JP3469066B2 - 光重合性組成物及び光重合性積層体 - Google Patents

光重合性組成物及び光重合性積層体

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JP3469066B2
JP3469066B2 JP29450997A JP29450997A JP3469066B2 JP 3469066 B2 JP3469066 B2 JP 3469066B2 JP 29450997 A JP29450997 A JP 29450997A JP 29450997 A JP29450997 A JP 29450997A JP 3469066 B2 JP3469066 B2 JP 3469066B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合性組成物及
び光重合性積層体に関し、更に詳しくは印刷回路板作製
に適したアルカリ現像可能な光重合性組成物及び該組成
物を用いた光重合性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷回路板作成用のレジストとし
て支持層と光重合層からなる、いわゆるドライフィルム
レジスト(以下DFRと略称)が用いられている。DF
Rは、一般に支持層上に光重合性組成物からなる光重合
層を積層し、多くの場合、更に該組成物上に保護用のフ
ィルムを積層することにより調製される。
【0003】DFRを用いてプリント回路板を作製する
には、まず保護フィルムを剥離した後、銅張積層板等の
永久回路作製用基板上に、DFRを積層する。次に、必
要により支持層を剥離し、配線パターンマスクフィルム
等を通し露光を行う。露光後に支持層がある場合は必要
に応じて支持層を剥離し、現像液により未露光部分の光
重合層を溶解、若しくは分散除去し、基板上に硬化レジ
スト画像を形成せしめる。光重合層としては、現像液と
してアルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型と、有機溶
剤を用いる溶剤現像型が知られているが、近年環境問題
ないし費用の点からアルカリ現像型DFRの需要が伸び
ている。
【0004】回路を形成させるプロセスとしては現像後
は両型とも同一であり、大きく二つの方法に分かれる。
第一の方法は、硬化レジストによって覆われていない銅
面をエッチング除去した後、レジストを更に除去するも
のであり、第二の方法は、同上の銅面に銅及び半田等の
メッキ処理を行った後、レジストの除去、更に現れた銅
面をエッチングするものである。
【0005】また、DFRを用いて作製される印刷回路
板の中で、スルーホールの内周面に付設した導電性回路
形成物質層、例えば銅薄膜層によって恒久的画像形成用
基板の一方の面と他方の面とを電気的に接続した形式の
ものがほとんどである。この種の印刷回路基板の製造方
法としては、銅スルーホール法と半田スルーホール法が
一般的であって、銅スルーホール法の中ではテンティン
グ法が広く採用されるようになってきている。
【0006】半田スルーホール法はスルーホールの内周
面の導電性回路構成物質、例えば銅薄膜層を保護する耐
エッチング金属、例えば半田メッキで被覆し、次いで基
板表面の不要箇所をエッチングするものである。上述の
銅メッキや半田メッキ等の各種メッキ工程において、レ
ジストと基材との間にメッキ液がしみ込み、メッキがも
ぐるとショートの原因となる。従って耐メッキ性の優れ
たDFRが要求される。
【0007】また、露光、画像により形成された硬化レ
ジストはエッチング、あるいはメッキ後に水酸化ナトリ
ウム等のアルカリ水溶液の剥離液により剥離される。剥
離速度は生産性の観点から速いことが好ましい。また、
レジスト硬化膜の剥離液に対する溶解性が高いと、剥離
液の粘度の上昇をきたし、発泡が著しくなる。そのため
剥離液の処理能力は低下する。更に剥離液のBOD(生
物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)が
増大するため、廃液処理に要する費用が高価になる。以
上の点からレジスト硬化膜は剥離液に対して難溶である
ことが望ましい。
【0008】更に、近年印刷配線の高密度化に伴い、解
像度、密着性及びコスト面からDFRは薄膜化の傾向に
ある。そのため、基板のホールを保護する際、硬化後の
皮膜の柔軟性が要求される。
【0009】現在広く用いられているDFRの光重合層
は、(1)少なくとも1個のエチレン性基を有し、光重
合開始剤によって重合体を形成できる不飽和化合物、
(2)熱可塑性有機重合体結合剤、(3)光重合開始剤
及び(4)その他の添加剤からなっている(特公昭50
−9177号公報、特公昭57−21697号公報)。
【0010】前記不飽和化合物としては脂肪族系多価ア
ルコールのアクリル酸及びメタクリル酸エステルが最も
一般的で、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート等が知られている。また、芳
香族系2価アルコールとしてビスフェノールAにポリエ
チレングリコール若しくはポリプロピレングリコールを
付加させてアクリル酸又はメタクリル酸エステルとして
用いる例が知られている。
【0011】しかし、前者の脂肪族エステルを用いた場
合、十分な耐メッキ性が得られない。また後者のビスフ
ェノール系モノマーを用いた場合、良好な耐メッキ性を
有するが、側鎖を長くすると耐メッキ性が低下するか、
又は前記結合剤との相溶性が損なわれる。更に、アルカ
リ現像可能なDFRにおいては近年ますますファインパ
ターン化が進むなかで特にメッキ工程において十分な耐
