JP3463974B2 - 相互相関計 - Google Patents

相互相関計

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JP3463974B2
JP3463974B2 JP24632097A JP24632097A JP3463974B2 JP 3463974 B2 JP3463974 B2 JP 3463974B2 JP 24632097 A JP24632097 A JP 24632097A JP 24632097 A JP24632097 A JP 24632097A JP 3463974 B2 JP3463974 B2 JP 3463974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相互相関計に関す
る。詳しくは、ピコ秒からフェムト秒領域の超高速光信
号の強度波形を測定する技術に関する。特に、波形の測
定に係る時間分解能を、正確かつ容易に求められる機能
を付加した装置を供給する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信或いは光情報処理をはじめ
とする多数の産業・学問分野で、ピコ秒からフェムト秒
領域の超高速光信号の適用が隆盛してきており、かかる
超高速光信号の強度波形を詳細に測定する装置の需要が
増してきた。ここで強度波形の測定法としては、高速の
光検出器を用いて被測定光信号を相似の電気信号に変換
しその波形を既存の電気信号測定手段によって観測する
方法が、最初に想到される。
【0003】しかしながら、この場合、使用される光検
出器は、被測定光信号に比して短い応答時間をすること
が必要となる。ピコ秒からフェムト秒領域の超短時間領
域にあっては、この条件を充たす光検出器が現存しな
い。
【0004】それ故、超短時間領域では、いきおい以下
に述べる相互相関計による強度波形測定に依らざるを得
ない。相互相関計では、被測定光信号に同期しかつ被測
定光信号に比して時間幅の短い光パルスを用い、光非線
形効果を呈する媒質内で、この光パルスと被測定信号光
とを相互作用せしめ、発生する非線形信号の大きさを、
被測定信号光と光パルスの間の時間関係の関数として計
測する。
【0005】これは、短い光パルスによって被測定信号
光にゲートを掛け、そのゲートの被測定信号光の時間位
置を変えつつゲートされた信号出力を測定してゆくこと
で、被測定信号光波形を測定していると見ることがで
き、丁度電気信号に対するサンプリング測定に類似する
方法となっている。それ故、この相互相関計を用いる測
定を光サンプリングと称し、付随して用いられる時間幅
の短い光パルスはサンプリング光パルスと呼ばれる。用
いられる光非線形効果の次数及び種別、またその結果と
して非線形信号のとる様態には、種々ある。
【0006】例えば、二次の光非線形効果としては、和
周波発生効果、または、二光子吸収効果がよく用いられ
る。前者では、入射する2つの光の波長の逆数和の逆
数、すなわち波長λ1,λ2に対してλ1λ2/(λ1
λ2)の波長の光(和周波光)が発生されるので、この
和周波光波長に感度を有する光検出器によって変換し
て、和周波光のパワーに比例した電気信号を得る。
【0007】後者では、入射する2つの光から各々1つ
ずつ光子を得て起こる二光子遷移に伴ってサンプリング
光パルスの透過率が減少するので、サンプリング光パル
スの波長に感度を有する光検出器によって変換して、透
過率変化に比例した電気信号を得る。或いは半導体材料
にあっては電極を装着し二光字遷移に伴って生ずるキャ
リアーを集電することで、直接、二光子遷移確率に比例
した電気信号を得ることもできる。
【0008】三次の光非線形効果としては、光カー効
果、または、結合調発生効果が用いられ、適当な光検出
器によって変換して、それぞれの効果の大きさに比例し
た電気信号を得る。光サンプリング測定に係る時間分解
能は、用いる光非線形媒質または素子の応答時間と、サ
ンプリング光パルスの時間幅によって決まり、光検出器
等の電気信号への変換手段の応答時間には全く依存しな
い。
【0009】この性質こそが、ピコ秒からフェムト秒領
域の超短時間領域で、相互相関計を用いた光サンプリン
グ測定が行われている所以となっている。さらに、通例
は、一光子の実遷移を伴わない非共鳴非線形効果が用い
られ、この場合、光非線形媒質または素子が実用上瞬時
応答を示すと見なすことができる。
【0010】従って、通例、相互相関計による光サンプ
リング測定の時間分解能は、サンプリング光パルスの時
間幅のみによって決まると考えることができる。サンプ
リング光パルスを自分自身によって光サンプリング測定
した場合に得られる信号を、特に自己相関信号と呼ぶ。
被測定光信号との相互相関信号に加えて、この自己相関
信号を測定すれば、一般に、サンプリング光パルスの時
間幅による時間分解能を見積もることができる。
【0011】従来、相互相関計として、マイケルソン型
の干渉計を変形した光学遅延線を有する装置が用いられ
ている。この従来例を図6に示す。この装置は、Applie
d Physics Letters誌、27巻(1975)、488-490頁に公刊さ
れている自己相関計を、相互相関計に改変し、さらに光
ファイバ入射型とした構成となっている。
