JP3468329B2 - 水質浄化方法 - Google Patents

水質浄化方法

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JP3468329B2 JP03715296A JP3715296A JP3468329B2 JP 3468329 B2 JP3468329 B2 JP 3468329B2 JP 03715296 A JP03715296 A JP 03715296A JP 3715296 A JP3715296 A JP 3715296A JP 3468329 B2 JP3468329 B2 JP 3468329B2
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水質浄化方法に関
する。本発明の水質浄化方法によれば、船舶や流木など
の水上移動物の妨害を低減し、しかも低コストで、水質
を浄化することができる。
【0002】
【従来の技術】河川、湖沼又は海などの水質を浄化する
手段の1つに、各種の水中生物を利用する方法がある。
河川などに、微生物や藻類から魚類に至る各種の生物が
生息すると、それらの生物環によって河川などが自然に
浄化される。特に、都市部を流れる河川の多くは、河床
及び河岸法面がコンクリートやコンクリートブロックな
どで覆われ、自然環境から隔離されているので、水中生
物による浄化作用を利用する仕組みを人為的に設けるこ
とが重要である。例えば、微生物や藻類などが付着し易
い不織布などからなる繊維質多孔質体、又は表面積が増
大するように立体成形した柱状体若しくは筒状体など
を、河川内に設けることが考えられる。そして河川など
の浄化を効率よく実施するには、例えば、長尺状の繊維
質多孔質体を、水底及び/又は水上の支持具に保持させ
て、水質を浄化すべき水域全体の水中に、水底から水面
までの全空間に密集させて林立させる方法がある。この
方法は、単位体積当たりの水中生物保持量が多くなる点
では好ましいが、水中生物保持構造物の設置コストが高
くなる。また、河川などのように水流が存在する水域で
は、前記構造物によって水流に対する抵抗が大きくな
り、河川の円滑な流れが妨げられる場合があるだけでな
く、大型のゴミが引っ掛かったり、河川が大雨などの影
響で増水した際には、それらの構造物が原因で流水が妨
げられたり、設置個所から上流域の水位を上昇させたり
して、それらの構造物を設けたことにより、かえって被
害を大きくすることのないように配慮する必要がある。
更に、船舶のスクリューが絡むことがあり、事実上、船
舶の運航が不可能となる。また、湖沼又は海などに構造
物を設置した場合にも、湖沼への河川の流入や流出、海
への河川の流入、若しくは潮の満ち引き等による自然な
水の流れ、又は浄化処理等により発生する人工的な水の
流れ等、種々の水の流れが存在するので、河川と同様の
問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、船舶などの航路を確保しながら、ゴミなどが引っ掛
かりにくく、更に、大雨等により河川などの流速や流量
が一時的に増加した場合には、流水の障害を起こすこと
がなく、しかも浄化対象となる河川、湖沼、又は海など
の水域全体を効率よく低コストで浄化する方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、本発明に
より、水流が存在する水質浄化対象水域を、浄化領域と
流水案内領域とに分け、前記浄化領域の水中には、実質
的に水底から水面までの範囲内において実質的に垂直方
向に延びる長尺状水処理材の複数個を、密集させて林立
させ、前記流水案内領域の水中には、その流水案内領域
の流水の少なくとも一部を前記浄化領域へ誘導すること
のできる流水案内手段を水底に固定させて配置し、前記
の流水案内手段の高さは、水上又は水面付近の移動物の
水中移動空間の底面までの高さまでであるものとし、そ
して、前記の長尺状水処理材の垂直方向の長さは、前記
の流水案内手段の高さよりも長いものとすることを特徴
とする、水質浄化方法によって達成することができる。
【0005】本発明方法は、河川、湖沼、又は海の水質
浄化に適用することができる。従って、本発明の水質浄
化方法において、「水質浄化対象水域」は、河川、湖
沼、又は海において、水質を浄化すべき対象とする水域
である。本明細書において「河川」には、水が流れる自
然又は人工的な水路がすべて含まれ、具体的には、河
川、特には中小河川(好ましくは、流水路法面などの少
なくとも一部分をコンクリートやコンクリートブロック
などで覆った河川)、運河、又は堀などを挙げることが
できる。「湖沼」には、陸地内部で水が自然に又は人工
的に溜まっている水域がすべて含まれ、具体的には、
湖、池、沼、貯水池、又は水溜まりなどを挙げることが
でき、特には湖沼に流れ込む河川の河口部に接し、水流
が存在する水域を挙げることができる。また、「海」に
は、港湾内、湾内、又は外洋などが含まれ、特には海に
流れ込む河川の河口部に接し、水流が存在する水域を挙
げることができる。また、以下の説明においては、河
川、湖沼、又は海を一括して「河川等」と称することが
あり、この「河川等」には、水が流れる水路がすべて含
まれ、具体的には、前記河川、前記湖沼、及び前記海な
どが含まれる。
【0006】また、「水流が存在する水質浄化対象水
域」において「水流」とは、連続的な一定方向の水流、
例えば、河川における上流から下流への水流、支流の河
口部から本流内への水流、又は河川河口部から湖沼若し
くは海への水流だけでなく、不連続な水流、例えば、潮
の干満による河川や湖沼における水流も含む。本明細書
において「水上又は水面付近の移動物」とは、河川等の
水流に流されて移動する物体、例えば、ゴミ(特に大型
のゴミ)や流木、あるいは、水上交通手段を意味する。
ここで、「水上交通手段」とは、河川等の水上を移動す
る交通手段であり、例えば、船舶、ウインドサーフィ
ン、イカダ、水上遊技具などを挙げることができる。従
って、本明細書において「水上又は水面付近の移動物の
水中移動空間」とは、前記移動物が通過する水上又は水
面付近の水中空間を意味する。また、「水上交通手段の
運航路」には、前記の水上交通手段が定期的に通過する
通路だけでなく、臨時に通過することが予想される通路
も含まれる。更に、本明細書において「水位」とは水底
から水面までの距離を意味し、「通常水位」とは、その
地点での年平均水位を意味する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明方法においては、水質浄化
対象水域を、浄化領域と流水案内領域とに分割し、浄化
領域には長尺状水処理材を配置し、流水案内領域には流
水案内手段を配置する。前記の浄化領域においては、長
尺状水処理材として、水中に浸漬されると、河川等の水
質浄化に有用な微生物(例えば、細菌、菌類、藻類、原
生動物、又は微小後生動物)を付着することができ、こ
れらの微生物により水質の浄化を実際に行う手段を用
