JP3468544B2 - 可食性セルロースの製造方法 - Google Patents
可食性セルロースの製造方法Info
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Description
性セルロースの製造法に関する。
バクター属に属する微生物がセルロースを生産すること
はよく知られている。このセルロースは、培地表面に白
い半透明のスポンジ状になって生成する。このセルロー
ス膜を、フィリピンでは『ナタ』と呼び、これをシロッ
プ漬けにしたものをデザート食品として利用している。
フィリピンでは、微生物セルロースの培養生産にはココ
ナツやパイナップルなどの果汁が用いられている。ココ
ナツから培養生産された『ナタ』をシロップ漬けにした
ものを『ナタ・デ・ココ』、同じく、パイナップルから
培養生産された場合は『ナタ・デ・ピナ』と呼ばれてい
る。
組成としては、果汁と炭素源および、アンモニア態窒素
からなる酸性培地で培養する方法や(The NATA
organism−culture require
ment,characteristics,and
identity/THE PHILIPPINEJO
URNAL OF SCIENCE,vol.96,N
o.2,91−109(1967))、炭素源と酵母エ
キス、ペプトン等の栄養源および無機塩類などからなる
培地で培養する方法(Synthesis of Ce
llulose by A.xylinum /Bio
chem.J.58,345(1954))が知られて
いる。また、炭素源としてセルロースの部分分解物(セ
ロオリゴ糖)を加える方法(特開昭54−37889号
公報)、培地にイノシトール、フィチン酸を添加する方
法(特開昭61−212295号公報)、同じく培地に
セルラーゼを微量に添加する方法(特開昭63−744
90号公報)などが提案されている。しかし、従来の微
生物セルロースの生産方法では、重量当りでのセルロー
スの生産速度の増加という点でしか効果は無かった。
および、糖、無機塩のみからなる培地では、セルロース
膜の単位時間当りの生成膜厚は小さい。そこで、セルロ
ース膜の単位時間当りの生成膜厚(生成速度)を上昇さ
せ、迅速に可食性セルロース膜を生産できる製造法を確
立することが本発明の課題である。
を解決すべく鋭意研究した結果、アセトバクター属に属
するセルロース生産能のある微生物を0.1〜5%のエ
タノールを含有する培地中で静置培養し、生成したセル
ロースを採取することを特徴とするやわらかくて透明感
のある可食性セルロースの製造方法、およびアセトバク
ター属に属するセルロース生産能のある微生物を0.1
〜3%までのエタノールを含み、かつ酢酸をエタノール
との合計で5%以下含む培地中で静置培養し、生成した
セルロースを採取することを特徴とするやわらかくて透
明感のある可食性セルロースの製造方法を開発するに至
り、本発明を完成した。即ち、エタノール添加、または
エタノールと酢酸の適切な混合添加によって、セルロー
ス膜の生成速度を上昇させることが可能になるととも
に、セルロース膜のかたさ、つまりゲル強度をコントロ
ールすることが可能になる。また、セルロース膜の透明
感を高める効果も生ずることから、食用に適するよう
に、やわらかく、より透明感が高い、セルロース膜を迅
速に生産できる。
透明感をコントロ−ルするためには、添加量だけでな
く、培養日数およびpHとの関係をも適切化する必要が
ある。例えば、培養日数が短い間は添加量の少ない方が
生成速度が高いこともある。従って、添加量を増加させ
る際は、その添加量に見合った培養日数をとることも必
要である。
化学的に純粋なもの以外にこれらの物質を含有するもの
であってもよい。同じく酢酸も、化学的に純粋なもの以
外にこれらの物質を含有するもの、さらに、酢酸の塩を
含有するものであってもよい。本発明において使用され
る微生物は、アセトバクター属に属し、セルロース生産
能を有するものである。好適な例としては、アセトバク
ター・キシリナムIFO−13772,同13773を
挙げることができる。
スやグルコース等の糖やこれらを含有する物質が用いら
れる。培地中の炭素源の濃度に制限はないが、シューク
ロースやグルコースの場合2〜10%程度が好ましい。
窒素源は、アンモニウム塩、硝酸塩、尿素、ペプトン等
が用いられる。これらのなかでも、アンモニウム塩がも
っとも効果がある。また、培地中の果汁や酵母エキス由
来の窒素源も利用される。培地中の窒素源は、果汁や酵
母エキスが十分存在する場合、必ずしも必要ではない。
しかし、上記窒素源を0.05〜2%添加するのが、よ
り好ましい。
は、酵母エキス、ペプトン、果汁などが有効である。酵
母エキス、ペプトンでは、添加量は0.05〜2%程
度、果汁では、3〜10%程度が望ましい。培地の初発
pHは3〜7が望ましい。特に、酢酸を0.5%以上添
加する場合はpH3〜5の酸性領域が望ましい。
培養日数は、3〜40日程度が望ましい。本発明の方法
によって生成されるセルロースは、そのまま採取しても
よく、さらに、菌体や培地成分等のセルロース性物質以
外の物質を除去する処理を行っても良い。不純物を取り
除く方法としては、水洗、煮沸、希酸洗浄、漂白やこれ
らを組み合わせた方法等が利用される。
培地を用いた。Hestrin培地の培地組成は以下に
示す通りである。D−グルコース1%、バクト・ペプト
ン(Difco)1%、酵母エキス(Difco)0.
