JP3463525B2 - 電磁駆動弁の制御装置 - Google Patents

電磁駆動弁の制御装置

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JP3463525B2
JP3463525B2 JP21782697A JP21782697A JP3463525B2 JP 3463525 B2 JP3463525 B2 JP 3463525B2 JP 21782697 A JP21782697 A JP 21782697A JP 21782697 A JP21782697 A JP 21782697A JP 3463525 B2 JP3463525 B2 JP 3463525B2
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動弁の制御
装置に係り、特に、内燃機関の吸気弁または排気弁を構
成する電磁駆動弁を制御する装置として好適な電磁駆動
弁の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平8−28462
6号に開示される如く、電磁駆動弁の制御装置が知られ
ている。電磁駆動弁は、電磁力を発生する電磁石を備え
ている。また、電磁石は電磁コイルとコアとを備えてい
る。電磁駆動弁は、電磁コイルを流れる励磁電流が適当
に制御されることにより開閉する。上記従来の制御装置
は、弁体が変位端の近傍に近接すると、電磁コイルを流
通する励磁電流を急激に減少させる機能を備えている。
従って、上記従来の装置によれば、弁体を緩やかに変位
端まで変位させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電磁コイル
に流れる励磁電流を制御するためには、複数のスイッチ
ング素子を用いることが便利な場合がある。例えば、複
数のスイッチング素子を用いれば、電磁コイルを流れる
励磁電流の向きを反転させ得る駆動回路を構成すること
ができる。上記の駆動回路は、励磁電流を正方向にのみ
流通させるスイッチング素子(以下、正方向スイッチン
グ素子と称す)と、励磁電流を逆方向にのみ流通させる
スイッチング素子(以下、逆方向スイッチング素子と称
す)とを組み合わせることで実現できる。
【0004】電磁駆動弁において優れた応答性を確保す
るためには、電磁コイルへの励磁電流の供給を停止した
後、速やかに残留磁気が消滅することが望ましい。残留
磁気は、電磁コイルに対する正方向の励磁電流の供給を
停止して、その後、僅かな期間だけ励磁電流を逆方向に
流通させることにより速やかに消滅させることができ
る。従って、励磁電流の向きを反転させ得る駆動回路に
よれば、電磁駆動弁に対して優れた応答性を付与するこ
とができる。
【0005】しかし、電磁コイルに対して励磁電流を正
方向に流通させるべき期間は、電磁コイルに対して励磁
電流を逆方向に流通させるべき期間に比して著しく短期
間である。従って、正方向スイッチング素子と、逆方向
スイッチング素子とを備える駆動回路においては、励磁
電流の流通に伴う発熱が正方向スイッチング素子に集中
する事態が生ずる。このため、上記構成の駆動回路を構
成するにあたっては、正方向スイッチング素子に十分な
耐久性を付与することが必要となる。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、複数のスイッチング素子に対して均等に熱負荷
を分配する電磁駆動弁の制御装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、電磁駆動弁が備える電磁コイルに適当
な励磁電流を流通させる電磁駆動弁の制御装置におい
て、前記電磁コイルに一方向の励磁電流を流通させる第
1スイッチング手段と、前記電磁コイルに他方向の励磁
電流を流通させる第2スイッチング手段と、電磁力が要
求される場合に、前記電磁コイルに正方向の励磁電流を
流通させる電磁力発生手段と、電磁力の減少が要求され
る場合に、前記電磁コイルに逆方向の励磁電流を流通さ
せる残留磁気消滅手段と、前記一方向が前記正方向に対
応し、かつ、前記他方向が前記逆方向に対応する第1の
設定と、前記一方向が前記逆方向に対応し、かつ、前記
他方向が前記正方向に対応する第2の設定とを所定期間
毎に切り換える設定切り換え手段と、を備える電磁駆動
弁の制御装置により達成される。
【0008】本発明において、第1の設定が選択されて
いる場合は、電磁力が要求される状況下で第1スイッチ
ング手段に励磁電流が流通し、電磁力の減少が要求され
る状況下で第2スイッチング手段に励磁電流が流通す
る。この場合、励磁電流が第1スイッチング手段を流通
する期間が、励磁電流が第2スイッチング手段を流通す
る期間に比して長期間となる。
【0009】一方、第2の設定が選択されている場合
は、電磁力が要求される状況下で第2スイッチング手段
に励磁電流が流通し、電磁力の減少が要求される状況下
で第1スイッチング手段に励磁電流が流通する。この場
合、励磁電流が第2スイッチング手段を流通する期間
が、励磁電流が第1スイッチング手段を流通する期間に
比して長期間となる。
【0010】第1の設定と第2の設定とは、所定期間毎
に切り換えられる。このため、長期的には、第1スイッ
チング手段と第2スイッチング手段とに、均等に励磁電
流が流通する。従って、励磁電流の流通に伴う熱負荷
は、長期的には第1スイッチング手段と第2スイッチン
グ手段とに均等に分配される。また、上記の目的は、請
求項2に記載する如く、電磁駆動弁が備える電磁コイル
に適当な励磁電流を流通させる電磁駆動弁の制御装置に
おいて、前記電磁コイルの一端に連通する第1スイッチ
ング素子と、前記電磁コイルの他端に連通する第2スイ
ッチング素子と、からなる一組のスイッチング素子を制
御することにより、前記電磁コイルに一方向の励磁電流
を流通させるスイッチング手段と、前記第1スイッチン
グ素子が方向制御素子に対応し、かつ、前記第2スイッ
チング素子がデューティ制御素子に対応する第1の設定
と、前記第2スイッチング素子が前記方向制御素子に対
応し、かつ、前記第1スイッチング素子が前記デューテ
ィ制御素子に対応する第2の設定とを所定期間毎に切り
換える設定切り換え手段と、前記電磁コイルに所定の励
磁電流を流通させることが要求される場合に、前記方向
制御素子をオン状態とし、かつ、前記デューティ制御素
子を、前記所定の励磁電流が流通するようにデューティ
制御する励磁電流制御手段と、を備える電磁駆動弁の制
御装置により達成される。
【0011】本発明において、第1の設定が選択されて
いる状況下で励磁電流の流通が要求されると、第1スイ
ッチング素子がオン状態とされると共に、その第1スイ
ッチング素子と対の第2スイッチング素子がデューティ
制御される。スイッチング素子のデューティ制御には、
スイッチングロスに起因する発熱が伴う。このため、第
