JP3463883B2 - 電波腕時計 - Google Patents
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Description
ンテナ内蔵型の電波腕時計に係り、特に、電波の透過し
にくい金属製ケースを使用しつつも、時刻電波を高感度
に受信可能としたアンテナ内蔵型の電波腕時計に関す
る。
費者は少なくない。斯かる消費者の嗜好は、世代的には
中高年世代に、地域的には日本やヨーロッパに多く見ら
れる。
材として、プラスチックやセラミック等の電波透過性材
料が多く使用される。ケースの素材として、ステンレス
等の金属を使用すると、時刻電波がケースを十分に透過
できないことから、正常な受信動作が期待できない。ケ
ースの素材としてプラスチックが使用されると、外観上
の高級感不足を主たる原因として、アンテナ内蔵型の電
波腕時計の購買層は主として若者世代に偏りがちであ
り、中高年世代における売れ行きはあまりはかばかしく
ないのが実状である。また、ケースの素材としてセラミ
ックが使用されると、販売価格が高くなることから、売
れ行きははかばかしくない。
装型の電波腕時計によれば、受信アンテナを専用のプラ
スチックケースに収容したり、皮革製の時計バンドに組
み込む等の工夫により、ムーブメントを収容する腕時計
ケースそれ自体は金属製とすることもできる。しかし、
斯かるアンテナ外装型の電波腕時計は外観上のシンプル
さやスマートさに欠けること、アンテナとムーブメント
との接続構造が複雑となること等の理由により、広く普
及するに至らないのが実状である。
ースを使用しつつも、時刻電波を高感度に受信可能とし
たアンテナ内蔵型の電波腕時計を開発すべく鋭意研究を
行った。その開発に至る経過は以下の通りである。
計)に採用されている金属製腕時計ケースの構造を示す
断面図が第6図に示されている。
1は、ケース輪郭を形作る金属製環状基体102と、こ
の金属製環状基体102の表面側に位置して、透明窓板
103を縁取る金属製環状窓枠(一般に『ベゼル』とも
称される)104と、金属製環状基体102の裏面側に
位置する金属製裏蓋105との三者を重ねて一体的に結
合してなるものである。
明窓板103に臨んで配置され、さらに金属製文字盤1
06と金属製裏蓋105との間の空所108にはムーブ
メント107が収容される。
えば、材質(SUS304)、肉厚(4mm)、内径
(32mm)、厚みD1(6mm)のものが使用されて
いる。また、透明窓板103としては、例えば、材質
(ガラス)、肉厚(1mm)、直径(30mm)のもの
が使用される。また、金属製環状窓枠104としては、
例えば、材質(SUS304)、肉厚(4mm)、内径
(28mm)、高さ(3mm)のものが使用される。ま
た、金属製裏蓋105としては、例えば、材質(SUS
304)、肉厚(2mm)、直径(36mm)のものが
使用される。また、金属製文字盤106としては、例え
ば、材質(Bs)、肉厚(0.6mm)、直径(30m
m)のものが使用される。さらに、ムーブメント107
としては、例えば、直径(26mm)、厚み(5mm)
の通常の腕時計用のムーブメントが使用される。
メント107を電波腕時計用のアンテナ内蔵ムーブメン
トに代えただけでは、電波腕時計用ムーブメントは時刻
電波を殆ど受信することができない。その理由は、電波
腕時計用ムーブメントは、その上面側を金属製文字盤1
06により、その下面側を金属製裏蓋105により、さ
らにその周側面乃至外周を全面に亘って比較的に肉厚な
金属製環状基体102により完全に取り囲まれているか
らである。
に、電波透過性素材(例えば、ガラスやプラスチック
等)からなる文字盤を使用し、かつ金属製裏蓋105の
代わりに、電波透過性素材(例えば、ガラスやプラスチ
ック等)からなる裏蓋を使用することを試みた。これに
より、ムーブメントの上方、下方に位置する電波遮蔽物
が除去されたことにより、時刻電波受信感度の改善はか
なり見られたものの、なおも時刻電波受信感度は実用に
供し得るレベルには達しなかった。
置する電波遮蔽物に着目して、金属製環状基体102の