い、この長尺状水処理材を、浄化領域の水中の実質的に
全体に、密集させて配置する。
【0008】また、流水案内領域において用いる流水案
内手段としては、その領域の流水の少なくとも一部を前
記の浄化領域へ誘導案内することのできる手段であれば
特に限定されないが、例えば、(a)衝突する流水を遮
断して水流方向を転換する誘導手段、(b)流水案内手
段を水中で自立させる浮力を付与する手段、及び(c)
水底に配置された支持具又は水底に取り付けることので
きる連結手段、を含む、流水案内手段を用いることがで
きる。
【0009】本発明方法においては、浄化領域に配置す
る長尺状水処理材の垂直方向の長さは、流水案内領域に
配置する流水案内手段の高さよりも長ければよいが、一
般的には、浄化領域に配置する長尺状水処理材は、浄化
領域の水中において、実質的に垂直方向に、実質的に水
底から水面まで延びることが好ましい。長寸の長尺状水
処理材の具体的な長さは、河川等の水量変化によって適
宜決定することができる。
【0010】また、流水案内領域に配置する流水案内手
段の高さ(水底からの高さ)は、水質浄化対象水域の水
底から、水上又は水面付近の移動物の水中移動空間(す
なわち、移動物がその移動中に水中に占める部分を流水
案内手段と接触させない目的で、流水案内手段を配置し
ない空間)の底面までの高さの範囲内にあればよい。従
って、流水案内手段の高さの上限は、一般的には、河川
の通常水位によって適宜決定する。一般的には、通常水
位の60%の高さ、好ましくは50%の高さ、より好ま
しくは40%の高さである。通常水位の60%の高さを
越えると、水上交通や流木、大型ゴミなどの移動の妨げ
となると共に流水抵抗を高めたり設置コストが高くな
ることがあるので好ましくない。流水案内手段の長さ
(水底からの高さ)の下限は特に限定されないが、好ま
しくは通常水位の10%の高さ、より好ましくは20%
の高さである。通常水位の10%の高さ未満になると、
流水を充分に誘導することができなくなることがあるの
で好ましくない。
【0011】また、流水案内領域が水上交通手段の運航
路である場合には、水上交通手段の運航路水中空間(す
なわち、水上交通手段がその運航中に水中に占める部分
を流水案内手段と接触させない目的で、流水案内手段を
配置しない空間)の底面までの高さであるのが好まし
い。流水案内手段の長さ(水底からの高さ)は、航行す
る船舶の大きさ(水中に占める船体の深さ)によって適
宜決定する。すなわち、船舶の船底やスクリューが流水
案内手段に触れないように上限を決める。従って、こう
して決定した上限が、通常水位の60%の高さを越える
場合もある。下限は上記の場合と同じである。
【0012】本発明方法の一態様としては、前記の流水
案内手段として、前記の長尺状水処理材を用いることも
できる。すなわち、浄化領域には、長寸の長尺状水処理
材を配置し、流水案内領域には、短寸の長尺状水処理材
を配置する。ここで長寸及び短寸とは、長寸の長尺状水
処理材の垂直方向の長さが、短寸の長尺状水処理材の長
さ(高さ)よりも単に長いことを意味する。しかし、一
般的には、長寸の長尺状水処理材は、浄化領域の水中に
おいて、実質的に垂直方向に、実質的に水底から水面ま
で延びることが好ましい。また、短寸の長尺状水処理材
は、流水案内領域の水中において、実質的に垂直方向
に、実質的に水底から、移動物の前記水中移動空間の底
面まで延びていることができる。
【0013】本発明方法では、前記の長寸及び短寸の長
尺状水処理材として、(1)それ自体が浮力を有し、水
底に端部(下端)を固定して配置することにより、水中
で直立したり、水流による抵抗の大きさに応じて下流方
向に上端を傾けながら水草様に自立する、水草型水処理
材、又は(2)それ自体は浮力を有さずに、それ単独で
は水中に沈むが、その端部(上端)を、水面の上方に設
けた支持手段に固定して、その支持手段から吊り下げて
配置することにより、それ自体の大部分又は全部が、ほ
ぼ垂直に、又は水流による抵抗の大きさに応じて下流方
向に下端を傾けながら、水中に浸漬される、吊り下げ型
水処理材を用いることができる。なお、浄化領域に配置
する長寸の長尺状水処理材としては、前記の水草型水処
理材又は吊り下げ型水処理材のいずれか一方、あるいは
両者を組み合わせて用いることができるが、流水案内領
域に配置する短寸の長尺状水処理材としては、前記の水
草型水処理材のみを用いる。
【0014】浄化領域及び流水案内領域の両方に前記の
水草型水処理材を用いて、本発明方法を河川に適用した
場合の態様を、図1(河川の横断方向の断面図)に示
す。本発明方法では、河川1の水域全体を、河川1の中
央部の流水案内領域10(例えば、船舶2が航行する運
航路水域10)、及びその流水案内領域10と河川1の
両方の岸壁11a,11bとの間に設ける浄化領域12
a,12bに分割する。もっとも、運航路が、岸壁11
a及び/又は岸壁11bに接続する箇所では、流水案内
領域10が岸壁11a及び/又は岸壁11bにまで連続
する。流水案内領域10には、短寸の長尺状水処理材3
aを配置し、浄化領域12a,12bには、長寸の長尺
状水処理材3bを配置する。
【0015】水草型水処理材としては、例えば、以下の
水処理材を挙げることができる。 (1)中心にのみ接合部を有し、その中心接合部から不
織布繊維層と発泡体層とが放射状に延び、かつその不織
布繊維層及び発泡体層のそれぞれの密度が中心接合部か
ら周辺部に向かって密から粗になる放射状立体成形体
〔以下、(A)型不織布成形体と称することがある〕
と、この(A)型不織布成形体に取り付けられ、水底に
配置された支持具に取り付けることのできる連結手段と
を含み、前記(A)型不織布成形体が、その成形体を水
中に浮かせるのに充分な量の発泡体層を有する水処理
材。
【0016】(2)中心にのみ接合部を有し、その中心
接合部から不織布繊維層が放射状に延び、かつその不織
布繊維層の密度が中心接合部から周辺部に向かって密か
ら粗になる不織布製立体成形体と、その不織布製立体成
形体の不織布繊維上に担持された微小発泡体粒子とを含
む、放射状立体成形体〔以下、(B)型不織布成形体と
称することがある〕と、この(B)型不織布成形体に取
り付けられ、水底に配置された支持具に取り付けること
のできる連結手段とを含み、前記(B)型不織布成形体
が、その成形体を水中に浮かせるのに充分な量の微小発
泡体粒子を不織布繊維上に担持する水処理材。
【0017】(3)中心にのみ接合部を有し、その中心
接合部から不織布繊維層と発泡体層とが放射状に延び、
かつその不織布繊維層及び発泡体層のそれぞれの密度が
中心接合部から周辺部に向かって密から粗になり、しか
も前記の不織布繊維層の不織布繊維上に担持されるか、
及び/又は発泡体層に含まれた微小発泡体粒子を含む放
射状立体成形体〔以下、(C)型不織布成形体と称する
ことがある〕と、この(C)型不織布成形体に取り付け
られ、水底に配置された支持具に取り付けることのでき
る連結手段とを含み、前記(C)型不織布成形体が、そ