1の設定が選択されている場合は、第2のスイッチング
素子に、第1スイッチング素子に比して多大な熱負荷が
加わる。
【0012】第2の設定が選択されている状況下で励磁
電流の流通が要求されると、第2スイッチング素子がオ
ン状態とされると共に、その第2スイッチング素子と対
第1スイッチング素子がデューティ制御される。この
場合、第1スイッチング素子に、第2スイッチング素子
に比して多大な熱負荷が加わる。第1の設定と第2の設
定とは、所定期間毎に切り換えられる。このため、スイ
ッチングロスに伴う熱負荷は、長期的には第1スイッチ
ング素子と第2スイッチング素子とに対して均等に加わ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
電磁駆動弁10の全体構成図を示す。電磁駆動弁10
は、電子制御ユニット11(以下、ECU11と称す)
によって制御される。電磁駆動弁10は弁体12を備え
ている。弁体12は、内燃機関の吸気弁を構成してい
る。弁体12は、内燃機関の燃焼室内に露出するように
シリンダヘッド13に配設されている。内燃機関のシリ
ンダヘッド13には、吸気ポート14が設けられてい
る。吸気ポート14には、弁体12に対する弁座15が
形成されている。吸気ポート14は、弁体12が弁座1
5から離座することにより導通状態となり、また、弁体
12が弁座15に着座することにより遮断状態となる。
【0014】弁体12には、弁軸16が固定されてい
る。弁軸16は、バルブガイド17により軸方向に摺動
可能に保持されている。バルブガイド17は、シリンダ
ヘッド13に支持されている。また、バルブガイド17
には、電磁駆動弁10のロアキャップ18が固定されて
いる。弁軸16の上部には、非磁性材料で構成されたア
ーマチャ軸20が配設されている。また、弁軸16の上
端部には、ロアリテーナ21が固定されている。ロアリ
テーナ21とロアキャップ18との間にはロアスプリン
グ22が配設されている。ロアスプリング22は、ロア
リテーナ21を、すなわち、アーマチャ軸20および弁
体12を、図1における上方へ向けて付勢している。
【0015】アーマチャ軸20の上端部には、アッパー
リテーナ24が固定されている。アッパーリテーナ24
の上部には、アッパースプリング26が配設されてい
る。アッパースプリング26は、アッパーリテーナ24
を、すなわち、アーマチャ軸20および弁体12を、図
1における下方へ向けて付勢している。アッパースプリ
ング26の周囲には、円筒状のアッパーキャップ27が
配設されている。アッパーキャップ27の上端部には、
アジャストボルト28が配設されている。アッパスプリ
ング26の上端は、アジャスタボルト28に当接してい
る。
【0016】アーマチャ軸20には、アーマチャ30が
接合されている。アーマチャ30は、磁性材料で構成さ
れた環状の部材である。アーマチャ30の上方には、第
1電磁石32が配設されている。第1電磁石32は、ア
ッパコイル34およびアッパコア36を備えている。ま
た、アーマチャ30の下方には、第2電磁石38が配設
されている。第2電磁石38は、ロアコイル40および
ロアコア42を備えている。
【0017】アッパコイル34およびロアコイル40
は、ECU11に接続されている。アッパコイル34お
よびロアコイル40には、ECU11から励磁電流が供
給される。アッパコア36およびロアコア42は磁性材
料で構成された部材であり、それらの中央部においてア
ーマチャ軸20を摺動可能に保持している。第1電磁石
32および第2電磁石38は、それらの間に所定の間隔
が確保されるように外筒44によって保持されている。
アーマチャ30の中立位置は、アジャスタボルト28に
より、第1電磁石32と第2電磁石38との中間点に調
整されている。
【0018】以下、電磁駆動弁10の動作について説明
する。電磁駆動弁10においては、アッパコイル34に
励磁電流を供給することで、アッパコイル34の内外を
還流する磁束を発生させることができる。アッパコイル
34の内外を還流する磁束は、アッパコア36およびア
ーマチャ30を含む経路を通って流通する。この際、ア
ーマチャ30と第1電磁石32との間には、アーマチャ
30を第1電磁石32側へ引き寄せる電磁力が発生す
る。
【0019】このため、電磁駆動弁10によれば、アッ
パコイル34に適当な励磁電流を供給することで、アー
マチャ30、アーマチャ軸20、および、弁体12等を
第1電磁石32側へ変位させることができる。アーマチ
ャ軸20は、アーマチャ30がアッパコア36と当接す
るまで第1電磁石32側へ変位することができる。弁体
12は、アーマチャ30がアッパコア36と当接する状
況下では吸気ポート14を閉塞する。従って、電磁駆動
弁10によれば、アッパコイル34に適当な励磁電流を
供給することで、弁体12を全閉状態とすることができ
る。
【0020】弁体12が全閉状態に維持されている場
合、アッパスプリング26およびロアスプリング22
は、アーマチャ軸20を中立位置に向けて付勢する。こ
のような状況下でアッパコイル34への励磁電流の供給
が停止されると、アーマチャ軸20は、以後、アッパス
プリング26とロアスプリング22のバネ力に従って単
振動の動作を開始する。
【0021】電磁駆動弁10によれば、ロアコイル40
に励磁電流を供給することで、ロアコイル40の内外を
還流する磁束を発生させることができる。ロアコイル4
0の内外を還流する磁束は、ロアコア42およびアーマ
チャ30を含む経路を通って流通する。この際、アーマ
チャ30と第2電磁石38との間に、アーマチャ30を
第2電磁石38側へ引き寄せる電磁力が発生する。この
ため、電磁駆動弁10によれば、ロアコイル40に適当
な励磁電流を供給することで、アーマチャ軸20の摺動
に伴うエネルギの損失を補って、アーマチャ30が第2
電磁石38に当接するまでアーマチャ軸20を変位させ
ることができる。
【0022】弁体12は、アーマチャ30が第2電磁石
38と当接する際に全開状態となる。従って、電磁駆動
弁20によれば、アッパコイル34への励磁電流の供給
を停止した後、所定のタイミングでロアコイル40への
励磁電流の供給を開始することで、少ない消費電力で弁
体12を全閉状態から全開状態に変化させることができ
る。
【0023】弁体12が全開状態に変化した後、ロアコ
イル40への励磁電流の供給が停止されると、弁体12
は、単振動の動作に従って全閉位置に向けて変位し始め
る。以後、適当なタイミングで、アッパコイル34およ
びロアコイル40に繰り返し励磁電流を供給すると、少
ない消費電力で弁体12を開閉動作させることができ
る。
【0024】ところで、アッパコイル34への励磁電流
の供給を停止した後ある程度の期間は、第1電磁石32
には残留磁気が残存する。同様に、ロアコイル40への
励磁電流の供給を停止した後ある程度の期間は、第2電
