JP3469714B2 - 感光体表面検査方法および感光体表面検査装置 - Google Patents

感光体表面検査方法および感光体表面検査装置

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JP3469714B2
JP3469714B2 JP16046996A JP16046996A JP3469714B2 JP 3469714 B2 JP3469714 B2 JP 3469714B2 JP 16046996 A JP16046996 A JP 16046996A JP 16046996 A JP16046996 A JP 16046996A JP 3469714 B2 JP3469714 B2 JP 3469714B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,電子写真複写機等
に使用される感光体の表面検査に用いられる感光体表面
検査方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンタ等の電子写真装置に用
いられる感光体ドラムは,製造工程においてその表面に
傷,異物,塗工ムラ等の欠陥が生じることがあり,最終
工程でこれらの欠陥についての検査を実施している。そ
の検査方法としては,検査員による目視検査が一般的で
あるが,自視検査では検査能力の限界や検査員による検
査能力のばらつきを生ずることがあることから,目視検
査にかわる各種の自動検査方法および検査装置が提唱さ
れている。
【0003】ところで,感光体ドラムの場合,直径や感
光材料の異なる数種類の感光体ドラムを一つの生産ライ
ンで混合生産するような場合がある。直径や感光材料が
相違すれば,当然発生する欠陥の種類や判定しきし値も
変化する。これらの欠陥を1台の自動検査機でおこなう
ことができれば理想的である。そのためには,各被検物
に発生する欠陥に対応して,再現性のある方法で光学系
を調整し最適化する必要がある。また,処理工程の煩雑
さを考慮すると,調整しなければならない箇所はできる
だけ少ない方がよい。
【0004】上記欠陥検査をおこなう従来技術として,
感光体ドラム表面からの正反射光を受光し,その出力す
る電気信号により検査をおこなう検査装置がある(たと
えば,特開平7−128240号公報,または,特開平
7−1228241号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来の検査装置によれば,2つの光源あるいは2つのCC
Dカメラを使用しており,さらにそのために2画面の画
像処理が必要となるため,装置全体が複雑化するという
問題点があった。
【0006】この発明は上記に鑑みてなされたものであ
って,1対の等受光系により感光体ドラムを撮像し,感
光体ドラム直径や感光材料に合わせ再現性のある方法で
光学系を調整し最適化する機能を備え,凹凸欠陥および
濃度差欠陥の両方を検出する感光体表面検査方法および
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに,請求項1に係る感光体表面検査方法は,所定の角
度をもって円筒状の感光体の表面へ投光し,投光され前
記感光体の表面によって反射あるいは拡散される光を受
光する受光手段の受光面を前記感光体の表面上の投光位
置における接面と平行に配置し,前記受光面に平行でか
つ前記感光体の長手方向に対し垂直方向に前記受光手段
を移動させながら前記受光手段により受光される受光量
を検出し、前記受光手段が移動する位置の変化量に対し
て、検出される前記受光量が変化する受光変化量の比の
極値を算出し、算出された前記極値を与える位置に基づ
いて前記受光手段の検査位置を決定し、決定された前記
検査位置へ前記受光手段を移動し、移動された前記検査
位置を基準にして前記受光手段により受光された光に基
づいて前記感光体の表面を検査する感光体表面検査方法
を提供するものである。
【0008】すなわち,所定の角度をもって円筒状の感
光体の表面へ投光し,投光され前記感光体の表面によっ
て反射あるいは拡散される光を受光する受光手段の受光
面を前記感光体の表面上の投光位置における接面と平行
に配置し,前記受光面に平行でかつ前記感光体の長手方
向に対し垂直方向に前記受光手段を移動させながら前記
受光手段により受光される受光量を検出し、前記受光手
段が移動する位置の変化量に対して、検出される前記受
光量が変化する受光変化量の比の極値を算出し、算出さ
れた前記極値を与える位置に基づいて前記受光手段の検
査位置を決定し、決定された前記検査位置へ前記受光手
段を移動し、移動された前記検査位置を基準にして前記
受光手段により受光された光に基づいて前記感光体の表
面を検査することができるので、感光体の直径値にかか
わらずほぼ一定値をとる受光変化量と移動変化量の比に
基づいて的確に受光手段の検査位置を決定して、有効な
表面検査ができる
【0009】また,請求項2に係る感光体表面検査方法
は,所定の角度をもって円筒状の感光体の表面へ投光
し,投光され前記感光体の表面によって反射あるいは拡
散される光を受光する受光手段の受光面を前記感光体の
表面上の投光位置における接面と平行に配置し,前記感
光体の長手方向を軸として前記受光手段を回動させなが
ら前記受光手段により受光される受光量を検出し、前記
受光手段が回動する回動角度の変化量に対して、検出さ
れる前記受光量が変化する受光変化量の比の極値を算出
し、算出された前記極値を与える回動角度に基づいて前
記受光手段の回動角度を決定し、決定された前記回動角
度に前記受光手段を回動し、回動された前記回動角度を
基準にして前記受光手段により受光された光に基づいて
前記感光体の表面を検査する感光体表面検査方法を提供
するものである。
【0010】すなわち,所定の角度をもって円筒状の感
光体の表面へ投光し,投光され前記感光体の表面によっ
て反射あるいは拡散される光を受光する受光手段の受光
面を前記感光体の表面上の投光位置における接面と平行
に配置し,前記感光体の長手方向を軸として前記受光手
段を回動させながら前記受光手段により受光される受光
量を検出し、前記受光手段が回動する回動角度の変化量
に対して、検出される前記受光量が変化する受光変化量
の比の極値を算出し、算出された前記極値を与える回動
角度に基づいて前記受光手段の回動角度を決定し、決定
された前記回動角度へ前記受光手段を回動し、回動され
た前記回動角度を基準にして回動された前記受光手段に
より受光された光に基づいて前記感光体の表面を検査す
