JP3470894B2 - ニューマチックケーソン - Google Patents

ニューマチックケーソン

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JP3470894B2
JP3470894B2 JP2001368556A JP2001368556A JP3470894B2 JP 3470894 B2 JP3470894 B2 JP 3470894B2 JP 2001368556 A JP2001368556 A JP 2001368556A JP 2001368556 A JP2001368556 A JP 2001368556A JP 3470894 B2 JP3470894 B2 JP 3470894B2
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recovery chamber
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秀行 武内
隆治 小林
政樹 宮下
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大豊建設株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ケーソン掘削機
の点検、修理、組立及び解体回収作業等を行う空間を有
するニューマチックケーソンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のニューマチックケーソンには、例
えば図6に示されたものがある。すなわち、図6におい
てニューマチックケーソン101は、作業室スラブ10
2の上側にケーソン躯体103が設けられ、その作業室
スラブ102の下側には、刃口104と地山Gで囲まれ
た作業室105が設けられている。そして、そのケーソ
ン躯体103の内側には、作業室105上方に作業員が
昇降するマンシャフト106が立設され、このマンシャ
フト106の上部には作業員が出入りするマンロック1
07が設けられている。さらに、マンシャフト106と
は別に、地山Gを掘削した掘削土の搬出やケーソン掘削
機108を搬入及び搬出するためのマテリアルシャフト
109が立設され、このマテリアルシャフト109の上
部にはマテリアルロック110が設けられている。
【0003】ニューマチックケーソン101の沈下掘削
作業は、作業室105内が高気圧下のため、地上の遠隔
操作室111から作業室105に備え付けられたケーソ
ン掘削機108を操作して地山Gを掘削するという無人
掘削工法をとり、人間が高気圧下に曝されないような方
策がとられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ケーソ
ン掘削機108の点検、整備、組立及び沈下掘削完了後
の解体回収作業等は遠隔操作では行えないため、作業員
が作業室105内の高気圧下で行わざるをえなかった。
【0005】すなわち、点検及び修理作業においては、
作業室105内の気圧が高くなるほど作業環境が悪化す
るので、減圧症の発生を防止するために作業室105内
での作業時間に制約を設けなければならず作業効率が低
下していた。
【0006】また、沈下掘削完了後の解体回収作業にお
いては、多数の作業班が高気圧下の作業室105におい
て安全確保のため限られた作業時間内で作業する必要が
あった。このため、作業日数と延べ労働人数が増加し、
機械損料、電力料、労務費等のコストがかかるという問
題があった。
【0007】そこで、この発明は、上記の点に鑑みてな
されたものであり、作業員が高気圧下に曝されずに、ケ
ーソン掘削機の点検、整備、組立及び沈下掘削完了後の
解体回収作業等を行えるようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、作業室スラブの下側に
形成される作業室にケーソン掘削機が設けられたニュー
マチックケーソンにおいて、前記作業室の上側に前記ケ
ーソン掘削機を回収可能な回収室が設けられると共に、
該回収室と前記作業室とを連通させ、前記ケーソン掘削
機が通過可能な開口部が前記作業室スラブに形成され、
該開口部には、該開口部を開閉する開閉扉が水平方向に
スライド自在又は回動自在に設けられ、前記ケーソン掘
削機を吊り上げて、前記開口部を介して前記作業室と回
収室との間で前記ケーソン掘削機を移動可能とする吊上
装置が前記開閉扉とは別に設けられ、更に、前記回収室
