JP3469892B2 - 卓上型真空乳化装置 - Google Patents

卓上型真空乳化装置

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JP3469892B2
JP3469892B2 JP2002177316A JP2002177316A JP3469892B2 JP 3469892 B2 JP3469892 B2 JP 3469892B2 JP 2002177316 A JP2002177316 A JP 2002177316A JP 2002177316 A JP2002177316 A JP 2002177316A JP 3469892 B2 JP3469892 B2 JP 3469892B2
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茂信 西牟田
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クレーテ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳化原料を乳化容
器に投入して自動的に乳化剤等の乳化製品を製造するこ
とのできる卓上型真空乳化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クリ−ムや乳液や軟膏等の乳化製
品となる乳化物を製造するための真空乳化装置として
は、大量の乳化液体や乳化固体等の乳化物の製造を対象
とする大型の装置は、良く知られており、広く用いられ
ている。このような大型の真空乳化装置は、乳化原料を
攪拌溶解する溶解釜と、真空攪拌する真空釜とを備え、
攪拌装置としては、複雑な形状のホモミキサーやパドル
ミキサーなどが用いられ、連続的に乳化原料を投入し
て、連続的に乳化物を製造する連続した自動運転を行う
ものであり、そのため、攪拌回転数や各釜の温調などを
自動制御している。
【0003】これに対し、バッチ処理を目的として、少
量、小ロットの乳化物を製造する小型の真空乳化装置
も、用いられているが、上述した大型の真空乳化装置を
小型化したものに過ぎず、装置構成が複雑であり、取扱
が複雑で、取り付けや取り外しが面倒あり、乳化物製造
後の乳化容器やホモミキサーやパドルミキサーなどの攪
拌装置の洗浄が、面倒であり時間がかかるものであっ
た。また、乳化容器に蒸気が付着したりする場合もあ
り、蒸気を拭き取る必要があり手間がかかるなど、ま
た、容器の取り外しがさらに面倒であるという問題があ
る。
【0004】また、さらに、少量、例えば100〜10
00ccまたは100g〜1kg程度の微少量の乳化物
を製造するための微少量真空乳化装置も、市販されてい
る。このような微少量真空乳化装置として、例えば特殊
機化工業株式会社製T.K.ハイビスミックス2P−0
3型や、T.K.ロボミックスAG−03型等を挙げる
ことができる。
【0005】例えば、前者の装置は、以下のような操作
手順で使用される。 1.本体の電源を入れる。 2.あらかじめ、加熱温水器を温めておく。(90℃前
後) 3.ハンドルを回して、乳化容器(以下、単に容器とも
いう)を下げる。 4.容器にパイプを取り付けている場合は、パイプを外
す。 5.容器を外し、上蓋を外す。 6.上蓋を外したら、攪拌羽根を外す。 7.それぞれをメタノール(アルコール等)で、洗浄し
完全に拭き取る。 8.本体に攪拌羽根を取り付け、上蓋を取り付ける。 9.容器に原料を入れる。 10.容器を下部に取り付ける。 11.加熱パイプを容器に取り付ける。 12.ハンドルを回し容器と上蓋をくっつける。
【0006】13.真空パイプを上部の吸い込み口に取
り付ける。 14.真空ポンプをオン(ON)にして、容器内を真空
にする。 15.真空ポンプをオフ(OFF)にする(容器内は真
空)。 16.加熱ポンプをオンにする。 17.本体の運転スイッチを押す。 18.加熱回転数を定める。 19.定めた温度になるまで待つ。 20.定めた温度になったら、加熱ポンプをオフにす
る。 21.加熱パイプを外し、冷却パイプを取り付ける。 22.冷却ポンプをオンにする。 23.冷却回転数を定める。 24.定めた温度になるまで待つ。
【0007】25.定めた温度になったら、冷却ポンプ
をオフにする。 26.容器内の真空を抜く。 27.ハンドルを回して容器を下げる。 28.ゴムヘラ等で、攪拌羽根についているクリームを
容器に落とす。 29.容器側の水を抜くために水受けを用意する。 30.容器側の冷却パイプを外す。 31.水受けに容器内の水を流し入れる。 32.クリームを容器に詰める。 33.上蓋を取り外し、攪拌羽根を外す。 34.上蓋、攪拌羽根、容器を洗浄する。 35.上蓋、攪拌羽根、容器の部品を乾かす(布で拭き
取る等)。 36.攪拌羽根、上蓋、容器の順番で、本体に取り付け
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの装
置、特に前者は、製造された乳化物の品質も良く、上述
の小型の真空乳化装置に比べ、その取扱はかなり改善さ
れているが、まだ、上述したように、操作手順が複雑
で、運転中に、オペレータが多くの手動操作を行う必要
があり、終了まで、常時、装置を監視していなければな
らないという問題があった。また、この従来の微少量真
空乳化装置では、真空装置(真空ポンプ)、冷却装置
(冷却ポンプ)および加熱装置(加熱温水器、加熱ポン
プ)が外付けで別途必要であり、装置全体としてのコス
トが高くなるという問題があった。
【0009】また、乳化容器の加熱および冷却は、それ
ぞれ乳化容器のジャケットに加熱温水および冷却水を循
環させることによって行われるため、加熱温水および冷
却水は、乳化容器のジャケットの同じ供給口から供給さ
れ、同じ排出口から排出される。このため、加熱から冷
却への切り換えの際には、加熱装置から冷却装置への駆
動の切り換えと配管(加熱パイプから冷却パイプへ)の
切り換え、すなわち加熱ポンプを止め、乳化容器のジャ
ケットに加熱温水を供給および排出していた加熱パイプ
を引き抜いて、冷却水を供給および排出する冷却パイプ
に付け変えた後に、冷却ポンプを駆動する必要があり、
また、その逆の場合には、その逆の手順で操作を同様に
行わねばならないという問題があった。
【0010】また、乳化容器の上部には、真空配管(真
空パイプ)や真空計や温水・冷却水配管(加熱パイプや
冷却パイプ)や各種のバルブなどの、ステンレス製容器
の場合には、のぞき窓などのこまごましたものがついて
いるので、これらを取りつけたり、取り外さなくてはな
らず、攪拌羽根や各種のパイプの取り付けや取り外しや
操作が面倒であるという問題があった。また、ステンレ
ス製の乳化容器を用いるものでは、のぞき窓などが付い
ていても、別途、懐中電灯などの光源が必要であり、容
器内状況が把握し難いという問題もあった。
【0011】また、温度表示はあるものの、容器の底に
取り付けられた温度センサによって計測された温度が表
示されているので、表示温度が、攪拌対象となる乳化原
料自体やクリーム等の乳化物自体の温度を表していない
という問題があった。また、攪拌装置の攪拌羽根として
は、上述した従来装置同様、ホモミキサーやパドルミキ
サーや、枠型ひねりブレードなどの、形状が複雑で特殊
な攪拌羽根が用いられているため、分解にも手間がかか
り、洗浄も困難、あるいは面倒であるという問題があっ
た。また、攪拌装置の攪拌羽根の回転数を設定する場合
には、加熱開始前に加熱中の回転数を、加熱終了後冷却
開始前に冷却中の回転数をそれぞれ手動でオペレータが