ることができるので、感光体の直径値にかかわらずほぼ
一定値をとる受光変化量と回動角度変化量の比に基づい
て的確に受光手段の検査角度を決定して、有効な表面検
査ができる
【0011】また,請求項3に係る感光体表面検査方法
は,前記受光手段の位置あるいは角度を調整することに
より,明視野法を用いて欠陥を検出する感光体表面検査
方法を提供するものである。
【0012】すなわち,前記受光手段の位置あるいは角
度を調整することにより,明視野法を用いて欠陥を検出
することができる。
【0013】また,請求項4に係る感光体表面検査方法
は,前記受光手段の位置あるいは角度を調整することに
より,暗視野法および拡散光受光法を用いて欠陥を検出
する感光体表面検査方法を提供するものである。
【0014】すなわち,前記受光手段の位置あるいは角
度を調整することにより,暗視野法および拡散前記受光
手段光受光法を用いて欠陥を検出することができる。
【0015】また,請求項5に係る感光体表面検査方法
は,前記受光手段の位置あるいは角度を調整することに
より,暗視野法を用いて欠陥を検出する感光体表面検査
方法を提供するものである。
【0016】すなわち,前記受光手段の位置あるいは角
度を調整することにより,暗視野法を用いて欠陥を検出
することができる。
【0017】また,請求項6に係る感光体表面検査方法
は,前記感光体の径に基づいて前記受光手段を移動また
は回動させる感光体表面検査方法を提供するものであ
る。
【0018】すなわち,前記感光体の径に基づいて前記
受光手段を移動または回動させることができる。
【0019】また,請求項7に係る感光体表面検査装置
は,所定の角度をもって円筒状の感光体の表面へ投光す
る投光手段と,前記感光体の表面上の投光位置における
接面と平行に受光面を配置し,前記投光手段により投光
され前記感光体の表面によって反射あるいは拡散される
光を受光する受光手段と,前記受光面に平行でかつ前記
感光体の長手方向に対し垂直方向に前記受光手段を移動
させる移動手段と,前記受光手段が移動する位置の変化
量に対して、前記受光手段によって検出される前記受光
量が変化する受光変化量の比の極値を算出し、算出され
た前記極値を与える位置に基づいて検査位置を決定する
前記受光手段の検査位置決定手段と、前記検査位置決定
手段によって決定された前記検査位置へ、前記移動手段
によって移動された前記受光手段により受光された光に
基づいて前記感光体の表面を検査する検査手段とを備え
た感光体表面検査装置を提供するものである。
【0020】すなわち,投光手段が所定の角度をもって
円筒状の感光体の表面へ投光し,受光手段が前記感光体
の表面上の投光位置における接面と平行に受光面を配置
し,前記投光手段により投光され前記感光体の表面によ
って反射あるいは拡散される光を受光し,移動手段が前
記受光面に平行でかつ前記感光体の長手方向に対し垂直
方向に前記受光手段を移動させ,位置決定手段が、前記
受光手段が移動する位置の変化量に対して、前記受光手
段によって検出される前記受光量が変化する受光変化量
の比の極値を算出し、算出された前記極値を与える位置
に基づいて検査位置を決定し、検査手段が前記移動手段
により決定された前記検査位置へ移動された前記受光手
段により受光された光に基づいて前記感光体の表面を検
査することができるので、感光体の直径値にかかわらず
ほぼ一定値をとる受光変化量と移動変化量の比に基づい
て的確に受光手段の検査位置を決定して、有効な表面検
査ができる
【0021】また,請求項8に係る感光体表面検査装置
は,所定の角度をもって円筒状の感光体の表面へ投光す
る投光手段と,前記感光体の表面上の投光位置における
接面と平行に受光面を配置し,前記投光手段により投光
され前記感光体の表面によって反射あるいは拡散される
光を受光する受光手段と,前記感光体の長手方向を軸と
して前記受光手段を回動させる回動手段と,前記受光手
段が回動する角度の変化量に対して、前記受光手段によ
って検出される前記受光量が変化する受光変化量の比の
極値を算出し、算出された前記極値を与える回動角度に
基づいて前記受光手段の回動角度を決定する検査角度決
定手段と、前記検査角度決定手段によって決定された前
記回動角度へ、前記回動手段によって回動された前記受
光手段により受光された光に基づいて前記感光体の表面
を検査する検査手段とを備えた感光体表面検査装置を提
供するものである。
【0022】すなわち,投光手段が所定の角度をもって
円筒状の感光体の表面へ投光し,受光手段が前記感光体
の表面上の投光位置における接面と平行に受光面を配置
し,前記投光手段により投光され前記感光体の表面によ
って反射あるいは拡散される光を受光し,回動手段が前
記感光体の長手方向を軸として前記受光手段を回動さ
せ,検査角度決定手段が、前記受光手段が回動する角度
の変化量に対して、前記受光手段によって検出される前
記受光量が変化する受光変化量の比の極値を算出し、算
出された前記極値を与える回動角度に基づいて回動角度
を決定し、検査手段が前記回動手段により決定された前
記回動角度に、前記回動手段によって回動された前記受
光手段により受光された光に基づいて前記感光体の表面
を検査するので、感光体の直径値にかかわらずほぼ一定
値をとる受光変化量と回動角度の変化量の比に基づいて
的確に受光手段の検査角度を決定して、有効な表面検査
ができる
【0023】また,請求項9に係る感光体表面検査装置
は,正反射光を遮光するための遮光版を備えた感光体表
面検査装置を提供するものである。
【0024】すなわち,遮光版が正反射光を遮光するこ
とができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下,この発明に係る装置の一実
施の形態について,〔実施の形態1〕,〔実施の形態
2〕,〔実施の形態3〕,〔実施の形態4〕,〔実施の
形態5〕,〔実施の形態6〕,〔実施の形態7〕の順で
図面を参照して詳細に説明する。
【0026】〔実施の形態1〕 (感光体表面検査装置の構成)図1は,実施の形態1に
係る感光体表面検査装置の光学系の概要を示す説明図で
ある。また,図2は,図1に示す感光体表面検査装置の
光学系の概要を示す説明図を別の角度から見た図であ
る。図1,図2において,感光体表面検査装置の光学系
は,半径r=50mm,長さ60mmである感光体ドラ
ム101と,光源としてのハロゲンランプ光源102と
光ファイバー103とライン光源104と,ライン光源
104から出射され,感光体ドラム101に反射あるい