磁石38に残留磁気が残存する。電磁駆動弁10におい
て優れた応答性を確保するためには、励磁電流の供給を
停止した後、それらの残留磁気が速やかに消滅すること
が望ましい。
【0025】第1電磁石32に残存する残留磁気を速や
かに消滅させるためには、アッパコイル34への励磁電
流の供給を停止した後、アッパコイル34に、所定期間
だけ励磁電流を逆向きに流通させることが有効である。
同様に、第2電磁石38に残存する残留磁気を速やかに
消滅させるためには、ロアコイル40への励磁電流の供
給を停止した後、ロアコイル40に、所定期間だけ励磁
電流を逆向きに流通させることが有効である。
【0026】図2は、上記の観点より電磁駆動弁10に
おいて用いられている励磁電流の流通パターン(図2
(A),(B))、および、その流通パターンにより得
られる弁体12の変位パターン(図2(C))を示す。
図2(A)に示す如く、アッパコイル34に供給される
励磁電流は、弁体12が全閉位置に維持されるべき期間
中は所定の保持電流IH (>0)に制御される。以下、
保持電流IH の流れる方向を正方向と称す。その後、弁
体12を全閉位置から変位させる要求が生ずると、保持
電流IH と逆向きの励磁電流IR (<0)がアッパコイ
ル34に供給される。以下、励磁電流IR の流れる方向
を逆方向と称す。更に、アッパコイル34には、弁体1
2が全開位置から全閉位置に向けて変位する過程で所定
値IMAX に制御された励磁電流が供給される。そして、
その励磁電流は、弁体12が全閉位置に到達した後に、
上記の保持電流IH まで所定の勾配で減少される。
【0027】また、図2(B)に示す如く、ロアコイル
40に供給される励磁電流は、弁体12が全閉位置から
全開位置に向けて変位する過程で所定値IMAX に制御さ
れる。弁体12が全閉位置に到達すると、励磁電流は、
弁体12を全開位置に維持するために必要な保持電流I
H まで所定の勾配で減少される。その後、弁体12を全
開位置に維持すべき期間中は励磁電流が保持電流IH
まま維持される。そして、弁体12を全開位置から全閉
位置に向けて変位させる要求が生ずると、ロアコイル4
0に逆方向の励磁電流IR が供給される。
【0028】アッパコイル34を流れる励磁電流および
ロアコイル40を流れる励磁電流が、図2(A)および
図2(B)に示す如く制御されると、弁体12を、少な
い消費電力で、優れた応答性をもって開閉動作させるこ
とができる。ECU11は、複数のスイッチング素子を
用いて、アッパコイル34およびロアコイル40に流通
する励磁電流を上記図2(A)および図2(B)に示す
波形に制御する。本実施例のシステムは、ECU11
が、励磁電流の制御に伴ってスイッチング素子に加わる
熱負荷を、複数のスイッチング素子に均等に分配する点
に特徴を有している。以下、図3乃至図7を参照して、
本実施例のシステムの特徴部について説明する。
【0029】図3は、ECU11が備える制御回路46
の回路図を示す。ECU11は、図3に示す制御回路4
6を用いてアッパコイル34を流通する励磁電流の制御
を行う。ECU11は、制御回路46と同様の回路をロ
アコイル40に対応して備えている。アッパコイル34
に対応する制御回路46と、ロアコイル40に対応する
制御回路とには構成において異なるところがない。この
ため、以下の記載においては、アッパコイル34に対応
する制御回路46の構成および動作のみを説明する。
【0030】制御回路46は、電源端子48および接地
端子50を備えている。電源端子48には電源電圧が供
給される。一方、接地端子50は、ECU11の内部で
接地されている。制御回路46は、♯1トランジスタ5
2、♯2トランジスタ54、♯3トランジスタ56およ
び♯4トランジスタ58を備えている。♯1トランジス
タ52のコレクタ端子および♯2トランジスタ54のコ
レクタ端子は、共に電源端子48に接続されている。ま
た、♯1トランジスタ52のエミッタ端子および♯2ト
ランジスタ54のエミッタ端子は、それぞれアッパコイ
ル34の両端に接続されている。一方、♯3トランジス
タ56のコレクタ端子および♯4トランジスタ58のコ
レクタ端子は、それぞれアッパコイル34の両端に接続
されている。また、♯3トランジスタ56のエミッタ端
子および♯4トランジスタ58のエミッタ端子は、共に
接地端子50に接続されている。
【0031】図4は、制御回路46がアッパコイル34
に対して“1方向”に所定量の励磁電流を流通させてい
る状態を示す。また、図5は、制御回路46が、アッパ
コイル34に対して“他方向”に所定量の励磁電流を流
通させている状態を示す。図4に示す如く、制御回路4
6によれば、♯4トランジスタ58をオン状態とすると
同時に♯1トランジスタ52をデューティ駆動すること
で、アッパコイル34に対して“1方向”の励磁電流を
流通させつつ、その励磁電流を適当な値に制御すること
ができる。また、図5に示す如く、制御回路46によれ
ば、♯3トランジスタ56をオン状態とすると同時に♯
2トランジスタ54をディーティ駆動することで、アッ
パコイル34に対して“他方向”の励磁電流を流通させ
つつ、その励磁電流を適当な値に制御することができ
る。従って、制御回路46によれば、例えば、図4に示
す“1方向”を“正方向”とし、かつ、図5に示す“他
方向”を“逆方向”としてアッパコイル34に励磁電流
を流通させることにより、アッパコイル34を流れる励
磁電流を上記図2(A)に示す如く制御することができ
る。
【0032】ところで、制御回路46が備える♯1トラ
ンジスタ52〜♯4トランジスタ58は、電流の流通に
伴って発熱する。このため、制御回路46が図4に示す
“1方向”に励磁電流を流通させる際には、♯1トラン
ジスタ52および♯4トランジスタ58に発熱が生ず
る。また、制御回路46が図5に示す“他方向”に励磁
電流を流通させる際には、♯2トランジスタ54および
♯3トランジスタ56に発熱が生ずる。
【0033】上記図2(A)に示す如く、本実施例のシ
ステムにおいては、アッパコイル34に“正方向”の励
磁電流が供給される期間が、アッパコイル34に“逆方
向”の励磁電流が供給される期間に比して十分に長く確
保されている。このため、図4に示す“一方向”を“正
方向”とし、図5に示す“他方向”を“逆方向”として
励磁電流が制御される場合は、♯1トランジスタ52お
よび♯4トランジスタ58に、♯2トランジスタ54お
よび♯3トランジスタ56に比して大きな熱負荷が加わ
る。
【0034】また、制御回路46が備える♯1トランジ
スタ52〜♯4トランジスタ58は、そのオン・オフが
切り換えられる際にスイッチングロスにより発熱する。
このため、図4に示す状態においては、♯1トランジス
タ52が♯4トランジスタ58に比して多量の熱を発生
し、図5に示す状態においては、♯2トランジスタ54
が♯3トランジスタ56に比して多量の熱を発生する。