にはケーソン掘削機回収架台が配置され、前記開閉扉を
閉じた状態で前記ケーソン掘削機回収架台が前記ケーソ
ン掘削機を支持し前記回収室内の床の上を移動できると
共に、前記回収室内の気圧調整を可能とする気圧調整手
段を設けたことを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の構成に加えて、前記作業室の上側に前記回収室が設け
られ、前記回収室上側にマテリアルシャフトが設けら
れ、該マテリアルシャフトの上端から前記回収室にクレ
ーンワイヤが吊り下げられ、該クレーンワイヤを昇降さ
せることによって掘削土砂の搬出及び前記ケーソン掘削
機の前記回収室への回収を可能としたことを特徴とす
る。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の構成に加えて、前記回収室と前記作業室とを連
通させる開口部には、前記吊上装置の、前記ケーソン掘
削機を吊り下げるケーソン掘削機吊上架台を支持する支
持部が設けられ、前記ケーソン掘削機吊上架台の下面に
は前記ケーソン掘削機を移動可能に懸架するレールが設
けられ、前記ケーソン掘削機吊上架台は前記支持部に支
持された状態から前記回収室に回収されるように構成さ
れており、前記支持部に前記ケーソン掘削機吊上架台が
支持された状態で前記レールと前記作業室天井面に設け
られたレールとが連結されることを特徴とする。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載の構成に加えて、前記回収室と扉を
隔てて気閘室が設置され、該気閘室と前記回収室間を前
記扉を介して人の移動が可能であり、前記気閘室に設け
られた前記気圧調整手段によって前記回収室の気圧調整
を可能としたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】[発明の実施の形態1]以下、こ
の発明の実施の形態1を図面に基づいて詳細に説明す
る。
【0013】図1〜図4には、この発明の実施の形態1
を示す。
【0014】図1には、この発明の実施の形態1に係る
掘削時のニューマチックケーソン1の断面図を示す。
【0015】まず、構成を説明すると、図中符号1はニ
ューマチックケーソンで、このニューマチックケーソン
1には、コンクリート製の作業室スラブ3が設けられ、
この作業室スラブ3は作業室スラブ上側壁3a及び作業
室スラブ下側壁3bよりなる。
【0016】この作業室スラブ上側壁3aの上側周上に
はケーソン躯体2が設けられている。
【0017】また、作業室スラブ上側壁3aには作業室
スラブ上側壁開口部3dが設けられ、その作業室スラブ
上側壁開口部3dから上方に伸びてマテリアルシャフト
9が設置され、その先端にはマテリアルロック10が設
置されている。
【0018】そして、この作業室スラブ上側壁3aと作
業室スラブ下側壁3bとに挟まれた空間には回収室7及
び気閘室8が設けられている。
【0019】また、その作業室スラブ下側壁3bの下側
には、刃口5と地山Gとで囲まれた作業室6が設けられ
ている。
【0020】作業室スラブ下側壁3bには、回収室7と
作業室6とを連通させる作業室スラブ下側壁開口部3c
が設けられており、この作業室スラブ下側壁開口部3c
には加減圧専用の開閉扉11が左右に設けられ、これら
がスライドされることにより作業室スラブ下側壁開口部
3cが開閉されるようになっていると共に、その作業室
スラブ下側壁開口部3cの周縁には、ケーソン掘削機吊
上架台13を支持するための支持部としての支持部材1
5が設置されている。なお、この開閉扉11は、片側か
ら移動する1枚扉であっても良い。
【0021】また、回収室7と気閘室8との間の隔壁1
6には、作業員が出入りするための開口部16aが設け
られ、その開口部16aには圧気扉17が設置されてい
る。
【0022】そして、回収室7には、ケーソン掘削機1
2に動力となる電力を供給するためのケーブル19を巻
き取るケーブル巻取装置20が配置されている。
【0023】さらに、回収室7には、気圧調整手段とし
て、回収室7の加圧を行うための回収室圧気用パイプ2
1と、減圧を行うための回収室排気用パイプ22とが配
設されており、これらのパイプ21,22は隔壁16を
通って隣接する気閘室8まで伸び、この気閘室8側の回
収室圧気用パイプ21及び回収室排気用パイプ22には
各々回収室圧気用バルブ21a及び回収室排気用バルブ
22aが設けられている。さらに、これらのパイプ2