設定するか、加熱中も冷却中も同じ回転数に設定してお
くかのいずれかしかなく、両者を予め独立に設定してお
くことができないという問題があった。
【0012】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、取り扱いが簡単で、自動運転が可能で、小型か
つコンパクトかつ軽量で、さらに、好ましくは、乳化液
体や乳化固体等の乳化物製造後に、乳化容器の着脱や分
解や、攪拌装置の攪拌羽根等の着脱や分解が容易で、分
解後の各部品の洗浄が容易であり、真空または減圧系や
冷却系等の配管系の取り付け・取り外しが容易であり、
熟練者でなくとも容易に使用することができる卓上型真
空乳化装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、乳化原料を乳化するためのジャケット付
き乳化容器と、この乳化容器を載置して、前記乳化容器
内の前記乳化原料を所定加熱温度に加熱する加熱盤と、
前記乳化容器内を所定圧力に減圧する減圧装置と、前記
所定圧力に減圧された前記乳化容器内の前記乳化原料を
攪拌羽根によって攪拌して、乳化物を製造する攪拌装置
と、前記乳化容器のジャケット内に冷却水を循環させ
て、前記乳化容器内の前記乳化物を所定冷却温度まで冷
却する冷却水循環装置とを有し、前記乳化容器は、前記
加熱盤に対して着脱自在であり、前記攪拌羽根は、攪拌
装置の本体に対して着脱自在であり、前記乳化容器、前
記加熱盤、前記減圧装置および前記攪拌装置は、一体的
に組み込まれていることを特徴とする卓上型真空乳化装
置を提供するものである。
【0014】ここで、前記攪拌装置は、前記加熱盤によ
る加熱開始から前記所定加熱温度での加熱安定化終了ま
での加熱工程での、前記乳化容器内の前記乳化原料の第
1攪拌速度と、前記冷却水循環装置による冷却開始から
前記所定冷却温度での冷却安定化終了までの冷却工程で
の、前記乳化容器内の前記乳化物の第2攪拌速度とを予
め独立に設定しておくことができるように構成されてい
るのが好ましい。
【0015】また、本発明は、上記卓上型真空乳化装置
であって、さらに、前記減圧装置によって前記所定圧力
に減圧された前記乳化容器内において、前記乳化原料の
加熱開始と前記第1攪拌速度での攪拌、前記所定加熱温
度までの加熱、前記所定加熱温度での加熱安定化、前記
乳化物の冷却開始と前記第2攪拌速度への切り換え、前
記所定冷却温度までの冷却、前記所定冷却温度での冷却
安定化までの工程を自動的に行うように、前記加熱盤、
前記攪拌装置および前記冷却水循環装置を制御する制御
装置を備えることを特徴とする卓上型真空乳化装置を提
供するものである。
【0016】ここで、前記制御装置は、さらに、前記減
圧装置による前記乳化容器内の減圧開始から前記所定圧
力までの減圧および前記減圧装置の減圧停止、ならびに
これと同時に前記減圧装置によって前記所定圧力に減圧
された前記乳化容器内において、前記乳化原料の加熱開
始までの工程をも自動的に行い、前記減圧装置による前
記乳化容器内の減圧開始から前記所定冷却温度での冷却
安定化までの真空乳化の全工程を自動的に行うように、
前記加熱盤、前記攪拌装置および前記冷却水循環装置、
ならびに前記減圧装置を制御するのが好ましい。また、
前記制御装置は、前記真空乳化の全工程を自動運転制御
する時、前記乳化原料の加熱開始から前記所定冷却温度
での冷却安定化までの工程中に、前記減圧装置を間欠的
に駆動するように制御するのが好ましい。また、前記制
御装置は、前記真空乳化の全工程を自動運転制御する
時、前記乳化容器内の前記乳化原料または前記乳化物が
前記乳化容器から溢れる場合には、前記減圧装置の駆動
を停止するように制御するのが好ましい。
【0017】また、前記攪拌装置は、駆動源、この駆動
源の駆動力を伝達する伝達装置およびこの伝達装置によ
って所定速度で回転する駆動軸を備える前記本体と、前
記駆動軸に着脱自在な回転軸と、この回転軸の先端側に
固定される前記攪拌羽根をと有するのが好ましい。ま
た、前記攪拌装置は、さらに、前記回転軸に平行に前記
攪拌羽根の端部に取り付けられ、一端に延在する延在
部、他端に前記攪拌羽根を越えて延在して屈曲する屈曲
部を持つ棒状部材と、一端に前記棒状部材の前記延在部
に係合する係合孔、他端に前記屈曲部に係合する係合孔
および切欠部を備える軟質平板状の掻き取り部材とを有
するのが好ましい。
【0018】また、前記乳化容器は、上面開口部の平坦
な縁部を備え、側面に前記ジャケットとなる2重管部を
備える円筒状ガラス製容器であり、前記平坦な縁部に気
密に載置される円盤状の上蓋を備え、この上蓋は、その
中心に前記攪拌装置の前記攪拌羽根の回転軸を回転可能
に支承する軸受部および前記容器の前記開口部に対応す
る部分に穿孔された2つの取付孔を備え、前記上蓋の一
方の取付孔には前記乳化容器内に前記攪拌羽根の近傍ま
で突出する温度センサを保持する保持部材が、気密に取
り付けら、前記上蓋の他方の取付孔には前記乳化容器内
に前記攪拌羽根の近傍まで突出し、前記減圧装置の吸引
管と連結される連結口部およびこの連結口部と連通する
吸引口を前記乳化容器内の前記上蓋の近傍に備える栓部
材が、気密に取り付けられているのが好ましい。
【0019】また、前記減圧装置は、真空ポンプと、こ
の真空ポンプと前記乳化容器との間に設けられ、前記乳
化容器内から吸引した前記乳化原料または前記乳化物を
回収するトラップとを有するのが好ましい。また、前記
減圧装置の配管系および前記冷却水循環装置の配管系
は、ワンタッチで着脱可能であり、前記攪拌羽根は、前
記本体からワンタッチで着脱可能であるのが好ましい。
また、前記攪拌羽根は、ホモミキサータイプの撹拌羽根
またはブレードタイプの撹拌羽根であるのが好ましい。
また、前記乳化容器は、その側面のみに前記ジャケット
となる2重管部が形成されているのが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る卓上型真空乳化装置
を添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に
説明する。
【0021】図1および図2は、それぞれ本発明の卓上
型真空乳化装置の一実施例の概略正面図および側面図で
ある。これらの図に示す卓上型真空乳化装置(以下、単
に乳化装置という)10は、基本的に、乳化原料を乳化
するためのジャケット13(図3(b)参照)付きガラ
ス製乳化容器12と、乳化容器12の開口部12bを塞
ぐ上蓋14と、乳化容器12を載置して加熱するホット
プレート(加熱盤)16と、乳化容器12内を所定の真
空度に引く、すなわち所定の圧力に減圧する真空ポンプ
18と、減圧された乳化容器12内の乳化原料を攪拌す
る攪拌装置20と、乳化容器12のジャケット13に冷
却水を供給する冷却水循環装置22と、乳化運転中の乳
化容器12内の温度および攪拌装置20の攪拌羽根20
aの回転等を制御する制御装置24と、各種の設定およ
び表示を行う表示パネル26と、各種の操作を行うため
の操作パネル28とを備えている。
【0022】なお、図示例の乳化装置10では、乳化容
器12は、加熱盤16に対して着脱自在であり、すなわ
ち加熱盤16上に載置し、加熱盤16上から取り出すこ
とができる。また、加熱盤16および真空ポンプ18
は、下部筐体32に収納され、操作パネル28は、下部
筐体32前面部を形成し、攪拌装置20および制御装置
24は、上部筐体30に収納され、表示パネル26は、
上部筐体30の前面部を形成する。そして、上部筐体3
0は、ハンドル34を回転させることによって、下部筐
