JP3467736B2 - 濾過装置 - Google Patents
濾過装置Info
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Description
濾過材を濾過槽に積層させて、排水、用水等に懸濁して
いる微細な固形分を濾過し除去するようにした濾過装置
に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】この種、懸濁している排水、用水等から
微細な固形分を除去する濾過材としての条件は、空隙率
が高く処理水が内部までよく浸透し、比表面積が大きく
内部での補集効率が高く効果的に処理できる濾過性能を
有すると共に、濾過材から補集した固形分を取除く逆洗
が簡単にできる逆洗性能に優れていることが重要であ
る。これに適した濾過材として、従来、繊維を球状に形
成した繊維塊が用られている。特公昭６２−５５８８５
号公報のものは、それを用いた濾過装置として知られて
いるが、この公知技術は単に繊維塊を積層したものであ
って、逆洗も、濾過材層の下方から洗浄する手段で、そ
れ以上の工夫は何もされていないものである。このよう
に単純に濾過材層の下方から全面に且つ均一に洗浄用空
気でバブリングを行う方法は、本発明の発明者も実験を
行ったが、全面に均一なバブリングを行うと、水の見掛
比重が下がり濾過材は浮上するどころか逆に沈降して濾
過材はほとんど動かず撹拌は全く起こらないで洗浄がで
きなかった。そして洗浄用空気の流量を増加する程沈降
し、また濾過材の比重が小さくても起こることを確認し
た。ただ、この公知技術の濾過装置は、洗浄用空気でバ
ブリングを行うと同時に洗浄水を流すことで濾過材の表
面が僅かに洗浄される程度で、実用的な洗浄は期待でき
ないものである。これを改善した濾過装置の先行技術と
しての特公平４−３６７２３公報には、濾過槽本体上方
に被濾過液流入管、下方に処理液流出管を臨ませ、濾過
槽本体内部に垂直方向に仕切った仕切板で上昇区画と下
降区画を設け、仕切板下方に濾過材支持板を配置して、
球状繊維質濾過材を濾過材支持板上に積層させて濾過材
層を形成すると共に、上昇区画の下方に洗浄空気流入管
および洗浄水流入管を配置し、さらに濾過材支持板の下
方に流向調整板を取付けて、球状繊維質濾過材が上昇区
画と下降区画との間を循環して流れるようにして逆洗操
作される濾過装置が開示されている。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この濾
過装置は構造がやや複雑である上、上昇区画と下降区画
との断面積の比などにより下降区画の下部で濾過材の圧
縮が起き、或いは上昇区画内で旋回が起きるなど必ずし
も濾過材の循環が確実に且つスムーズに行かない場合が
ある。そこで、上記先行技術の問題点に鑑み、これを解
決すべく洗浄手段を種々検討した結果、本発明は濾過層
の全面ではなく、その一部分に集中して洗浄用の空気で
バブリングを行うことで、濾過層全体が理想的な撹拌状
態に形成され、濾過材はこの強烈な循環流に伴って循環
させることによって、球状繊維質濾過材の表面および内
部に捕捉された懸濁物を簡単な逆洗操作によって容易に
且つ迅速、確実に除去し得る逆洗性能に優れ、しかも逆
洗操作の繰り返しによっても長期に亘って濾過材を変性
させることなく濾過を継続することができる構造簡単な
濾過装置を提供することを目的としたものである。 【０００４】 【課題を解決するための手段】これを解決する手段とし
て、本発明に係る濾過装置は、濾過槽本体に、被濾過液
流入管、処理液流出管、洗浄水流入管、濾過材支持板を
夫々配置し、繊維質濾過材を濾過材支持板上に積層させ
て濾過材層を形成し、濾過材支持板の下面に該濾過材支
持板の下面を複数の区画に分割する仕切板を取付け、濾
過材支持板の下部に洗浄空気流入管を分割した区画毎に
配置し、分割した各区画に配置された洗浄空気流入管を
タイマーによって交互に運転することにより逆洗の循環
流の流れ方向を変えることを特徴とする。 【０００５】 【実施例】本発明の構成を図面で示す一実施例について
以下詳細に説明する。図１乃至図３は本発明の第１実施
例であって、濾過槽本体１は図２に示すように円筒状或
いは図３に示すように角筒状に構成され、該濾過槽本体
１内に多孔材よりなる濾過材支持板２を水平方向に張設
する。この濾過材支持板２は、パンチングメタルまたは
金網等を用い、可能な限り開口率が大きく、孔の大きさ
は濾過材が通過しない限度で大きいほど好ましい。そし
て濾過材支持板２上に多数の繊維質濾過材４を積層させ
て濾過材層を形成する。この繊維質濾過材４としては前
述した先行技術の特公平４−３６７２３公報に開示され
ている通り、球状繊維質濾過材、即ち、塩化ビニリデン
系糸、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン系の糸、その他の
合成繊維糸で２０〜２００デニールの太さを有し、２〜
１０回／インチ捲縮を付与した細い合成繊維糸を束状と
し、そのほぼ中央部を絞るようにして、剛性のある合成
繊維糸、硬質のプラスチックバンド、不蝕性、不銹性の
ある金属線等により結束部が内部中央に埋設するように
丸めたものを使用している。また濾過材支持板２の下面
の中央には下方に１０ｃｍ〜２０ｃｍ程度垂下する仕切
板３を配置することで、該濾過材支持板２下面を２分割
した区画５、５を形成する。さらに洗浄空気流入管６を