1,22は気閘室8の上方の上側壁3aを通って外部上
方まで伸び、回収室排気用パイプ22は大気に開放され
ており、一方、回収室圧気用パイプ21には圧気を送る
ための図示しない空気圧縮機が取り付けられている。
【0024】気閘室8には、気閘室8の加圧を行うため
の気閘室圧気用パイプ30及び減圧を行うための気閘室
排気用パイプ31が配設されており、これらのパイプ3
0,31は作業室スラブ上側壁3aを通って外部上方ま
で伸び、気閘室排気用パイプ31は大気に開放されてお
り、一方、気閘室圧気用パイプ30には圧気を送るため
の図示しない空気圧縮機が取り付けられている。そし
て、気閘室8内の加圧及び減圧は、これらのパイプ3
0,31の下端に設けられた気閘室圧気用バルブ30a
及び気閘室排気用バルブ31aを操作することで行える
ようになっている。
【0025】また、気閘室8から上方に伸びて、マンシ
ャフト32が設置されている。マンシャフト32の下部
には、気閘室8に作業員が出入りする出入口扉32aが
設けられている。さらに、作業室スラブ下側壁3bに
は、気閘室8と作業室6とを連通させるハッチ33を有
する開口部3eが設けられている。なお、この実施の形
態1では、マンシャフト32の下部に出入口扉32aを
設けたが、気閘室8上方の作業室スラブ上側壁3aに出
入口扉32aを設けて、その上にマンシャフト32を設
置しても良い。
【0026】ケーソン掘削機12は、作業室6天井面に
設けられた図示しないレールに懸架され、作業室6内を
走行して地山Gを掘削できるようになっている。そし
て、掘削した土砂は、クレーンワイヤ14bに吊り下げ
られた土砂バケット50でマテリアルロック10から搬
出できるようになっている。
【0027】また、ケーソン掘削機吊上架台13は回収
室7内に配置されている。
【0028】図2には、この発明の実施の形態1に係
る、ケーソン掘削機吊上架台13を支持部材15に支持
したときのニューマチックケーソン1の断面図を示し、
図3には、図2のA−A線に沿う断面図を示す。
【0029】回収室7には、ケーソン掘削機支持材18
aとケーソン掘削機吊下材18bからなるケーソン掘削
機回収架台18が配置されており、このケーソン掘削機
回収架台18にケーソン掘削機12が懸架されたケーソ
ン掘削機吊上架台13を支持して回収室7内の床上を移
動することができるようになっている。
【0030】図4には、支持部材15に支持されたケー
ソン掘削機吊上架台13の拡大断面図を示す。
【0031】図4に示すように、作業室スラブ下側壁開
口部3cの作業室スラブ下側壁3bの左右下部に、開閉
扉11設置用の空間を設けて開閉扉11が設置され、こ
の開閉扉11の下面は、圧気扉支持材40と圧気扉支持
板41で支持されている。なお、この開閉扉11は、作
業室スラブ下側壁3bに開閉扉11設置用の空間を設け
ずに作業室スラブ下側壁3b下面に取り付けても良く、
また2枚扉でなく片側から移動する1枚扉であっても良
い。
【0032】また、ケーソン掘削機吊上架台13は、四
角形状の厚板で形成され、このケーソン掘削機吊上架台
13の上部突出部13aが支持部材15に支持されるよ
うになっている。なお、ケーソン掘削機吊上架台13
を、H鋼等を桁状に組んだもので形成し、回収室7と作
業室6との間が通気性のある状態にしても良い。
【0033】このケーソン掘削機吊上架台13の下面に
はレール25が取り付けられており、ケーソン掘削機1
2を移動可能に懸架できるようになっている。そして、
ケーソン掘削機吊上架台13の上面には玉掛けワイヤ1
4aが取り付けられており、この玉掛けワイヤ14aに
マテリアルシャフト9上方から吊り下げられたクレーン
ワイヤ14bを取り付けて、このクレーンワイヤ14b
を図示しないクレーンで昇降させることによって、ケー
ソン掘削機吊上架台13とそのレール25に懸架された
ケーソン掘削機12を連動して昇降させる構造となって
いる。
【0034】このように、ケーソン掘削機吊上架台1
3、レール25玉掛けワイヤ14a、クレーンワイヤ1
4bによって、「吊上装置」が構成されている。
【0035】次に、沈下掘削作業の途中でケーソン掘削
機12の点検及び整備を行う作業工程について説明す
る。
【0036】ここで、沈下掘削作業時には、図1に示す
通り、作業室6内でケーソン掘削機12が遠隔操作され
て地山Gの掘削を行っている。また、作業室スラブ下側
壁開口部3cの開閉扉11は開放されており、回収室7
内の圧力は作業室6内の圧力と同じ気圧となっている。