体32に対して上下動する。なお、この上部筐体30の
上下動は、ハンドル34の回転で駆動される図示しない
駆動機構によってガイドまたはラック36を上下動さ
せ、例えば、図示しないピニオンを回転させ、このピニ
オンに噛合するラック36を上下動させることによっ
て、ラック36の上端に固定された上部筐体30を上下
動させることによって実現できる。
【0023】上部筐体30の上下動の際には、攪拌装置
20の攪拌羽根20aの回転駆動軸(以下、駆動軸とい
う) 20bが取り付けられた上蓋14も、上部筐体30
の攪拌装置20の上下動に伴って上下動するので、上部
筐体30の上下動させることにより、上蓋14を乳化容
器12の開口部12bから外し、また、開口部12bに
被せることができる。ところで、図示しない駆動機構
は、下部筐体32の後側の突出部32aに収納され、そ
の突出部32aの前方の下部筐体32の上面には、加熱
盤16が据え付けられ、加熱盤16上に乳化容器12が
取り外し可能に載置されるように開放されている。
【0024】なお、図示例においては、上部筐体30
は、2本のラック36で支持されているが、1本のラッ
クでも、3本以上のラックで支持しても良いし、1本が
ラックであれば、他は、ピニオンと噛合する歯のない単
なるガイドであっても良い。また、本発明において用い
られる上部筐体30の上下動を実現する駆動機構は、上
述したラックアンドピニオン駆動機構に限定されず、簡
単または簡便な機構であれば、どのような駆動機構でも
良く、例えば、ドライブスクリューおよびトラベリング
ナットや、リニアガイドや、油圧シリンダや、エアシリ
ンダなどを挙げることができる。
【0025】次に、図3(a)および(b)に、それぞ
れ、乳化容器12の上面図および断面図を示す。同図に
示すように、乳化容器12は、内側に乳化原料を投入
し、攪拌羽根20aによる真空攪拌乳化を行う円筒状の
内部空間12a、外側にジャケット13となる空間を側
面のみに形成する円筒状の2重管部を持つガラス製容器
であって、上面に内部空間12aの円形の開口部12b
を持ち、開口部12bの外縁には、円環状の平坦な縁部
12cが形成されている。なお、図1に示すように、オ
ペレータが乳化容器12を加熱盤16から持ち上げ易
く、持ち運び易く、また、加熱盤16上に置き易いよう
に、乳化容器12には取手12d(図3では省略)を取
り付けておくのが好ましい。
【0026】乳化容器12の外側面に形成されるジャケ
ット13には、底部近傍に冷却水の供給口13aが、開
口部12bの近傍には、循環冷却水の排出口13bが形
成されている。なお、供給口13aおよび排出口13b
には、それぞれゴムパイプなどのフレキシブルパイプか
らなる冷却水パイプ33aを固定的に接続しておき、そ
の先端にワンタッチで着脱可能なカプラの一方、例え
ば、プラグ(オス型)33bを接続しておくのが好まし
い。なお、このカプラのプラグ33bに接続されるカプ
ラの他方、例えば、ソケット(メス型)33cは、図2
に示すように、下部筐体32の突出部32aの側面に固
定的に取り付けておき、カプラのプラグ33bの着脱を
容易にして、また、冷却水パイプ33aがもつれたりす
ることのないようにしておくのがよい。
【0027】次に、図4(a)〜(d)に、乳化容器1
2の上面の開口部12bに被せて開口部12bを塞ぐ上
蓋14を構成する各構成部材を示す。図1、図2および
図4(a)〜(d)に示すように、上蓋14は、図4
(a)および(b)に示す蓋本体15と、図4(c)に
示す温度センサホルダ(保持体)38と、図4(d)に
示す栓部材40とを備える。
【0028】図4(a)および(b)に、それぞれ蓋本
体15の上側から見た斜視図および裏側から見た底面図
を示す。これらの図に示すように、蓋本体15には、そ
の中心に攪拌装置20の攪拌羽根20aの駆動軸20b
を回転可能に支承する軸受部15aと、乳化容器12の
開口部12bに対応する部分に穿孔された2つの取付孔
15bおよび15cと、予備栓37によって気密に塞が
れる予備孔15dとが形成されている。
【0029】なお、図1、図2、図4(a)および
(b)に示すように、蓋本体15は、乳化容器12の円
環状の平坦な縁部12cと略同径の円板状のプラスチッ
ク(樹脂)製部材であり、図4(b)に示すように、裏
面の乳化容器12の縁部12cに当接する部分には、乳
化容器12の開口部12bを気密に塞ぐことができるよ
うに断面小円形のリング状のゴム製のパッキン15eが
埋めこまれている。なお、この場合、蓋本体15のパッ
キン15eが乳化容器12の縁部12cに当接する時、
ずれを生じることのないように、縁部12cの表面をす
り面として摩擦力を増しておくのが好ましい。
【0030】図4(c)に、温度センサホルダ38の側
面図を示す。同図に示すように、温度センサホルダ38
は、温度センサ38aと、温度センサ38aのリード線
38bと、温度センサ38aを気密に保持する円筒状の
樹脂製のホルダ本体39とを備える。ホルダ本体39
は、蓋本体15の取付孔15bに挿入される挿入部39
aと、拡径する拡径部39bとを有し、挿入部39aに
は、断面小円形のリング状のゴム製の2本のパッキン3
9cが埋め込まれている。温度センサ38aは、接触す
る乳化原料や乳化物等の温度を計測できるものであれ
ば、どのようなものでも良く、例えば、熱電対温度セン
サなどを挙げることができ、従来公知の温度センサは全
て利用可能である。また、リード線38bは、温度セン
サ38aで検出した温度信号(電圧変化や電流変化等)
を上部筐体30内の制御装置24内の温度算出部に伝送
するためのもので、上部筐体30の側面に着脱自在に取
り付けられる。
【0031】なお、温度センサ38aを装着した温度セ
ンサホルダ38のホルダ本体39の挿入部38aを蓋本
体15の取付孔15bに、拡径部39bが蓋本体15の
表面に接触するまで強く押し込むことにより、2本のパ
ッキン30cが少し押し潰されて、取付孔15bの内面
と強く当接し、気密が保たれるように温度センサホルダ
38が取付孔15bに取り付けられる。この時、蓋本体
15の取付孔15bに気密に取り付けられた温度センサ
ホルダ38の温度センサ38aの先端は、乳化容器12
内に攪拌羽根20aの近傍まで突出させるのがこのまし
い。これは、乳化攪拌されている乳化原料や乳化物の温
度を正確に検出するためと攪拌効率を向上させるためで
ある。
【0032】図4(d)に栓部材40の側面図を示す。
同図に示すように、栓部材40は、樹脂製の円筒状部材
であり、真空ポンプ18からの真空用フレキシブルパイ
プ(以下、真空パイプという)18aと連結される連結
口部40aと、この連結口部40aが接続される栓本体
41と、栓本体41に穿孔され、連結口部40aと連通
する吸引口40bと、栓本体41から延在する延在部4
0cとを備える。栓本体41は、挿入部41aと、拡径
部41bとを有し、挿入部41aには、断面小円形のリ
ング状のゴム製の2本のパッキン41cが埋め込まれて
いる。
【0033】なお、栓部材40の挿入部41aを蓋本体
15の取付孔15cに、拡径部41bが蓋本体15の表
面に接触するまで強く押し込むことにより、2本のパッ
キン41cが少し押し潰されて、取付孔15cの内面と
強く当接し、気密が保たれるように栓部材40が取付孔
15cに取り付けられる。なお、栓部材40の栓本体4
1の挿入部41aに穿孔される吸引口40bは、蓋本体
15の取付孔15cに押し込まれた時、蓋本体15の裏
面側に突出する挿入部41aの、蓋本体15の裏面に最
も近い位置に穿孔されるのが好ましい。その理由は、攪
