JP3467401B2 - 電力制御方法及びその装置 - Google Patents

電力制御方法及びその装置

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JP3467401B2
JP3467401B2 JP07649898A JP7649898A JP3467401B2 JP 3467401 B2 JP3467401 B2 JP 3467401B2 JP 07649898 A JP07649898 A JP 07649898A JP 7649898 A JP7649898 A JP 7649898A JP 3467401 B2 JP3467401 B2 JP 3467401B2
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  • Control Of Voltage And Current In General (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力制御方法及び
その装置に係り、特に、時分割制御により設備容量を小
さくするようにした電力制御方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体ウエハの表面に成膜等の
熱処理を施す半導体製造装置にあっては、ウエハ自体を
加熱したり、処理容器自体を加熱したり、液化や凝固し
易い処理ガスの気化状態を維持するためにガス供給管を
加熱したり、或いは排気ガス中に含まれる凝固し易い反
応副生成物の気化状態を維持するためにガス排気管等を
加熱したりするために、各種の加熱ヒータが設けられて
いる。例えば処理ガスを半導体製造装置の処理容器内へ
導入するための処理ガス供給管を例にとって説明する
と、液化し易い処理ガスを供給する場合には、この処理
ガス供給管は、一般的には装置の規模にもよるが、ガス
源から処理容器まで数メートルから十数メートルの長さ
の引き回しがあり、これに加熱ヒータとして複数に分割
されたテープヒータを巻回して、各テープヒータを別個
独立に温度コントロールして所望の目標温度に維持する
ようになっている。この目標温度は、部位によって同じ
場合もあるし、また、異なる場合もあり、また、各テー
プヒータの電力容量も互いに同じ場合もあるし、異なる
場合もある。
【0003】このように同じ系統の電力使用系である各
テープヒータに対しては、一般的には、1つの電源から
の電力をトランス、ブレーカ、ヒューズ等を介して導い
て、これをそれぞれのテープヒータに分配してオンオフ
制御により供給するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各テープヒ
ータを巻回した処理ガス供給管の各部位の温度が、略目
標値に達している状態においては、目標温度値を維持す
るための制御であることから各テープヒータにおける電
力使用量は、オン時間が短くなってかなり少ないもので
あるが、例えば装置自体の立ち上げ時や長期間の休止状
態から再び立ち上げる時などには、処理ガス供給管を含
めて装置全体の温度が常温(室温)になっていることか
ら、立ち上げと同時に、各テープヒータにはフルパワー
で電力が供給されて、この状態が目標温度に近くなるま
で継続することになる。
【0005】また、目標温度近傍における温度安定時に
おいても、タイミングによっては一時的に各テープヒー
タがオン状態となって電力をフルパワー状態で供給する
場合も生じる。そのため、上記したトランスやブレーカ
は、このフルパワー時の大きな電力量に耐え得るだけの
大容量のものを用いなければならず、その分、装置自体
が大型化し、占有面積が大きくなるばかりか、設備費も
高騰するという問題があった。特に、単位面積当たりの
コストが高価なクリーンルームにあっては、いかに占有
面積を少なくすることができるかという点が大きな課題
となっており、少しでも容量の小さな、しかも占有面積
の小さな装置類が望まれているのが現状である。
【0006】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的は、電力供給を時分割で制御することによりフル
パワー時の使用電力量を抑制して、その分、設備の小容
量化を達成することができる電力制御方法及びその装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に規定する方法発明は、1つの電源から
供給される電力を、加熱を目的とする複数の電力使用系
に供給するための電力制御方法において、前記複数の電