は拡散した光を受光するためのカメラ105と,カメラ
105のレンズ106と,カメラ105内のCCDライ
ンセンサ107とからなる。
【0027】レンズ106は,F1.4,f=35mm
のものを用いる。ただし,F4に絞るようにする。した
がって,レンズの入射瞳直径D=f/F=35/4=
8.75mmとなる。また,CCDラインセンサ107
は,画素数が2048であり,1画素のサイズが14×
14μm(XY平面内での受光面幅2t=14μm)で
あり,受光素子長が28.67mmである。なお,CC
Dラインセンサ107の出力に基づいて図示しない欠陥
検査系が感光体101の表面上の欠陥の検査をおこなう
ものである。
【0028】物体距離はL0=540mmとする。ま
た,光源A0と感光体ドラム101の表面上の光源の照
射位置である原点S0との距離をL1=60mmとし,
ライン光源104から出射された光が感光体ドラム10
1に照射される際の入射角度をγ=18゜とする。した
がって,光源の位置A0は, s=L1cosγ=60cos18゜=57.lmm y=L1sinγ=60sin18゜=18.5mm となる。
【0029】また,カメラ105の光軸方向にX軸を設
け,感光体ドラム101の円筒状被検物軸方向,すなわ
ち,CCDラインセンサ107のスキャン方向にZ軸を
設ける。さらに,上記X軸およびY軸の2軸に直行する
方向にY軸を設ける。
【0030】なお,カメラ105の移動は,図示しない
駆動手段(たとえば,サーボモータ等)によりおこなわ
れる。
【0031】(強度分布の測定)はじめに,光源出射光
の2次元的な強度分布を測定する。図3は,光源出射光
の2次元的な強度分布の測定方法を示す説明図である。
図3において,301は光源であり,302はCCDラ
インセンサである。光源301を中心にCCDラインセ
ンサ302を1度ずつ回転させ,任意の1画素の出力を
確認する。
【0032】図4は,光源出射光の2次元的な強度分布
の測定結果を示すグラフである。図4において,横軸に
は相対出力中心方向からのCCDラインセンサ302の
角度δをとり,縦軸には相対出力yをとる。相対出力y
は,最大強度を100として,その相対強度をとるよう
にする。このグラフから明確なように,光源301には
一般的に広がりを有していることがわかる。
【0033】(感光体表面検査装置の動作)図5,図
6,図7は,実施の形態1に係る感光体表面検査装置の
光学系の動作を示す説明図である。図5,図6,図7に
おいて,感光体ドラム101の表面を理想的な鏡面状態
と仮定して,XY平面内においてカメラ105の位置を
Y軸方向にHmmだけ変化させたときのカメラ105の
出力を考える。図5,図6,図7においては,Y軸の下
方向を正方向とする。また,ここでは,XY平面内のみ
での光線を考えており,Z軸方向の光の広がりは考慮し
ない。カメラ105の位置の移動には,たとえば,1軸
の光学ステージ等を用いる。さらに,レンズ106のフ
ォーカスは常にY軸に合わせておくようにする。
【0034】図5に示すように,カメラ105の位置が
H=0mmとなるように配置をする。図5において,ラ
イン光源104の方向から角度δである1方向に出射し
た光は,感光体ドラム101の上のh1’で正反射して
レンズ106の入射瞳の上端へ向かう。この場合,レン
ズ106による横倍率βは,式(1)に示すようにな
る。
【0035】 レンズによる横倍率β=ラインセンサ受光素子長/視野範囲 (1) =28.67mm/390mm =0.07351
【0036】つぎに,受光面幅2t=14μmとする
と,式(1)より,レンズ106による横倍率β=0.
07351であるから,受光面内に結像できる反射光の
像高をY軸上で考えた場合に,その高さを±Tとする
と,式(2)のようになる。
【0037】β=t/T (2) T=t/β =0.007/0.07351 =0.09522mm ≒95.2μm
【0038】したがって,Y軸上においてレンズ106
の光軸高さから±95μmの範囲を通過した反射光でな
ければ受光面内に結像できないことになる。すなわち,
図5において,カメラ105の位置がH=0mmである
場合,被検物上hl’からh2’の範囲で正反射した光
がY軸を横切る像高は,レンズ光軸が(Y=0)±95
μmから大きく外れているので,これらの正反射光は受
光面内に結像することができないものである。
【0039】つぎに,図6に示すように,カメラ105
を移動して,カメラ105の位置がH=−5.60mm
となるように配置をする。図6において,感光体ドラム
101上h1’からh2’の範囲で正反射した光がY軸
を横切る像高は,レンズ106の光軸が(Y=0)±9
5μmの範囲に入っているため,これらの正反射光は受
光面内に結像することができる。
【0040】さらに,図7に示すように,カメラ105
を再び移動して,カメラ105の位置がH=−20mm
となるように配置をした場合に,再び感光体ドラム10
1上h1’からh2’の範囲で正反射した光がY軸を横
切る像高は,レンズ106の光軸(Y=0)±95μm
から大きく外れてしまい,これらの正反射光は受光面内
に結像することができない。
【0041】以上のように感光体ドラム101の表面を
理想的な鏡面状態と考えると,Y軸に平行にカメラ10
5を移動させた場合,反射光を受光できる範囲は非常に
狭い範囲であることがわかる。
【0042】図8は,カメラ105の位置による相対出
力のシュミレーション結果を示すグラフである。図8に
おいて,横軸にはカメラ105の位置Hをとり,縦軸に
は相対出力lをとる。比較をするために,感光体ドラム
101の半径がr=50mmの場合とr=13mmの場
合の結果を示す。出力が得られる範囲は,r=50mm
の場合は0.48mmの範囲であり,一方,r=13m
mの場合は0.29mmと非常に狭い範囲となる。ま
た,r=50mmに比べr=13mmの場合は,最大強
度が低くなり,またその最大強度を示すカメラ105の
位置Hが原点に接近している。
【0043】しかしながら,最大強度付近での出力変化
勾配を比較すると,r=50mmの場合の勾配はml=
−526.3となり,一方,r=13mmのときの勾配
はm2=−530となるので,両者にはあまり大差は生
じない。この勾配は感光体ドラム表面上の凹凸に対する
感度を示すものであり,その差が生じないということ
は,感光体ドラム101の径が変化しても凹凸に対する
感度変化が生じないことを示している。
【0044】図9は,カメラ105の位置による出力変
化を測定した結果を示すグラフである。図9において,