拌混合される乳化原料や乳化物を吸引口40bから吸引
する可能性を低減させるためである。この時、蓋本体1
5の取付孔15cに気密に取り付けられた栓部材40の
延在部40cの先端は、乳化容器12内において攪拌羽
根20aの近傍まで突出させるのが好ましい。これは、
乳化攪拌されている乳化原料や乳化物を延在部40cに
衝突させて、攪拌効率を向上させるためである。
【0034】次に、図5(a)に攪拌羽根組立体42、
図5(b)に攪拌羽根本体44、図5(c)に掻き取り
部材46を示す。図5(a)に示すように、攪拌羽根組
立体42は、図5(b)に示す攪拌羽根本体44と、図
5(c)に示す掻き取り部材46とを備える。図5
(b)に示すように、攪拌羽根本体44は、金属製、例
えば、ステンレス製の部材であって、金属製の回転軸4
3と、回転軸43の下端部に垂直に取り付けられる攪拌
羽根20a(図示例では、4枚)と、直線状に配置され
た2枚の金属製の攪拌羽根20aの先端部に回転軸43
に平行に取り付けられる金属製の円形棒状部材45とを
有する。
【0035】回転軸43は、攪拌装置20の駆動軸20
bにワンタッチで着脱可能な嵌合部43aと、嵌合部4
3aに続く挿入部43bと、挿入部43bの末端に埋め
込まれる断面小円形のリング状のゴム製のパッキン43
cと、挿入部43bに続く回転軸本体43dと、攪拌羽
根20aが取り付けられる先端取付部43eと、嵌合部
43aの先端に形成される溝43fとからなる。また、
棒状部材45は、攪拌羽根20aの先端に溶接等によっ
て取り付けられる取付部45a、取付部45aから一端
側に回転軸43に平行に長く延在する延在部45bと、
取付部45aから他端側に短く延在する延在部45c
と、この延在部45cから屈曲する屈曲部45dを有す
る。
【0036】また、図5(c)に示すように、掻き取り
部材46は、軟質樹脂製の平板状部材であって、一端側
に設けられる、棒状部材45の延在部45bと係合する
係合孔46aと、他端側に設けられる切欠部46bと、
この切欠部46bの直ぐ内側(一端側)に設けられる、
棒状部材45の延在部45cまたは屈曲部45dに係合
する係合孔46cとを有する。図5(a)に示すよう
に、この掻き取り部材46は、その係合孔46aを棒状
部材45の延在部45bに上側から挿入して係合させ、
係合孔46cを棒状部材45の延在部45cまたは屈曲
部45dに下側から挿入して係合させ、切欠部46bを
屈曲部45dに係合させることにより、攪拌羽根本体4
4および掻き取り部材46が組み立てられた攪拌羽根組
立体42となる。このような簡単な構成の攪拌羽根組立
体42を用いて、乳化容器12内の原料や乳化物を攪拌
することにより、攪拌中に乳化容器12の内壁面に付着
した原料や乳化物を効率良く掻き取ることができ、原料
や乳化物の攪拌の均一化を図ることができ、製造される
乳化物の品質を高品質にすることができ、品質の安定化
を図ることができる。
【0037】なお、図示例の攪拌羽根本体44は、1段
の4枚の攪拌羽根20aを持つものであるが、本発明は
これに限定されず、1段に付き3枚や2枚の攪拌羽根2
0aを持つものであっても良いし、1段に付き5枚以上
の攪拌羽根20aを持つものであっても良いし、また、
複数枚の攪拌羽根20aからなる攪拌羽根の段数も、図
5、図6(a)および(d)に示すように1段であって
も良いし、図6(b)および(e)に示すように2段で
あっても良いし、図6(c)および(f)に示すように
3段であっても良いし、図示しないが、もちろん、4段
以上であっても良い。また、各段を構成する攪拌羽根の
数も、同じあっても良いし、段毎に異なっていても良
い。
【0038】また、攪拌羽根20aの取付角度は、図6
(a)〜(f)に示すように、回転軸43の方向に対し
て、正の角度に傾斜していても良いし、負の角度に傾斜
していても良く、また、図6(e)および(f)に示す
ように、各段毎に傾斜角度が絶対値は同じで正負逆にな
っていても良いし、各段毎に傾斜角度が異なっていても
良い。また、攪拌羽根20aの取付角度は、図6(g)
に示すように、回転軸43の中心線方向LAに対する傾
斜角度として、攪拌対象の乳化原料や乳化物に応じて所
定の角度範囲、例えば+θ1から−θ2までの角度範囲
を適宜選択し、選択された角度範囲の中の所定の傾斜角
度を適宜設定すれば良い。ここで、θ1およびθ2は、
等しくても異なっていても良い。本発明で用いることの
できる攪拌羽根20aの取付傾斜角度は、+80°〜−
80°であるので、θ1=θ2=80°であるが、攪拌
対象の乳化原料や乳化物に応じて、θ1および/または
θ2を設定するのが好ましい。なお、攪拌対象である乳
化原料や乳化物が、液体である場合にはθ1およびθ2
は小さくても良いが、固体に近づくにつれθ1およびθ
2を大きくしても良い。
【0039】このような攪拌羽根組立体42は、単純な
形状の攪拌羽根20a、単純な形状の棒状部材45およ
び単純な形状の掻き取り部材46を組み合わせた簡単な
構成の攪拌羽根組立体であり、分解や洗浄が容易に行う
ことができるため特に好ましいものであるが、攪拌羽根
20a(攪拌羽根本体44)の構成は、上記のものに限
定されず、ホモミキサータイプの撹拌羽根やブレードタ
イプの撹拌羽根等、従来から用いられている公知の各種
の攪拌羽根を利用することができる。利用可能な攪拌羽
根としては、例えば、フック、ビーター、スクリュービ
ーター、錨型フック、ホイッパー、乳化ホイッパー等の
種々の形状を持つタイプの異なる攪拌羽根を挙げること
ができ、また、ディスパーミキサータイプの攪拌羽根や
タービン状の攪拌羽根も利用可能である。これらの攪拌
羽根は、その形状によって、r型やO型等の軌跡を描
き、攪拌、分散などの特徴や効果が異なるので、対象と
する乳化原料や目的に応じて、適宜選択されるのが良
い。
【0040】また、攪拌羽根組立体42の回転方向、す
なわち駆動軸20bの回転方向は、特に制限的ではな
く、正回転(乳化装置10の上方から見て右回転)で
も、逆回転(乳化装置10の上方から見て左回転)でも
よいし、正逆を適宜切り替えてもよい。攪拌羽根組立体
42の回転方向の駆動および制御は、後述する駆動源
(モータ)20cおよび制御装置24によって行われれ
ばよい。なお、攪拌羽根組立体42の回転方向として正
回転、逆回転および正逆交互回転のいずれにするか、ま
た、その回転数や正逆交互回転の場合の正逆の切り換え
タイミング等は、対象とする乳化原料や目的に応じて、
適宜選択すれば良い。攪拌羽根組立体42の回転方向を
正逆切り換える場合、回転数を正逆で同じにしても良い
し、異ならしめても良いし、正逆の切り換えタイミング
も正逆で同じにしても良いし、異ならしめても良い。ま
た、攪拌装置20は、攪拌羽根20aの取付角度と攪拌
羽根組立体42の回転方向の組み合わせによって、乳化
容器12内部の乳化原料を攪拌羽根組立体42の回転に
よって上方へ吸い上げる、ホモミキサーを構成すること
もできるし、反対に、乳化原料を下方へ吸い込む、リバ
ース・ホモミキサーを構成することもできる。これら
も、対象とする乳化原料や目的に応じて、適宜選択され
るのが良い。
【0041】このような攪拌羽根組立体42を上蓋14
に取り付ける場合には、攪拌羽根本体44の回転軸43
をその嵌合部43aから蓋本体15の軸受部15aに挿
入して、挿入部43bの末端のパッキン43cが蓋本体
15の裏面の軸受部15aに形成されている円形溝15
fに当接する位置まで挿入する。この時、回転軸43の
挿入部43bは、蓋本体15の軸受部15aの軸受によ