【0012】この例において、サンプリング光パルスは
サンプリング光ファイバ603からファイバコネクタ6
04を介して入射し、コリメートレンズ605により平
行光線に変えられた後、直角反射鏡629、直角反射プ
リズム631を経て、直角反射鏡626に到達する。サ
ンプリング光パルスは、さらに、反射器627に入射
し、折り返された後、集束レンズ621上に到達する。
他方、被測定信号光は信号光ファイバ606からファイ
バコネクタ607を介して入射し、コリメートレンズ6
08により平行光線に変えられた後、直角反射鏡63
0、直角反射プリズム631を経て、反射器628に到
達する。
【0013】被測定信号光は、さらに、上記反射器62
8により折り返された後、直角反射鏡613を経て、上
記集束レンズ621上に到達する。ここで、上記反射器
627、628としては、2枚の平面鏡を互いに直交す
るように貼りあわせた構成、或いは3枚の平面鏡を互い
に直交するように貼りあわせた所謂コーナーリフレクタ
ーの構成が用いられる。これら2つの反射器は、サンプ
リング光パルスの、直角反射プリズム631上の反射点
から、直角反射鏡626及び反射器627を経て、集束
レンズ621上に至るまでの光路の長さと、被測定光信
号の、直角反射プリズム631上の反射点から、反射器
628及び直角反射鏡613を経て、集束レンズ621
上に至るまでの光路の長さとが、互いに相等しくなるよ
うに配置される。
【0014】さらに、サンプリング光パルス側の反射器
627は、平行移動台611上に配置され、上記二光路
の長さが互いに相等しくなる位置の周りで、該反射器6
27への入射光軸に平行な方向に並進移動可能なように
構成される。集束レンズ621を通過したサンプリング
光パルス及び被測定信号光は、該集束レンズ621の焦
点に置かれた非線形結晶622中で、交差すると同時に
各々のビームが絞り込まれる。
【0015】これにより、被測定信号光とサンプリング
光パルスとが、非線形結晶中で光強度の高い状態で相互
作用することとなる。本例において、非線形効果として
は、非線形結晶中での和周波発生効果が用いられ、この
場合、発生される和周波光は、2つの入射光に挟まれた
方向に出射する。
【0016】絞り623は、この和周波光の出射方向に
開口を持つように配置され、その結果、被測定信号光と
サンプリング光パルスとの相互作用によって発生した和
周波光のみが、この絞り623を通過して集光レンズ6
24に達することができる。この和周波光は光検出器6
25によって光電変換され、その大きさに比例した電気
信号が得られる。
【0017】ここで、平行移動台611を駆動し、サン
プリング光パルス側の反射器627を並進移動させつ
つ、光検出器625の出力電気信号を計測・記録してゆ
く。ここで、反射器627が距離xだけ後退すると、サ
ンプリング光パルスが非線形結晶622に入射する時刻
が、被測定信号光の入射時刻に対して、2x/cだけ遅
れる。
【0018】ここで、cは光速を表し、先頭の乗数2は
サンプリング光パルスが反射器627上で折り返してい
ることを反映している。例えば、0.15mmのxに対
し、1.0psの遅れが生ずる。こうして、この従来の
相互相関計において、光サンプリング測定を行う機能が
実現される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の相互相関計装置には、自己相関信号が容易には測定し
難いという問題がある。上述したように、サンプリング
光パルスの時間幅による時間分解能を見積もるために、
自己相関信号の測定が必要である。
【0020】この従来例装置のように、サンプリング光
パルスを光ファイバ入射型とした場合、特にこの自己相
関信号測定の必要性が増す。何となれば、サンプリング
光パルスのパルス幅は、被測定信号光よりも一般に短
く、例えピコ秒領域の被測定信号光が扱われる場合で
も、サブピコ秒からフェムト秒領域の幅を持つサンプリ
ング光パルスが用いられるのが通例である。
【0021】このような超短時間幅の光パルスは、光フ
ァイバの波長分散による変形を蒙り易くそれ故、例え当
該光パルスを発生した光源の直後でのパルス幅が分かっ
ていても、サンプリング光ファイバを伝搬・出射した
際、元のパルス幅を保っている保証はない。従って、実
際にサンプリング光ファイバを出射した光パルスについ
ての自己相関信号測定を行ない、その幅による時間分解
能を見積もることが必要となる。
【0022】さらに、歩を進めて、自己相関信号が精密
に測定されていれば、サンプリング光パルスの時間幅に
よる時間分解能自体を緩和することができることが知ら
れている。これを、和周波発生効果を用いた本例に即し
て見てみよう。時間tの関数として、サンプリング光パ
ルスの強度波形をi0(t)、被測定信号光の強度波形
をi1(t)と書く時、相互相関信号gc(τ)は、下式
(1)により表される。
【0023】
【数1】
【0024】ここで、τは、サンプリング光パルスが非
線形結晶に入射する時刻と、被測定信号光の入射時刻と
の差、即ち遅延時間であり、被積分関数i1(t)i
0(t−τ)は、非線形結晶で発生された和周波の強度
波形、積分は、サンプリング光パルスに比して十分遅い
応答時間を持つ光検出器による光電変換の効果を表して
いる。一方、サンプリング光パルスの自己相関信号g0
