JP4932136B2 - 抗菌性カチオン性ペプチドおよびそれらの処方物 - Google Patents

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Description

(発明の分野)
本発明は、概して、感染性疾患の処置に関し、そしてより詳細には、治療用途のために処方された抗菌性カチオン性ペプチドを含む組成物に関する。
(関連分野の説明)
今世紀の間、現代社会は、例えば、ワクチンの使用、薬物(例えば、抗生物質)の使用および厳しい公衆衛生測定の使用によって感染性疾患の制御に成功してきた。これらの利点は、感染性疾患の原因となる因子(これらの因子は、細菌、真菌、原生生物、およびウイルスを含む)を首尾よく同定することによって対応されてきた。従って、健康な宿主の免疫応答は別として、抗生物質治療レジメンは、現在、開発国において、最も感染性の疾患を処置するための主要な処置単位を示す。対照的に、感染性疾患は、適切な公衆衛生の欠如および結果として生じる乏しい衛生、ならびに免疫無防備状態の個体に起因して、開発国にとって重大な懸念のままである。しかし、抗生物質の使用が広がったことに起因して、1つ以上の抗生物質に対する薬物耐性が、以前処置可能であった多くの感染性疾患(例えば、Staphylococcal感染)を制御することについて、世界中でますます共通な問題になってきている。従って、薬物耐性微生物が原因の感染は難治性性質なので、院内感染(すなわち、病院内で発生する感染)および医療装置への内在に関連する感染の処置は、より困難になっており、これは、重大な世界中の臨床的懸念である。
種々の生理学的機能の実行を補助するための多様な人工デバイスは、カテーテルのように人体に短期間、挿入されるように開発されるか、または人工の心臓弁ように、永久的に挿入されるように開発されている;しかし、このデバイスと身体との間の接合点は、感染の傾向を増大させる新規の生物学的状態を作り出す。例えば、カテーテルに関連する感染は、混入物の複数の潜在的な供給源を有し得る。これらの混入物としては、直接注射される注入物(infusate)中の混入物、投与セットがカテーテルに接続するカテーテルハブの混入物、カテーテルにコロニーを作る遠く離れた局所的感染供給源から血液によって運ばれた混入物、またはカテーテルが挿入される時点もしくは挿入の数日後に、経皮的な外管腔的路(percutaneous tract extralumenally)に浸潤する皮膚起源の混入物が挙げられる。利用可能な証拠は、カテーテルに関連する菌血症の大部分が、挿入部位の皮膚性微生物叢に由来することを示している。血管内デバイス関連感染の病因における皮膚性微生物の重要性についての証拠と考えると、感染部位にコロニー形成を減少させるための手段は、保健医療産業において非常に重要である。
別の重要な臨床的指標は、院内感染であり、特に、院内感染肺炎および院内感染静脈洞炎である。混入した分泌物は、気管気管支樹に毎日、吸入され得、これは、肺炎を引き起こし得る。さらに、院内感染肺炎の危険性は、気管開口術が実行された後、そして気管内挿管の間に増大される。静脈洞炎は、おそらく、遠位気道への混入された洞性流体(sinovial fluid)の吸入に起因して、院内感染肺炎の増大した危険性に関連することが見出されている。静脈洞炎は、代表的に、機械的人工呼吸患者を設定する病院において発生する。挿管患者の静脈洞炎に対して推奨される処置としては、管の除去または全身的な抗生物質が挙げられる。しかし、再度、抗生物質耐性生物が増加すると、(予防的であるか治療的である)後期処置はあまり効果的ではなくなる。
なお別の臨床的指標は、生命を危うくするものではないが、青年期および早期成年期に最も一般的な皮膚疾患、尋常性挫瘡(すなわち一般的に挫瘡と称される)である。心理学的な効果(例えば、不安、うつ状態および社会からの離脱(withdrawal))に加えて、研究はまた、尋常性挫瘡が患者の生活の質に直接的かつ重大に影響し得ることを示す。抗生物質剤は、数十年にわたって挫瘡の処置のために広く使用されてきた;しかし、挫瘡を処置するための抗生物質の使用に、薬物耐性微生物が必然的に出現するという懸念が増大してきた。
薬物耐性微生物が増大するというこれまでの問題を説明するために、研究により、抗菌性ペプチドのような抗生物質の新規の種類を調べた。抗菌性ペプチドは、進化的に多様な種(例えば、原核生物、植物、昆虫、および哺乳動物を含む)において見出されている。抗菌性ペプチドは、アニオン性であり得るが、最も公知の抗菌性ペプチドはカチオン性である。抗菌性カチオン性ペプチドの複数のファミリーは公知であり、これらのペプチドは、広範な構造的モチーフを有し、さらにこれらのカチオン性ペプチドは、類似の物理化学的特性を有する。例えば、最も公知な抗菌性カチオン性ペプチドは、中性のpHでカチオン性であり、一般的に10kDa未満であり、そして疎水性側鎖が領域化されるような溶液において両親媒性「側(sided)」である。多くの抗菌性カチオン性ペプチドが公知であり、これらとしては、例えば、デフェンシン、セクロピン(cecropin)、メリチン、マゲイニン、インドリシジン(indolicidin)およびプロテグリン(protegrin)が挙げられる。カチオン性ペプチドの利点は、標的細胞を迅速に殺傷する能力、広範な抗菌力スペクトラム(spectrum of activity)、およびより重大な抗生物質耐性および臨床的に関連する病原のいくつかに対する活性である。最も重要なことに、抗菌ペプチド耐性微生物は、インビトロで選択することが、相対的に困難である。しかし、いくつかの抗菌ペプチドは、毒性(例えば、ハチ毒、スズメバチの毒、およびサソリ毒)が見出されており、いくつかは、(高い一価のカチオン濃度および二価のカチオン濃度、ポリアニオン、血清、アポリポタンパク質A−1、セルピン、およびプロテアーゼのような因子に起因して、(しかし、多くのペプチドはこれらの因子によって影響されない))インビボで減少した活性を有することが見出されており、そしていくつかは、慣習的な抗生物質ほど強力ではないことが見出されている。
それ故、最適な治療用途のためのこのようなペプチドおよびそれらの誘導体を処方するために、そしてこれらのカチオン性ペプチドについての治療に有効な臨床レジメンを開発するために、改善された活性を有する(そして、いくつかの場合においては、減少した毒性を有する)改変抗菌性ペプチドまたは誘導体抗菌性ペプチドを同定する必要性が存在する。さらに、多様な臨床的指標において有用な処方物についての必要性が存在する。本発明は、このような必要性に対処し、そしてさらに他の関連する利点を提供する。
(発明の要旨)
本発明は、抗菌性カチオン性ペプチド、特に、インドリシジンペプチドおよびそのアナログまたは誘導体、ならびに多様な治療セッティング(例えば、外来性の物体に関連する感染性疾患、原発感染部位または第一の疾患状態から発生する二次感染の処置または予防のような)において使用するためのこのようなペプチドの処方物を提供する。
1つの局面において、本発明は、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤および溶媒を含む組成物を提供する。特定の実施形態において、本発明の溶媒は、水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、またはメタノールである。特定の他の実施形態において、この溶媒は、約0.1%〜約20%または約9%〜約11%の範囲の濃度のグリセリンである。さらに他の実施形態において、この溶媒は、約0.1%〜約20%または約9%〜約11%の範囲の濃度のグリコールである。なお他の実施形態において、この溶媒は、水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、またはメタノールの少なくとも1つを含む。さらに他の実施形態において、この溶媒は、99%までの濃度の水、20%までの濃度のグリセリン、20%までの濃度のプロピレングリコール、99%までの濃度のエタノール、および99%までの濃度のメタノールの少なくとも1つを含む。
特定の実施形態において、増粘剤は、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。別の実施形態において、増粘剤は、約0.5%〜約5%または約1%〜約3%の範囲の濃度のヒドロキシエチルセルロースである。別の実施形態において、この増粘剤は、約1%〜約3%の範囲の濃度のヒドロキシプロピルメチルセルロースである。他の実施形態において、この増粘剤は、約0.1%〜約5%または約0.5%〜約1%の範囲の濃度のデキストランである。特定の他の実施形態において、この増粘剤は、ヒドロキシエチルセルロースであり、この組成物はさらに、デキストラン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースの第二の増粘剤を含む。1つの実施形態において、この第二の増粘剤は、ポリビニルピロリドンである。関連する実施形態において、ポリビニルピロリドンは、約0.1%〜約5% または約0.5%〜約1%の範囲の濃度である。別の実施形態において、この第二の増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。関連する実施形態において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、約1%〜約3%の範囲の濃度である。特定の他の実施形態において、この増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、この組成物はさらに、デキストラン、または約0.1%〜約5%もしくは約0.5%〜約1%の範囲の濃度のデキストランの第二の増粘剤を含む。さらに他の実施形態において、この増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、この組成物はさらに、ポリビニルピロリドン、または約0.1%〜約5%もしくは約0.5%〜約1%の範囲の濃度のポリビニルピロリドンの第二の増粘剤を含む。特定の実施形態において、第一の増粘剤は、約3%までの濃度のヒドロキシエチルセルロースを含み、そして第二の増粘剤は、約3%までの濃度のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
別の実施形態において、本発明は、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤および溶媒を含む組成物を提供し、これはさらに、緩衝剤を含む。特定の実施形態において、この緩衝剤は、約1mM〜約200mMの範囲の濃度である。他の実施形態において、緩衝剤は、モノカルボキシレートまたはジカルボキシレートを含み得る。さらなる実施形態において、この緩衝剤は、アセテート、フマレート、ラクテート、マロネート、スクシネートまたはタートレートを含む。なお別の実施形態において、この組成物はさらに、約3〜約8の範囲のpHを有する緩衝剤を含む。
さらに他の実施形態において、任意の上記組成物はさらに、湿潤剤を含む。1つの実施形態において、湿潤剤はソルビトールまたはグリセロールである。さらなる実施形態において、任意の上記組成物はさらに、保存剤を含む。1つの実施形態において、この保存剤は、安息香酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、またはそれらの組み合わせを含む。本明細書中で使用される場合、あらゆる酸への言及は、遊離の酸、それらの塩またはエステルを含み得る。他の実施形態において、任意の上記組成物はさらに、湿潤剤および保存剤を含む。
特定の実施形態において、抗菌性カチオン性ペプチドは、上記組成物のいずれか1つにおいてインドリシジンまたはそれらのアナログもしくは誘導体である。他の実施形態において、カチオン性ペプチドは、上記組成物のいずれか1つにおいて、約0.01%〜約10%または約0.5%〜約1.5%の範囲の濃度である。さらに他の実施形態において、上記組成物のいずれか1つは、カチオン性ペプチド(35アミノ酸までのペプチドである)を有し、このカチオン性ペプチドは、以下の配列の1つを含む:11B7CN、11B32CN、11B36CN、11E3CN、11F4CN、11F5CN、11F12CN、11F17CN、11F50CN、11F56CN、11F63CN、11F64CN、11F66CN、11F67CN、11F68CN、11F93CN、11G27CN、11J02CN、11J02ACN、11J30CN、11J36CN、11J58CN、11J67CN、11J68CN、Nt−アクリロイル−11B7CN、Nt−グルコシル−11J36CN、またはNt−グルコシル−11J38CN。
別の局面において、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、溶媒、湿潤剤、および緩衝剤を含む組成物が提供される。1つの実施形態において、湿潤剤は、ソルビトールまたはグリセロールである。特定の実施形態において、緩衝剤は、約1mM〜約200mMの範囲の濃度である。他の実施形態において、この緩衝剤は、モノカルボキシレートまたはジカルボキシレートを含む。さらなる実施形態において、この緩衝剤は、アセテート、フマレート、ラクテート、マロネート、スクシネートまたはタートレートである。なお別の実施形態において、この組成物は、約3〜約8の範囲のpHを有する。別の実施形態において、この組成物はさらに、保存剤を含む。1つの実施形態において、この保存剤は、安息香酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、またはそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態において、この溶媒は、水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、またはメタノールである。特定の他の実施形態において、この溶媒は、約0.1%〜約20%または約9%〜約11%の範囲の濃度のグリセリンである。さらに他の実施形態において、この溶媒は、約0.1%〜約20%または約9%〜約11%の範囲の濃度のプロピレングリコールである。なお他の実施形態において、この溶媒は、水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、およびメタノールの少なくとも1つを含む。さらなる実施形態において、この溶媒は、99%までの濃度の水、20%までの濃度のグリセリン、20%までの濃度のプロピレングリコール、99%までの濃度のエタノール、および99%までの濃度のメタノールの少なくとも1つを含む。
特定の実施形態において、増粘剤は、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。別の実施形態において、この増粘剤は、約0.5%〜約5%または約1%〜約3%の範囲の濃度のヒドロキシエチルセルロースである。別の実施形態において、この増粘剤は、約1%〜約3%の範囲の濃度のヒドロキシプロピルメチルセルロースである。他の実施形態において、この増粘剤は、約0.1%〜約5%または約0.5%〜約1%の範囲の濃度のデキストランである。特定の他の実施形態において、この増粘剤は、ヒドロキシエチルセルロースであり、この組成物はさらに、デキストラン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースの第二の増粘剤を含む。1つの実施形態において、この第二の増粘剤は、ポリビニルピロリドンである。関連する実施形態において、ポリビニルピロリドンは、約0.1%〜約5%または約0.5%〜約1%の範囲の濃度である。別の実施形態において、第二の増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。関連する実施形態において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、約1%〜約3%の範囲の濃度である。特定の他の実施形態において、この増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、この組成物はさらに、デキストラン、または約0.1%〜約5%もしくは約0.5%〜約1%の範囲の濃度のデキストランの第二の増粘剤を含む。さらに他の実施形態において、この増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、この組成物はさらに、ポリビニルピロリドン、または約0.1%〜約5%もしくは約0.5%〜約1%の範囲の濃度のポリビニルピロリドンの第二の増粘剤を含む。
特定の実施形態において、抗菌性カチオン性ペプチドは、上記組成物のいずれか1つにおいてインドリシジンまたはそのアナログもしくは誘導体である。他の実施形態において、カチオン性ペプチドは、上記組成物のいずれか1つにおいて、約0.01%〜約10%または約0.5%〜約1.5%の範囲の濃度である。さらに他の実施形態において、以下の配列カチオン性ペプチドは、35アミノ酸までのペプチドであり、このカチオン性ペプチドは、上記組成物のいずれか1つにおいて、以下の配列の1つを含む:11B7CN、11B32CN、11B36CN、11E3CN、11F4CN、11F5CN、11F12CN、11F17CN、11F50CN、11F56CN、11F63CN、11F64CN 11F66CN、11F67CN、11F68CN、11F93CN、11G27CN、11J02CN、11J02ACN、11J30CN、11J36CN、11J58CN、11J67CN、11J68CN、Nt−アクリロイル−11B7CN、Nt−グルコシル−11J36CN、またはNt−グルコシル−11J38CN。
さらに別の局面において、本発明は、抗菌性カチオン性ペプチド、緩衝剤、および溶媒を含む組成物を提供する。他の実施形態において、この組成物は、湿潤剤をさらに含む。1つの実施形態において、湿潤剤は、ソルビトールまたはグリセロールである。別の実施形態において、この組成物はさらに、保存剤を含む。1つの実施形態において、保存剤は、安息香酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、またはそれらの組合せを含む。なお他の実施形態において、この組成物はさらに、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースの増粘剤を含む。別の実施形態において、この増粘剤は、約1%〜約3%の範囲の濃度のヒドロキシエチルセルロースである。別の実施形態において、この増粘剤は、約1%〜約3%の範囲の濃度のヒドロキシプロピルメチルセルロースである。特定の他の実施形態において、この増粘剤は、ヒドロキシエチルセルロースであり、この組成物はさらに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの第二の増粘剤を含む。別の実施形態において、増粘剤は、約3%までの濃度のヒドロキシエチルセルロースであり、そして第二の増粘剤は、約3%までの濃度のヒドロキシプロピルメチルセルロースである。さらなる実施形態において、この組成物はさらに、レチノイド、ビタミンD3、またはコルチコステロイド、およびそれらのアナログもしくは誘導体の挫瘡医薬を含む。