横軸にはカメラ105の位置Hをとり,縦軸には相対出
力lをとる。測定は,r=50mmとr=13mmの2
種類の感光体ドラム101を用いておこない,それぞれ
の感光体ドラム101におけるカメラ105の位置によ
る出力変化を測定した。ここでは,r=50mmでの最
大強度を100とし,その相対値で示す。
【0045】なお,H=−13mm以下において出力値
が急激に降下している。これは,カメラ105の位置H
をマイナス方向に移動していった場合に,図1の説明図
から明確なように,実際の配置では光源それ自身あるい
は取りつけ治具等が光路を遮ってしまうことが原因とな
る。したがって,実際にはピーク位置を中心にほぼ左右
対称になっているものである。
【0046】相対出力l=1のときに仮想出力が10V
となり,相対出力l=0.1のときに仮想出力が1Vと
なるように光量を調節したとすると,カメラ105の位
置がH=0mmから8mmぐらいまでの範囲は出力が2
〜3V(飽和出力は5V)の間でほぼ一定になっている
ことがわかる。
【0047】感光体ドラム101の半径がr=13mm
の場合は,カメラ105の位置がH=13mmでほぼ出
力が0になる。これは,この位置までカメラ105を移
動するとOPCがカメラ視野から外れてしまうためであ
り,その直前まで一定の出力が得られるものである。ま
た,シミュレーション結果と異なりこのように出力の得
られる範囲が裾広に広がっているのは,感光体ドラム1
01の表面が理想的な鏡面状態ではなく拡散性を有して
いるためである。
【0048】拡散性による出力を無視して最大強度付近
での広がりだけに着目した場合に,シミュレーションで
は,感光体ドラム101の半径がr=50mmのときは
出力が得られる範囲は0.48mmであり,感光体ドラ
ム101の半径がr=13mmのときは出力が得られる
範囲は0.29mmである。これに対し,測定結果にお
いては,共にlmm程度であり,出力が得られる範囲は
シュミレーションのが場合よりも広くなる。これはシミ
ュレーションでは感光体ドラムの軸方向の光の広がりを
考えていないためであると考えられる。
【0049】つぎに,感光体ドラム101の径による違
いを考察すると,r=50mmの最大強度を示すカメラ
105の位置(H=−3.9mm)の方が,r=13m
mの最大強度を示すカメラ105の位置(H=−1.2
mm)よりも原点から離れている。また,その最大強度
はr=50mmの方が高くなっているが,最大強度付近
での出力変化勾配はほぼ等しい。これはシミュレーショ
ンで得られた結果と同じ傾向である。但し,シミュレー
ションで予想されたピーク位置とのずれは,カメラ10
5の角度のセッティング等の機械的な設置誤差が原因で
あると考えられる。
【0050】以上のシミュレーションおよび測定結果
を,シミュレーション結果である図8と,測定結果であ
る図9のr=50mmの結果を用いて比較検討する。測
定結果における最大強度付近での急激な出力変化はシミ
ュレーションで考えた正反射光の方向性によるものであ
る。さらに測定結果では,その両側に出力がほぼフラッ
トである部分が続いている。これはショミュレーション
では考慮に入れなかった感光体ドラム表面の拡散性によ
るものである。
【0051】上述のシミュレーション結果と測定結果を
総合的に判断すると図10に示しようになる。図10
は,カメラ105の位置による相対出力の変化を示す説
明図である。図10において,横軸にはカメラ105の
位置Hをとり,縦軸にはカメラ105の出力をとる。カ
メラ105の位置により,正反射光受光領域と拡散光受
光領域の2つに大きく分類できる。正反射光受光領域で
はシミュレーション結果とほぼ同じ挙動を示し,カメラ
105の位置の変化が微小であっても出力が大きく変化
する。一方,シミュレーションでは考慮しなかった拡散
光受光領域では出力の変動が小さい。また,最大強度を
示す位置はマイナス側に存在し,原点からその位置まで
の距離および最大強度は感光体ドラム直径が大きいほど
大きいが,出力変化勾配はドラム直径が異なってもあま
り変化しない。さらに,シミュレーション結果によると
正反射光受光領域の幅も感光体ドラム直径が大きいほど
大きいが,測定の結果でlmm程度であり,それほど大
きな差は生じない。
【0052】また,カメラ105の位置プラス方向では
感光体ドラムがカメラ視野領域から外れてしまうH=r
で出力が0になり,マイナス方向では照明治具等により
反射光が遮られてしまうH=−15mm辺りで出力が0
になる。
【0053】(実施の形態1の効果)前述したように実
施の形態1に係る感光体表面検査方法および装置によれ
ば,カメラ105の位置を移動させることによりその出
力が変化する。これはカメラの設定位置により欠陥の検
出方法や検出能力が異なることを意味する。このよう
に,カメラ105の位置を調整することにより,各被検
物である感光体ドラムに適した光学系をセッティングす
ることができる。また,カメラ105の位置の移動はY
軸ステージのみによる調整であるので簡便であり,高い
再現性を得ることができる。
【0054】〔実施の形態2〕 (感光体表面検査装置の構成および動作)実施の形態2
は,実施の形態1の構成においてカメラ105の位置を
移動させるかわりに,カメラ105の角度を回動させる
ことにより,実施の形態1と同様の作用効果を得るもの
である。なお,基本的な構成は実施の形態1と同様であ
り,同一符号は共通の構成を示すため,ここでは異なる
部分のみを説明する。
【0055】図11は,実施の形態2に係る感光体表面
検査装置の光学系の概要を示す説明図である。図11に
おいて,カメラ105を感光体ドラム101の長手方向
を軸としてカメラ105が回転するような構成を備えた
回転ステージ等でカメラ105を回動させることによ
り,カメラ105のカメラ角度αを変化させた場合,式
(3)に従ってカメラ105の位置Hを変化させたこと
と等価的になる。すなわち,αとHの関係を,αの変化
量を△α,Hの変化量を△Hとして,
【0056】 △H=L0tan△α (3) =540tan△α
【0057】と考えると,カメラ105の角度αを変化
させた場合にもカメラ位置Hを変化させたときと同じ傾
向を示すことが考えられる。そこで,カメラ角度を変化
させたときの出力を,シュミレーションは省略して,実
験のみで確認をおこなった。
【0058】なお,カメラ105の角度を変化させるた
めのカメラ105の回動は,図示しない駆動手段(たと
えば,サーボモータ等)によりおこなわれる。
【0059】図12は,カメラ105の角度による相対
出力を測定した結果を示すグラフである。図12におい