(τ)は、次式(2)により表される。
【0025】
【数2】
【0026】ここで、これらの相関信号の遅延時間τに
ついての、フーリエ変換を考えると、相互相関信号につ
いては、下式(3)により計算され、また、自己相関信
号については、下式(4)により計算される。 Gc(ω)=I1(ω)I0 *(ω) …(3) G0(ω)=I0(ω)I0 *(ω) …(4)
【0027】ここで、I0(ω),I1(ω)は、それぞ
れ、サンプリング光パルスの強度波形i0(t)、被測
定信号光の強度波形i1(t)のフーリエ変換である。
今、サンプリング光パルスの波形が左右対称と仮定する
と、I0(ω)が実数となるので、式(4)で、両辺の
平方根をとることにより、I0(ω)が求まる。これ
を、式(3)に代入すれば、I1(ω)が、下式(5)
により計算される。 I1(ω)=Gc(ω)/(G0(ω))1/2 …(5)
【0028】こうして得られたI1(ω)を逆フーリエ
変換することで、被測定信号光の強度波形、i1(t)
を求めることができる。このようにして、原理的には、
自己相関信号を用いて、相互相関信号からサンプリング
光パルスの時間幅の影響を取り除き、あたかも無限に細
いサンプリング光パルスを用いた時のような相互相関信
号、換言すれば被測定信号光の強度波形に等しい相互相
関信号に引き直すことができ、この操作をディコリレー
ト演算と呼んでいる。
【0029】一般的には、サンプリング光パルスが厳密
に左右対称であることは保証されないが、現在のフェム
ト秒光源の発生するパルスは、高度に左右対称なことが
知られており、さらに、これが光ファイバを伝搬した後
でも、光ファイバの2次の波長分散(群速度分散)によ
る変形を考える限り、左右対称の性質は保存される。従
って、上のディコリレート演算は、実際上、かなり信頼
性をもって行うことができる。
【0030】視点を転じると超短時間幅のサンプリング
光パルスについては、そもそもの光源でのパルス幅を求
めるにも、自己相関信号の測定に依らざるを得ない。従
って、仮に相互相関計装置に自己相関信号測定機能が備
わっていれば、個別の自己相関計を用いる必要が無くな
り、設備が安価・小型になるという利点がある。これは
サンプリング光パルスを光ファイバ入射型とするとしな
いとに関わらず常に期待される効果である。
【0031】上述のように自己相関信号は、被測定信号
光に代えてサンプリング光パルス自身を光サンプリング
測定して得られる信号であることから、従来例の相互相
関計装置の外部で、サンプリング光ファイバ603中の
光の一部を取り出して、信号光ファイバ606へ入射す
れば良いように思われるかもしれない。
【0032】図7は、このような着想に基づき、サンプ
リング光ファイバをファイバ型3dBカップラに接続
し、1:1に分岐されて出射する2本の光ファイバを、
それぞれ、ファイバコネクタ604、ファイバコネクタ
607に接続して採取した相関信号を示す。この場合の
サンプリング光ファイバを出射したサンプリング光パル
スについて、専用の自己相関計によって得た正しい自己
相関波形の幅は200fsであった。
【0033】ところが、図7に示す相関信号の幅は、6
00fsもあり、一見して正しい自己相関波形となって
いないことが分かる。これは、用いたファイバ型3dB
カップラの波長分散が大きく、超短時間幅の光パルスが
変形を豪っていることによる。
【0034】さらに、図7に示す相関信号には、僅かな
がら左右非対称が認められる。一般に、自己相関信号は
遅延時間について必ず左右対称となる性質があるので、
この意味で、図7に示す信号は自己相関信号たる要件を
満たしていない。この結果は、用いたカップラの両枝の
波長分散が不均一で、光パルスの蒙る変形が各枝で異な
ることに起因している。
【0035】さらに、図7の信号は遅延時間の原点の周
りに位置しておらず、10ps程度ずれて出現してい
る。ここで、相互相関計の遅延時間の原点は、2つのフ
ァイバコネクタ604、607に同時にパルスが入射し
た時に、相関信号が最大となるように設定されている。
【0036】従って、図7の信号の横軸方向のずれは、
用いたファイバ型カップラの両出力側ファイバの長さに
約2mmの不均一があり、この場合、信号光ファイバ側
のファイバコネクタ607に接続した側が長いことを示
唆している。ファイバ型カップラに付着するファイバの
長さの均一性は、通常、仕様として品質管理の対象とは
なっておらず、この程度の長さの不均一は避け難い。
【0037】しかしながら、ファイバ型カップラからの
2本のファイバを相関計に接続した時、信号の出現する
遅延時間位置が予測不能であるのは、実用上非常に不便
である。
【0038】以上述べたように、自己相関測定機能を持
たない従来の相互相関計装置をもって簡便に自己相関測
定を行うために、外部でファイバ型カップラを用いてサ
ンプリング光パルスを分配して供給するという方策は、
(1)ファイバ型カップラの波長分散が無視できなく、
また(2)自己相関信号の出現する遅延時間位置が相互
相関計の遅延時間原点からずれるという問題があり、根
本的解決策とは言い難いものであった。
【0039】しからば、従来例の相互相関計から、サン
プリング光ファイバ603、ファイバコネクタ604、
コリメートレンズ605及び信号光ファイバ606、フ