の成形体を水中に浮かせるのに充分な量の発泡体層及び
微小発泡体粒子を有する水処理材。
【0018】(4)棒状コアと、その棒状コアを中心と
して、棒状コアの側面の実質的に全面から放射状に外側
に延びる複数のループ状紐と、浮力付与手段とを含む、
放射状立体成形体〔以下、(D)型組紐成形体と称する
ことがある〕と、この(D)型組紐成形体に取り付けら
れ、水底に配置された支持具に取り付けることのできる
連結手段とを含み、浮力付与手段(例えば、棒状コア及
び/又は発泡体フロート部)により、前記(D)型組紐
成形体を水中に浮かせるのに充分な浮力が与えられる水
処理材。
【0019】浄化領域に設ける水草型水処理材31は、
例えば、図2及び図3に示すように、放射状立体成形体
32と連結手段33とからなり、河床4に固定して設置
した支持具5(又は5a,5b)に取り付けると、放射
状立体成形体32は、その成形体を河川水6の中に浮か
せるのに充分な量の発泡体層及び/又は微小発泡体粒子
を担持するか、あるいは棒状コア及び/又は発泡体フロ
ート部による浮力を有しているので、矢印Aの方向に流
れる流水に対し、支持具5を支点にして漂いながら浮か
ぶ。
【0020】流水案内領域に設ける水草型水処理材31
では、弾性材料(例えば、バネ、又は、金属若しくは合
成樹脂製の可撓性板状体若しくは可撓性棒状体)からな
る連結具で、河床4に固定して設置した支持具5(又は
5a,5b)に前記放射状立体成形体32を取り付ける
のが好ましい。短寸の水草型水処理材31に衝突する水
流の流速が通常の流速である場合には、水草型水処理材
31は、その水流に抵抗して自立し、流水の極く一部は
それ自体の内部を通過させながら、他の大部分を流水案
内領域から浄化領域へ誘導することができる。一方、増
水時のように、短寸の水草型水処理材31に衝突する水
流の流速が速い場合には、弾性材料連結具において屈曲
し、流水を妨害しないようになることができる。
【0021】また、流水案内領域に設ける水草型水処理
材31を、その端部をそのまま連結具として用いて、前
記放射状立体成形体32の端部(下端)を前記支持具5
又は川底に直接固定してもよい。この場合には、短寸の
水草型水処理材31に、通常の流速の水流が衝突する
と、水草型水処理材31は、その水流に抵抗して流水を
流水案内領域から浄化領域へ誘導することができる。一
方、増水時のように、短寸の水草型水処理材31に衝突
する水流の流速が速い場合には、水処理材全体が弧状に
屈曲し、流水の妨げにならないようにすることができ
る。
【0022】前記の放射状立体成形体の内、(B)型不
織布成形体32は、例えば図4に示すように、その中心
にのみ接合部21を有し、その中心接合部21から不織
布繊維層22が放射状に延び、かつその不織布繊維層2
2の密度が中心接合部21から周辺部23に向かって連
続的に徐々に密から粗に変化し、しかも、その不織布製
立体成形体の不織布繊維上に微小発泡体粒子を担持して
いる。前記の不織布製立体成形体は、例えば、特開平6
−212544号及び特開平6−257050号各公報
に記載されているとおり、一枚又は複数枚積層の不織布
シートに、間隔をあけて線状(実線若しくは破線)又は
点状に、接合部を、例えば、シール手段(例えば、熱シ
ール、超音波シール又は高周波シール)、接着手段(例
えば、接着剤による接着)又は縫合手段(例えば、ミシ
ンなどによる縫製)により形成して圧縮部を設け、これ
ら線状又は点状の接合圧縮部と接合圧縮部との間で不織
布シートを切断することにより製造することができる。
【0023】従って、こうして得られた不織布製立体成
形体では、接合部で強く圧縮された不織布層がその接合
部から離れるのに従って圧縮から開放され、密度が徐々
に粗になる。図4には、連続的に徐々に密度が密から粗
になる不織布層22と共に、それらの間で連続的に徐々
に間隔が広くなる層間間隙24が形成されている成形体
を示すが、不織布シート原料の厚みと接合部間隔とを調
整することにより、層間間隙24を有さずに不織布層の
みからなる完全な円柱体とすることもできる。また、球
状(接合部が球の中心点の場合)の成形体を得ることも
できる。また、これらの円柱状又は球状の成形体を切断
などして更に別の形状に代えて用いてもよい。なお、層
間間隙24を有する不織布製立体成形体(例えば、図
2、図3、図6、図9等参照)では、不織布層の密度が
接合部21から周辺部23へ離れるに従って徐々に粗に
なり、更に接合部21から離れた周辺部23では密度が
実質的に一定になる場合もあるが、これらも本発明の不
織布製立体成形体、及びその不織布製立体成形体から得
られる放射状立体成形体に含まれる。
【0024】上記の不織布製立体成形体に用いる不織布
繊維層22を構成する繊維としては、例えば、ポリオレ
フィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデンなどの熱可塑性樹脂からなる繊維、
又はこれらの熱可塑性樹脂を含む複合繊維を用いること
が望ましく、特に中心接合部21を熱シールなどのシー
ル手段により形成する場合には、これらの繊維の融着を
利用することができるので好ましい。また、特に(B)
型不織布成形体32に親水性を付与するか、あるいは微
生物などの栄養源として炭素源を付与する要求がある場
合には、ビスコースレーヨンや綿などの繊維が含まれて
いてもよい。これらの繊維の繊度は5デニール以上、よ
り好ましくは10デニール以上であることが望ましく、
繊度が小さすぎると目詰りを生じやすくなる。また、中
心接合部21を形成する前の不織布シートの見かけ密度
は0.2g/cm3 以下であることが望ましく、見かけ
密度がこれより大きくなると、目詰りが起きやすくな
る。不織布シートの形成手段は特に限定されず、繊維接
着不織布、バインダー接着不織布、機械的絡合不織布な
どが用いられる。
【0025】また、不織布シートの積層数は、2〜10
枚、より好ましくは3〜6枚(不織布製立体成形体に形
成後の不織布繊維層の数は中心接合部から教えて倍の6
〜12枚になる)が適当であり、不織布シートの厚みは
2〜20mm、より好ましくは3〜15mmが適してい
る。なお、不織布繊維層22は、ポリビニルピリジン−
スチレン共重合体四級塩化物、スチリルピリジニウム基
をもつポリビニルアルコール、ポリエチルポリアミン、
ポリエチレンイミン、ポリアミド−エピクロルヒドリ
ン、ポリアリルアミン、ポリカチオン−アクリル共重合
体、ポリピペリジン共重合体などの微生物吸着性のある
ポリマーやカチオン化処理剤で処理することによって、
あるいは活性炭やケイソウ土などの多孔質粉体を付着さ
せることによって、微生物吸着能力が高められているこ
とが望ましい。特に、多孔質粉体を付着させた場合、吸
着力が高まるだけでなく、繊維を覆うことによって、紫
外線などによる繊維の劣化を防げるので好ましい。
【0026】前記の不織布製立体成形体は前記の繊維材
料からなるので、それ自体単独では、水中に浮くことは
なく、水底に沈む。例えば、一端を水底に固定して水中