力使用系を、複数のグループに分けると共に、グループ
分けを行なうに際して、前記複数の全ての電力使用系の
内、前記電力使用系に対して連続的に電力を供給した場
合において常温から目標温度値まで昇温するに要する必
要時間が相対的に大きい順から所定数毎の電力使用系と
相対的に小さい順から所定数毎の電力使用系同士が同じ
グループになるようにグループ分けを行なうようにし、
前記各グループは独立して制御されると共に、各グルー
プに属する電力使用系を時分割でオンオフ制御するよう
にしたものである。
【0008】これにより、フルパワーで電力が使用され
ている場合でも、時分割制御されているので、目標温度
値に達するまでの時間は少し長くはなるが、全ての電力
使用系が同時にオン状態になるケースがなくなり、その
分、電力供給設備の容量を少なくすることが可能とな
る。この場合、前記オンオフ制御は、前記複数の各電力
使用系に対して連続的に電力を供給した場合において常
温から目標温度値まで昇温するに要する必要時間に応じ
て前記オン時間及びオフ時間の長さを制御する工程を含
むようにする。
【0009】これにより、電力供給を行なうオン時間が
各電力使用系の必要時間の長さに応じて設定されるの
で、電力投入から略同一時間が経過した時に各電力使用
系の温度が目標温度値に達するように設定されるので、
電力供給設備の容量を最大限に抑制しつつ装置の無駄な
アイドリング時間を少なくすることができる。また、複
数の電力使用系を複数のグループに分けて、グループ毎
に独立的に上記したオンオフ制御を行なう。この場合、
前記グループ分けを行なうに際して、前記複数の全ての
電力使用系の内、前記必要時間が相対的に大きい順から
所定数毎の電力使用系と相対的に小さい順から所定数毎
の電力使用系同士が同じグループになるようにグループ
分けを行なう。
【0010】また、請求項4に規定する発明は、1つの
電源から供給される電力を、加熱を目的とする複数の電
力使用系に供給するための電力制御方法において、前記
複数の電力使用系を、複数のグループに分けると共に、
グループ分けを行なうに際して、目標温度値を維持する
ために単位時間当たりに電力使用系に電力が供給される
時間的割合に応じて、各電力使用系を予め定められた時
分割出力割合の分類にグループ分けを行なって仮グルー
プを形成し、更に、各仮グループ毎に、加熱ヒータの電
力容量に応じて電力容量が近いもの同士が同じグループ
となるようにしてグループ化し、前記各グループは独立
して制御されると共に、各グループに属する電力使用系
を時分割でオンオフ制御するようにしたことを特徴とす
る電力制御方法である。この場合には、前記同一グルー
プ内の時分割出力割合の合計は、100%となるように
する。これによれば、各加熱ヒータの電力容量を主たる
基準として各電力使用系をグループ化しているので、こ
の場合にも電力供給設備の小容量化及び小型化を達成す
ることができる。また、前記複数の電力使用系は、半導
体製造装置の処理ガス供給管またはガス排気管に設けら
れた加熱ヒータ群に適用することができる。
【0011】また、上記方法を実施するために、1つの
電源から供給される電力を、加熱を目的とする複数の電
力使用系に供給するための電力制御装置において、前記
電力使用系に接続される多数の出力端子を有する多点出
力調整部と、前記複数の各電力使用系に設けられる温度
センサ部と、前記多点出力調整部の出力を前記各温度セ
ンサ部の出力に基づいて時分割でオンオフ制御するオン
オフ制御部とを備えるように構成する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る電力制御方
法及びその装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述す
る。図1は本発明の電力制御装置の第1実施例を示す構
成図、図2は各電力使用系に連続的に電力を加えた時に
目標温度値に達するまでの時間を測定した時の状態を示
すグラフ、図3は各電力使用系に加えられる電力量を示
すグラフである。図1において、符号2は、シリコンウ
エハ等の半導体ウエハに対して成膜や酸化拡散等の熱処
理を行なうバッチ式の或いは枚葉式の半導体製造装置で
あり、これには処理ガスを処理容器4内へ導入する例え
ばステンレス製の処理ガス供給管6及び処理容器4内の
ガスを反応副生成物と共に例えば真空引きにより排出す
るガス排気管8が接続される。
【0013】ここで処理ガスとして常温で液化、凝固す
るような原料ガスを用いる場合には、この液化、凝固を