特定の実施形態において、溶媒は、水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、またはメタノールである。特定の実施形態において、この溶媒は、約9%〜約11%の範囲の濃度のグリセリンである。別の実施形態において、この溶媒は、約9%〜約11%の範囲の濃度のプロピレングリコールである。なお他の実施形態において、この溶媒は、水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、またはメタノールの少なくとも1つを含む。さらに他の実施形態において、この溶媒は、99%までの濃度の水、20%までの濃度のグリセリン、20%までの濃度のプロピレングリコール、99%までの濃度のエタノール、および99%までの濃度のメタノールの少なくとも1つを含む。
特定の実施形態において、緩衝剤は、モノカルボキシレートまたはジカルボキシレートを含む。他の実施形態において、この緩衝剤は、アセテート、フマレート、ラクテート、マロネート、スクシネートまたはタートレートである。なお別の実施形態において、この組成物はさらに、約3〜約8の範囲のpHを有する。さらなる実施形態において、緩衝剤は、約1mM〜約200mMまたは約4mM〜約6mMの範囲の濃度である。
特定の実施形態において、抗菌性カチオン性ペプチドは、上記組成物のいずれか1つにおいてインドリシジンまたはそのアナログもしくは誘導体である。他の実施形態において、カチオン性ペプチドは、上記組成物のいずれか1つにおいて、約0.01%〜約10%または約0.5%〜約1.5%の範囲の濃度である。なお他の実施形態において、カチオン性ペプチドは、35アミノ酸までのペプチドであり、このカチオン性ペプチドは、上記組成物のいずれか1つにおいて、以下の配列の1つを含む:11B7CN、11B32CN、11B36CN、11E3CN、11F4CN、11F5CN、11F12CN、11F17CN、11F50CN、11F56CN、11F63CN、11F64CN、11F66CN、11F67CN、11F68CN、11F93CN、11G27CN、11J02CN、11J02ACN、11J30CN、11J36CN、11J58CN、11J67CN、11J68CN、Nt−アクリロイル−11B7CN、Nt−グルコシル−11J36CN、またはNt−グルコシル−11J38CN。
なお別の局面において、本発明は、約0.01%〜約10%の範囲の濃度の抗菌性カチオン性ペプチド;デキストラン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースの増粘剤;および水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、またはメタノールの溶媒を含み;約3〜約8の範囲のpHである組成物を提供する。特定の実施形態において、この組成物は、約1%〜約2%の範囲の濃度のヒドロキシエチルセルロースを含む。他の実施形態において、この組成物は、約9%〜約11%の範囲の濃度のグリセリンを含む。別の実施形態において、この組成物はさらに、緩衝剤を含む。1つの実施形態において、この組成物はさらに、約3.5〜約7の範囲のpHを有する緩衝剤を含む。他の実施形態において、この緩衝剤は、モノカルボキシレートまたはジカルボキシレートを含む。なお他の実施形態において、この緩衝剤は、アセテート、フマレート、ラクテート、マロネート、スクシネートまたはタートレートである。特定の他の実施形態において、この緩衝剤は、約1mM〜約200mMまたは約4mM〜約6mMの範囲の濃度である。別の実施形態において、この組成物はさらに、保存剤を含む。1つの実施形態において、この保存剤は、安息香酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、またはそれらの組み合わせを含む。
特定の実施形態において、この抗菌性カチオン性ペプチドは、上記の組成物の任意の1つにおいて、インドリシジン(indolicidin)またはそのアナログもしくは誘導体である。他の実施形態において、このカチオン性ペプチドは、35アミノ酸までのペプチドであり、上記の組成物の任意の1つにおいて、以下の配列のうち1つを含む:11B7CN、11B32CN、11B36CN、11E3CN、11F4CN、11F5CN、11F12CN、11F17CN、11F50CN、11F56CN、11F63CN、11F64CN、11F66CN、11F67CN、11F68CN、11F93CN、11G27CN、11J02CN、11J02ACN、11J30CN、11J36CN、11J58CN、11J67CN、11J68CN、Nt−アクリロイル−11B7CN、Nt−グルコシル−11J36CNまたはNt−グルコシル−11J38CN。
さらなる局面において、本発明は、以下を含む組成物を提供する:(a)抗菌性カチオン性ペプチドであって、このカチオン性ペプチドは、35アミノ酸までのペプチドであって、以下のうち1つを含む:11B7CN、11B32CN、11B36CN、11E3CN、11F4CN、11F5CN、11F12CN、11F17CN、11F50CN、11F56CN、11F63CN、11F64CN、11F66CN、11F67CN、11F68CN、11F93CN、11G27CN、11J02CN、11J02ACN、11J30CN、11J36CN、11J58CN、11J67CN、11J68CN、Nt−アクリロイル−11B7CN、Nt−グルコシル−11J36CNまたはNt−グルコシル−11J38CN;(b)増粘剤であって、この増粘剤は、約1.2%〜約1.8%の濃度のヒドロキシエチルセルロースである;(c)緩衝剤であって、この緩衝剤は、約4mM〜約6mMの範囲の濃度のラクテートである;(d)溶媒であって、この溶媒は、約9%〜約11%の範囲の濃度のグリセリンおよび約85%〜約90%の範囲の濃度の水を含む;ならびに(e)約3.5〜約7の範囲のpH。特定の実施形態において、このカチオン性ペプチドは、約0.8〜約1.2%の範囲の濃度である。なお他の実施形態において、標的部位において微生物叢を減少する方法または感染を処置もしくは予防する方法が提供され、この標的部位は、皮膚であり得、この皮膚は、さらに、挫瘡を含み得る。別の実施形態において、この組成物は、炎症(例えば、挫瘡に関連する(または移植された医療用デバイスもしくは内在する医療用デバイスに関連する)炎症)を処置または予防または緩和するために標的部位に対して適用され得る。
本発明の別の局面は、以下を含む組成物である:(a)抗菌性カチオン性ペプチドであって、このカチオン性ペプチドは、35アミノ酸までのペプチドであり、以下のうち1つを含む:11B7CN、11B32CN、11B36CN、11E3CN、11F4CN、11F5CN、11F12CN、11F17CN、11F50CN、11F56CN、11F63CN、11F64CN、11F66CN、11F67CN、11F68CN、11F93CN、11G27CN、11J02CN、11J02ACN、11J30CN、11J36CN、11J58CN、11J67CN、11J68CN、Nt−アクリロイル−11B7CN、Nt−グルコシル−11J36CNまたはNt−グルコシル−11J38CN;(b)緩衝剤であって、この緩衝剤は、約4mM〜約6mMの範囲の濃度のラクテートである;(c)溶媒であって、この溶媒は、約45%〜約55%の範囲の濃度のエタノールおよび約44%〜約54%の範囲の濃度の水を含む;ならびに(d)約3.5〜約7の範囲のpH。特定の実施形態において、このカチオン性ペプチドは、約0.8%〜約1.2%の範囲の濃度である。他の実施形態において、この組成物は、挫瘡医薬(例えば、レチノイド、ビタミンD3またはコルチコステロイド)およびそのアナログまたは誘導体をさらに含み得る。なお別の実施形態において、標的部位において微生物叢を減少する方法または感染を処置もしくは予防する方法が提供され、この標的部位は、皮膚であり得、この皮膚は、さらに、挫瘡を含み得る。別の実施形態において、この組成物は、炎症(例えば、挫瘡に関連する(または移植された医療用デバイスもしくは内在する医療用デバイスに関連する)炎症)を処置または予防または緩和するために標的部位に対して適用され得る。
なお別の局面において、本発明は、以下を含む組成物を提供する:(a)抗菌性カチオン性ペプチドであって、このカチオン性ペプチドは、35アミノ酸までのペプチドであり、以下のうち1つを含む:11B7CN、11B32CN、11B36CN、11E3CN、11F4CN、11F5CN、11F12CN、11F17CN、11F50CN、11F56CN、11F63CN、11F64CN、11F66CN、11F67CN、11F68CN、11F93CN、11G27CN、11J02CN、11J02ACN、11J30CN、11J36CN、11J58CN、11J67CN、11J68CN、Nt−アクリロイル−11B7CN、Nt−グルコシル−11J36CNまたはNt−グルコシル−11J38CN;(b)増粘剤であって、この増粘剤は、約1.2%〜約1.8%の濃度のヒドロキシエチルセルロースである;(c)溶媒であって、この溶媒は、約9%〜約11%の範囲の濃度のエタノールおよび約85%〜約90%の範囲の濃度の水を含む;(d)保存剤であって、この保存剤は、約20mM〜約30mMの範囲の濃度の安息香酸である;ならびに(e)約3.5〜約4.7の範囲のpH。特定の実施形態において、このカチオン性ペプチドは、約0.8%〜約1.2%の範囲の濃度であるか、または約2.5%〜約3.5%の範囲の濃度である。なお別の実施形態において、標的部位において微生物叢を減少する方法または感染を処置もしくは予防する方法が提供され、この標的部位は、皮膚であり得、この皮膚は、さらに、挫瘡を含み得る。別の実施形態において、この組成物は、炎症(例えば、挫瘡に関連する(または移植された医療用デバイスもしくは内在する医療用デバイスに関連する)炎症)を処置または予防または緩和するために標的部位に対して適用され得る。
別の局面において、標的部位にて微生物叢を減少させるための方法が提供され、この方法は、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤および溶媒を含む組成物を、この標的部位に適用する工程を包含する。特定の実施形態において、この微生物叢は、原核生物、真核生物またはウイルスである。いくつかの実施形態において、この標的部位は、皮膚であり、他の実施形態において、この皮膚は、挫瘡をさらに含む。他の実施形態において、この標的部位は粘膜であり、そしてなお他の実施形態において、この粘膜はさらに、鼻腔を含む。1つの実施形態において、この鼻腔は、外鼻腔である。特定の他の実施形態において、この方法は、さらに、この組成物を適用する工程の前または後に、この標的部位において医療用デバイスを挿入する工程を包含する。なお別の実施形態において、この方法は、さらに、この標的部位においてこのデバイスを挿入する工程の前に、このデバイスにこの組成物を適用する工程を包含する。1つの実施形態において、このデバイスは、カテーテルを含み、そして別の実施形態は、中心静脈カテーテルである。特定の他の実施形態において、このカテーテルは、血管透析カテーテル、肺動脈カテーテル、腹膜透析カテーテルまたは臍帯カテーテルである。
さらなる局面において、本発明は、標的部位において感染を処置または予防するための方法を提供し、この方法は、カチオン性ペプチド、増粘剤および溶媒を含む組成物を、この標的部位に適用する工程を包含する。特定の実施形態において、この感染は、原核生物、真核生物またはウイルスによって引き起こされる。他の実施形態において、標的部位での感染は、その標的部位での医療用デバイスに関連する。さらなる実施形態において、この方法は、この標的において医療用デバイスを挿入する工程の前または後に、この組成物を適用する工程を包含する。1つの実施形態において、このデバイスは、カテーテルを含み、そして別の実施形態は、中心静脈カテーテルである。特定の他の実施形態において、このカテーテルは、血管透析カテーテル、肺動脈カテーテル、腹膜透析カテーテルまたは臍帯カテーテルである。いくつかの実施形態において、この標的部位は皮膚であり、そして他の実施形態において、この皮膚は、挫瘡を含む。他の実施形態において、この標的部位は粘膜であり、そしてなお他の実施形態において、この粘膜はさらに、鼻腔を含む。1つの実施形態において、この鼻腔は、外鼻腔である。
なお別の局面において、標的部位において炎症を処置または予防するための方法が提供され、この方法は、カチオン性ペプチド、増粘剤および溶媒を含む組成物を、この標的部位に適用する工程を包含する。1つの実施形態において、この標的部位は、感染をさらに含む。さらなる実施形態において、標的部位での感染は、医療用デバイスに関連する。さらなる実施形態において、この方法は、この標的において医療用デバイスを挿入する工程の前または後に、この組成物を適用する工程を包含する。1つの実施形態において、このデバイスは、カテーテルを含み、そして別の実施形態は、中心静脈カテーテルである。特定の他の実施形態において、このカテーテルは、血管透析カテーテル、肺動脈カテーテル、腹膜透析カテーテルまたは臍帯カテーテルである。いくつかの実施形態において、この標的部位は皮膚であり、そして他の実施形態において、この皮膚は、挫瘡を含む。他の実施形態において、この標的部位は粘膜であり、そしてなお他の実施形態において、この粘膜はさらに、鼻腔を含む。1つの実施形態において、この鼻腔は、外鼻腔である。
なお別の局面において、本発明は、標的部位において炎症を緩和するための方法を提供し、この方法は、カチオン性ペプチド、増粘剤および溶媒を含む組成物を、この標的部位に適用する工程を包含する。1つの実施形態において、この標的部位は、感染をさらに含む。さらなる実施形態において、標的部位での感染は、医療用デバイスに関連する。さらなる実施形態において、この方法は、この標的において医療用デバイスを挿入する工程の前または後に、この組成物を適用する工程を包含する。1つの実施形態において、このデバイスは、カテーテルを含み、そして別の実施形態は、中心静脈カテーテルである。特定の他の実施形態において、このカテーテルは、血管透析カテーテル、肺動脈カテーテル、腹膜透析カテーテルまたは臍帯カテーテルである。いくつかの実施形態において、この標的部位は皮膚であり、そして他の実施形態において、この皮膚は、挫瘡を含む。他の実施形態において、この標的部位は粘膜であり、そしてなお他の実施形態において、この粘膜はさらに、鼻腔を含む。1つの実施形態において、この鼻腔は、外鼻腔である。
本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照して明らかとなる。さらに、特定の手順または組成物をより詳細に記載する種々の参考文献が本明細書中に示され、従って、その全体が参考として援用される。
(発明の詳細な説明)
上記のように、本発明は、感染性疾患を処置および/または予防するために抗菌性カチオン性ペプチドを使用するための組成物ならびに方法を提供する。従って、本発明は、一般に、抗菌性カチオン性ペプチドが、そのインビボおよびインビトロの安定性、放出半減期ならびに抗菌活性を最大化するために、臨床的に適切な濃度で処方され得るという、驚くべき知見に関する。本発明によれば、本明細書中に記載されるような抗菌性カチオン性ペプチド(例えば、インドリシジンおよびその誘導体またはアナログ)の処方物は、(例えば、院内感染、挫瘡ならびに例えば、皮下注射針およびカテーテルの使用における血管内浸透に関連する感染の処置および予防における)種々の治療設定において使用するための新規かつ有用な組成物を提供する。本発明における使用ならびに予防的処方物および治療的使用に適切なカチオン性ペプチドは、以下により詳細に考察される。本明細書中に引用される任意の濃度範囲は、他に示されない限り、範囲内の任意の整数およびその分数(例えば、この整数の1/10および1/100)の濃度を含むことが理解されるべきである。
(A.抗菌性カチオン性ペプチド)
本発明は、一般に、本明細書中に記載される処方物において使用するための、種々の方法(例えば、化学的方法または組換え方法)によって生成され得る抗菌性カチオン性ペプチドに関する。適切な抗菌性カチオン性ペプチドとしては、単離された天然に存在するカチオン性ペプチドおよびその誘導体またはアナログが挙げられるが、これらに限定されない。「単離されたペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質」は、このポリペプチドに天然に付随する細胞性成分(例えば、炭水化物、脂質、核酸(DNAもしくはRNA)または他のタンパク質性不純物を実質的に含まないアミノ酸配列である。好ましくは、単離されたポリペプチドは、所望の用量での治療的使用について、十分に純粋である。
本発明の抗菌性カチオン性ペプチドは、組換えペプチドでも合成ペプチドでもよく、そして好ましくは組換えペプチドである。ペプチドは、標準的な化学的方法(自動化手順による合成を含む)によって合成され得る。一般に、ペプチドアナログは、カップリング剤としてHATUを用いる標準的な固相Fmoc保護ストラテジーに基づいて合成される。このペプチドは、適切なスカベンジャー(これはまた、側鎖官能基を脱保護化する)を含むトリフルオロ酢酸を用いて、固相樹脂から切断される。粗製ペプチドは、調製的逆相クロマトグラフィーを使用してさらに精製される。他の精製方法(例えば、分配クロマトグラフィー、ゲル濾過、ゲル電気泳動またはイオン交換クロマトグラフィー)が使用され得る。当該分野で公知の他の合成技術(例えば、tBoc保護ストラテジー)または他の異なるカップリング剤などの使用が、等価なペプチドを生成するために使用され得る。ペプチドは、直線状分子または分枝分子として合成され得る。分枝ペプチドは、代表的に、さらなるペプチドについての多数の結合点を提供するコアペプチドを含む。リジンは、1つのカルボキシル官能基および2つ(αおよびε)アミノ官能基を有するので、コアペプチドとして最も一般的に使用される。他のジアミノ酸もまた使用され得る。好ましくは、2つまたは3つのレベルのいずれかの幾何学的に分枝したリジンが使用される;これらのコアは、それぞれ、テトラマーコア構造およびオクタマーコア構造を形成する(Tam、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5409、1988)。