性を有するとともに剥離工程においては速やかに剥離さ
れ、剥離液中で難溶性であるという特性を同時に満足す
る性能が求められている。
【0012】これらの特性を改良するものとして、特開
平4−88345号公報に記載されているようにビスフ
ェノールAにポリエチレングリコールとポリプロピレン
グリコールのブロックを付加した付加体のアクリル酸エ
ステル又はメタクリル酸エステルを用いた感光性樹脂組
成物が知られているが、鎖長が短く、DFRを薄膜化し
た際に硬化後の皮膜の柔軟性が低くテント破れが発生す
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
カリ現像に必要な特性を備えており、印刷回路板作製用
レジストとして用いられるエッチング、テンティング、
メッキの各工程において十分な耐久性を有し、特にメッ
キ工程において優れた耐性を示し、剥離性も良好で、硬
化膜が柔軟性に富んでいる光重合性組成物及び光重合性
積層体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ビスフェノール
A系アクリル酸及びメタクリル酸エステルモノマーの分
子中に、エチレングリコール鎖とプロピレングリコール
鎖の3元ブロック構造を有する化合物を光重合可能な不
飽和化合物として用いると、上記のレジスト特性を同時
に満足し、また硬化膜が良好な剥離性を有している光重
合性組成物が得られることを見出し、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。
【0015】すなわち、本発明は、(a)カルボキシル
基含有量が酸当量で100〜600、重量平均分子量が
2万〜50万の線状重合体5〜93重量%、(b)下記
式(I)で示される光重合可能な不飽和化合物5〜93
重量%及び
【0016】
【化2】 (式中、R1及びR2はH又はCH3であり、これらは同
一であっても相違してもよい。また、A及びBは−CH
(CH3)CH2−若しくは−CH2CH(CH3)−又は
−CH2CH2−であり、A及びBは異なるものである。
1、l2、m1、m2、n1及びn2は、l1+l2が2〜2
0、m1+m2が2〜20、n1+n2が2〜20の範囲に
ある正の整数である。) (c)光重合開始剤0.01〜30重量%を含有するこ
とを特徴とする光重合性組成物に関する。
【0017】また、本発明は、上記光重合性組成物を含
有する光重合層と支持層とからなる光重合性積層体に関
する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の光重合性組成物及び光重
合性積層体において、(b)成分の上記一般式(I)で
示される光重合可能な不飽和化合物を用いることによ
り、硬化後のレジストが特にメッキ工程において十分な
耐性を示すとともに剥離工程において良好な剥離性を示
し、硬化膜が柔軟性に富んでいるという特性を示す。
【0019】本発明に用いる(I)式で示される光重合
可能な不飽和化合物において、エチレングリコール鎖の
みである場合、剥離性をよくするために側鎖を長くする
と親水性が増し膨潤が起こりやすく耐メッキ性が損なわ
れる。またプロピレングリコール鎖のみである場合は、
同様に剥離性をよくするために側鎖を長くするとバイン
ダーとの相溶性が悪くなり、均一な組成物とならず、相
分離を起こしてしまう。また、エチレングリコール鎖と
プロピレングリコール鎖のブロック鎖長が短いと硬化後
の柔軟性が低くなりテント破れを起こしてしまう。
【0020】本発明の光重合性組成物には、前記(I)
式で示される光重合可能な不飽和化合物が5〜93重量
%含まれる必要があり、10〜60重量%の範囲がより
好ましい。光重合可能な不飽和化合物が93重量%を超
えるとフィルム付与性やタック性が悪化し、また、5重
量%未満では露光によって十分な硬化画像が形成され
ず、レジストとしての特性、例えばテンティング、エッ
チング、各種メッキ工程に対する耐性を有し得ない。
【0021】本発明においては、前記(I)式で示され
る光重合可能な不飽和化合物以外の光重合可能な不飽和
化合物も1種類以上同時に使用してもよい。同時に用い
られる前記(I)式で示される光重合可能な不飽和化合
物以外の光重合可能な不飽和化合物としては、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノ
キシテトラエチレングリコールアクリレート、β−ヒド
ロキシプロピル−β′−(アクリロイルオキシ)プロピ
ルフタレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−
β′−メタクリロイルオキシエチルo−フタレート、
1,4−テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート(これはメタクリレート及びアクリレートを表す。
以下同様)、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリ
レート、1,4−シクロヘキサンジオール(メタ)アク
リレート、オクタプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、グリセロール(メタ)アクリレート、2−ジ
(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリ
レート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオ
キシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレー
ト、ジアリルフタレート等がある。これらは光重合性組
成物中に10〜90重量%含まれていることが好まし
い。
【0022】本発明に用いる(a)成分の線状重合体中
に含まれるカルボキシル基の量は酸当量で100〜60
0である必要があり、300〜400が好ましい。また
重量平均分子量は2万〜50万である必要があり、好ま
しくは5万〜20万である。ここで酸当量とは、その中
に1当量のカルボキシル基を有するポリマーの重量をい
う。重合体中のカルボキシル基はアルカリ水溶液に対し
現像性や剥離性を有するために必要である。酸当量が1
00未満では、塗工溶媒又は他の組成物、例えばモノマ
ーとの相溶性が低下し、600を超えると現像性や剥離
性が低下する。また、分子量が50万を超えると現像性
が低下し、2万未満では光重合性積層体に用いたとき光
重合層の厚みを均一に維持することが困難になる。な
お、酸当量の測定は、平沼レポーティングタイトレータ
CONTITE−7を用い0.1N水酸化ナトリウムで
電位差滴定法により行われる。また、重量平均分子量は
日本分光製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(ポンプ;TRIROTAR−V、カラム;Shode
x A−80M×2本直列、移動相溶媒;THF、ポリ
スチレン標準サンプルによる検量線使用)により求めら
れる。
【0023】(a)成分の該線状重合体は、下記の2種
類の単量体の中より各々1種又はそれ以上の単量体を共
重合させることにより得られる。第1の単量体は分子中
に重合性不飽和基を1個有するカルボン酸又は酸無水物
である。例えば(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮
酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレ
イン酸半エステル等である。第2の単量体は光重合層の
現像性、エッチング及びメッキ工程での耐性、硬化膜の
可とう性等の種々の特性を保持するように選ばれる。例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)ア
クリレート類がある。また酢酸ビニル等のビニルアルコ
ールのエステル類や、スチレン又は重合可能なスチレン
誘導体等がある。また上記の重合性不飽和基を分子中に
1個有するカルボン酸又は酸無水物のみの重合によって
も得ることができる。
【0024】光重合性組成物に含有される線状重合体の
量は、5〜93重量%の範囲でなければならず、好まし
くは30〜70重量%である。線状重合体の量が93重
量%を超えるか又は5重量%未満であると、露光によっ
て形成される硬化画像が十分にレジストとしての特性、
例えばテンティング、エッチング、各種メッキ工程にお
いて十分な耐性を有し得ない。
【0025】本発明の光重合性組成物には(c)成分の
光重合開始剤を必須成分として含んでいる。本発明に用
いる光重合開始剤は各種の活性光線、例えば紫外線など
により活性化され重合を開始する公知のあらゆる化合物
である。例えば、2−エチルアントラキノン、オクタメ
チルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、
2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラ
キノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロ
ロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−メ
チルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10
−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキ
ノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−
2−メチルアントラキノンなどのキノン類、ベンゾフェ
ノン、ミヒラーズケトン[4,4′−ビス(ジメチルア
ミノ)ベンゾフェノン]、4,4′−ビス(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族ケトン類、ベンゾイ
ン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエ
ーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベ
ンゾインエーテル類、ジメチルチオキサントンとジメチ
ルアミノ安息香酸の組み合わせのようにチオキサントン
系化合物と三級アミン化合物との組み合わせ等がある。
【0026】本発明の光重合性組成物に含有される光重
合開始剤の量は、0.01〜30重量%であり、好まし
くは、0.05〜10重量%である。光重合開始剤が3
0重量%を超えると光重合性組成物の活性線吸収率が高
くなり、光重合性積層体として用いた時光重合層の底の
部分の重合による硬化が不十分になる。また、0.01
重量%未満では十分な感度が出なくなる。
【0027】本発明の光重合性組成物の熱安定性、保存
安定性を向上させるため、光重合性組成物にラジカル重
合禁止剤を含有させることは好ましいことである。例え
ば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガ
ロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコー
ル、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−
クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6
−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン
ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)
等が挙げられる。
【0028】本発明の光重合性組成物には、染料、顔料
等の着色物質を含有してもよい。例えばフクシン、フタ
ロシアニングリーン、オーラミン塩基、カルコキシドグ
リーンS、パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、
メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブル
ー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、ダイ
ヤモンドグリーン等が挙げられる。
【0029】また、光照射により発色する発色系染料を
含有してもよい。発色系染料としては、ロイコ染料とハ
ロゲン化合物の組み合わせがよく知られている。ロイコ
染料としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−
2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオ
レット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフ
ェニル)メタン[ロイコマラカイトグリーン]等が挙げ
られる。一方、ハロゲン化合物としては、臭化アミル、
臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭
化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、ト
リブロモメチルフェニルスルフォン、四臭化炭素、トリ
ス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリク
ロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、
1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフ
ェニル)エタン、ヘキサクロロエタン等が挙げられる。
【0030】更に、該光重合性組成物には、必要に応じ
て可塑剤等の添加剤を含有してもよい。例えばジエチル
フタレート等のフタル酸エステル類が例示できる。
【0031】本発明の光重合性組成物は、前記各成分
を、これらを溶解する溶剤、例えば、トルエン、アセト
ン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチル
ケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、クロロ
ホルム、塩化メチレン、メチレンアルコール、エチルア
ルコール等に溶解、混合させることにより、均一な溶液
とすることができる。溶液中の溶剤の量は好ましくは1
0〜70重量%である。
【0032】本発明の光重合性積層体は、上記感光性樹
脂組成物を含有する光重合層と、該光重合層を支持する
支持層とからなる。光重合性積層体は例えば支持層上に
記感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥することにより得ら
れる。
【0033】光重合層の支持層としては、活性光を透過
する透明なものが望ましい。活性光を透過する支持層と
しては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビ
ニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩
化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィル
ム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル
酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポ
リアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィル
ム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムな
どが挙げられる。これらのフィルムは必要に応じ延伸さ
れたものも使用可能である。支持層の厚さは好ましくは
5〜100μm、より好ましくは10〜30μmであ
る。
【0034】支持層と積層した光重合層のほか、光重合
層表面に必要に応じて保護層を積層する。この保護層の
重要な特性は光重合層との密着力について、支持層より
も保護層の方が、十分小さく容易に剥離できることであ
る。例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィ
ルム等がある。また、特開昭59−202457号公報
に示された剥離性の優れたフィルムを用いることもでき
る。
【0035】光重合層の厚みは用途において異なるが、
印刷回路板作製用には好ましくは5〜100μm、より
好ましくは5〜70μmであり、薄いほど解像力は向上
する。また、厚いほど膜強度が向上する。