5%、塩化ナトリウム0.2%、リン酸水素2ナトリウ
ム0.14%、クエン酸0.035%、寒天2%、pH
6.8。
培養した、アセトバクター・キシリナムIFO−136
93,同13772,13773を、Hestrin−
Shramm培地(pH6.8)で 30℃、2日間前
培養した。Hestrin−Shramm培地の培地組
成は以下に示す通りである。D−グルコース2%、バク
ト・ペプトン(Difco)0.5%、酵母エキス(D
ifco)0.5%、クエン酸0.115%、リン酸水
素2ナトリウム0.27%(pH6.8)。
amm培地に、エタノールを0,2%を添加した培地を
用いた。80mlの主培養培地に前培養液を5%植菌し
て、17日間培養した。培養には、内径5cmのガラス
瓶を用い、培地を4cm程度の深さに張って培養を行っ
た。培養14日後、セルロースの生成膜厚を測定した。
結果を表1に示す。
とによって生成膜厚が増加することがわかる。
培養した、アセトバクター・キシリナムIFO−137
72、同13773を、Hestrin−Shramm
培地(pH4)で30℃、2日間前培養した。主培養で
は、Hestrin−Shramm培地に、エタノール
を0,0.5,1.0%、酢酸を0,0.5,1.0%
添加した培地を用いた。80mlの主培養培地に前培養
液を5%植菌して、14日間培養した。結果を表2に示
す。
な量、添加することによって生成膜厚が増加し、セルロ
ース膜のかたさについても、エタノール、酢酸添加量が
増加するに従って、セルロース膜がやわらかくなること
がわかる。
を増加させることが可能になり、またゲル強度、透明感
のコントロ−ルが可能になる。
Claims (2)
- 【請求項1】 アセトバクター属に属するセルロース生
産能のある微生物を0.1〜5%のエタノールを含有す
る培地中で静置培養し、生成したセルロースを採取する
ことを特徴とするやわらかくて透明感のある可食性セル
ロースの製造方法。 - 【請求項2】 アセトバクター属に属するセルロース生
産能のある微生物を0.1ー3%までのエタノールを含
み、かつ酢酸をエタノールとの合計で5%以下含む培地
中で静置培養し、生成したセルロースを採取することを
特徴とするやわらかくて透明感のある可食性セルロース
の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP09264393A JP3468544B2 (ja) | 1993-04-20 | 1993-04-20 | 可食性セルロースの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09264393A JP3468544B2 (ja) | 1993-04-20 | 1993-04-20 | 可食性セルロースの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06303988A JPH06303988A (ja) | 1994-11-01 |
JP3468544B2 true JP3468544B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=14060139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09264393A Expired - Fee Related JP3468544B2 (ja) | 1993-04-20 | 1993-04-20 | 可食性セルロースの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3468544B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004050986A1 (en) * | 2002-12-05 | 2004-06-17 | Nelson Luiz Ferreira Levy | A process for obtaining a cellulosic wet sheet and a membrane the equipment used to obtain the membrane and the membrane obtained. |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3471916B2 (ja) | 1994-09-28 | 2003-12-02 | サッポロホールディングス株式会社 | 組換えβ−アミラーゼ |
JPH09308495A (ja) * | 1996-05-21 | 1997-12-02 | Bio Polymer Res:Kk | バクテリアセルロースの連続的製造方法 |
-
1993
- 1993-04-20 JP JP09264393A patent/JP3468544B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2004050986A1 (en) * | 2002-12-05 | 2004-06-17 | Nelson Luiz Ferreira Levy | A process for obtaining a cellulosic wet sheet and a membrane the equipment used to obtain the membrane and the membrane obtained. |
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JPH06303988A (ja) | 1994-11-01 |
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