ァイバコネクタ607、コリメートレンズ608を取り
除いて、空間ビーム入射型とした装置ではどうであろう
か。
【0040】この場合は、外部で、サンプリング光軸上
に半透鏡を挿入してサンプリング光の一部を分岐し、さ
らに、被測定信号光の入射光軸上に反射鏡を挿入して、
分岐された光を直角反射鏡630に向けて入射すること
になる。この構成においては、上述の第一の問題の波長
分散は十分小さく保つことができる。
【0041】しかしながら、第二の遅延時間位置の問題
は寧ろこの場合かえって甚だしい。直角反射鏡629、
630と挿入した半透鏡、及び反射鏡における反射点が
長方形の頂点をなすとすると、信号光側の光路は、サン
プリング光側の光路に比して、被測定信号光とサンプリ
ング光の光軸の間隔分だけ長くなる。これは、2つのフ
ァイバコネクタ604、607の間隔に等しく、この従
来例装置の場合、70mmに及ぶ。
【0042】これは、233psの遅延時間に相当し、
この従来例装置の遅延時間の可変範囲を越えてしまって
いる。よって、この従来例装置を空間ビーム入射型とし
た場合、外部でサンプリング光の一部を分岐して自己相
関信号を採取することがそもそもできない。
【0043】2つの入射ビームの間隔をより狭く構成す
れば、遅延時間位置のずれはより小さくできるが、原理
的にゼロとはできないことは明らかである。以上述べた
ように、従来例の相互相関計には、自己相関信号の測定
機能が備わっておらず(1)時間分解能の見積り、また
は、ディコリレート演算ができず、また(2)外部に光
分岐系を付加しても、遅延時間位置のずれにより自己相
関信号の採取が困難という問題があった。
【0044】本発明は、これらの困難を解決し、自己相
関信号の測定機能を備えた相関計を提供することを目的
とする。
【0045】
【課題を解決するための手段】本発明の相互相関計は、
サンプリング光を分岐する分岐鏡、及び、分岐されたサ
ンプリング光を被測定信号光の光軸に一致させる合成鏡
を付加することを特徴とする。サンプリング光の入射端
から上記分岐鏡を経て上記合成鏡に至る光路の長さと、
被測定信号光の入射端から上記合成鏡に至る光路の長さ
とが、等しくなるよう形成することがよい。
【0046】相互相関測定と自己相関測定の切り替え手
段としては、上記分岐鏡を半透鏡とし、また、上記合成
鏡を全反射鏡とし、これら半透鏡と反射鏡を抜き差し可
能なように形成する。または、上記分岐鏡と上記合成鏡
の両方を半透鏡として、相互相関信号と自己相関信号が
重ね合わされて採取されるようにし、両測定を一挙に行
うこともできる。
【0047】〔作用〕サンプリング光に可変遅延を与
え、被測定信号光とともに、光非線形効果を呈する媒質
内に入射結集し、該媒質内で発生する非線形信号を電気
信号に変換し、上記可変遅延の関数として測定する相互
相関計において、上記サンプリング光を分岐する分岐
鏡、及び、分岐されたサンプリング光を被測定信号光の
光軸に一致させる合成鏡を付加する。これにより、被測
定信号の代わりに分岐されたサンプリング光が光サンプ
リング測定されることとなり、自己相関信号の測定機能
が付与される。
【0048】このとき、サンプリング光の入射端から上
記分岐鏡を経て上記合成鏡に至る光路の長さと、被測定
信号光の入射端から上記合成鏡に至る光路の長さとが、
等しくなるよう形成すれば、相互相関測定に係る遅延時
間の原点と、自己相関測定に係る遅延時間の原点が一致
し、遅延時間位置のずれを生じないようにできる。上記
分岐鏡を半透鏡とし、上記合成鏡を全反射鏡とし、これ
ら半透鏡と全反射鏡を抜き差し可能なように形成すれ
ば、本来の相互相関測定に係る光学系の調整を乱すこと
が全くなく相互相関測定と自己相関測定を切り替えて行
うことができる。
【0049】または、上記分岐鏡と上記合成鏡の両方を
半透鏡とすれば、相互相関信号と自己相関信号が重ね合
わされて採取され、両信号の同時測定が実現される。従
来例に示したマイケルソン型の干渉計を変形した光学遅
延線を有する相関計に対しても、形式的に、サンプリン
グ光を分岐する分岐鏡、及び、分岐されたサンプリング
光を被測定信号光軸に一致させる合成鏡を付加すること
はできる。
【0050】例えば、図6において、直角反射鏡626
から反射鏡627に向かう光路に分岐鏡を挿入し、直角
反射プリズム631から反射器628に向かう光路に合
成鏡を挿入し、直角反射鏡により分岐鏡からの反射光を
合成鏡に向け入射すればよい。しかしながら、これによ
っては、サンプリング光の入射端から上記分岐鏡を経て
上記合成鏡に至る光路の長さと、被測定信号光の入射端
から上記合成鏡に至る光路の長さとを、等しくすること
が決してできない。
【0051】すなわち、従来例に示したようなマイケル
ソン型の干渉計を変形した光路構成では、本発明の十分
な効果を発揮させることができない。そこで、本発明の
相関計では、サンプリング光の入射端から非線形結晶へ
の集束レンズまでの光路、及び、被測定信号光の入射端
から上記集束レンズまでの光路のそれぞれを鍵型とし
た。ここで、これらの鍵型の3辺を順に軸部、水平部、
鍵部と呼ぶことにする。
【0052】サンプリング光光路の鍵型と、被測定信号
光光路の鍵型とで、各軸部、各水平部、各鍵部はそれぞ
れ平行となるように構成される。さらに、サンプリング
