JP3467766B2 - 組立式カム軸 - Google Patents

組立式カム軸

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、自動車エンジンの吸排
気弁を駆動するための組立式カム軸に関し、より詳細に
はカムロブのカムノーズ側のカム面を高周波焼き入れ加
工した組立式カム軸に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の組立式カム軸では、焼入れしたカ
ムロブを軸(鋼管)に圧入、あるいは軸(鋼管)を内側
から拡管することにより、相互の嵌合面に発生する残留
応力を利用してカムロブを軸に固定している。 【0003】また、カムロブは高炭素焼結鍛造材、高炭
素焼入れ鋼、あるいは焼結材と高炭素焼入れ鋼の組合わ
せ等からなり、鋼管は軟質の鋼材より成る。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】圧入組立の場合、カム
ロブと軸(鋼管)の両方の材料の弾性変形を利用して、
カムロブに軸を圧入することにより残留応力を発生させ
て両部材を結合する。また、拡管組立の場合は、カムロ
ブと軸の弾性変形及び塑性変形の差を利用して残留応力
を発生させるものである。 【0005】しかし全体を焼入れした高炭素鋼ベースの
カムロブの破壊までの伸びはほぼ1〜3%程度である。 【0006】従って、カムロブの破壊を起こさずに弾性
変形させて有効な残留応力を発生させることは、特に拡
管組立の場合では精度管理が難しくなり、これに余裕を
もたせて精度管理を楽にしようとするとカムロブの寸法
を大きくせざるを得ないという問題があった。 【0007】また、チルカム(鋳鉄カム軸)では、カム
形状部のみ硬化するのが当たり前になっている。これは
チル用冷やし金を当てるため必要部分のみチル化してい
るためである。チルカムは組立式カム軸ではなく組立
時、あるいはその残留応力による遅れ破壊等ははじめか
ら考慮にない。 【0008】本発明の目的は、カムロブの破壊を起こさ
ずに弾性変形させて有効な残留応力を発生させることが
でき、精度管理が容易なカムロブを備えた組立式カム軸
を提供することである。 【0009】 【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の組立式カム軸は、機械的に軸本体に固定さ
れたカムロブを有する組立式カム軸であって、前記カム
ロブは、前記軸本体と同心の基礎円部と、外周部で必要
なカム機能を有し、該基礎円部より軸心からの半径の大
きいカム形状部とからなり、前記カムロブは、炭素を
0.4〜1.2%含む焼き入れ可能な高炭素鋼をベース
とした材料からなり、必要に応じてHRC45以下の硬
さに調質されており、かつ実質的に前記カム形状部のみ
表面硬さがほぼHRC50〜65となるように焼入れ処
理が行われていることを特徴としている。 【0010】 【発明の実施態様】本発明の組立式カム軸のカム軸は、
カムロブを圧入、拡管組立する場合、最も応力が高くな
るカムロブの基礎円部は調質硬さ以下として焼入れせ
ず、カムロブ基礎円部の伸びを確保することにより、カ
ムロブ及び軸を共に、弾性変形及び塑性変形で残留応力
を確保することを前提とするもので、カムロブ、及び軸
の組合わせ部の寸法公差を、カムロブ全体を焼入れした
場合に比較して落とす(広げる)ことが可能となる。 【0011】そのため全体を焼入れしたカムロブに較べ
精度管理が楽になり、カムロブ寸法も小型化できる。 【0012】また、エンジンに組込まれたカム軸が回転
し、カムロブが機能するとき、カムロブと相手部材間に
作用する力は基礎円部ではほとんどなく、形状半径の大
きいカム形状部に作用するので、カム形状部の表面のみ
焼入れ硬化すれば、カムロブとしての耐摩耗性は全体に
焼入れしたものと同等である。 【0013】さらにカム形状部では圧入、拡管の応力は
形状半径の大きい所ほど低くなるので、この部分は焼入
れ硬化しても拡管時に破壊される可能性はない。 【0014】 【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。尚、図面において同一部分は同一符号で示してあ