肉厚の薄肉化を試みた。しかし、金属製環状基体102
はケースの強度を保持しかつ操作用押しボタンを貫通さ
せて保持するものであることから、その薄肉化には限界
があり、時刻電波受信感度の改善は見られたものの、な
おも実用に供し得るレベルには達しなかった。
のであり、その目的とするところは、ケース本体を構成
する金属製環状基体の強度並びに肉厚を所要値に維持し
たままで、ムーブメントの上下方向並びに側方における
電波透過性を改善することにより、普通の腕時計と同様
な金属製外観を呈する電波腕時計を実現することにあ
る。
すると共に低コストに製作することが可能な電波腕時計
を提供することにある。
は、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者
であれば用意に理解されるであろう。
状基体の表面側に位置して、透明窓板を縁取る金属製環
状窓枠と、金属製環状基体の裏面側に位置して、非金属
製裏蓋板を縁取る金属製環状裏蓋枠との三者を重ねて一
体的に結合してなる腕時計ケースを有する。なお、ここ
で、金属製環状基体に言う『環状』には、腕時計ケース
において周知である円環状、角環状、楕円環状等々の様
々な形態が含まれる。また、環状基体の外形は、実際に
は、時計バンドの止め金具や押しボタン等が突出されて
いるのが一般的であり、『環状』にはそれらの様々な異
形環状を全て含んでいる。
んで配置される。また、非金属製文字盤と非金属製裏蓋
板との間にはアンテナ内蔵ムーブメントが配置される。
ここで、アンテナ内蔵ムーブメントとは、当業者にはよ
く知られているように、電波腕時計の製作に必要な受信
アンテナ、回路基板、電池、ギアボックス等を一体的に
組み付けてなる組立体である。受信アンテナとしては、
通常、角棒状のフェライトコアに巻線を施してなるフェ
ライトバーアンテナが使用される。アンテナ内蔵ムーブ
メントは薄い円皿上の薄肉のプラスチック製ハウジング
に収容されることもある。この場合でも、受信感度を良
好なものとするために、受信アンテナはその側面をハウ
ジングから露出させることが多い。アンテナ内蔵ムーブ
メントの厚みは、設計思想にもよるが、通常、受信アン
テナの厚みとほぼ同等となる。すなわち、回路基板とギ
アボックスとの積層体の厚さによりムーブメントの最小
厚さが決定される。一方、フェライトバーアンテナの厚
さは、フェライトバーの断面積を増して受信感度を上げ
る観点からは厚い方が好ましい。そこで、実際には、フ
ェライトバーアンテナの厚さは、回路基板とギアボック
スとの積層体の厚さと一致するように設計される。以
下、アンテナ内蔵ムーブメントの厚みとは、受信アンテ
ナの厚みとほぼ同義語として理解されるべきである。
は、金属製環状基体側へ向けて適宜の長さ延長された延
長部を有する。
枠を金属製環状基体へ向けて下方へ延長させる場合と、
2)金属製裏蓋枠を金属製環状基体へ向けて上方へ延長
させる場合と、3)金属製環状窓枠を金属製環状基体へ
向けて下方へ延長させかつ金属製裏蓋枠を金属製環状基
体へ向けて上方へ延長させる場合と、の3通りの場合を
含んでいる。
盤と非金属製裏蓋板との間に配置されるアンテナ内蔵ム
ーブメントの外周が、金属製環状基体と金属製環状窓枠
の延長部、および/または、金属製環状裏蓋枠の延長部
とにより、上下に領域を分割するようにして取り囲まれ
るようになる。
れる』とは、第1図(a)に示されるように、従来は金
属製環状基体200だけで全面一様に隙間なく取り囲ま
れていたものが、本発明では、第1図(b),(c),
(d)にやや誇張して示されるように、金属製環状基体
300に囲まれる部分と、金属製環状窓枠301の下方
延長部L1若しくは金属製環状裏蓋枠302の上方延長
部L2により囲まれる部分とが生ずることを意味してい
る。
示すものであり、図において、200は金属製環状基
体、201は金属製環状窓枠、202は金属製裏蓋、2
03は通常の腕時計用ムーブメント、204は透明窓
板、205は金属製文字盤である。
波腕時計ケースの構造の代表的な一例をそれぞれ示すも
のであり、図において、300は金属製環状基体、30
1は金属製環状窓枠、302は金属製環状裏蓋枠、30