光光路の鍵型と被測定信号光光路の鍵型の全長が、相等
しくなるように、かつ、被測定信号光光路の鍵型の水平
部をサンプリング光光路の鍵型の水平部に比して長くな
るように構成する。
【0053】このとき、被測定信号光光路の鍵型の水平
部とサンプリング光光路の鍵型の軸部が交差することと
なる。ここで、サンプリング光光路の鍵型の軸部上で、
端点と上記交差点の間の点に分岐鏡を、さらに、被測定
信号光光路の鍵型の水平郡上で、軸部への屈曲点と上記
交差点の中点に合成鏡を配置する。
【0054】分岐鏡と合成鏡を結ぶ反射鏡は、分岐鏡か
ら反射鏡に向かう光路が鍵型の水平部に平行に、また反
射鏡から合成鏡に向かう光路が鍵型の軸部に平行になる
よう配置する。このとき、合成鏡から直角反射鏡に向か
う光路長は、軸部への屈曲点から合成鏡までの光路長と
恒当的に等しくなる。
【0055】その結果、サンプリング光の入射端から上
記分岐鏡を経て上記合成鏡に至る光路の長さと、被測定
信号光の入射端から上記合成鏡に至る光路の長さとが、
相等しくなる。以上の議論は、2つの鍵型の軸部と水平
部の挟む角、或いは水平部と鍵部の挟む角如何に依らず
成り立つが、サンプリング光に鍵部の光軸変化を生ずる
ことなく可変遅延を与えるためには、2つの鍵型の軸部
と鍵部とが互いに平行であることが要請される。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明の相互相関計の基本
構成を示す図であり、サンプリング光及び被測定信号光
の双方を空間ビーム入射型とした状態を示す。この構成
において、相互相関計の非線形信号の採取に係る部分
は、従来例の相互相関計と同様で、集束レンズ121、
非線形結晶122、絞り123、集光レンズ124、及
び、光検出器125により構成される。
【0057】ここでも、従来例同様、非線形効果として
は、非線形結晶122中での和周波発生効果を用いる場
合を例示している。図示例において、サンプリング光の
鍵型光路は、サンプリング光入射端101から直角反射
鏡109、さらに直角反射鏡110を経て集束レンズ1
21に至る。
【0058】また、被測定信号光の鍵型光路は、信号光
入射端102から直角反射鏡112、さらに直角反射鏡
113を経て集束レンズ121に至る。サンプリング光
の鍵型光路の軸部の長さ、即ちサンプリング光入射端1
01から直角反射鏡109に至る距離をα、同水平部の
長さ、即ち直角反射鏡109から直角反射鏡110に至
る距離をhと書こう。
【0059】一方、被測定信号光の鍵型光路の軸部の長
さ、即ち信号光入射端102から直角反射鏡112に至
る距離をα′、同水平部の長さ、即ち直角反射鏡112
から直角反射鏡113に至る距離をh′と書く。サンプ
リング光光路の鍵型と、被測定信号光光路の鍵型の全長
が、相等しくなる条件は、下式(6)に示される。 h′−h=2(α−α′) …(6)
【0060】ここで、2つの鍵型において鍵部の長さの
差は、軸部の長さの差に等しいことを用いている。図
中、サンプリング光の鍵型光路の軸部と、被測定信号光
光路の鍵型の水平部が光路交差点126において交差し
ている。
【0061】サンプリング光光路上、この光路交差点1
26に至る以前に分岐鏡114が配置される。また、被
測定信号光光路上、直角反射鏡112と光路交差点12
6の二等分点に合成鏡118が配置される。
【0062】分岐鏡114から鍵型光路の水平部に平行
に引いた直線と合成鏡118から鍵型光路の軸部に平行
に引いた直線の交点に、直角反射鏡116が配置され
る。この結果、サンプリング光入射端101から分岐鏡
114及び直角反射鏡116を経て合成鏡118に至る
光路の長さと、信号光入射端102から直角反射鏡11
2を経て合成鏡118に至る光路の長さとが、相等しく
なる。
【0063】これは、サンプリング光入射端101から
分岐鏡114までの距離と直角反射鏡116から合成鏡
118までの距離の和が、信号光入射端102から直角
反射鏡112までの距離に相等しく、かつ、分岐鏡11
4から直角反射鏡116までの距離が、直角反射鏡11
2から合成鏡118までの距離に相等しいことから、容
易に首肯されるであろう。
【0064】サンプリング光光路側で、直角反射鏡10
9及び直角反射鏡110は、平行移動台111上に配置
され、式(6)の成り立つ位置、即ち遅延時間原点の周
りで、該直角反射鏡109への入射光軸、すなわちサン
プリング光路の鍵型の軸部に平行な方向に並進移動可能
なように構成される。この並進移動に伴ってサンプリン
グ光路の鍵型の鍵部、即ち直角反射鏡110から集束レ
ンズ121への出射光軸が変位しないために、直角反射
鏡109への入射光軸と直角反射鏡110からの出射光
軸が平行であることが必要である。
【0065】ここで、平行移動台111を駆動し、サン
プリング光パルス側の直角反射鏡119及び直角反射鏡
110を並進移動させつつ、光検出器125の出力電気
信号を計測・記録してゆく。こうして、本構成の相互相
関計において、光サンプリング測定を行う機能が実現さ
れる。
【0066】この際、分岐鏡114と合成鏡118が取
り除かれた状態では、従来例の相互相関計と等価な相互
相関信号が得られる。一方、分岐鏡によって分岐された
サンプリング光が自己相関光路117を経て合成鏡11
8によって信号光路に流入されている状態では、サンプ
