JPH09329008A - 内燃機関用バルブスプリングリテーナ及びその加工方法 - Google Patents

内燃機関用バルブスプリングリテーナ及びその加工方法

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JPH09329008A
JPH09329008A JP14882596A JP14882596A JPH09329008A JP H09329008 A JPH09329008 A JP H09329008A JP 14882596 A JP14882596 A JP 14882596A JP 14882596 A JP14882596 A JP 14882596A JP H09329008 A JPH09329008 A JP H09329008A
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JP
Japan
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spring retainer
tapered hole
tapered
treatment
residual stress
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Application number
JP14882596A
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English (en)
Inventor
Nobuo Hara
信雄 原
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Fuji Oozx Inc
Original Assignee
Fuji Oozx Inc
Fuji Valve Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コッタが嵌合されるテーパ孔の疲労強度と寸
法精度を共に向上する。 【解決手段】 スプリングリテーナ7におけるコッタが
嵌合されるテーパ孔8の表層部8aに圧縮残留応力を付
与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の動弁系
に用いられる例えばアルミニウム合金製のバルブスプリ
ングリテーナ及びその加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、内燃機関の動弁機構の一例を示
すもので、エンジンバルブ(1)の上端部には、半割円筒
形をなす1対のコッタ(2)を介して、バルブスプリング
リテーナ(以下スプリングリテーナと略称する)(3)が止
着されている。
【0003】スプリングリテーナ(3)における上端のば
ね受けフランジ部(3a)の下面とシリンダヘッド(図示略)
との間には、バルブスプリング(4)が縮設され、エンジ
ンバルブ(1)は、スプリングリテーナ(3)を介して常時
上向きに付勢されている。
【0004】(5)は、エンジンバルブ(1)の上端に当接
しているロッカアームで、これが回転カム(図示略)によ
り上下に揺動させられることにより、エンジンバルブ
(1)の開閉運動が行われる。このような動弁機構に用い
られるスプリングリテーナ(3)を、動弁系の慣性質量を
より小さくするために、通常の鋼製のものに代えて、ア
ルミニウム合金製とすることが考えられている。すなわ
ち、通常、アルミニウム合金製のスプリングリテーナ
は、冷間鍛造、JISにおけるT6処理、機械加工の工
程を経て製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アルミニウム合金製の
スプリングリテーナは、鋼製のものに比して機械的強度
が劣るため、上述のようなT6処理を施したのみでは、
スプリングリテーナに要求される耐摩耗性や疲労強度等
を十分に満足させることはできない。
【0006】特に、コッタ(2)が嵌合されるテーパ孔
(6)には、バルブスプリング(4)及びエンジンバルブ
(1)の着座時の加速度による大きな荷重が、テーパ孔
(6)を拡径しようとする方向に作用する。この際の応力
分布は、肉厚の薄いテーパ孔(6)の下端部程大となるこ
とが応力解析により確認されており、その部分に疲労破
壊が生じることがある。
【0007】一方、アルミニウム合金製のスプリングリ
テーナは、T6処理後において変形し易く、テーパ孔
(6)の寸法精度が悪化する。このようになると、コッタ
(2)との接触が不均一となり、局部的に大きな面圧が作
用して偏摩耗を起こすようになるので、その後の機械加
工において、テーパ孔(6)を精密に仕上げる必要があ
り、その加工が面倒となる。
【0008】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、テーパ孔の疲労強度と寸法精度とを共に向上させる
ことにより、耐久性及び信頼性に優れるスプリングリテ
ーナ及びその加工方法を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のスプリングリテ
ーナによると、上記課題は、コッタが嵌合されるテーパ
孔に、圧縮残留応力を付与することにより解決される。
また、本発明の加工方法によると、上記課題は、次のよ
うにして解決される。 (1)コッタが嵌合されるテーパ孔に、外周面が規定寸
法に精密加工されたテーパポンチを挿入して強圧するこ
とにより、テーパ孔に圧縮残留応力を付与する。
【0010】(2)アルミニウム合金により成形され、
かつ成形後にJISにおけるT6処理を施したのち、コ
ッタが嵌合されるテーパ孔を、外周面が規定寸法に精密
加工されたテーパポンチにより強圧することにより、テ
ーパ孔に圧縮残留応力を付与する。
【0011】(3)上記(1)又は(2)項において、テー
パ孔の下端部を縮径させて、テーパポンチにより強圧す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面に
基づいて説明する。図1は、本発明のアルミニウム合金
製(例えばAl−Si系、Al−Cu系)のスプリングリ
テーナ(7)を示すもので、その中心に形成された、コッ
タ(図示略)嵌合用のテーパ孔(8)の表層部(8a)には、圧
縮残留応力を付与してある。
【0013】上記スプリングリテーナ(7)は、次のよう