従って、上記図4および図5に示す如く、♯1トランジ
スタ52および♯2トランジスタ54をデューティ制御
することで励磁電流を制御する手法によれば、♯1トラ
ンジスタ52および♯2トランジスタ54に、♯3トラ
ンジスタ56および♯4トランジスタ58に比して大き
な熱負荷が加わる。
【0035】上述の如く、制御装置46を、適宜上記図
4に示す状態と上記図5に示す状態とに切り換えて励磁
電流を制御することによれば、特定のトランジスタに熱
負荷が集中する事態が生ずる。制御装置46において、
安価に高い信頼性を得るためには、♯1トランジスタ5
2〜♯4トランジスタ58に加わる熱負荷が均等である
ことが望ましい。本実施例において、ECU11は、ア
ッパコイル34を流れる励磁電流を制御するにあたり、
適宜♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ58の役
割を交換することで上記要求の実現を図っている。
【0036】図6は、デューティ制御されるトランジス
タ(以下、デューティトランジスタと称す)とオン・オ
フ制御されるトランジスタ(以下、方向トランジスタと
称す)とを交換するためにECU11が実行する制御ル
ーチンの一例のフローチャートを示す。図6に示すルー
チンは、所定時間毎に起動される定時割り込みルーチン
である。図6に示すルーチンが起動されると、先ずステ
ップ100の処理が実行される。
【0037】ステップ100では、第1タイマT1 の計
数値が所定値α以上であるか否かが判別される。第1タ
イマT1 は、♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ
58の役割が変更された後の経過時間を計数するための
タイマである。また、所定値αは、♯1トランジスタ5
2〜♯4トランジスタ58の役割を維持すべき時間に相
当する値である。本ステップ100でT1 ≧αが成立し
ないと判別される場合は、未だ♯1トランジスタ52〜
♯4トランジスタ58の役割を変更すべき時期が到来し
ていないと判断できる。この場合、次にステップ102
の処理が実行される。
【0038】ステップ102では、♯1トランジスタ5
2および♯2トランジスタ54をデューティトランジス
タとし、♯3トランジスタ56および♯4トランジスタ
58を方向トランジスタとする処理が実行される。本ス
テップ102の処理が実行されると、♯1トランジスタ
52〜♯4トランジスタ58の役割は上記図4および図
5に示す如く決定される。
【0039】ステップ104では、第1タイマT1 がイ
ンクリメントされる。本ステップ104の処理が終了す
ると、今回のルーチンが終了される。図6に示すルーチ
ン中、上記ステップ100でT1 ≧αが成立すると判別
される場合は、♯1トランジスタ52〜♯4トランジス
タ58の役割を変更すべき時期が到来したと判断でき
る。この場合、次にステップ106の処理が実行され
る。
【0040】ステップ106では、♯3トランジスタ5
6および♯4トランジスタ58をデューティトランジス
タとし、♯1トランジスタ52および♯2トランジスタ
54を方向トランジスタとする処理が実行される。本ス
テップ106の処理が実行されると、♯1トランジスタ
52〜♯4トランジスタ58の役割が、上記図4および
図5に示す役割から反転される。
【0041】ステップ108では、第1タイマT1 の計
数値が所定値2αに到達しているか否かが判別される。
その結果、T1 ≧2αが成立しないと判別される場合
は、未だ♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ58
の役割を反転させるべき時期が到来していないと判断で
きる。この場合、以後、上記ステップ104の処理が実
行された後、今回のルーチンが終了される。一方、T1
≧2αが成立すると判別される場合は、次にステップ1
10の処理が実行される。
【0042】ステップ110では、第1タイマT1
“0”にリセットする処理が実行される。本ステップ1
10の処理が実行されると、以後、本ルーチンが起動さ
れた際に上記ステップ100の条件が成立しないと判別
され、再び♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ5
8の役割が反転される。本ステップ110の処理が終了
すると、上記ステップ104の処理が実行された後、今
回のルーチンが終了される。
【0043】上記の処理によれば、第1タイマT1 に所
定値αが計数される毎に、♯1トランジスタ52と♯2
トランジスタ54とがデューティトランジスタとして用
いられ、かつ、♯3トランジスタ56と♯4トランジス
タ58とが方向トランジスタとして用いられる第1の状
態と、♯3トランジスタ56と♯4トランジスタ58と
がデューティトランジスタとして用いられ、かつ、♯1
トランジスタ52と♯2トランジスタ54とが方向トラ
ンジスタとして用いられる第2の状態とを切り換えるこ
とができる。このため、本実施例のシステムによれば、
電磁駆動弁10の駆動に伴う熱負荷を、♯1トランジス
タ52〜♯4トランジスタ58に対して均等に分散させ
ることができる。
【0044】図7は、アッパコイル34に対して正方向
の励磁電流を流通させるためのトランジスタ(以下、正
方向トランジスタと称す)とアッパコイル34に対して
逆方向の励磁電流を流通させるためのトランジスタ(以
下、逆方向トランジスタと称す)とを交換するためにE
CU11が実行する制御ルーチンの一例のフローチャー
トを示す。図7に示すルーチンは、所定時間毎に起動さ
れる定時割り込みルーチンである。図7に示すルーチン
が起動されると、先ずステップ112の処理が実行され
る。
【0045】ステップ112では、第2タイマT2 の計
数値が所定値β以上であるか否かが判別される。第2タ
イマT2 は、♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ
58の役割が変更された後の経過時間を計数するための
タイマである。また、所定値βは、♯1トランジスタ5
2〜♯4トランジスタ58の役割を維持すべき時間に相
当する値である。本ステップ112でT2 ≧βが成立し
ないと判別される場合は、未だ♯1トランジスタ52〜
♯4トランジスタ58の役割を変更すべき時期が到来し
ていないと判断できる。この場合、次にステップ114
の処理が実行される。
【0046】ステップ114では、♯1トランジスタ5
2および♯4トランジスタ58を正方向トランジスタと
し、♯2トランジスタ54および♯3トランジスタ56
を逆方向トランジスタとする処理が実行される。本ステ
ップ114の処理が実行されると、上記図4に示す“一
方向”が“正方向”に、また、上記図5に示す“他方
向”が“逆方向”に決定される。
【0047】ステップ116では、第2タイマT2 がイ
