JP3466880B2 - レンズ等の球面形状の加工方法 - Google Patents
レンズ等の球面形状の加工方法Info
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Description
メラ等に用いられる球面レンズ等の球面形状を加工する
加工方法に関するものである。
る球面レンズ等の球面形状の加工においては、プレス成
型された光学ガラス等の材料に対して、粗研削、精研削
および研磨等のいくつかの工程を施すことにより、球面
形状の表面粗さを徐々に向上させて、所望の球面形状に
加工している。そして、各工程のおける取り代として
は、図2に示すように、研磨(完了)面101に対して
研磨取り代111、精研削(または砂かけ)取り代11
2および粗研削取り代113があり、研磨(完了)面1
01にこれらの取り代を合わせたものがプレス材の肉厚
寸法および曲率半径寸法となるように設定されている。
すなわち、予め所定の、例えば曲率半径をR0 とするレ
ンズの仕様が提示されると、最終工程である研磨工程の
前工程となる精研削工程においては、研磨面曲率半径
(R0 )に研磨取り代111(ΔR0 )を加えかつ同じ
曲率中心oをもつものを精研削面曲率半径(R1 )と
し、また、精研削工程の前工程である粗研削工程におい
ては、精研削面曲率半径(R1 )に精研削取り代112
(ΔR1 )を加えかつ同じ曲率中心oをもつものを粗研
削面曲率半径(R2 )とするように、すなわち、 R1 =R0 +ΔR0 R2 =R1 +ΔR1 R3 =R2 +ΔR2 =R0 +ΔR0 +ΔR1 +ΔR2 のように、予め提示された所定の曲率寸法(R0 )に各
工程での表面欠陥層の取り代を付加して各工程の曲率寸
法を設定し、そして各工程の設定された曲率寸法に基づ
いて各工程の加工が行なわれている。
工程設定に際しては、各工程での形状や曲率の管理にリ
ング式簡易曲率計が用いられており、基準となる曲率半
径を有する球面原器と比較対象となるレンズ等の球面形
状との比較測定により、曲率半径精度の管理を行なって
いる。
4に示すように、一端側に開放部151aを有する円筒
状の測定リング151と測定リング151に取り付けら
れたダイヤルゲージ152と軸方向に移動自在な測定子
153を備えており、このリング式簡易曲率計150を
用いて、例えば凹球面を有する被測定物であるレンズの
球面形状を測定するに際し、先ず、図4の(a)に示す
ように、マスターゲージである球面原器Woにリング式
簡易曲率計150のリング開放部151aの外周縁部と
測定子153を押し当て、ダイヤルゲージ152の目盛
りを0点調整を行なう。そして、0点調整を行なった簡
易曲率計150を、図4の(b)に示すように、球面原
器Woに代えて被測定物であるレンズWに押し当てて、
ダイヤルゲージ152の目盛りを読み取る。このように
測定することによって、球面原器Woの球面の頂点から
弦までの高さHoと被測定物であるレンズWの球面の頂
点から弦までの高さHとの差ΔH(=H−Ho)をダイ
ヤルゲージ152の目盛りから読み取ることができる。
そして、このような球面形状の球面の頂点から弦までの
高さについての球面原器Woとの差ΔH(=H−Ho)
(以下、この差を単にΔHという。)は、図4の(c)
に示すように、球面形状の曲率半径Rと球面原器の曲率
半径Roとの差ΔR(=R−Ro)に対応し、次の数式
(1)で換算することができる。
おいて、例えば、図3の(a)に示すような研磨工程で
は、研磨工程の前工程である精研削加工によって加工さ
れた曲率半径R1 を有する被加工レンズ202に、自工
程である研磨工程での目標曲率半径R0 を有し加工レン
ズの凹凸反転した総型工具201を圧接して研磨加工を
行ない、曲率半径の差ΔR(ΔR0 =R1 −R0 )を研
磨取り代とするものであるが、被加工レンズ202と総