抗菌性カチオン性ペプチドは、約3〜約10の範囲のpHで正の荷電を代表的に示す(すなわち、少なくとも約9の等電点を有する)ペプチドであり、そして少なくとも1つの塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、リジン、ヒスチジン)を含む。さらに、抗菌性カチオン性ペプチドは、一般に、約0.5kDa(すなわち、約5アミノ酸長)〜約10kDa(すなわち、約100アミノ酸長)の分子量、または約0.5kDa〜約10kDaの範囲の任意の整数の分子量もしくはその分数(ある整数の1/10および1/100)を有するアミノ酸配列を含む。好ましくは、抗菌性カチオン性ペプチドは、約0.5kDa〜約5kDaの(すなわち、約5アミノ酸長〜約45アミノ酸長)、より好ましくは約1kDa〜約4kDa(すなわち、約10アミノ酸長〜約35アミノ酸長)、そして最も好ましくは約1kDa〜約2kDa(すなわち、約10アミノ酸長〜約18アミノ酸長)の範囲の分子量を有する。別の好ましい実施形態において、この抗菌性カチオン性ペプチドは、例えば、合計100アミノ酸まで、より好ましくは50アミノ酸まで、さらにより好ましくは35アミノ酸まで、そして最も好ましくは15アミノ酸までを有する、大きいペプチド配列またはポリペプチド配列の部分である。本発明は、5〜100アミノ酸のアミノ酸配列を有する抗菌性カチオン性ペプチドを企図し、このペプチド配列を構成するアミノ酸の数は、この範囲の任意の整数を含む。抗菌性カチオン性ペプチドは、抗菌活性、抗内毒素活性、抗真菌活性、抗寄生生物活性、抗ウイルス活性、抗癌活性、抗炎症活性、創傷治癒活性、および他のペプチドもしくは抗菌化合物またはこれらの組み合わせとの層状活性を示し得る。
例示的な抗菌性ペプチドとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:通常鱗翅目(Steinerら、Nature 292:246、1981)および双翅目(Merrifieldら、Ciba Found.Symp.186:5、1994)、ブタの腸(Leeら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:9159、1989)、海洋性原生動物の血球(Zhaoら、FEBS Lett.412:144、1997)によって生成されるセクロピン;セクロピンAの合成アナログ、メリチンおよびセクロピン−メリチンキメラペプチド(Wadeら、Int.J.Pept.Protein Res.40:429、1992);セクロピンBアナログ(Jaynesら、Plant Sci.89:43、1993);キメラセクロピンA/Bハイブリッド(During、Mol.Breed.2:297、1996);マゲイニン(magainin)(Zasloff、Proc.Nat’l Acad.Sci USA 84:5449、1987);ヒト、ウシ、ブタ、マウス、ウサギおよびヒツジの白血球由来のカテリン(cathelin)関連抗菌性ペプチド(Zanettiら、FEBS Lett.374:1、1995);脊椎動物ディフェンシン(例えば、ヒト好中球ディフェンシン)[HNP1〜4];マウスおよびヒトの小腸のパネート細胞のディフェンシン(OuletteおよびSelsted、FASEB J.10:1280、1996;Porterら、Infect.Immun.65:2396、1997);脊椎動物β−ディフェンシン(例えば、ヒト上皮細胞のHBD−1)(Zhaoら、FEBS Lett.368:331、1995);炎症したヒト皮膚のHBD−2(Harderら、Nature 387:861、1997);ウシβ−ディフェンシン(Russellら、Infect.Immun.64:1565、1996);植物ディフェンシン(例えば、ラディッシュ種子のRs−AFP1)(Fehlbaumら、J.Biol.Chem.269.33159、1994);α−チオニンおよびβ−チオニン(Stuartら、Cereal Chem.19:288、1942;BohlmannおよびApel、Annu.Rev.Physiol.Plant Mol.Biol.42:227、1991);γ−チオニン(Broekaertら、Plant Physiol.108:1353、1995);抗真菌ドロソマイシン(drosomycin)(Fehlbaumら、J.Biol.Chem.269:33159、1994);ミツバチ、マルハナバチ、スズメバチ(cicada killer)スズメバチ(hornet)、スズメバチ(yellow jacket)およびスズメバチ(wasp)によって産生されるアピデシン(apidaecin)(Casteelsら、J.Biol.Chem.269:26107、1994;Levashinaら、Eur.J.Biochem.233:694、1995);カテリシジン(cathelicidin)(例えば、ウシ好中球由来のインドリシジンおよびその誘導体またはアナログ)(Fallaら、J.Biol.Chem.277:19298、1996);バクテリオシン(例えば、ナイシン)(Delves−Broughtonら、Antonie van Leeuwenhoek J.Microbiol.69:193、1996);ならびに抗真菌活性、抗菌活性および抗ウイルス活性を有するプロテグリン(protegrin)およびタキプレシン(tachyplesin)(Tamamuraら、Biochim.Biophys.Acta 1163:209、1993;Aumelasら、Eur.J.Biochem.237:575、1996;Iwangaら、Ciba Found.Symp.186:160、1994)。
特定の実施形態において、本発明の好ましい抗菌性カチオン性ペプチドは、インドリシジンまたはそのアナログもしくは誘導体である(実施例1の表2を参照のこと)。天然のインドリシジンは、種々の生物から単離され得、そして例えば、ウシ好中球から単離されたインドリシジンは、13アミノ酸のペプチドであり、これはトリプトファンリッチであり、そのC末端にてアミド化されている(Selstedら、J.Biol.Chem.267:4292、1992を参照のこと)。上記のように、好ましいインドリシジンまたはそのアナログもしくは誘導体は、5〜45アミノ酸、より好ましくは7〜35アミノ酸、なおより好ましくは8〜25アミノ酸、そして最も好ましくは10〜14アミノ酸を含む(例えば、表2を参照のこと)。本発明のインドリシジンまたはそのアナログもしくは誘導体は、意図される使用および処方成分に依存して、約0.01%〜約10%、好ましくは約0.5%〜約5%、そしてより好ましくは約1%〜約3%または約4%〜約6%のいずれかの範囲の濃度で使用され得る(ここで、「約」は、示された値の±10%である)。特定の実施形態において、この抗菌性カチオン性ペプチドは、上記の組成物のいずれか1つにおいて、インドリシジンまたはそのアナログもしくは誘導体である。好ましい実施形態において、この抗菌性カチオン性ペプチドは、上記の組成物のいずれか1つにおいて使用され得る、以下の配列のうち1つを含む、35アミノ酸までのペプチドである:11B7CN、11B32CN、11B36CN、11E3CN、11F4CN、11F5CN、11F12CN、11F17CN、11F50CN、11F56CN、11F63CN、11F64CN、11F66CN、11F67CN、11F68CN、11F93CN、11G27CN、11J02CN、11J02ACN、11J30CN、11J36CN、11J58CN、11J67CN、11J68CN、Nt−アクリロイル−11B7CN、Nt−グルコシル−11J36CNまたはNt−グルコシル−11J38CN。
本発明の抗菌性カチオン性ペプチドは、そのアナログまたは誘導体であり得る。本明細書中で使用される場合、用語「誘導体」および「アナログ」は、抗菌性カチオン性のペプチド、ポリペプチドまたは融合タンパク質をいう場合、上で留意されるような天然のペプチドと、実質的に同じ(少なくとも50%、そして好ましくは70%、80%または90%より高い)かまたは増強された生物学的機能または活性を保持する、任意の抗菌性カチオン性のペプチド、ポリペプチドまたは融合タンパク質をいう。このようなアナログおよび誘導体の生物学的機能または活性は、本明細書中に記載されるアッセイのような標準的な方法(例えば、抗菌性インヒビター、抗炎症性インヒビター、DNAおよび/またはタンパク質合成のインヒビター)を使用して決定され得る。例えば、アナログまたは誘導体は、切断によって活性化されて、活性な抗菌性カチオン性ペプチドを生成し得るプロタンパク質であり得る。あるいは、カチオン性ペプチドのアナログまたはその誘導体は、抗カチオン性ペプチド抗体を特異的に結合する能力によって同定され得る。
カチオン性ペプチドのアナログまたは誘導体は、例えば、任意の遊離アミノ酸残基(N末端またはC末端のアミノ酸を含む)の1つ以上の欠失、挿入または改変を有し得る。改変された抗菌性カチオン性ペプチド(例えば、アセチル化、アシル化、アクリロイル化、アルキル化、グリコシル化(例えば、グルコシル化)、PEG化、ミリスチル化などのN末端アミノ酸改変を有するペプチド;エステル化されたアミド化ホモセリン/ホモセリンラクトンまたはカプロラクタムC末端アミノ酸改変を有するペプチド;あるいは任意のアミノ基に結合体化されたポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)を有するペプチド)が、本発明の範囲内である。C末端アミノ酸の好ましい改変は、アミド化である。
アナログまたは誘導体もまた、抗菌性カチオンペプチド融合タンパク質であり得る。融合タンパク質、またはキメラは、1つ以上の抗菌性カチオンペプチドの融合物、およびカチオン性ペプチドと非カチオン性ペプチドの融合物を含む。さらに、ペプチドは、ポリマー改変ペプチドを形成するために改変され得る。ペプチドはまた、例えば、放射性標識、蛍光標識、質量分析法タグ、ビオチンなどで標識され得る。
アナログまたは誘導体の別の例としては、天然に存在するカチオン性ペプチドのアミノ酸配列と比較して、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する抗菌性カチオン性ペプチドが挙げられる。通常のアミノ酸間において、「保存的アミノ酸置換」は、例えば、以下の基のそれぞれの中でのアミノ酸間の置換によって示される:(1)グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン、(2)フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン、(3)セリンおよびスレオニン、(4)アスパラギン酸およびグルタミン酸、(5)グルタミンおよびアスパラギン、ならびに(6)リジン、アルギニンおよびヒスチジン、あるいはこれらの組合せ。さらに、カチオン性ペプチドのアナログまたは誘導体としては、例えば、非タンパク質アミノ酸(例えば、通常のアミノ酸の前駆体(例えば、ホモセリンおよびジアミノピメレート)、異化経路における中間体(例えば、ピペコリン酸および通常のアミノ酸のD−エナンチオマー)、ならびにアミノ酸アナログ(例えば、アゼチジン−2−カルボン酸およびカナバニン)が挙げられ得る。
アミノ酸の明示は、本明細書中において、標準的な1文字コードまたは3文字コードのいずれかとして記載される。他に示さない限り、指定されたアミノ酸は、L−エナンチオマーをいう。極性アミノ酸としては、アスパラギン(AspまたはN)およびグルタミン(GlnまたはQ);ならびに塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン(ArgまたはR)、リジン(LysまたはK)、ヒスチジン(HisまたはH)、およびそれらの誘導体);ならびに酸性アミノ酸(例えば、アスパラギン酸(AspまたはD)およびグルタミン酸(GluまたはE)、およびそれらの誘導体)が挙げられる。疎水性アミノ酸としては、トリプトファン(TrpまたはW)、フェニルアラニン(PheまたはF)、イソロイシン(IleまたはI)、ロイシン(LeuまたはL)、メチオニン(MetまたはM)、バリン(ValまたはV)、およびそれらの誘導体;ならびに他の非極性アミノ酸(例えば、グリシン(GlyまたはG)、アラニン(AlaまたはA)、プロリン(ProまたはP)、およびそれらの誘導体)が挙げられる。中間の極性のアミノ酸としては、セリン(SerまたはS)、スレオニン(ThrまたはT)、チロシン(TryまたはY)、システイン(CysまたはC)、およびそれらの誘導体が挙げられる。大文字は、L−エナンチオマーアミノ酸を示し;小文字は、D−エナンチオマーアミノ酸を示す。例えば、いくつかの改変アミノ酸としては、2,3−ジアミノ酪酸、3−または4−メルカプトプロリン誘導体、N−アセチル−N−ヒドロキシル−L−オルニチン、およびα−N−ヒドロキシアミノ酸が挙げられ得る。抗菌性カチオン性ペプチドアナログまたはその誘導体としては、天然ペプチドに対する上記改変のいずれか1つまたはその組合せ、あるいは当該分野で公知の任意の他の改変が挙げられ得る。
本発明のインドリシジンまたはそのアナログもしくは誘導体は、個々に使用され得るか、あるいは1つ以上の異なるインドリシジンまたはそのアナログもしくは誘導体と組み合わせて、1つ以上の抗菌性カチオン性ペプチドと組み合わせて、そして1つ以上の従来の抗菌剤と組み合わせて、本明細書中に記載されるように使用され得る。従って、抗菌性カチオン性ペプチドおよび抗菌剤の相乗的組み合わせは、類似の治療効果または改善された治療効果を達成するために、1つの薬剤または両方の薬剤の投薬量の減少を可能にし得る。これは、より少ない用量の使用を可能にし、従って、(例えば、アミノグリコシドから)毒性の潜在的発生を減少し、そして高価な抗菌剤(例えば、バンコマイシン)の費用を低減する。抗菌性カチオン性ペプチド処方物および抗菌剤組成物の同時投与または連続的投与は、種々の微生物(例えば、細菌、ウイルス、真菌、および寄生生物)によって引き起こされる感染のより効果的な処置を提供することが期待される。特に、感染性疾患の首尾良い処置または予防は、抗菌性カチオン性ペプチドおよび抗菌剤を、これらの抗菌剤が個々に使用される場合に通常治療的に有効である用量より少ない用量で使用することによって、達成され得る。あるいは、抗生物質剤および抗菌性カチオン性ペプチド処方物は、それぞれの抗菌剤の通常の効果的な治療用量を使用して投与され得るが、2つの薬剤の組み合わせは、さらにより強力な効果を提供する。
上記のように、好ましい抗菌性カチオン性ペプチド処方物は、他の公知の抗菌剤と相乗的組み合わせで使用され得る。抗細菌剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ペニシリン、セファロスポリン、カルバセフェム、セファマイシン、カルバペネム、モノバクタム、アミノグリコシド、グリコペプチド、キノロン、テトラサイクリン、マクロライド、およびフルオロキノロン。抗生物質剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ペニシリンG(CAS登録番号:61−33−6);メチシリン(CAS登録番号:61−32−5);ナフシリン(CAS登録番号:147−52−4);オキサシリン(CAS登録番号:66−79−5);クロキサシリン(CAS登録番号:61−72−3);ジクロキサシリン(CAS登録番号:3116−76−5);アンピシリン(CAS登録番号:69−53−4);アモキシリン(CAS登録番号:26787−78−0);チカルシリン(CAS登録番号:34787−01−4);カルベニシリン(CAS登録番号:4697−36−3);メズロシリン(CAS登録番号:51481−65−3);アズロシリン(CAS登録番号:37091−66−0);ピペラシリン(CAS登録番号:61477−96−1);イミペネム(CAS登録番号:74431−23−5);アズトレオナム(CAS登録番号:78110−38−0);セファロチン(CAS登録番号:153−61−7);セファゾリン(CAS登録番号:25953−19−9);セファクロール(CAS登録番号:70356−03−5);セファマンドールホルメートナトリウム(CAS登録番号:42540−40−9);セフォキシチン(CAS登録番号:35607−66−0);セフロキシム(CAS登録番号:55268−75−2);セフォニシド(CAS登録番号:61270−58−4);セフメタゾール(CAS登録番号:56796−20−4);セフォテタン(CAS登録番号:69712−56−7);セフプロジル(Cefprozil)(CAS登録番号:92665−29−7);リンコマイシン(CAS登録番号:154−21−2);リネゾリド(Linezolid)(CAS登録番号:165800−03−3);ロラカルベフ(Loracarbef)(CAS登録番号:121961−22−6);セフェタメト(Cefetamet)(CAS登録番号:65052−63−3);セフォペラゾン(CAS登録番号:62893−19−0);セフォタキシム(CAS登録番号:63527−52−6);セフチゾキシム(CAS登録番号:68401−81−0);セフトリアキソン(CAS登録番号:73384−59−5);セフタジジム(CAS登録番号:72558−82−8);セフェピム(Cefepime)(CAS登録番号:88040−23−7);セフィキシム(CAS登録番号:79350−37−1);セフポドキシム(CAS登録番号:80210−62−4);セフスロジン(CAS登録番号:62587−73−9);フレロキサシン(CAS登録番号:79660−72−3);ナリジクス酸(CAS登録番号:389−08−2);ノルフロキサシン(CAS登録番号:70458−96−7);シプロフロキサシン(CAS登録番号:85721−33−1);オフロキサシン(CAS登録番号:82419−36−1);エノキサシン(CAS登録番号:74011−58−8);ロメフロキサシン(CAS登録番号:98079−51−7);シノキサシン(CAS登録番号:28657−80−9);ドキシサイクリン(CAS登録番号:564−25−0);ミノサイクリン(CAS登録番号:10118−90−8);テトラサイクリン(CAS登録番号:60−54−8);アミカシン(CAS登録番号:37517−28−5);ゲンタマイシン(CAS登録番号:1403−66−3);カナマイシン(CAS登録番号:8063−07−8);ネチルマイシン(CAS登録番号:56391−56−1);トブラマイシン(CAS登録番号:32986−56−4);ストレプトマイシン(CAS登録番号:57−92−1);アジスロマイシン(CAS登録番号:83905−01−5);クラリスロマイシン(CAS登録番号:81103−11−9);エリスロマイシン(CAS登録番号:114−07−8);エリスロマイシンエストレート(estolate)(CAS登録番号:3521−62−8);エリスロマイシンエチルスクシネート(CAS登録番号:41342−53−4);エリスロマイシングルコヘプトネート(CAS登録番号:23067−13−2);エリスロマイシンラクトビオネート(lactobionate)(CAS登録番号:3847−29−8);エリスロマイシンステアレート(CAS登録番号:643−22−1);バンコマイシン(CAS登録番号:1404−90−6);テイコプラニン(Teicoplanin)(CAS登録番号:61036−64−4);クロラムフェニコール(CAS登録番号:56−75−7);クリンダマイシン(CAS登録番号:18323−44−9);トリメトプリム(CAS登録番号:738−70−5);スルファメトキサゾール(CAS登録番号:723−46−6);ニトロフラントイン(CAS登録番号:67−20−9);リファンピン(CAS登録番号:13292−46−1);ムピロシン(Mupirocin)(CAS登録番号:12650−69−0);メトロニダゾル(CAS登録番号:443−48−1);セファレキシン(CAS登録番号:15686−71−2);ロキシスロマイシン(CAS登録番号:80214−83−1);コ−アモキシクラブアネート(Co−amoxiclavuanate);ピペラシリンおよびタゾバクタム(Tazobactam)の組み合わせ;ならびにこれらの種々の塩、酸、塩基、および他の誘導体。