分割した区画５に夫々配置し、濾過槽本体１の下部には
洗浄水流入管７を配置すると共に、先行技術と同様に処
理液流出管８を取付け、一方濾過槽本体１内の上方に被
濾過液流入管９を臨ませると共に、洗浄水排出管１０を
取付ける。また、洗浄水流入管７は濾過材支持板２の下
方に設置するが、濾過材支持板２の下方は緩やかな流れ
を生じるので、任意の位置に一箇所設ければ良い。 【０００６】このように構成されているので、濾過操作
を行うには、被濾過液を被濾過液流入管９から濾過槽本
体１内の上部へ流入する。被濾過液は、繊維質濾過材４
の層の中を下向きに流れ、懸濁物を除去された後に、処
理液流出管８を通って排出される。繊維質濾過材４の層
に懸濁物が充分に捕捉されて濾過圧損が上昇したら、被
濾過液の流入を止めて、洗浄工程に入る。処理液流出管
８を閉じて、洗浄水流入管７から洗浄水または被処理水
を連続的に又は間欠的に流入すると同時に片方の区画に
配置された洗浄空気流入管６から空気を流入する。この
ように、一部分に集中して洗浄用の空気でバブリングを
行うことにより濾過槽内は、バブリングしている部分
と、バブリングしていない部分との間に大きな密度差を
生じる。このため、バブリングしている部分では上昇流
を生じ、バブリングしていない部分では下降流を生じて
濾過槽全体に強烈な循環流を生じることになり、また濾
過材はこの強烈な循環流に伴って循環し、強力な撹拌作
用を受けることになって効果的に洗浄される。この場
合、一方のみに洗浄空気を流すと、下降流側の濾過材支
持板２の上面、濾過槽壁に近い部分に濾過材の停滞が起
こり易いが、両方の洗浄空気流入管６をタイマーによっ
て交互に運転することにより逆洗の循環流の流れ方向を
変えると、濾過槽全体を理想的に撹拌することができ
る。このサイクルを繰り返して循環する内に繊維質濾過
材４の洗浄が進行する。洗浄の終了は、予め洗浄時間を
設定しておくことにより、又は洗浄水の濃度を検知する
ことにより、自動的に行われる。洗浄が終了したら、空
気や洗浄水の流入を止め、再び処理液流出管９を開け
て、濾過工程に入る。 【０００７】 【発明の効果】洗浄工程において、洗浄水流入管７から
洗浄水を流入すると同時に、一方の区画に配置された洗
浄空気流入管６から空気を供給する（バブリング）と、
バブリングされている繊維質濾過材４の層とバブリング
されていない繊維質濾過材４の層との間に大きな密度差
を生じるため、バブリングされている繊維質濾過材４の
層は上昇流を生じ、バブリングされていない繊維質濾過
材４の層は下降流を生じて、循環流が形成される。所定
時間経過後にその区画の洗浄空気流入管６を閉じて、他
方の区画の洗浄空気流入管６から空気を供給すると、循
環流の循環方向が逆方向に変わる。タイマーによって循
環流の循環方向を交互に変えることにより繊維質濾過材
４の層は強力な撹拌作用を受け、効果的な洗浄を達成す
ることができる。
平面図 【図３】同じく濾過槽本体を角筒状に構成した実施例の
平面図 【符号の説明】 １ 濾過槽本体 ２ 濾過材支持板 ３ 仕切板 ４ 繊維質濾過材 ５ 区画 ６ 洗浄空気流入管 ７ 洗浄水流入管 ８ 処理液流出管 ９ 被濾過液流入管 １０ 洗浄水排出管
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 濾過槽本体（１）に、被濾過液流入管
（９）、処理液流出管（８）、洗浄水流入管（７）、濾
過材支持板（２）を夫々配置し、繊維質濾過材（４）を
濾過材支持板（２）上に積層させて濾過材層を形成し、
濾過材支持板（２）の下面に濾過材支持板（２）の下面
を複数の区画に分割する仕切板（３）を取付け、濾過材
支持板（２）の下部に洗浄空気流入管（６）を分割した
区画毎に配置し、分割した各区画に配置された洗浄空気
流入管（６）をタイマーによって交互に運転することに
より逆洗の循環流の流れ方向を変えることを特徴とする
濾過装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14843894A JP3467736B2 (ja) | 1994-05-26 | 1994-05-26 | 濾過装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14843894A JP3467736B2 (ja) | 1994-05-26 | 1994-05-26 | 濾過装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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ID=15452802
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14843894A Expired - Fee Related JP3467736B2 (ja) | 1994-05-26 | 1994-05-26 | 濾過装置 |
Country Status (1)
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1994
- 1994-05-26 JP JP14843894A patent/JP3467736B2/ja not_active Expired - Fee Related
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