また、気閘室8下部の作業室スラブ下側壁3bに設けら
れている開口部3eのハッチ33及び開口部16aの圧
気扉17は閉じられており、気閘室8内は大気圧に保た
れている。ケーソン掘削機12が掘削した土砂は、クレ
ーンワイヤ14bに取り付けた土砂バケット50によっ
て、作業室スラブ下側壁開口部3c及びマテリアルシャ
フト9を通ってマテリアルロック10から搬出される。
また、ケーソン掘削機吊上架台13及び図示しないケー
ソン掘削機回収架台18は回収室7に予め配置されてい
る。
【0037】以上の状態において、まず、開閉扉11を
閉め、作業員がマンシャフト32の出入口扉32aから
大気圧下の気閘室8に入る。そして、マテリアルロック
10で減圧するか、又は気閘室8の作業員が回収室排気
用パイプ22に設けられている回収室排気用バルブ22
aを開き減圧することによって、回収室7内の気圧を大
気圧に調整した後、作業員は開口部16aに設けられた
圧気扉17を開け、回収室7に入る。
【0038】次に、図示しないクレーンにより、マテリ
アルロック10からマテリアルシャフト9を通って回収
室7にクレーンワイヤ14bを吊り下げる。作業員は、
その吊り下げられたクレーンワイヤ14bにケーソン掘
削機吊上架台13の玉掛けワイヤ14aを取り付ける。
その後、作業員は気閘室8に待避して圧気扉17を閉
め、マテリアルロック10によって加圧するか、作業員
が回収室圧気用パイプ21に設けられた回収室圧気用バ
ルブ21aを操作して、回収室7を作業室6と同じ圧力
まで加圧する。
【0039】次に、作業室スラブ下側壁開口部3cの開
閉扉11を開いて、図示しないクレーンでクレーンワイ
ヤ14bを操作しケーソン掘削機吊上架台13を降下さ
せ、図2に示す通り、ケーソン掘削機吊上架台13の上
部突出部13aを作業室スラブ下側壁開口部3cの周縁
に取り付けられた支持部材15に支持する。
【0040】次に、ケーソン掘削機12を作業室6の天
井面に設けられた図示しないレールの軌道上から移動さ
せ、このレールと連結されているケーソン掘削機吊上架
台13のレール25に懸架する。そして、クレーンワイ
ヤ14bを図示しないクレーンで上昇させ、ケーソン掘
削機12が懸架されているケーソン掘削機吊上架台13
を回収室7の高さまで吊り上げる。
【0041】その後、開閉扉11を閉じて、回収室7内
の気圧をマテリアルロック10で減圧するか、又は気閘
室8内に待避している作業員が回収室排気用パイプ22
に設けられた回収室排気用バルブ22aを操作して減圧
し、回収室7内の気圧を大気圧に戻す。
【0042】次に、圧気扉17を開き、作業員は気閘室
8から回収室7へ入り、ケーソン掘削機回収架台18を
回収室7内の床上を移動してマテリアルシャフト9の中
央部付近に配置し、このケーソン掘削機回収架台18に
ケーソン掘削機12が懸架されているケーソン掘削機吊
上架台13を支持する。そして、このケーソン掘削機回
収架台18を回収室7内の任意の位置に移動して、ケー
ソン掘削機12の点検、整備を行う。
【0043】点検、整備が終了したら、ケーソン掘削機
12が懸架されたケーソン掘削機吊上架台13がマテリ
アルシャフト9の中央に配置されるよう、ケーソン掘削
機回収架台18を回収室7内の床上を移動する。そし
て、マテリアルシャフト9上端のマテリアルロック10
から回収室7に吊り下げられたクレーンワイヤ14b
に、ケーソン掘削機吊上架台13の玉掛ワイヤ14aを
取り付ける。
【0044】その後、作業員は回収室7から気閘室8に
待避して圧気扉17を閉じ、マテリアルロック10によ
って加圧するか、又は気閘室8の作業員が回収室圧気用
パイプ21の回収室圧気用バルブ21aを操作して加圧
し、回収室7を作業室6と同一の圧力にする。
【0045】そして、作業室スラブ下側壁開口部3cの
開閉扉11を開いた後、図示しないクレーンによりクレ
ーンワイヤ14bを降下させてケーソン掘削機吊上架台
13を支持部材15に支持する。そして、ケーソン掘削
機12をケーソン掘削機吊上架台13のレール25か
ら、このレール25に連結されている作業室6の天井面
に設けられた図示しないレールに移動させ、ケーソン掘
削機吊上架台13をクレーンワイヤ14bで再度上昇さ
せて、開閉扉11を閉じる。その後、マテリアルロック
10を用いるか、又は気閘室8の作業員が回収室排気用
パイプ22に設けられている回収室排気用バルブ22a
を操作することにより、回収室7内を大気圧まで減圧し
た後、作業員は開口部16aに設けられた圧気扉17を