防止するために処理ガス供給管6に電力使用系としての
加熱ヒータ10を設け、これに対して本発明の電力制御
装置12により電力供給制御を行なう。具体的には、上
記加熱ヒータ10は、図示例では例えば3つに分割され
たテープヒータ14A、14B、14Cよりなり、各テ
ープヒータ14A、14B、14Cは処理ガス供給管6
の必要箇所に巻回して設けられており、これを加熱する
ようになっている。図示例では説明の理解の容易化のた
めに、各テープヒータ14A、14B、14Cは離間さ
せて設けているが、実際には互いに近接させて設けられ
ており、また、テープヒータ数もかなり多い。
【0014】また、各テープヒータ14A、14B、1
4Cの電力容量は、同じとは限らず、ここでは後述する
ようにヒータ14A<ヒータ14B<ヒータ14Cの関
係で電力容量が大きくなっているものと仮定する。ま
た、電源としては、交流(AC)200Vの電圧がトラ
ンス16にて交流100Vに落とされ、この交流100
Vがブレーカ18及びヒューズ20を介して電力制御装
置12へ入力されている。この電力制御装置12は、多
数の出力端子22を有する多点出力調整部24を有して
おり、この多点出力調整部24は、各出力端子22に対
応させてSSR(Solid State Rela
y)やSCRを適宜組み合わせてなる温調部28A、2
8B、28Cを有している。各出力端子22は対応する
前記各テープヒータ14A、14B、14Cへスイッチ
26A、26B、26Cを介して電気的に接続されてい
る。
【0015】また、各テープヒータ14A、14B、1
4Cには、例えば熱電対よりなる温度センサ部30がそ
れぞれ設けられており、この検出温度値を多点出力調整
部24を介して例えばマイクロコンピュータ等よりなる
オンオフ制御部32へ入力するようになっている。この
オンオフ制御部32は、上記各温度センサ部30A、3
0B、30Cの検出温度値に基づいて各スイッチ部26
A、26B、26Cのオンオフ制御を行なって、各テー
プヒータ14A、14B、14Cをそれぞれの目標温度
値まで昇温してこれを維持するように制御することにな
る。この場合、上記各3つのスイッチ26A、26B、
26Cは別個独立にオンオフ制御されるのではなく、複
数のスイッチが同時にオン状態にならないように時分割
で関連して制御されるようになっている。尚、ここでは
スイッチ26A、26B、26Cとして機械的な開閉ス
イッチを記載しているが、実際にはこれらのスイッチ群
は上述したようにSCR等によって電子的なスイッチと
して構成される。
【0016】次に、以上のように構成された装置を用い
て実施される本発明方法について説明する。処理ガスと
してジシラン、ジクロルシラン、トリクロルシラン、テ
オス(TEOS)等を用いる場合には、これらのガスは
液化温度が低いことから処理ガス供給管6をガス種に対
応した所定の温度に加熱しなければならない、例えばテ
オスを処理ガスとして用いる場合には、処理ガス供給管
6を100℃程度に加熱する必要がある。本実施例で
は、このテオスを処理ガスとして用い、処理ガス供給管
6の目標温度値を100℃と設定した場合を例にとって
説明する。
【0017】まず、温度制御に先立って処理ガス供給管
6に巻回されている各テープヒータ14A、14B、1
4Cに対して個別に交流100Vを連続的に加え、各ヒ
ータが昇温対象となる物体を加熱することによって常温
から目標温度値である100℃に達するまでに要するそ
れぞれの必要時間を予め求める。図2はこの時の状態を
示しており、昇温速度は昇温対象物の熱容量にもよる
が、ここでは例えば電力容量の小さなテープヒータが一
番早く目標温度値である100℃に達し、電力容量の最
も大きなテープヒータ14Cが最後に目標温度値に達す
るものと仮定する。ここでは説明を判り易くするため
に、最も早く昇温するテープヒータ14Aの必要時間を
Tとすると、他のテープヒータ14B、14Cの必要時
間をそれぞれ2T、3Tとし、それぞれ2倍及び3倍の
時間を要したと仮定する。
【0018】この各必要時間のデータは、オンオフ制御
部32へ図示しない入力手段により、或いは予めプログ
ラムとして組み込まれ、このデータに基づいてオンオフ
制御がなされる。すなわち、必要時間が短い程1サイク
ルの間にオン状態となる時間が短く、必要時間が長い程
1サイクルの間にオン状態となる時間が長くなる。図3
はこの時の各スイッチ26A、26B、26Cのオンオ
フ状態を示している。ここで1サイクルは略2秒程度に
設定されている。
【0019】まず、処理ガス供給管6を含む半導体製造
装置全体の温度が低く、例えば常温程度の場合には、制