抗菌性カチオン性ペプチドはまた、抗真菌剤と組み合わせて使用され得る。例示的な抗真菌剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:テルビナフィン塩酸塩、ナイスタチン、アンホテリシン B、グリセオフルビン、ケトコナゾール、硝酸ミコナゾール、フルシトシン、フルコナゾール、イトラコナゾール、クロトリマゾール、安息香酸、サリチル酸、および硫化セレニウム。
抗菌性カチオン性ペプチドはまた、抗ウイルス剤と組み合わせて使用され得る。例示的な抗ウイルス剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:塩酸アマンタジン、リマンタジン、アシクロビル、ファムシクロビル(famciclovir)、ホスカネット、ガンシクロビルナトリウム、イドクスウリジン、リバビリン、ソリブジン、トリフルリジン、バラシクロビル(valacyclovir)、ビダラビン、ジダノシン、スタブジン(stavudine)、ザルシタビン(zalcitabine)、ジドブジン、インターフェロンα、およびエドクスジン(edoxudine)。
抗菌性カチオン性ペプチドはまた、抗寄生生物剤と組み合わせて使用され得る。例示的な抗寄生生物剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ピレトリン(pirethrins)/ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide)、ペルメトリン、ヨードキノール、メトロニダゾル、クエン酸ジエチルカルバマジン、ピペラジン、ピランテルパモエート、メベンダゾール、チアベンダゾール、プラジカンテル、アルベンダゾール、プログアニル、キニジングルコネート注射物、硫酸キニーネ、リン酸クロロキン、塩酸メフロキン、リン酸プリマキン、アトバクオン(atovaquone)、コトリモキサゾール(スルファメトキサゾール/トリメトプリム)、およびイセチオン酸ペンタミジン。
別の局面において、免疫原を形成するために、小さな非免疫原性ペプチジルコアに結合された約8個のコピーのペプチドを含む複数の抗原性ペプチド(MAP)を使用して、特定の抗菌性カチオン性ペプチドおよびそのアナログまたは誘導体に対する抗体を作製し得る(一般的に、Antibodies:A Laboratory Manual,Harlow and Lane(編),Cold Spring Harbor Laboratory Press,1988を参照のこと)。あるいは、標的ペプチドは、ウシ血清アルブミン(BSA)、オボアルブミン、または別の適切な結合体に結合体化され得る。MAPまたはペプチド結合体は、ウサギまたはマウスまたは他の齧歯類動物(ここで、これらの結合体は、抗体の産生を容易にするために、十分に長い半減期を有する)に皮下的に注射される。12週間後に、血液サンプルが取られ、そして血清を、元のペプチドに対するELISAアッセイにおける試験のために分離し、陽性結果が、標的ペプチドに特異的な抗体の存在を示す。次いで、この血清を保存し得、そして特定の抗菌性カチオン性ペプチドおよび/またはそのアナログもしくは誘導体の量を具体的に測定するためのELISAアッセイにおいて使用する。あるいは、抗体産生の他の標準的な方法(例えば、モノクローナル抗体の作製)が使用され得る。
本発明の文脈において、抗体は、特に、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗イディオタイプ抗体、および抗体フラグメント(例えば、Fab、およびF(ab’)、F可変領域、または相補性決定領域)を含むことが理解される。抗体は、一般的に、10−7M以上、好ましくは、10−8M以上、より好ましくは、10−9M以上のKで結合する場合、特異的なカチオン性ペプチド(例えば、インドリシジンおよびそれらのアナログまたは誘導体)として受け入れられる。モノクローナル抗体または結合パートナーの親和性は、当業者によって容易に決定され得る(例えば、Scatchard,Ann.N.Y.Acad.Sci.51:660−672,1949を参照のこと)。一旦、適切な抗体が同定されると、これらは、当業者に周知な多くの技術によって単離または精製され得る。
モノクローナル抗体はまた、従来の技術を使用して、ハイブリドーマ細胞株から容易に作製され得る(米国特許RE 32,011,同第4,902,614号、同第4,543,439号、および同第4,411,993号を参照のこと;Antibodies:A Laboratory Manual,1988もまた参照のこと)。簡単に述べると、1つの実施形態において、被験体動物(例えば、ラットまたはマウス)が、選ばれたペプチドを注射される。このペプチドは、一般的に、フロイント完全アジュバントまたはフロイント不完全アジュバントのようなアジュバント(これは、免疫応答を増加することを意図する)を含む、エマルジョンで投与される。動物は、一般的に、脾臓および/またはリンパ節の採取およびそれらの細胞の不死化の前に、少なくとも1回ブーストされる。種々の不死化技術(例えば、ハイブリドーマを作製するためのエプスタイン−バーウイルスまたは融合物によって媒介される)が使用され得る。好ましい実施形態において、不死化は、モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを作製するために、適切なミエローマ細胞株との融合によって生じる。適切なミエローマ株としては、例えば、NS−1(ATCC番号TIB 18)、およびP3X63−Ag 8.653(ATCC番号CRL 1580)が挙げられる。好ましい融合パートナーは、内因性抗体遺伝子を発現しない。約7日後に、ハイブリドーマは、抗菌性カチオン性ペプチドおよびそのアナログまたは誘導体に対して反応性である抗体の存在についてスクリーニングされ得る。幅広い種々のアッセイが利用され得る(Antibodies:A Laboratory Manual,1988を参照のこと)。
当該分野において公知の他の技術は、モノクローナル抗体を構築するために利用され得る(Huseら,Science 246:1275−1281,1989;Sastryら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5728−5732,1989;Alting−Meesら,Strategies in Molecular Biology 3:1−9,1990を参照のこと;これらは、組換え技術を記載する)。これらの技術は、適切なベクター(例えば、λImmunoZap(H)およびλImmunoZap(L))において重鎖免疫グロブリンcDNAおよび軽鎖免疫グロブリンcDNAをクローニングすることを包含する。これらの組換えは、個々にスクリーニングされ得るかまたは同時に発現されて、Fabフラグメントまたは抗体を形成し得る(Huseら、上記;Sastryら、上記を参照のこと)。引き続いて、陽性プラークは、宿主(例えば、E.coli)においてモノクローナル抗体の高レベル発現を可能にするために、非溶解性プラスミドに変換され得る。
同様に、抗体の一部またはフラグメント(例えば、FabおよびFvフラグメント)はまた、抗体の単離された可変領域を作製するために、従来の酵素消化または組換えDNA技術を使用して構築され得る。1つの実施形態において、目的のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマから可変領域をコードする遺伝子を、可変領域に対するヌクレオチドプライマーを使用して増幅する。さらに、抗菌性カチオン性ペプチドおよびそのアナログまたは誘導体に対する抗体の結合特異性を変化させることなく、「マウス」抗体を「ヒト」抗体に変更するための技術が使用され得る。
(B.抗菌性カチオン性ペプチドをコードする核酸)
カチオン性ペプチドをコードする核酸分子は、天然の供給源から単離され得るか、核酸分子の自動合成により得られ得るか、または抗菌性カチオン性ペプチド遺伝子の公知のヌクレオチド配列に基づくヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いることによって得られ得る。後者のアプローチにおいて、カチオン性ペプチド遺伝子は、相互プライミングオリゴヌクレオチド(mutually priming oligonucleotide)を使用して合成される(例えば、Ausubelら(編),Short Protocols in Molecular Biology,第3版,8−8〜8−9頁,John Wiley & Sons,1995を参照のこと、これは、本明細書中において以後、「Ausubel(1995)」と呼れる)。ポリメラーゼ連鎖反応を使用する確立された技術は、少なくとも2キロベースの長さのDNA分子を合成する能力を提供する(Adangら,Plant Molec.Biol.21:1131,1993;Bambotら,PCR Methods and Applications 2:266,1993;Dillonら,「Use of the Polymerase Chain Reaction for the Rapid Construction of Synthetic Genes,「Methods in Molecular Biology,15巻:PCR Protocols:Current Methods and Applications,White(編),263−268頁,Humana Press,Inc.,1993;Holowachukら,PCR Methods Appl.4:299,1995)。
上記のように、本発明は、天然のカチオン性ペプチドのアナログまたは誘導体を企図し、このアナログまたは誘導体は、本明細書で記載される方法によって組換え的に産生され得る。保存的アミノ酸アナログまたは誘導体をコードするヌクレオチド配列は、例えば、オリゴヌクレオチド指向変異誘発、リンカー走査変異誘発、ポリメラーゼ連鎖反応を使用する変異誘発などによって得られ得る(Ausubel,1995,8−10頁〜8−22頁;およびMcPherson(編),Directed Mutagenesis:A Practical Approach,IRL Press,1991を参照のこと)。
カチオン性ペプチド改変体を構築する際の1つの目的がその活性を改善することであり得るが、組換え宿主細胞におけるその産生を向上するために、天然に存在するカチオン性ペプチドのアミノ酸置換を変更することもまた望ましくあり得る。特定のコドンの存在は、特定の宿主における有害な効果を有し得;従って、所望のカチオン性ペプチドをコードするDNA配列が、特定の宿主系(例えば、原核生物細胞または真核生物細胞)について最適化される。例えば、ダイコンカチオン性ペプチドをコードするヌクレオチド配列は、ダイコンにおいて通常見出されるが、E.coliについてはまれであるコドンを含み得る。まれなコドンの存在は、ダイコンカチオン性ペプチドが組換えE.coliにおいて発現される場合に、タンパク質レベルで有害な効果を有し得る。コドン使用頻度の問題を軽減するためにヌクレオチド配列を変更するための方法は、当業者に周知である(例えば、Kane,Curr.Opin.Biotechnol.6:494,1995;Makrides,Microbiol.Rev.60:512,1996;およびBrown (編),Molecular Biology LabFax,BIOS Scientific Publishers,Ltd.,1991(これは、245頁〜253頁において、コドン使用頻度表を提供する)を参照のこと)。
ペプチドは、組換え技術(米国特許第5,593,866号を参照のこと)によって合成され得、そして種々の宿主系(細菌(例えば、E.coli)、酵母(例えば、Saccharomyces cerevisiae)、昆虫(例えば、Sf9)、および哺乳動物細胞(例えば、CHO、COS−7)を含む)が、カチオン性ペプチドおよびそのアナログまたは誘導体の産生に適切である。多くの発現ベクターが開発され、そしてこれらの宿主細胞のそれぞれについて利用可能である。一般的に、細菌において機能的であるベクターが、本発明において使用される。しかし、時々、他の宿主において機能的であるベクターを有することが好ましくあり得る。E.coliにおけるクローニングおよび発現のためのベクターおよび手順は、本明細書中、および例えば、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1987)およびAusubelら,1995において考察される。
カチオン性ペプチドをコードするDNA配列は、宿主細胞に適切な発現ベクターに導入される。好ましい実施形態において、遺伝子は、融合タンパク質を作製するために、ベクターにクローニングされる。融合パートナーは、細菌宿主がペプチドの毒性効果から保護されるように、アニオン性領域を含むように選択される。この保護性領域は、ペプチドの抗菌性効果を効果的に中和し、そして宿主プロテアーゼによるペプチド分解も妨げ得る。本発明の融合パートナー(キャリアタンパク質)は、さらに、融合ペプチドを、封入体、ペリプラズム、外膜、または細胞外環境に輸送するために機能する。本発明の文脈において適切なキャリアタンパク質としては、具体的には、以下が挙げられるが、これらに限定されない:グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、Staphylococcus aureus由来のプロテインA、プロテインAの2つの合成IgG結合ドメイン(ZZ)、外膜プロテインF、β−ガラクロシダーゼ(lacZ)、ならびにバクテリオファージλおよびバクテリオファージT7の種々の産物。本明細書中に提供される技術から、他のタンパク質がキャリアとして使用され得ることが明らかである。さらに、保護性アニオン領域が存在する限り、キャリアタンパク質全体が使用される必要はない。ペプチド配列の単離を容易にするために、化学切断(例えば、CNBr)または酵素切断(例えば、V8プロテアーゼ、トリプシン)に感受性のアミノ酸が、ペプチドおよび融合パートナーを架橋するために使用される。E.coliにおける発現のために、融合パートナーは、好ましくは、封入体形成に対する発現を指向する通常の細胞内タンパク質である。このような場合において、最終生成物を放出するための切断に続いて、ペプチドの再生には必要でない。本発明において、DNAカセット(融合パートナーおよびペプチド遺伝子を含む)は、発現ベクター(これは、プラスミド、ウイルスまたは当該分野で公知の他のビヒクル)に挿入され得る。好ましくは、発現ベクターは、宿主に挿入されたDNAの効率的な転写を容易にするために、誘導性プロモーターまたは構成的プロモーターを含むプラスミドである。組換えDNAを用いる宿主細胞の形質転換は、Ca++媒介技術、エレクトロポレーション、または当業者に周知の他の方法によって実施され得る。
簡単に述べると、ペプチドをコードするDNA配列フラグメントは、既存のcDNAまたはゲノムクローンに由来するか、あるいは合成される。従来の方法は、一本鎖テンプレートからの遺伝子の増幅である。テンプレートは、一般的に、自動化オリゴヌクレオチド合成の産物である。増幅プライマーは、テンプレートの5’末端および3’末端に由来し、そして代表的には、ベクターのクローニング部位に関して選択された制限部位を組み込む。必要な場合、翻訳開始コドンおよび停止コドンは、プライマー配列中に操作され得る。タンパク質をコードする配列は、特定の宿主における発現のためにコドン最適化され得る。従って、例えば、アナログ融合タンパク質が細菌において発現される場合、コドンは、細菌使用について最適化される。コドン最適化は、遺伝子全体または遺伝子領域の自動化合成、複数のオリゴヌクレオチドの連結、ネイティブ配列の変異誘発、または当業者に公知の他の技術によって達成される。
好ましい実施形態において、ベクターは、細菌細胞中で複製し得る。従って、このベクターは、細菌複製起点を含み得る。好ましい細菌複製起点としては、f1−oriおよびcol E1ori、特に、pUCプラスミドから誘導されるoriが挙げられる。低コピー数のベクター(例えば、pPD100)、もまた使用され得る(特に、この産物が宿主に対して有害な場合)。このプラスミドはまた、好ましくは、宿主中で機能的である少なくとも1つの選択マーカーを含む。選択マーカー遺伝子は、形質転換細胞に同定され、そして/または選択的に成長させることを可能にする宿主の表現型を与える。細菌宿主のために適切な選択マーカー遺伝子としては、クロロアンフェニコール(chloroamphenicol)耐性遺伝子(Cm)、アンシピリン耐性遺伝子(Amp)、テトラサイクリン耐性遺伝子(Tc)、カナマイシン耐性遺伝子(Kan)、および当該分野で公知の他のものが挙げられる。選択において機能するために、いくつかのマーカーは、宿主における相補的欠損(deficiency)を必要とし得る。このベクターはまた、レプレッサタンパク質をコードする遺伝子を含み得、このレプレッサタンパク質は、レプレッサ結合部位を含むプロモーターの転写を抑制し得る。細胞の生理学的状態を変化させることによって、プロモーターを抑制し得る。例えば、レプレッサを競合的に結合する分子を加え得るかまたは増殖培地の温度を変更し得る。レプレッサタンパク質としては、E.coli laclレプレッサ(IPTGによる誘発に対して応答性)、温度感応性λcI857レプレッサなどが挙げられるが、これらに限定されない。