ンクリメントされる。本ステップ116の処理が終了す
ると、今回のルーチンが終了される。図7に示すルーチ
ン中、上記ステップ112でT2 ≧βが成立すると判別
される場合は、♯1トランジスタ52〜♯4トランジス
タ58の役割を変更すべき時期が到来したと判断でき
る。この場合、次にステップ118の処理が実行され
る。
【0048】ステップ118では、♯2トランジスタ5
4および♯3トランジスタ56を正方向トランジスタと
し、♯1トランジスタ52および♯4トランジスタ58
を逆方向トランジスタとする処理が実行される。本ステ
ップ118の処理が実行されると、上記図4に示す“一
方向”が“逆方向”に、また、上記図5に示す“他方
向”が“正方向”に決定される。
【0049】ステップ120では、第2タイマT2 の計
数値が所定値2βに到達しているか否かが判別される。
その結果、T2 ≧2βが成立しないと判別される場合
は、未だ♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ58
の役割を反転させるべき時期が到来していないと判断で
きる。この場合、以後、上記ステップ116の処理が実
行された後、今回のルーチンが終了される。一方、T2
≧2βが成立すると判別される場合は、次にステップ1
22の処理が実行される。
【0050】ステップ122では、第2タイマT2
“0”にリセットする処理が実行される。本ステップ1
22の処理が実行されると、以後、本ルーチンが起動さ
れた際に上記ステップ112の条件が成立しないと判別
され、再び♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ5
8の役割が反転される。本ステップ122の処理が終了
すると、上記ステップ116の処理が実行された後、今
回のルーチンが終了される。
【0051】上記の処理によれば、第2タイマT2 に所
定値βが計数される毎に、♯1トランジスタ52と♯4
トランジスタ58とが正方向トランジスタとして用いら
れ、かつ、♯2トランジスタ54と♯3トランジスタ5
6とが逆方向トランジスタとして用いられる第1の状態
と、♯1トランジスタ52と♯4トランジスタ58とが
逆方向トランジスタとして用いられ、かつ、♯2トラン
ジスタ54と♯3トランジスタ56とが正方向トランジ
スタとして用いられる第2の状態とを切り換えることが
できる。このため、本実施例のシステムによれば、電磁
駆動弁10の駆動に伴う熱負荷を、♯1トランジスタ5
2〜♯4トランジスタ58に対して均等に分散させるこ
とができる。
【0052】尚、上記の実施例においては、アッパコイ
ル34およびロアコイル40が前記請求項1記載の「電
磁コイル」に、♯1トランジスタ52および♯4トラン
ジスタ58が前記請求項1記載の「第1スイッチング手
段」に、♯2トランジスタ54および♯3トランジスタ
56が前記請求項1記載の「第2スイッチング手段」
に、それぞれ相当していると共に、ECU11がアッパ
コイル34およびロアコイル40に正方向の励磁電流を
供給することにより前記請求項1記載の「電磁力発生手
段」が、ECU11がアッパコイル34およびロアコイ
ル40に逆方向の励磁電流を供給することにより前記請
求項1記載の「残留磁気消滅手段」が、ECU11が上
記ステップ100〜110の処理を実行することにより
前記請求項1記載の「設定切り換え手段」が、それぞれ
実現されている。
【0053】た、上記の実施例においては、アッパコ
イル34およびロアコイル40が前記請求項2記載の
「電磁コイル」に、#1トランジスタ52および#4ト
ランジスタ58の組み合わせ、又は、#2トランジスタ
54および#3トランジスタ56の組み合わせが前記請
求項2記載の「第1スイッチング素子」および「第2ス
イッチング素子」の組み合わせに、それぞれ相当してい
ると共に、ECU11が上記ステップ112〜122の
処理を実行することにより前記請求項2記載の「設定切
り換え手段」が、ECU11がデューティトランジスタ
および方向トランジスタを制御することにより前記請求
項2記載の「励磁電流制御手段」が、それぞれ実現され
ている。
【0054】次に、図8および図9を参照して、本発明
の第2実施例について説明する。本実施例のシステム
は、上記図1に示すシステム構成において、ECU11
に、図8および図9に示すルーチンを実行させることに
より実現される。上述した第1実施例において、♯1ト
ランジスタ52〜♯4トランジスタ58の役割は所定時
間毎に交換される。本実施例のシステムは、電磁駆動弁
10の弁体12が所定回数往復運動する毎に♯1トラン
ジスタ52〜♯4トランジスタ58の役割が交換される
点に特徴を有している。
【0055】図8は、デューティトランジスタと方向ト
ランジスタとを交換するためにECU11が実行する制
御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図8に示す
ルーチンは、所定時間毎に起動される定時割り込みルー
チンである。図8に示すルーチンが起動されると、先ず
ステップ124の処理が実行される。ステップ124で
は、前回の処理サイクル時から今回の処理サイクル時に
かけて電磁駆動弁10の弁体12が全開位置から全閉位
置に向けて変位し始めたか否かが判別される。その結
果、弁体12が全開位置から変位し始めていないと判別
される場合は、以後何ら処理が進められることなく今回
のルーチンが終了される。一方、弁体12が全開位置か
ら変位し始めたと判別される場合は、次にステップ12
6の処理が実行される。
【0056】ステップ126では、第1カウンタC1
インクリメントされる。第1カウンタC1 は、♯1トラ
ンジスタ52〜♯4トランジスタ58の役割が変更され
た後の弁体12の作動回数を計数するためのカウンタで
ある。ステップ128では、第1カウンタC1 の計数値
が所定値γ以上であるか否かが判別される。所定値γ
は、第1トランジスタ52〜♯4トランジスタ58の役
割を維持すべき作動回数である。本ステップ128でC
1 ≧γが成立しないと判別される場合は、未だ♯1トラ
ンジスタ52〜♯4トランジスタ58の役割を変更すべ
き時期が到来していないと判断できる。この場合、次に
ステップ130の処理が実行される。
【0057】ステップ130では、♯1トランジスタ5
2および♯2トランジスタ54をデューティトランジス
タとし、♯3トランジスタ56および♯4トランジスタ
58を方向トランジスタとする処理が実行される。本ス
テップ130の処理が実行されると、♯1トランジスタ
52〜♯4トランジスタ58の役割は上記図4および図
5に示す如く決定される。本ステップ130の処理が終
了すると、今回のルーチンが終了される。
【0058】図8に示すルーチン中、上記ステップ12
8でC1 ≧γが成立すると判別される場合は、♯1トラ
ンジスタ52〜♯4トランジスタ58の役割を変更すべ