御開始と同時に、従来装置の場合には、各スイッチ26
A、26B、26Cが全てオン状態となるが、本発明の
場合には上記必要時間のデータに従って1サイクルの間
のオン時間が定まり、結果としては、必要時間が最も小
さいテープヒータ14Aに対しては最も短い時間tだけ
オン状態となり、次のテープヒータ14Bに対しては時
間2tだけオン状態となり、必要時間が最も大きいテー
プヒータ14Cに対しては時間3tだけオン状態とな
り、時分割で制御されることになる。そして、このサイ
クルを目標温度値の近傍になるまで繰り返し行なうこと
になる。
【0020】このように、電力供給を時分割で制御する
ことにより、同時に2つ以上のスイッチがオン状態とな
っている現象は表れることがないので、所定の温度に達
するまでの時間は従来装置の場合よりも少し長くなる
が、トランス16やブレーカ18の最大容量を、この実
施例の場合には従来装置と比較して小さくすることがで
き、その分、設備費の削減及び占有面積の縮小を図るこ
とが可能となる。また、スイッチ26A、26B、26
Cの各オン時間の比率を、各テープヒータ14A、14
B、14C(巻回された処理ガス供給管の各部位に対
応)が目標温度値に達するまでの必要時間に比例させて
設定するようにしたので、結果的に、各テープヒータ1
4A、14B、14Cが目標温度値に達するまでの時間
が略同一となり、その分、装置の無駄なアイドリング時
間を少なくして非稼働時間を抑制することができる。
【0021】また、処理ガス供給管6の温度が略目標温
度値に達した後の安定時の温度制御は、上述のような昇
温時のスイッチオン時間の略30%〜50%のスイッチ
オン時間で済むので、当然のこととして、この1つの電
源で必要とされる全体としての消費電力は上述した昇温
時の消費電力よりも少なくて済むのは勿論である。ここ
では、3つのテープヒータ14A、14B、14Cの必
要時間を異ならせるようにしたが、いずれか2つのテー
プヒータの必要時間が同じならば、図3においてそれら
のテープヒータに対するスイッチオン時間の比率は同じ
に設定すればよい。
【0022】また、テープヒータ毎に目標温度値が異な
る場合にあっても、その異なる目標温度値までの昇温に
要する時間を必要時間として用いればよい。尚、上記第
1実施例の場合には、加熱ヒータとしてのテープヒータ
が3つの場合を例にとって説明したが、次の第2実施例
ではテープヒータを8つ用いて、これを2つのグループ
に分離して温度制御する場合を例にとって説明する。図
4は本発明の電力制御装置の第2実施例を示す構成図、
図5は各電力使用系に連続的に電力を加えた時に目標温
度値に達するまでの時間を測定した時の状態を示すグラ
フ、図6は各電力使用系に加えられる電力量を示すグラ
フである。
【0023】尚、図1に示す構成と同一部分については
同一符号を付して説明を省略する。この第2実施例では
加熱ヒータ10としてのテープヒータが先の第1実施例
の場合よりも多く、8つのテープヒータ14A〜14H
まで設けてあり、これに対応して、8つのスイッチ26
A〜26H、8つの温調部28A〜28H、8つの温度
センサ30A〜30Hがそれぞれ設けられている。
【0024】さて、このような構成において、温度制御
に先立って処理ガス供給管6に巻回されている各テープ
ヒータ14A〜14Hに対して個別に交流100Vを連
続的に加え、第1実施例の場合と同じように常温から目
標温度値である100℃に達するまでに要するそれぞれ
の必要時間を予め求める。図5はこの時の状態を示して
おり、ここでは説明を判り易くするためにテープヒータ
14A〜14Hの順に必要時間がT〜8Tまで時間Tず
つ順に多くなっているものとする。この各必要時間のデ
ータは、オンオフ制御部32へ図示しない入力手段やプ
ログラムとして組み込まれ、このデータに基づいてここ
では2つのグループに分けられ、各グループ毎に独立し
て第1実施例の場合と同様にオンオフ制御される。
【0025】グループ分けに際しては、必要時間が相対
的に大きい順から所定数毎のテープヒータと相対的に小
さい順から所定数毎のテープヒータ同士が同じグループ
となるようにグループ分けする。ここでは2つのグルー
プに分けることから、必要時間が最も小さい2つのテー
プヒータ14A、14Bと、必要時間が最も大きい2つ
のテープヒータ14G、14Hとが同じグループ、すな
わち第1グループとなり、他の4つのテープヒータ14
C、14D、14E、14Fが第2グループとして分け
られる。
【0026】そして、図6は上記第1グループと第2グ