3はアンテナ内蔵の電波時計用ムーブメント、304は
透明窓板、305は非金属製文字盤、306は非金属製
裏蓋板、L1は金属製環状窓枠の下方延長部、L2は金
属製環状裏蓋枠の上方延長部である。
れるように、前述した延長部L1,L2の構成に応じ
て、次の3通りの取り囲み態様が考えられる。
製環状窓枠301のみを下方に延長して下方延長部L1
を形成した場合である。なお、ケース全体の厚さを変更
しないとすれば、その分だけ、金属製環状基体300の
厚みが薄くなるであろう。この場合、ムーブメント30
3の外周は、下段の幅広領域部分は金属製環状基体30
0により、上段の幅狭領域部分は金属製環状窓枠301
の下方延長部L1により取り囲まれるであろう。
製環状裏蓋枠302のみを上方に延長して上方延長部L
2を形成した場合である。なお、この例にあっても、ケ
ース全体の厚さを変更しないとすれば、その分だけ、金
属製環状基体300の厚みが薄くなるであろう。この場
合、ムーブメント303の外周は、上段の幅広領域部分
は金属製環状基体300により、下段の幅狭領域部分は
金属製環状裏蓋枠302の上方延長部L2により取り囲
まれる。
製環状窓枠301を下方に延長して下方延長部L1を形
成するのみならず、金属製環状裏蓋枠302を上方へ延
長して上方延長部L2を形成した場合である。なお、こ
の例にあっても、ケース全体の厚さを変更しないとすれ
ば、その分だけ、金属製環状基体300の厚みが薄くな
るであろう。この場合、ムーブメント303の外周は、
中段の幅広領域部分は金属製環状基体300により、上
段の幅狭領域部分は金属製環状窓枠301の下方延長部
L1により、下段の幅狭領域部分は金属製環状裏蓋枠3
02の上方延長部L2により取り囲まれる。
基体300と、金属製環状基体300の表面側に位置し
て、透明窓板304を縁取る金属製環状窓枠301と、
金属製環状基体300の裏面側に位置して、非金属製裏
蓋板306を縁取る金属製環状裏蓋枠302との三者を
重ねて一体的に結合してなる腕時計ケースを有する。
板304に臨んで配置され、非金属製文字盤305と非
金属製裏蓋板306との間にはアンテナ内蔵ムーブメン
ト303が配置されている。
ンテナ内蔵ムーブメント303の厚みD2(D2参照)
よりも薄くなるように両者の寸法関係が決められ、かつ
金属製環状基体300から上下にはみ出すアンテナ内蔵
ムーブメント303の上部外周及び下部外周は、金属製
環状窓枠301の下方延長部L1及び金属製環状裏蓋枠
302の上方延長部L2とにより取り囲まれている。
と、その表面側に位置する金属製環状窓枠301の下方
延長部L1と、その裏面側に位置する金属製環状裏蓋枠
302の上方延長部L2とに関して、要求される肉厚を
比較すると、金属製環状基体300は腕時計ケースの強
度を保持し、かつ操作ボタンを貫通させるものであるか
ら、大幅なな薄肉化は困難であるのに対して、金属製環
状窓枠301の下方延長部L1並びに金属製環状裏蓋枠
302の上方延長部L2は、さほど強度を要求されない
ため、かなりの薄肉化が可能である。そのため、それら
の延長部L1,L2の肉厚を環状基体300の肉厚より
も適宜に薄肉化することにより、ムーブメント303の
周側面全体としての電波透過性を改善し、電波時計が正
常に動作する時刻電波受信感度を獲得することができ
る。
基体300の材質が非磁性金属又は弱磁性金属である。
このような金属としては、SUS、Ti、Bs、Al、
Ti合金、Al合金等が含まれる。このような構成によ
れば、材質の面からも電波透過性が助長される。
窓枠301の材質が非磁性金属又は弱磁性金属である。
このような金属としては、SUS、Ti、Bs、Al、
Ti合金、及びAl合金等が含まれる。このような構成
によれば、材質の面からも電波透過性が助長される。
裏蓋枠302の材質が非磁性金属又は弱磁性金属であ
る。このような金属としては、SUS、Ti、Bs、A
l、Ti合金、及びAl合金等が含まれる。このような
構成によれば、材質の面からも電波透過性が助長され
る。
字盤305の材質がプラスチック又はガラスである。こ
のような構成によれば、文字盤により電波が遮断される
ことがない。
