JP3469617B2 - カテーテル関連感染症の進行予防性リポダルバヘプチド抗生物質堆積中枢静脈カテーテル - Google Patents

カテーテル関連感染症の進行予防性リポダルバヘプチド抗生物質堆積中枢静脈カテーテル

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リポダルバヘプチド(l
ipodalbaheptide)抗生物質が堆積された薄い親水性コー
テイングを有する中枢静脈ポリウレタンカテーテルおよ
びそれらの製造方法に関するものである。
【0002】本発明のカテーテルはバクテリア付着性お
よびコロニー形成を予防しそしてその結果としてカテー
テルを装着している患者における血管感染症の危険性を
低下させるのに有用である。
【0003】
【従来技術及びその解決すべき課題】中枢静脈系の感染
症は現代医学における挑戦的な問題である(1−4)。
挿入中の皮膚バクテリア相によるカテーテルの汚染がカ
テーテル感染症の進行における主要経路の一つであると
考えられている。スタフィロコッカス・アウレウス(Sta
phylococcus aureus)の如きグラム−陽性バクテリアお
よびコアグラーゼ陰性葡萄球菌(CNS)が主要な原因
有機体である。
【0004】カテーテル感染症は患者に対して重い合併
症をもたらすこともあり、そしてたとえそれらが生命を
脅かさないとしても入院を長期化させそして治療費用を
増加させる一因となる可能性がある。カテーテル感染症
のほとんどは、感染症の臨床的兆候が現れたらカテーテ
ルを除去することにより収拾されており、これが短い末
梢静脈系を有する患者における通常の臨床的な日常的処
置である。
【0005】しかしながら、静脈への接触が困難な、特
に、長期中枢静脈カテーテルを装着している患者では、
感染症にもかかわらずカテーテルを定位置に保つことが
望まれている。しかしながら、多くの場合には、抗生物
質治療はカテーテルからバクテリアを排除することがで
きない。
【0006】抗生物質治療の失敗は主として抗生物質の
浸透および付着バクテリア細胞への到達を妨害している
スライムバリアー(バイオフィルム)の存在によるもの
である。
【0007】多くの研究者により、バイオフィルム中に
埋没されているバクテリアに対するMIC−またはMB
C−値が懸濁液中のバクテリアに対するものよりはるか
に高いということが発見されていた(5、6、7)。
【0008】カテーテル感染症を治療しそして特に予防
するための別の方法は、抗微生物剤を有する医学デバイ
スのコーテイングまたは堆積である(8−10)。カテ
ーテル表面からまたは内部からの抗微生物剤(例えば抗
生物質)の放出は、バイオフィルム内でのバクテリアの
MICおよびMBCに到達するのに充分高くなる必要が
ある高い局部的医薬濃度をもたらす。さらに、カテーテ
ル挿入から短時間後の局部的抗微生物剤活性は多分バク
テリアによるバイオフィルムの生成を抑制するであろ
う。抗微生物剤、主として抗生物質、によるカテーテル
のコーテイングまたは堆積に関する多くの研究がこれま
でになされてきている(11−15、16)。そのよう
なシステムは一部では良好な試験管内性能を示してお
り、2、3の場合には抗微生物剤でコーテイングされた
カテーテルを用いる臨床試験がすでになされている(1
1、17)。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の主目的は、リポ
ダルバヘプチド抗生物質が堆積された表面上に薄い親水
層を有しており、そして患者への挿入後に体液と接触し
ている表面領域から該吸着されたリポダルバヘプチド抗
生物質をカテーテルのバクテリアコロニー形成を抑制す
るのに充分な濃度で放出可能な中枢静脈ポリウレタンカ
テーテルを提供するものである。本発明のカテーテル
は、カテーテル装着患者に重い合併症を引き起こすこと
なく、希望する期間にわたり定位置に保持できる。
【0010】本発明に従うと、リポダルバヘプチド抗生
物質が適切な生物学的および物理−化学的特徴を有して
おり、カテーテル表面をコーテイングしている薄い親水
層上での吸収と抗生物質的活性濃度の物質の放出とを可
能にすることが見いだされた。
【0011】「リポダルバヘプチド類」および「リポダ
ルバヘプチド抗生物質類」という語は、ダルバヘプチド
(グリコペプチド)抗生物質類に関する技術文献中では
糖部分上の脂肪アシル鎖を有するダルバヘプチド抗生物
質類を示すために使用されている。例えば、B.カヴァ
レリ(Cavalleri)他(18)およびF.パレンチ(Parent
i)他(31)を参照のこと。
【0012】上記の中枢静脈カテーテルの製造用に特に
適しているリポダルバヘプチド抗生物質は、テイコプラ
ニン(teicoplanin)、それのC−63カルボキシ基にお
ける官能性誘導体類、抗生物質A40926、およびそ
れのC−63カルボキシ基における誘導体類から選ばれ
る。特に好適なものは、テイコプラニン、それのC−6
3アミド誘導体類、それのC−63ペプチド誘導体類、
A40926、それのC−63アミド類、例えば位置6
Bにおけるカルボキシ基のところでさらに例えば(C1
4)アルカノールでのエステル化および対応するヒドロ
キシメチル基への還元の如き改変がなされているそれら
のA40926アミド誘導体類である。
【0013】実験的試験は例えばダルバヘプチド抗生物
質ヴァンコマイシンおよびリポペプチド抗生物質ダプト
マイシンの如きカテーテル感染症の主な原因菌に対して
活性であることが知られている他のペプチド抗生物質類
は本発明に従うカテーテルの製造に使用できないことを
示していたため、本発明の発見は非常に驚くべきことで
ある。実際に、親水性カテーテル上にそれらを堆積する
試みを行った時には、それらはカテーテル感染症の原因
菌に対して充分に活性な物質濃度を放出しない。
【0014】テイコプラニンおよびA40926は最近
では、リストセチン(ristocetin)型リポダルバヘプチド
抗生物質と定義されている。この群には、多くある中
で、リストセチン、アヴォパルシン(avoparcin)、キブ
デリン(kibdelin)およびパルボジシン(parvodicin)(1
8)が包含される。
【0015】テイコプラニンは6種の主要成分からなる
アクチノプラネス・テイコマイセチクス(Actinoplanes
teichomyceticus)ATCC31121により製造される
抗生物質であり、それらのうちの5種はT−A2複合体
と同定されている構造的に関連のある成分類の複合体を
形成している。この複合体の単独成分類はヘプタペプチ
ド骨格と結合されているグルコサミン部分のアミノ基と
連結されているC10−C11アシル部分により構造的に区
別されており、そして最近では頭文字T−A2−1、T
−A2−2、T−A2−3、T−A2−4およびT−A
2−5で同定されている(19、20)。C9およびC
12アシル成分を有する他の少量成分(21)は発酵生成
物中で検出されている。
【0016】テイコプラニンは最近では例えば黄色葡萄
球菌の如きグラム−陽性バクテリアおよびコアグラーゼ
陰性葡萄球菌(CNS)による感染症に対する治療にお
いて使用されている。
【0017】顕著な抗微生物活性を示すテイコプラニン
の末端C−63カルボキシ基の官能性誘導体類は、引用
することによって本明細書の内容となる後述の特許文献
(22、23、24、25、26)中に記載されている
テイコプラニンのC−63アミド類、テイコプラニンの
C−63ペプチド誘導体類および34−デアセチルグル
コサミニル−34−デオキシ−テイコプラニンである。
【0018】上記の化合物類の1種は、3−(N,N−ジ
メチルアミノ)−プロピルアミンを有するテイコプラニ
ンのC−63アミドであり、それに関してはI.N.N.