て,横軸にはカメラ105の角度αをとり,縦軸には相
対出力lをとる。測定はr=50mmとr=13mmの
感光体ドラム101を用いておこない,それぞれの感光
体ドラム101におけるカメラ105の角度αによる出
力変化を測定した。ここでは,r=50mmでの最大強
度を100としその相対値で示す。
【0060】図12の測定の結果から,カメラ105の
位置Hを変化させた場合の結果である図9の測定結果と
同様の傾向であることがわかる。このことから,カメラ
105の角度αを変化させる場合も,その調整により各
被検物に適した光学系をセッティングできることにな
る。
【0061】(実施の形態2の効果)前述したように実
施の形態2に係る感光体表面検査方法および装置によれ
ば,カメラ105の位置を調整するかわりにカメラ角度
を調整することにより,各被検物である感光体ドラム1
01に適した光学系をセッティングすることができる。
【0062】〔実施の形態3〕 (感光体表面検査装置の構成および動作)実施の形態3
における基本的な構成は,実施の形態1,実施の形態2
と同様であり,同一符号は共通の構成を示す。また,実
施の形態3においては,図10におけるカメラ105の
位置がH=a,すなわち,カメラ105の位置が正反射
光受光量域内に存在している場合について考える。
【0063】図13は,カメラ105の位置がH=aの
場合の明視野法の概要を示す説明図である。この方法
は,被検面からの正反射光を受光する方法であり,この
方法を用いることにより,第1および第2の2つの情報
を得ることができる。
【0064】まず,第1の情報は正反射光の指向性ある
いは散乱性である。かりに,被検面である感光体ドラム
101の表面上にきず等による凹凸欠陥がある場合は,
正反射光の向きが変化し受光器であるカメラ105によ
っては受光されなくなるため,あるいは,欠陥により入
射光が散乱されるため,正常部よりも出力が低くなる。
【0065】一方,被検面上に凹凸がなく正反射光が受
光器によって正しく受光された場合,その出力値が示す
ものは被検面の正反射率である。この正反射率が第2の
情報であり,この情報も検知することができる。この正
反射率は反射面の屈折率等に依存するため,欠陥があれ
ば当然その部分の屈折率が欠陥のない正常部分とは異な
るものである。
【0066】正反射光の受光領域内にカメラ105をお
いた場合に,図10から明確なように,カメラ105の
位置がわずかに変化しただけでも出力は大きく変化す
る。これは,感光体ドラム101上の凹凸に対する感度
が高いことを示している。すなわち,本実施の形態にお
ける明視野法は,凹凸欠陥に対する感度が高い検査方法
である。
【0067】このように,明視野法を用いることによ
り,正反射光の指向性あるいは散乱性,および,正反射
率の2つの情報を検知することができ,正反射光の指向
性あるいは散乱性の違いから,凹凸欠陥やきず等の欠陥
を検査することができ,また,正反射の違いから,濃度
差欠陥,ムラ,汚れ,白ポチ,白斑点,黒ポチ等の欠陥
を検査することができる。
【0068】(実施の形態3の効果)前述したように実
施の形態3に係る感光体表面検査方法および装置によれ
ば,明視野法により感光体表面の検査をおこなうので,
凹凸欠陥等に対する高い感度による検査をおこなうこと
ができる。
【0069】〔実施の形態4〕 (感光体表面検査装置の構成および動作)実施の形態4
における基本的な構成は,実施の形態1,実施の形態2
と同様であり,同一符号は共通の構成を示す。また,実
施の形態4においては,図10におけるカメラ105の
位置がH=b,すなわち,カメラ105の位置が,拡散
光受光領域内における正反射光受光領域に近い場合につ
いて考える。
【0070】図14は,カメラ105の位置がH=bの
場合の拡散光受光法の概要を示す説明図であり,図15
は,カメラ105の位置がH=bの場合の暗視野法の概
要を示す説明図である。図14において,拡散光受光法
にあっては,正反射光の影響,すなわち,表面光沢の影
響を受けることなく,表面の拡散反射率(色)を測定す
ることができる。したがって,この方法ではムラや汚れ
さらには白ポチ,白斑点,男ポチ等の濃度差欠陥を正常
部分との濃度差という観点から検知することができる。
この方法は,拡散性のある被検物にのみ適用でき,ま
た,指向性のない(あるいは全方向性の)拡散光を受光
する方法であるので,正反射光さえ遮ることができれ
ば,どの方向からでも同じように観測することが可能で
あり,被検物自体の形状による影響も少ない。また,こ
の領域での出力のフラットネスは主に表面の拡散性によ
って決定する。すなわち,拡散性が強いほどフラットに
なるものである。
【0071】また,図15において,暗視野法にあって
は,正反射光の指向性あるいは散乱性を判断するもので
あり,表面の凹凸の有無を検知することができる。正常
部分では受光器が光を受光することはないが,きず等が
あると正反射光が受光器の方へ偏向されるため,あるい
は,入射光が散乱されるため,欠陥出力が得られる。凹
凸欠陥に対する感度は最大強度位置での出力変化勾配m
および最大強度位置からカメラ105の設定位置までの
間隔によって決定する。
【0072】実施の形態3の方法にあっては,凹凸欠陥
に対する検出感度は非常に高く,その反面,指向性の高
い正反射光を利用しているので回転軸振れ,感光体ドラ
ム101の表面の振動の影響を大きく受けるものであ
る。そのためシステム設計の段階でそれらの影響を取り
除くために,感光体ドラム101の回転駆動系,集光方
法,光源の改良等に関する工夫が必要となる。
【0073】一方,本実施の形態の方法にあっては,カ
メラ105の位置を調整し,それら回転軸振れ,感光体
ドラム101の表面の振動の悪影響を受けない範囲でカ
メラ105の位置を最大強度位置に接近させることによ
り暗視野法による凹凸欠陥に対する感度を持たせつつ,
さらに,拡散光受光法により濃度差欠陥を検出する。
【0074】(実施の形態4の効果)前述したように実
施の形態4に係る感光体表面検査方法および装置によれ
ば,拡散光受光法および暗視野法により感光体表面の検
査をおこなうので,カメラ105の位置を調整し,回転
軸振れ,感光体ドラム101の表面の振動等の悪影響を
受けない範囲でカメラ105の位置を正反射光受光量域
内に接近させることにより暗視野法による凹凸欠陥に対
する感度を持たせつつ,さらに拡散光受光法により濃度
差欠陥も検出することができる。
【0075】〔実施の形態5〕 (感光体表面検査装置の構成および動作)実施の形態5