リング光の自己相関信号が得られることとなる。
【0067】しかも、このとき、式(6)の成り立つ位
置、即ち遅延時間原点において、必ず自己相関信号が最
大値をとる。こうして本発明の相互相関計では、相互相
関測定に係る遅延時間の原点と、自己相関測定に係る遅
延時間の原点が必ず一致するのである。
【0068】
【実施例】
〔実施例1〕本発明の第1の実施例を図2に示す。本実
施例は、相互相関測定と自己相関測定の切り替えのため
に、分岐鏡、合成鏡の双方を挿入・離脱可能としたもの
である。
【0069】尚、図2では、サンプリング光及び被測定
信号光の双方を光ファイバ入射型とした構成を示してあ
る。図2に示すように、サンプリング光入射端に、ファ
イバコネクタ104を介してサンプリング光ファイバ1
03の先端が位置し、該ファイバを出射したサンプリン
グ光パルスは、コリメートレンズ105によって平行な
空間ビームに変えられる。
【0070】また、信号光入射端に、ファイバコネクタ
107を介して信号光ファイバ106の先端が位置し、
該ファイバを出射した被測定光信号は、コリメートレン
ズ108によって平行な空間ビームに変えられる。この
場合、2つのコリメートレンズ105、108として、
波長分散特性の揃ったものを用いれば、式(6)に従っ
て、ファイバコネクタ104から直角反射鏡109、さ
らに直角反射鏡110を経て集束レンズ121に至るサ
ンプリング光の鍵型光路とファイバコネクタ107から
直角反射鏡112、さらに直角反射鏡113を経て集束
レンズ121に至る被測定信号光の鍵型光路の全長を相
等しくし、遅延時間原点を設定できる。
【0071】例えば、サンプリング光の鍵型光路につい
て軸部長αを155mm、水平部長hを70mmに、ま
た被測定信号光の鍵型光路について軸部長α′を118
mm、水平部長h′を144mmにしたので、式(6)
が成り立ち、両鍵型光路の全長が等しくなる。分岐鏡と
しては、厚さd=1mmの石英ガラス基板に誘電体多層
膜蒸着を施したθ=45°入射1:1分岐半透鏡115
を用いた。
【0072】この半透鏡の基板は、2つの理由から薄い
ことが推奨される。第一は基板の波長分散の観点であ
り、基板の屈折率をn、単位伝搬長当たりの分散をD
(0)とするとき、基板を透過する際に蒙る波長分散D
は、下式(7)に示すように、厚さdに比例する。
【0073】 D=nD(0)d/(n2−sin2θ)1/2 …(7) 式(7)に、石英ガラスの波長1.55μmにおける
値、即ち、n=1.444、D(0)=ー28fs2/mm
を代入すると、本実施例の半透鏡115の波長分散Dと
して、−32fs2が得られる。この波長分散によるパ
ルス幅の広がりは、50fsのパルスに対してすら、僅
か0.06%にすぎず、十分小さい波長分散に抑えるこ
とができた。
【0074】第二は基板による光軸の横ずれの観点であ
り、基板の挿入前後での出射ビームの横方向の変位量w
は、下式(8)に示すように、やはり厚さdに比例す
る。 w=d{1−cosθ/(n2−sin2θ)1/2}sinθ …(8) 式(8)から、本実施例の半透鏡115に伴う変位量w
を、0.3mmと見積もることができる。
【0075】この横ずれは、2枚の直角反射鏡109、
110を経た後、集束レンズ121上では、2倍となっ
て現れる。本実施例の場合、集束レンズ121上でサン
プリング光と被測定信号光の間の光軸の間隔は、4mm
に、また両光線のビーム径は1.5mmに設定した。
【0076】この状態に対しての0.6mmの横ずれ
は、ぎりぎり許容できる範囲内にあるということができ
る。合成鏡としては、直角反射鏡119を用いた。この
直角反射鏡119の設置位置は、被測定信号光光路の鍵
型の水平部上で、直角反射鏡112から、2つのファイ
バコネクタ104、107の間隔の丁度半分だけ離れた
点に設定した。
【0077】直角反射鏡112と光路交差点126の間
の距離は、2つのファイバコネクタ104、107の間
隔に等しいので、これにより、直角反射鏡112と光路
交差点126の二等分点に合成鏡118を配置する上述
の条件が満足されることになる。本実施例の場合、2つ
のファイバコネクタ104、107の間隔が、70mm
なので、直角反射鏡119の位置は直角反射鏡112か
ら測って35mmの点とした。
【0078】本実施例において、半透鏡115と直角反
射鏡119は、それぞれ切り替え可能なマウントに装着
され、光路上から離脱することができる。この種のマウ
ントは、装着された鏡を光路上に復した際、元の方位角
・仰角が高精度に再現される機能を有する。
【0079】本実施例の場合、鏡装着部の下方にある回
転軸を中心として、鏡を方位角・仰角の調整機構ごと回
転することで、挿入・離脱を切り替える形式のマウント
を用いた。勿論、例えば、鏡をスライドして挿入・離脱
を切り替える、或いは、鏡を調整機構ごと面内で回転し
て挿入・離脱を切り替えといった他の形式のマウントも
同様にして適用できることは言うまでもない。
【0080】本実施例装置において、自己相関測定時に
は、半透鏡115と直角反射鏡119の両者を光路内に
挿入する。この時、信号光ファイバ106から入射する
被測定信号光は、直角反射鏡119によって遮られ、直
角反射鏡113に向かって透過することはない。
【0081】半透鏡115によって分岐され、自己相関
