金属の水酸化
物または金属の炭酸塩が好ましい。金属の水酸化物の例
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
リチウムなどが挙げられる。金属の炭酸塩の例として
は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭
酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられ
る。これらアルカリ性化合物は一種類のみで使用する事
もできるが、該化合物を複数組み合わせてなる混合物も
また使用することができる。一般式(I)の化合物を、
溶媒中アルカリ性化合物と反応させる際の温度は、0℃
以上80℃未満が好ましく、工業的には60℃以下が好
ましい。温度があまり低すぎると反応性に乏しく、また
温度があまり高すぎると脱炭酸反応により一般式(V
I)(化10)
【0012】
【化10】 (式中、Xは一般式(I)のXと同一の意味を表す。)
で示されるキノフタロンモノカルボン酸の生成量が増加
し、純度低下を来す等の問題があり好ましくない。ま
た、反応時間は24時間もあれば十分であり、好ましく
は4時間以下である。さらに、一般式(I)の化合物
を、溶媒中アルカリ性化合物と反応させる際、生成物で
ある一般式(II)で表されるキノフタロン化合物の塩
を可溶化し、且つ一般式(IV)の化合物を主体とする
不純物が不溶物となるように溶液のpHを調整すること
が重要である。これらを考慮すると、溶液のpHは、1
2.0以上13.2未満が好ましく、特に12.5〜1
3.0が好ましい。pHがあまり小さいと、一般式
(I)の化合物とアルカリ性化合物との反応が不完全で
あり、またpHがあまり大きいと一般式(IV)(化1
1)
【0013】
【化11】 (式中、Xは一般式(I)のXと同一の意味を表す。)
で示される主たる不純物が溶解し、一般式(II)のキ
ノフタロン化合物の塩を含む溶液から濾過分離が困難と
なり好ましくない。一般式(II)で表されるキノフタ
ロン化合物の塩を含む溶液から、一般式(IV)の化合
物を主体とする不純物を濾過分離するために使用する濾
材は、アルカリ溶液に侵されない素材であれば何でもよ
い。好ましくは基材がポリプロピレンまたはフッ素樹脂
である濾布が良い。また、溶媒不溶の一般式(IV)の
不純物が濾材表面に堆積することで現れる濾過抵抗を軽
減するために、濾過助材を濾材表面に敷くか、あるい
は、一般式(I)とアルカリ性化合物との反応溶液に該
濾過助材を装入し懸濁させてから濾過してもよい。濾過
助材としては、通常、市販されているセライトが用いら
れる。セライトの種類は特に限定されず、通常はセライ
ト−545、セライト−535、セライト−503、セ
ライト−500を用いることができる。不溶性不純物を
濾別して除去した後、一般式(II)(化12)
【0014】
【化12】 (式中、YおよびZはカチオンを表し、Xは一般式
(I)と同様の意味を表す。)で表されるキノフタロン
化合物の塩を含有するアルカリ濾液に加える酸として
は、無機系の酸ならばいずれでも良いが、好ましくは塩
酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。
作業性等を考慮すると不揮発性の酸がさらに好ましく、
特に硫酸が好ましい。酸の濃度は特に限定されるもので
はないが、高濃度で加えると酸析出物がブロック化して
攪拌に支障をきたすため、1〜50wt%の濃度で加え
るのが好ましい。また酸を加える速度は特に限定される
ものではなく、場合によって滴下により時間をかけて装
入する。滴下装入時間は、通常は1分〜10時間で行
う。一般式(II)の化合物のアルカリ濾液に酸を加え
て、一般式(III)で表される高純度のキノフタロン
ジカルボン酸を析出させる際の溶液のpHは1.5以上
2.5未満が好ましく、特にpHが1.8〜2.0が好
ましい。pHがあまり小さいと反応終了後、得られた濾
塊から酸を除去するのに多量の水を使用するため工業化
には適さない。またpHがあまり大きいと、一般式(I
I)の化合物の酸との反応が不完全となり良くない。
【0015】さらに一般式(II)の化合物のアルカリ
濾液に酸を加えて、一般式(III)で表される高純度
のキノフタロンジカルボン酸を析出させる際、反応温度
は、特に限定されるものではないが、反応の促進、又は
反応を短時間で完結させる等を考慮すると反応液を加熱
した方が好ましい。反応温度は好ましくは40℃以上、
さらに好ましくは80℃以上である。反応時間は24時
間もあれば十分であり、好ましくは4時間以下である。
反応終了後の一般式(III)で表される析出物の濾過
温度は50℃以下が好ましい。また、使用する濾材は、
該反応溶液に耐性を持つものなら何でも良いが、基材が
ポリプロピレン、フッ素樹脂、綿である濾布が使用でき
る。
【0016】本発明で得られる一般式(III)で表さ