蓋板306の材質がプラスチック又はガラスである。こ
のような構成によれば、裏蓋板により電波が遮断される
ことがない。
基体300の肉厚が2.0mm〜3.0mmの範囲であ
り、かつ金属製環状窓枠301及び金属製環状裏蓋枠3
02の肉厚が金属製環状基体300の肉厚よりも0.5
mm以上に薄肉である。このようにすれば、金属製環状
基体300に比べ、金属製環状窓枠301および金属製
環状裏蓋枠302の電波透過性を改善できる。加えて、
内径30mm〜32mm程度の通常の腕時計の場合、金
属製(例えば、ステンレス製)環状基体300の肉厚を
2.0mm以下にすると、押しボタンのピンが挿通され
るパイプが基体300の内周側に突き出てしまうため、
その分だけ基体300を大径化する必要が生ずる。逆
に、金属製環状基体300の肉厚が3.0mmを越える
と、受信動作に支障を来す場合がある。
蓋板306の内表面には有色被膜が形成されている。こ
のような構成によれば、裏蓋板に高級感を付与すること
ができる。
04の材質がガラス又はプラスチックである。
は、本発明の金属製電波腕時計ケースの構造を示す断面
図であり、第3図は、本発明の金属製電波腕時計ケース
の構造を示す側面図であり、第4図は、本発明の金属製
電波腕時計ケースの構造を示す平面図であり、第5図
は、本発明の受信状態試験のための装置の構成を示す説
明図であり、第6図は、通常の金属製腕時計ケースの構
造を示す断面図であり、第7図は、アンテナ内蔵ムーブ
メントをその上面(文字盤側)から見た図であり、第8
図は、アンテナ内蔵ムーブメントにシールド板を重ねた
状態をその上面(裏蓋側)から見た図であり、第9図
は、アンテナ内蔵ムーブメントをその下面(文字盤側)
から見た図であり、第10図は、アンテナ内蔵ムーブメ
ントをその側面から見た図である。
一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
構造を示す断面図が第2図に、側面図が第3図に、平面
図が第4図に示されている。
は、ケース輪郭を形作る金属製環状基体2と、金属製環
状基体2の表面側に位置して、透明窓板3を縁取る金属
製環状窓枠4と、金属製環状基体2の裏面側に位置し
て、非金属製裏蓋板5を縁取る金属製環状裏縁枠6との
三者を重ねて一体的に結合してなる腕時計ケースを有す
る。
の強度を保持する目的を有すると共に、操作用押しボタ
ン10,10を貫通させて保持する機能をも有する。環
状基体2の外周適宜箇所には、腕時計バンド支持用の一
対のブラケット11,11が一対に形成されている。金
属製環状基体2の材質としては、電波透過性の比較的に
良好な非磁性又は弱磁性金属が好ましい。このような金
属としては、SUS、Ti、Bs、Al、Ti合金、及
びAl合金等を挙げることができ、図示例では、肉厚
3.0mmのSUS316Lが使用されている。また、
環状基体2は円環状をなしており、その内径は32mm
程度とされている。さらに、ムーブメント9の厚みD2
が6mm程度のとき、環状基体2の厚みD1は4mm程
度とされている。つまり、環状基体2の厚みD1はムー
ブメント9の厚みD2よりも薄く(D1<D2)なるよ
うに、寸法関係が決められている。本発明者等の鋭意研
究によれば、アンテナ内蔵ムーブメント9の厚みD2が
5〜7mmのとき、環状基体2の厚みD1をムーブメン
ト9の厚みD2よりも1〜3mm程度(好ましくは、
1.5mm〜2.5mm程度)薄くすることにより、良
好な結果が得られた。なお、図示例に使用されるアンテ
ナ内蔵ムーブメントは、先に、株式会社マルマンコーポ
レーションにより発売された電波腕時計MJW−10
0,200,300等に内蔵されているものと同一の構
造を有する。
常識を大きく覆すものである。なぜなら、そもそも、環
状基体2の本来の機能は、ムーブメント9の全周を取り
囲んで、ムーブメント9を機械的な衝撃等から保護する
ものであるから、環状基体2の厚みD1、換言すれば腕
時計ケースの深さは、ムーブメント9がすっぽりと収ま
る程度の十分な深さを有するものでなければならない、
とするのが今までの時計業界の当業者の常識であったの
である。