型工具201の加工初期の当たり具合は、図3の(a)
に示すように、前工程の曲率半径R1 を有する被加工レ
ンズ202と目標曲率半径R0 を有する総型工具201
の曲率寸法の差ΔR0 、すなわち工程のΔH差、が大き
いために、被加工レンズ202と総型工具201の加工
初期の当たり具合は極端に強い縁当たりとなり、場合に
よっては、図3の(b)および(c)に示すように、総
型工具201の外周部が偏摩耗により初期曲率半径(R
0 )とは異なる曲率半径(Ri )が成形されるため形状
精度が維持できず、結果として、総型工具の曲率形状を
加工転写する被加工レンズの安定生産が困難であった。
そのため、熟練者が実際にレンズを加工しながら経験と
勘によって取り代ΔRとΔHの設定の修正を行ない、総
型工具の偏摩耗を抑える調整を行なう場合もあったが、
設定に一貫性がなく安定生産には至らなかった。
る曲率有効径(d)によって表されるところのレンズ半
開角θ(θ=sin-1(d/2r))が大きい被加工レ
ンズにおいては、被加工レンズの除去効率を重視するた
めに、各工程のΔH差を大きく設定する場合が多かった
ために、被加工レンズと総型工具との当たり具合は、強
い縁当たりとなり総型工具の偏摩耗により形状精度の維
持ができなかった。
ンズの加工生産においては、曲率半径が一定のレンズを
継続して作ることは非常に困難を伴なうところである。
特に、プレス材の研削から最終研磨工程に至る各工程間
のΔH差によって総型工具の偏摩耗が発生し、そして、
総型工具の曲率寸法が変化することにより被加工レンズ
の曲率半径の変化が問題となる。したがって、総型工具
の曲率形状寸法を維持するためには各工程のΔHの設定
が重要な事項である。しかしながら、従来技術において
は、球面レンズの製造途中で加工の終了した被加工球面
の曲率半径を測定し、前回加工した被加工球面の測定値
と対比して曲率半径の変化値を求め、自工程もしくは前
工程のΔHの設定を修正する手法、あるいは熟練者の経
験と勘に頼って調整する手法等が通例であった。このよ
うにΔHの設定には、総型工具の形状精度維持のための
各工程のΔH差をどの程度つければ良いのか、明確な設
定基準が確立していないために、以下のような未解決の
課題があった。
しまった総型工具は、被加工材料と同じ曲率半径を有す
るマスター工具による修正を行なわなければならず、さ
らに、総型工具の修正を繰り返すことでマスター工具自
体も摩耗するためにマスター工具の修正も必要となり、
生産性の低下の要因となる。また、これらの修正作業は
一定水準以上の技能者でなければ容易に行なうことがで
きない。
場合は、前工程あるいは自工程のΔH設定の変更を行な
うけれども、その際は、一工程のΔHの設定の変更でも
前後の工程におけるΔHの変化の傾向に影響を及ぼすた
めに、全工程にわたるΔH設定の見直しが必要となる。
その結果、工具の再製作が必要となり、生産立ち上げに
多大な損失がでる。
未解決な課題に鑑みてなされたものであって、総型工具
の形状精度を維持することにより、球面レンズの生産開
始当初から安定して一定の曲率半径の球面形状を連続加
工することができるレンズ等の球面形状の加工方法を提
供することを目的とするものである。
等の球面形状の加工における連続安定加工に関して鋭意
研究し、数々の実験を行なった結果、加工されるレンズ
被加工球面の曲率半径の変化率(加工されるレンズ1個
当たりの曲率半径の変化量)と、自工程において目標と
するΔHの設定値(ΔHx)と前工程におけるΔHの設
定値(ΔHy)との差、すなわち、自工程のΔHの設定
値に対する前工程のΔHの設定値のΔH差(=ΔHx−
ΔHy)との間に、 次の(1)ないし(3)のような
相関関係があることを見出し、本発明を完成するに至っ
たものである。
さい程、自工程のΔHxが安定する傾向がある。
(+)の場合、自工程のΔHxは安定せず、特に自工程