に置くと、流水から受ける抵抗によって一時的に流水内
を漂うことはあっても、水中に浮遊することなく、水底
に沈んだ状態で静止する。一方、本発明方法で用いる前
記の放射状立体成形体において、前記の(B)型不織布
成形体は、その成形体を水中に浮かせるのに充分な量の
微小発泡体粒子を不織布繊維上に担持している。また、
河川などの水位が変動して、特に水位が低下した場合で
も、(B)型不織布成形体のほぼ全体が常に水中に浸漬
している状態を維持することができる量の微小発泡体粒
子を担持させるのが好ましい。微小発泡体粒子として
は、発泡ガラスビーズ、シラスバルーンなどの中空無機
質粒子や、熱可塑性樹脂を外壁とし、熱膨張性物質を内
包する中空有機質粒子(例えば、松本油脂製薬製の商品
名「マイクロスフェアー」:塩化ビニリデン系共重合物
を外壁とし、イソブタンを内包する中空有機質粒子な
ど)を用いることができる。これらの微小発泡体粒子
は、そのままで、あるいは熱膨張させた後に、ラテック
ス系の接着剤などを用いて不織布に接着させるか、ラテ
ックス系の接着剤などを用いて不織布に付与した後に加
熱して熱膨張させると共に接着させることにより、不織
布に担持させることができる。
【0027】微小発泡体粒子の不織布繊維への接着は、
不織布製立体成形体の状態で行ってもよいが、不布製
立体成形体とする前の不織布シートの状態で行ってもよ
い。また、微小発泡体粒子の担は、不織布製立体成形
体の全体に及んでもよいが、適切な浮力が得られるので
あれば、前記成形体の部分であってもよく、例えば、不
織布製立体成形体を構成する不織布繊維層の内、特定の
繊維層だけが微小発泡体粒子を担持していてもよい。こ
のような構造は、例えば、不織布製立体成形体の材料と
なる複数枚の不織布シートの内、一部の特定の枚数だけ
に微小発泡体粒子を付着させておくことにより製造する
ことができる。また、不織布製立体成形体を構成する不
織布繊維層の一方表面にのみ微小発泡体粒子を担持して
いてもよく、このような構造は、例えば、不織布製立体
成形体の材料となる不織布シートの一方表面にだけ微小
発泡体粒子を付着させておくことにより製造することが
できる。この他、成形後の放射状立体成形体の上部(水
面方向)のみに微小発泡体粒子を担持するなど、種々の
担持形態をとることが可能である。
【0028】前記の放射状立体成形体において、(A)
型不織布成形体は、前記の(B)型不織布成形体におけ
る微小発泡体粒子に代えて発泡体層を有する構造からな
り、例えば図4に示す(B)型不織布成形体を構成する
複数枚の不織布繊維層22の一部を発泡体層に変え、し
かも微小発泡体粒子を担持していない構造を有する。従
って、(A)型不織布成形体は、(B)型不織布成形体
を調製する際に用いる複数枚の不織布シートの内の少な
くとも1枚を発泡体シートに置き換えて調製することが
できる。例えば、不織布シートと発泡体シートとを交互
に順に積層してから、例えば、特開平6−212544
号及び特開平6−257050号各公報に記載されてい
る方法に準じて、複数枚積層したシートに、間隔をあけ
て線状(実線若しくは破線)又は点状に、接合部を、例
えば、シール手段(例えば、熱シール、超音波シール又
は高周波シール)、接着手段(例えば、接着剤による接
着)又は縫合手段(例えば、ミシンなどによる縫製)に
より形成して圧縮部を設け、これら線状又は点状の接合
圧縮部と接合圧縮部との間で積層体を切断することによ
り製造することができる。
【0029】こうして得られた立体成形体では、接合部
で強く圧縮された不織布層及び発泡体層がその接合部か
ら離れるに従って圧縮から開放され、密度が徐々に粗に
なる。(A)型不織布成形体も、(B)型不織布成形体
と同様に、徐々に密度が密から粗になる不織布層及び発
泡体層と共に、それらの間で徐々に間隔が広くなる層間
間隙が形成される場合と、層間間隙を有さずに不織布層
及び発泡体層のみからなる完全な円柱体になる場合とが
ある。また、球状(接合部が球の中心点の場合)の成形
体を得ることもできる。また、これらの円柱状又は球状
の成形体を切断などして更に別の形状に代えて用いても
よい。なお、層間間隙を有する放射状立体成形体では、
接合部から離れた周辺部で不織布層及び発泡体層の密度
が実質的に一定になる場合があるが、これらも本発明の
放射状立体成形体に含まれる。
【0030】(A)型不織布成形体を調製する際に用い
る不織布シートは、前記(B)型不織布成形体を調製す
る際に用いる不織布シートと同じものであることができ
る。また、(A)型不織布成形体を調製する際に用いる
発泡体シートは、独立気泡を有するシートであることが
好ましい。例えば、独立気泡を有する合成樹脂発泡体、
例えば、発泡スチロール、発泡ポリエチレン、及び発泡
ポリウレタンのシート;発泡体中に繊維を分散させる
か、あるいは不織布に発泡体を含浸した繊維(特に、不
織布)強化発泡体;1枚の不織布層と1枚の発泡体層と
を貼り合わせたラミネート体;又は、2枚の不織布層
と、それらに挟まれた1枚の発泡体層とを貼り合わせた
ラミネート体であることができる。前記のラミネート体
に用いる不織布層は、発泡体単独では水中生物を付着し
担持する能力が低下するのを補う働きをしており、前記
のラミネート体は水中生物の担持能力を維持しながら、
放射状立体成形体に浮力を与えることができる。
【0031】上記の(A)型不織布成形体に用いる不織
布繊維層を構成する繊維としては、前記(B)型不織布
成形体の不織布製立体成形体に用いる繊維と同様の繊維
(好ましくは熱可塑性樹脂又はこれらの熱可塑性樹脂を
含む複合繊維)を用いることができる。特に中心接合部
を熱シールなどのシール手段により形成する場合には、
これらの繊維の融着を利用できるのでよい。また、特に
(A)型不織布成形体に親水性を付与するか、あるいは
微生物などの栄養源として炭素源を付与する要求がある
場合には、ビスコースレーヨンや綿などの繊維が含まれ
ていてもよい。これらの繊維の繊度は5デニール以上、
より好ましくは10デニール以上であることが望まし
く、繊度が小さすぎると目詰りを生じやすくなる。ま
た、中心接合部を形成する前の不織布シートの見かけ密
度は0.2g/cm3 以下であることが望ましく、見か
け密度がこれより大きくなると、目詰りが起きやすくな
る。不織布シートの形成手段は特に限定されず、繊維接
着不織布、バインダー接着不織布、機械的絡合不織布な
どが用いられる。
【0032】(A)型不織布成形体を形成する場合に
は、不織布シート及び発泡体シートの総積層数は2〜1
0枚、より好ましくは3〜6枚(放射状立体成形体に形
成後の不織布層及び発泡体層の総数は中心接合部から数
えて倍の6〜12枚になる)が適当であり、不織布シー
トの厚みは2〜20mm、より好ましくは3〜15mm
が、発泡体シートの厚みは2〜40mm、より好ましく
は3〜30mmが適している。不織布シートと発泡体シ
ートの比率は、各シートの厚みや密度、要求される浮力
などによって適宜設定されるが、通常は2:8〜8:2
の範囲にあることが望ましい。また、不織布シートと発
