JP3468865B2 - 抗菌性組成物 - Google Patents

抗菌性組成物

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JP3468865B2 JP21668694A JP21668694A JP3468865B2 JP 3468865 B2 JP3468865 B2 JP 3468865B2 JP 21668694 A JP21668694 A JP 21668694A JP 21668694 A JP21668694 A JP 21668694A JP 3468865 B2 JP3468865 B2 JP 3468865B2
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    • A01N35/06Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing organic compounds containing a carbon atom having two bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. aldehyde radical containing keto or thioketo groups as part of a ring, e.g. cyclohexanone, quinone; Derivatives thereof, e.g. ketals

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒノキチオールとシト
ロネル酸を、特定の割合で配合した混合物を含有するこ
とを特徴とする抗菌性組成物に関する。本発明で得られ
る抗菌性組成物は、人体に対し安全であり、かつ、高い
抗菌活性および広域の抗菌スペクトルを有し、防菌・防
黴を必要とする化粧品,日用品などの分野に広く利用す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、抗菌活性を有する成分とし
て、天然物由来の成分や化学合成品などの多くの成分が
知られており、そのうちのいくつかは、食品添加物公定
書や化粧品原料基準などに収載され、化粧品,日用品な
どの防菌・防黴の目的で利用されているが、最近では、
これらの添加物や原料の、人体に対する安全性が問われ
るようになり、特に安全性が高いと考えられている天然
物由来の成分が注目を浴びるようになってきている。 しかし、天然物由来の抗菌性成分は、その抗菌スペクト
ルの幅が狭いものが多く、化粧品,日用品などの防菌・
防黴のように、自然界の多種多様な微生物に対し広く効
力が求められる場合には適さないことがある。例えば、
スパイスやハーブの精油に由来する抗菌性成分は、カビ
類には抗菌効果が高いが、細菌類には効果が弱く、一
方、ユーカリ,シナモン,セダー,サンダルウッドなど
の精油に由来する抗菌性成分は、細菌類に対する抗菌効
果は優れているが、カビ類に対してはさほどではない。
【0003】本発明の抗菌性組成物の有効成分の一つで
あるヒノキチオールは、β−ツヤプリシンとも言い、タ
イワンヒノキや青森産ヒバ(アスナロ)などの精油中に
含有される化合物であり、公知の天然物由来の抗菌性成
分の中では最も高い抗菌活性と広域の抗菌スペクトルを
有するものの一つであることが知られている。例えば、
大腸菌(Escherichiacoli)に対する最
小発育阻止濃度(minimuminhibitory
concentration、以下「MIC」と略記す
る。)は20,000分の1(50ppm)程度であ
る。しかし、シュウドモナス(Pseudomona
s)属に対するMICは10,000分の1(100p
pm)程度であり、その他にも菌の種類によっては抗菌
効果が低いものがあることが報告されている(山口雄
三、フレグランスジャーナル、No.46(1981)
pp.56―59)。
【0004】また、特開平4―182408号公報に
は、ヒノキチオールを配合した糸状菌(カビ類)の殺菌
剤が提案されているが、これは芝草などに発生する病害