ループの各テープヒータのオンオフ状態を示すグラフで
ある。図示するように各グループ毎に独立してオンオフ
制御され、グループ内においては、先に説明した第1実
施例の場合と同様にオンオフ制御される。すなわち、図
6(A)に示す第1グループにあっては、ここでは、1
サイクル内において、テープヒータ14Aは時間t、テ
ープヒータ14Bは時間2t、テープヒータ14Gは7
t、テープヒータ14Hは時間8tだけそれぞれオン状
態となり、前述した必要時間の長さに対応した比率とな
っている。また、図6(B)に示す第2グループにあっ
ては、ここでは1サイクル内において、テープヒータ1
4Cは時間3t、テープヒータ14Dは時間4t、テー
プヒータ14Eは時間5t、テープヒータ14Hは時間
6tだけそれぞれオン状態となり、この場合にも前述し
た必要時間の長さに対応した比率となっている。
【0027】図6(A)及び図6(B)から明らかなよ
うに、この場合には同時に2つのスイッチがオン状態と
なる場合が発生しており、従って、この第2実施例の場
合には、トランス16及びブレーカ18の電力容量は、
先の第1実施例と比較して2倍の大きさに設定しておけ
ばよいことになる。この点、従来の制御装置では、8つ
のスイッチが同時にオン状態になる場合が生ずるので、
従来のトランス及びブレーカに対して1/4の容量のも
ので済み、設備費の削減及び占有面積の縮小を一層図る
ことができる。
【0028】また、この場合にも、グループ分けの際
に、必要時間が小さいものと大きいものとを同じグルー
プ内に入るようにグループ分けを行なったので、8つの
各テープヒータ14A〜14Hが目標温度値に達するま
での時間を略同じにすることが可能となり、設備費の削
減を最大限とした状態で無駄なアイドリング時間を一層
抑制することが可能となる。また、ここでは8つのテー
プヒータを2つのグループに分ける場合を例にとって説
明したが、テープヒータ数及びグループ数はこれに限定
されず、3つ或いはそれ以上のグループに分けるように
してもよい。例えば4つのグループに分ける場合には、
図5に示す必要時間を参照して、テープヒータ14A、
14Hのグループ、テープヒータ14B、14Gのグル
ープ、テープヒータ14C、14Fのグループ、テープ
ヒータ14D、14Eのグループとなる。
【0029】ところで、上記各実施例では、各電力使用
系をグループ化するに際して、各電力使用系が目標温度
値に到達するまでの必要時間を基準としてグループ分け
を行なっていたが、これに代えて、各電力使用系に用い
る加熱ヒータの熱容量を考慮してグループ分けを行なう
ようにしてもよい。例えば、加熱ヒータの電力容量が異
なっても、目標温度値まで昇温する時間が同じ場合や、
加熱ヒータの電力容量が同じでも目標温度値まで昇温す
る時間が異なる場合がある。これは、昇温対象となる物
体の熱容量が異なるために起こる。従って、先に説明し
た実施例のように時分割制御のためのグループ化を、単
純に目標温度値まで昇温する時間を基準として行なう
と、加熱ヒータの電力容量が大きなものだけのグルー
プ、或いは電力容量が小さなものだけのグループができ
る場合も生じ、これでは電力供給設備の小容量化を十分
に達成できない場合もある。
【0030】そこで、各電力使用系を、目標温度値まで
昇温するに要する必要時間を基準としてグループ化する
のではなく、目標温度値を維持するために単位時間当た
りの電力使用系に電力が供給される時間的割合(負荷率
と称す)に応じて、各電力使用系を予め定められた時分
割出力割合の分類に仮グループ分けを行ない、更に、各
仮グループ中で加熱ヒータの電力容量の大小を基準とし
て大きいもの同士、或いは小さいもの同士を同じグルー
プとなるようにグループ化するようにしてもよい。これ
によれば、電力供給設備を更に小容量化することができ
る。
【0031】ここで負荷率について説明すると、電力使
用系は、加熱対象物が目標とする所定の温度値に到達す
ると、一般的な制御では、常時電力が供給されるのでは
なく、その放熱量等に応じて電力の供給と停止が交互に
行なわれる。すなわち、電力の供給が間欠的に行なわれ
ることになる。そして、単位時間、例えば1分当たりに
電力の供給時間が占める割合を、ここでは負荷率と定義
している。この実施例について以下に詳述する。ここで
は16個の電力使用系に対応して16CH(チャネル)
があり、これを例えば2CH毎または4CH毎にグルー
プ分けを行なう。同じグループ内のCHは、先に説明し
た実施例と同様に同時にオンすることはない。この16
CHのグループ分けは、ここでは時分割出力割合設定と