開いて回収室7に入り、ケーソン掘削機吊上架台13の
玉掛ワイヤ14aをクレーンワイヤ14bから取りはず
して、ケーソン掘削機吊上架台13を回収室7内に配置
する。また、ケーソン掘削機回収架台18は、回収室7
内の、作業に支障のない任意の位置に移動させる。そし
て、作業員は回収室7から気閘室8に待避し圧気扉17
を閉じた後、マテリアルロック10によって加圧する
か、又は作業員が回収室圧気用パイプ21の回収室圧気
用バルブ21aを操作して加圧することによって、回収
室7を作業室6と同一の圧力に調整し、作業室スラブ下
側壁開口部3cの開閉扉11を開放する。
【0046】その後、ケーソン掘削機12を作業室6の
天井面に設けられた図示しないレールの軌道を移動させ
ながら、作業室6内での地山Gの掘削作業を再開する。
【0047】以上のように、従来はケーソン掘削機12
の点検、修理、組立及び解体回収作業等を作業員が高気
圧下に曝されて行っていたが、ニューマチックケーソン
1に圧力調整手段を備えた回収室7を設けることによ
り、圧力を大気圧に調整した回収室7内で作業員は安全
に作業を行えるようになる。このように、作業員の作業
環境が改善されることにより、減圧症防止のための作業
時間の制約が全くなくなり作業効率が向上するため、コ
ストを削減しかつ工期を短縮することが可能となる。
【0048】また、開口部3cを開閉する開閉扉11と
は別にケーソン掘削機12を吊り上げるケーソン掘削機
吊上架台13を設けたため、例えば、ケーソン掘削機吊
上架台13を開閉扉と兼用するものと比較すると作業効
率が向上することとなる。つまり、ケーソン掘削機吊上
架台13を開閉扉として利用すると、ケーソン掘削機1
2をケーソン掘削機吊上架台13で吊り上げて回収室7
に回収してケーソン掘削機吊上架台13からケーソン掘
削機12を外した後、ケーソン掘削機吊上架台13を下
降させて開口部3cを閉じ、次いで、回収室7を減圧し
て点検等の作業を行わなければならず、作業効率が悪い
ものである。これに対して、この発明では、ケーソン掘
削機12をケーソン掘削機吊上架台13で吊り上げて回
収室7に回収した後、開閉扉11を閉じ、回収室7を減
圧し、ケーソン掘削機12をケーソン掘削機吊上架台1
3で吊り下げた状態でも点検作業等を行うことができる
ため、極めて作業効率の良いものである。
【0049】さらに、回収室7の床上を移動自在なケー
ソン掘削機回収架台18を設けたために、回収室7の天
井にケーソン掘削機受取用レールを設けることなく、ケ
ーソン掘削機12をケーソン掘削機回収架台18を用い
て回収室7内の任意の位置に移動させることができる。
【0050】[発明の実施の形態2]図5には、この発
明の実施の形態2に係るニューマチックケーソン1の断
面図を示す。
【0051】この発明の実施の形態2では、回収室7に
加えて副回収室7aを設けている。
【0052】まず、回収室7と副回収室7aを隔てる隔
壁60の開口部60aに設けられた圧気扉61は開放し
ておき、マテリアルロック10で減圧するか、又は作業
員が気閘室8で回収室排気用パイプ22の回収室排気用
バルブ22aを操作することにより減圧して、回収室7
及び副回収室7aの圧力を大気圧に調整する。
【0053】次に、この発明の実施の形態1と同様にし
て、ケーソン掘削機12に懸架されたケーソン掘削機吊
上架台13を回収室7に回収し、ケーソン掘削機回収架
台18に支持して副回収室7aに移動する。
【0054】その後、回収室7と副回収室7aを隔てる
隔壁60の開口部60aに設けられた圧気扉61を閉じ
て、この副回収室7aでケーソン掘削機12の点検、修
理、組立及び解体回収作業等を行う。
【0055】この作業を行っている間に、マテリアルロ
ック10で加圧するか又は副回収室7aに配設されてい
る回収室圧気用パイプ71の回収室圧気用バルブ71a
を操作して加圧し、回収室7を作業室6と同じ圧力に調
整した後、クレーンワイヤ14bに取り付けられた土砂
バケット50を用いてマテリアルロック10から作業室
6内の掘削土砂を搬出する。
【0056】このように、副回収室7aを設けること
で、ケーソン掘削機12の点検、修理、組立及び解体回
収作業等と、掘削土砂搬出作業とを併行して行うことが
できるので、作業効率を高めることができる。
【0057】また、副回収室7aでケーソン掘削機12
の点検、修理、組立及び解体回収作業等を行っていると
きに、別のケーソン掘削機12を回収室7に回収して、
点検、修理、組立及び解体回収作業等を行ってもよい。