ミデプラニン(mideplanin)が提唱されている(WHO医
薬情報、6巻、No.2、1992)。
【0019】ミデプラニンは、それの生物学的および物
理−化学的特性(例えば水性溶媒中での溶解度)のため
に、本発明のカテーテルの製造用の特に適しているテイ
コプラニンの官能性誘導体である。
【0020】抗生物質A40926は、欧州特許第17
7882号明細書中に記されている炭素、窒素、および
無機塩類の資化性源を含有している培地の中でアクチノ
マジュラ(Actinomadura)属、アクチノマジュラ・エピー
(Actinomadura sp.)ACTT39727の培養物から単
離されているグリコペプチド抗生物質複合体である。上
記の特許中に記されている方法に従うと、主要因子が因
子A、因子B、因子B0、因子B1、因子PA、および因
子PBと称されている抗生物質複合体の回収は、発酵ブ
ロスを濾過後または予備精製後に固定化D−アラニル−
D−アラニンによるアフィニティークロマトグラフィー
にかける工程を含んでいる。
【0021】A40926は、知られている限りでは、
1が水素であり、Xがヒドロキシであり、Yがカルボ
キシであり、R2が(C9−C12)アルキル基を表し、そし
てMがα−D−マンノピラノシルまたは6−O−アセチ
ル−α−D−マンノピラノシル基を表す下記の式(I)
により表すことができる。括弧内の数は、分子中の相対
的位置の数を示している。
【0022】
【化1】
【0023】より具体的には、抗生物質A40926因
子Aは、R1が水素であり、Xがヒドロキシであり、Y
がカルボキシであり、R2がn−デシルを表しそしてM
がα−D−マンノピラノシルを表す上記式(I)の化合
物である。最近の研究に従うと、上記の欧州特許第17
7882号明細書中で抗生物質A40926と同定され
ている物質は実際には2種のよく似ている関連成分から
構成されている。抗生物質A40926因子B0は実際
には因子Bの主成分であり、そしてR1が水素であり、
Xがヒドロキシであり、Yがカルボキシであり、R2
9−メチルデシルでありそしてMがα−D−マンノピラ
ノシルを表す上記の式(I)の化合物に相当している。
因子Bの少量成分は因子B1と称されており、そしてB0
とはR2がn−ウンデシルであることだけが異なってい
る(27)。
【0024】抗生物質A40926因子PAおよび因子
PBは対応する因子AおよびBとは、上記マンノース単
位が6−O−アセチル−α−D−マンノピラノース単位
により置換されている点で、異なっている。
【0025】抗生物質A40926因子PAおよびPB
は、少なくともある種の発酵条件下では、A40926
生産性微生物の主要抗生物質生産物である。
【0026】抗生物質A40926因子Aおよび微生物
は主としてそれぞれ抗生物質A40926因子PAおよ
び因子PBの転換生成物であり、そしてしばしばすでに
発酵ブロス中に存在している。
【0027】アミノグルクロニル単位上のアシル基を置
換することなくマンノース単位のアセチル基の除去をも
たらす塩基性条件下では、抗生物質A40926因子P
Aを抗生物質A40926因子に転換できることおよび
抗生物質A40926因子PBを抗生物質A40926
因子Bに転換できることが見いだされている。
【0028】その結果、発酵ブロスまたは抗生物質A4
0926含有抽出物もしくはそれの濃縮物をある時間に
わたり塩基性条件下で(例えば、親核性塩基の水溶液、
pH>9において一夜)放置する場合、抗生物質A40
926複合体が得られ、それは抗生物質A40926因
子Aおよび因子Bに富んでいる。従って、多くのA40
926複合体調製物中に因子PAおよび因子PBがほん
のわずかな量だけで存在している。
【0029】抗生物質A40926因子BはA4092
6複合体から欧州特許第177882号明細書中に記さ
れている方法を用るクロマトグラフィー分離により得ら
れる。上記欧州特許中に記されている条件下で因子Bの
約90%を占める純粋な因子B0は例えば繰り返される
逆−相クロマトグラフィー操作による因子Bのさらなる
精製により得られる。
【0030】さらに最近の研究(28)では、抗生物質
複合体A40926中にそれぞれ頭文字A1、RS−
1、RS−2およびRS−3で同定されているある種の
少量因子も存在していることを示している。これらの少
量因子はHPLCにより分離されており、そしてそれら
の構造はA40926複合体の代謝分解物のガスクロマ
トグラフィー/質量分光計分析を適用することにより測
定されている。全ての上記の少量因子はアミノグルクロ
ン部分と結合されている脂肪酸残基は別として因子A、
0およびB1の基本構造に対応する構造を有している。
より具体的には、式(I)を参照すると、R1、X、Y
およびMは上記と同じ意味を有しているが、R2は因子
1中では8−メチルノニルを、因子RS−1中では7
−メチルオクチルを、因子RS−2中ではn−ノニル
を、そして因子RS−3中ではn−ドデシルを表してい
る。
【0031】抗生物質A40926は誘導化できる2個
のカルボキシル基を有している。実際に、N−アシルア
ミノ−グルクロニル部分の位置6B中のカルボキシル基
および位置63中のカルボキシル基が化学的転換を受け
て位置6Bにおける対応するエステル類およびヒドロキ
シメチル誘導体類並びに位置63におけるアミド誘導体
類が得られている。
【0032】抗生物質A40926複合体、それらの因
子並びに6Bおよび/またはC−63におけるそれらの
官能性誘導体類は主としてグラム陽性バクテリアおよび
ナイセリア(Neisseriae)に対して活性である。
【0033】ここに記されている一般的方法および条件
下では、混合物の残りの成分類に関して優勢な割合(例
えば、HPLCにより60%)で個別因子の1種(例え
ば因子B0)を含有している前駆体A40926複合体
を使用することが有用である。従って、そのような前駆
体から上記の化学的転換により生じる6BおよびC−6
3誘導体類はそれらが特に分離工程を受けない時には一
般的には優勢成分が該A40926複合体前駆体中で優
勢である同一因子に相当しているような混合物からなっ
ている。
【0034】それの因子Aおよび/もしくはB0または
PAおよび/もしくはPBに富んでいるA−40926
複合体の製造方法は、例えば、欧州特許出願公開第25
9781号明細書中に記載されている。
【0035】国際特許出願公開第WO92/17495
号(欧州特許出願第91104857号の優先権を主張
している)中には、抗生物質A40926のエステル誘
導体類(6B位置でエステル化されている、すなわちN
−アシルアミノグルクロニル部分上に存在しているカル
ボキシ基がある)、例えばXがOHであり、Yが(C1
4)アルコキシカルボニルであり、そしてR1、R2およ
びMが上記の記号と同じ意味を有する式(I)の化合物
類、が記載されている。これらのエステル誘導体類は、
15−保護された(この記載中では「N15」という語は
一般的に数15で表示されているA40926分子の炭
素原子と結合されているアミノ基の窒素原子を称してい
る)またはN15−遊離アミノA40926基質を酸媒体
中でアルカノールとまたはN15−保護されたA4092
6誘導体類をアルキルハライドと、任意にハロゲン化水
素酸受容体の存在下で、特に濃鉱酸の存在下で0℃〜室
温の間の温度において過剰量の選択されたアルカノール
と、反応させることにより、製造される。
【0036】上記の方法に従い製造される抗生物質A4
0926のこれらのエステル誘導体類は、Xがアミノ基
を表しそしてYが(C1−C4)アルコキシカルボニルまた
はヒドロメチルである式(I)の抗生物質A40926
誘導体類の製造用の出発物質として使用される。一連の
これらの後者の抗生物質A40926の官能性誘導体類
は、1991年7月29日の欧州特許出願第91112
685.2号および1992年6月12日の欧州特許出
願第92109906.5号から優先権主張されている
国際特許出願公開第WO93/03060号明細書の中
に記載されている。
【0037】以上で略記されている如く、C−63アミ
ド誘導体類の出発物質であるA40926エステル誘導
体類の製造用に有用な制御されたエステル化方法は、A
40926基質が濃鉱酸の存在下で0℃〜室温の間の温
度において加えるべき基の立体的複雑さにより変動する
時間にわたり過剰量の選択されたアルカノールと一緒に
するエステル化反応を含んでいる。
【0038】ある場合には、起こり得る可能な望ましく
ない副反応を減じるためにA40926前駆体の位置1
5中で第一級アミノ基を保護することが簡便である。こ
れは例えばT.W.グリーン(Greene)、「有機合成におけ
る保護基(Protective Groupsin Organic Synthesi
s)」、ジョーン・ウィリー・アンド・サンズ、ニューヨ
ーク、1981およびM.マックオミー(McOmie)、「有