【0036】本発明の光重合性積層体を用いた印刷回路
板の作製工程は、従来技術に準ずるものであるが、以下
に簡単に述べる。まず、保護層がある場合は、保護層を
剥離した後、光重合層を印刷回路板用基板の金属表面に
加熱圧着し積層する。この時の加熱温度は一般的に40
〜160℃である。次に必要ならば支持層を剥離しマス
クフィルムを通して活性光により画像露光する。次に、
露光後光重合層上に支持層がある場合には必要に応じて
これを除き、続いてアルカリ水溶液を用いて未露光部を
現像除去する。アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等の水溶液を用いる。これらは光重合層の特性に合わせ
て選択されるが、0.5〜3重量%の炭酸ナトリウム水
溶液が一般的である。次に現像により、露出した金属面
にエッチング法、又はメッキ法のいずれか既知の方法を
用い金属の画像パターンを形成する。その後、硬化レジ
スト画像は一般的に現像で用いたアルカリ水溶液よりも
更に強いアルカリ性の水溶液により剥離される。剥離用
のアルカリ水溶液についても特に制限はないが1〜5重
量%の水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液が一
般的に用いられる。更に現像液や剥離液に少量の水溶性
有機溶媒を加えることは可能である。
【0037】
【実施例】以下、実施例により具体的実施態様を示す
が、これにより本発明を制限するものではない。
【0038】合成例1 かきまぜ器、還流冷却器、温度計を備えた5リットル容
のセパラプルフラスコに、イオン交換水2000gを入
れ、メチルセルロース[信越化学(株)製、商品名:メ
トローズ SH−100]10g、塩化ナトリウム5g
を溶解し、75℃でかきまぜながら重合性単量体として
メチルメタクリレート365g、エチルアクリレート2
5g、メタクリル酸110g、その他の成分としてアゾ
ビスイソブチロニトリル2.5g、ドデシルメルカプタ
ン1gの均一混合物を投入した。約1時間後に内温が上
昇し始め90℃まで達した。80℃まで内温が下がった
時点で、水浴を80℃に上げ2時間、更に90℃で1時
間かきまぜた後、内容物を200メッシュの金ブルイに
あけ十分量の水で洗浄した。その結果、100〜400
ミクロンの粒径のビーズ状ポリマーが得られ乾燥した。
このポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーで分析したところ、重量平均分子量は12万であっ
た。また電位差滴定法で求めた酸当量は390であっ
た。
【0039】合成例2 合成例1と同様の方法で重合性単量体だけを次の原料に
変えて共重合体を合成した。
【0040】メチルメタクリレート200g、スチレン
150g、メチルアクリレート25g、メタクリル酸1
25g。この共重合体のゲルパーメーションクロマトグ
ラフで測定した重量平均分子量は6万であった。また、
酸当量は346であった。
【0041】実施例1 かきまぜ器、還流冷却器を備えた500ミリリットル容
のセパラプルフラスコに、メチルエチルケトン150g
と合成例1で作製した共重合体50gを仕込み、かきま
ぜながら50℃で3時間加熱溶解した。この溶液を室温
まで冷却した後、表1に示す不飽和化合物、その他の成
分を投入し、室温で15時間かきまぜた。
【0042】次にこの混合溶液を、厚さ25μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムにバーコーターを用い
て均一に塗布し、90℃の乾燥機中で5分乾燥して光重
合層の厚さ50μmの光重合性積層体を製造した。その
後、光重合層のポリエチレンテレフタレートフィルムを
積層していない表面上に35μmのポリエチレンフィル
ムを張り合わせて積層フィルムを得た。一方、35μm
圧延銅箔を積層した銅張積層板を湿式バフロール(スリ
ーエム社製、商品名:スコッチブライトHD#600、
2回通し)研磨した表面にこの積層フィルムのポリエチ
レンフィルムを剥しながら光重合層をホットロールラミ
ネーターにより105℃でラミネートして積層体を得
た。この積層体にマスクフィルムを通して、超高圧水銀
ランプ(オーク製作所 HMW−201KB)により8
0mJ/cm2で光重合層を露光した。続いてポリエチ
レンテレフタレートフィルムを剥離した後、30℃の1
重量%炭酸ナトリウム水溶液を約70秒スプレーし、未
露光部分を溶解除去したところ良好な硬化画像を得た。
【0043】次に、上記の方法で銅張積層基板に光重合
層を積層した後、ステップタブレット(KODAK社
製、21段ステップタブレット)を通し、上記の超高圧
水銀ランプにより80mJ/cm2露光した。次いでポ
リエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、30
℃の1重量%炭酸ナトリウム水溶液を約70秒スプレー
し、未露光部分を溶解除去し、水洗し乾燥した。この時
ステップタブレットの完全に膜が残っている最大段数を
読むと6段であった。(以下、この試験を感度試験と称
す。ステップタブレットは段数が大きい程光の透過率が
低い。従って感度の高いレジストほど上記判定段数は高
くなる。) また、上述の方法で銅張積層基板にラミネートした積層
体に、超高圧水銀灯により60mJ/cm2で露光し
た。次いでポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離
した後、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を約70秒スプ