における基本的な構成は,実施の形態1,実施の形態2
と同様であり,同一符号は共通の構成を示す。また,実
施の形態5においては,図10におけるカメラ105の
位置がH=c,すなわち,カメラ105の位置が,正反
射光受光領域から遠い場合について考える。
【0076】図16は,カメラ105の位置がH=cの
場合の拡散光受光法の概要を示す説明図である。図16
において,本実施の形態における拡散光受光法にあって
は,実施の形態4における拡散受光方法と比較した場合
に,受光器の位置が正反射光受光位置から離れるため,
被検面上の凹凸に対する感度は低くなり,実施の形態4
において明るく光っていたきず等が光らなくなる。すな
わち,凹凸欠陥による正反射光あるいは散乱光は受光で
きなくなり,被検物からの拡散光のみを受光することに
なる。したがって,濃度差欠陥のみを検出できる。一
方,凹凸欠陥を正反射光の指向性あるいは散乱性という
観点からは検出できなくなる。しかし,屈折率等の差が
あれば濃度差欠陥として検出は可能である。
【0077】また,この方法では回転軸振れ,感光体ド
ラム101表面の振動の悪影響を受ける可能性がなくな
り,システム設計時の負担が低減する。さらに,拡散光
受光法では図16において出力がフラットな部分であれ
ば濃度差欠陥に対する感度に大差はないため,カメラ1
05の位置の微妙な調整も必要ない。したがって,濃度
差欠陥のみを検出する場合,この方法が最適である。
【0078】(実施の形態5の効果)前述したように実
施の形態5に係る感光体表面検査方法および装置によれ
ば,正反射光受光領域からカメラ105の位置を遠ざけ
て感光体ドラム101の表面からの拡散光のみを受光す
ることにより,濃度差欠陥に対して高い検出感度を持た
せることができる。
【0079】〔実施の形態6〕 (感光体表面検査装置の構成および動作)実施の形態6
における基本的な構成は,実施の形態1と同様であり,
同一符号は共通の構成を示す。
【0080】実施の形態1において述べた結果より,感
光体ドラム101の径が異なる径(半径rlおよび半径
r2,r1>r2)である場合に,それぞれの径のカメ
ラ105の位置による出力変化は図17および図18の
ようになる。図17は,感光体ドラム101の半径がr
=r1の場合のカメラ105の位置による相対出力の変
化を示す説明図であり,図18は,感光体ドラム101
の半径がr=r2の場合のカメラ105の位置による相
対出力の変化を示す説明図である。図17および図18
において,横軸にはカメラ105の位置Hをとり,縦軸
にはカメラ105の出力をとる。
【0081】ここで,半径rlの被検物に対して,実施
の形態4における検査方法を適用する。すなわち,図1
7に示すように,半径rlの場合,最大強度位置をdと
し,カメラ設定位置をeとし,その間隔をklとし,勾
配をmrlとする。同様に,図18に示すように,半径
r2の場合,最大強度位置をfとし,カメラ設定位置を
gとし,その間隔をk2とし,勾配をmr2とする。
【0082】カメラ105の位置では,まず,正反射光
の指向性から凹凸欠陥を検出することができる。その凹
凸欠陥に対する感度は,最大強度位置での出力変化勾配
が大きいほど高く,最大強度を示す位置とカメラ105
の設定位置の間隔が小さいほど高い。また,最大強度位
置での出力変化勾配は被検物の直径が変化しても差が生
じない。
【0083】したがって,カメラ105の設定位置e,
gを調節して最大強度位置とカメラ105の設定位置の
間隔を同一にする,すなわち,kl=k2とすれば,感
光体ドラム101の径に関わらず,凹凸欠陥に対する検
出能力を同じにすることができるものである。
【0084】また,濃度差欠陥に対する検出能力は,表
面の性質によるものであり,感光体ドラム101自体の
形状にはあまり影響されないため,感光体ドラム101
の径が変化しても検出能力は同程度である。したがっ
て,感光体ドラム101の径に対応させてカメラ105
の位置を調整することにより,同程度の検出感度に設定
することが可能である。
【0085】(実施の形態6の効果)前述したように実
施の形態6に係る感光体表面検査方法および装置によれ
ば,感光体ドラム101の径に対応させてカメラ105
の位置を調整することにより,感光体ドラム101の径
に関係なく常に同等の検出感度に設定することができ
る。
【0086】〔実施の形態7〕 (感光体表面検査装置の構成および動作)実施の形態7
の基本的な構成は,実施の形態1,実施の形態2と同様
であり,同一符号は共通の構成を示すため,ここでは異
なる部分のみを説明する。図19は,実施の形態7に係
る感光体表面検査装置の光学系を示す説明図である。図
19において,1901は,正反射光を遮光するための
遮光版である。
【0087】実施の形態4または実施の形態5における
検査方法を用いる場合のカメラ105の配置では正反射
光は受光されることはない。しかし,回転軸振れが生じ
た場合,あるいは,感光体ドラム101の表面の振動が
生じた場合,原点S0における正常部からの正反射光が
受光面内に結像されてしまうおそれがあり,結像された
正反射光が凹凸欠陥として検出されてしまうという問題
点が生じる。この問題点を防止するために,正反射光を
遮光する位置に遮光版1901を設置する。これにより
正常部からの正反射光が受光されることがなくなり,欠
陥信号のコントラストを向上させることができる。
【0088】(実施の形態7の効果)前述したように実
施の形態7に係る感光体表面検査方法および装置によれ
ば,正常部からの正反射光を遮るための遮光版1901
を設置することにより,回転軸振れが生じた場合,ある
いは,感光体ドラム101の表面に振動が生じた場合で
あっても,欠陥検出精度を向上させることができる。特
に,暗視野法および拡散光受光法において効果を有す
る。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の感光体表
面検査方法(請求項1)にあっては,所定の角度をもっ
て円筒状の感光体の表面へ投光し,投光され前記感光体
の表面によって反射あるいは拡散される光を受光する受
光手段の受光面を前記感光体の表面上の投光位置におけ
る接面と平行に配置し,前記受光面に平行でかつ前記感
光体の長手方向に対し垂直方向に前記受光手段を移動さ
せ,前記受光手段が移動する位置の変化量に対して、検
出される前記受光量が変化する受光変化量の比の極値を
算出し、算出された前記極値を与える位置に基づいて前
記受光手段の検査位置を決定し、決定された前記検査位