機化学における保護基(Protecting Groups in Organic
Chemistry)」、プレヌム・プレス、ニューヨーク、19
73の如き参考書籍中に記されているような当該技術分
野でそれ自体既知の方法により行うことができる。これ
らの保護基は反応工程の条件下で安定でなければなら
ず、主反応を好ましくないように妨害してはならず、且
つ主反応の最後に容易に開裂可能でなければならない。
【0039】ターシャリー−ブトキシカルボニル(t−
BOC)、カルボベンジルオキシ(CBz)、およびア
リールアルキル基が、適当なアミノ保護基の例である。
塩基の存在下での任意に置換されていてもよいベンジル
ハライド類を用いるベンジル化は定量的収率で円滑に起
き、そしてカルボキシ基のベンジルエステルの同時生成
なしに対応するN15−ベンジル誘導体の生成だけをもた
らす。
【0040】15位におけるアミノ基の選択的保護は、
好適には2個のカルボキシ基の同時エステル化を伴わな
いハロゲン化水素受容体(すなわち、第三級アミン)の
存在下における臭化ベンジルとの反応により行われる。
【0041】N15−保護基の除去条件はアミノ保護基の
除去用の当該技術分野で既知のものであり、そして分子
中に存在している他の基の反応性の評価後に設定すべき
である。
【0042】式(I)のエステル誘導体類は、前駆体抗
生物質A40926複合体の数種の因子のそれぞれに相
当する単独化合物であってもよく、またはA40926
前駆体の異なる因子に相当する2種以上の成分類のいず
れの割合での混合物であってもよい。エステル誘導体類
の該混合物は、6Bエステルの製造におけるA−409
26複合体もしくはA40926複合体前駆体の因子の
混合物の使用により、または生成したエステル生成物
(前駆体A40926複合体を特性づけている因子の元
の割合を変えていてもよい)の単離/精製において特定
条件を適用することにより、または逆相クロマトグラフ
ィー分離工程により単離された純粋なエステル生成物を
適当な割合で混合することにより得られるか、或いは純
粋なA40926因子を前駆体として使用することによ
り得られる。
【0043】Yが(C1−C4)アルコキシカルボニルを表
し、R1、R2およびMが以上で定義されている如くであ
りそしてXがヒドロキシを表す上記の式(I)の位置6
BにおけるA40926エステル類を、Xがアミノ基で
あるC63における対応するアミド類に転換させること
ができる。そのようなアミノ基の例は例えば下記のもの
である:
【0044】
【化2】
【0045】アミド化工程は、Yが(C1−C4)アルコキ
シカルボニルを表しそしてXがヒドロキシを表す上記の
式(I)のエステル類を縮合剤の存在下で不活性有機溶
媒中で適当なアミンと縮合させることを必要とする。
【0046】アミド化反応に有用な不活性有機溶媒は、
反応工程を好ましくないように妨害せず且つ出発物質を
少なくとも部分的に溶解させることができる有機非プロ
トン性溶媒である。
【0047】該不活性有機溶媒の例は、有機アミド類、
グリコール類およびポリオール類のエーテル類、ホスホ
ラミド類、並びにスルホキシド類である。不活性有機溶
媒の好適例は、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタ
ン、ヘキサメチルホスホラミド、ジメチルスルホキシド
およびそれらの混合物である。
【0048】本発明の方法における縮合剤は、有機化合
物中のそして特にペプチド合成におけるアミド結合の生
成に適しているものである。
【0049】縮合剤の代表例は、ジイソプロピルカルボ
ジイミド(DIC)、ヒドロキシベンゾトリアゾール
(HBT)の存在下でのジシクロヘキシルカルボジイミ
ド(DCC)、ベンゾトリアゾリルオキシ−トリス−
(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェ
ート、ベンゾトリアゾリルオキシ−トリス−(ピロリジ
ノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートおよび(C
1−C4)アルキル、フェニルまたは複素環式ホスホルア
ジデート類、例えばジフェニルホスホルアジデート、ジ
エチルホスホルアジデート、ジ−(4−ニトロフェニル)
ホスホルアジデート、ジモルホリルホスホルアジデー
ト、並びにジフェニルホスホロクロリデートである。好
適な縮合剤は、ジフェニルホスホルアジデート、すなわ
ち燐酸ジフェニルエステルアジド(DPPA)、ベンゾ
トリアゾリルオキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホ
ニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)およびベ
ンゾトリアゾリルオキシ−トリス−(ピロリジノ)ホスホ
ニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)であ
る。
【0050】最後に挙げられている2種の縮合剤では特
にPyBOPが好適であり、その理由は生じる副生物で
あるピロリジンがジメチルアミンより低い潜在的な毒性
問題を有しているためである。
【0051】ここに記されているアミド化においては、
アミン反応物は通常はモル過剰量で使用されるが、ある
場合にはアミン反応物を等モル割合でまたは特にBOP
またはPyBOPを縮合剤として使用する時にはわずか
にモル過剰で使用することにより反応を良好な収率で行
うことができる。
【0052】一般的には、アミン反応物がかなり安価で
あるかまたは容易に得られる反応物である時には2〜1
0倍モル過剰のアミンが使用されるが、3〜4倍モル過
剰が好適である。
【0053】上記式(I)のエステル類を縮合剤の存在
下で適当なアミンを用いてアミド化するには、アミン反
応物が該出発物質のカルボキシル基(X=ヒドロキシ)
との塩を生成可能であることが必要である。アミンが選
択された反応媒体中で塩を生成するのに充分なほど強く
ない場合には、塩−生成性塩基(例えば、カルボキシル
基とアミド結合を生成できない、第三級脂肪族または複
素環式アミン、例えばトリエチルアミン、N−メチルピ
ロリジンまたはN−メチル−ピペラジン)を反応混合物
中に出発物質に関して少なくとも等モル量で加えること
が必要である。
【0054】アミン反応物がどちらかというと高価であ
るかまたは生成物を得るのが困難である時には、塩−生
成性塩基を添加しての低いモル過剰のアミン反応物の使
用が適切な方法である。
【0055】アミン反応物は一般的には反応媒体に対応
する酸付加塩、例えば塩酸塩、として加えることが都合
がよい場合がある。この場合には、少なくとも2倍モル
割合のそして好適には2〜4倍モル過剰の、アミンをそ
れの塩類から生成できる強塩基が加えられる。この場合
にも、適している塩基は一般的には以上で例示されてい
るものの如きカルボキシル基とアミド結合を生成できな
い第三級有機脂肪族または複素環式アミンである。実際
に、少なくともある場合には、次にその場で上記の塩基
類を用いて遊離されるアミンの塩の使用が、特に塩が対
応する遊離アミンより安定性が大きい時には、非常に好
適である。
【0056】反応温度は特定の出発物質類および反応条
件に依存して相当変動するであろう。一般的には、反応
を0−30℃の間の温度において実施することができ
る。
【0057】反応時間も縮合剤および他の反応要素に依
存して相当変動するであろう。一般的には、縮合反応は
約1時間〜約24−48時間の期間内で完了する。
【0058】いずれの場合にも、反応工程は当該技術分
野で既知の方法に従いTLCによりまたは好適にはHP
LCにより監視されている。
【0059】これらの評価を基にして、当業者は反応工
程を評価しそして反応が停止した時を判断しそして反応
物質の処理をそれ自体既知の方法、例えば、カラムクロ
マトグラフィーによるものの如き別の一般的分離操作お
よび精製と組み合わされた例えば溶媒を用いる抽出、非
−溶媒の添加による沈澱、に従い開始することができる
であろう。
【0060】一般的には、上記のものの如き縮合剤を使
用する時には、式(I)の出発エステルのN15−アミノ
基を保護する必要はない。しかしながら、該官能基上で
保護されている出発エステルが前駆体A40926から
製造されるその前の反応段階から直接生じている時には
そのような出発エステル類を使用することが有用であ
る。しかしながら、アミド化反応条件が式(I)の出発
エステル上でN15−アミノ基を保護することを必要とす
るかまたは少なくとも好適であるような特殊な場合もあ
る。
【0061】そのような場合には、N15−アミノ基は、
例えばYが(C1−C4)アルコキシカルボニルでありそし
てXがヒドロキシである式(I)のエステル類の製造用
のA40926前駆体の保護に関して以上で示唆されて
いる参考書籍中に記されているものの如き当該技術分野
で既知の方法により保護することができる。