光路117を辿るサンプリング光のみが、直角反射口1
9を経て直角反射鏡113に入射することとなる。ここ
で、平行移動台111を駆動し、サンプリング光パルス
側の直角反射鏡109及び直角反射鏡110を並進移動
させつつ、光検出器125の出力電気信号を計測・記録
してゆくことで、図3(a)に示すような相関信号が得
られた。
【0082】これは、サンプリング光自身を光サンプリ
ング測定した結果であるので自己相関信号に相当する。
この自己相関信号は、遅延時間原点の周りに現れ、かつ
自己相関波形の幅は200fsと正しい値が得られてい
る。
【0083】本サンプリング光パルスは、CrドープY
AG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レー
ザによって発生された中心波長1.55μmのパルスで
あり、レーザ光源直後で測った自己相関信号の幅は、1
30fsであった。図3(a)に示した自己相関波形の
幅がこれに比して若干広がっているのは、サンプリング
光ファイバを伝搬することに伴われる光ファイバの波長
分散に起因したパルス広がりを反映している。
【0084】一方、本実施例装置において、相互相関測
定時には、上記切り替え可能なマウントに装着した半透
鏡115と直角反射鏡119の両者を光路内から離脱す
る。この結果、両者はそれぞれ図2中に半透鏡115−
1、及び直角反射鏡119−1で示した位置に離脱さ
れ、それぞれの光路上から取り除かれる。この時には、
信号光ファイバ106から入射する被測定信号光が、直
角反射鏡113に入射する。半透鏡115が取り除かれ
ているので、サンプリング光が分岐されることはなく自
己相関光路117上には何も現れない。
【0085】ここで、半透鏡115を相互相関測定時に
は離脱させることは原理的な要請ではなく半透鏡115
を挿入したままでも相互相関測定を行える。半透鏡11
5を挿入したままにする場合、上述の基板による光軸の
横ずれへの考慮は不要となる。
【0086】ただし、半透鏡115を挿入したままにす
ると、1:1に分岐されて自己相関光路を辿る分のサン
プリング光が無駄になり、相互相関測定の感度が半分に
低下するという問題がある。それ故、相互相関測定時に
は、半透鏡115も光路から離脱する方が良い。
【0087】ここで、平行移動台111を駆動し、サン
プリング光パルス側の直角反射鏡109及び直角反射鏡
110を並進移動させつつ、光検出器125の出力電気
信号を計測・記録してゆくことで、図3(b)に示すよ
うな相関信号が得られた。これは、被測定信号光を光サ
ンプリング測定した結果であるので相互相関信号に相当
する。
【0088】この相互相関信号上に、上の図3(a)の
自己相関信号に匹敵するよな鋭い変化が見られないこと
から、本測定の場合、被測定信号光の波形の詳細を把握
するに十分な時間分解能が得られていると見積もること
ができる。以上のように、本実施例装置によって、遅延
時間の原点を保ったまま、自己相関測定と相互相関測定
を容易に切り替えて行うことができた。
【0089】〔実施例2〕本発明の第2の実施例を図4
に示す。本実施例では、分岐鏡、合成鏡に双方に半透鏡
を用いたので、相互相関測定と自己相関測定を同時に行
える。この場合、分岐鏡位置の半透鏡115、及び合成
鏡位置の半透鏡120は、挿入した位置に固定されるの
で、上記の実施例で用いた切り替え可能なマウントは不
要である。
【0090】これら半透鏡としては、厚さd=1mmの
石英ガラス基板に誘電体多層膜蒸着を施したθ=45°
入射1:1分岐のものを用いた。この半透鏡の基板は、
上述の基板の波長分散の観点から薄いことが推奨され
る。ここでは、上述の半透鏡の基板による光軸の横ずれ
への考慮は不要となる。
【0091】本実施例装置において、サンプリング光フ
ァイバ103から入射したサンプリング光パルスは、半
透鏡115により1:1に分岐され、その半分が自己相
関光路117を辿って半透鏡120に到達する。ここ
で、到達した分のサンプリング光パルスが1:1に分岐
され、うち半分が直角反射鏡113に向かう。
【0092】結局、自己相関測定に関しては、元のサン
プリング光パルスの4分の1が、サンプリング光パルス
の2分の1によってサンプリング測定されることとな
る。一方、信号光ファイバ106から入射した被測定信
号光は半透鏡120により1:1に分岐され、その半分
が直角反射鏡113に達する。
【0093】従って、相互相関測定に関しては、被測定
信号光の半分が、サンプリング光パルスの2分の1によ
ってサンプリング測定されることとなる。このことか
ら、本実施例装置における測定感度は、上の第1実施例
装置に比して、自己相関測定については2分の1、相互
相関測定については4分の1となる。その他は、実施例
1に準ずる。
【0094】本実施例装置で、平行移動台111を駆動
し、サンプリング光パルス側の直角反射鏡109及び直
角反射鏡110を並進移動させつつ、光検出器125の
出力電気信号を計測・記録してゆくことで、図5に示す
ような相関信号が得られた。この相関信号上には、遅延
時間原点周りの自己相関信号と、遅延時間3.3ps周
りの相互相関信号が重量されて、一挙に測定されてい
る。
【0095】この測定の際、自己相関信号と、相互相関
信号が遅延時間原点周りで重なって分離できなくなるの