最低限、発現ベクターは、プロモーター配列を含むべきである。しかし、他の調節配列もまた、含まれ得る。このような配列としては、エンハンサー、リボソーム結合部位、転写末端シグナル配列、分泌シグナル配列、複製起点、選択マーカーなどが挙げられる。この調節配列は、別の調節配列と作動可能に連結されて、転写および引き続く翻訳を可能にする。好ましい局面において、発現のために本明細書中で使用されるプラスミドは、細菌中のタンパク質の発現のために設計されたプロモーターを含む。適切なプロモーターは、構成プロモーターと誘導プロモーターの両方を含み、これらは、広範に入手可能であり、そして当該分野で周知である。細菌中での発現のために一般に使用されるプロモーターとしては、T7ファージ、T3ファージ、T5ファージ、およびSP6ファージならびにtrpオペロン、lppオペロン、およびlacオペロン由来のプロモーターが挙げられる。ハイブリッドプロモーター(米国特許第4,551,433号を参照のこと)(例えば、tacおよびtrc)もまた、使用され得る。細菌中での発現のためのプラスミドの例としては、pET発現ベクターである、pET3a、pET 11a、pET 12a−c、およびpET 15b(米国特許第4,952,496号;Novagen、Madison、WI製)が挙げられる。低コピー数のベクター(例えば、pPD100)は、E.coli宿主に対して有害なペプチドの効率的な過剰産生のために使用され得る(Derschら、FEMS Microbiol.Lett.123:19、1994)。T7発現ベクターのための細菌宿主は、E.coli HMS174(DE3)pLysS株、BL21(DE3)pLysS株、HMS174(DE3)株およびBL21(DE3)株に見出されるような、誘導プロモーター(例えば、lacUVプロモーター;米国特許第4,952,496号を参照のこと)に作動可能に連結されたT7 RNAポリメラーゼをコードするDNAの染色体コピーを含み得る。T7 RNAポリメラーゼはまた、T7発現ベクターと適合性のプラスミド上に存在し得る。このポリメラーゼは、λプロモーターおよびレプレッサの制御下にあり得る(例えば、pGP1−2;TaborおよびRichardson、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:1074、1985)。
いくつかの局面において、このペプチドをコードするヌクレオチド配列はまた、分泌シグナルをコードし、その結果得られるペプチドは、前駆タンパク質(すなわち、プロタンパク質)として合成され、この前駆タンパク質は、引き続き処理され、そして分泌される。得られる分泌ペプチドまたは融合タンパク質は、細胞膜周辺腔または発酵培地から回収され得る。使用のために適切な分泌シグナルの配列は、広範に入手可能であり、そして周知である(von Heijne、J.Mol.Biol.184:99−105、1985)。
このペプチド産物は、アフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、またはイオン交換クロマトグラフィー、HPLCなどのような標準的な技術によって単離される。単離されたペプチドは、好ましくは、SDS−PAGEのクマシーブルー染色によって主要なバンドを示すべきであり、好ましくは、少なくとも75%、80%、90%、または95%の精製ペプチド、ポリペプチド、または融合タンパク質である。
(C.抗菌性カチオン性ペプチドアナログおよび誘導体の試験)
本発明の抗菌性カチオン性ペプチド、およびそのアナログまたは誘導体が、単独でかまたは抗菌剤もしくは別のアナログと組み合わせてかのいずれかで、一連のアッセイを使用する抗生物質治療剤としてのそれらの可能性について評価される。好ましくは、全てのペプチドがインビトロで最初に評価され、最も見込みのある候補は、インビボでのさらなる評価のために選択され、次いで、候補が、前臨床研究のために選択される。このインビトロアッセイとしては、抗菌活性、毒性、溶解性、薬理学、二次構造、リポソーム透過化処理などの測定が挙げられる。インビボアッセイとしては、動物モデルにおける効力(抗原性、毒性など)の評価が挙げられる。一般的に、インビトロアッセイは、最初に実施され、その後インビボアッセイが実施される。
一般的に、カチオン性ペプチドは、以下について最初に試験される:(1)インビトロでの抗菌活性;(2)正常な哺乳動物細胞に対するインビトロ毒性;および(3)動物モデルにおけるインビボ毒性。いくつかの抗菌活性を有するカチオン性ペプチドが好ましいが、このような活性は、抗菌剤の活性を増強するために必要であるとは限らない。また、インビボでの使用について、ペプチドは、好ましくは、標準的な手順によって測定されるような受容可能な毒性プロフィールを示すべきであり、ここで、より低い毒性が好ましい。さらなるアッセイが、ペプチドが、免疫原性ではないことを示すため、およびインビボの抗菌活性を試験するために実施される。
(1.インビトロアッセイ)
カチオン性ペプチド(例えば、インドリシジン(indolicidin)アナログを含む)は、例えば、アガロース希釈MICアッセイ、液体希釈法、タイムキル(time−kill)アッセイ、または等価法(equivalent method)によって評価される。抗菌活性は,微生物(例えば、細菌、真菌)の増殖または死滅の阻害として測定される。
簡単に言うと、カルシウムとマグネシウムを補充されたMueller Hintonブロス中の候補抗菌性カチオン性ペプチドは、溶融アガロースと混合される。他のブロスおよび寒天は、ペプチドがその培地全体に自由に拡散し得るほど長く使用され得る。このアガロースは、ペトリ皿またはウエルに注がれ、凝固され、そして試験株がこのアガロースプレートに適用される。この試験株は、一部、ペプチドの適用を意図して選択される。したがって、実施例の方法によって、S.aureusに対する活性を有する、インドリシンまたはそのアナログもしくは誘導体が所望される場合、S.aureus株が使用される。いくつかの株および/または試験種の臨床単離体における候補抗菌性カチオン性ペプチドをアッセイすることが所望され得る。プレートを一晩インキュベートして、細菌の増殖について視覚的に調べた。カチオン性ペプチドの最小阻止濃度(MIC)は、生物の増殖を完全に阻止する、ペプチドの最小濃度である。試験株または試験株群に対して良好な活性を示すペプチドは、典型的には、16μg/ml以下または16μg/mlに等しいのMICを有し、これらのペプチドは、さらなる試験のために選択される。好ましい抗菌性カチオン性ペプチドまたはそのアナログもしくは誘導体は、殺菌薬または静菌薬(microbistatic)であり得る。
あるいは、タイムキル(time kill)曲線を使用して、所定の時間(典型的には、24時間)にわたる増殖の差異(例えば、細菌コロニー数)を決定し得る。簡単に言うと、既知の濃度の生物懸濁液が調製され、そして候補ペプチドが添加される。懸濁液のアリコートを所定の時間で取りだし、希釈し、培地にプレートし、インキュベートし、そして計数する。MICは、ペプチドの最低濃度として測定され、これは、生物の増殖を完全に阻止し、そして一般的には、より低いMIC値が好ましい。
本明細書中で記載される溶媒、ブロスまたは共溶媒(co−solvent)系中のペプチドの溶解性は、試験され得るさらなるパラメーターである。緩衝液中での様子のような種々の異なるアッセイが使用され得る。簡単に言うと、候補抗菌性カチオン性ペプチドまたはそのアナログもしくは誘導体は、溶媒、ブロス、または共溶媒系と接触され得、そして(a)清澄(clear)、沈殿無し;(b)明るい(light)、散在性の沈殿;から(c)濁っている(cloudy)、重みのある(heavy)沈殿、までの範囲のスケールにしたがって、その見た目を評価した。一般的には、より少ない沈殿がより望まれるが、いくらかの沈殿は、受け入れられ得る。溶解性のレベルを評価するために、例えば、当業者は、その組み合わせを可視的に観察し得るか、または適切な波長でのU.V.もしくは可視光吸収のような種々の分光光度技術を使用し得る。
さらなるインビトロアッセイを実施して、治療剤としての候補ペプチドまたはそのアナログもしくは誘導体の可能性を評価し得る。このようなアッセイとしては、処方物中のペプチド溶解性、血液または血漿中の薬理学および安定性、血清タンパク質結合、二次構造(例えば、円偏光二色性)の分析、リポソーム透過化処理、および細菌膜透過化処理が挙げられる。一般的には、好ましい実施形態は、可溶性であり、生物学的流体中で活性であり、安定であり、そして一般的に天然のペプチド(例えば、インドリシジン)よりも大きい抗菌活性を有する、候補ペプチドアナログまたはその誘導体を含む。
(2.インビボアッセイ)
インビトロアッセイからの結果に基づいて選択されたペプチドおよびそのアナログまたは誘導体は、効力、安定性などについてさらにインビボで試験され得る。種々の方法および動物モデルが、選択された候補ペプチドおよびそのアナログまたは誘導体の抗菌活性を、微生物感染を回復させるそれらの能力について、インビボで評価するために利用可能である。これらのアッセイにおいて、ペプチドは、ビヒクルのみでの阻止と比較して、微生物増殖の阻害が統計学的に有意である場合、治療剤として有用である。この測定は、体液または身体部位から単離された培養物から直接的にかまたは感染した動物の生存率を評価することによって間接的に、なされ得る。
候補ペプチドアナログおよび誘導体の抗菌活性を天然のペプチドと比較して評価するために、いくつかの動物モデルが利用可能であり、その動物モデルとしては、(a)致死的容量の微生物を受容する正常マウス、(b)致死的容量の微生物を受容する好中球減少性マウス、または(c)心臓に微生物の種菌を受容するウサギ、を含む急性感染症モデル、および慢性感染性モデルが挙げられる。選択されるモデルは、一部、ペプチドおよび/またはそのアナログもしくは誘導体の、意図された臨床的指標に依存する。
例示であって、限定ではない目的によって、正常なマウスモデルを使用して、致死量の細菌を腹腔内(i.p.)または静脈内(i.v.)で、マウスに接種する。代表的に、この用量は、90〜100%の動物が2日以内に死亡する量である。このアッセイのための微生物株の選択は、一部、抗菌性カチオン性ペプチドまたはそのアナログもしくは誘導体の、意図される用途に依存し、そして付随する実施例において、アッセイを、3つの異なるStaphylococcus株を用いて実施する。簡単に言うと、選択した微生物の接種の直前または直後(一般的には60分以内)に、適切な処方緩衝液(本明細書中に記載したとおり)中のペプチドまたはそのアナログもしくは誘導体を注射する。ペプチドの複数注射が投与され得る。動物を、感染後8日まで観察し、そして生き残った動物を記録する。成功した処置は、非処置のコントロール動物と比較して、動物を死から救出するかまたは統計学的に有意なレベルまで死を遅らせる。天然のペプチド(例えば、インドリシジン)よりもよりよい効力を示す抗菌性カチオン性ペプチドアナログまたはその誘導体が、好ましい。
さらに、インビボでの使用のためには、低い免疫原性が好ましい。免疫原性を測定するために、ペプチドを正常な動物(一般的には、ウサギ)に注射する。単回または複数回の注射後、種々の時点で、血清を得、そしてペプチドまたはそのアナログもしくは誘導体に対する抗体反応性について試験する。ペプチドまたはそのアナログもしくは誘導体に対する抗体を、ELISA、免疫沈降アッセイ、ウエスタンブロットおよび他の当該分野で公知の方法(Antibodies:A Laboratory Manual、1988を参照のこと)によって同定し得る。好ましい実施形態において、目的の抗体は、検出不可能かまたは最小限度に検出可能な、候補ペプチドまたはそのアナログもしくは誘導体との反応性を有する。さらに、動物における候補ペプチドまたはそのアナログもしくは誘導体の薬理学およびペプチドで処理される動物の組織病理学が決定され得る。
潜在的な治療剤としての、抗菌性カチオン性ペプチドおよびそのアナログまたは誘導体の選択は、典型的には、インビトロおよびインビボのアッセイ結果に基づく。一般的に、低い免疫原性、良好なインビボ安定性、および低い用量レベルでの高い効力を示すペプチドが、好ましい候補抗菌性カチオン性ペプチドおよびそのアナログまたは誘導体である。
(D.カチオン性ペプチド処方物および治療法)
上記したように、本発明は、本明細書中に記載されるような、治療的に有効な量の抗菌性カチオン性ペプチド、好ましくは、インドリシジンまたはそのアナログもしくは誘導体を、患者に投与することによって感染を処置および予防するための方法を提供する。抗菌性カチオン性ペプチドは、本発明の方法において使用される場合、好ましくは、薬学的組成物の一部である。この薬学的組成物は、少なくとも1種の薬学的に受容可能なビヒクル、キャリア、希釈剤、または賦形剤を含み、さらに、1種以上の抗菌性カチオン性ペプチドおよび必要に応じて、他の成分も含む。治療用途のための薬学的に受容可能な賦形剤は、薬学的分野において周知であり、本明細書中および例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro(編)第18版、1990)およびCRC Handbook of Food、Drug、and Cosmetic Excipients、CRC Press LLC(S.C.Smolinski(編)、1992)に記載される。
本発明に従う抗菌性カチオン性ペプチド組成物の治療効力は、成功した臨床的結果に基づき、感染に関与する微生物の100%の排除を必要としない。宿主が生存するか、感染を解決するか、または原因物質を根絶するのを可能にする感染部位の抗菌活性レベルを達成することが十分である。宿主防御が最大に効果的である場合、そうでなければ健康な個体において、最小の抗菌効果のみが十分であり得る。したがって、1対数(底は10)まで生物負荷を減少させることによって、宿主の防御が、感染を制御するのを可能にし得る。さらに、臨床的治療の成功は、長期間の効果よりもむしろ初期の細菌効果をさらに増強することに依存し得る。なぜならば、長期間の効果は、宿主防御機構の活性化に時間を与えるからである。このことは、特に、生命を脅かす感染(例えば、髄膜炎)および他の重篤な慢性感染(例えば、感染性心内膜炎)について事実である。
本発明の処方物は、感染を処置および予防するのに十分な量の抗菌性カチオン性ペプチドを有し、例えば、局所的(例えば、クリーム、軟膏、皮膚パッチ、点眼薬、点耳薬、シャンプー)適用または投与のために特に適切である。他の典型的な投与経路としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:経口、非経口、舌下、膀胱洗浄(bladder wash−out)、膣、直腸、腸、坐剤、鼻、および吸入。非経口という用語は、本明細書中で使用される場合、皮下、静脈内、筋肉内、動脈内、腹腔内(intraabdominal)、腹腔内(intraperitoneal)、関節内、眼内または眼球後、耳内、鞘内、腔内性、腔内、脊椎内、肺内または経肺(transpulmonary)、滑液包内、および尿道内の注射または感染技術を含む。本発明の薬学的組成物は、その中に抗菌性カチオン性ペプチドを含み、被験体への組成物の投与において生物が利用可能になるように処方される。投与後の血清および他の組織中のペプチドのレベルは、種々の十分に確立された技術(例えば、細菌ベースのアッセイ、クロマトグラフベースのアッセイまたは抗体ベースのアッセイ(例えば、ELISA)によってモニターされ得る。したがって、特定の好ましい実施形態において、本明細書中に記載される抗菌性カチオン性ペプチドならびにそのアナログおよび誘導体は、それを必要とする被験体(例えば、動物またはヒト)の標的部位への局所適用のために処方される。
その組成物は、単回投与単位(例えば、錠剤、カプセル、またはゲル)として被験体に投与され得、そしてその組成物は、複数回投与単位(例えば、エアロゾル形態)として投与され得る。例えば、抗菌性カチオン性ペプチド処方物は、滅菌され得、所定の寸法の単回使用のプラスチックラミネートされた子袋またはプラスチックチューブにパッケージングされ得、日常的な測定された分散剤を提供する。1つの例において、この容器は、0.5mlの抗菌性カチオン性ペプチド組成物(例えば、ゲル形態)を、感染を処置または予防するために被験体上または被験体中の標的表面の限定された部分に分配するように予測された寸法を有し得る。典型的な標的は、例えば、静脈内カテーテルの挿入部位のごく近くであり、ここで、この標的表面は、通常、約2平方センチメートルの領域を有する。
抗菌性カチオン性ペプチド組成物は、存在する、異なる薬学的に受容可能な賦形剤の量および数に依存して、種々の形態で提供され得る。例えば、ペプチド組成物は、固体、半固体、液体、ローション、クリーム、軟膏、セメント、ペースト、ゲル、またはエアロゾルの形態であり得る。好ましい実施形態において、ペプチド処方物は、ゲルの形態である。本明細書中に記載されるようなこのペプチド処方組成物中で使用するために適切な薬学的に受容可能な賦形剤としては、例えば、増粘剤、緩衝剤、溶媒、湿潤剤、保存剤、キレート剤、油性化合物、緩和剤、抗酸化剤、アジュバントなどが挙げられ得る。これらの各賦形剤の機能は、本発明の内容において相互排他的ではない。例えば、グリセリンは、溶媒としてか湿潤剤としてかまたは増粘剤として使用され得る。1つの好ましい実施形態において、この処方物は、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、および溶媒を含む組成物であり、この処方物は、例えば、本明細書中に記載されるような移植されたかまたは内在する医療用デバイスの標的部位で有用である。
上記の薬学的に受容可能な賦形剤は当該分野で公知であるが、賦形剤の特定の組み合わせが、抗菌性カチオン性ペプチドならびにそのアナログおよび誘導体に、周囲温度で貯蔵される場合、アルコール性の溶媒の存在下でさえも、安定性および延長された活性を与えることは本発明の予想外の結果である。本発明の組成物中で有用な溶媒は、当該分野で周知であり、この溶媒としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、およびメタノール。いくつかの実施形態において、溶媒は、好ましくは、約0.1%〜約20%、より好ましくは、約5%〜約15%、および最も好ましくは、約9%〜11%の範囲の濃度のグリセリンまたはプロピレングリコールである。他の実施形態において、溶媒は、好ましくは、約99%まで、より好ましくは約90%まで、そして最も好ましくは85%までの濃度の水またはエタノールである。(他に示されない限り、全ての%は、w/wに基づく。)なお他の実施形態において、溶媒は、水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、およびメタノールのうちの少なくとも1つであり、好ましくは、グリセリンまたはプロピレングリコールおよびエタノールであり、より好ましくは、グリセリンおよびエタノール、そして最も好ましくは、グリセリンおよび水である。1つの実施形態は、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、溶媒を含む組成物であり、ここで、この溶媒は、99%までの濃度の水、20%までの濃度のグリセリン、20%までの濃度のプロピレングリコール、99%までの濃度のエタノール、および99%までの濃度のメタノールのうちの少なくとも1つを含む。