質としては、電波透過性の比較的に良好な非磁性又は弱
磁性金属の採用が好ましい。このような金属としては、
SUS、Ti、Bs、Al、Ti合金、及びAl合金等
を挙げることができ、図示例では、肉厚2.0mm程度
のSUS316Lが使用されている。透明窓板3の材質
としては、ガラスやプラスチックを任意に選択して採用
することができる。
としては、電波透過性の比較的に良好な非磁性又は弱磁
性金属の採用が好ましい。このような金属としては、S
US、Ti、Bs、Al、Ti合金、及びAl合金等を
挙げることができ、図示例では、肉厚2.0mm程度の
SUS316Lが使用されている。非金属製裏蓋板5の
材質としては、ガラスやプラスチックを任意に選択して
採用することができる。また、非金属製裏蓋板5の内側
の表面には例えば金属色や黒色等の着色被膜が形成さ
れ、外観体裁上の高級感が付与されている。
に臨んで配置される。また、非金属製文字盤7と非金属
製裏蓋板5との間の空所8には、電波腕時計として機能
するためのアンテナ内蔵ムーブメント9が収容される。
ック等を任意に選択して採用することができる。また、
アンテナ内蔵ムーブメント9は図示例では厚さD2が略
6mm、外径25mm程度の円盤状をしている。
チック製の円皿形ハウジングを有する。このハウジング
の円周の一部は直線的にカットされて、ここに棒状の磁
気長波アンテナであるフェライトバーアンテナが配置さ
れている。このフェライトバーアンテナは、円皿状ハウ
ジングに対して接線方向へ向けて配置されている。
蔵ムーブメント9の構造の一例が第7図〜第10図に示
されている。第7図及び第8図はアンテナ内蔵ムーブメ
ント9を上面(文字盤側)から見た図、第9図はアンテ
ナ内蔵ムーブメント9を下面(裏蓋側)から見た平面
図、第10図はアンテナ内蔵ムーブメント9を側面から
見た図である。
外周付近に配置され、両端をハウジング704に把持さ
れて接線方向へ向けて配置されている。ここでアンテナ
701は上面、下面、及び外周側の側面の3面がハウジ
ング704から外部に露出されている。なお、701a
はコイル、701bはアンテナコアを構成するフェライ
トバーである。円皿状のプラスチック製のハウジング7
04の下面(裏蓋側)は開放されており、内部にはモー
ターコイル702、ギヤボックス703、バッテリー7
05、水晶振動子707a,707b、回路基板(PC
B)708などが収められている。このうちバッテリー
705はバッテリーホルダー706が固定されている。
また、ハウジング704の上面(文字盤側)には、モー
ターコイル702から発生する高周波ノイズを遮蔽する
ための薄いステンレス製シールド板709が配置され
る。第10図はアンテナ内蔵ムーブメント9を側面(6
時方向)から眺めた図であるが、アンテナ内蔵ムーブメ
ント9の厚みD2はアンテナ701の厚みD3とほぼ同
じであることがわかる。
に沿って金属製環状基体2へ向けて下方へと適宜の長さ
だけ延出された延長部4aを有する。図示例では、延長
部4aの長さは1mm程度とされている。また、延長部
4aの肉厚は2mm程度とされている。
環状基体2へ向けて上方へと適宜の長さだけ延出された
延長部6aを有する。図示例では、延長部6aの長さは
1mm程度とされている。また、延長部6aの肉厚は2
mm程度とされている。
延長部6aとが延出された分だけ減少されており、全体
としてのケース厚みは従前のものと殆ど変わらないよう
にされている。
盤7と非金属製裏蓋板5との間に配置されるアンテナ内
蔵ムーブメント9の外周は、金属製環状基体2と金属製
環状窓枠4の下方延長部4aと金属製環状裏蓋枠6の上
方延長部6aとにより、上下に領域を3分割するように
して取り囲まれるようになる。
まれる』とは、第6図に示されるように、従来は金属製
環状基体102だけで全面一様に隙間なく取り囲まれて
いたものが、本発明では第2図に示されるように、金属
製環状基体2に取り囲まれる部分と、金属製環状窓枠4
の下方延長部4aに取り囲まれる部分と、金属製環状裏
蓋枠6の上方延長部6aにより取り囲まれる部分とが生
ずることを意味している。
広領域部分は金属製環状基体2により、上段の幅狭領域