き時期が到来したと判断できる。この場合、次にステッ
プ132の処理が実行される。ステップ132では、♯
3トランジスタ56および♯4トランジスタ58をデュ
ーティトランジスタとし、♯1トランジスタ52および
♯2トランジスタ54を方向トランジスタとする処理が
実行される。本ステップ106の処理が実行されると、
♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ58の役割
が、上記図4および図5に示す役割から反転される。
【0059】ステップ134では、第1カウンタC1
計数値が所定値2γに到達しているか否かが判別され
る。その結果、C1 ≧2γが成立しないと判別される場
合は、未だ♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ5
8の役割を反転させるべき時期が到来していないと判断
できる。この場合、以後、何ら処理が進められることな
く今回のルーチンが終了される。一方、C1 ≧2γが成
立すると判別される場合は、次にステップ136の処理
が実行される。
【0060】ステップ136では、第1カウンタC1
“0”にリセットする処理が実行される。本ステップ1
36の処理が実行されると、以後、上記ステップ128
が実行される際にC1 ≧γが成立しないと判別され、再
び♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ58の役割
が反転される。本ステップ136の処理が終了すると今
回のルーチンが終了される。
【0061】上記の処理によれば、第1カウンタC1
所定値γが計数される毎に、♯1トランジスタ52と♯
2トランジスタ54とがデューティトランジスタとして
用いられ、かつ、♯3トランジスタ56と♯4トランジ
スタ58とが方向トランジスタとして用いられる第1の
状態と、♯3トランジスタ56と♯4トランジスタ58
とがデューティトランジスタとして用いられ、かつ、♯
1トランジスタ52と♯2トランジスタ54とが方向ト
ランジスタとして用いられる第2の状態とを切り換える
ことができる。このため、本実施例のシステムによれ
ば、電磁駆動弁10の駆動に伴う熱負荷を、♯1トラン
ジスタ52〜♯4トランジスタ58に対して均等に分散
させることができる。
【0062】図9は、正方向トランジスタと逆方向トラ
ンジスタとを交換するためにECU11が実行する制御
ルーチンの一例のフローチャートを示す。図9に示すル
ーチンは、所定時間毎に起動される定時割り込みルーチ
ンである。図9に示すルーチンが起動されると、先ずス
テップ138の処理が実行される。ステップ138で
は、電磁駆動弁10の弁体12が全開位置から変位し始
めたか否かが判別される。その結果、弁体12が変位し
始めていないと判別される場合は今回のルーチンが終了
される。一方、弁体12が変位し始めたと判別される場
合は、次にステップ140の処理が実行される。
【0063】ステップ140では、第2カウンタC2
インクリメントされる。第2カウンタC2 は、上述した
第1カウンタC2 と同様に、♯1トランジスタ52〜♯
4トランジスタ58の役割が変更された後の弁体12の
作動回数を計数するためのカウンタである。ステップ1
42では、第2カウンタC2 の計数値が所定値δ以上で
あるか否かが判別される。所定値δは、第1トランジス
タ52〜♯4トランジスタ58の役割を維持すべき作動
回数である。本ステップ142でC2 ≧δが成立しない
と判別される場合は、未だ♯1トランジスタ52〜♯4
トランジスタ58の役割を変更すべき時期が到来してい
ないと判断できる。この場合、次にステップ144の処
理が実行される。
【0064】ステップ144では、♯1トランジスタ5
2および♯4トランジスタ58を正方向トランジスタと
し、♯2トランジスタ54および♯3トランジスタ56
を逆方向トランジスタとする処理が実行される。本ステ
ップ144の処理が実行されると、上記図4に示す“一
方向”が“正方向”に、また、上記図5に示す“他方
向”が“逆方向”に決定される。
【0065】図9に示すルーチン中、上記ステップ14
2でC2 ≧δが成立すると判別される場合は、♯1トラ
ンジスタ52〜♯4トランジスタ58の役割を変更すべ
き時期が到来したと判断できる。この場合、次にステッ
プ146の処理が実行される。ステップ146では、♯
2トランジスタ54および♯3トランジスタ56を正方
向トランジスタとし、♯1トランジスタ52および♯4
トランジスタ58を逆方向トランジスタとする処理が実
行される。本ステップ146の処理が実行されると、上
記図4に示す“一方向”が“逆方向”に、また、上記図
5に示す“他方向”が“正方向”に決定される。
【0066】ステップ148では、第2カウンタC2
計数値が所定値2δに到達しているか否かが判別され
る。その結果、C2 ≧2δが成立しないと判別される場
合は、未だ♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ5
8の役割を反転させるべき時期が到来していないと判断
できる。この場合、速やかに今回のルーチンが終了され
る。一方、C2 ≧2δが成立すると判別される場合は、
次にステップ150の処理が実行される。
【0067】ステップ150では、第2カウンタC2
“0”にリセットする処理が実行される。本ステップ1
50の処理が実行されると、以後、上記ステップ142
が実行される際にC2 ≧δが成立しないと判別され、再
び♯1トランジスタ52〜♯4トランジスタ58の役割
が反転される。本ステップ150の処理が終了すると今
回のルーチンが終了される。
【0068】上記の処理によれば、第2カウンタC2
所定値δが計数される毎に、♯1トランジスタ52と♯
4トランジスタ58とが正方向トランジスタとして用い
られ、かつ、♯2トランジスタ54と♯3トランジスタ
56とが逆方向トランジスタとして用いられる第1の状
態と、♯1トランジスタ52と♯4トランジスタ58と
が逆方向トランジスタとして用いられ、かつ、♯2トラ
ンジスタ54と♯3トランジスタ56とが正方向トラン
ジスタとして用いられる第2の状態とを切り換えること
ができる。このため、本実施例のシステムによれば、電
磁駆動弁10の駆動に伴う熱負荷を、♯1トランジスタ
52〜♯4トランジスタ58に対して均等に分散させる
ことができる。
【0069】尚、上記の実施例においては、ECU11
が上記ステップ124〜136の処理を実行することに
より前記請求項1記載の「設定切り換え手段」が、EC
U11が上記ステップ138〜150の処理を実行する
ことにより前記請求項2記載の「設定切り換え手段」
が、それぞれ実現されている。次に、図10および図1
1を参照して、本発明の第3実施例について説明する。
図10は、本実施例において用いられる制御回路152
が、電磁駆動弁10のアッパコイル34に対して“一方