【0058】なお、副回収室7aを複数設けることも可
能である。
【0059】また、上記の実施の形態においては、作業
室スラブ3は、作業室スラブ上側壁3aを作業室スラブ
下側壁3bの上側全体に設けて二重構造とすることによ
り回収室7を形成するようにしているが、これに限ら
ず、作業室スラブ上側壁3aを一部に設けて部分的に二
重構造として回収室7等を形成しても良いことは勿論で
ある。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、作業室スラブの下側に形成される作業室
にケーソン掘削機が設けられたニューマチックケーソン
において、前記作業室の上側に前記ケーソン掘削機を回
収可能な回収室が設けられると共に、該回収室と前記作
業室とを連通させ、前記ケーソン掘削機が通過可能な開
口部が前記作業室スラブに形成され、該開口部には、該
開口部を開閉する開閉扉が水平方向にスライド自在又は
回動自在に設けられ、前記ケーソン掘削機を吊り上げ
て、前記開口部を介して前記作業室と回収室との間で前
記ケーソン掘削機を移動可能とする吊上装置が前記開閉
扉とは別に設けられ、更に、前記回収室にはケーソン掘
削機回収架台が配置され、前記開閉扉を閉じた状態で前
記ケーソン掘削機回収架台が前記ケーソン掘削機を支持
し前記回収室内の床の上を移動できると共に、前記回収
室内の気圧調整を可能とする気圧調整手段を設けたこと
を特徴とするので、ケーソン掘削機の点検、修理、組立
及び解体回収作業等を作業員が大気圧に調整した回収室
内で作業し易い位置にケーソン掘削機回収架台を移動し
て行えるようになり、作業環境が改善されるので、減圧
症防止のための作業時間の制約が全くなくなり作業効率
が向上するため、コストを削減しかつ工期を短縮するこ
とが可能となる。
【0061】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の効果に加えて、前記作業室の上側に前記回収室
が設けられ、前記回収室上側にマテリアルシャフトが設
けられ、該マテリアルシャフトの上端から前記回収室に
クレーンワイヤが吊り下げられ、該クレーンワイヤを昇
降させることによって掘削土砂の搬出及び前記ケーソン
掘削機の前記回収室への回収を可能としたことを特徴と
するので、クレーンワイヤ及びクレーンを、掘削土砂搬
出作業とケーソン掘削機回収作業とに兼用で使用するこ
とができ、設備を有効に利用することができる。
【0062】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は2に記載の効果に加えて、前記回収室と前記作業室
とを連通させる開口部には、前記吊上装置の、前記ケー
ソン掘削機を吊り下げるケーソン掘削機吊上架台を支持
する支持部が設けられ、前記ケーソン掘削機吊上架台の
下面には前記ケーソン掘削機を移動可能に懸架するレー
ルが設けられ、前記ケーソン掘削機吊上架台は前記支持
部に支持された状態から前記回収室に回収されるように
構成されており、前記支持部に前記ケーソン掘削機吊上
架台が支持された状態で前記レールと前記作業室天井面
に設けられたレールとが連結されることを特徴とするの
で、ケーソン掘削機がケーソン掘削機吊上架台下面及び
作業室天井面のレール間をスムーズに移動することがで
き、掘削作業と回収、点検作業等とを効率よく行うこと
ができる。
【0063】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
〜3のいずれか1項に記載の効果に加えて、前記回収室
と扉を隔てて気閘室が設置され、該気閘室と前記回収室
間を前記扉を介して人の移動が可能であり、前記気閘室
に設けられた前記気圧調整手段によって前記回収室の気
圧調整を可能としたことを特徴とするので、作業員が安
全かつ容易に回収室から気閘室に扉を開いて移動し圧力
調整を行うことができるため、作業時間を短縮すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る掘削時のニュー
マチックケーソンの断面図である。
【図2】同実施の形態1に係るケーソン掘削機吊上架台
を支持部材に支持したときのニューマチックケーソンの
断面図である。
【図3】同実施の形態1に係る図1のA−A線に沿う断
面図である。
【図4】同実施の形態1に係る支持部材に支持されたケ
ーソン掘削機吊上架台の拡大断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るニューマチック