を避けるために、予め本実施例装置の外部で被測定信号
光に光路長1mm分の遅延を付与した。また、自己相関
信号と、相互相関信号の波高を同程度とするために、サ
ンプリング光ファイバ103を出射するサンプリング光
の尖頭強度と、信号光ファイバを出射する被測定信号光
の尖頭強度の比が、概略2:1となるよう本実施例装置
の外部で強度を調整している。
【0096】以上のように、本実施例装置によっては、
遅延時間の原点を保ったまま、自己相関測定と相互相関
測定を同時に行うことができた。
【0097】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
相互相関計によれば、空間ビーム入射型・光ファイバ入
射型いずれとした場合でも、サンプリング光パルスの自
己相関信号の測定を高精度に行え、しかも自己相関信号
の現れる遅延時間位置が相互相関計の遅延時間原点周り
に固定され、かつ本来の相互相関測定に係る光学系の調
整を乱すことが全くない。したがって、相互相関計の使
用時に手軽にサンプリング光パルスの自己相関信号の測
定が行え、サンプリング光パルスの幅による時間分解能
の見積り或いはディコリレート演算を行える。本発明
は、相関計で用いる光非線形媒質または素子の種別に依
らず、また空間ビーム入射型または光ファイバ入射型を
問わず、広く用いることができ、相互相関測定の精度の
向上をもたらすので、工業的に大きな効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の相互相関計の基本構成を示す説明図で
ある。
【図2】本発明の相互相関計の第1の実施例を示す説明
図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る測定結果を示すグ
ラフであり、図3(a)はサンプリング光の自己相関測
定結果を、図3(b)は相互相関測定結果を示す。
【図4】本発明の相互相関計の第2の実施例を示す説明
図である。
【図5】本発明の第2実施例による測定結果を示すグラ
フである。
【図6】従来例の相互相関計の構成を示す説明図であ
る。
【図7】従来例装置による自己相関測定結果を示すグラ
フである。
【符号の説明】
101 サンプリング光入射端 102 信号光入射端 103 サンプリング光ファイバ 104 ファイバコネクタ 105 コリメートレンズ 106 信号光ファイバ 107 ファイバコネクタ 108 コリメートレンズ 109,110 直角反射鏡 111 平行移動台 112,113 直角反射鏡 114 分岐鏡 115 半透鏡 115−1 半透鏡(離脱時) 116 直角反射鏡 117 自己相関光路 118 合成鏡 119 直角反射鏡 119−1 直角反射鏡(離脱時) 120 半透鏡 121 集束レンズ 122 非線形結晶 123 絞り 124 集光レンズ 125 光検出器 126 光路交差点 603 サンプリング光ファイバ 604 ファイバコネクタ 605 コリメートレンズ 606 信号光ファイバ 607 ファイバコネクタ 608 コリメートレンズ 611 平行移動台 613 直角反射鏡 621 集束レンズ 622 非線形結晶 623 絞り 624 集光レンズ 625 光検出器 626 直角反射鏡 627,628 反射器 629,630 直角反射鏡 631 直角反射プリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−270246(JP,A) 特開 平9−189612(JP,A) 特開 平6−94571(JP,A) 特開 平9−304189(JP,A) 特開 平8−75603(JP,A) 特開 平6−174556(JP,A) 実開 平7−43939(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 G01J 11/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプリング光に可変の遅延を与え、
    ンプリング光及び被測定信号光を光非線形効果を有する
    媒質内で結焦し、交差させて、該媒質内で発生する非線
    形信号を電気信号に変換することにより被測定信号光を
    前記可変遅延の関数として測定する相互相関計におい
    て、前記サンプリング光を分岐する分岐鏡と、該分岐鏡
    により分岐されかつ遅延を与えない一方のサンプリング
    光の光軸を被測定信号光の光軸に一致させる合成鏡とを
    付加したことを特徴とする相互相関計。
  2. 【請求項2】 前記サンプリング光の入射端から前記分
    岐鏡を経て前記合成鏡に至る光路の長さと前記被測定信
    号光の入射端から前記合成鏡に至る光路の長さとを等し
    くしたことを特徴とする相互相関計。
  3. 【請求項3】 前記分岐鏡が半透鏡であり、前記合成鏡
    が全反射鏡であり、かつ前記半透鏡と全反射鏡がそれぞ
    れ光路に対して着脱可能となっていることを特徴とする
    相互相関計。
  4. 【請求項4】 前記分岐鏡と前記合成鏡が共に半透鏡で
    あることを特徴とする相互相関計。
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