を防除するためのものと記載されている。 ヒノキチオールは、強い匂いを有するため、化粧品や日
用品に使用する場合は、その匂いの影響が出ないような
低濃度の添加しかできないが、この程度の添加量では、
シュウドモナス属細菌や糸状菌のように抗菌効果が不充
分な菌の増殖を阻止するには不十分である。
【0005】そこで、近年、このヒノキチオールと他の
成分を組み合わせて、ヒノキチオールの抗菌効果を増強
させた組成物がいくつか提案されている。例えば、特開
平2―243607号公報では、ヒノキチオールとフェ
ノキシエタノールを組み合わせたものについて、緑膿菌
(Pseudomonasaerginosa),大腸
菌(Escherichiacoli),黄色ブドウ球
菌(Staphylococcusaureus),枯
草菌(Bacillussubtilis),カンジダ
(Candidaalbicans)および黒麹かび
(Aspergillusniger)に対する抗菌効
果の増強を確認し、化粧品用防腐剤に利用している。ま
た、特開平5―271073号公報では、ヒノキチオー
ルとインドールを組み合わせて、緑膿菌(Pseudo
monasaeruginosa)に対する抗菌効果を
増強させた抗緑膿菌剤を開示している。
【0006】一方、本発明の抗菌性組成物のもう一つの
有効成分であるシトロネル酸は、ロジン酸とも言い、ヒ
ノキチオールと同様にタイワンヒノキなどの精油中に含
有される化合物であり、木材腐朽菌(Fonesann
osus)や結核菌(Mycobacteriumtu
berculosis)などに対し抗菌活性を有するこ
とが知られている(奥田治、香料化学総覧〔II〕、昭
和43年1月15日、廣川書店発行、p.1140)。
さらに、特開平6―40831号公報には、ヒノキチオ
ールやロジン酸(シトロネル酸)の他に、β−ドラブリ
ンやカルバクロールを有効成分として含有するヒノキ科
植物が、芝生の病害菌に対し抗菌性を有することが開示
されている。
【0007】さらに、特公平1―40005号公報に
は、ヒノキチオールとカルボン酸を組み合わせて、う蝕
原因菌であるミュータンス菌(Streptococc
usmutans)に対する抗菌効果を増強させた抗う
蝕性組成物が提案されており、カルボン酸の例としてロ
ジン酸(シトロネル酸)が挙げられている。しかし、具
体的にヒノキチオールとシトロネル酸を組み合わせた場
合の抗菌活性は記載されていない。具体的にヒノキチオ
ールと組み合わされたカルボン酸としては、ミリスチン
酸,ラウリン酸,オレイン酸のような直鎖状のカルボン
酸が記載されているが、これらのカルボン酸の配合割合
は、ヒノキチオール:カルボン酸=1:4〜1:20の
割合であり、本発明の抗菌性組成物におけるヒノキチオ
ールとシトロネル酸の配合割合とは全く異なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ヒノキ
チオールと他の成分を組み合わせて、ヒノキチオールの
抗菌効果を増強させた組成物は種々提案されているが、
組み合わせる成分が天然物由来のものではなく、その安
全性が懸念されたり、対象とする菌が限定されているた
めに用途が限られる等の課題がある。さらには、ヒノキ
チオールとシトロネル酸の組み合わせも知られている
が、公知の配合割合ではいずれも抗菌効果が不充分であ
ったり、対象とする菌が限定されているために用途が限
られ、必ずしも満足のいくものではなかった。しかも、
これらの成分を特定の割合で配合した場合に、特に優れ
た抗菌活性を有するようになることに関しては何ら言及
されていないし、示唆もされていない。
【0009】よって、本発明は、ヒノキチオールの抗菌
活性を化粧品,日用品などの防菌・防黴に、より広く利
用するために、ヒノキチオールに、人体に対し安全な成
分を特定の割合で配合することによって、ヒノキチオー
ルの抗菌活性を増強し、さらにはヒノキチオールの抗菌
活性では不充分であった糸状菌や緑膿菌などにも充分に
効果を発揮するように抗菌スペクトルを広げた、ヒノキ
チオール含有抗菌性組成物を提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、人体に対し安全なカルボン酸類に着目