ヒータ容量(電力容量)設定の2段階で行なう。まず、
表1にCH1〜16までの各電力使用系の時分割出力割
合とヒータ電力容量を示す。
【0032】
【表1】
【0033】各加熱ヒータの電力容量は、用いる加熱ヒ
ータにより一義的に決まり、また、時分割出力割合は、
当該加熱ヒータが加熱昇温の対象となる物体の熱容量や
放熱量等により定まる。これは実際に目標温度値まで加
熱対象物を昇温し、この温度を維持する時の負荷率を計
測することにより求めることができる。例えば時分割出
力割合を、25%、50%、100%の大きく3つに予
め分類しておき、負荷率が1〜25%の電力使用系は時
分割出力割合を25%とし、負荷率が26〜50%の電
力使用系は時分割出力割合を50%とし、負荷率が51
〜100%の電力使用系は時分割出力割合を100%と
する。実際の装置では、上述したような分類法による
と、表1に示すように時分割出力割合が25%と50%
に該当する電力使用系が大部分である。ここでは時分割
出力割合を3つのクラスに組み分けしたが、更に多くの
クラス、或いは小さなクラスに組み分けてもよいのは勿
論である。
【0034】このように各CHの時分割出力割合が定ま
ったならば、各CHを同じ時分割出力割合同士が同じグ
ループとなるように、まずグループ化して仮グループを
つくる。表2及び表3は仮グループを示しており、表2
に示すaグループは時分割出力割合が25%の仮グルー
プであり、ここではCH1〜CH4が対応し、表3に示
すbグループは時分割出力割合が50%の仮グループで
あり、ここではCH5〜CH16が対応している。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】次に、各仮グループにおいて電力使用系の
加熱ヒータの電力容量を基準として、電力容量が近いも
の同士を大きい順、或いは小さい順に複数のCH毎にグ
ループ化して本グループ(最終)を形成する。この時の
グループ分けを表4及び表5に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】この本グループ分けにおいて、時分割出力
割合の総和が100%となるCH数毎にグループ化す
る。例えばaグループでは、時分割出力割合は25%で
あり、この4つの電力使用系の時分割出力割合の総和が
100%になるので、この4つのCHで1つの本グルー
プを形成する。また、bグループでは時分割出力割合は
50%なので、時分割出力割合が100%になる2つの
CHで1つの本グループを形成する。従って、bグルー
プには全部で12個のCHが属しているので、6つの本
グループが形成されることになる。
【0041】尚、aグループの数が8ならば2つの本グ
ループができるのは勿論である。また、時分割出力割合
が100%に該当する電力使用系があれば、そのような
電力使用系は、単独で1つの本グループを形成すること
になる。更に、時分割出力割合として例えば10%の分
類を設定したならば、このような分類に属するCHは、
10個のCHで1つの本グループとなるようにグループ
化される。以上のように形成された本グループは、表6
のようになる。
【0042】
【表6】
【0043】表6から明らかなように1〜7の本グルー
プが形成されることになり、各本グループ内のヒータ電
力容量の大きい方の総和は、1620W(ワット)とな
る。従って、CH1〜CH16の全ての電力使用系を何
らグループ化することなく、電力制御する場合には、全
ての電力使用系の加熱ヒータがオンになる時の状況に備
えて、電力供給設備は、3625W以上のものを準備し
なければならないが、この実施例によれば、1620W
程度の電力供給設備で済み、この設備の小型化及びコス
トの削減を図ることが可能となる。尚、ここで説明した
ヒータ電力容量は単に一例を示したに過ぎないのは勿論
である。
【0044】また、本実施では処理ガスとしてテオスを
用いてこの液化を防止するために100℃程度に加熱す
る場合を例にとって説明したが、処理ガスの種類及び加
熱温度はこれに限定されず、例えば処理ガスとしてジシ
ランを用いた時には20℃程度、ClF3 ガス等の場合
には40℃程度にそれぞれ加熱する。
【0045】また、ここでは各テープヒータを処理ガス
供給管6に巻回した場合を例にとって説明したが、これ
に限らず、ガス排気管に設けた場合でもよいし、或いは
両者が混在されている場合でもよい。更には、加熱ヒー
タとしてはテープヒータに限定されず、処理容器4内の
構造物、例えば枚葉式の半導体製造装置の場合には、ウ
エハを載置するサセプタに設けた加熱ヒータ、処理ガス