【0062】エステル出発物質のN15−第一級アミノ基
および適宜アミド化反応に含まれていてはならないアミ
ン試薬を任意に特徴づけている他のアミノ基(類)を有
利に保護するために使用できるN−保護基の代表例は下
記のオキシカルボニル基により特徴づけられているカル
バメート生成性試薬である:1,1−ジメチルプロピニ
ルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル、ビ
ニルオキシカルボニル、シンナミルオキシカルボニル、
ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシ
カルボニル、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジル
オキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカ
ルボニル、5−ベンズイソキサゾリルオキシカルボニ
ル、9−アンスラニルメチルオキシカルボニル、ジフェ
ニルメチルオキシカルボニル、イソニコチノイルオキシ
カルボニル、ジフェニルメチルオキシカルボニル、S−
ベンジルオキシカルボニルなど。一般的には、これらの
保護基はアミド化反応が完了した時に例えばトリフルオ
ロ酢酸(TFA)の如き未希釈強有機酸類または希釈さ
れた鉱酸類を用いる処理により除去可能である。抗生物
質分子のコアーと結合されている糖部分を加水分解させ
る危険性を避けるために、保護基の一部を例えば炭素上
のパラジウムを触媒として使用するような接触水素化の
如き別の除去条件下で除去することもできる。一方、以
上で報告されているものから選択されるアミノ保護基を
例えば低温および/または短い反応時間の如き調節され
た酸性条件下で除去することもできる。
【0063】Yがヒドロキシメチルであり、R1、R2
よびMが前記の如くでありそしてXがアミノ残基である
式(I)のA40926官能性誘導体類は、R1、R2
よびMが上記と同じ意味を有しており、Yがヒドロキシ
メチルでありそしてXがヒドロキシである式(I)の対
応する誘導体類のアミド化により製造することができ
る。アミド化条件は上記のものと同一である。Yがヒド
ロキシメチルである出発化合物類は、Yが(C1−C4)ア
ルコキシカルボニルでありそしてR1が好適にはN15
アミノ基の保護基である対応するエステル類を、好適に
は水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムおよ
びシアノ水素化ホウ素ナトリウムから選択されるアルカ
リ金属水素化ホウ素化物を用いて0℃〜40℃の間の温
度において水性またはヒドロアルコール性媒体中で還元
することにより、得られる。
【0064】N15−アミノ基の保護基除去はC−63ア
ミド化段階を行う前に、上記と同じ工程を使用すること
により、行うことができる。
【0065】一般的には、上記の還元反応で使用される
ヒドロアルコール媒体は水と水溶性または部分的に混合
可能な低級アルカノールとの混合物であり、ここで水/
低級アルカノールの比は40/60−90/10(容量
/容量)の間、好適には60/40(容量/容量)−6
8/32容量/容量の間、最も好適には65/35(容
量/容量)、の範囲である。
【0066】反応はある場合には比較的少量の水の存在
下で、例えば30/70または20/80の水/低級ア
ルカノール混合物の中で、行われ、水/低級アルカノー
ルの比が40/60より低い時には反応速度は非常に低
くなる。
【0067】好適な低級アルカノール類は直鎖状および
分枝鎖状の(C1−C4)アルキルアルコール類であり、そ
の中で最も好適なものはn−ブタノール、エタノールお
よびメタノールである。
【0068】時には、特別な場合には、少量の極性補助
溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジ
メチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリ
ミドン(DMPU)、ジメチルスルホキシド、を加えて
出発物質を反応工程中に完全に溶解させることができ
る。時には、発泡を避けるために変動可能な量のジエチ
ルエーテルを加える。
【0069】アルカリ金属水素化ホウ素化物としては、
水素化ホウ素ナトリウムが最も好適なものである。使用
されるアルカリ金属水素化ホウ素化物の適当量は使用さ
れる溶媒および反応温度により変動することがあるが、
反応混合物のpHを中性またはアルカリ性、好適にはp
H7−10の間、にするのために化学量論的必要量より
大過剰で使用することが推奨される。一般的にはアルカ
リ金属水素化ホウ素化物および抗生物質出発物質の間の
モル比は50−300の間である。
【0070】反応温度は特定の出発物質および反応条件
に依存して相当変動することがある。一般的には、反応
を0−40℃の間の温度において、より好適には室温に
おいて、実施することが好適である。
【0071】反応時間も他の反応要素に依存して相当変
動することがあるが、それは注意深く調節すべきであ
る。一般的には、反応は約1−4時間で完了する。反応
が4時間以上長くなるなら、望ましくない副反応が起
き、それは分子の芯の一部のペプチド結合の分解を促進
することがある。
【0072】いずれの場合にも、反応工程は当該技術分
野で既知の方法に従いTLCによりまたは好適にはHP
LCにより監視されている。これらの評価の結果を基に
して、当業者は反応工程を評価しそして反応が停止した
時を判断しそして反応物質の処理をそれ自体既知である
方法、例えば、必要に応じてカラムクロマトグラフィー
によるものの如き別の一般的分離操作および精製と組み
合わされた例えば溶媒を用いる抽出、非溶媒の添加によ
る沈澱、に従い開始することができるであろう。
【0073】反応が完了した後に、例えば(C1−C4)ア
ルキルアルコールの如き極性非プロトン性溶媒中に溶解
されている適当量の酸、例えば(C1−C4)アルキル有機
酸、(C1−C6)アルキルスルホン酸、アリールスルホン
酸など、を加えることにより過剰のアルカリ金属水素化
ホウ素化物が除去される。
【0074】本発明のカテーテルの製造用に非常に適せ
しめる有意な抗生物質活性および物理−化学的特性(例
えば、水性溶媒中の溶解度)を示すA40926の官能
性誘導体は頭文字RA−A−1またはコードMDL63
46で同定されており、そしてR1が水素であり、Xが
3−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピルアミノであ
り、Yがヒドロキシメチルであり、R2が(C9−C12)ア
ルキルを表しそしてMがα−マンノピラノシルを表す上
記式(I)により表される。
【0075】本発明の具体的な製造は以下で実施例1に
記されている。
【0076】本発明に従い有利に使用できる表面上に薄
い親水性コーテイングを有する中枢静脈ポリウレタンカ
テーテルは文献中に記されている。例えば、米国特許第
4769013号明細書は上部に吸着されている抗生物
質を放出できるコーテイングされたデバイスを製造する
のに有用なカテーテルなどを含む医学装置をポリ−N−
ビニルピロリドン−ポリウレタン共重合体でコーテイン
グする方法を開示している。
【0077】米国特許第495056号明細書は、カテ
ーテルなどを含む医学デバイスを湿潤条件下での低い摩
擦性および改良された血液親和性を有する薄い親水性層
でコーテイングする方法に関する一連の参考事項を報告
しており、そしてバクテリアの成長および血塊の生成を
抑制するのに充分な量のカチオン性環式ポリペプチド抗
生物質ポリミキシンを吸着している親水性重合体でコー
テイングされている血管内カテーテルを記載している。
ポリミキシンはグラム−陰性バクテリアに対して一般的
に活性な抗生物質である。
【0078】本発明の態様での使用に特に適しているこ
とが見いだされているカテーテルは、内表面および外表
面の両方に商品名ヒドロカト[Hydrocath(商標)](ヴィ
ッゴ−スペクトラメド、スウィンドン、ウィルツシャ
ー、英国)の下で販売されている約200μmの厚さの
ポリ−N−ビニルピロリドン−ポリウレタン共重合体を
有するポリウレタンカテーテルである。
【0079】これらの親水性中枢静脈カテーテル類(単
独、二重および三重管腔型として入手可能である)は、
それらのコーテイングのために、室温における4時間に
わたる水、水:エタノール1:1またはエタノール中で
のインキュベート後にそれぞれ8.0、16.1および3
0.5の膨潤率を示す。
【0080】本発明のカテーテルの製造方法に従うと、
親水性フィルムがコーテイングされている上記のポリウ
レタンカテーテルを選択されたリポダルバヘプチド抗生
物質の水溶液中で2−50mg/mlに、好適には5−
40mg/mlに、変動する濃度において10℃−60
℃の間の、好適には20−40℃間の、温度において5