し、これをヒノキチオールに配合して得られた混合物の
抗菌活性を調べた。その結果、種々のカルボン酸のう
ち、従来より医薬品や香料などの原材料に用いられ、人
体に対する安全性が確認されているシトロネル酸を、ヒ
ノキチオールに対し特定の割合で配合すると、ヒノキチ
オールの抗菌活性が著しく増強され、かつ、その抗菌ス
ペクトルの幅が広げられることを見出し、本発明を完成
した。
【0011】すなわち、本発明は、ヒノキチオールとシ
トロネル酸を、重量比で1:1の割合となるように配合
した混合物を含有することを特徴とする抗菌性組成物を
提供するものである。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いるヒノキチオールは、本発明で得られる抗菌性組成
物を、化粧品や日用品の防菌・防黴に利用する場合に
は、タイワンヒノキ,ヒバ,アスナロなどの精油から抽
出される天然物由来のもの(以下、「天然品」と記載す
ることがある。)でも化学合成品でもよく、さらには市
販品をそのまま用いることができるが、食品に利用する
場合には、食品添加物として認められている天然品を用
いることが好ましい。また、化粧品や日用品に利用する
場合には、ヒノキチオールのナトリウム塩,マグネシウ
ム塩,銅塩,カルシウム塩,鉄塩,バリウム塩等も用い
ることができ、さらにこれらの混合物を用いることもで
きる。
【0013】本発明で用いるシトロネル酸も、本発明で
得られる抗菌性組成物を、化粧品や日用品の防菌・防黴
に利用する場合には、天然品や合成品の他に市販品もそ
のまま用いることができるが、食品に利用する場合に
は、天然品を用いることが好ましい。また、シトロネル
酸はR体,S体,ラセミ体があるが、いずれもヒノキチ
オールと配合することによって優れた抗菌活性を有する
ことが確認されたので、本発明では、いずれも用いるこ
とができ、これらの混合物であってもよい。これらの天
然品は、R体はシトロネラ油ジャバ種やゼラニウム油中
などから抽出され、S体はパイン油やタイワンヒノキの
精油中などから抽出され、ラセミ体はショウノウ油中な
どから抽出される。なお、シトロネル酸の塩類、例えば
ナトリウム塩やカリウム塩などは、シトロネル酸に比べ
ると著しく抗菌活性が劣ることが確認されたので、本発
明では、これらの塩類ではなく、シトロネル酸を用いる
方が好ましい。
【0014】ヒノキチオールとシトロネル酸の配合割合
は、重量比で1:1の場合に、組み合わせによる抗菌活
性の増強効果が最も著しく、どちらかの配合比率が大き
くなると、この効果が低下し、特にヒノキチオールより
もシトロネル酸の配合割合が多い場合には、効果の低下
が顕著であった。また、ヒノキチオールの配合割合が、
シトロネル酸の3倍重量よりも多くなると、増強効果が
殆ど認められなくなった。よって、本発明の抗菌性組成
物は、ヒノキチオールとシトロネル酸を、重量比で1:
1の割合となるように配合するとよい。
【0015】ヒノキチオールとシトロネル酸を配合した
混合物は、シトロネル酸の中にヒノキチオールを直接添
加して、加温しながら撹拌することによって、液状物と
して得ることができる。純品のヒノキチオールは、結晶
状で扱いづらいが、本発明によれば、液状組成物とする
ことができ、扱いやすくなるという効果もある。なお、
ヒノキチオールをエタノール,プロピレングリコール,
ジアセチンなどの無毒性有機溶媒に溶解して得られた溶
液とシトロネル酸を混合すれば、さらに容易な操作で目
的とする混合物を液状物として得ることができる。
【0016】本発明では、この混合物をこのまま抗菌性
組成物として、あらかじめ食品,化粧品,日用品などに
添加して防菌・防黴に利用することもできるが、必要に
応じて適宜、適量の無毒性の基剤を添加して、例えば液
剤やエアゾル剤にして、使用時に防菌・防黴を目的とす
る対象物に混入したり、散布したりするという方法で利
用することもできる。このような目的で添加することが
可能な基剤は、特に限定されるものではないが、具体的
には、エタノール,プロピレングリコール,グリセリ
ン,ジアセチンのような有機溶剤や、液化噴射ガスなど
を挙げることができる。また、本発明の抗菌性組成物を
シート状のもの、例えば紙,布,不織布などに含浸させ