が研磨工程である場合にはクセと称されるレンズ加工面
内の曲率のバラツキが生じる。
〜−1μmの場合が、自工程のΔHxの安定加工におい
て最も有効である。
は、複数の加工工程を施すことにより、被加工材料の表
面粗さを徐々に向上させて球面形状を仕上げる球面形状
の加工方法において、各加工工程の球面の曲率半径の設
定を、簡易曲率計による球面の頂点から弦までの高さに
ついてのマスターとなる球面原器との差ΔHにより管理
し、自工程のΔHの設定値に対する前工程のΔHの設定
値を、自工程の持っているΔHの許容公差幅の1/2と
前工程の持っているΔHの許容公差幅の1/2の和に0
〜1μmを加えた数値だけ小さくなるように設定するこ
とを特徴とする。
学レンズの加工に適しており、さらに、被加工材料の材
質としては光学ガラスが好適である。
等の被加工材料に対して複数の加工工程を施すことによ
り、被加工材料の表面粗さを徐々に向上させて球面形状
を仕上げる球面形状の加工方法において、各加工工程の
球面の曲率半径の設定を、簡易曲率計による球面の頂点
から弦までの高さについてのマスターとなる球面原器と
の差ΔHにより管理し、実加工における目標ΔH(寸
法)に対する公差を考慮し、自工程のΔHの設定値(Δ
Hx)に対する前工程のΔHの設定値(ΔHy)を、自
工程の持っているΔHの許容公差幅(±a)の1/2
と、前工程の持っているΔHの許容公差幅(±b)の1
/2の和に0〜1μmを加えた数値だけ小さく設定する
こと、すなわち、ΔHy=ΔHx−{(a+b)+(0
〜1)}に基づいて、各工程のΔHを設定することによ
り、球面レンズ等の球面形状(=前工程のΔHy)と総
型工具(=自工程のΔHx)のΔH差は必要最小限とす
ることができ、加工初期の当たり具合が適正となること
で、総型工具の偏摩耗を生じさせることなく、被加工レ
ンズの連続安定加工を可能とする。
いて説明する。
に概略図であり、自工程での目標設定曲率半径Rxの球
面を備えた総型工具1を用いて、前工程での設定曲率半
径Ryの球面を備えた被加工物としてのレンズ2を加工
する態様を図示する。
いられる球面レンズ等の球面形状の加工における連続安
定加工に関して鋭意研究し、数々の実験を行なった結
果、加工されるレンズ等の被加工球面の曲率半径の変化
率(加工されるレンズ1個当たりの曲率半径の変化量)
は、自工程において研削あるいは研磨の目標とするΔH
の設定値(ΔHx)と前工程におけるΔHの設定値(Δ
Hy)との差、すなわち、自工程に対する前工程のΔH
差(=ΔHx−ΔHy)と次のような相関があることを
見出した。
さい程、自工程のΔHxが安定する傾向がある。
(+)の場合、自工程のΔHxは安定せず、特に自工程
が研磨工程である場合にはクセと称されるレンズ加工面
内の曲率のバラツキが生じる。
〜−1μmの場合が、自工程のΔHxの安定加工におい
て最も有効である。
ΔH差は(0)もしくは(−)が好ましく、また、各工
程のΔH設定には製作上の規格公差が設けられているた
めに、例えば、自工程のΔH公差を±a、前工程のΔH
公差を±bとするとき、前記関係を維持するにはΔH設
定はΔHy=ΔHx−(a+b)であることが好まし
く、なおかつ、自工程に対する前工程のΔH差が小さい
ほど、特に0〜−1μmの場合が自工程のΔHxの安定
加工に有効である。したがって、実加工における目標Δ
H(寸法)に対する公差を考慮し、自工程のΔHの設定
値(ΔHx)に対する前工程のΔHの設定値(ΔHy)
を、自工程の持っているΔHの許容公差幅(±a)の1
/2と、前工程の持っているΔHの許容公差幅(±b)
の1/2の和に0〜1μmを加えた数値だけ小さく設定
することが好ましく、すなわち、この関係は、次の数式
(2)で表すことができる。
対応する曲率半径(Ry)を、図1に示すように、自工
程での必要取り代(ΔRx)を満足するように中心取り