ケーソンの断面図である。
【図6】従来の実施の形態に係るニューマチックケーソ
ンの断面図である。
【符号の説明】
1 ニューマチックケーソン 3 作業室スラブ 3c 開口部 5 刃口 6 作業室 7 回収室 8 気閘室 9 マテリアルシャフト 11 開閉扉 12 ケーソン掘削機 13 ケーソン掘削機吊上架台(吊上装置) 14a 玉掛けワイヤ(吊上装置) 14b クレーンワイヤ(吊上装置) 15 支持部材 18 ケーソン掘削機回収架台 21 回収室圧気用パイプ(気圧調整手段) 21a 回収室圧気用バルブ(気圧調整手段) 22 回収室排気用パイプ(気圧調整手段) 22a 回収室排気用バルブ(気圧調整手段) 25 レール(吊上装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 隆治 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊 建設株式会社内 (72)発明者 宮下 政樹 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊 建設株式会社内 (72)発明者 長谷川 春生 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−368515(JP,A) 特開2000−192471(JP,A) 特開 平5−202523(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 23/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業室スラブの下側に形成される作業室
    にケーソン掘削機が設けられたニューマチックケーソン
    において、 前記作業室の上側に前記ケーソン掘削機を回収可能な回
    収室が設けられると共に、該回収室と前記作業室とを連
    通させ、前記ケーソン掘削機が通過可能な開口部が前記
    作業室スラブに形成され、該開口部には、該開口部を開
    閉する開閉扉が水平方向にスライド自在又は回動自在に
    設けられ、前記ケーソン掘削機を吊り上げて、前記開口
    部を介して前記作業室と回収室との間で前記ケーソン掘
    削機を移動可能とする吊上装置が前記開閉扉とは別に設
    けられ、更に、前記回収室にはケーソン掘削機回収架台
    が配置され、前記開閉扉を閉じた状態で前記ケーソン掘
    削機回収架台が前記ケーソン掘削機を支持し前記回収室
    内の床の上を移動できると共に、前記回収室内の気圧調
    整を可能とする気圧調整手段を設けたことを特徴とする
    ニューマチックケーソン。
  2. 【請求項2】 前記作業室の上側に前記回収室が設けら
    れ、前記回収室上側にマテリアルシャフトが設けられ、
    該マテリアルシャフトの上端から前記回収室にクレーン
    ワイヤが吊り下げられ、該クレーンワイヤを昇降させる
    ことによって掘削土砂の搬出及び前記ケーソン掘削機の
    前記回収室への回収を可能としたことを特徴とする請求
    項1に記載のニューマチックケーソン。
  3. 【請求項3】 前記回収室と前記作業室とを連通させる
    開口部には、前記吊上装置の、前記ケーソン掘削機を吊
    り下げるケーソン掘削機吊上架台を支持する支持部が設
    けられ、前記ケーソン掘削機吊上架台の下面には前記ケ
    ーソン掘削機を移動可能に懸架するレールが設けられ、
    前記ケーソン掘削機吊上架台は前記支持部に支持された
    状態から前記回収室に回収されるように構成されてお
    り、前記支持部に前記ケーソン掘削機吊上架台が支持さ
    れた状態で前記レールと前記作業室天井面に設けられた
    レールとが連結されることを特徴とする請求項1又は2
    に記載のニューマチックケーソン。
  4. 【請求項4】 前記回収室と扉を隔てて気閘室が設置さ
    れ、該気閘室と前記回収室間を前記扉を介して人の移動
    が可能であり、前記気閘室に設けられた前記気圧調整手
    段によって前記回収室の気圧調整を可能としたことを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のニューマ
    チックケーソン。
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