本発明の別の有用な薬学的賦形剤は、増粘剤である。特定の実施形態では、本発明の抗菌性カチオン性ペプチド組成物は、増粘剤を含み、限定することなく以下が挙げられる:デキストラン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルセルロース、ならびにこれらの組み合わせ。好ましい実施形態では、増粘剤は、好ましくは、約0.5%〜約5%、より好ましくは、約1%〜約3%、最も好ましくは、約1.3%〜約1.7%の範囲の濃度のヒドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースである。さらに他の好ましい実施形態では、抗菌性カチオン性ペプチド組成物は、第1の増粘剤(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストラン、またはポリビニルピロリドン)および第2の増粘剤(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストラン、またはポリビニルピロリドン)を有する。第1の増粘剤または第2の増粘剤のいずれかとして用いられる場合、デキストランおよびポリビニルピロリドンが、好ましくは、約0.1%〜約5%、そして、より好ましくは、約0.5%〜約1%の範囲の濃度で用いられる。1つの好ましい実施形態では、第1の増粘剤は、3%までの濃度のヒドロキシエチルセルロースであり、そして第2の増粘剤は、3%までの濃度のヒドロキシプロピルメチルセルロースである。当該分野で知られているように、増粘剤の量を増加して、組成物の形態を、液体〜ゲル〜半固体形態にシフトし得る。従って、処方物に用いられる増粘剤の量は、意図される用途および本明細書中で提供されるペプチド組成物の投与の位置に依存して変化し得る。
特定の適用では、本発明により意図される抗菌性カチオン性ペプチド組成物のpHを、生理学的に受容可能な範囲内およびペプチドまたはそのアナログもしくは誘導体の活性を最適にする範囲内に維持することが所望され得る。本発明の抗菌性カチオン性ペプチドは、中性またはいくらか酸性である組成物中で最良に機能するが、このペプチドは、わずかに塩基性(すなわち、pH8)である組成物中でも、抗菌活性および抗炎症活性をなお有する。従って、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、および溶媒を含む組成物は、緩衝剤をさらに含み得る。特定の実施形態では、この緩衝剤は、モノカルボキシレートまたはジカルボキシレートを含み、そして、さらに具体的には、アセテート、フマレート、ラクテート、マロネート、スクシネート、またはタータレートであり得る。好ましくは、緩衝剤を有する抗菌性カチオン性ペプチド組成物は、約3〜約8、そして、より好ましくは、約3.5〜7の範囲のpHを有する。別の好ましい実施形態では、この緩衝剤は、約1mM〜約200mM、そして、より好ましくは、約2mM〜約20mM、そして、最も好ましくは、約4mM〜約6mMの範囲の濃度である。
他の任意の薬学的に受容可能な賦形剤は、例えば、処方物の投与を補助し得るもの(例えば、抗刺激剤、ポリマーキャリア、アジュバント)、または処方物の構成成分の完全性を保護することを補助し得るもの(例えば、酸化防止剤および保存剤)である。代表的には、1.0%の抗菌性カチオン性ペプチド組成物は、2℃〜8℃で保存され得る。特定の実施形態では、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、および溶媒を含む組成物は、湿潤剤(好ましくは、ソルビトールなど)、または保存剤(好ましくは、安息香酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)をさらに含み得る。特定の状況では、抗菌性カチオン性ペプチド、またはそのアナログもしくは誘導体は、それ自体、最終の治療用組成物の保存剤として機能し得る。例えば、保存剤は、必要に応じて、本明細書中に記載されるゲル処方物中にある。なぜならば、ゲルは、オートクレーブすることにより滅菌され得、そして、さらに、他の処方物(例えば、クリーム)よりも、より最適な速度で、抗菌性カチオン性ペプチドを驚くべき品質で放出すること(すなわち、生物が利用可能にすること)を示す。さらに、特定の実施形態は、単一の処方物中に、湿潤剤、保存剤、および緩衝剤、またはそれらの組み合わせを有し得る。従って、好ましい実施形態は、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、溶媒、湿潤剤、および緩衝剤を含む組成物である。別の好ましい実施形態は、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、緩衝剤、および溶媒を含む組成物である。さらに別の好ましい実施形態では、組成物は、抗菌性カチオン性ペプチド、緩衝剤、および溶媒を含む。上記の処方物の各々を用いて、感染を処置または予防し得るか、あるいは標的部位(例えば、被験体(すなわち、動物またはヒト)のカテーテル挿入部位)での微生物叢を減少させ得る。
さらに他の実施形態では、組成物は、抗菌性カチオン性ペプチド(好ましくは、感染を処置または予防するのに十分な量)、および油性化合物を含む軟膏の形態である。例えば、油性化合物は、ペトロラタムであり得る。1つの実施形態では、油性化合物は、約50%〜約100%、より好ましくは、約70%〜約100%、さらにより好ましくは、約80%〜約100%、および、最も好ましくは、約95%〜約100%の範囲の濃度で存在する。特定の他の実施形態では、軟膏組成物は、少なくとも1つの皮膚軟化剤をさらに含み得る。この皮膚軟化剤は、約1%〜約40%、より好ましくは、約5%〜約30%、そして、より好ましくは、約5%〜約10%の範囲の濃度で存在し得る。特定の好ましい実施形態では、この皮膚軟化剤は、鉱油、セトステアリルアルコール、グリセリルステアレート、およびそれらの組み合わせであり得る。
別の局面では、組成物は、抗菌性カチオン性ペプチド(好ましくは、感染を処置または予防するのに十分な量)、溶媒、緩衝剤、少なくとも1つの皮膚軟化剤、および少なくとも1つの乳化剤を含む、半固体エマルジョン(例えば、クリーム)の形態である。好ましい実施形態では、半固体エマルジョンまたはクリームは、少なくとも1つの湿潤剤(例えば、ソルビトールおよび/またはグリセロール)、油性化合物(例えば、ペトロラタム)、増粘剤(例えば、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、および/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエンおよび、好ましくは、約0.01%〜約0.1%の範囲の濃度)、保存剤(例えば、安息香酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、またはそれらの組み合わせ)、またはこれらの組み合わせをさらに含む。特定の好ましい実施形態では、皮膚軟化剤は、ステアリルアルコール、セチルアルコール、および鉱油の内1つ以上であり得る。特定の他の好ましい実施形態では、乳化剤は、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ポリオキシエチレン40ステアレート、およびグリセリルモノステアレートの内1つ以上であり得る。好ましい実施形態では、この乳化剤は、約1%〜約20%、より好ましくは、約5%〜約10%、および、最も好ましくは、約1%〜約1.5%の範囲の濃度で存在する。上記のように、これらの乳化剤および皮膚軟化剤の各々の機能は、相互排除的ではなく、当該分野で公知でありそして本明細書中に記載される、特定の処方物に依存して、皮膚軟化剤が、乳化剤として機能し得、そして乳化剤が、皮膚軟化剤として機能し得る。特定の好ましい実施形態では、本明細書中に記載されるように、溶媒は、水などを含み、そして緩衝剤は、モノカルボキシレートまたはジカルボキシレートなどを含む。
抗菌ペプチド処方物を用いる処置に適切な被験体は、疾患を発症する危険性の十分に確立された指標、または存在する疾患の十分に確立された顕著な特徴(hallmark)により同定され得る。例えば、感染の指標としては、熱、膿、微生物陽性培養物、炎症などが挙げられる。本発明により提供される抗菌性カチオン性ペプチドを用いて処置され得る感染としては、感染が原発性であろうと、続発性であろうと、日和見性であろうと、その他であろうと、限定することなく、微生物によってかまたは微生物に起因して引き起こされるものが挙げられる。微生物の例としては、細菌(例えば、グラム陽性、グラム陰性)、真菌(例えば、酵母およびカビ)、寄生生物(例えば、原生動物、線虫、条虫、および吸虫)、ウイルス(例えば、HIV、HSV、VSV)、藻類、およびプリオンが挙げられる。これらのクラスの特定の生物は、周知である(例えば、Davisら、Microbiology、第3版、Harper & Row,1980;およびStanierら、The Microbial World、第5版、Prentice Hall,1986を参照のこと)。感染としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:トキシックショック症候群、ジフテリア、コレラ、発疹チフス、髄膜炎、百日咳、ボツリスム、破傷風、化膿性感染、静脈洞炎、肺炎、歯肉炎、粘膜炎、毛包炎、蜂巣炎、挫瘡および尋常性挫瘡、膿痂疹、骨髄炎、心内膜炎、潰瘍、熱傷、赤痢、尿路感染症、胃腸炎、炭疽、ライム病、梅毒、風疹、敗血症、および悪疫;ならびに、例えば、外傷、手術、気管内挿管、気管開口術、および嚢胞性線維症に関係する、原発性感染、続発性感染、および日和見性感染。
被験体は、本発明の組成物および方法を用いて処置可能かまたは予防可能な他の臨床的適応症を有し得、これらとしては、限定することなく、以下が挙げられる:移植可能なデバイス、留置デバイス、または類似の医療用デバイス(例えば、血管内(例えば、静脈内および動脈内)カテーテル、右心流動指向性カテーテル(right heart flow−directed catheter)、Hickmanカテーテル、動静脈瘻、血液透析および腹膜透析において用いられるカテーテル(例えば、シラスチックカテーテル、中心静脈カテーテル、Tenckhoffカテーテル、およびテフロン(登録商標)カテーテル)、血管アクセスポート(vascular access port)、留置尿道カテーテル、尿道カテーテル、シリコーンカテーテル、心室カテーテル、合成血管プロテーゼ(例えば、大腿大動脈(aortofemoral)および大腿膝窩動脈)、人工心臓弁、人工関節、整形外科用インプラント、陰茎インプラント、シャント(例えば、Scribner、Torkildsen、中枢神経系、門脈系、心室、心室腹膜(ventriculoperitoneal))、子宮内器具、綿球、コンタクトレンズ、歯科用インプラント、尿管ステント、ペースメーカ、移植可能な除細動器、チューブ、カニューレ、プローブ、血液モニタリングデバイス、針など)と関係するもの。本明細書中で用いられる場合、「医療用デバイス」とは、被験体(例えば、動物またはヒト)における使用のための任意のデバイスをいう。
背景として、毎年、5百万個を超える中心静脈カテーテル(CVC)ユニットが、米国内で販売されており、そして、米国における250,000人の患者が、毎年、CVCに関係する血流感染を発症していると見積もられている。種々の型のCVCと関係した感染は、全ての血管カテーテルに関係した血流感染の80〜90%を占める(Maki,D.G.,Infections Caused by Intravascular Devices Used for Infusion Therapy:Pathogenesis,Prevention,and Management,Infections Associated with Indwelling Medical Devices、第2版、A.L.BisnoおよびF.A.Waldvogel(編),American Society for Microbiology,Washington,DC,1994を参照のこと)。鎖骨下静脈または内頸静脈へと経皮的に挿入された、短期間の袖口なしの単一または複数のカテーテルの見込みのある研究は、3〜5%の範囲のカテーテル関連敗血症の割合(いくつかの病院においては、7〜10%の割合)を示した(Maki、1994)。これらの感染を引き起こすことが最も一般的に見出されるいくつかの生物は、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Enterococcus faecium、Escherichia coli、Enterobacter cloacae、Pseudomonas aeruginosa、およびCandida albicansであり、これらは、報告された感染の95%の原因である。従って、カテーテルを有する被験体またはカテーテルを挿入することが計画されている被験体は、本発明の抗菌性カチオン性ペプチド組成物および方法によって、特に利益を得る。
カテーテル関連感染を予防するための主なストラテジーは、バリア予防策(barrier precaution)および専門のi.v.チームの使用である。積極的な手洗いおよび滅菌グローブは、カテーテル挿入の前に、非常に推奨される。他のバリア予防策としては、例えば、長袖でかつ滅菌の手術着、マスク、帽子、および大きな滅菌ドレープが挙げられる。専門のi.v.チームと組合わせて用いられる、このバリア方法論は、例えば、カテーテル関連感染の割合を低下させるのに有効であることが見出されている。しかし、たとえ、これらの予防策を講じたとしても、任意の型の血管内デバイスが長く、同じ場所にあるほど、デバイスに関連した感染(特に、敗血症)の度重なる危険性は高くなる。例えば、袖口のないCVCが、集中治療室(ICU)患者において同じ位置で維持される時間の長さは、多くの医療センターにおいて、3日間〜7日間に任意に制限される。4日間よりも長い短期間のCVCの連続使用が、ICU患者において重要であるとみなされる場合、医師は、3つの選択肢を有する:(i)カテーテルを同じ位置に残し、感染の危険性が、4日後に増加することを受け入れる;(ii)元々の挿入部位で、古いカテーテルをガイドワイヤと交換する;または(iii)カテーテルを取除き、そして新しい部位に新しいカテーテルを配置して、それにより、さらに4日間低い危険性をもたらす。これらの選択肢は、医師または患者にとってどれも最適ではない。
本発明の利点は、インドリシジン、またはそのアナログもしくは誘導体を有し、そして本明細書中に記載されるように処方される、挿入デバイスの標的部位の防腐法が、デバイス挿入の前および/またはデバイス挿入の後、ならびにデバイスに関連した感染および他の感染の危険性を低下させる、バリア予防策と組合わせて達成され得ることである。従って、本発明の組成物および方法は、例えば、局所感染(例えば、外傷、手術、または他の医療手段の後の)を処置または予防するための、および医療用デバイスに関連した敗血症を予防するための皮膚防腐法に特に有用である。さらに、上記のように、抗菌性カチオン性ペプチドを使用する1つの利点は、抗菌剤耐性微生物を選択する危険性の低下である。
本発明の抗菌性カチオン性ペプチド処方物の使用は、多数の適用を包含し、ここで、局所的な抗菌剤は、感染の処置または予防に有用である。例えば、やけどによる創傷の感染は、広範にやけどした患者における罹患および死亡の最も一般的な原因のままである。さらに、感染は、創傷治癒、合併症の発生、およびやけど患者の予後の主な決定要因である。原因となる主な生物は、Pseudomonas aeruginosa、S.aureus、Streptococcus pyogenes、および種々のグラム陰性生物である。頻繁な挫滅組織切除法、および表皮または代理物(例えば、移植物または代用皮膚)の樹立は、感染の予防に必須である。好ましくは、抗菌ペプチド処方物は、単独かまたは抗生物質と組合わせて、ゲル、軟膏またはクリームとしてやけど創傷に塗布されるか、かつ/または全身投与される。局所適用は、表在性コロニー形成の後の全身感染を予防し得るか、または表在性感染を根絶し得る。抗菌ペプチド組成物は、好ましくは、0.5〜2%のゲル、クリーム、または軟膏として投与される。皮膚への塗布は、1日1回、または包帯を替えるごとに行われ得る。全身投与は、静脈内、筋肉内、または皮下の注射または注入を介してのものであり得る。当該分野で公知の他の経路もまた用いられ得る。
本発明の組成物および方法についての別の用途は、手術による創傷、特に、外来の物質(例えば、縫合糸)に関係するものの処置における用途である。院内感染は、全ての手術患者の71%ほど多く生じ得、そしてこれらの内40%は、手術部位での感染である。感染を予防する努力にもかかわらず、米国において、一年間に行われる約2300万の手術手順において、500,000と920,000との間の手術による創傷の感染が併発することが見積もられる。感染生物は変化するが、Staphylococci ssp.は、これらの感染において重要な生物である。好ましくは、抗菌ペプチド処方物は、単独かまたは抗生物質と組合わせて、ゲル、軟膏、クリーム、または液体として、創傷部位に塗布されるか、あるいは創傷が閉じる前または創傷が閉じる間に、液体として創傷内に適用される。閉じた後、抗菌ペプチド組成物はまた、包帯の交換時に塗布され得る。感染される、手術による創傷または外傷による創傷について、本明細書中に記載される抗菌ペプチド処方物は、局所的および/または全身に適用され得る。
なお別の例として、滅菌ガーゼ包帯は、長年の間、カテーテル処置における、標準的なケアであったが、透明なポリウレタンフィルムの包帯が優れていることもまた実証されている。なぜならば、これらは、カテーテル処置の部位の継続的な視診を可能にし、これらは、デバイスを確実に固定し、そしてこれらは、包帯を濡らすことなく、患者が入浴およびシャワーを浴びることを可能にするからである(Maki、1994)。従って、本発明の特定の実施形態は、滅菌ガーゼ包帯またはポリウレタンフィルム包帯と共に使用するための、本明細書中に記載される抗菌性カチオン性ペプチド組成物を含む。
さらに、本発明の組成物および方法は、標的部位での挿入の前に医療用デバイスを直接コーティングすることによってか、または製造時に医療用デバイスの外表面を含浸させることによって、デバイスに関連した感染の危険性を低下させるために用いられ得る。本発明のさらに別の局面では、この処方物は、医療用デバイスを含浸またはコーティングするために適切な抗菌性カチオン性ペプチドを含む。従って、抗菌性カチオン性ペプチドは、医療用デバイスまたはその構成部品の表面を処理するために適切なコーティング材料または含浸材料として処方され得る。特定の実施形態では、このようなコーティング材料および含浸材料は、抗菌性カチオン性ペプチドおよびそのアナログもしくは誘導体の、医療用デバイスまたはその構成部品の内部表面および/または外部表面への共有結合および/または非共有結合を含み得る。他の実施形態では、このようなコーティング材料および含浸材料は、ヒドロゲル層または生分解性層中に抗菌性カチオン性ペプチドのエントラップメントを含み得る。