泡体シートの積層構造は特に限定されないが、不織布シ
ートと発泡体シートが交互に積層されているのが好まし
い。なお、不織布繊維層及び発泡層には、前記(B)型
不織布成形体と同様に、微生物吸着性のあるポリマーや
カチオン化処理剤で処理することによって、あるいは多
孔質粉体を付着させることによって、微生物吸着能力が
高められていることが望ましい。前記の(A)型不織布
成形体は、その成形体を水中に浮かせるのに充分な量の
発泡体層を含有している。また、河川などの水位が変動
して、特に水位が低下した場合でも、(A)型不織布成
形体のほぼ全体が常に水中に浸漬している状態を維持す
ることができる量の発泡体層を含有しているのが好まし
い。
【0033】(C)型不織布成形体は、前記の(A)型
不織布成形体に、微小発泡体粒子を更に担持させた構造
を有する。微小発泡体粒子の種類、及び担持方法として
は、前記の(B)型不織布成形体に関して説明した微小
発泡体粒子の種類、及び担持方法を用いることができ
る。また、微小発泡体粒子は、不織布層及び/又は発泡
体層あるいはそれらの一部分に担持させることができ
る。(C)型不織布成形体においては、その成形体を水
中に浮かせるのに充分な量の微小発泡体粒子及び発泡体
層を含有していればよい。また、河川などの水位が変動
して、特に水位が低下した場合でも、(C)型不織布成
形体のほぼ全体が常に水中に浸漬している状態を維持す
ることができる量の微小発泡体粒子及び発泡体層を含有
しているのが好ましい。
【0034】図5に示すように、(D)型組紐成形体4
0は、棒状コア41の外周に、構成糸42をループ状に
外側に引き出した構造をもつ筒状に形成した組紐を装着
した構造を有する。棒状コア41は、樹脂製又は金属製
であってもよいが、浮力を有する素材で形成されること
が望ましく、例えば発泡スチロールなどの樹脂発泡体製
であることが望ましい。また、この棒状コアの太さは、
例えば樹脂発泡体製である場合には、求められる浮力な
どによっても異なるが、3〜15mm、より好ましくは
5〜10mmであることが望ましい。組紐42には、糸
又は紐で筒状に形成する際に、構成糸の一部をループ状
に引き出したものが使用される。糸又は紐は撚ってあっ
てもよいが、無撚りの繊維束又はフィラメント束のもの
が望ましく、これらを用いるとループ状の部分で個々の
繊維に分繊し、接触面積が増大するので好ましい。
【0035】糸又は紐の原料は特に限定されず、例え
ば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、レーヨンなどからな
る繊維などが使用される。なお、組紐は棒状コアの外周
に被覆させるだけでもよいが、接着剤などの接着手段に
よって棒状コアと結合されていることが望ましい。棒状
コアに上記の組紐を装着した(D)型組紐成形体のルー
プ部分も含めた外径は、20〜100mm、より好まし
くは30〜70mmであることが望ましい。なお、
(D)型組紐成形体には、水中で(D)型組紐成形体を
直立させるために、必要に応じて、発泡スチロールなど
の発泡体などのフロート43が取り付けられていること
が望ましい。この(D)型組紐成形体を、連結手段44
により、河床などに設置した支持具に取り付けると、支
持具を支点として、水草様に水中に漂いながら自立する
ことができる。
【0036】こうして得られた放射状立体成形体は、
(A)型不織布成形体、(B)型不織布成形体、(C)
型不織布成形体、及び(D)型組紐成形体のいずれの場
合も多様で連続的に変化する密度分布を有する繊維構造
を含んでいるので、各種の水中生物の担持に適してい
る。また、放射状立体成形体は製造が簡易であり、しか
も耐候性にも優れている。また、浮力の付与及び浮力の
程度の調整が非常に簡単である。更に、放射状立体成形
体それ自体で充分な浮力を有するので、生物付着用担体
にフロートを連結させた水質浄化手段に比べて、構造を
簡単にすることができ、流水の流れを妨げることが少な
い。
【0037】浄化領域で用いることのできる水草型水処
理材31は、図6に示すように、複数の放射状立体成形
体32を、直列接続手段7(例えば、糸、紐、ワイヤ
ー、テープなど)を介して、河床4から川面に、又は河
床4から運航路水中空間の底面まで直列に連結したもの
であることができ、この態様も水処理材全体として長尺
状であるので、本発明の「長尺状」水処理材に含まれ
る。このようにすると、例えば、水草型水処理材31を
浄化領域に設置した場合には、各放射状立体成形体32
には各々浮力があるため、水位が高い時には連結された
各放射状立体成形体32が河床から水面へと1列に並
び、全ての放射状立体成形体32の全体が水中に浸漬さ
れ、一方、水位が低下しても、図7に示すように、上部
の放射状立体成形体32aも水面付近に漂いながら水中
に実質的に浸漬し、それより下の放射状立体成形体32
はそれぞれ全体が水中に浸漬されるので好ましい。
【0038】浄化領域用の水草型水処理材31におい
て、連結手段33は、その一端が前記放射状立体成形体
32と接続し、他端を、河床に固定された支持具5に着
脱自在に取り付けることのできるものであれば特に限定
されない。また、連結手段33は、前記の放射状立体成
形体32が、それ自体の浮力と流水から受ける抵抗によ
って位置を変えながら、しかも支持具5から自然に脱離
して流失しないで、流水内に漂うのを妨害しない作用を
有する。従って、例えば、大型のゴミや流木などが流れ
てきて放射状立体成形体32と衝突しても、それらと絡
まずに避けることができる。更に、大雨等により河川の
流速が一時的に増加した場合には、河床とほぼ平行に横
たわり、流水の妨害になることもない。
【0039】また、同様の理由により、前記の浄化領域
用の水草型水処理材31は、魚類などの河川等での移動
(例えば、上り下り)にほとんど支障を与えることがな
い。また、洪水などの増水時には、従来、水質浄化装置
として提案されていた比較的大型の格子状プレートやネ
ットなどでは、押し流された場合に河岸の護岸又は橋梁
等に衝突してそれらを破壊したり、それが原因で、更に
大型のごみが堆積して、流水の抵抗等によってそれらを
破壊したりするおそれがある。しかし、前記の水草型水
処理材31は、洪水などの増水時などに、仮に、連結手
段等が破断して放射状立体成形体が支持具から離脱した
場合でも、各々の放射状立体成形体は小型で、柔らか
く、水上に浮遊するため、衝突して護岸や橋梁等を破壊
したり、河川等の流れを妨げることがない。しかも、河
川等の護岸又は橋梁等にも引っ掛かりにくく、これらの
構造物に支障を与えることがない。
【0040】浄化領域用の水草型水処理材31の連結手
段としては、例えば糸、紐、ワイヤー、バンドや、切れ
目のあるリング、鎖などを用いることができる。これら
の連結手段は、放射状立体成形体の一部に穴を形成し、
その穴に通したり、安全ピン、クリップ、洗濯ばさみな
どの連結補助具を用いたり、接着剤による接着、熱シー
ル、縫合することなどにより、放射状立体成形体に取り