置へ前記受光手段を移動し、移動された前記検査位置を
基準にして前記受光手段により受光された光に基づいて
前記感光体の表面を検査し、感光体の直径値にかかわら
ずほぼ一定値をとる受光変化量と移動変化量の比に基づ
いて的確に受光手段の検査位置を決定して、有効な表面
検査することができるので,受光手段を1軸上に移動さ
せるだけで簡易に各被検物である感光体ドラムに適した
的確に光学系をセッティングすることができる。
【0090】また,本発明の感光体表面検査方法(請求
項2)にあっては,所定の角度をもって円筒状の感光体
の表面へ投光し,投光され前記感光体の表面によって反
射あるいは拡散される光を受光する受光手段の受光面を
前記感光体の表面上の投光位置における接面と平行に配
置し,前記感光体の長手方向を軸として前記受光手段を
回動させ,前記受光手段が回動する回動角度の変化量に
対して、検出される前記受光量が変化する受光変化量の
比の極値を算出し、算出された前記極値を与える回動角
度に基づいて前記受光手段の回動角度を決定し、決定さ
れた前記回動角度へ前記受光手段を回動し、回動された
前記回動角度を基準にして回動された前記受光手段によ
り受光された光に基づいて前記感光体の表面を検査し、
感光体の直径値にかかわらずほぼ一定値をとる受光変化
量と回動角度変化量の比に基づいて的確に受光手段の検
査位置を決定して、有効な表面検査することができるの
で,受光手段を回動させるだけで,各被検物である感光
体ドラムに適した光学系を的確にセッティングすること
ができる。
【0091】また,本発明の感光体表面検査方法(請求
項3)にあっては,前記受光手段の位置あるいは角度を
調整することにより,明視野法を用いて欠陥を検出する
ことができるので,凹凸欠陥等に対する高い感度による
検査をおこなうことができる。
【0092】また,本発明の感光体表面検査方法(請求
項4)にあっては,前記受光手段の位置あるいは角度を
調整することにより,暗視野法および拡散前記受光手段
光受光法を用いて欠陥を検出することができるので,カ
メラ105の位置を調整し,回転軸振れ,感光体ドラム
の表面の振動等の悪影響を受けない範囲でカメラの位置
を正反射光受光量域内に接近させ,凹凸欠陥に対する感
度を持たせつつ,濃度差欠陥を検出することができる。
【0093】また,本発明の感光体表面検査方法(請求
項5)にあっては,前記受光手段の位置あるいは角度を
調整することにより,暗視野法を用いて欠陥を検出する
ことができるので,正反射光受光領域からカメラの位置
を遠ざけて感光体ドラムの表面からの拡散光のみを受光
することにより,濃度差欠陥に対して高い検出感度を持
たせることができる。
【0094】また,本発明の感光体表面検査方法(請求
項6)にあっては,前記感光体の径に基づいて前記受光
手段を移動または回動させることができるので,感光体
ドラムの径に関係なく常に同等の検出感度に設定するこ
とができる。
【0095】また,本発明の感光体表面検査装置(請求
項7)にあっては,投光手段が所定の角度をもって円筒
状の感光体の表面へ投光し,受光手段が前記感光体の表
面上の投光位置における接面と平行に受光面を配置し,
前記投光手段により投光され前記感光体の表面によって
反射あるいは拡散される光を受光し,移動手段が前記受
光面に平行でかつ前記感光体の長手方向に対し垂直方向
に前記受光手段を移動させ,位置決定手段が、前記受光
手段が移動する位置の変化量に対して、前記受光手段に
よって検出される前記受光量が変化する受光変化量の比
の極値を算出し、算出された前記極値を与える位置に基
づいて検査位置を決定し、検査手段が前記移動手段によ
決定された前記検査位置へ移動された前記受光手段に
より受光された光に基づいて前記感光体の表面を検査
し、感光体の直径値にかかわらずほぼ一定値をとる受光
変化量と移動変化量の比に基づいて的確に受光手段の検
査位置を決定して、有効な表面検査することができるの
で,受光手段を1軸上に移動させるだけで的確に簡易に
各被検物である感光体ドラムに適した光学系を的確に
ッティングすることができる。
【0096】また,本発明の感光体表面検査装置(請求
項8)にあっては,投光手段が所定の角度をもって円筒
状の感光体の表面へ投光し,受光手段が前記感光体の表
面上の投光位置における接面と平行に受光面を配置し,
前記投光手段により投光され前記感光体の表面によって
反射あるいは拡散される光を受光し,回動手段が前記感
光体の長手方向を軸として前記受光手段を回動させ,
査角度決定手段が、前記受光手段が回動する角度の変化
量に対して、前記受光手段によって検出される前記受光
量が変化する受光変化量の比の極値を算出し、算出され
た前記極値を与える回動角度に基づいて回動角度を決定
し、検査手段が前記回動手段により決定された前記回動
角度へ、前記回動手段によって回動された前記受光手段
により受光された光に基づいて前記感光体の表面を検査
し、感光体の直径値にかかわらずほぼ一定値をとる受光
変化量と移動変化量の比に基づいて的確に受光手段の検
査位置を決定して、有効な表面検査することができるの
で,受光手段を回動させることにより,各被検物である
感光体ドラムに適した光学系を的確にセッティングする
ことができる。
【0097】また,本発明の感光体表面検査装置(請求
項9)にあっては,遮光版が正反射光を遮光することが
できるので,回転軸振れが生じた場合,あるいは,感光
体ドラム表面に振動が生じた場合であっても,欠陥検出
精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る感光体表面検査装置の光学
系の概要を示す説明図である。
【図2】図1に示す感光体表面検査装置の光学系の概要
を示す説明図を別の角度から見た図である。
【図3】光源出射光の2次元的な強度分布の測定方法を
示す説明図である。
【図4】光源出射光の2次元的な強度分布の測定結果を
示すグラフである。
【図5】実施の形態1に係る感光体表面検査装置の光学
系の概要を示す別の説明図である。
【図6】実施の形態1に係る感光体表面検査装置の光学
系の概要を示す別の説明図である。
【図7】実施の形態1に係る感光体表面検査装置の光学
系の概要を示す別の説明図である。
【図8】カメラの位置による相対出力のシュミレーショ
ン結果を示すグラフである。
【図9】カメラの位置による相対出力を測定した結果を
示すグラフである。
【図10】カメラの位置による相対出力の変化を示す説
明図である。
【図11】実施の形態2に係る感光体表面検査装置の光
学系の概要を示す説明図である。
【図12】カメラの角度による相対出力を測定した結果