他の実施形態は、抗菌性カチオン性ペプチドのコーティング、ゲル、軟膏、および含浸組成物の、単独か、あるいは、例えば、血液透析装置と共に用いられる、フィルターユニットまたはカテーテル構成部品と組み合わせでの使用を含む。1つの実施形態では、動静脈シャント(例えば、Scribnerシャント)は、抗菌性カチオン性ペプチドをコーティングするフィルターに、含浸され得るか、コーティングされ得るか、または適合され得る。他の実施形態は、動静脈瘻と共に使用するための、同じコーティング、ゲル、軟膏、および含浸組成物を含む。さらに別の実施形態では、コーティングは、ウーブンファイバー血管シャント(woven fiber vascular shunt)と共に使用するために適切であり得る。
さらに他の実施形態は、抗菌性カチオン性ペプチド処方物および医療用デバイスを挿入するために使用される一時的なアクセス部位を用いる方法の使用を含む。1つの好ましい実施形態では、抗菌性カチオン性ペプチド処方物は、大腿静脈カテーテル処置の間に用いられ得る。他の好ましい実施形態は、カテーテル(例えば、血管透析カテーテル、肺動脈カテーテル、腹腔透析カテーテル、臍帯カテーテル、および鎖骨下静脈カテーテル)との、抗菌性カチオン性ペプチド処方物の使用を含む。
例示の目的で、そして限定ではなく、局所感染および全身感染の両方は、汚染された血管内デバイス(例えば、CVC)から生じ得、そして代表的な原因となる生物は、コアグラーゼ陰性Staphylococci(CoNS)、Staphylococcus aureus、Enterococcus spp、E.coliおよびCandida sppである。従って、抗菌性カチオン性ペプチド、またはそのアナログもしくは誘導体(好ましくは、ゲルまたはクリームの形態)は、カテーテルの挿入の前に、次いで、包帯交換のたびに再び、カテーテル部位に適用され得る。好ましくは、このペプチドは、約0.85%〜約1.15%の範囲の濃度である。従って、代表的な実施形態では、組成物は、約3〜約8の範囲のpHで、以下を含む:約0.01%〜約10%の範囲の濃度の抗菌性カチオン性ペプチド;デキストラン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、またはヒドロキシプロピルセルロースから選択される増粘剤;ならびに水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、またはメタノールの溶媒。
好ましい実施形態では、本発明は、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、および溶媒を含む組成物を、標的部位に適用する工程を包含する、標的部位の微生物叢を減少するための方法において有用である。本明細書中で用いられる場合、標的部位は、原発性感染または続発性感染または日和見性感染(ここで感染は、被験体の外部または内部である)が存在するか、これらの危険性がある、被験体の任意の部位であり、そして本明細書中の処方物が、投与され得るか、または適用され得る任意の部位である。特定の実施形態では、標的部位で減少される微生物叢は、原核生物、真核生物、またはウイルスであり得、そして好ましくは、原核生物である。他の実施形態では、標的部位での微生物叢の減少ための方法は、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、および溶媒を含む組成物を標的部位に適用する工程を包含し、そしてこの組成物を適用する前および/または後に、標的部位に医療用デバイスを挿入する工程をさらに包含する。別の実施形態では、組成物は、上記の緩衝剤をさらに含み得、そして約3.5〜約7の範囲のpHを有し得る。さらに、組成物は、保存剤(例えば、安息香酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)をさらに含み得る。好ましくは、このペプチドは、本明細書中に記載される、インドリシジン、またはそのアナログもしくは誘導体である。
別の好ましい実施形態は、以下を含む組成物である:(a)抗菌性カチオン性ペプチド(カチオン性ペプチドは、以下のうちの1つを含む35アミノ酸までのペプチドである:11B7CN、11B32CN、11B36CN、11E3CN、11F4CN、11F5CN、11F12CN、11F17CN、11F50CN、11F56CN、11F63CN、11F64CN、11F66CN、11F67CN、11F68CN、11F93CN、11G27CN、11J02CN、11J02ACN、11J30CN、11J36CN、11J58CN、11J67CN、11J68CN、Nt−アクリロイル−11B7CN、Nt−グルコシル−11J36CNまたはNt−グルコシル−11J38CN);(b)増粘剤(増粘剤は、約1.2%〜約1.8%の濃度のヒドロキシエチルセルロースである);(c)緩衝液(緩衝液は、約4mM〜約6mMの範囲の濃度のラクタートである);(d)溶媒(溶媒は、約9%〜約11%の範囲の濃度のグリセリンおよび約85%〜約90%の範囲の濃度の水を含む);および(e)約3.5〜約7の範囲のpH。より好ましい実施形態において、カチオン性ペプチドは、約0.8%〜約1.2%の範囲の濃度である。このような組成物は、例えば、デバイス(例えば、カテーテル)または人工器官(例えば、合成動脈移植片)の挿入前に局所的に消毒するのに有用である。別の実施形態において、この組成物は、炎症(例えば、移植された医療用デバイスまたは留置医療用デバイスに関連する炎症)を回復するために、標的部位に適用され得る。
本発明の組成物および方法は、挫瘡(重症の尋常性挫瘡を含む)を処置または予防するのに治療的に有効である。挫瘡は、Propionibacterium acneによる毛包および皮脂嚢胞の集落形成および感染に起因する。多くの場合は、穏やかなままであり、そして瘢痕の原因にならないが、患者のサブセットは、大きな炎症性の嚢胞および小結節(これらは排出し、そして有意な瘢痕を生じ得る)を発症する。本明細書中に記載されるようなペプチド処方物は、石鹸に取り込まれ得るか、またはクリーム、ローションまたはゲルとして、患部に局所的に適用され得る。このペプチド処方物は、1日に1回または1日に数回のいずれかで適用され得、そして処置の長さは、病巣が存在する間であるかまたは再発性の病巣を防止するまでであり得る。あるいは、このペプチド組成物は、挫瘡病巣を処置または予防するために経口的にかまたは全身に投与されるように処方され得る。好ましいペプチド組成物は、局所的投与または局所的適用のために処方される。好ましい実施形態は、抗菌性カチオン性ペプチド、緩衝化試薬および溶媒を含む組成物であり、より好ましくは以下を含む組成物である:(a)抗菌性カチオン性ペプチド(カチオン性ペプチドは、以下のうちの1つを含む35アミノ酸までのペプチドである:11B7CN、11B32CN、11B36CN、11E3CN、11F4CN、11F5CN、11F12CN、11F17CN、11F50CN、11F56CN、11F63CN、11F64CN、11F66CN、11F67CN、11F68CN、11F93CN、11G27CN、11J02CN,、11J02ACN、11J30CN、11J36CN、11J58CN、11J67CN、11J68CN、Nt−アクリロイル−11B7CN、Ntグルコシル−11J36CNまたはNt−グルコシル−11J38CN;(b)緩衝液(緩衝液は、約4mM〜約6mMの範囲の濃度のラクテートである);(c)溶媒(溶媒は、約45%〜約55%の範囲の濃度のエタノールおよび約44%〜約54%の範囲の濃度の水を含む);および(d)約3.5〜約7の範囲のpH。より好ましい実施形態において、カチオン性ペプチドは、約0.8%〜約1.2%の範囲の濃度である。別の好ましい実施形態において、このペプチド組成物は、挫瘡薬(例えば、レチノイド、ビタミンD3またはコルチコステロイドおよびそれらのアナログまたは誘導体))をさらに含み得る。従って、標的部位で、微生物叢を減少するための、または感染を処置または予防するための特定の好ましい方法において、標的部位は皮膚であり得、そしてその皮膚は挫瘡をさらに含み得る。
本発明の組成物および方法の治療的な価値の別の例は、院内感染の処置においてである。例えば、S.aureusによる感染は、膿痂疹の病巣または感染性創傷を生じ得、そして以下の感染率の増加に関連する:心臓手術、血液透析、整形外科手術および好中球減少症(誘発性および医原性の両方の疾患)。Staphylococci spp.の鼻および鼻の外(extra−nasal)の輸送は、同じStaphylococci株の病院内での発生を生じ、この同じのStaphylococci株は、患者または病院の作業員の鼻通路あるいは鼻の外の部位を集落形成する。多くの注意が鼻での集落形成の根絶に対して払われたが、処置の結果は、一般的に不満足であった。局所的な抗菌性物質(例えば、バシトラシン、テトラサイクリンおよびクロルヘキシジン)の使用は、根絶に対して妨害されるような鼻での集落形成の抑制を生じる。
従って、好ましい実施形態は、抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、溶媒および保存薬を含み;より好ましくは以下を含む:(a)抗菌性カチオン性ペプチド(カチオン性ペプチドは、以下のうち1つを含む35アミノ酸までのペプチドである:11B7CN、11B32CN、11B36CN、11E3CN、11F4CN、11F5CN、11F12CN、11F17CN、11F50CN、11F56CN、11F63CN、11F64CN、11F66CN、11F67CN、11F68CN、11F93CN、11G27CN、11J02CN、11J02ACN、11J30CN、11J36CN、11J58CN、11J67CN、11J68CN、Nt−アクリロイル−11B7CN、Nt−グルコシル−11J36CNまたはNt−グルコシル−11J38CN;(b)増粘剤(増粘剤は、約1.2%〜約1.8%の範囲の濃度のヒドロキシエチルセルロースである);(c)溶媒(溶媒は、約9%〜約11%の範囲の濃度のグリセリンおよび約85%〜約90%の範囲の濃度の水を含む);(d)保存薬(保存薬は、約20mM〜約30mMの範囲の濃度の安息香酸である);および(e)約3.5〜約4.7の範囲のpH。より好ましい実施形態において、カチオン性ペプチドは、約0.8%〜約1.2%の範囲、または約2.5%〜約3.5%の範囲の濃度である。
これらの好ましい組成物は、本明細書中に記載される抗菌性カチオン性ペプチド処方物を標的部位に適用することによって、標的部位において、微生物叢を減少する方法、感染を処置または予防する方法に使用され得る。別の実施形態において、標的部位は粘膜(好ましくは鼻通路または外鼻腔の粘膜)であり得る。
本発明の薬学的組成物は、処置されるべき感染または疾患に対して、適切な様式で投与される。投与の量および頻度は、因子(例えば、患者の状態、感染の原因および感染の重篤度)によって決定される。適切な投薬は、臨床試験によって決定され得るが、一般的に約0.1〜50mg/kgの範囲である。
さらに、本発明の組成物は、一般的な消毒薬の様式または微生物が所望でない任意の状況で使用され得る。例えば、これらのペプチドは、以下に使用され得る:医療用デバイス用の表面の消毒、コーティング(共有結合を含む)、衣服用のコーティング(例えば、細菌の増殖を阻害するかまたは蚊を撃退するような)、空気の浄化用のフィルター(例えば、飛行機での)、水の浄化(シャンプーおよび石鹸の成分)、食物保存薬、化粧品保存薬、媒体保存薬、除草剤または殺虫剤、建築材料の成分(例えば、シリコーン封止剤)および動物産物の処理(例えば、動物の皮の硬化)。
抗菌性カチオン性ペプチド(特に、その標識されたアナログおよび誘導体)は、画像解析および診断アッセイまたは多細胞生物または単細胞生物における標的化部位に使用され得る。標的系として、アナログは、他のペプチド、タンパク質、核酸、抗体、化合物(例えば、蛍光タグ)などと結合され得る。
以下の実施例は、限定の目的ではなく、例示の目的で提供される。
(実施例1)
(カチオン性ペプチドおよびアナログの合成精製および特徴付け)
ペプチド合成は、標準的な固相Fmocタンパク質ストラテジーに基づく。使用される機器は、9050 Plus PepSynthesiser(PerSeptive BioSystems,Inc.)である。ポリエチレングリコールポリスチレン(PEG−PS)移植片樹脂は、C末端アミド合成のためのFmoc保護アミノ酸リンカーを用いて誘導体化した固相として使用される。HATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)は、カップリング試薬として使用される。合成の間、カップリング工程は、アミノ酸が高い収率で取り込まれることが保証されるように連続的にモニターされる。このペプチドを、トリフルオロ酢酸および適切なスカベンジャーを使用して固相樹脂から切断し、そして粗ペプチドを、分取用逆相クロマトグラフィーを使用して精製する。代表的に、このペプチドを、トリフルオロ酢酸塩として調製するが、他の塩(例えば、酢酸塩、塩化物、硫酸塩)もまた、塩交換によって調製され得る。
全てのペプチドを、産物が予測された分子量を有することを保証するように質量分析法によって分析する。分析用逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)(ペプチドの疎水性に基づく分離方法)に供される場合、産物は、全ピーク面積の95%より大きい単一ピークアカウンティングを有するべきである。さらに、酸−尿素ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動またはペプチドの質量比に対する荷電に基づく任意の他の分離方法に供される場合、ペプチドは、全バンド強度の90%より大きい単一バンドアカウンティングを示すべきである。
ペプチド含有量(残っている水、塩または溶媒よりもペプチドである産物の量)を、定量的なアミノ酸分析、遊離アミンの誘導体化または分光光度的定量化によって測定する。アミノ酸分析はまた、ペプチド中に存在するアミノ酸の比における情報を提供し、この情報は、ペプチドの確実性の確認を補助する。
ペプチドアナログおよびそれらの名前を、以下に列挙する。このリストおよび他において、アミノ酸を、一文字アミノ酸コードによって示し、そして小文字はアミノ酸のD体を示す。
(表1.インドリシジン(indolicidin)アナログおよびその誘導体ならびに他の抗菌性カチオン性ペプチド)
Figure 0004932136
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Nt−アクリロイル−11B7CN
Nt−グルコシル−11J36CN
Nt−グルコシル−11J38CN

Nt接頭語=N−末端改変
CN接尾語=アミド化C末端
H接尾語=C末端のホモセリン
M接尾語=MAP分枝ペプチド
R接尾語=レトロ合成化ペプチド
Orn=オルニチン
Dab=ジアミノ酪酸
大文字=L−エナンチオマーアミノ酸
小文字=D−エナンチオマーアミノ酸
(実施例2)
(改変ペプチドの合成)
抗菌性カチオン性ペプチド(例えば、インドリシジンアナログまたはその誘導体)を、合成における改変アミノ酸の使用または合成後改変のいずれかによって改変し、元のペプチドの物理学的特性を変更する。このような改変としては以下が挙げられる:N末端でのアセチル化、Fmoc誘導体化N末端、ポリメチル化(polymethylation)、ペルアセチル化(peracetylation)および分枝化誘導体。本明細書中に記載の手順を使用して改変されたペプチドを、表4に列挙する。
(α−N末端アセチル化)
樹脂からペプチドを切断し、そしてペプチドを脱保護する前に、完全に保護されたペプチドを、室温にて1時間、DMF中のN−アセチルイミダゾール(これは、α−N末端で選択的な反応を生じる)で処理する。次いで、このペプチドを脱保護/切断し、そして改変していないペプチドを精製する。
(Fmoc誘導体化α−N末端)
最終的なFmoc脱保護工程を行なわない場合、α−N末端Fmoc基は、ペプチド上に残ったままである。次いで、このペプチドを、側鎖脱保護/切断し、そして改変していないペプチドを精製する。
(ポリメチル化)
メタノール溶液中の精製ペプチドを、過剰の重炭酸ナトリウム、次いで過剰のヨウ化メチルで処理する。この反応混合物を、室温にて一晩撹拌し、有機溶媒で抽出し、中和し、そして改変されていないペプチドを精製する。この手順を使用すると、ペプチドは完全にはメチル化されない;11CNのメチル化は、平均6メチル基を生じる。従って、改変ペプチドは、メチル化産物の混合物である。
(カプロラクタム改変)
DMF溶液中の精製ペプチドを、撹拌しながら氷上で0℃まで冷却する。2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートおよびN−メチルモルホリンを、ペプチド溶液に添加する;この反応混合物を氷浴中から取り出し、そして反応混合物が室温まで上昇するまで1時間撹拌する。水を添加し、そして得られたカプロラクタムペプチド溶液を、C8 RP−HPLCによって精製する。
(ペルアセチル化)
DMF溶液中の精製ペプチドを、N−アセチルイミダゾールで、1時間室温にて処理する。粗産物を濃縮し、水に溶解し、凍結乾燥し、水に再溶解し、そして改変していないペプチドを精製する。一級アミン基の完全なアセチル化が観察される。
(4/8分枝誘導体)
分枝ペプチドを、樹脂への4分枝コア結合または8分枝コア結合上で合成する。合成および脱保護/切断は、改変していないペプチドについて行う。これらのペプチドを、4Mの塩酸グアニジン次いで水に対する透析によって精製し、そして質量分析器によって分析する。
(表2.改変インドリシジンアナログおよびその誘導体)
Figure 0004932136
(実施例3)
(カチオン性ペプチドの抗菌活性)
カチオン性ペプチドを、以下に記載されるようなインビトロアッセイを使用することによって、抗菌活性について試験し得る。
(アガロース希釈アッセイ)
アガロース希釈アッセイは、ペプチドおよびペプチドアナログの抗菌アッセイを測定する。活性を、ペプチドの最小阻止濃度(MIC)(μg/ml)として表す。