付けることができる。なお、連結手段は、放射状立体成
形体の取り替えが可能なように、支持具と着脱自在なも
のが好ましい。前記の連結手段を取り付ける支持具は、
河床等に直接に固定して配置しても、あるいは図2に示
すように、コンクリートブロックや棒状、平板状又は網
状の金属製フレーム5bなどに金属製リング5aを固定
して、それらのコンクリートブロックや棒状、平板状又
は網状の金属製フレーム5bなどを河床4に配置しても
よい。
【0041】前記の浄化領域用放射状立体成形体32
は、前記連結手段33及び場合により直列接続手段7に
よって河川6中に漂わせた状態で保持することができる
が、更に図2及び図3に示すような回転自在連結具8を
設けることによって、前記連結手段33及び場合により
直列接続手段7の軸線を中心にして自在に回転すること
ができるように取り付けてもよい。回転自在連結具8
は、前記の軸線を中心にしていずれの回転方向にも自在
に放射状立体成形体32を回転させることができるもの
であれば、特に制限されず、例えば、図8に示す回転自
在連結具などを挙げることができる。
【0042】図8に示す回転自在連結具8は、接続端部
としての接続リング81と球状回転自在コア82とそれ
らを直接に連結する軸部86とからなる1対の内部連結
部片83と、2個の前記回転自在コア82を内部に含ん
で覆う外部連結部片としての断面楕円状の中空隔離連結
カバー84とを有する。内部連結部片83の軸部86の
回転方向径は、それに直接連結する回転自在コア82の
回転方向最大径よりも小さい。隔離連結カバー84に
は、各回転自在コア82の回転方向最大径よりも小さ
く、しかも各軸部86の回転方向最大径よりも大きい開
口径を有する2個の開口部85が向かい合うように設け
られている。各内部連結部片83は、回転自在コア82
が隔離連結カバー84の内部に位置し、軸部86の少な
くとも一部分及び接続リング81が外部に露出するよう
に、隔離連結カバー84に設けた開口部85を貫通して
いる。各内部連結部片83は、軸部86の軸を中心に、
回転自在コア82と軸部86と接続リング81とが一体
的に、いずれの回転方向にも自在に回転することができ
る。また、隔離連結カバー84も、内部連結部片83の
それぞれの回転運動とは独立して回転することができ
る。
【0043】回転自在コア82の大きさは、回転自在コ
ア82と隔離連結カバー84とが分離しないように、隔
離連結カバー84に設けた開口部85の開口径より大き
く、しかも、隔離連結カバー84内での回転自在コア8
2の滑らかな回転を妨げない大きさであればよい。回転
自在コア82の形状は、隔離連結カバー84内で滑らか
な回転を妨げない形状であればよく、例えば、球状、断
面楕円球状、角柱、円柱、角錐、若しくは円錐、又はそ
れらの組合せ等を挙げることができる。回転自在連結具
8は、接続リング81を介して、支持具5と連結手段3
3との間、連結手段33と放射状立体成形体32との
間、放射状立体成形体32と直列接続手段7との間、連
結手段33の途中の領域(図2及び図3参照)、及び/
又は直列接続手段7の途中の領域間に1個又は複数個設
けることができる。
【0044】図8に示す回転自在連結具8は、接続端部
として接続リング81を有するものであるが、接続端部
の他の形状としては、例えば、紐、棒、球、円柱、又は
フック等を挙げることができる。河川中に漂う放射状立
体成形体32は、回転自在連結具8を設けることによっ
て、河川の流水の抵抗を受けて、軸線を中心にして河川
中で回転する。一般に、水質浄化に有用な生物の付着
は、放射状立体成形体の上流側の領域に偏る傾向がある
が、放射状立体成形体が河川中で回転することによっ
て、前記成形体の全体に一様に有用生物の付着が可能と
なり、河川水質の浄化能力が向上する。また、上流から
流れてきたごみ又は埃塵などが放射状立体成形体に接触
した場合にも、放射状立体成形体が回転することによっ
て下流へ流せるため、ごみなどが溜まって河川の流れを
阻害することもない。なお、前記の水草型水処理材31
において、前記の立体成形体が可撓性を有する場合に
は、連結手段33を使用せずに、立体成形体を直接に河
床や適当な支持具5に接着させて配置することもでき
る。
【0045】次に、吊り下げ型水処理材を用いる各種態
様を、図9及び図10に沿って説明する。図9は、吊り
下げ型水処理材62を河川に配設した状態を模式的に示
す説明図である。この態様では、川岸69に着脱自在且
つ回転自在に一端で固定された支柱61aと支持棒61
bとからなる支持手段61、河川中に配設した円柱状の
生物固定用担体としての吊り下げ型水処理材62とを含
み、5個の吊り下げ型水処理材62は、それぞれ、接続
手段としてのワイヤー63によってほぼ等間隔で吊り下
げられており、矢印Bの方向に流れる河川の流水内に浸
漬している。ワイヤー63は、回転自在連結具8を介し
て支持棒61bに連結されている。
【0046】支持棒61bは河川の水面より上方に張り
出し、吊り下げ型水処理材62を吊り下げる支持体とし
て機能する。水処理材62としては、例えば、不織布を
用いることができ、更に、繊維表面を微生物吸着性のあ
る高分子やカチオン化処理剤で処理することによって、
あるいは活性炭などの吸着性のある粉末を繊維表面に付
着させることによって、生物吸着性を向上させた不織布
を、表面積が増大するように立体加工したものを用いる
ことができる。ワイヤー63は、水処理材62の上端と
接合しており、水処理材62を河川の流水中に保持して
いる。前記の水処理材62に回転自在連結具8を設ける
ことによって、水処理材62は、河川の流水の抵抗を受
けて、回転自在連結具8の軸線を中心にして河川中で回
転することができる。
【0047】図10に、本発明方法で用いることのでき
る吊り下げ型水処理材の別の態様を示す。この態様で
は、支持手段としてのフロート71に、吊り下げ型水処
理材62を支持する。フロート71には、必要によりロ
ープ75を介して錨76が連結され、錨76は河床79
に接地している。更に、フロート71は、必要により別
のロープ77を介して河岸69に係留されているので、
フロート71の浮遊領域は河岸69の近辺に制限されて
いる。水処理材62は、接続手段としてのワイヤー63
bにより回転自在連結具8に連結され、回転自在連結具
8は、接続手段としてのワイヤー63aによりフロート
71に連結されているので、水処理材62は、河川の流
水の抵抗を受けて、その軸線を中心にして河川中で回転
することができる。図10に示すフロート71は、河岸
69に係留するロープ77、及び錨76を有するもので
あるが、本発明に用いることのできるフロートはこれに
限定されるわけではなく、河岸69に係留するロープ7
7若しくは錨76のいずれかのみを有するフロート、又
はそれらのどちらも含まないフロートであることもでき
る。
【0048】吊り下げ型水処理材は、前記の水草型水処
理材で用いた放射状立体成形体において、浮力を付与す
る成分を含まないことを除けば、前記の水草型水処理材
で用いた放射状立体成形体と同様の放射状立体成形体を