代を設定する。
工における被加工レンズ2(=前工程のΔHy)と総型
工具1(=自工程のΔHx)のΔH差は必要最小限とす
ることができ、加工初期の当たり具合が適正となること
で、総型工具1の偏摩耗を生じさせることなく、被加工
レンズ2の安定生産が可能となる。
ことにより、ΔHの変化を生じさせない工具の摩耗状態
を確保し、レンズの安定加工を実現することができる。
3に図示しかつ前述したように、被加工レンズの除去効
率を重視するために、工程間のΔH差が大きくなる場合
が多く、加工初期の当たり具合が強い縁当たりとなり、
総型工具の偏摩耗により被加工レンズの安定生産が困難
な場合があった。
設定と、従来技術におけるΔH設定の比較を、レンズ半
開角40°のレンズの実加工での形状安定実績を例にと
って説明する。
ス材から最終曲率形状までの一般的な加工工程は、プレ
ス材の粗研削、第1の精研削、第2の精研削、および研
磨の各工程から構成されており、以下、各工程の一般的
な概要について説明しておく。
う。)は、図5の(a)および(b)に図示するよう
に、一般的にカップ形ダイヤモンド砥石11を回転させ
て球面を研削創成するカーブジェネレータ加工を指す。
ップ形ダイヤモンド砥石11をレンズホルダー15に保
持された被加工レンズ12に対して傾斜角θをもって圧
接する。すなわち、砥石11の直径をD、砥石11の研
削端部の丸みの半径をpとし、球面の曲率半径をRとす
るとき、sinθ=D/2(R±p)の位置関係となる
ようにセットする。
度を有するカップ形ダイヤモンド砥石11を砥石軸回転
数4000〜15000rpm程度で回転させ、被加工
レンズ12を保持するレンズ軸13を回転数1〜30r
pm程度で回転させつつレンズ軸方向に所定のレンズ肉
厚寸法になるまで送り込むことによって被加工レンズ1
2を球面形状に加工する。被加工レンズの表面粗さは、
Rmax6〜10μm程度を目標とする。
ジェネレータにより凸レンズ12aおよび凹レンズ12
bをそれぞれ加工する態様を図示する概略図である。
ともいう。)は、図6および図7に図示するように、加
工レンズの凹凸反転した曲率半径Rを有する砥粒サイズ
#1000〜#1200程度の総型工具21に、レンズ
受け材27を介してレンズホルダー25に保持された被
加工レンズ22を加工圧2〜5Kg/cm2 で押し付
け、総型工具21を200〜1500rpmで回転させ
て総型工具21と被加工レンズ22に相対運動を与え、
かつ総型工具21または被加工レンズ22を工具球面の
接線方向に60回/分程度の揺動運動を与えることによ
って被加工レンズ22を加工する球面形状の加工工程で
あり、被加工レンズの表面粗さはRmax2〜5μm程
度を目標とする。
1工程において、レンズ軸23に対して角度θをもって
傾斜させた工具軸24を揺動角θaで揺動させる形式の
加工態様を図示する概略図であり、図6の(b)は凹レ
ンズ加工のSM1工程においてレンズ軸23に対して角
度θをもって傾斜させた工具軸24を揺動角θaで揺動
させる形式の加工態様を図示する概略図であり、図7は
凹レンズ加工のSM1工程で、工具軸24をレンズ軸2
3に対して角度θをもって傾斜させ、被加工レンズ22
をレンズ受け材27を介して保持するレンズホルダー2
7をピボット支持するカンザシ28を揺動角θaで揺動
させる形式の加工態様を図示する概略図である。
ともいう。)は、SM1工程よりもさらに細かい表面粗
さを得るために行なうものであり、総型ダイヤモンド工
具の砥粒サイズを#1500〜#3000程度とし、そ
の他の条件はSM1工程に準じる。被加工レンズの表面
粗さはRmax0.2〜1μm程度を目標とする。
う。)は、図8の(a)および(b)に図示するよう
に、加工レンズの凹凸反転した曲率半径Rを有する総型
工具31にレンズ受け37を介してレンズホルダー35
に保持された被加工レンズ32を加工圧2〜5Kg/c