向”の励磁電流を流通させている状態を示す。また、図
11は、本実施例において用いられる制御回路152
が、電磁駆動弁10のアッパコイル34に対して“他方
向”の励磁電流を流通させている状態を示す。
【0070】本実施例のシステムは、ECU11に、ア
ッパコイル34に対応して制御回路152を組み込み、
かつ、ロアコイル40に対応して同様の制御回路を組み
込むことで実現される。以下、図10および図11を参
照して、制御回路152の構成および動作について説明
する。尚、図10および図11において、上記図3に示
す構成部分と同一の部分には同一の符号を付してその説
明を省略する。
【0071】制御回路152は、♯1トランジスタ15
4、♯2トランジスタ156、♯1コンデンサ158お
よび♯2コンデンサ160を備えている。♯1トランジ
スタ154のコレクタ端子および♯1コンデサ158の
一の電極は、共に電源端子48に接続されている。ま
た、♯1トランジスタ154のエミッタ端子および♯1
コンデンサ158の他の電極は、それぞれアッパコイル
34の両端に接続されている。一方、♯2トランジスタ
156のコレクタ端子および♯2コンデンサ160の一
の電極は、それぞれアッパコイル34の両端に接続され
ている。また、♯2トランジスタ156のエミッタ端子
および♯2コンデンサ160の他の電極は、共に接地端
子50に接続されている。
【0072】図10に示す如く、制御回路152によれ
ば、♯1トランジスタ154をデューティ駆動すること
で、アッパコイル34に対して“1方向”の励磁電流を
流通させつつ、その励磁電流を適当な値に制御すること
ができる。また、図11に示す如く、制御回路152に
よれば、♯2トランジスタ156をディーティ駆動する
ことで、アッパコイル34に対して“他方向”の励磁電
流を流通させつつ、その励磁電流を適当な値に制御する
ことができる。
【0073】従って、制御回路152によれば、図10
に示す“1方向”を“正方向”とし、かつ、図11に示
す“他方向”を“逆方向”としてアッパコイル34に励
磁電流を流通させることにより、アッパコイル34を流
れる励磁電流を上記図2(A)に示す如く制御すること
ができる。同様に、制御回路46によれば、図10に示
す“1方向”を“逆方向”とし、かつ、図11に示す
“他方向”を“正方向”としてアッパコイル34に励磁
電流を流通させることにより、アッパコイル34を流れ
る励磁電流を上記図2(A)に示す如く制御することが
できる。
【0074】制御回路152において、図10に示す
“一方向”が“正方向”とされ、かつ、図11に示す
“他方向”が“逆方向”とされると、電磁駆動弁10の
駆動中に♯1トランジスタ154が♯2トランジスタ1
56に比して多量の熱を発生する。これに対して、図1
0に示す“一方向”が“逆方向”とされ、かつ、図11
に示す“他方向”が“正方向”とされると、電磁駆動弁
10の駆動中に♯2トランジスタ156が♯1トランジ
スタ154に比して多量の熱を発生する。
【0075】本実施例において、ECU11は、上述し
た第1実施例および第2実施例の場合と同様に、所定期
間が経過する毎に♯1トランジスタ154の役割と♯2
トランジスタ156の役割を交換する。このため、本実
施例のシステムによれば、電磁駆動弁10の駆動に伴う
熱負荷を、♯1トランジスタ154および♯2トランジ
スタ156に対して均等に分散させることができる。
【0076】尚、上記の実施例においては、♯1トラン
ジスタ154が前記請求項1記載の「第1スイッチング
手段」に、♯2トランジスタ156が前記請求項2記載
の「第2スイッチング手段」に、それぞれ相当している
と共に、ECU11がアッパコイル34およびロアコイ
ル40に正方向の励磁電流を供給することにより前記請
求項1記載の「電磁力発生手段」が、ECU11がアッ
パコイル34およびロアコイル40に逆方向の励磁電流
を供給することにより前記請求項1記載の「残留磁気消
滅手段」が、ECU11が♯1トランジスタ154の役
割と♯2トランジスタ156の役割とを交換することで
前記請求項1記載の「設定切り換え手段」が、それぞれ
実現されている。
【0077】次に、図12および図13を参照して、本
発明の第4実施例について説明する。図12は、本実施
例において用いられる制御回路162が、電磁駆動弁1
0のアッパコイル34に対して励磁電流を供給している
状態を示す。また、図12は、本実施例において用いら
れる制御回路162が、アッパコイル34に蓄えられた
電気エネルギを回生させている状態を示す。
【0078】本実施例のシステムは、ECU11に、ア
ッパコイル34に対応して制御回路162を組み込み、
かつ、ロアコイル40に対応して同様の制御回路を組み
込むことで実現される。以下、図12および図13を参
照して、制御回路162の構成および動作について説明
する。尚、図12および図13において、上記図3に示
す構成部分と同一の部分には同一の符号を付してその説
明を省略する。
【0079】制御回路162は、♯1トランジスタ16
4、♯2トランジスタ166、♯1ダイオード168お
よび♯2ダイオード170を備えている。♯1トランジ
スタ164のコレクタ端子および♯1ダイオード158
のカソード端子は、共に電源端子48に接続されてい
る。また、♯1トランジスタ164のエミッタ端子およ
び♯1ダイオード168のアノード端子は、それぞれア
ッパコイル34の両端に接続されている。一方、♯2ト
ランジスタ166のコレクタ端子および♯2ダイオード
170のカソード端子は、それぞれアッパコイル34の
両端に接続されている。また、♯2トランジスタ166
のエミッタ端子および♯2ダイオード170のアノード
端子は、共に接地端子50に接続されている。
【0080】図12に示す如く、制御回路162によれ
ば、♯2トランジスタ166をオン状態に維持しつつ♯
1トランジスタ164をデューティ駆動することで、ア
ッパコイル34に対して“一方向”の励磁電流を流通さ
せつつ、その励磁電流を適当な値に制御することができ
る。アッパコイル34は、その内部を流通する電流値が
変化しようとすると、その変化を妨げる方向に誘導起電
力を発生する。このため、アッパコイル34は、その両
端に電源電圧が供給されている状態から、電源電圧の供
給が遮断されると、電源電圧が供給されているときと同
じ向きに引き続きに電流を流し続けようとする。
【0081】制御回路162によれば、♯1トランジス
タ164および♯2トランジスタ166が共にオフ状態
とされた状態で、接地端子50側からアッパコイル34
に至り、アッパコイル34を“一方向”に流通した後電
源端子48側へ向かう電流の流れを許容することができ
る。従って、制御回路162によれば、アッパコイル3
4に“一方向”に向かう励磁電流が流通している状況下
で♯1トランジスタ164および♯2トランジスタ16