用いて構成することができる。例えば、中心にのみ接合
部を有し、その中心接合部から不織布繊維層が放射状に
延び、かつその不織布繊維層の密度が中心接合部から周
辺部に向かって密から粗になる放射状立体成形体と、こ
の不織布成形体を支持具に取り付けることのできる連結
手段とを含む水処理材、あるいは、棒状コアと、その棒
状コアを中心として、棒状コアの側面の実質的に全面か
ら放射状に外側に延びる複数のループ状紐とを含む放射
状立体成形体と、この組紐成形体を支持具に取り付ける
ことのできる連結手段とを含む水処理材である。吊り下
げ型水処理材に用いる不織布繊維層又はループ状紐は、
水草型水処理材で用いた不織布層又はループ状紐と同様
の材料で、同様の方法により製造することができる。
【0049】本発明方法では、流水案内領域において一
定方向の水流が、連続的に又は断続的に存在する場合
に、その水流を流水案内領域から浄化領域に導くよう
に、前記の短寸の水処理材を配置することができる。流
水案内領域が運航路水域である場合には、水処理材を存
在させない運航路水中空間を設ける必要があるのに対
し、浄化領域には水底から水面まで延びる長寸の水処理
材を配置してあるので、流水案内領域の水を浄化領域に
導くことによって、水質浄化を一層効率よく実施するこ
とができる。
【0050】本明細書において、複数個の長尺状水処理
材を「密集させて林立させる」とは、水底及び水面に平
行な平面で浄化領域を切断した断面において、単位面積
当たりに占める水処理材の断面積(以下、水処理材占有
率と称する)が10%以上、好ましくは15%以上であ
ることを意味する。ここで、水処理材の断面積は、水処
理材が図2又は図3に示す放射状立体成形体32である
場合には、層間間隙も水処理材の断面積に含めて計算す
る。また、水処理材が図6に示すように、放射状立体成
形体32を、直列接続手段7を介して直列に連結したも
のである場合には、放射状立体成形体部分の断面積とし
て計算する。
【0051】水流を案内する配列は、目的を達成するこ
とのできる配列である限り特に限定されるものではない
が、例えば、図11及び図12(共に平面図)に示す配
列を挙げることができる。すなわち、水流Cが存在する
河川において、流水案内領域10において、上流側中央
部を頂点とし、下流側の両端部へ、線状に短寸水処理材
3aを配置することができる(図11の配置101)。
この配置により、水流Cは、矢印Dで示すように、流水
案内領域10から浄化領域12a,12bに案内され
る。図11の配置101では、前記頂点から下流側両端
部へ1列に短寸水処理材3aを配置する態様を示してい
るが、2列以上の短寸水処理材3aを配置することもで
きる。
【0052】また、流水案内領域10において、上流側
中央部を山頂とし、下流側の両端部を麓とする山形に短
寸水処理材3aを配置することができる(図11の配置
102)。なお、図12に示すように、浄化領域12が
河川の片側にのみ存在する場合には、例えば、河岸11
aの上流側から浄化領域12の下流側へ線状に短寸水処
理材3aを配置することができる(図12の配置10
3)。この配置により、水流Cは、矢印Dで示すよう
に、流水案内領域10から浄化領域12に案内される。
図12の配置103では、短寸水処理材3aを1列ずつ
配置する態様を示しているが、2列以上ずつの短寸水処
理材3aを配置することもできる。
【0053】本発明方法においては、流水案内領域に設
置する流水案内手段として、前記の水草型水処理材の他
に、例えば、図13又は図14に示す流水案内手段51
を用いることもできる。図13(正面図)は、流水が衝
突する面から見た流水案内手段51を示す。その流水案
内手段51は、中空パイプ52、多孔質成形体(例え
ば、円筒状の前記不織布製立体成形体)53、及び蝶番
54からなり、河床に設置した支持具5に蝶番54によ
って固定されている。また、図14(正面図)も、流水
が衝突する面から見た流水案内手段51を示す。その流
水案内手段51は、中空パイプ52、遮蔽板55、及び
蝶番54からなり、河床に設置した支持具5に蝶番54
によって固定されている。前記の遮蔽板55は、耐水性
材料(例えば、金属又は合成樹脂)製の板状、金網状、
又は格子状の遮蔽板であることができる。前記の板状遮
蔽板は、多数の小孔径貫通孔、又は1若しくは複数のス
リットを有することもできる。それらの流水案内手段5
1を、図11の配置101や図12の配置103の態様
で、流水衝突面を矢印Dで示す誘導経路と平行にして河
床に配置することができる。また、流水の方向と、流水
衝突面とを実質的に直角に配置することもできる。
【0054】これらの流水案内手段51は、中空パイプ
52によって浮力を与えられ、通常の流速の流水中で
は、河床から実質的に垂直に自立することができる。通
常の流速の流水が流水案内手段51と衝突すると、少な
くともその一部は浄化領域へ誘導される。一方、増水時
のように、流水案内手段51に衝突する水流の流速が速
い場合には、蝶番において屈曲して下流側に倒れるの
で、流水を妨害しないようになることができる。なお、
流水案内手段として、前記の水草型水処理材や、あるい
は多孔質成形体を含む流水案内手段を用いると、流水案
内手段の少なくとも一部に水中生物が担持され、水質浄
化作用も有するので好ましい。
【0055】本発明方法では、浄化領域及び/又は流水
案内領域において、前記の水処理材及び/又は流水案内
手段の下方から酸素含有気体(特に空気)を曝気するこ
とができる。前記の水処理材及び/又は流水案内手段に
パイプ等を経て空気を供給すると、酸化が促進され、放
射状立体成形体の表面にバクテリアや藻類が付着し易く
なり、それらの上に更に大きな藻類が繁殖する。また、
空気の供給によって、接触酸化されて溶存酸素量が増加
し、河川の水が浄化される。
【0056】図1に示すように、浄化領域12a,12
bにおいて、水処理材3bの下方から酸素含有気体(特
に空気)91を適当な気体放出口92から放出して曝気
して下方から上方への水流を発生させると、流水案内領
域に矢印Eで示す旋回流が発生するので好ましい。この
場合、流水案内領域10には、上昇流を発生させる程度
の強い曝気を行わないのが好ましい。特に、河川では、
浄化領域の外側が河岸などによって遮断されているの
で、水処理材の下方からの上昇流は内側の流水案内領域
の方向にのみ誘導されるので、一層強い旋回流が発生す
る。海や湖沼、更にはダムなどにおいても、人工壁面、
例えば、汚濁防止膜、オイルフェンス、又は土木工事に
用いる矢板などで包囲されている場合には、前記の河川
と同様の旋回流を発生させることができる。前記のよう
な旋回流を発生させると、水質浄化対象水域内部の水が
効率よく攪拌され、水質浄化作用が促進される。
【0057】本発明方法では、水質浄化対象水域を、浄
化領域と流水案内領域とに分割するが、分割の態様は特
に限定されるものではない。本発明方法を河川に適用す
る場合には、流水案内領域を中央部に設けるのが好まし
い。例えば、図11に示すように、両河岸側に浄化領域