って回転可能に支持される。この時には、上蓋14の蓋
本体15の取付孔15bおよび15cにはそれぞれ温度
センサホルダ38および栓部材40が、予備孔15dに
は予備栓37が気密に取り付けられる。
【0042】こうして、予め上蓋14に取り付けられた
攪拌羽根組立体42の回転軸43の嵌合部43aを、上
昇している上部筐体30の底面から垂下する攪拌装置2
0の駆動軸20bに嵌合することにより、上蓋14とと
もに攪拌羽根組立体42を攪拌装置本体に取り付けるこ
とができる。この時、上部筐体30の底面に取り付けら
れた垂下部材48aと、垂下部材48aに対して回動可
能な押圧部材48bと、一端が垂下部材48aに、他端
が押圧部材48bに固定され、押圧部材48bを上蓋1
4を押圧する方向に付勢する付勢ばね48cとを有する
上蓋押圧機構48によって、上蓋14を攪拌羽根組立体
42の回転軸43の先端方向(図中下方)に付勢して、
上蓋14の蓋本体15の裏面の軸受部15aの溝15f
に回転軸43の挿入部43bのパッキン43cを付勢ば
ね48cの付勢力によって押し付け、回転する回転軸4
3と蓋本体15との間の気密を確保することができる。
【0043】この状態で、上部筐体30から垂下する攪
拌装置20の攪拌装置本体の駆動軸20bに取り付けら
れた攪拌羽根組立体42と上蓋14とを、ハンドル34
の回転によって下降させ、攪拌羽根組立体42を乳化容
器12の内部空間12aに挿入するとともに、上蓋14
の蓋本体15を乳化容器12の上面開口部12bに被
せ、蓋本体15の裏面のパッキン15eを乳化容器12
の縁部12cに所定圧力で接触させて、少し押し潰して
変形させ、蓋本体15と乳化容器12との間の気密を確
保することができる。
【0044】次に、加熱盤(ホットプレート)16は、
図2に示すように、下部筐体32の正面側前方の上面に
設けられるもので、複数本(図示例では3本)の熱線1
6aが配列される平板状発熱体16bと、この上に設け
られる金属板16cと、乳化容器12の載置台となる金
属板16cの外周にそって突出する金属製の外縁16d
とを備える。この外縁16dは、乳化容器12を安全に
かつ安定して金属板16c上に載置しておくことができ
る。なお、平板状発熱体16bを構成する熱線の形状や
数や寸法や配置は、適宜選択すればよい。また、本発明
に用いられる平板状発熱体16bとしては、どのような
ものでも良く、従来公知の平板状発熱体はいずれも利用
可能である。なお、外縁16dは、耐熱性が十分であれ
ば、耐熱樹脂製としても良い。
【0045】真空ポンプ18は、乳化容器12内の乳化
原料や乳化物を攪拌溶解混合する際に、乳化を促進し、
気泡の発生を防止するために、攪拌溶解混合を開始する
前、または、攪拌溶解混合中に、乳化容器12内を減圧
して、好ましくは所定の真空度まで減圧するためのもの
である。図1および図2に部分的にしか示されていない
が、図7に、真空ポンプ18から乳化容器12までの真
空吸引系の概略構成配管図を示す。図7に示すように、
真空ポンプ18の吸引口18bにその一端が接続される
真空パイプ18a(図2参照)の他端は、トラップ50
に接続され、その栓体50aから容器内に浅く挿入され
ている。その一端がトラップ50に接続され、その栓体
50から容器内に深く挿入されているもう一本の真空パ
イプ18aの他方の側は、切換弁52aを経由して、下
部筐体32の突出部32aの側面に取り付けられた十字
パイプ継手52bに接続されている。
【0046】一方、乳化容器12の上蓋の栓部材40連
結口部40aにその一端が接続される真空パイプ18a
の他端は、十字継手52bに接続されている。上部筐体
30の側面からその内部の圧力センサ(真空検出器)5
1にその一端が接続される真空パイプ18aの他端は、
十字継手52bに接続されている。なお、十字継手52
bの残りの1つにその一端が接続されている真空パイプ
18aの他方の側は、切換弁52cを経由して、大気開
放されている。乳化装置10を駆動する場合には、切換
弁52aを開放し、切換弁52cを閉止して、真空乳化
攪拌(攪拌溶解混合)運転に先立って、真空ポンプ18
を駆動して、乳化容器12内を所定の真空度にすること
ができる。なお、真空乳化攪拌運転中には、切換弁52
aを開放または閉止し、切換弁52cを閉止しておくこ
とにより、乳化容器12内を所定の真空度に保持してお
くことができる。なお、真空乳化攪拌運転中に切換弁5
2aを開放しておく場合には、より確実に所定の真空度
に保持するために、真空ポンプ18を駆動するのが好ま
しく、より好ましくは間欠的に駆動するようにしても良
い。運転終了時には、切換弁52cおよび必要に応じて
切換弁52aを開放して、配管系内を大気開放する。
【0047】なお、図示例においては、トラップ50を
設けて、乳化容器12内から誤って吸引した乳化原料や
乳化物を貯留させて、真空ポンプ18内に吸引されない
ようにして、真空ポンプ18の安全を図っている。図7
に示す真空吸引系の真空ポンプ18およびトラップ50
は、好ましくはさらに、圧力センサ51、切換弁52
a、52cおよび十字継手52bなどは、本発明におけ
る減圧装置を構成する。
【0048】なお、本発明における乳化装置10では、
開始スイッチや真空スイッチ等により真空ポンプ18の
電源を投入したら途中で停止することなく、真空ポンプ
18をも自動運転して、乳化容器12内の減圧開始か
ら、所定真空度までの減圧、所定真空度に保持した状態
での加熱・攪拌(真空乳化攪拌)までの全工程を自動的
に行うようにしてもよい。なお、真空ポンプ18の自動
運転を行う場合、真空乳化攪拌運転中に乳化容器12内
の内容物(乳化原料や乳化物等)が乳化容器12から溢
れる場合には、内容物の溢れを、乳化原料や乳化物を電
気的に検出する検知センサや圧力センサ等の検知センサ
によって検知して、途中で真空ポンプ18を自動的に停
止するのが好ましい。また、この場合、上述したよう
に、真空乳化攪拌運転中において、より確実に真空度を
保持するために、真空ポンプ18を間欠的に、例えば数
分毎に作動させるのが好ましい。
【0049】次に、攪拌装置20は、図1および図2に
示すように、上部筐体30の内部に収納される駆動源
(モータ)20c、この駆動源20cの駆動力を伝達す
る伝達装置20dおよびこの伝達装置20dによって所
定速度で回転する駆動軸20bを備える攪拌装置本体を
有し、また、図5に示すように、駆動軸20bに着脱自
在な回転軸43、この回転軸43の先端側に固定される
攪拌羽根20aおよびこの攪拌羽根20aの先端に固定
される棒状部材45に取り付けられる掻き取り部材46
を持つ攪拌羽根組立体42を有する。
【0050】冷却水循環装置22は、冷却水タンク22
aと、冷却水ポンプ22bと、冷却水供給口(吐出側)
22cと、これにその一端が接続され、他端側がカプラ
(プラグ33aおよびソケット33b)を介して乳化容
器12のジャケット13の供給口13aに接続される冷
却水パイプ33a(供給側)と、供給口13aと、ジャ
ケット13と、その排出口13bと、これにその一端が
接続され、他端側がカプラ(プラグ33aおよびソケッ
ト33b)を介して冷却水循環口(戻り側)22dに接
続される冷却水パイプ33a(回収側)と、冷却水循環
口(戻り側)22dとを備えるものである。なお、本発
明においては、冷却水ポンプ22bの駆動および停止を
自動的に行うことができる。従って、乳化容器12のジ
ャケット13への冷却水の供給、循環、停止を自動的に
行うことができる。
【0051】制御装置24は、真空乳化装置10の運転
中、加熱盤16、攪拌装置20および冷却水循環装置2