る。 【0015】図1は、本発明の一実施例を示す組立式カ
ム軸10(以下、説明の便宜上単に「カム軸」と称す
る)の正面図である。 【0016】カム軸10は、基本的な構成は従来のもの
と変わらないが、所定の軸方向長さを有した中空の鋼製
の軸本体1からなる。軸本体1には軸方向に複数設けら
れたカムロブ2が嵌合している。軸本体1の軸方向の一
端には、カム軸10を駆動するためのスプロケット等の
駆動部材(不図示)を取り付けるノーズピース3が固定
されている。また、軸本体1の軸方向の他端には、ギア
5が設けられている。ギア5の軸方向の内側には、軸本
体1の軸方向の位置決めを行うスラストピース4が軸本
体1に嵌合している。以上の部材を一体的に組み立てる
ことでカム軸10を構成する。尚、軸本体1は中空でな
く、中実のものでもよい。 【0017】軸本体となる鋼管の材料には降伏応力は低
いが伸びの良い材料が使用される。一般的には低炭素鋼
の溶接鋼管、降伏点応力20〜45Kgf/mm2 、伸
び7%〜25%程度の材料が好ましい。 【0018】また、カムロブの材料としては、拡管応力
に耐え、かつカムとしての耐摩耗性を向上させるため焼
き入れ可能な高炭素鋼(炭素含有率:0.4〜1.2)
及びそれに準じた材料(高炭素焼結鍛造鋼)が使用され
る。 【0019】図2は、本実施例のカム軸10に用いられ
るカムロブ2を示す正面図である。カムロブ2は、卵型
の形状を有し、軸本体1と同心の基礎円部13とカム機
能によって自動車エンジンの動弁機構の吸排気弁を駆動
する、基礎円部13より形状半径の大きい(軸心からの
半径が大きい)カム形状部12とからなっている。 【0020】実施例では、拡管による組立て固定の一例
を示しており、カムロブ2の内径部には軸方向に延在す
る複数の溝14が円周等分に設けられている。この溝1
4は軸本体1に対するカムロブ2の固定を容易にすると
共に、カムロブ2の軸本体1に対する耐トルク固定強度
を高め、また軸本体1に対するカムロブ2の位相を決め
るために用いられる。 【0021】図2を用いて、本実施例のカムロブ2を更
に詳細に説明する。カム形状部12は、その先端部が突
出したカムノーズ11となっているカム面16を有して
おり、このカムノーズ11が図3に示す動弁機構のカム
リフター17に当接することで吸排気弁18を開放す
る。 【0022】カムロブ2のカム面16は、カム機能を果
たすため、所定の硬さを有するように処理される。具体
的には、図中斜線で示すように高周波焼入れによりHR
C50〜65の硬さに調整される。焼入れ硬化深さはカ
ム研削取り代を考慮しても2.5mm以下であることが
好ましい。また、この部分の降伏点応力は120〜18
0Kgf/mm2 、伸び1%〜3%程度である。母材硬
さはHRC45以下で、必要に応じて調質される。この
硬さの範囲では高炭素鋼の伸びは5%〜15%確保され
る。 【0023】高周波焼き入れされる部分は、基本的に図
2に斜線で示したカム面16だけであるが、カム形状開
始点B(基礎円部でなくなる点)から基礎円部13に少
し入った点Aから焼き入れ処理されている。このように
表面処理することで、カムとしての耐摩耗性を得られ
る。尚、カムロブ2を軸本体1に組み付けた後、レーザ
ー光線等、高エネルギー線による表面硬化をすればより
効果的である。 【0024】図3は、本願発明の組立式カム軸が設けら
れるエンジンのシリンダーヘッドの断面図である。エン
ジンの吸排気弁18はカムリフター17とカムロブ2の
接触により開閉が行われるが、吸排気弁18が閉の時、
カムロブ2の基礎円部13とカムリフター17との間に
は吸排気弁18の閉止を確実にするために僅かな隙間が
設定されており接触していない。但し、ラッシュアジャ
スタ等を用いたものではこの隙間の無いものもあるがこ
の範囲では負荷はほとんど無く、面圧は低いものと考え
てよい。カムロブ2と軸本体1との組立は従来の方法を
用いることができる。 【0025】本発明は、カムとしての耐摩耗性を得るた
めにはカムロブの必要な範囲のみ高周波焼入れする(カ
ムロブに硬化必要範囲が存在する)こと、その部分の圧
入、あるいは拡管による組立時に発生する応力は、形状
半径が大きいため基礎円部に比較して低いこと、基礎円
部は焼入れを行わず母材調質硬さを必要に応じてコント