て利用することもできる。
【0017】さらに、本発明の抗菌性組成物は、他の抗
菌性成分と組み合わせて用いることもできる。本発明の
抗菌性組成物を配合することによって、他の抗菌性成分
の抗菌活性を増強することができる。配合可能な他の抗
菌性成分としては、公知の抗菌性成分であれば特に限定
することなく用いることができるが、人体に対する安全
性を考慮すれば、天然物由来の成分を用いることが好ま
しい。好ましい具体例としては、タイム油,クローブ
油,ブラックペパー油,ペパーミント油,メース油,ナ
ツメグ油,オレンジ油,サンダルウッド油,セダーウッ
ド油,シプレス油,シンナモン油などの精油、およびこ
れらの精油の成分であるチモール,オイゲノール,カル
バクロール,ジヒドログアイアレティックアシッドのよ
うなフェノール誘導体、ゲラニオール,シトロネロー
ル,ネロリドール,ファルネソールのようなアルコール
類、シトラール,シトロネラール,シンナミックアルデ
ヒドのようなアルデヒド類、γ−デカラクトン,δ−デ
カラクトンのようなラクトン類、モノカプリン,モノラ
ウリンのようなモノグリセリド類、桂皮酸,デカン酸,
3−ヒドロキシデカン酸,9−デセン酸,セネシオン酸
などの有機酸類などを挙げることができ、中でもデカン
酸,セネシオン酸などの有機酸類は、特にその抗菌活性
の増強が著しく、好ましく用いられる。
【0018】本発明の抗菌性組成物と上記した他の抗菌
性成分を組み合わせて用いる場合、その配合割合は、重
量比で前者:後者=約1:1〜約3:1、特に好ましく
は約1.5:1となるように配合するとよい。なお、本
発明の抗菌性組成物と上記した他の抗菌性成分を直接混
合したものは、そのまま食品,化粧品,日用品などの防
菌・防黴に利用することができるが、所望により適宜、
公知の基剤を添加して、錠剤,カプセル剤,散剤,顆粒
剤,液剤,エアゾル剤などの種々の剤形にして、利用す
ることもできる。また、シート状のもの、例えば紙,
布,不織布などに含浸させて利用することもできる。
【0019】上記のようにして得られる本発明の抗菌性
組成物は、バチルス(Bacillus)属、スタフィ
ロコッカス(Staphylococcus)属の細菌
のようなグラム陽性菌、エシェリヒア(Escheri
chia)属、シュウドモナス(Pseudomona
s)属の細菌のようなグラム陰性菌、アスペルギルス
(Aspergillus)属、ムコール(Muco
r)属、ペニシリウム(Penicillium)属の
ような糸状菌(カビ類)、キャンデイダ(Candid
a)属、サッカロミセス(Saccharomyce
s)属のような酵母など、多種多様な微生物に対し広
く、高い抗菌活性を有する。特に、ヒノキチオール単独
では不十分であった糸状菌やシュウドモナス(Pseu
domonas)属に属する緑膿菌などの抗菌活性が増
強される。よって、本発明の抗菌性組成物は、食品、ロ
ーション,乳液,クリーム,パック剤,仕上げ化粧品,
頭髪用化粧品,洗顔剤,浴用剤,制汗剤などの化粧品、
住居用洗剤,消毒剤,防臭剤などの日用品などに添付し
て、防菌・防黴の目的で広く利用することができる。
【0020】これらの製品に防菌・防黴の目的で利用す
る場合は、本発明の抗菌性組成物の添加量は、ヒノキチ
オールおよびシトロネル酸の混合物が全体の約0.01
〜0.2重量%となるようにするとよい。また、本発明
の抗菌性組成物を空間に散布する場合は、その散布量
は、ヒノキチオールおよびシトロネル酸の混合物が約
0.1〜2mg/mとなるようにするとよく、シート
状のものに含浸させる場合は、その含浸量は、ヒノキチ
オールおよびシトロネル酸の混合物が約0.1〜5mg
/mとなるようにするとよい。なお、これらの製品に
は、使用目的に応じた任意の成分を配合することができ
る。例えば乳液の場合は、ワセリン,スクワラン,ミツ
ロウ等の疎水性基剤、プロピレングリコール等の親水性
基剤、エチルアルコール等のアルコール類、脂肪酸モノ
グリセライド類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類等の乳化剤、顔料、香
料、その他必要に応じて、栄養剤、保湿剤、紫外線防止