を示すグラフである。
【図13】カメラの位置がH=aの場合の明視野法の概
要を示す説明図である。
【図14】カメラの位置がH=bの場合の拡散光受光法
の概要を示す説明図である。
【図15】カメラの位置がH=bの場合の暗視野法の概
要を示す説明図である。
【図16】カメラの位置がH=cの場合の拡散光受光法
の概要を示す説明図である。
【図17】感光体ドラムの半径がr=r1の場合のカメ
ラの位置による相対出力の変化を示す説明図である。
【図18】感光体ドラムの半径がr=r2の場合のカメ
ラの位置による相対出力の変化を示す説明図である。
【図19】実施の形態7に係る感光体表面検査装置の光
学系を示す説明図である。
【符号の説明】
101 感光体ドラム 102 ハロゲンランプ光源 103 光ファイバー 104 ライン光源 105 カメラ 106 レンズ 107 CCDラインセンサ 301 光源 302 CCDラインセンサ 1901 遮光版
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の角度をもって円筒状の感光体の表
    面へ投光し, 投光され前記感光体の表面によって反射あるいは拡散さ
    れる光を受光する受光手段の受光面を前記感光体の表面
    上の投光位置における接面と平行に配置し,前記受光面
    に平行でかつ前記感光体の長手方向に対し垂直方向に前
    記受光手段を移動させながら前記受光手段により受光さ
    れる受光量を検出し、 前記受光手段が移動する位置の変化量に対して、検出さ
    れる前記受光量が変化する受光変化量の比の極値を算出
    し、算出された前記極値を与える位置に基づいて前記受
    光手段の検査位置を決定し、 決定された前記検査位置へ前記受光手段を移動し、移動
    された前記検査位置を基準にして 前記受光手段により受
    光された光に基づいて前記感光体の表面を検査すること
    を特徴とする感光体表面検査方法。
  2. 【請求項2】 所定の角度をもって円筒状の感光体の表
    面へ投光し, 投光され前記感光体の表面によって反射あるいは拡散さ
    れる光を受光する受光手段の受光面を前記感光体の表面
    上の投光位置における接面と平行に配置し,前記感光体
    の長手方向を軸として前記受光手段を回動させながら前
    記受光手段により受光される受光量を検出し、 前記受光手段が回動する回動角度の変化量に対して、検
    出される前記受光量が変化する受光変化量の比の極値を
    算出し、算出された前記極値を与える回動角度に基づい
    て前記受光手段の回動角度を決定し、 決定された前記回動角度に前記受光手段を回動し、回動
    された前記回動角度を基準にして 前記受光手段により受
    光された光に基づいて前記感光体の表面を検査すること
    を特徴とする感光体表面検査方法。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2記載の感光体表面検
    査方法において,前記受光手段の位置あるいは角度を調
    整することにより,明視野法を用いて欠陥を検出するこ
    とを特徴とする感光体表面検査方法。
  4. 【請求項4】 請求項1あるいは2記載の感光体表面検
    査方法において,前記受光手段の位置あるいは角度を調
    整することにより,暗視野法および拡散光受光法を用い
    て欠陥を検出することを特徴とする感光体表面検査方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1あるいは2記載の感光体表面検
    査方法において,前記受光手段の位置あるいは角度を調
    整することにより,暗視野法を用いて欠陥を検出するこ
    とを特徴とする感光体表面検査方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の記載の感光体表面検査方
    法において,前記感光体の径に基づいて前記受光手段を
    移動または回動させることを特徴とする感光体表面検査
    方法。
  7. 【請求項7】 所定の角度をもって円筒状の感光体の表
    面へ投光する投光手段と, 前記感光体の表面上の投光位置における接面と平行に受
    光面を配置し,前記投光手段により投光され前記感光体
    の表面によって反射あるいは拡散される光を受光する受
    光手段と, 前記受光面に平行でかつ前記感光体の長手方向に対し垂
    直方向に前記受光手段を移動させる移動手段と,前記受光手段が移動する位置の変化量に対して、前記受
    光手段によって検出される前記受光量が変化する受光変
    化量の比の極値を算出し、算出された前記極値を与える
    位置に基づいて検査位置を決定する前記受光手段の検査
    位置決定手段と、 前記検査位置決定手段によって決定された前記検査位置
    へ、前記移動手段によって 移動された前記受光手段によ
    り受光された光に基づいて前記感光体の表面を検査する
    検査手段とを備えたことを特徴とする感光体表面検査装
    置。
  8. 【請求項8】 所定の角度をもって円筒状の感光体の表
    面へ投光する投光手段と, 前記感光体の表面上の投光位置における接面と平行に受
    光面を配置し,前記投光手段により投光され前記感光体
    の表面によって反射あるいは拡散される光を受光する受
    光手段と, 前記感光体の長手方向を軸として前記受光手段を回動さ
    せる回動手段と,前記受光手段が回動する角度の変化量に対して、前記受
    光手段によって検出される前記受光量が変化する受光変
    化量の比の極値を算出し、算出された前記極値を与える
    回動角度に基づいて前記受光手段の回動角度を決定する
    検査角度決定手段と、 前記検査角度決定手段によって決定された前記回動角度
    へ、前記回動手段によって 回動された前記受光手段によ
    り受光された光に基づいて前記感光体の表面を検査する
    検査手段とを備えたことを特徴とする感光体表面検査装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載の感光体表面検査
    装置において,正反射光を遮光するための遮光版を備え
    たことを特徴とする感光体表面検査装置。
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