レーして現像した。この現像後の基板を用いて次の二つ
の試験を行った。
【0044】第一の試験:この基板上の硬化膜に1mm
間隔にタテ及びヨコに10本づつ切れ目をいれ、100
個の碁盤目をつくり、セロテープを強く押しつけて引き
はがしたところ、完全に剥がれたものは100個中0個
であった(以下、この試験をクロスカット試験と称
す)。判定評価基準は、以下のとおりである。
【0045】○:全ての測定点で全く剥離が認められな
い。
【0046】△:100の測定点中1〜20の点で剥離
が認められた。
【0047】×:100の測定点中21以上の点で剥離
が認められた。
【0048】第二の試験:上述の現像後の基板を50℃
に加熱した3重量%水酸化ナトリウム水溶液に浸し、硬
化レジストが銅面から剥離する時間を測定したところ5
0秒であった(以下、この試験を剥離性試験と称す)。
【0049】また、上述の方法で銅張積層基板にラミネ
ートした積層体に、ポジパターンマスクフィルムを通し
て超高圧水銀灯により80mJ/cm2の紫外線を照射
した。次いでポリエチレンテレフタレートフィルムを剥
離した後1重量%炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い下
記条件で前処理、硫酸銅メッキ及び半田メッキを行っ
た。得られた画像の細線部分にセロテープを張り、十分
圧着した後テープを剥離したが、レジストの剥離は皆無
であった(以下、この試験を耐メッキ性試験と称す
る)。 [前処理条件]50℃ PC−455(メルテック社
製)25重量%溶液 3分浸漬→水洗→20重量%過硫
酸アンモニウム水溶液1分浸漬→10重量%硫酸水溶液
→水洗 [硫酸銅メッキ条件]メルテックス社製、商品名「硫酸
銅コンク」を19重量%硫酸で3.6倍に希釈したメッ
キ液中で2.5A/dm2の電流密度で室温下30分メ
ッキを行う。 [半田メッキ条件]マクダーミッド社製の半田メッキ液
(錫/鉛=6/4)を用い、2.0A/dm2の電流密
度で室温下10分間メッキを行う。 [テープ剥離判定基準] a レジストのはがれが全くない。
【0050】b 画像の両側に100μm以下の幅で1
mm未満の長さの部分が処々剥離した。
【0051】c 画像の両側に100μm以上の幅で1
mm以上の長さの部分が処々剥離した。
【0052】d ほぼ全部のレジストが剥離した。 [テント強度、伸び試験]板厚が1.6mmtで10m
mφのホールを持つ銅張積層板の片面をセロテープで保
護し、反対側の面に、前述したものと同一の方法でラミ
ネートし、露光、現像を行った後、セロテープを剥がし
た。
【0053】上記基板を用い、ホール部のテント性を以
下の条件に従い測定した。
【0054】 測定機器:RHEO METER(不動工業(株)製) 挿入ピン径:1.5mmφ、挿入速度:2cm/分 挿入ピン位置:ホールの中心 実施例2〜3 表1に示す組成に代える以外は、実施例1と同様の方法
で評価を行った。その結果を表2に示す。
【0055】比較例1〜3 表1に示す組成に代える以外は、実施例1と同様の方法
で評価を行った。その結果を表2に示す。
【0056】
【表1】 (1)共重合体組成の%は重量%を意味する。 (2)(II)式の化合物は、下記構造を有する。
【0057】
【化3】 (3)MECHPP(新中村化学工業(株)製) γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリ
ロイルオキシエチルo−フタレート
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明の光重合性組成物及び光重合性積
層体は、エッチング、テンティング、メッキの各工程に
おいて十分な耐久性を有し、特にメッキ工程において優
れた耐性を示す。剥離性も良好で、硬化膜が柔軟性に富
んでいる。更に硬化後の皮膜も柔軟である。また、本発
明の光重合性組成物及び光重合性積層体は、アルカリ現
像に必要な特性を備えており、印刷回路板作製用レジス
トとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−75371(JP,A) 特開 平4−88345(JP,A) 特開 平5−11446(JP,A) 特開 平6−161103(JP,A) 特開 平7−319154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/004 - 7/18 B32B 27/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)カルボキシル基含有量が酸当量で
    100〜600、重量平均分子量が2万〜50万の線状
    重合体5〜93重量%、 (b)下記式(I)で示される光重合可能な不飽和化合
    物5〜93重量%及び 【化1】 (式中、R及びRはH又はCHであり、これらは
    同一であっても相違してもよい。また、A及びBは−C
    H(CH)CH−若しくは−CHCH(CH
    −又は−CHCH−であり、A及びBは異なるもの
    である。l、l、m、m、n及びnは、l
    +lが2〜20、m+mが2〜20、n+n
    が2〜20の範囲にある正の整数である。) (c)光重合開始剤0.01〜30重量%を含有するこ
    とを特徴とする光重合性組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光重合性組成物を含有す
    る光重合層と支持層とからなる光重合性積層体。
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