れる高純度キノフタロンジカルボン酸は固体のまま、あ
るいは水と共沸しうる有機溶媒に溶解して加熱脱水した
り、あるいは脱水剤を使用することで、容易に一般式
(I)で表される高純度キノフタロンジカルボン酸無水
物を製造することができる。ここで、加熱脱水する際の
温度は、脱水をおこなえる温度であれば特に限定されな
い。使用する有機溶媒としては水と共沸するものなら何
でもよく、例えばトルエン、ニトロベンゼン等が挙げら
れる。脱水剤としては、例えばポリリン酸、硫酸などが
挙げられる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。尚、キノフタロンジカルボン酸無水物の粗製物とア
ルカリ性化合物との反応液の紫外−可視吸光スペクトル
を300nm〜600nmの範囲で測定した。また、キ
ノフタロンジカルボン酸無水物の粗製物およびキノフタ
ロンジカルボン酸の紫外−可視吸収スペクトルは、試料
約1mgをo−クロロフェノ−ル100mlに溶解した
希薄溶液について、300nm〜600nmの範囲で測
定した。測定装置はUV−240(島津製作所(株)
製)を使用した。化合物の純度は、薄層クロマトグラフ
により測定した。 実施例1 式(a)(化13)
【0018】
【化13】 で表される酸無水物の粗製物(純度90.3%)6.1
0kg、ならびに室温の水118リットルをステンレス
反応機(300リットル容)に装入し、溶液を攪拌しな
がら49%水酸化ナトリウム水溶液4.9kgを滴下し
た。pHメーターでpHが12.9となったことを確認
した後、内容液を50℃に昇温し、50〜52℃で2時
間攪拌した。次いでセライト−545(和光純薬工業
(株)一級試薬)を3.0kg装入し、50〜52℃で
30分攪拌した。30〜35℃に冷却後、濾材としてポ
リプロピレン製の濾布を敷いたグラスライニング濾過器
( 100リットル容)を使用して、溶液から溶媒不溶物を
分離除去した。得られた濾液をグラスライニング反応機
(200リットル容)に移液し、続いて、25%硫酸1
3.2kgを35分かけて滴下した。内溶液が33.8
℃のときのpHを測定し、1.95の値を確認した後、
内溶液を90℃に昇温した。90〜95℃で、pH1.
8〜2.0の値を維持し、2時間保温した。その後水5
0リットルを装入して、さらに外部より冷却して内溶液
を50℃に冷却した。濾材としてポリプロピレン製の濾
布を敷いたフィルタープレス濾過機(濾過面積4.32
2 )を使用して濾過したところ所要時間は10分であ
った。濾塊を水洗し、その濾液がpH6.5を示した後
80℃で乾燥し、キノフタロンジカルボン酸4.31k
gを得た。純度は97.0%であった。昇温前及び50
〜52℃で2時間保温後の反応液の紫外−可視吸光スペ
クトルを図1に示す。図1から明らかなように、昇温前
の吸光度に対する熱処理後の吸光度はほぼ変化がなく、
キノフタロンジカルボン酸塩の変質が見られなかった。
また、式(a)で表される酸無水物の粗製物および得ら
れたキノフタロンジカルボン酸の紫外−可視吸光スペク
トルを図2に示す。図2から明らかなように、式(a)
で表される酸無水物の粗製物の吸収スペクトルに存在す
る、下記式(b)(化14)の不純物のピーク(474
nm)が、本発明の精製後、得られたキノフタロンジカ
ルボン酸の吸収スペクトルでは消失しており、不純物
(b)が除去されていることがわかる。
【0019】
【化14】 実施例2 式(c)(化15)
【0020】
【化15】 で表される酸無水物の粗製物(純度86%)8.00kg
ならびに室温の水118リットルをステンレス反応機
(300リットル容)に装入し、溶液を攪拌しながら4
9%水酸化ナトリウム水溶液4.9kgを滴下した。p
HメーターでpHが12.9となったことを確認した
後、内容液を50℃に昇温した。50〜52℃で2時間
攪拌し、次いで、セライト−545(和光純薬工業
(株)一級試薬)を4.0kg装入し、50〜52℃で
30分攪拌した。30〜35℃に冷却後、濾材としてポ
リプロピレン製の濾布を敷いたグラスライニング濾過器
(100リットル容)を使用して、溶液から溶媒不溶物
を分離除去した。得られた濾液をグラスライニング反応
機(200リットル容)に移液し、続いて25%硫酸1
3.2kgを35分かけて滴下した。内溶液が34.7
℃の時のpHを測定し1.91の値を確認した後、内溶
液を90℃に昇温した。90〜95℃で、pH1.8〜
2.0の値を維持し、2時間保温した。その後水50リ
ットルを装入して、さらに外部より冷却して内溶液を5
0℃に冷却した。濾材としてポリプロピレン製の濾布を
敷いたフィルタープレス濾過機(濾過面積4.32
2 )を使用して、濾過したところ所要時間は10分で
あった。濾塊を7時間水洗し、その濾液がpH6.5を
示した後80℃で乾燥し、キノフタロンジカルボン酸
5.48kgを得た。純度は95.6%であった。
【0021】比較例1 実施例1において、49%水酸化ナトリウム水溶液4.