部分は金属製環状窓枠4の下方延長部4aにより、下段
の幅狭領域部分は金属製環状裏蓋枠6の上方延長部6a
により取り囲まれる。
の表面側に位置する金属製環状窓枠4の下方延長部4a
と、その裏面側に位置する金属製環状裏蓋枠6の上方延
長部6aとに関して、要求される肉厚を比較すると、金
属製環状基体2は腕時計ケースの強度を保持する関係か
ら、大幅な薄肉化は困難であるのに対して、金属製環状
窓枠4の下方延長部4a並びに金属製環状裏蓋枠6の上
方延長部6aは、さほど強度を要求されないため、かな
りの薄肉化が可能である。そのため、それらの延長部4
a,6aの肉厚を環状基体2の肉厚よりも薄肉化するこ
とにより、ムーブメント収容空所8の周側面全体として
の電波透過性を大幅に改善し、電波腕時計が正常に動作
する時刻電波受信感度を獲得することができる。
製環状裏蓋枠6との双方から延長部4a,6aを突出さ
れたが、本発明においては、金属製環状窓枠4と金属製
環状裏蓋枠6とのいずれか一方のみから延長部を突出さ
せてもよい。
て、次の3通りの取り囲み態様が考えられる。
て延長部4aを形成した場合である。なお、ケース全体
の厚さを変更しないとすれば、その分だけ、金属製環状
基体2の高さが低く(厚みが薄く)なるであろう。この
場合、ムーブメント9の外周は、下段の幅広領域部分は
金属製環状基体2により、上段の幅狭領域部分は金属製
環状窓枠4の下方延長部4aにより取り囲まれる(第1
図(b)参照)。
して延長部6aを形成した場合である。なお、ケース全
体の厚さを変更しないとすれば、その分だけ、金属製環
状基体2の高さが低く(厚みが薄く)なるであろう。こ
の場合、ムーブメント9の外周は、上段の幅広領域部分
は金属製環状基体2により、下段の幅狭領域部分は金属
製環状裏蓋枠6の上方延長部6aにより取り囲まれる
(第1図(d)参照)。
長部4aを形成するのみならず、金属製環状裏蓋枠6を
上方へ延長して延長部6aを形成した上述の場合であ
る。なお、ケース全体の厚さを変更しないとすれば、そ
の分だけ、金属製環状基体の高さが低く(厚みが薄く)
なるであろう。この場合、ムーブメント9の外周は、中
段の幅広領域部分は金属製環状基体2により、上段の幅
狭領域部分は金属製環状窓枠の下方延長部4aにより、
下段の幅狭領域部分は金属製環状裏蓋枠の上方延長部6
aにより取り囲まれる(第1図(c)参照)。
る幾つかの電波腕時計とを用いて、本発明の実施品によ
る効果を検証する。
状基体の業界通用語)2、ベゼル(環状窓枠の業界通用
語)4、及び裏蓋枠6としては、SUS316Lを使用
した。ケース2の厚みD1を4mmとし、ムーブメント
9の厚みD2を6mmとした。裏蓋板5としてガラス板
を使用した。ベゼル4を下方に1mm延長して下方延長
部4aを形成した。環状裏蓋枠6を上方へ1mm延長し
て上方延長部6aを形成した。ケース2の肉厚を強度維
持を前提として薄肉化して3mmとした。文字盤7とし
てプラスチック板又はガラス板を使用した。透明窓板3
としてガラス板を使用した。なお、下方延長部4a並び
に上方延長部6aの肉厚をそれぞれ2mmとした。
ケースにアンテナ内蔵ムーブメントを収容しかつ文字盤
106にガラスを使用したものである。すなわち、第6
図に示される断面構造を前提とすれば、ケース102、
ベゼル104、及び裏蓋105としては、SUS304
を使用した。ケース102としては、従前のものをその
まま使用した。そのため、ケース102の厚みD1はム
ーブメント107の厚みD2よりも厚い(D1>D2)
ままとした。文字盤106としてブラスチック板又はガ
ラス板を使用した。透明窓板103としてガラス板を使
用した。
ムーブメントを収容し、文字盤106にプラスチック板
又はガラス板を使用し、さらに裏蓋板105にガラスを
使用したものである。すなわち、第6図に示される断面
構造を前提とすれば、ケース102、ベゼル104、及
び環状裏蓋枠(第2図の符号6参照)としては、SUS
316Lを使用した。ケース102は、従前のものをそ
のまま使用した。そのため、ケース102の厚みD1は
ムーブメント107の厚みD2よりも厚い(D1>D