分間−48時間に、好適には10分間−24時間に、変
動する期間にわたりインキュベートする。
【0081】カテーテルの親水性表面コーテイングのた
めに、比較的大量のリポダルバヘプチド抗生物質が表面
層に浸透しそしてカテーテル表面に皮相的に結合でき
る。本発明の方法に従いカテーテル上に堆積されたリポ
ダルバヘプチドの量は一般的に300μg/cmを越え
ると計算されている。そのように堆積されたカテーテル
から、抗生物質は少なくとも5日間にわたりかなりの量
で溶離できる。スタフィロコッカス・エピデルミディス
(Staphylococcus epidermidis)菌株(静止および動的モ
デル)を用いる付着性実験は、試験管内バクテリアコロ
ニー形成をテイコプラニン−堆積カテーテルにより少な
くとも48時間にわたり予防できるということを示して
いた。
【0082】上記の要素は一般的に相互関連しているた
めに、カテーテルの堆積に対するそれらの影響はリポダ
ルバヘプチド溶液の濃度、インキュベート温度およびイ
ンキュベート時間を変化させる一連の堆積実験を行うこ
とにより評価される。
【0083】抗生物質の吸着および放出におけるカテー
テルの試験管内効果を試験するために、ある期間にわた
る1cmのカテーテル当たりの溶離により放出された抗
生物質の量を測定することにより堆積カテーテルからの
医薬放出が測定された。そのような測定用には、標準的
なバイオアッセイが使用された。
【0084】リポダルバヘプチド抗生物質のカテーテル
への堆積用には、長さが1−10cmのカテーテル片を
種々の時間にわたり異なる濃度でそして異なる溶媒中で
インキュベートした。真空中での乾燥後に、長さが1c
mのカテーテル片を1mlの生理的0.9%NaCl溶
液の中である期間(例えば1時間)にわたり溶離し、そ
して部分試料(40μl)をあらかじめ被検菌株(スタ
フィロコッカス・アウレウスSG511Jena)が接種さ
れているイソセンシテスト(Isosensitest)寒天(Oxoi
d、英国)中の打抜きウェル中に入れた。37℃におけ
る24時間のインキュベート後に、生じた阻止ゾーンの
直径を既知のリポダルバヘプチド抗生物質濃度を用いて
標準的曲線のものと比較した。初期溶離期間後に、カテ
ーテル片を溶離剤から除去し、そして濾紙上で2、3秒
間にわたりブロッティングすることによる表面上の液体
の除去後に再び新しい溶離剤を用いて追加期間(例え
ば、3時間の合計溶離時間にさせるための2時間)にわ
たり溶離した。溶離溶液中の抗生物質含有量を次に上記
の如くして測定した。この方法で、操作を連続的に数回
にわたり時間間隔をあけて繰り返すことにより、1cm
のカテーテル当たりの放出された抗生物質の量を計算す
ることができた。全ての実験は3回ずつ行われた。
【0085】一般的には、溶離検定はカテーテルに抗生
物質を堆積した直後に行われた。リポダルバヘプチドが
堆積されているカテーテルの長期間安定性の研究に関し
ては、選択されたカテーテルを冷蔵庫内に4℃において
堆積後4週間にわたり貯蔵し、この期間後に溶離検定を
行った。
【0086】上記の実験は、10分間の一定のインキュ
ベート時間および異なる濃度のテイコプラニンの溶液
(蒸留水中の5mg/ml、10mg/mlおよび20
mg/ml)を用いると溶離曲線は全ての場合に抗生物
質の高い初期放出を表しており、比較的長い溶離時間に
おいては比較的低い量に低下することを示していた。例
えば、10分間にわたる培養により20mg/mlの濃
度のテイコプラニン溶液が堆積されているカテーテルは
1時間の溶離時間で約33μg/cm、6時間の溶離時
間で約25μg/cm、12時間の溶離時間で約3μg
/cm、24時間の溶離時間で約20μg/cm、そし
て48時間の溶離時間で約17μg/cm、の放出速度
を示した。
【0087】上記の実験はさらに、カテーテルへ堆積す
るために使用される抗生物質溶液の濃度を増加させるに
つれてテイコプラニンの放出が増加することも示してい
る。
【0088】蒸留水中でそれぞれ5および20mg/m
lのテイコプラニン濃度を用いて試験したインキュベー
ト時間の変動は、1時間または10分間のインキュベー
ト時間と比べて24時間のインキュベート時間後の方が
高い初期テイコプラニン放出をもたらした。しかしなが
ら、放出量の差異は初期溶離時間(1−5時間)におい
ては相当であったがそれより長い溶離時間ではほとんど
差がなかった。
【0089】ヒドロカト(商標)カテーテルへのテイコ
プラニンの堆積に対するインキュベート温度の影響も研
究された。40℃においてテイコプラニンが堆積されて
いるカテーテルは0℃において堆積されているものより
10時間までの溶離時間では大きいテイコプラニン放出
を示した。しかしながら、60℃への堆積温度の増加は
生物学的活性テイコプラニンの減じられた溶離を生じ
た。
【0090】他の溶媒類または溶媒組み合わせ物類を使
用することによるテイコプラニンのそれより高い堆積を
得る可能性も研究された。このためには、抗生物質をエ
タノール/水混合物(1:1)の中および純粋エタノー
ルの中にそれぞれ5および20mg/mlの濃度で溶解
させた。対応する抗生物質溶液中での10分間の堆積後
の放出速度を測定した。溶媒としてエタノール(c=2
0mg/ml)を使用すると150μg/cm以上のカ
テーテルの高い初期(1時間の溶離時間)放出を与え
た。エタノール/水をテイコプラニン用の溶媒として使
用した時には幾分低い放出速度が見られた。異なる溶媒
類の間の差異は比較的長い溶離時間(10時間以上)で
は消える傾向がある。
【0091】異なる溶離媒体(0.9%NaCl、20
%血清)の影響を、テイコプラニン溶液(5mg/m
l)の中で10分間にわたりインキュベートされたテイ
コプラニン堆積ヒドロカト(商標)カテーテルを用いて
研究した。結果は、20%血清中での溶離が生理的Na
Cl溶液中での溶離より高い量の放出されたテイコプラ
ニンを与えた。また、脳心臓注入−ブロス(BHI)中
での溶離は比較的高いテイコプラニンの放出量(20m
g/mlのテイコプラニン溶液で24時間にわたりイン
キュベートされたカテーテルを用いて3時間の溶離時間
で120μg/cm)を生じた。
【0092】4℃において4週間にわたり貯蔵されたテ
イコプラニン堆積カテーテル(抗生物質溶液中でのイン
キュベート時間4時間、c=0mg/ml)は、製造さ
れたての抗生物質が堆積されたカテーテルとほとんど同
じ溶離特徴を示した。
【0093】ヒドロカト(商標)カテーテル上に堆積さ
れた異なるリポダルバヘプチド抗生物質の試験管内放出
をテイコプラニンのものと比較して、本質的に上記と同
様な条件下で行われた実験により、研究した。
【0094】従って、1cm長さのカテーテルを20m
g/mlのテイコプラニン、MDL63,246および
ミデプラニンの水溶液中にまたは10mg/mlのA4
0926用の燐酸緩衝液(0.1M、pH8)中で堆積
することにより、種々のダルバヘプチド類の溶離特徴を
比較した。室温における4時間のインキュベート後に、
カテーテルを除去し、5mlの同一溶媒中で洗浄し、そ
して真空中で乾燥した。
【0095】溶離特徴は上記の如く食塩水の中で測定さ
れた。溶離されたそれぞれの抗生物質に関する溶離特性
が評価された。試験微生物としてスタフィロコッカス・
アウレウスツアー(Tour)を使用するブロス微希釈によ
り、溶離されたそれぞれの抗生物質に関する濃度を評価
した。
【0096】ミデプラニンはテイコプラニンのと同様な
溶離特徴を示していたが、MDL63246は初期溶離
期間(例えば3時間まで)中は幾分低い放出を有してい
るようであり、その後に相当高い放出を示した(例え
ば、3−6時間で放出されたMDL63246の濃度は
同じ時間間隔で測定されたテイコプラニンのものの約2
倍であった)。
【0097】A40926は初期期間中はテイコプラニ
ンのものと同様な放出(μg/cm)を示したが、その
後は48時間までの連続的溶離時間中にMDL6324
6のものと同様な放出であった。
【0098】リポダルバヘプチド堆積カテーテルの試験
管内活性の測定に関しては、堆積されたおよび堆積され
ていないカテーテル試料に対するバクテリア付着性を測
定した。被検菌株であるスタフィロコッカス・エピデル
ミディスKH6を337℃において18時間にわたりイ
ンキュベートし、そしてその後に燐酸緩衝溶液(PB
S)の中で3回洗浄した。PBS中のバクテリア懸濁液
を3×107CFU/mlの濃度で製造した。1cm長
さの堆積されたおよび堆積されていないカテーテル片を
3時間にわたりバクテリア懸濁液中で室温においてイン
キュベートして初期付着性を促進した。その後に、試料
を生育媒地(ミュラー・ヒントン・ブロス、ディフコ)
中に移し、そして37℃において静かに振盪しながらイ
ンキュベートした。24、48および72時間後に、生
存バクテリア細胞の付着性を超音波検定を用いて測定し