9kgを使用する代わりに49%水酸化ナトリウム水溶
液6.0kgとした以外は実施例1と同様の操作を行
い、キノフタロンジカルボン酸4.49kgを得た。純
度は90.9%であった。得られたキノフタロンジカル
ボン酸の可視吸光スペクトルを測定したところ、不純物
である化合物(b)の極大吸収波長475nmのピーク
が観察され、不純物が除去されていないことがわかる。 比較例2 実施例1において、式(a)の酸無水物の粗製物(純度
90.3%)6.10kg、ならびに室温の水118リ
ットルをステンレス反応機(300リットル容)に装入
し、溶液を攪拌しながら49%水酸化ナトリウム水溶液
4.9kgを滴下した。pHメーターでpHが12.9
となったことを確認した後、内容液を50℃に昇温し50
〜52℃で2時間撹拌するところを、内容液を80℃に
昇温し、80〜83℃で2時間攪拌するとした以外は、
実施例1と同様の操作を行い、キノフタロンジカルボン
酸4.03kgを得た。純度は88.6%であった。昇
温前及び80〜83℃で2時間保温後の反応液の紫外−
可視吸光スペクトルを図3に示す。図から明らかなよう
に、昇温前の吸光度に対して熱処理後の吸光度は大きく
変化しており、キノフタロンジカルボン酸塩の変質が見
られた。
【0022】
【発明の効果】本発明は高純度キノフタロンジカルボン
酸の製造方法に関して、一般式(I)で表されるキノフ
タロンジカルボン酸無水物の新規な溶媒可溶化による、
一般式(IV)で表される化合物を主体とする不純物の
除去方法を基軸とした、高純度キノフタロンジカルボン
酸の製造方法を提供するものであり、有機溶媒および二
級アミンを使用せず無害かつ安全であり、pHを制御す
ることで容易に高純度なキノフタロンジカルボン酸が製
造でき、社会的に有用な液晶用染料または分散染料の品
質向上に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における式(a)で表される酸無水物
の粗製物とアルカリ性化合物との反応で、昇温前の反応
液および50℃に昇温後、50〜52℃で2時間熱処理
した後の反応液の紫外−可視吸収スペクトルを示す。図
の縦軸は、吸光度を示し、横軸は波長を示す。実線は昇
温前の反応溶液の吸収スペクトルで、点線は50〜52
℃で2時間攪拌した後の反応液の吸収スペクトルを示
す。
【図2】実施例1において式(a)で表される酸無水物
の粗製物および得られたキノフタロンジカルボン酸の紫
外−可視吸光スペクトルを示す。実線は得られたキノフ
タロンジカルボン酸1.06mgをo−クロロフェノー
ル100mlに溶解した時の吸光スペクトルであり、点
線は式(a)で表される酸無水物の粗製物1.01mg
をo−クロロフェノール100mlに溶解した時の吸光
スペクトルを示す。図の縦軸は、吸光度を示し、横軸は
波長を示す。
【図3】比較例2において式(a)で表される酸無水物
の粗製物とアルカリ性化合物との反応で、昇温前の反応
液および80℃に昇温後、80〜83℃で2時間熱処理
した後の反応液の紫外−可視吸収スペクトルを示す。実
線は昇温前の反応溶液の吸収スペクトルであり、点線は
80〜83℃で2時間攪拌した後の反応液の吸収スペク
トルを示す。図の縦軸は、吸光度を示し、横軸は波長を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入里 義広 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地三井 東圧化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−43086(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 215/20 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)(化1) 【化1】 (式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル
    基を表す。)で示されるキノフタロンジカルボン酸無水
    物を、水を溶媒として、アルカリ性化合物によりpH1
    2.5〜13.0、60℃以下で加水分解および中和し
    て、下記一般式(II)(化2) 【化2】 (式中、YおよびZはカチオンを表し、Xは一般式
    (I)と同様の意味を表す。)で表されるキノフタロン
    化合物の塩として可溶化せしめ、一般式(II)のキノフ
    タロン化合物の塩を含むpHが12.5〜13.0であ
    る溶液を得、不溶性不純物を濾別し、次いで1〜50w
    t%硫酸を加えて下記一般式(III)(化3) 【化3】 (式中、Xは一般式(I)と同一の意味を表す。)で示
    される高純度キノフタロンジカルボン酸をpHが1.8
    以上2.0未満の溶液中において80℃以上で析出させ
    ることを特徴とする高純度キノフタロンジカルボン酸の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 不溶性不純物が下記一般式(IV)(化1
    6) 【化16】 (式中、Xは一般式(I)と同一の意味を表す。)で示
    される化合物である請求項1記載の製造方法。
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