2)ままとした。文字盤106としてプラスチック板又
はガラス板を使用した。透明窓板3としてガラス板を使
用した。裏蓋板(第2図の符号5参照)としてガラス板
を使用した。
ら全ての電波を遮断可能な容器)12内に上記の実施品
乃至比較品(比較例1,2)をひとつひとつ入れ、時刻
電波発生器13により発生させた60KHzの時刻電波
の電界強度を変化させ、それぞれの比較例が時刻電波を
受信したときの電界強度の数値により受信性能を試験し
た。なお、第5図(a)は内部の平面図、第5図(b)
は内部の立面図であり、14はアンテナ、15は測定対
象物置き台、16は測定対象物(試験対象時計)であ
る。
能が高いこと(受信し易いこと)を示している。
て、良好な受信性能が得られ、電波時計として十分に実
用に供せられることが確認された。外装材料として金属
が使用されているため、消費者の嗜好する高級感が十分
に得られた。加えて、セラミック材料等を使用する場合
に比べて低コストで製作できた。
ず、実用に供せられないことが確認された。
ブメントにおいて良好な受信電波強度を獲得することが
できることに加えて、装着状態では隠れて見えない裏蓋
部分を除き、その全周を金属により取り囲まれているこ
とから、外観上の高級感に優れ、さらに従前の金属製腕
時計ケースと同様の加工技術で比較的に安価に製作する
ことができるため、この種の電波腕時計の広く一般への
普及にも資するものである。
ス本体を構成する金属製環状基体の強度並びに肉厚を所
要値に維持したままで、ムーブメントの上下並びに外周
面における電波透過性を改善することにより、普通の腕
時計と同様な金属製外観を呈する電波腕時計を実現する
ことができる。
Claims (10)
- 【請求項1】(補正後)金属製環状基体と、 金属製環状基体の表面側に位置して、透明窓板を縁取る
金属製環状窓枠と、 金属製環状基体の裏面側に位置して、非金属製裏蓋板を
縁取る金属製環状裏蓋枠との三者を重ねて一体的に結合
してなる腕時計ケースを有し、 腕時計ケース内には、非金属製文字盤が透明窓板に臨ん
で配置され、 非金属製文字盤と非金属製裏蓋板との間にはアンテナ内
蔵ムーブメントが配置された電波腕時計であって、 金属製環状窓枠、および/または、金属製環状裏蓋枠
は、金属製環状基体側へ向けて適宜の長さ延長された延
長部を有し、 金属製環状窓枠の下方延長部および金属製環状裏蓋枠の
上方延長部の肉厚は金属製環状基体の肉厚よりも薄肉で
あり、 それにより、腕時計ケース内にあって、非金属製文字盤
と非金属製裏蓋板との間に配置されるアンテナ内蔵ムー
ブメントの外周が、金属製環状基体と金属製環状窓枠の
延長部、および/または、金属製環状裏蓋枠の延長部と
により、上下に領域を分割するようにして、取り囲まれ
るようにした電波腕時計。 - 【請求項2】(補正後)金属製環状基体と、 金属製環状基体の表面側に位置して、透明窓板を縁取る
金属製環状窓枠と、 金属製環状基体の裏面側に位置して、非金属製裏蓋板を
縁取る金属製環状裏蓋枠との三者を重ねて一体的に結合
してなる腕時計ケースを有し、 腕時計ケース内には、非金属製文字盤が透明窓板に臨ん
で配置され、 非金属製文字盤と非金属製裏蓋板との間にはアンテナ内
蔵ムーブメントが配置された電波腕時計であって、 金属製環状基体の厚みはアンテナ内蔵ムーブメントの厚
みよりも薄くなるように両者の寸法関係が決められ、か
つ金属製環状基体から上下にはみ出すアンテナ内蔵ムー
ブメントの上部外周及び下部外周は、金属製環状窓枠の
下方延長部及び金属製環状裏蓋枠の上方延長部とにより
取り囲まれている、電波腕時計。 - 【請求項3】(補正後)金属製環状基体の材質が、非磁
性金属又は弱磁性金属である請求の範囲第項1項又は第
2項に記載の電波腕時計。 - 【請求項4】(補正後)金属製環状窓枠の材質が、非磁
性金属又は弱磁性金属である請求の範囲第1項又は第2
項に記載の電波腕時計。 - 【請求項5】(補正後)金属製環状裏蓋枠の材質が、非
磁性金属又は弱磁性金属である請求の範囲第1項又は第
2項に記載の電波腕時計。 - 【請求項6】(補正後)非金属製文字盤の材質が、プラ
スチック又はガラスである請求の範囲第1項又は第2項