剤等を常法に従って適宜配合することができる。同様
に、その他の製品についても、その種類に応じた成分を
適宜配合することができる。
【0021】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものでは
ない。 実施例1 ヒノキチオール(高砂香料工業株式会社製、以下同様)
10gおよび(R)−シトロネル酸(高砂香料工業株式
会社製、以下同様)10gを局方エタノールに溶解し、
溶液を100mlに調整し、ヒノキチオールと(R)−
シトロネル酸が重量比で1:1の割合で配合された抗菌
性組成物を得た。
【0022】実施例2 ヒノキチオール10gおよび(S)−シトロネル酸(高
砂香料工業株式会社製、以下同様)10gを局方エタノ
ールに溶解し、溶液を100mlに調整し、ヒノキチオ
ールと(S)−シトロネル酸が重量比で1:1の割合で
配合された抗菌性組成物を得た。
【0023】試験例1 実施例1〜2で得られた本発明の抗菌性組成物を、エタ
ノールで20倍に希釈した溶液(被検溶液)を用い、種
々の微生物に対する抗菌活性を、以下のようにして調べ
た。 ブレインハートインヒュージョン培地(日水製薬株式会
社製)10g、乾燥ブイヨン(日水製薬株式会社製)1
0g、酵母エキス粉末(DifcoLaborator
ies製)4gおよび寒天14gを蒸留水1000ml
に加えて加温溶解し、試験管に10mlずつ分注して高
圧滅菌した。次いで、このものを再度加温して溶液状態
に保持し、被検溶液および対照実験として本発明の抗菌
性組成物を加えないアルコールを各々5〜200μlず
つ添加して混合した後、内径90mmのプラスチックシ
ャーレに流し込んで固化した。 固化したシャーレを9分画に分け、各々の区画に被検微
生物の蒸留水懸濁液(菌数または胞子数10〜10
/ml)を5μlずつ接種して、30℃で48時間培養
し、各菌の生育の有無を肉眼で観察して、微生物の生育
しない最小濃度(MIC)を求めた。
【0024】なお、本発明の抗菌性組成物のヒノキチオ
ールとシトロネル酸の組み合わせによる効果を明確に示
すため、各々単独のMICも同様に求めた。さらに、比
較例として、実施例1と同様にしてヒノキチオールとシ
トロネル酸の配合割合が以下のような組成物を得、これ
らのMICも同様に求め、これらの結果を表1にまとめ
た。比較例1;ヒノキチオール:(S)−シトロネル酸=3:1(重量比) 比較例;ヒノキチオール:(S)−シトロネル酸=4:1(重量比) 比較例;ヒノキチオール:(S)−シトロネル酸=1:3(重量比) 比較例;ヒノキチオール:(S)−シトロネル酸=1:4(重量比)
【0025】なお、試験に用いた微生物は以下の通りで
ある。 グラム陽性菌; Bs:Bacillussubtil
isIFO3009(枯草菌) Sa:StaphylococcusaureusIA
M1011(黄色ぶどう球菌) グラム陰性菌; Ec:Escherichiacol
iAHU1410(大腸菌) Pa:PseudomonasaeruginosaI
FO13275(緑膿菌) 糸状菌類(カビ);An:Aspergillusni
gerIAM2534(黒麹カビ) Mj:MucorjanseniiAHU6009(ケ
カビ) Pf:Penicilliumfrequentans
AHU8286(青カビ) 酵母 ; Ct:Candidatropica
lisAHU3410 Sc:Saccharomycescerevisia
eIFO2030
【0026】
【表1】
【0027】表1によれば、例えば枯草菌(Bs)に対
するMICは、ヒノキチオール単独では50ppm、
(R)または(S)−シトロネル酸単独では500pp
mであったが、これらを組み合わせることによって、実
施例1および実施例2で示すように、いずれもMIC
、40ppmに低下した。 このことより、ヒノキチオールを低濃度で使用しても優
れた抗菌活性を示すようになったこと、すなわち、ヒノ
キチオールの抗菌活性が増強されたことが明らかであ
る。
【0028】その他の微生物に対しても、ヒノキチオー
ルとシトロネル酸の組み合わせによって優れた抗菌活性
を示すようになったが、特にヒノキチオール単独ではそ