2を制御して、真空乳化攪拌工程の自動運転を行うもの
である。すなわち、制御装置24は、真空ポンプ18に
よって所定の真空度に減圧された乳化容器12内におい
て、加熱盤16による乳化原料の加熱開始と攪拌装置2
0による攪拌開始、加熱盤16による所定加熱温度まで
の加熱工程、この所定加熱温度での加熱安定化工程、加
熱工程および加熱安定化工程中の攪拌装置20による第
1攪拌速度での攪拌、冷却水循環装置による、製造され
た乳化物の冷却開始と攪拌装置20における第2攪拌速
度への切り換え、冷却水循環装置による所定冷却温度ま
での冷却工程、所定冷却温度での冷却安定化工程、冷却
工程および冷却安定化工程中の攪拌装置20による第2
攪拌速度での攪拌が、自動的に進行するように、加熱盤
16、攪拌装置20および冷却水循環装置22を制御す
るものである。なお、制御装置24は、真空乳化攪拌工
程のみならず、乳化容器12内の減圧開始から、所定真
空度までの減圧工程、所定真空度に保持した状態での真
空乳化攪拌工程の終了までの全工程が自動的に進行する
ように、真空ポンプ18をも制御して、全工程の自動運
転を行うようにしても良い。この制御装置24による真
空乳化攪拌工程またはこれを含む全工程の自動運転は、
温度センサ38aおよび圧力センサ51による測定温度
および測定真空圧力に基づいて制御されるのが良い。な
お、制御装置24による制御、特に自動運転制御および
本発明の乳化装置10の作用などの詳細については、後
述する。
【0052】表示パネル26は、乳化容器12内の所定
の(到達)加熱温度(例えば、80℃など)および所定
の(到達)冷却温度(例えば、26℃など)の設定およ
び設定温度の表示を行う温度設定部26aと、乳化容器
12内の所定の(到達)真空圧力(真空度)(例えば、
96〜97kPa(30Torr)など)の設定および
設定真空圧力の表示を行う真空圧力設定部26bと、手
動運転を行う場合の攪拌スイッチ、真空スイッチ、加熱
スイッチおよび冷却スイッチおよび調整スイッチなどを
備えるスイッチ部26cと、手動運転時および自動運転
時の、現在の状態(現在進行中の工程)や、乳化容器1
2内の温度や、攪拌羽根20aの回転数や、乳化容器1
2内の真空圧力などを表示する表示部26dを備える。
なお、温度設定部26aおよび真空圧力設定部26bに
は、それぞれ温度センサ38aおよび圧力センサ51に
よる測定温度および測定真空圧力(真空度)を表示して
も良いし、さらに、表示部26dにも、同様に、測定温
度および測定真空圧力を表示しても良い。
【0053】操作パネル28は、乳化装置10の主電源
をオン・オフする電源スイッチ28aと、自動運転、運
転停止および手動運転の3つの運転状態を切り換える切
換スイッチ28bと、自動運転の開始スイッチ28c
と、加熱時および手動運転時の攪拌速度設定ダイヤル2
8dと、冷却時の攪拌速度設定ダイヤル28eとを備え
る。本発明においては、操作パネル28の攪拌速度設定
ダイヤル28dおよび攪拌速度設定ダイヤル28eを備
えていることにより、加熱盤16による加熱開始から所
定加熱温度到達後の加熱安定化終了までの加熱工程で
の、攪拌装置20による、乳化容器12内の乳化原料の
加熱時の攪拌速度と、冷却水循環装置22による冷却開
始から所定冷却温度到達後の冷却安定化終了までの冷却
工程での、攪拌装置20による、乳化容器12内の製造
された乳化物の冷却時の攪拌速度とをそれぞれの攪拌速
度設定ダイヤル28dおよび28eを用いて、予め独立
に設定しておくことができる。
【0054】なお、本発明の乳化装置10を同一の乳化
原料から同一の乳化物製品を製造するための専用装置と
して用いる場合には、乳化原料の加熱時の攪拌速度およ
び乳化物の冷却時の攪拌速度は、予めそれぞれ独立に設
定しておけば、途中で調整する必要は少ないので、攪拌
速度設定ダイヤル28dおよび28eを操作パネル28
に設けなくとも良いが、微調整が必要になる場合がある
ので、乳化装置10の裏面側や側面側の筐体の一部に、
加熱および冷却の各攪拌速度の設定手段、例えば、ツマ
ミやダイヤル等を設けておくのが好ましい。この場合に
は、操作に熟練していないユーザが調整するのではな
く、専門のサービスマンが調整するようにしておいても
良い。その理由は、本発明の乳化装置10は、操作に熟
練していないユーザでも容易に使用可能なものであるの
で、このようなユーザが誤った調整することのないよう
に、専門のサービスマンが調整するように、ドライバな
どの工具を用いて調整可能な設定手段としておくのが良
い。
【0055】本発明に係る卓上型真空乳化装置は、基本
的に以上のように構成されるが、以下に、本発明の卓上
型真空乳化装置の作用および乳化物としてクリームを作
成する自動運転制御について、図8に示すフローチャー
トを参照して説明する。
【0056】まず、自動運転の前段階の準備として、オ
ペレータは、以下の操作を行う。 1.まず、電源スイッチ28aを入れ、卓上型真空乳化
装置10の電源をオンする。 2.ハンドル34を回転させて上部筐体30を上方に上
げる。 3.乳化容器12の冷却用パイプ33aをカプラ(33
b、33c)によって取り外す。 4.乳化容器12と攪拌羽根組立体42をメタノールで
拭いて、消毒する。 5.乳化原料を計量し(ステップ1)、乳化原料を乳化
容器12に投入し(ステップ2)、乳化容器12を下部
筐体32の加熱盤16に据え付ける。 6.乳化容器12の冷却用パイプ33aをカプラ(33
b、33c)で取り付ける。 7.ハンドル34を回転させて上部筐体30を下方に下
ろす。
【0057】次に、自動運転のための各種の設定を行
う。 8.切換スイッチ28bを運転停止から自動運転に切り
替える。 9.切換弁52cを閉止し、切換弁52aを開け、表示
パネル26のスイッチ部26cの真空スイッチ(ボタン
スイッチ)を押圧し、乳化容器12内を真空にする(ス
テップ3)(圧力センサ51による測定真空圧力によっ
て設定真空圧力に達したことが分かる。なお、設定真空
圧力は、最大(最低)で−98kpa、最小(最高)
は、大気圧より低く、製造される乳化物に応じて予め設
定される所定圧力、例えば、乳化物やその泡が乳化容器
12の段が付いている付近まで満たされる圧力とするの
が好ましい。)。 10.真空スイッチを再度押圧し、真空ポンプ18の駆
動を止め、切換弁52aを閉じる(乳化容器12内は所
定の真空度を維持する)。
【0058】いよいよ、自動運転をスタートする。 11.開始スイッチ(スタートボタン)28cを押圧す
る(ステップ4)。 こうして、乳化装置10の真空乳化攪拌工程の自動運転
が開始される(ステップ5)。加熱盤16による乳化容
器12内の乳化原料の加熱が開始され、攪拌装置20に
よる攪拌も開始され、加熱工程が開始される(ステップ
6)。加熱開始から加熱設定温度まで加熱盤16によっ
て乳化容器12内の乳化原料が加熱され(ステップ
7)、加熱設定温度に到達する(温度センサ38aによ
る測定温度検出)(ステップ8)。到達した加熱設定温
度において、設定された時間だけ、加熱安定化させる
(ステップ9)。この加熱開始から加熱安定化終了まで
の加熱工程の間、設定された加熱攪拌速度で攪拌装置2
0の攪拌羽根組立体42によって攪拌する(ステップ1
0)。
【0059】12.加熱安定化が終了すると、自動的に
冷却工程が開始される。すなわち冷却水循環装置22に
よる乳化容器12内の製造された乳化物の冷却が開始さ
れ、攪拌装置20による攪拌速度が設定された冷却攪拌
速度に切り換えられ、冷却工程が開始される(ステップ
11)。冷却水循環装置22によって、冷却開始から冷