に記載の電波腕時計。 - 【請求項7】(補正後)非金属製裏蓋枠の材質が、プラ
スチック又はガラスである請求の範囲第1項又は第2項
に記載の電波腕時計。 - 【請求項8】(補正後)金属製環状基体の肉厚が2.0
mm〜3.0mmの範囲であり、かつ金属製環状窓枠の
下方延長部及び金属製裏蓋枠の上方延長部の肉厚が金属
製環状基体の肉厚よりも0.5mm以上薄肉化されてい
る請求の範囲第2項に記載の電波腕時計。 - 【請求項9】(補正後)非金属製裏蓋板の内表面には金
属色を有する被膜、又は各種の塗装被膜が形成されてい
る請求の範囲第1項又は第2項に記載の電波腕時計。 - 【請求項10】(補正後)透明窓板の材質がプラスチッ
ク又はガラスである請求の範囲第1項又は第2項に記載
の電波腕時計。
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001200185 | 2001-06-29 | ||
JP2001200185 | 2001-06-29 | ||
JP2001-200185 | 2001-06-29 | ||
JP2001268081 | 2001-09-04 | ||
JP2001268081 | 2001-09-04 | ||
JP2001-268081 | 2001-09-04 | ||
PCT/JP2002/006506 WO2003003130A1 (fr) | 2001-06-29 | 2002-06-27 | Montre-bracelet radio |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3463883B2 true JP3463883B2 (ja) | 2003-11-05 |
JPWO2003003130A1 JPWO2003003130A1 (ja) | 2004-10-21 |
JP3463883B6 JP3463883B6 (ja) | 2008-07-16 |
Family
ID=
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005124294A (ja) * | 2003-10-15 | 2005-05-12 | Citizen Watch Co Ltd | 電子機器モジュールと電子機器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005124294A (ja) * | 2003-10-15 | 2005-05-12 | Citizen Watch Co Ltd | 電子機器モジュールと電子機器 |
Also Published As
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---|---|
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CN1652049A (zh) | 2005-08-10 |
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EP1400876A1 (en) | 2004-03-24 |
US7126880B2 (en) | 2006-10-24 |
EP1400876A4 (en) | 2007-08-08 |
HK1081674A1 (en) | 2006-05-19 |
CN1249543C (zh) | 2006-04-05 |
US20040042344A1 (en) | 2004-03-04 |
CN1486451A (zh) | 2004-03-31 |
WO2003003130A1 (fr) | 2003-01-09 |
EP1400876B1 (en) | 2012-01-11 |
DK1400876T3 (da) | 2012-05-07 |
ATE541246T1 (de) | 2012-01-15 |
JPWO2003003130A1 (ja) | 2004-10-21 |
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