を設け、中央部に流水案内領域を設けるか、図12に示
すように、一方の河岸側から中央部に浄化領域を設け、
もう一方の河岸側に流水案内領域を設けることができ
る。水質浄化対象水域における浄化領域と流水案内領域
との専有比率は、対象水域の水質汚濁の程度、通常水流
の速度、通常時の水量又は水位、目的とする浄化の程
度、水処理材のコスト、あるいは流木やゴミの種類や量
などによって個々の水域応じて適宜決定するのが好ま
しい。また、水質浄化対象水域内に水上交通手段の運航
路が存在する場合には、少なくともその運航路を流水案
内領域とする。
【0058】例えば、川幅が約10〜100m、中央部
の通常水位が約2〜5m、そして流速が約5〜50cm
/秒の河川に、本発明方法を適用する場合には、両河岸
側から約1〜10mの領域(川幅に対して5〜20%の
領域)をそれぞれ浄化領域とし、それ以外の中央部を流
水案内領域として分割し、浄化領域には水処理材占有率
約15〜60%で水処理材を配置し、通常水位の約20
〜40%の高さの流水案内手段を配置することができ
る。あるいは、前記の河川において、一方の河岸側から
約2〜20mの領域(川幅に対して10〜40%の領
域)を浄化領域とし、それ以外の中央部及びもう一方の
河岸側を流水案内領域として分割し、浄化領域には水処
理材占有率約15〜60%で水処理材を配置し、通常水
位の約20〜40%の高さの流水案内手段を配置するこ
とができる。
【0059】
【発明の効果】本発明方法によれば、船舶などの航路を
確保しながら、ゴミなどが引っ掛かりにくく、更に、大
雨等により河川などの流速や流量が一時的に増加した場
合には、流水の障害を起こすことがなく、しかも浄化対
象となる河川、湖沼、又は海などの水域全体を効率よく
浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を河川に適用した場合の構成を模式
的に示す断面図である。
【図2】本発明方法で用いる水草型水処理材の複数個を
河川の流水中に配設した状態を模式的に示す斜視図であ
る。
【図3】図2に示す水草型水処理材1個を河川の流水中
に配設した状態を模式的に示す側面図である。
【図4】本発明方法で用いる水草型水処理材に含まれる
放射状立体不織布成形体の一態様の斜視図である。
【図5】本発明方法で用いる水草型水処理材に含まれる
放射状立体組紐成形体の一態様の一部を中断して示す斜
視図である。
【図6】本発明方法で用いる別の態様の水草型水処理材
の複数個を河川に配設した状態を模式的に示す斜視図で
ある。
【図7】図6に示す水草型水処理材の渇水時の状態を模
式的に示す斜視図である。
【図8】本発明方法の水処理材に用いることのできる回
転自在連結具をその回転軸を含む面で切断した断面図で
ある。
【図9】本発明方法で用いる吊り下げ型水処理材の複数
個を河川の流水中に配設した状態を模式的に示す斜視図
である。
【図10】本発明方法で用いる別の態様の吊り下げ型水
処理材の複数個を河川の流水中に配設した状態を模式的
に示す斜視図である。
【図11】本発明方法において、流水案内領域の水流を
浄化領域に導くように短寸水処理材を配置した状態を模
式的に示す平面図である。
【図12】本発明方法において、流水案内領域の水流を
浄化領域に導くように短寸水処理材を配置した別の状態
を模式的に示す平面図である。
【図13】本発明方法において用いることのできる流水
案内手段の正面図である。
【図14】本発明方法において用いることのできる別の
流水案内手段の正面図である。
【符号の説明】
1・・河川;2・・船舶;3a・・短寸水処理材;3b
・・長寸水処理材;4・・河床;5・・支持具;6・・
河川水;7・・直列接続手段;8・・回転自在連結具;
10・・流水案内領域;11a,11b・・河岸;12
a,12b・・浄化領域;13・・水面;21・・中心
接合部;22・・不織布繊維層;23・・周辺部;24
・・層間間隙;32・・放射状立体成形体;33・・連
結手段;40・・組紐成形体;41・・棒状コア;42
・・構成糸;43・・フロート;44・・連結手段;5
1・・流水案内手段;52・・中空パイプ;53・・多
孔質成形体;54・・蝶番;55・・遮蔽板;61・・
支持手段;61a・・支柱;61b・・支持棒;62・
・水処理材;63,63a,63b・・ワイヤー;69
・・河岸;71・・フロート;75,77・・ロープ;
76・・錨;79・・河床;81・・接続リング;82
・・回転自在コア;83・・内部連結部片;84・・隔
離連結カバー;85・・開口部;86・・軸部;91・
・空気;92・・気体放出口;101,102,103
・・短寸水処理材の案内配置。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水流が存在する水質浄化対象水域を、浄
    化領域と流水案内領域とに分け、前記浄化領域の水中に
    は、実質的に水底から水面までの範囲内において実質的
    に垂直方向に延びる長尺状水処理材の複数個を、密集さ
    せて林立させ、前記流水案内領域の水中には、その流水
    案内領域の流水の少なくとも一部を前記浄化領域へ誘導
    することのできる流水案内手段を水底に固定させて配置
    し、前記の流水案内手段の高さは、水上又は水面付近の
    移動物の水中移動空間の底面までの高さまでであるもの
    とし、そして、前記の長尺状水処理材の垂直方向の長さ
    は、前記の流水案内手段の高さよりも長いものとするこ
    とを特徴とする、水質浄化方法。
  2. 【請求項2】 水質浄化対象水域の水底から、水上又は
    水面付近の移動物の水中移動空間の底面までの高さが、
    水質浄化対象水域の通常水位の60%の高さである、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 水上又は水面付近の移動物の水中移動空
    間が、水上交通手段の運航路水中空間である、請求項1
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 流水案内手段が、(a)衝突する流水を
    遮断して水流方向を転換する誘導手段、(b)流水案内
    手段を水中で自立させる浮力を付与する手段、及び
    (c)水底に配置された支持具又は水底に取り付けるこ
    とのできる連結手段、を含む、請求項1〜3のいずれか
    一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 水質浄化対象水域が河川であり;河川の
    両河岸側を浄化領域とし、河川の中央部を流水案内領域
    として分け;上流側中央部を頂点とし、下流側の両端部
    へ、線状に複数の流水案内手段を配置して、河川流を流
    水案内領域から浄化領域へ案内する;請求項1〜4のい
    ずれか一項に記載の方法。
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