た。このためには、カテーテル試料をPBS中で洗浄
し、10mlの殺菌性PBSの中に移し、そして次に2
0MHz(ブランソン・ソニフィアー、米国)の超音波
場に90秒間さらした。付着しているバクテリア細胞の
分離後に、生存バクテリアの数をコロニー数により測定
した。(超音波工程はバクテリアの生存性に効果を有し
ていなかった。これは、既知数のスタフィロコッカス・
エピデルミディス細胞を検定でカテーテルからの細胞の
分離用に使用された超音波場にさらした実験で示され
た。超音波処理の前後に生存細胞数には差異がなかっ
た。)テイコプラニン水溶液(c=0mg/ml)中で
24時間にわたりインキュベートされたヒドロカト(商
標)カテーテルを用いて行われたバクテリア付着性検定
は、初期付着性(バクテリアのPBS中懸濁液中での3
時間のインキュベート後)はテイコプラニン堆積カテー
テルにより妨害されなかったことを示した。しかしなが
ら、24および48時間後には、テイコプラニン堆積カ
テーテルはバクテリア付着性において1cmのカテーテ
ル当たり10CFU以下の生存バクテリア値への顕著な
減少を示し、7時間後にバクテリア付着性が再び増加し
た。堆積されていない対照カテーテルの研究は、この場
合にはバクテリア付着性においては減少がなく、それは
約3×103CFU/cmの初期値から24および48
時間後に2.5×104CFU/cmの程度の値に上昇し
た。
【0099】リポダルバヘプチド堆積カテーテルの試験
管内効果は動的システム中でも試験された。この目的用
に灌流モデルが開発された。この実験では、堆積された
および堆積されていないカテーテル(長さが10cm)
を30分間にわたりバクテリア懸濁液(表皮葡萄球菌K
H6、9×106CFU/ml)の中でインキュベート
して、カテーテルの初期「感染」を生じさせた。初期付
着性を別のカテーテルを使用する上記の超音波検定で測
定した。堆積されたおよび堆積されていない「感染され
た」カテーテルを次に一連のガラス管の中に入れ、それ
をプラスチック管の一端に連結させた。蠕動ポンプを用
いて、ブロス(脳心臓注入ブロス、BHI、オキソイ
ド)をポンプでガラス管を通してそしてにカテーテル表
面に沿って7ml/時で送った。ガラス管中の通過後
に、ブロスを集めそしてコロニー数を規則的間隔で測定
した。全実験中、デバイスを温度が37℃に一定に保た
れている室の中に保った。
【0100】堆積されていないカテーテルの場合には、
ブロス中で6×103CFU/mlからそれぞれ24お
よび70時間後の106および108の値へのコロニー数
の顕著な増加があった。それとは対照的に、テイコプラ
ニンが堆積されたカテーテル中を通ったブロス中のコロ
ニー数は2.4×103CFU/mlから5時間後に10
CFU/ml以下の値に減少した。4時間までに関して
は、コロニー数は10CFU/ml以下のままであり、
そして48時間後でさえもコロニー数は対照中の約10
8CFU/mlと比べて約400CFU/mlであっ
た。70時間後でのみ、コロニー数は対照のものと同様
な値に増加した。
【0101】さらに、実験用に使用されたカテーテル上
のバクテリア付着性は超音波検定を用いる別の実験で3
0分後並びに24、48、および72時間後にも測定さ
れた。ブロス中のコロニー数の結果に対応して、堆積さ
れたカテーテル上の付着生存バクテリア数は30分後の
5×103CFU/cmカテーテルから24時間後の1
0CFU/ml以下の値および48時間後の50CFU
/cmの値に減少した。72時間後には、バクテリア付
着性は対照のものと同様であった。これらの結果はBH
Iブロス中のテイコプラニンの放出と良く相互関連して
いる。
【0102】上記の試験管内実験試験は、本発明のリポ
ダルバヘプチド堆積カテーテルがスタフィロコッカスで
のバクテリアコロニー形成に対して顕著な耐性を示して
いることを確認した。この効果は少なくとも48時間に
わたり持続し、周囲媒体中の媒体も少なくとも48時間
にわたり排除された。堆積されたカテーテル(20mg
/mlの濃度で堆積されている、インキュベート時間2
4時間)の計算された合計放出は5日間で30cm長さ
のカテーテルからでは約10mgのテイコプラニンとな
るであろう。これは一般的な抗生物質治療中に与えられ
るであろう投与量よりはるかに少ないものである。さら
に、60−70時間までに放出されたテイコプラニンの
量は流入液体中で10μg/mlの濃度を与え、それは
ほとんどの葡萄球菌性菌株および他のグラム−陽性バク
テリアのMIC−値より上である(29)。
【0103】リポダルバヘプチド堆積された中枢静脈カ
テーテルの生体内効果は動物実験で確認された。上記の
実験用に使用された方法は、G.D.クリステンセン(Chr
istensen)他により記されているハツカネズミ中の葡萄
球菌の外来物感染のモデルの変法であった(30)。
【0104】ヒドロカト(商標)カテーテルの部分(1
cm)を、0.5mlの40mg/mlのテイコプラニ
ンの殺菌性蒸留水中溶液を含有している殺菌性の1.5
mlエッペンドルフ管の中に入れた。30分後にカテー
テルを取り出し、5mlの燐酸緩衝溶液(PBS)で3
回洗浄し、殺菌性ガーゼの上に置き、そして薄片状流フ
ードの中で室温において自然乾燥した。カテーテルを冷
蔵庫中で殺菌性ペトリ皿中に貯蔵しそして2日間以内に
製造用に使用した。
【0105】体重が28−30gの雄および雌のCD−
1マウス(チャールズ・リバー)に1mg/kgのフェ
ンタニル基質および5mg/kgのジアゼパムの組み合
わせを用いて麻酔をかけた。それぞれのハツカネズミの
背中を電気クリッパーで剥ぎ、そして1cm長さのカテ
ーテルを小メス切開により皮下挿入した。1群の動物に
は堆積されていないカテーテルを受容させそして他の群
にはテイコプラニン堆積カテーテルを受容させた。スタ
フィロコッカス・アウレウスL1162またはスタフィ
ロコッカス・エピデルミディスKH6のバクテリア懸濁
液(0.1ml)を、全てのカテーテル部分近くに、そ
れらの挿入直後に皮下注射した。バクテリア懸濁液は血
液寒天板の上で一夜成長させたバクテリアを使用してB
BLトリプチカーゼ大豆ブロス中で製造された。懸濁液
はスタフィロコッカス・アウレウスに関しては2×10
8CFU/ml、そしてスタフィロコッカス・エピデル
ミディスに関しては109CFU/mlに調節された。
【0106】感染から24および48時間後に、各群か
らの10匹の動物を死亡させ、そしてカテーテルを殺菌
的に除去した。各カテーテルを5mlのPBSの中に入
れ、5mlのPBSで3回洗浄し、そして2mlのPB
Sを含有しているガラス管の中に入れた。付着バクテリ
アをカテーテルから上記の如き音波処理により除去し
た。バクテリアをPBS中で希釈し、2個の0.1ml
試料の適当な希釈物をディフコ・トッド−ヒューイット
寒天板の上に置いて生存バクテリア数を測定した。
【0107】表1および2は、スタフィロコッカス・ア
ウレウスL1162およびスタフィロコッカス・エピデ
ルミディスKH6でのコロニー形成の防止におけるカテ
ーテルのテイコプラニン堆積の生体内効果に関する実験
の結果を報告している。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】上記の実験の結果は、カテーテルのテイコ
プラニンコーテイングはスタフィロコッカス・アウレウ
スおよびスタフィロコッカス・エピデルミディスによる
カテーテルのコロニー形成を予防できることを示してい
る。特に興味があることは、スタフィロコッカス・アウ
レウスの研究ではテイコプラニンコーテイングは未コー
テイングカテーテルの周りで観察された膿瘍生成も予防
したという発見であった。
【0111】
【実施例】
実施例1 化合物RA−A−1(MDL63246)の
製造段階A: Yが−COOCH3であり、Xが−OHであ
り、R1が−Hであり、R2がA40926複合体の因子
に相当する(C9−C12)アルキルでありそしてMがα−
D−マンノピラノシルである、式(I)の化合物の製造 欧州特許出願公開第177882号明細書に従い得られ
る抗生物質A40926複合体(150mg、0.08
66ミリモル)をメタノール(30ml)中に溶解さ
せ、そして濃硫酸を用いてpHを2に調節した。混合物
を室温で26時間撹拌した。0.15mlのトリエチル
アミン(TEA)を用いてpHを6にした時に、沈澱が
出現した。ジエチルエーテルの添加後に、沈澱を集め、
ジエチルエーテルで充分洗浄し、そして乾燥した。収
量:150mg(99%)のこの化合物。
【0112】段階B: Yが−CH2OHであり、Xが
−OHであり、R1が−Hであり、R2がA40926複
合体の因子に相当する(C9−C12)アルキルでありそし
てMがα−D−マンノピラノシルでありそしてZが−H
である、式(I)の化合物の製造 1.8gの上記段階Aに従い製造された化合物および1
gの炭酸水素ナトリウムの50mlのジオキサン/水1