m2 で押し付け、総型工具31を200〜1500rp
mで回転させて総型工具31と被加工レンズ32に相対
運動を与え、かつ総型工具31または被加工レンズ32
を工具球面の接線方向に60回/分程度の揺動運動を与
えることによって被加工レンズ32を加工する球面形状
の加工工程であり、被加工レンズの表面粗さはRmax
0.01μm以下程度を目標とする。総型工具31の被
加工レンズ32との接触面は、厚さ0.3〜1mm程度
のポリウレタンシート31bで、被加工レンズの最終目
標となる曲率半径からポリウレタンシート31bの厚み
を考慮した曲率半径を有する総型工具台皿31aに接着
されている。
工程で工具軸34をレンズ軸33に対して揺動中心角θ
をもって傾斜させ、そして工具軸34を揺動角θaで揺
動させる形式の加工態様を図示する概略図であり、図8
の(b)は凹レンズ加工のPP工程で、工具軸34をレ
ンズ軸33に対して揺動中心角θをもって傾斜させ、被
加工レンズ32を保持するレンズホルダー37をピボッ
ト支持するカンザシ38を揺動角θaで揺動させる形式
の加工態様を図示する概略図である。
程のΔH設定値に対し、各工程のΔHの公差を考慮し
て、各工程におけるΔHを設定する手順について説明す
る。なお、各工程の一般的なΔHの公差は次の表1のと
おりである。
なる研磨工程のΔH設定値を−0.66μmとすると
き、精研削第2工程のΔH設定値は、上述した数式
(2)から、 ΔH=−0.66−{(0.33+0.5)+(0〜1)} =−1.5(〜−2.5) 精研削第1工程のΔH設定値は、同様に上述した数式
(2)から、 ΔH=(−1.5〜−2.5)−{(0.5+0.5)+(0〜1)} =−2.5(〜−4.5) そして、粗研削工程のΔH設定値は、同様に上述した数
式(2)から、 ΔH=(−2.5〜−4.5)−{(0.5+1.0)+(0〜1)} =−4.0(〜−7.0) 以上の計算から、本発明に基づく各工程のΔHの設定は
表2のようになる。(なお、表2におけるΔH設定値の
欄中、上段は各工程設定幅を0とした条件時の値であ
り、下段は各工程設定幅を1μmとした条件時の値であ
る。)
のようになる。(なお、表3におけるΔH設定値の欄
中、下段は実加工での修正例の値を示す。)
加工安定性の比較を行なった。前工程と自工程のΔH差
の大きい粗研削〜精研削第1(CG〜SM1)工程を例
にとって連続加工した結果を図9に示す。各設定の前工
程のΔHは、それぞれ粗研削工程での設定ΔHに加工さ
れたレンズを使用し、自工程である精研削第1工程は、
初期加工での被加工レンズのΔHがそれぞれの設定ΔH
になるように総型工具の形状を仕上げ、同一条件にて3
00個連続加工を行なった。
の設定手法においては、精研削第1工程でのΔH公差規
格である±0.5μm内での連続加工は20個以下であ
ったのに対し、ΔH差の最も小さい本発明の設定の設定
幅0では300個加工終了時点でもΔH公差規格内の安
定加工ができた。また、本発明の設定の設定幅1μmに
おいてもΔH公差規格内で約200個の連続安定加工が
できた。
を表4に示す。(なお、表4におけるレンズ中心取り代
の欄中、上段は各工程設定幅を0とした条件時の値であ
り、下段は各工程設定幅を1μmとした条件時の値であ
る。)
μmとすることで、取り代を約1.5μm減少させるこ
とができる。これは除去能力の小さい精研削第2工程や
研磨工程において加工時間の短縮に有効といえる。この
ように、各工程設定幅を1μm以内とすることで、従来
の設定手法に対し連続安定加工の優位性を確保し、かつ
各工程設定幅を0とした場合に対しても生産性の向上を
図ることができる。
れるレンズ半開角10°〜60°のレンズについて、本
発明に基づくΔH設定と従来技術に基づくΔH設定を各
工程毎に示す図表である。従来技術に基づくΔH設定で
は、レンズ半開角が大きくなるにつれて各工程のΔH差