れほど高い抗菌活性を有しない菌、すなわち緑膿菌(P
a)ならびに黒麹カビ(An),ケカビ(Mj)および
青カビ(Pf)などに対する抗菌活性の増強効果が顕著
であり、このことより、シトロネル酸を組み合わせるこ
とによってヒノキチオールの抗菌スペクトルが広がった
ことが明らかである。
【0029】試験例2 シトロネル酸以外の2種のカルボン酸について、実施例
1と同様にしてヒノキチオールが重量比で1:1の割合
で配合された組成物を得、これをエタノールで20倍に
希釈した溶液(被検溶液、比較例5〜6)を用い、試験
例1と同様にして数種の微生物に対するMIC(単位:
ppm)を求めた。また、これらのカルボン酸単独のM
ICも同様にして求め、これらの結果を表2にまとめ
た。
【0030】なお、試験に用いた微生物は以下の通りで
ある。 グラム陽性菌; Bs:Bacillussubtil
isvarnigerIFO3108(枯草菌) グラム陰性菌;Pa:Pseudomonasaerg
inosaIAM1202(緑膿菌) 糸状菌類(カビ); An:Aspergillusn
igerAHU7217(黒麹カビ) 酵母 ;Sc:Saccharomycesce
revisiaeAHU3028 上記の如く試験例1と同種の菌を用いたが、菌株が異な
るため、ヒノキチオールのMICの数値が試験例1の結
果とやや異なるものがある。
【0031】
【表2】
【0032】表2によれば、例えばSaccharom
ycescerevisiae(Sc)に対するMIC
は、ヒノキチオール単独では50ppm、デカン酸単独
では1000ppm以上であったが、これらを組み合わ
せると、比較例5および比較例6で示すように、いずれ
MICは、100ppmとなり、ヒノキチオールの濃
度は単独の場合と全く変わることなく、すなわちデカン
酸を組み合わせてもヒノキチオールの抗菌活性の増強は
全く見られなかったことが明らかである。同様に、その
他の微生物に対しても、デカン酸およびミリスチン酸の
いずれもヒノキチオールと組み合わせても、その抗菌活
性を増強することはなかった。
【0033】実施例乳液 以下の処方のa成分を75℃に、b成分を73℃にそれ
ぞれ加熱溶解し、a成分をb成分へ攪拌しながら添加し
て乳化し、実施例1で得た本発明の抗菌性組成物および
香料を添加し、均一に混和して乳液100gを製造し
た。
【0034】
【表3】
【0035】実施例シャンプー組成物 以下の処方を常法に従って混合し、シャンプー組成物1
00gを製造した。
【0036】
【表4】
【0037】実施例洗剤 以下の処方を均一に混合し、洗剤100gを製造した。
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、ヒノキチオールとシト
ロネル酸を重量比で1:1の割合となるように配合した
混合物を含有せしめることによって、人体に対し安全で
あり、かつ、高い抗菌活性および広域の抗菌スペクトル
を有する抗菌性組成物を得ることができる。このもの
は、化粧品,日用品などの防菌・防黴の目的に広く利用
することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 65/00 A01N 35/06 A01N 37/06 A61K 7/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒノキチオールとシトロネル酸を、重量
    比で1:1の割合となるように配合した混合物を含有す
    ることを特徴とする抗菌性組成物。
  2. 【請求項2】 対象とする菌が糸状菌である請求項1記
    載の抗菌性組成物。
  3. 【請求項3】 対象とする菌が緑膿菌である請求項1記
    載の抗菌性組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の抗菌性組成物を配合して
    なる化粧品。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の抗菌性組成物を配合して
    なる日用品。
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