6をオフ状態とすることで、アッパコイル34に蓄えら
れた電気エネルギを電源側へ回生させることができる。
【0082】図12に示す如く、♯2トランジスタ16
6をオン状態として、♯1トランジスタ164をデュー
ティ制御することで励磁電流を制御する際には、♯1ト
ランジスタ164の発生する熱量が、♯2トランジスタ
166の発生する熱量に比して多量となる。従って、♯
1トランジスタ164および♯2トランジスタ166が
常に同じ役割を果たす場合は、♯1トランジスタ164
に熱負荷が集中する事態が生ずる。
【0083】本実施例において、ECU11は、上述し
た第1実施例乃至第3実施例の場合と同様に、所定期間
が経過する毎に♯1トランジスタ164の役割と♯2ト
ランジスタ166の役割を交換する。このため、本実施
例のシステムによれば、電磁駆動弁10の駆動に伴う熱
負荷を、♯1トランジスタ164および♯2トランジス
タ166に対して均等に分散させることができる。
【0084】尚、上記の実施例においては、♯1トラン
ジスタ164が前記請求項2記載の「第1スイッチング
素子」に、♯2トランジスタ166が前記請求項2記載
の「第2スイッチング素子」に、それぞれ相当している
と共に、ECU11が♯1トランジスタ164の役割と
♯2トランジスタ166の役割を所定期間毎に交換する
ことにより前記請求項2記載の「設定切り換え手段」
が、ECU11が♯1トランジスタ164および♯2ト
ランジスタ166をデューティ制御またはオン・オフ制
御することにより前記請求項2記載の「励磁電流制御手
段」が、それぞれ実現されている。
【0085】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、励磁電流が正方向および逆方向に流通する際に生ず
る熱負荷を、第1スイッチング手段と第2スイッチング
手段とに均等に分配することができる。このため、本発
明によれば、第1スイッチング手段および第2スイッチ
ング手段の一方に熱負荷が集中するのを防止することが
できる。
【0086】また、請求項2記載の発明によれば、スイ
ッチングロスに伴う熱負荷を第1スイッチング素子と第
2スイッチング素子とに均等に分配することができる。
このため、本発明によれば、第1スイッチング素子およ
び第2スイッチング素子の一方に熱負荷が集中するのを
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電磁駆動弁のシステム
構成図である。
【図2】図1に示す電磁駆動弁の動作を説明するための
タイムチャートである。
【図3】本発明の第1実施例において用いられる制御回
路の回路図である。
【図4】図3に示す制御回路によって一方向の励磁電流
を流通させている状態を示す図である。
【図5】図3に示す制御回路によって他方向の励磁電流
を流通させている状態を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施例において実行される制御ル
ーチンの他の例のフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施例において実行される制御ル
ーチンの一例のフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施例において実行される制御ル
ーチンの他の例のフローチャートである。
【図10】本発明の第3実施例で用いられる制御回路に
よって一方向の励磁電流を流通させている状態を示す図
である。
【図11】本発明の第3実施例で用いられる制御回路に
よって他方向の励磁電流を流通させている状態を示す図
である。
【図12】本発明の第4実施例で用いられる制御回路に
よって一方向の励磁電流を流通させている状態を示す図
である。
【図13】本発明の第4実施例で用いられる制御回路に
よって電気エネルギの回生が図られている状態を示す図
である。
【符号の説明】
10 電磁駆動弁 11 電子制御ユニット 12 弁体 34 アッパコイル 40 ロアコイル 46;152;162 制御回路 52;154 ♯1トランジスタ 54;156 ♯2トランジスタ 56 ♯3トランジスタ 58 ♯4トランジスタ 158 ♯1コンデンサ 160 ♯2コンデンサ 168 ♯1ダイオード 170 ♯2ダイオード
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 9/04 F16K 31/06 385 F16K 31/06 310 F02D 11/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁駆動弁が備える電磁コイルに適当な
    励磁電流を流通させる電磁駆動弁の制御装置において、 前記電磁コイルに一方向の励磁電流を流通させる第1ス
    イッチング手段と、 前記電磁コイルに他方向の励磁電流を流通させる第2ス
    イッチング手段と、 電磁力が要求される場合に、前記電磁コイルに正方向の
    励磁電流を流通させる電磁力発生手段と、 電磁力の減少が要求される場合に、前記電磁コイルに逆
    方向の励磁電流を流通させる残留磁気消滅手段と、 前記一方向が前記正方向に対応し、かつ、前記他方向が
    前記逆方向に対応する第1の設定と、前記一方向が前記
    逆方向に対応し、かつ、前記他方向が前記正方向に対応
    する第2の設定とを所定期間毎に切り換える設定切り換
    え手段と、 を備えることを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。
  2. 【請求項2】 電磁駆動弁が備える電磁コイルに適当な
    励磁電流を流通させる電磁駆動弁の制御装置において、 前記電磁コイルの一端に連通する第1スイッチング素子
    、前記電磁コイルの他端に連通する第2スイッチング
    素子と、からなる一組のスイッチング素子を制御するこ
    とにより、前記電磁コイルに一方向の励磁電流を流通さ
    せるスイッチング手段と、 前記第1スイッチング素子が方向制御素子に対応し、か
    つ、前記第2スイッチング素子がデューティ制御素子に
    対応する第1の設定と、前記第2スイッチング素子が前
    記方向制御素子に対応し、かつ、前記第1スイッチング
    素子が前記デューティ制御素子に対応する第2の設定と
    を所定期間毎に切り換える設定切り換え手段と、 前記電磁コイルに所定の励磁電流を流通させることが要
    求される場合に、前記方向制御素子をオン状態とし、か
    つ、前記デューティ制御素子を、前記所定の励磁電流が
    流通するようにデューティ制御する励磁電流制御手段
    と、 を備えることを特徴とする電磁駆動弁の制御装置。
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