/1溶液中の撹拌されている溶液に、0.25gの二炭
酸ジ−ターシャリー−ブチルの5mlのジオキサン中溶
液を5℃において15分間以内に滴々添加した。室温に
おける1時間後に、反応混合物を1NHClを用いてp
H4に調節した。その後に、150mlの水を加え、そ
して生成した沈澱をn−ブタノール(2×100ml)
で抽出した。有機層を分離し、100mlの水で洗浄
し、そして次にそれを40℃において減圧下で濃縮して
少量(約25ml)とした。ジエチルエーテル(100
ml)を加えることにより沈澱した固体を集め、そして
真空中で室温において一夜乾燥して、1.6gの段階A
の化合物のN15−t.ブトキシカルボニル誘導体を生成
し、それはその後の反応用に充分なほどの純度であっ
た。
【0113】0.9gの上記反応に従い製造された化合
物の50mlの水、30mlのn−ブタノール/ジエチ
ルエーテル1/1混合物中の撹拌されている懸濁液に、
次に0.9gの水素化ホウ素ナトリウムを加えた。還元
剤を30分で室温において一部分ずつ加え、次に反応混
合物を室温で1時間撹拌した。その後に、それを5℃に
冷却し、そして1.5mlの氷酢酸を加え、続いて50
mlの水を加えた。生成した混合物をn−ブタノール
(100ml)で抽出し、そして有機層を上記の如く処
理して、0.8gの標記化合物のN15−t.ブトキシカル
ボニル誘導体を与えた。
【0114】0.5gのこの化合物の5mlの乾燥トリ
フルオロ酢酸(TFA)中溶液を室温で1分間にわたり
(または0−5℃において20−30分間にわたり)撹
拌し、そして次に10mlのメタノール/ジエチルエー
テル1/4混合物の中に0−5℃において注いだ。沈澱
した化合物を濾過により集め、ジエチルエーテルを用い
る洗浄および室温における真空中での一夜の乾燥後に、
0.35gの標記生成物を生成した。
【0115】段階C: Yが−CH2OHであり、Xが
−NH−(CH2)3−N(CH3)2であり、R1が−Hであ
り、R2がA40926複合体の因子に相当する(C9
12)アルキルでありそしてMがα−D−マンノピラノ
シルである、式(I)の化合物(RA−A−1)の製造 50g(約27ミリモル)の上記段階Bに従い製造され
た化合物の200mlのDMF中の撹拌されている溶液
に室温において、11ml(約90ミリモル)の3,3
(N,N−ジメチルアミノ)−1−プロピルアミンおよび
18g(約35ミリモル)のPyBOPを加えた。15
分間の撹拌後に、1リットルの酢酸エチルを加え、そし
て沈澱した固体(約63g)を集めそして逆相カラムク
ロマトグラフィーにより(純粋な個別因子を含有してい
る全ての画分を一緒にすることにより)精製して、25
gの化合物RA−A−1を製造した。
【0116】参考文献 1.ベンダー(Bender) JM、フーヘス(Hughes) WT、骨髄
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ズ(Peters) G、プウヴェレル(Pulverer) G、バクテリア
のコロニー形成を予防するためのヨウ素と複合体生成さ
れた中枢静脈カテーテル(セカロン−ヒロカト商標)の
試験管内効果(In vitro efficacy of a central venous
catheter (Secalon-HyrocathR) complexed with iodine
to prevent bacterialcolonization)、J Antimicrob C
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抗生物質結合による減じられた静脈内カテーテル感染症
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【0133】18.カヴァレリ(Cavalleri) B、パレンチ
(Parenti) F、カーク−オツマーの化学技術百科事典(Ke
ik-Otmer's Encyclopedia of Chemical Technology)、
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【0134】19.バルナ(Barna) JCJ、ウィリアムス(W
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【0135】20.ボルギ(Borghi) A、コロネリ(Corone
lli) C、ファニウロ(Faniulo) L、アリエヴィ(Allievi)
G、パランザ(Pallanza) R、ガロ(Gallo) GG、テイコマ
イシン類、アクチノプラネス・テイコマイセチクス no
v. sp. IV.からの新規な抗生物質。
【0136】テイコマイシン(テイコプラニン)の成分
類の分離および同定(Teichomycins,new antibiotics fr
om Actinoplanes teichomyceticus nov. sp. IV. Separ
ation and characterization of the components of te
ichomycin (teicoplnin))、J. Antibiot.1984;3
7:615−626。
【0137】21.ボルギ(Borghi) A、アントニニ(Anto
nini) P、ザノル(Zanol) M、フェラリ(Ferrari) P、ゼ
リリ(Zerilli) LF、ランシニ(Lancini) GC、2種の新規
なテイコプラニンの同族体類の単離および構造測定、グ
リコペプチド抗生物質(Isolation and structure deter
mination of two new analogs of teicoplanin, a glyc
opeptide antibiotic)、J. Antibiot.1989;42:
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【0138】22.欧州特許第218099号。
【0139】23.欧州特許出願公開第352538
号。
【0140】24.国際公開第WO90/11300
号。
【0141】25.国際公開第WO88/06600
号。
【0142】26.欧州特許出願公開第376042
号。
【0143】27.リヴァ(Riva) E、ザノル(Zanol) M、
セルヴァ(Selva) E、ボルギ(Borghi)A、テイコプラニン
およびA40926のカラム精製およびHPLC測定(C
olumnPurification and HPLC Determination of Teicop
lanin and A 40926)、Chromatographia,24、198
7、295−301。
【0144】28.ゼリリ(Zerilli) LF、エドワーズ(Ed
wards) DMF、ボルギ(Borghi) A、ガロ(Gallo) GG、セル
ヴァ(Selva) E、デナロ(Denaro) M、ランシニ(Lancini)
GC、抗生物質複合体A40926のアシル成分類の測
定および生産菌株の膜脂質類とのそれらの関係。質量分
光計における急速伝達(Determination of the Acyl Moi
eties of the Antibiotic Complex A 40926 and their
Relation with the Membrane Lipids of the Producer
Strain. Rapid Communications in Mass Spectrometr
y)、1992、6巻、109−114。
【0145】29.グリーン(Green) D、テイコプラニン
の微生物学的性質(Microbiological Properties of Tei
coplanin)、J. Antimicrob Chemother.1988;21
(補A):1−13。
【0146】30.クリステンセン(Christensen) GD、
シンプソン(Simpson) WA、ビスノ(Bisno) AL、ビーチェ
イ(Beachey) EH、スライム産生スタフィロコッカス・エ
ピデルミディスに攻撃されたハツカネズミ中の実験的異
質物体感染(Experimental Foreign Body Infections in
Mice Challenged with Slime-Producing Staphylococu
s epidermidis)、Infection and Immunity.1983、
407−410。
【0147】31.パレンチ(Parenti) F、カヴァリリ(C
avalleri) B、ダルバヘプチド類としてのグリコペプチ
ド類様ヴァンコマイシン−リストセチンを命名するため
の提唱(Proposal to name the Vancomycin-Ristocetin
like Glycopeptides as Dalbaheptides)、J. Antibiot.