ロールして利用すれば、用途に適した充分な拡管強度が
得られること、そしてこれにより拡管時応力が高く、破
壊し易い部分である薄肉の基礎円部の破壊が防げるばか
りでなく、カムロブの基礎円部の塑性変形域の利用によ
り拡管強度の寸法公差依存性から逃れて、拡管強度品質
を安定化できることに着目している。 【0026】 【発明の効果】以上説明した、本発明の組立式カムロブ
は、以下のような効果を奏する。 【0027】カムロブを圧入、拡管組立する場合、最も
応力が高くなるカムロブの基礎円部は調質硬さ以下とし
て焼入れせず、カムロブ基礎円部の伸びを確保すること
により、カムロブ及び軸を共に、弾性変形及び塑性変形
で残留応力を確保することを前提とするもので、カムロ
ブ、及び軸の組合わせ部の寸法公差を、カムロブ全体を
焼入れした場合に比較して落とす(広げる)ことが可能
となる。 【0028】そのため全体を焼入れしたカムロブに較べ
精度管理が楽になり、カムロブ寸法も小型化できる。 【0029】また、エンジンに組込まれたカム軸が回転
し、カムロブが機能するとき、カムロブと相手部材間に
作用する力は基礎円部ではほとんどなく、形状半径の大
きいカム形状部に作用するので、カム形状部の表面のみ
焼入れ硬化すれば、カムロブとしての耐摩耗性は全体に
焼入れしたものと同等である。 【0030】さらにカム形状部では圧入、拡管の応力は
形状半径の大きい所ほど低くなるので、この部分は焼入
れ硬化しても拡管時に破壊されることがない。 【0031】また、硬さが下がるため切欠き感度が下が
り、この原因による疲労破壊が減少するため、カムロブ
内径面の仕上げ程度あるいは形状にさほど気を使う必要
がない。従ってこの用途に使用するカムロブの鍛造化
(カムロブ内径も鍛造で抜き機械加工は行わない。)等
の合理化、コストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例を示す組立式カム軸の正面図
である。 【図2】本実施例のカム軸に用いられるカムロブを示す
正面図である。 【図3】本願発明の組立式カム軸が設けられるエンジン
のシリンダーヘッドの断面図である。 【符号の説明】 1:軸本体 2:カムロブ 10:組立式カム軸 12:カム形状部 13:基礎円部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−152665(JP,A) 実開 昭60−64360(JP,U) 実開 平2−119904(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 1/04 F16H 53/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 軸本体を拡管することで軸本体に固定さ
    れたカムロブを有する組立式カム軸であって、 前記カムロブは、前記軸本体と同心の基礎円部と、外周
    部で必要なカム機能を有し、該基礎円部より軸心からの
    半径の大きいカム形状部とからなり、前記カムロブは、
    炭素を0.4〜1.2%含む焼き入れ可能な高炭素鋼を
    ベースとした材料からなり、HRC45以下の硬さに調
    質されており、かつ実質的に前記カム形状部のみ表面硬
    さがほぼHRC50〜65となるように焼入れ処理が行
    われていることを特徴とする組立式カム軸。
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WO2005042931A1 (ja) * 2003-10-31 2005-05-12 Nippon Piston Ring Co., Ltd. カムシャフトの製造方法、カムシャフト及びこれに用いるカムロブ材
JP5966004B2 (ja) * 2011-07-21 2016-08-10 マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMAHLE International GmbH カムシャフト及び該カムシャフト用のカム並びに該カムシャフトの製造装置及び製造方法

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