却設定温度まで、乳化容器12内の乳化物が冷却され
(ステップ12)、冷却設定温度に到達する(温度セン
サ38aによる測定温度検出)(ステップ13)。到達
した冷却設定温度において、設定された時間だけ、冷却
安定化させる(ステップ14)。この冷却開始から冷却
安定化終了までの冷却工程の間、設定された冷却攪拌速
度で攪拌装置20の攪拌羽根組立体42によって攪拌す
る(ステップ15)。 13.冷却安定化が終了したら、ブザー音が鳴り冷却工
程が終了し、自動運転が終了する(ステップ16)。
【0060】最後に、製造された乳化物製品の回収と、
装置の後処理を行う。 14.切換弁52cを開けて、乳化容器12内の真空を
大気に開放する。 15.ハンドル34を回転させ、上部筐体30を上げ、
ゴムヘラ等で、攪拌羽根組立体等に付着したクリームな
どの乳化物を乳化容器12内に落とす。 16.排出側の冷却パイプ33aを外し、乳化容器12
内の冷却水を供給側から冷却水タンク22aへ戻して、
抜く。 17.乳化容器12内の冷却水が無くなったら、供給側
の冷却パイプ33aを外す。 18.乳化容器12内の乳化物(クリーム)を別の容器
に移して、詰める(ステップ17)。 19.乳化容器12、上蓋14、攪拌羽根組立体42等
の部品を装置本体から取り外し、分解して、洗浄し、自
然乾燥または布等で拭き、元のように各部品を設置する
(ステップ18)。 なお、運転終了時には、切換スイッチ28bを自動運転
から運転停止にし、電源スイッチ28aを切って、電源
をオフにする。
【0061】なお、上述した例では、制御装置24が、
加熱盤16、攪拌装置20および冷却水循環装置22を
制御して、真空乳化攪拌工程の自動運転を行っている
が、本発明はこれに限定されず、制御装置24が、これ
らに加え、さらに、真空ポンプ18を自動的に制御し
て、乳化容器12内の減圧開始から乳化攪拌終了までの
全工程を自動運転する形態としても良い。この場合は、
切換スイッチ28bを自動運転に切り換え、切換弁52
cを閉止し、切換弁52aを開けた状態で、開始スイッ
チ(スタートボタン)28cを押圧することにより、乳
化装置10の自動運転が開始される。まず、真空ポンプ
18が始動して、乳化容器12内の減圧が開始され、乳
化容器12内が所定の真空度に達したことが圧力センサ
51によって検出されると、真空ポンプ18の運転が自
動的に停止されるとともに、加熱盤16による乳化容器
12内の乳化原料の加熱が開始され、攪拌装置20によ
る攪拌も開始され、加熱工程が開始される。以下、上述
の例と同様に、真空乳化攪拌の自動運転が行われる。
【0062】なお、真空乳化攪拌の自動運転中に、自動
運転される真空ポンプ18を間欠的に、例えば、数分毎
に作動して、真空度を確実に保持する形態とするのが好
ましい。また、この場合、乳化容器12内の乳化原料や
乳化物等が乳化容器12から溢れる場合には、内容物の
溢れを溢れ検知センサ等によって検知して、途中で真空
ポンプ18を自動的に停止するのが好ましく、さらに
は、真空ポンプ18の電源を強制的に遮断するようにし
ても良い。上述と同様にして、真空乳化攪拌の自動運転
が終了するが、この自動運転の終了時には、真空ポンプ
18の駆動も停止されるが、同時に電源スイッチも自動
的に遮断されるのが良い。なお、全工程を自動運転する
場合には、真空ポンプ18も自動運転されるが、切替弁
52aを電磁弁で構成し、制御装置24の制御によっ
て、真空ポンプ18の自動運転を開始した後、乳化容器
12内の真空度が所定値に達したことを圧力センサ51
によって検知した時に、真空ポンプ18の運転を自動的
に停止するとともに、切替弁52aを自動的に閉じるこ
とによって、真空乳化攪拌中の乳化容器12内の真空度
を保持する形態としても良い。
【0063】なお、本発明は、図示例の、上述したクリ
ームを製造するための卓上型真空乳化装置のみに限定さ
れるものではなく、従来公知のあらゆる種類の乳化物、
乳液などの乳化液体や軟膏などの乳化固体等を製造する
卓上型真空乳化装置として適用可能である。
【0064】以上、本発明の卓上型真空乳化装置につい
て詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定され
ず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改
良や変更をしてもよいのはもちろんである。
【0065】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の卓上
型真空乳化装置は、基本的にジャケット付き乳化容器、
乳化容器内の原料を所定加熱温度に加熱する加熱盤、乳
化容器内を減圧する減圧装置、減圧された乳化容器内の
乳化原料を攪拌する攪拌装置、前記乳化容器のジャケッ
ト内に冷却水を循環させて記乳化物を冷却する冷却水循
環装置とを有し、かつ、乳化容器は加熱盤に対して、攪
拌羽根は攪拌装置の本体に対して、共に着脱自在で、さ
らに、乳化容器、加熱盤、減圧装置および攪拌装置が、
一体的に組み込まれている構成を有する。
【0066】そのため、本発明の卓上型真空乳化装置に
よれば、小型かつコンパクトかつ軽量である上に、取り
扱いが簡単であり、しかも、乳化容器内の真空圧力の設
定さえ行えば、乳化原料から乳化物製品の製造までの自
動運転、すなわち、加熱および攪拌の開始から冷却安定
化および攪拌の終了までの全工程の自動運転が可能であ
り、複雑な操作を必要としないので、熟練者でなくとも
容易に乳化物製品を製造することができる。また、本発
明の卓上型真空乳化装置によれば、上記効果に加え、さ
らに、乳化容器内の真空圧力への減圧も自動的に行うこ
とができ、乳化原料が充填された乳化容器内の減圧開始
から乳化物製品の製造までの自動運転、すなわち、乳化
容器内の減圧開始から加熱および攪拌を経て冷却安定化
および攪拌の終了までの真空乳化の全工程の自動運転が
可能であり、さらに、取り扱いが簡単であり、さらに操
作が少なく、複雑な操作を必要としないので、熟練者で
なくともさらに容易に乳化物製品を製造することができ
る。また、本発明によれば、乳化容器の着脱や分解、攪
拌装置の攪拌羽根等の着脱や分解、分解後の各部品の洗
浄が容易であり、真空または減圧系や冷却系等の配管系
の取り付け・取り外しが容易であり、熟練者でなくとも
容易に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の卓上型真空乳化装置の一実施例の正
面図である。
【図2】 図1に示す卓上型真空乳化装置の側面図であ
る。
【図3】 (a)および(b)は、それぞれ図1に示す
卓上型真空乳化装置に用いられるガラス製2重容器の上
面図および断面図である。
【図4】 (a)および(b)は、それぞれ図1に示す
卓上型真空乳化装置に用いられる上蓋の斜視図および底
面図であり、(c)および(d)は、それぞれ(a)に
示す上蓋の取付孔に取り付けられる温度センサの保持体
および栓部材の側面図である。
【図5】 (a)は、図1に示す卓上型真空乳化装置に
用いられる攪拌羽根の組立体の全体構成を示す側面図で
あり、(b)および(c)は、それぞれ(a)に示す攪
拌羽根の組立体に用いられる攪拌羽根および掻き取り部
材の側面図である。
【図6】 (a)〜(f)は、それぞれ、図1に示す卓
上型真空乳化装置に用いられる種々の攪拌羽根を示す側
面図であり、(g)は、本発明に用いられる攪拌羽根の
取付角度を説明する説明図である。
【図7】 図1に示す卓上型真空乳化装置における真空
ポンプから乳化容器までの真空吸引系の概略構成配管図