にして加工される。まず、アルミニウム合金よりなる素
材を冷間鍛造して、製造しようとするスプリングリテー
ナとほぼ同形のスプリングリテーナを形成したのち、J
ISにおけるT6処理を施して、全体を強化する。
【0014】なお、T6処理とは、500℃前後で数時
間加熱したのち、水焼入れにより急冷し、その後100
〜200℃で数時間加熱する公知の処理のことである。
ついで、図2に示すように、T6処理後のスプリングリ
テーナ(7')を保持治具(9)により支持したのち、テー
パ孔(8')内に、外周面が規定のテーパ面に精密加工さ
れたテーパポンチ(10)を上方より挿入し、テーパ孔
(8')を例えば630kgfの荷重で強圧する。
【0015】すると、テーパ孔(8')の表層部(8a')は、
矢印のように拡径方向に塑性変形させられ、かつその周
囲の組織は外方に向かって弾性変形する。
【0016】この状態でテーパポンチ(10)を上昇させ、
押圧荷重を解除すると、表層部(8a')の周囲の弾性変形
部が縮径方向に復元しようとするため、テーパ孔(8')の
表層部(8a')は、圧縮残留応力が付与された状態とな
る。
【0017】このように、予め圧縮残留応力が付与され
たスプリングリテーナ(7')は、テーパ孔(8')における表
層部(8a')の許容応力範囲が大となって許容荷重が増大
するので、疲労強度が高まり、繰り返し荷重による疲労
破壊を起こしにくくなる。
【0018】また、T6処理後において、テーパ孔(8')
を高精度のテーパポンチ(10)により強圧することによ
り、熱処理によって生じたテーパ孔(8')の変形を矯正す
ることができ、テーパ孔(8')の寸法精度が向上して、コ
ッタとの接触が均一となる。
【0019】さらに、テーパポンチ(10)の圧縮荷重によ
り、テーパ孔(8')が加工硬化し、耐摩耗性をも向上させ
ることができる。なお、上記加工方法において、T6処
理後におけるスプリングリテーナ(7')のテーパ孔(8')の
下端部を、図3及び図4に示すように、それぞれ段状及
び円弧状に縮径させた形状として、テーパポンチ(10)に
より強圧してもよい。
【0020】このようにすると、テーパ孔(8')の下端部
の塑性変形量が大となり、その分、圧縮残留応力も増大
するので、大きな応力が作用するテーパ孔(8')の下端部
の疲労強度をより高めうる。本発明は、上記アルミニウ
ム合金製のスプリングリテーナの外、チタン合金やマグ
ネシウム合金製のものにも適用しうる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。 (a)コッタが嵌合されるテーパ孔の疲労強度が高まる
ので、疲労破壊等が生じにくくなり、スプリングリテー
ナの耐久性、信頼性が向上する。
【0022】(b)請求項2の加工方法によると、簡単
な手段で圧縮残留応力を付与することができ、かつテー
パ孔の寸法精度が向上する。
【0023】(c)請求項3の加工方法によると、上記
(b)の効果に加えて、軽量、かつ強靭なスプリングリテ
ーナが得られる。
【0024】(d)請求項4のようにすると、テーパ孔
の下端部の圧縮残留応力が増大するので、大きな応力が
作用するテーパ孔の下端部の疲労強度をより高めうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスプリングリテーナの中央縦断正面図
である。
【図2】同じく加工要領を示す中央縦断正面図である。
【図3】同じく加工要領の他の実施例を示す中央縦断正
面図である。
【図4】同じく加工要領の他の実施例を示す中央縦断正
面図である。
【図5】本発明が適用される動弁機構の一例と、それに
装着された従来のスプリングリテーナを示す中央縦断正
面図である。
【符号の説明】
(1)エンジンバルブ (2)コッタ (3)スプリングリテーナ (4)バルブスプリング (5)ロッカアーム (6)テーパ孔 (7)(7')スプリングリテーナ (8)(8')テーパ孔 (8a)(8a')表層部 (9)保持治具 (10)テーパポンチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コッタが嵌合されるテーパ孔に、圧縮残
    留応力を付与したことを特徴とする内燃機関用バルブス
    プリングリテーナ。
  2. 【請求項2】 コッタが嵌合されるテーパ孔に、外周面
    が規定寸法に精密加工されたテーパポンチを挿入して強
    圧することにより、テーパ孔に圧縮残留応力を付与する
    ことを特徴とする内燃機関用バルブスプリングリテーナ
    の加工方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム合金により成形され、かつ
    成形後にJISにおけるT6処理を施したのち、コッタ
    が嵌合されるテーパ孔を、外周面が規定寸法に精密加工
    されたテーパポンチにより強圧することにより、テーパ
    孔に圧縮残留応力を付与することを特徴とする内燃機関
    用バルブスプリングリテーナの加工方法。
  4. 【請求項4】 テーパ孔の下端部を縮径させて、テーパ
    ポンチにより強圧することを特徴とする請求項2又は3
    記載の内燃機関用バルブスプリングリテーナの加工方
    法。
JP14882596A 1996-06-11 1996-06-11 内燃機関用バルブスプリングリテーナ及びその加工方法 Pending JPH09329008A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000145416A (ja) * 1998-09-09 2000-05-26 Fuji Oozx Inc 内燃機関用バルブスプリングリテ―ナ及びその加工方法
EP1138882A2 (en) * 2000-03-30 2001-10-04 Fuji Oozx Inc. Valve operating mechanism and valve spring retainer of an internal combustion engine
WO2010016227A1 (ja) * 2008-08-04 2010-02-11 日本発條株式会社 スプリング・リテーナ及びスプリング・システム

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