1989;42:1800−1816。
【0148】本発明の主なる特徴および態様は以下のと
おりである。
【0149】1.リポダルバヘプチド抗生物質が堆積さ
れた表面上に薄い親水性層を有する中枢静脈ポリウレタ
ンカテーテル。
【0150】2.カテーテルが吸着されているリポダル
バヘプチド抗生物質を患者中への挿入後に体液と接触し
ている表面領域からカテーテルのバクテリアのコロニー
形成を抑制するのに充分な濃度で放出させることにより
さらに特徴づけられている、上記1の中枢静脈カテーテ
ル。
【0151】3.それによりバクテリアのコロニー形成
が患者中へのカテーテルの挿入から少なくとも48時間
の期間にわたり抑制される、上記2のカテーテル。
【0152】4.薄い親水性層が本質的にポリ−N−ビ
ニルピロリドン−ポリウレタン共重合体からなってい
る、上記1−3のいずれかのカテーテル。
【0153】5.親水性層が約200μmの厚さを有し
ている、上記4のカテーテル。
【0154】6.上部に堆積されたリポダルバヘプチド
抗生物質の量が300μg/cmを越える、上記1−5
のいずれかのカテーテル。
【0155】7.リポダルバヘプチド抗生物質が、テイ
コプラニン、それのC−63アミド誘導体類、それのC
−63ペプチド誘導体類、34−デアセチルグルコサミ
ニル−34−デオキシ−テイコプラニンのC−63アミ
ド誘導体類、A40926、位置6Bにおけるカルボキ
シル基が(C1−C4)カルバルコキシまたはヒドロキシメ
チル基に転換されておりそして位置63におけるカルボ
キシル基がカルボキサミド基に転換されているような位
置6BおよびC−63におけるそれの誘導体類、から選
択される、上記1−6のいずれかのカテーテル。
【0156】8.リポダルバヘプチド抗生物質が、テイ
コプラニン、テイコプラニンのC−63アミドと3−
(N,N−ジメチルアミノ)−1−プロピルアミン、A4
0926、式(I)
【0157】
【化3】
【0158】[式中、R1は水素であり、Xは3−(N,
N−ジメチルアミノ)−プロピルアミノであり、Yはヒ
ドロキシメチルであり、R2は(C9−C12)アルキルを表
しそしてMはα−D−マンノピラノシルを表す]のA4
0926の誘導体類、から選択される、上記7のカテー
テル。
【0159】9.薄い親水性フィルムでコーテイングさ
れたポリウレタンカテーテルを選択されたリポダルバヘ
プチド抗生物質の水溶液中に、2−50mg/mlに、
好適には5−40mg/mlに、変動する濃度におい
て、10℃−60℃の間の、好適には20−40℃の間
の、温度において、5分間−48時間に、好適には10
分間−24時間に、変動する期間にわたり、インキュベ
ートすることを特徴とする、上記1のカテーテルの製造
方法。
【0160】10.患者中への中枢静脈カテーテルの挿
入に関連するバクテリア性感染症の進行を予防するため
の中枢静脈ポリウレタンカテーテルの堆積用へのリポダ
ルバヘプチド抗生物質の使用。
【0161】11.抗生物質が、テイコプラニン、それ
のC−63アミド誘導体類、それのC−63ペプチド誘
導体類、34−デアセチルグルコサミニル−34−デオ
キシ−テイコプラニンのC−63アミド誘導体類、A4
0926、位置6Bにおけるカルボキシ基が(C1−C4)
カルボアルコキシまたはヒドロキシメチル基に転換され
ておりそして位置63におけるカルボキシル基がカルボ
キサミド基に転換されているような位置6BおよびC−
63におけるそれの誘導体類、から選択される、上記1
0の使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベス・ピー・ゴールドスタイン イタリア・20121ミラノ・コルソガリバ ルデイ46 (72)発明者 ガブリエラ・ロマノ イタリア・ミラノ・20025レグナノ・ビ アエイベスプツチ31 (56)参考文献 特開 平2−17071(JP,A) 特表 平2−504003(JP,A) 特表 昭59−501776(JP,A) 国際公開92/00747(WO,A1) 国際公開89/09627(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 29/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リポダルバヘプチド抗生物質が堆積され
    た表面上に薄い親水層を有する中枢静脈ポリウレタンカ
    テーテルであって、 該親水性層が本質的にポリ−N−ビニルピロリドン−ポ
    リウレタン共重合体からなっており、そして リポダルバヘプチド抗生物質が、テイコプラニン、それ
    のC−63アミド誘導体、それのC−63ペプチド誘導
    体;34−デアセチルグルコサミニル−34−デオキシ
    −テイコプラニンのC−63アミド誘導体;ならびにA
    40926、位置6 B におけるカルボキシル基が(C 1
    4 )カルバルコキシまたはヒドロキシメチル基に転換さ
    れておりそして位置63におけるカルボキシル基がカル
    ボキサミド基に転換されているような位置6 B およびC
    −63におけるA40926の誘導体から選択される、
    カテーテル。
  2. 【請求項2】 薄い親水性フィルムでコーテイングされ
    たポリウレタンカテーテルを選択されたリポダルバヘプ
    チド抗生物質の水溶液中に、2−50mg/mlの変
    する濃度において、10℃−60℃の間の温度におい
    て、5分間−48時間の変動する期間にわたり、インキ
    ュベートすることを特徴とする、請求項1に記載のカテ
    ーテルの製造方法。
JP25774393A 1992-09-26 1993-09-21 カテーテル関連感染症の進行予防性リポダルバヘプチド抗生物質堆積中枢静脈カテーテル Expired - Lifetime JP3469617B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

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EP92202967 1992-09-26
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