である。
【図8】 本発明の卓上型真空乳化装置の作用および自
動運転制御を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 卓上型真空乳化装置 12 ガラス製乳化容器 13 ジャケット 14 上蓋 16 ホットプレート(加熱盤) 18 真空ポンプ 20 攪拌装置 22 冷却水循環装置 24 制御装置 26 表示パネル 28 操作パネル 30 上部筐体 32 下部筐体 34 ハンドル 36 ラック 37 予備栓 38 温度センサホルダ 39 ホルダ本体 40 栓部材 42 攪拌羽根組立体 43 回転軸 44 攪拌羽根本体 45 円形棒状部材 46 掻き取り部材 48 上蓋押圧機構 50 トラップ 51 圧力センサ(真空検出器)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01F 15/02 B01F 15/02 C 15/06 15/06 Z B01J 3/00 B01J 3/00 J 3/03 3/03 J (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01F 7/00 - 7/32 B01F 13/00 - 13/10 B01F 15/00 - 15/06

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳化原料を乳化するためのジャケット付き
    乳化容器と、 この乳化容器を載置して、前記乳化容器内の前記乳化原
    料を所定加熱温度に加熱する加熱盤と、 前記乳化容器内を所定圧力に減圧する減圧装置と、 前記所定圧力に減圧された前記乳化容器内の前記乳化原
    料を攪拌羽根によって攪拌して、乳化物を製造する攪拌
    装置と、 前記乳化容器のジャケット内に冷却水を循環させて、前
    記乳化容器内の前記乳化物を所定冷却温度まで冷却する
    冷却水循環装置とを有し、 前記乳化容器は、前記加熱盤に対して着脱自在であり、
    前記攪拌羽根は、攪拌装置の本体に対して着脱自在であ
    り、 前記乳化容器、前記加熱盤、前記減圧装置および前記攪
    拌装置は、一体的に組み込まれていることを特徴とする
    卓上型真空乳化装置。
  2. 【請求項2】前記攪拌装置は、前記加熱盤による加熱開
    始から前記所定加熱温度での加熱安定化終了までの加熱
    工程での、前記乳化容器内の前記乳化原料の第1攪拌速
    度と、前記冷却水循環装置による冷却開始から前記所定
    冷却温度での冷却安定化終了までの冷却工程での、前記
    乳化容器内の前記乳化物の第2攪拌速度とを予め独立に
    設定しておくことができるように構成されている請求項
    1に記載の卓上型真空乳化装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の卓上型真空乳化装置であ
    って、 さらに、前記減圧装置によって前記所定圧力に減圧され
    た前記乳化容器内において、前記乳化原料の加熱開始と
    前記第1攪拌速度での攪拌、前記所定加熱温度までの加
    熱、前記所定加熱温度での加熱安定化、前記乳化物の冷
    却開始と前記第2攪拌速度への切り換え、前記所定冷却
    温度までの冷却、前記所定冷却温度での冷却安定化まで
    の工程を自動的に行うように、前記加熱盤、前記攪拌装
    置および前記冷却水循環装置を制御する制御装置を備え
    ることを特徴とする卓上型真空乳化装置。
  4. 【請求項4】前記制御装置は、さらに、前記減圧装置に
    よる前記乳化容器内の減圧開始から前記所定圧力までの
    減圧および前記減圧装置の減圧停止、ならびにこれと同
    時に前記減圧装置によって前記所定圧力に減圧された前
    記乳化容器内において、前記乳化原料の加熱開始までの
    工程をも自動的に行い、前記減圧装置による前記乳化容
    器内の減圧開始から前記所定冷却温度での冷却安定化ま
    での真空乳化の全工程を自動的に行うように、前記加熱
    盤、前記攪拌装置および前記冷却水循環装置、ならびに
    前記減圧装置を制御する請求項3に記載の卓上型真空乳
    化装置。
  5. 【請求項5】前記制御装置は、前記真空乳化の全工程を
    自動運転制御する時、前記乳化原料の加熱開始から前記
    所定冷却温度での冷却安定化までの工程中に、前記減圧
    装置を間欠的に駆動するように制御する請求項4に記載
    の卓上型真空乳化装置。
  6. 【請求項6】前記攪拌装置は、駆動源、この駆動源の駆
    動力を伝達する伝達装置およびこの伝達装置によって所
    定速度で回転する駆動軸を備える前記本体と、前記駆動
    軸に着脱自在な回転軸と、この回転軸の先端側に固定さ
    れる前記攪拌羽根とを有する請求項1〜5のいずれかに
    記載の卓上型真空乳化装置。
  7. 【請求項7】前記攪拌装置は、さらに、前記回転軸に平
    行に前記攪拌羽根の端部に取り付けられ、一端に延在す
    る延在部、他端に前記攪拌羽根を越えて延在して屈曲す
    る屈曲部を持つ棒状部材と、一端に前記棒状部材の前記
    延在部に係合する係合孔、他端に前記屈曲部に係合する
    係合孔および切欠部を備える軟質平板状の掻き取り部材
    とを有する請求項6に記載の卓上型真空乳化装置。
  8. 【請求項8】前記乳化容器は、上面の開口部の平坦な縁
    部を備え、側面に前記ジャケットとなる2重管部を備え
    る円筒状ガラス製容器であり、前記平坦な縁部に気密に
    載置される円盤状の上蓋を備え、 この上蓋は、その中心に前記攪拌装置の前記攪拌羽根の
    回転軸を回転可能に支承する軸受部および前記容器の前
    記開口部に対応する部分に穿孔された2つの取付孔を備
    え、 前記上蓋の一方の取付孔には前記乳化容器内に前記攪拌
    羽根の近傍まで突出する温度センサを保持する保持部材
    が、気密に取り付けられ、前記上蓋の他方の取付孔には
    前記乳化容器内に前記攪拌羽根の近傍まで突出し、前記
    減圧装置の吸引管と連結される連結口部およびこの連結
    口部と連通する吸引口を前記乳化容器内の前記上蓋の近
    傍に備える栓部材が、気密に取り付けられている請求項
    1〜7のいずれかに記載の卓上型真空乳化装置。
  9. 【請求項9】前記減圧装置は、真空ポンプと、この真空
    ポンプと前記乳化容器との間に設けられ、前記乳化容器
    内から吸引した前記乳化原料または前記乳化物を回収す
    るトラップとを有する請求項1〜8のいずれかに記載の
    卓上型真空乳化装置。
  10. 【請求項10】前記減圧装置の配管系および前記冷却水
    循環装置の配管系は、ワンタッチで着脱可能であり、前
    記攪拌羽根は、前記本体からワンタッチで着脱可能であ
    る請求項1〜9のいずれかに記載の卓上型真空乳化装
    置。
  11. 【請求項11】前記攪拌羽根は、ホモミキサータイプの
    撹拌羽根またはブレードタイプの撹拌羽根である請求項
    1〜10のいずれかに記載の卓上型真空乳化装置。
  12. 【請求項12】 前記乳化容器は、その側面のみに前記ジ
    ャケットとなる2重管部が形成されている請求項1〜1
    1のいずれかに記載の卓上型真空乳化装置。
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