が大きくなっているのに対し、本発明に基づくΔH設定
においては、各工程のΔH差はほとんど変わっていない
ことが分かる。
す影響について以下に説明する。表5はレンズ半開角2
0°の場合の本発明に基づくΔH設定と従来技術に基づ
くΔH設定を比較したものである。
M1)工程の実加工での被加工レンズの加工安定性を比
較したものを図11に図示する。先の第1の実施例と同
じ要領で200個連続加工を行なった。精研削第1工程
のΔH公差規格±0.5μmに対し、従来技術による設
定での連続加工は120個であったのに対し、本発明の
設定では200個加工終了時点でも安定加工ができた。
に基づくΔH設定と従来技術に基づくΔH設定を比較し
たものである。
1〜SM2)工程の実加工での被加工レンズの加工安定
性を比較したものを図12に図示する。先の第1の実施
例と同じ要領で200個連続加工を行なった。精研削第
1工程のΔH公差規格±0.5μmに対し、従来設定で
の連続加工は20個であったのに対し、本発明の設定で
は200個加工終了時点でも安定加工ができた。
は、レンズ半開角の異なるレンズ等の種々のレンズ形状
や各種の工程においての対応が可能であり、球面レンズ
等の球面形状の連続安定加工に有効である。
等の球面形状の加工方法は、連続加工での総型工具の偏
摩耗を抑えることができて、被加工レンズのΔHの安定
性を向上させ、生産性の向上を図ることができる。
頻繁に行う必要がなくなり、人の省力化とレンズの製造
コストを大幅に下げることができる。
程と前工程のΔH差を説明するための概略図である。
各加工工程の必要取り代を説明するための概念図であ
る。
総型工具と被加工レンズとの加工初期の当り具合と形状
の変化を示す概略図である。
率計によるΔHおよびΔHと曲率半径の関係を説明する
ための説明図である。
より凸レンズおよび凹レンズをそれぞれ加工する態様を
図示する概略図である。
ズをそれぞれ精研削する精研削工程の加工態様を図示す
る概略図である。
図示する概略図である。
ズをそれぞれ研磨する研磨工程の加工態様を図示する概
略図である。
されるΔHに関して、前工程(CG工程)と自工程(S
M1工程)のΔH差の違いによる加工安定性を比較する
図表である。
開角に応じて設定される各工程のΔHを比較する図表で
ある。
開角を20°とした場合にそれぞれ設定されるΔHに関
してCG工程〜SM1工程における加工安定性を比較す
る図表である。
開角を60°とした場合にそれぞれ設定されるΔHに関
してSM1工程〜SM2工程における加工安定性を比較
する図表である。
Claims (3)
- 【請求項1】 複数の加工工程を施すことにより、被加
工材料の表面粗さを徐々に向上させて球面形状を仕上げ
る球面形状の加工方法において、 各加工工程の球面の曲率半径の設定を、簡易曲率計によ
る球面の頂点から弦までの高さについてのマスターとな
る球面原器との差ΔHにより管理し、自工程のΔHの設
定値に対する前工程のΔHの設定値を、自工程の持って
いるΔHの許容公差幅の1/2と前工程の持っているΔ
Hの許容公差幅の1/2の和に0〜1μmを加えた数値
だけ小さくなるように設定することを特徴とする球面形
状の加工方法。 - 【請求項2】 被加工材料が光学レンズであることを特
徴とする請求項1記載の球面形状の加工方法。 - 【請求項3】 被加工材料の材質が光学ガラスであるこ
とを特徴とする請求項1または2記載の球面形状の加工
方法。
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1997
- 1997-07-31 JP JP21995997A patent/JP3466880B2/ja not_active Expired - Fee Related
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