を供給するシャワーヘッドに設けた加熱ヒータ、処理容
器の側壁等に設けた加熱ヒータ等も組み込まれるように
してもよい。また、更には、加熱ヒータとしては半導体
製造装置に設けた加熱ヒータに限定されず、他のどのよ
うな装置類に設けた加熱ヒータにも適用できるのは勿論
である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電力制御
方法及びその装置によれば、次のように優れた作用効果
を発揮することができる。1つの電源から加熱を目的と
する複数の電力使用量に電力を供給するに際して、同時
に2つ以上の電力使用系に対してオン状態とならないよ
うに時分割で電力を供給するようにしたので、その分、
トランスやブレーカ等の電力供給設備の小容量化及び小
型化を達成でき、設備費の削減及び占有面積の削減を図
ることができる。
【0047】また、オンオフを制御するに際しては、常
温から目標温度値まで昇温するに要する必要時間の長さ
に応じてオン時間の長さの比率を設定したので、装置立
ち上げ時には各電力使用系を略同時に所定の目標温度値
まで加熱昇温することができ、無駄なアイドリング時間
を最小限に抑制することができる。更に、複数の電力使
用系を複数のグループに分けてグループ毎に別個独立に
制御しており、しかも上記必要時間が相対的に大きいも
のと小さいものとが同じグループになるようにグループ
分けを行なうようにしたので、各グループを含めて全体
として電力使用系を略同時に所定の目標温度値まで加熱
昇温することができ、無駄なアイドリング時間を一層抑
制することができる。
【0048】また、電力使用系のグループ分けを行なう
に際して、各電力使用系の負荷率に応じて仮グループ分
けを行ない、更に、各仮グループ毎に加熱ヒータの電力
容量に応じてグループ分けを行なって本グループを形成
し、各本グループ毎に電力制御を行なうようにすれば、
最大使用電力を更に小さくして電力供給設備の一層の小
容量化及び低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電力制御装置の第1実施例を示す構成
図である。
【図2】各電力使用系に連続的に電力を加えた時に目標
温度値に達するまでの時間を測定した時の状態を示すグ
ラフである。
【図3】各電力使用系に加えられる電力量を示すグラフ
である。
【図4】本発明の電力制御装置の第2実施例を示す構成
図である。
【図5】各電力使用系に連続的に電力を加えた時に目標
温度値に達するまでの時間を測定した時の状態を示すグ
ラフである。
【図6】各電力使用系に加えられる電力量を示すグラフ
である。
【符号の説明】 2 半導体製造装置 6 処理ガス供給管 8 ガス供給管 10 加熱ヒータ(電力使用系) 12 電力制御装置 14A〜14H テープヒータ(電力使用系) 16 トランス 18 ブレーカ 22 出力端子 24 多点出力調整部 26A〜26H スイッチ 28A〜28H 温調部 30A〜30H 温度センサ 32 オンオフ制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石渡 章浩 東京都太田区久が原5−16−6 理化工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−113733(JP,A) 特開 昭59−123424(JP,A) 特開 平10−70852(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 3/00 - 5/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの電源から供給される電力を、加熱
    を目的とする複数の電力使用系に供給するための電力制
    御方法において、前記複数の電力使用系を、複数のグル
    ープに分けると共に、グループ分けを行なうに際して、
    前記複数の全ての電力使用系の内、前記電力使用系に対
    して連続的に電力を供給した場合において常温から目標
    温度値まで昇温するに要する必要時間が相対的に大きい
    順から所定数毎の電力使用系と相対的に小さい順から所
    定数毎の電力使用系同士が同じグループになるようにグ
    ループ分けを行なうようにし、前記各グループは独立し
    て制御されると共に、各グループに属する電力使用系を
    時分割でオンオフ制御するようにしたことを特徴とする
    電力制御方法。
  2. 【請求項2】 前記オンオフ制御は、前記必要時間に応