インビボ条件を模倣するために、カルシウムおよびマグネシウム補充Mueller Hintonブロスを、細菌増殖培地として低EEOアガロースと組み合わせて使用する。寒天よりもむしろアガロースを、寒天における、培地を通ってのペプチド拡散を防止する荷電基として使用する。この培地をオートクレーブし、次いでペプチド溶液の無菌添加の前に、水浴で50℃〜55℃まで冷却する。同体積の異なる濃度のペプチド溶液を、冷却した溶解したアガロースに添加し、次いで、ペトリ皿に3〜4mmの深さで注ぎ、凝固させる。
細菌性種菌を、0.5McFarland濁度標準(PML Microbiological)に調製し、次いでアガロースプレートに塗布する前に1:10に希釈する。アガロースに塗布される最終的な種菌は、5〜8mmの直径のスポット中で約10CFUである。アガロースプレートを、35℃〜37℃で、16〜20時間インキュベートする。
MICを、目視検査によって測定されるように、生物の増殖を完全に阻止する最低濃度のペプチドとして記録する。細菌および酵母に対する種々のペプチドアナログについての代表的なMIC値を、表3に示す。
(表3.アガロース希釈感受性試験によって測定されるような抗菌性カチオン性ペプチドの活性)
Figure 0004932136
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(実施例4)
(低フローセルを使用しての局所的処方物のためのインビトロ薬物放出方法)
低フローセルを使用しての局所的処方物のためのインビトロ薬物放出方法を使用して、実験的処方物からのペプチドの放出を試験する。細胞は、浸透性の合成膜(Tuffryn,Gelman)によって下部(レセプター)チャンバーから物理的に分離された上部(ドナー)チャンバーから構成される。全部で1gの候補処方物を、ドナーチャンバーに置く。レセプター流体(水に希釈、37℃)を、2ml/hでレセプターチャンバーを通ってポンピングする。画分を、様々な時間間隔で回収した。画分をバイアルに回収し、そして1画分あたりの回収されたレセプター流体の量(g)を記録した。このレセプター流体中の薬物濃度を、Nova Pak C8カラムでRP−HPLCによって測定した。このカラムを、アセトニトリル(20%〜40%の勾配)で、溶媒として0.1%水性トリフルオロ酢酸およびアセトニトリル中の0.1%トリフルオロ酢酸を使用して、10分間にわたって溶出した。流速は1ml/分であった。
(表4.インビトロ放出のフローセル測定)
Figure 0004932136
膜は、0.45μm Tuffryn(親水性ポリスルホン)膜であり、データは、時間間隔の間に放出された抗菌性カチオン性ペプチドのμgを示す。検出制限は、1時間あたり1μgの放出である。表4のデータは、ゲル処方物が優れた初期放出(これは、塗布の際、迅速な抗菌作用を促進するべきである)を示すことを示す。ゲル処方物はまた、薬物の良好な徐放を示す。22〜24時間の回収の間、レセプター流体へ放出された平均の薬物濃度は、93μg/ml(ゲル75A)〜124μg/ml(ゲル76A)の範囲であり、感受性生物体についてのMIC値を十分超える。
(表5.試験したゲルおよびクリームの組成物)
Figure 0004932136
全てのエントリーは、ゲル100gあたりに添加されたグラムである。
(実施例5)
(水性1.0%カチオン性ペプチドゲルの抗菌活性)
この研究の目的は、以下に対しての1.0%抗菌性カチオン性ペプチドゲルの抗菌活性を評価することであった:Pseudomonas aeruginosa PA004;Candida albicans CA002;Staphylococcus aureus SA016;およびStaphylococcus epidermidis SE010。手短に言えば、2g部分の11B7CN 1.0%ゲルに、16本の50mL管の各々に無菌的に移す。4つの管(各細菌について1つ)を、0日目、1日目、3日目および7日目としてラベルを付けた。コントロールとして、2g部分のビヒクル(抗菌性カチオン性ペプチド1.0%を含まないゲル)を、16本の50mL管の各々に無菌的に移し、そして上記のようにラベルを付けた。
上に列挙された生物の各々について1×10CFU/mlの種菌を、調製した。特定の生物の各々について設計された一連の管の各々について10μlの希釈されていない種菌を各管中のゲルに添加し、最終細菌濃度が5×10CFU/gのゲルを与える。管の含量を、掻き出し棒の持ち手を使用して混合した。
1日目、3日目および7日目のラベルを付けた管を、周囲の温度で維持し、そして示された時間点でサンプリングした。0日目の管は、直ぐにサンプリングした。サンプリングの時間に、試験管またはコントロール管からの1gのゲルを取り出し、そして適切な培養培地上にストリークした。適切な生物の増殖を、インキュベーションの24時間および48時間の後に観察した。残っている1gの試験ゲルおよびコントロールゲルを、生理食塩水に添加し、そして連続希釈した。0.1mlのアリコートを、適切な培地上に2連でプレーティングし、そしてインキュベーションの24時間および48時間後に計数した。
この研究の結果を、表6に記載する。1.0%の抗菌性カチオン性ペプチドゲルは、以下に対して活性を有する:P.aeruginosa PA004;C.albicans CA002;S.aureus SA016;およびS.epidermidis SE010。各生物は、1.0%の抗菌性カチオン性ペプチドゲルに対する曝露の際、直ぐに死んだ。
(表6.)1.0%抗微生物カチオン性ペプチドゲルを用いた4種類の生物についてのコロニー数のまとめ
Figure 0004932136
TNTC=多すぎて数えられない
(表6.)(続き)
Figure 0004932136
(表6.)(続き)
Figure 0004932136
TNTC=多すぎて数えられない
(表6.)(続き)
Figure 0004932136
TNTC=多すぎて数えられない
本明細書中で言及したおよび/または出願データシートに列挙した上記の全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物は、参考として本明細書中にその全体が援用される。
本発明の特定の実施形態は、例証の目的で本明細書中に記載されているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の改変がなされ得ることが理解される。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲を除いては、制限を受けない。
図1は、抗菌性カチオン性ペプチド(1%、ゲル)処方物の、細菌チャレンジ試験の結果を示し、種々の細菌および真菌の大きい接種材料を用いて播種された場合の、この処方物の抗菌効果を例示する。 図2は、この処方物の抗菌効果を例示する、抗菌性カチオン性ペプチド(1%、ペトロラタム)処方物の、細菌チャレンジ試験の結果を示す。

Claims (41)

  1. 感染を処置または予防するために使用するための組成物であって、0.01%〜10%(重量/重量)の範囲の濃度の抗菌性カチオン性ペプチド、0.5%〜5%(重量/重量)の範囲の濃度の増粘剤、溶媒、および1mM〜200mMの濃度の範囲のモノカルボキシレート緩衝剤を含み、ここで、該カチオン性ペプチドが35アミノ酸までのペプチドであり、以下の配列:
    11B7CN(配列番号23)、11B32CNR(配列番号33)、11B36CN(配列番号34)、11F4CN(配列番号58)、11F5CN(配列番号60)、11F12CN(配列番号62)、11F17CN(配列番号63)、11F50CN(配列番号64)、11F56CN(配列番号65)、11F63CN(配列番号66)、11F64CN(配列番号67)、11F66CN(配列番号68)、11F67CN(配列番号69)、11F68CN(配列番号70)、11F93CN(配列番号71)、11J02CN(配列番号98)、11J02ACN(配列番号99)、11J30CN(配列番号100)、11J36CN(配列番号101)、11J38CN(配列番号102)、11J58CN(配列番号103)、11J67CN(配列番号104)、11J68CN(配列番号105)、Nt−アクリロイル−11B7CN(配列番号119)、Nt−グルコシル−11J36CN(配列番号120)、またはNt−グルコシル−11J38CN(配列番号121)
    のうちの1つを含み;
    ここで、該増粘剤がヒドロキシエチルセルロースであり、該溶媒が水であり、20%(重量/重量)までの濃度のグリセリンを含み、該モノカルボキシレート緩衝剤がラクテートであり、そして該組成物がゲルであり、3〜8の範囲のpHを有する、
    組成物。
  2. 前記カチオン性ペプチドが、以下のアミノ酸配列:
    11B7CN(配列番号23)、11F4CN(配列番号58)、11J02CN(配列番号98)、11J30CN(配列番号100)、11J36CN(配列番号101)、Nt−アクリロイル−11B7CN(配列番号119)、またはNt−グルコシル−11J36CN(配列番号120)
    のうちの1つを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記カチオン性ペプチドが、アミノ酸配列11B7CN(配列番号23)を含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物であって、該組成物中の前記カチオン性ペプチドの濃度が、0.5%〜5%(重量/重量)の範囲内または1%〜3%(重量/重量)の範囲内である、組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物であって、該組成物中の前記カチオン性ペプチドの濃度が、4%〜6%(重量/重量)の範囲内である、組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物であって、前記増粘剤が、1%〜3%(重量/重量)の範囲の濃度または1%〜2%(重量/重量)の範囲の濃度である、組成物。
  7. デキストラン、ポリビニルピロリドン、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される第2の増粘剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. グリセリンが、9%〜11%(重量/重量)の範囲の濃度である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 3.5〜7の範囲のpHを有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記緩衝剤が、4mM〜6mMの範囲の濃度である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 保存剤をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 前記保存剤が、安息香酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、またはそれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の組成物。
  13. 薬学的組成物であって、
    0.01%〜10%(重量/重量)の範囲の濃度の抗菌性カチオン性ペプチド;
    0.5%〜5%(重量/重量)の範囲の濃度の増粘剤;
    水、グリセリン、プロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、およびメタノールから選択される溶媒、ならびに
    1mM〜200mMの範囲の濃度のモノカルボキシレート緩衝剤を含み、
    ここで、該カチオン性ペプチドが35アミノ酸までのペプチドであり、以下の配列:
    11B7CN(配列番号23)、11B32CNR(配列番号33)、11B36CN(配列番号34)、11F4CN(配列番号58)、11F5CN(配列番号60)、11F12CN(配列番号62)、11F17CN(配列番号63)、11F50CN(配列番号64)、11F56CN(配列番号65)、11F63CN(配列番号66)、11F64CN(配列番号67)、11F66CN(配列番号68)、11F67CN(配列番号69)、11F68CN(配列番号70)、11F93CN(配列番号71)、11J02CN(配列番号98)、11J02ACN(配列番号99)、11J30CN(配列番号100)、11J36CN(配列番号101)、11J58CN(配列番号103)、11J67CN(配列番号104)、11J68CN(配列番号105)、Nt−アクリロイル−11B7CN(配列番号119)、Nt−グルコシル−11J36CN(配列番号120)、またはNt−グルコシル−11J38CN(配列番号121)
    のうちの1つを含み;そして
    ここで、該増粘剤がヒドロキシエチルセルロースであり、該組成物がゲルであり、3〜8の範囲のpHまたは3.5〜7の範囲のpHを有する、
    組成物。
  14. 請求項13に記載の組成物であって、前記抗菌性カチオン性ペプチドが、以下の配列:11B7CN(配列番号23)、11F4CN(配列番号58)、11F5CN(配列番号60)、または11J02CN(配列番号98)のうちの1つである、組成物。
  15. 前記緩衝剤がラクテートであり;そして
    前記溶媒が水であり、20%までの濃度のグリセリンを含む、請求項13または14に記載の組成物。
  16. 前記増粘剤が、1%〜3%(重量/重量)の範囲の濃度であるか、または1%〜2%(重量/重量)の範囲の濃度であり;
    前記溶媒が水であり、そして0.1%〜20%(重量/重量)の範囲の濃度のグリセリンを含むか、または9%〜11%(重量/重量)の範囲の濃度のグリセリンを含み;そして
    pHが3.5〜7の範囲である、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記緩衝剤が、4mM〜6mMの範囲の濃度である、請求項13〜16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 前記緩衝剤が、4mM〜6mMの範囲の濃度のラクテートであり、
    ここで、前記増粘剤が,1.2%〜1.8%(重量/重量)の範囲の濃度であり;
    ここで、前記溶媒が、9%〜11%(重量/重量)の範囲の濃度のグリセリンおよび85%〜90%(重量/重量)の範囲の濃度の水を含み;そして
    ここで、pHが3.5〜7の範囲である、
    請求項13または14に記載の組成物。
  19. 前記緩衝剤が、4mM〜6mMの範囲の濃度のラクテートであり、
    ここで、前記溶媒が、45%〜55%(重量/重量)の範囲の濃度のエタノールおよび44%〜54%(重量/重量)の範囲の濃度の水を含み;そして
    ここで、pHが3.5〜7の範囲である、
    請求項13または14に記載の組成物。
  20. 請求項13または14に記載の組成物であって、さらに、保存剤を含み、ここで、該保存剤は、20mM〜30mMの範囲の濃度の安息香酸であり、
    ここで、前記増粘剤が,1.2%〜1.8%(重量/重量)の濃度であり;
    ここで、前記溶媒が、9%〜11%(重量/重量)の範囲の濃度のグリセリンおよび85%〜90%(重量/重量)の範囲の濃度の水を含み;そして
    ここで、pHが3.5〜4.7の範囲である、
    組成物。
  21. 保存剤をさらに含む、請求項13〜16のいずれか1項に記載の組成物。
  22. 前記保存剤が、安息香酸、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、またはそれらの組合せを含む、請求項21に記載の組成物。
  23. レチノイド、ビタミンD3、およびコルチコステロイド、ならびにそれらのアナログまたは誘導体から選択される座瘡医薬をさらに含む、請求項13または14に記載の組成物。
  24. 前記カチオン性ペプチドが、0.8%〜1.2%(重量/重量)の範囲の濃度または2.5%〜3.5%(重量/重量)の範囲の濃度である、請求項18〜請求項20のいずれか1項に記載の組成物。
  25. 前記カチオン性ペプチドが、0.5%〜5%(重量/重量)の範囲の濃度、または1%〜3%(重量/重量)の範囲の濃度である、請求項13〜請求項23のいずれか1項に記載の組成物。
  26. 前記カチオン性ペプチドが、4%〜6%(重量/重量)の範囲の濃度である、請求項13〜請求項23のいずれか1項に記載の組成物。
  27. 抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、および溶媒を含む、感染を処置または予防するために使用するための組成物であって、該カチオン性ペプチドは、アミノ酸配列11B7CN(配列番号23)を含む35アミノ酸までのペプチドであり、該増粘剤は、ヒドロキシエチルセルロースであり、そして該溶媒はグリセリンである、組成物。
  28. 前記カチオン性ペプチド11B7CN(配列番号23)が、2.0%〜4.0%(重量/重量)の範囲の濃度である、請求項27に記載の組成物。
  29. 前記カチオン性ペプチド11B7CN(配列番号23)が、2.5%(重量/重量)の濃度である、請求項28に記載の組成物。
  30. 前記カチオン性ペプチド11B7CN(配列番号23)が、3.0%(重量/重量)の濃度である、請求項28に記載の組成物。
  31. 前記グリセリンが0.1%〜20%(重量/重量)の範囲の濃度であるか、または9%〜11%(重量/重量)の範囲の濃度である、請求項27に記載の組成物。
  32. 前記グリセリンが、10%(重量/重量)の濃度である、請求項31に記載の組成物。
  33. 前記ヒドロキシエチルセルロースが、0.5%〜5.0%(重量/重量)の範囲の濃度である、請求項27に記載の組成物。
  34. 前記ヒドロキシエチルセルロースが、1.0%〜3.0%(重量/重量)の範囲の濃度である、請求項28に記載の組成物。
  35. 前記ヒドロキシエチルセルロースが、2.0%(重量/重量)の濃度である、請求項33に記載の組成物。
  36. 保存剤をさらに含む、請求項27に記載の組成物。
  37. 前記保存剤が安息香酸を含む、請求項36に記載の組成物。
  38. 緩衝剤をさらに含む、請求項27に記載の組成物。
  39. 前記緩衝剤が、モノカルボキシレートまたはジカルボキシレートを含む、請求項38に記載の組成物。
  40. 前記緩衝剤が、モノカルボキシレートを含む、請求項39に記載の組成物。
  41. 抗菌性カチオン性ペプチド、増粘剤、溶媒、および安息香酸を含む、感染を処置または予防するために使用するための組成物であって、該カチオン性ペプチドは、アミノ酸配列11B7CN(配列番号23)を含む35アミノ酸までのペプチドであり、該増粘剤は、ヒドロキシエチルセルロースであり、そして該溶媒はグリセリンである、組成物。
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