    じて前記オン時間及びオフ時間の長さを制御する工程を
    含むことを特徴とする請求項1記載の電力制御方法。
  3. 【請求項3】 前記各グループ内において同時にオンさ
    れる電力使用系の数は1つであることを特徴とする請求
    項1または2記載の電力制御方法。
  4. 【請求項4】 1つの電源から供給される電力を、加熱
    を目的とする複数の電力使用系に供給するための電力制
    御方法において、前記複数の電力使用系を、複数のグル
    ープに分けると共に、グループ分けを行なうに際して、
    目標温度値を維持するために単位時間当たりに電力使用
    系に電力が供給される時間的割合に応じて、各電力使用
    系を予め定められた時分割出力割合の分類にグループ分
    けを行なって仮グループを形成し、更に、各仮グループ
    毎に、加熱ヒータの電力容量に応じて電力容量が近いも
    の同士が同じグループとなるようにしてグループ化し、
    前記各グループは独立して制御されると共に、各グルー
    プに属する電力使用系を時分割でオンオフ制御するよう
    にしたことを特徴とする電力制御方法。
  5. 【請求項5】 前記同一グループ内の時分割出力割合の
    合計は、100%であることを特徴とする請求項記載
    の電力制御方法。
  6. 【請求項6】 前記複数の電力使用系は、半導体製造装
    置の処理ガス供給管またはガス排気管に設けられた加熱
    ヒータ群であることを特徴とする請求項1乃至のいず
    れかに記載の電力制御方法。
  7. 【請求項7】 1つの電源から供給される電力を、加熱
    を目的とする複数の電力使用系に供給するための電力制
    御装置において、前記電力使用系に接続される多数の出
    力端子を有する多点出力調整部と、前記複数の各電力使
    用系に設けられる温度センサ部と、前記多点出力調整部
    の出力を前記各温度センサ部の出力に基づいて時分割で
    オンオフ制御するオンオフ制御部とを備え 前記オンオフ制御部は、前記複数の電力使用系を、複数
    のグループに分けると共に、グループ分けを行なうに際
    して、前記複数の全ての電力使用系の内、前記電力使用
    系に対して連続的に電力を供給した場合において常温か
    ら目標温度値まで昇温するに要する必要時間が相対的に
    大きい順から所定数毎の電力使用系と相対的に小さい順
    から所定数毎の電力使用系同士が同じグループになるよ
    うにグループ分けを行なうようにし、前記各グループは
    独立して制御されると共に、各グループに属する電力使
    用系を時分割でオンオフ制御するようにした ことを特徴
    とする電力制御装置。
  8. 【請求項8】 前記オンオフ制御部は、前記必要時間
    応じて前記オン時間とオフ時間の長さを制御する工程を
    含むことを特徴とする請求項記載の電力制御装置。
  9. 【請求項9】 1つの電源から供給される電力を、加熱
    を目的とする複数の電力使用系に供給するための電力制
    御装置において、前記電力使用系に接続される多数の出
    力端子を有する多点出力調整部と、前記複数の各電力使
    用系に設けられる温度センサ部と、前記多点出力調整部
    の出力を前記各温度センサ部の出力に基づいて時分割で
    オンオフ制御するオンオフ制御部とを備え、 前記オンオフ制御部は、前記複数の電力使用系を、複数
    のグループに分けると共に、グループ分けを行なうに際
    して、目標温度値を維持するために単位時間当たりに電
    力使用系に電力が供給される時間的割合に応じて、各電
    力使用系を予め定められた時分割出力割合の分類にグル
    ープ分けを行なって仮グループを形成し、更に、各仮グ
    ループ毎に、加熱ヒータの電力容量に応じて電力容量が
    近いもの同士が同じグループとなるようにしてグループ
    化し、前記各グループは独立して制御されると共に、各
    グループに属する電力使用系を 時分割でオンオフ制御す
    ることを特徴とする電力制御装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の電力使用系は、半導体製造
    装置の処理ガス供給管またはガス排気管に設けられた加
    熱ヒータ群であることを特徴とする請求項乃至のい
    ずれかに記載の電力制御装置。
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