JP3463251B2 - 4−tert−ブチルシクロヘキサノールの製造方法 - Google Patents
4−tert−ブチルシクロヘキサノールの製造方法Info
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4−tert−ブチル
シクロヘキサノールの製造方法に関するものであり、詳
しくは4−tert−ブチルフェノールの水素化による
4−tert−ブチルシクロヘキサノールの製造方法に
関する。 【0002】 【従来の技術】4−tert−ブチルシクロヘキサノー
ルは、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等とのエステ
ルとして洗剤等の汎用品向け香料に用いられている。4
−tert−ブチルシクロヘキサノールは、ルテニウ
ム、ロジウム等の貴金属あるいはニッケル等を触媒とし
て4−tert−ブチルフェノールを水素化することに
よって得ることができる。 【0003】例えば、特公昭54−95546公報には
ルテニウム触媒を用い、イソプロパノールを溶媒として
水素圧力80kg/cm2 、温度60〜80℃で水素化
する方法が示されている。また、特開平3−17384
2公報にはロジウム触媒を用い、BF3 ・(0Et)2
を助触媒として、シクロヘキサン中で水素化する方法が
示されている。しかし、これらの方法は、いずれも高価
な貴金属を使用するものであり、経済的な方法とはいえ
ない。安価なニッケル触媒を用いる方法が特開昭49−
45037公報に示されているが、水素圧力80kg/
cm2 と高く、工業的に有利な方法とはいえない。ま
た、これらの方法では、溶媒は必ずしも必要ないとの記
述はあるが、無溶媒での具体例はなく、これもコスト的
に不利な要因となる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このように従来技術で
は、コスト的に有利な方法で、かつ充分な品質を持つ4
−tert−ブチルシクロヘキサノールを製造すること
は困難であった。本発明の目的は、簡便、かつ低コスト
な4−tert−ブチルフェノールの水素化法を提供す
ることにあり、更には安価、かつ高品位な4−tert
−ブチルシクロヘキサノールを提供することにある。 【0005】 【課題を解決する手段】本発明者らは、上記のような問
題点を解決するために水素化触媒に着目して鋭意研究を
行った結果、特定のニッケル−けいそう土触媒を用い
て、4−tert−ブチルフェノールを水素化すれば、
高品位な4−tert−ブチルシクロヘキサノールを経
済的に製造できることを見い出し、本発明を完成した。 【0006】すなわち、本発明はけいそう土担体にアル
カリ土類金属とニッケルを、アルカリ土類金属の量をニ
ッケルに対して0.5〜30wt%の割合となるように
担持してなる触媒を用いて、液相、水素ガス含有雰囲気
下で水素化することを特徴とする4−tert−ブチル
シクロヘキサノールの製造方法である。 【0007】本発明で用いるニッケル−けいそう土触媒
は、工業的に行われている方法によって調製することが
できる。例えば、硝酸ニッケルの水溶液にけいそう土を
加えて均一に混合し、これに炭酸ナトリウムや炭酸アン
モニウムの水溶液を加えて塩基性炭酸ニッケルをけいそ
う土上に沈殿させた後、水洗、濾過、乾燥する沈殿法、
あるいは、硝酸ニッケルを熱分解させて得た酸化ニッケ
ルとけいそう土を、少量の水と共に混合するか焼法など
の方法で調製することができる。いずれの方法によって
も、還元処理が必要であるが、その操作性を高めるため
に、触媒表面を部分酸化する、いわゆる安定化処理を行
ってもよい。 【0008】このニッケル−けいそう土触媒は、アルカ
リ土類金属の化合物を含有する。これは、アルカリ土類
金属の化合物、例えば酸化物、水酸化物、けい酸塩、炭
酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等を触媒調整時に添加す
ることによって行うことができる。好ましくは、水ある
いは酸に溶解する性質をもったアルカリ土類金属化合物
を使用することがよい。アルカリ土類金属の中では、ラ
ジウムは放射性を有するために実用上好ましくないが、
他のベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウムおよびバリウムはいずれも使用することができ
る。中でもマグネシウム、カルシウム及びバリウムが好
ましい。また、これらの2つ以上組み合わせて使用して
もよい。 【0009】添加の方法は、沈殿法においては、ニッケ
ルの沈殿形成時にアルカリ土類金属化合物を共存させ、
共に沈殿を形成させる、いわゆる共沈法、あるいはニッ
ケルの沈殿を形成させた後、アルカリ土類金属化合物を
添加して触媒表面にアルカリ土類金属化合物を担持する
含浸法等を採用することができる。共沈法では、まずニ
ッケルを沈殿させた後に、アルカリ土類金属化合物を添
加して沈殿させる2段階法を用いることもできる。か焼
法では、酸化ニッケルとけいそう土の混合物に含浸法で
アルカリ土類金属化合物を担持することもできるし、酸
化ニッケルとけいそう土を混合する際に、アルカリ土類
金属の酸化物を共に混合することによっても目的の触媒
を得ることができる。 【0010】アルカリ土類金属の含有量はニッケル重量
に対して0.5〜30wt%の範囲にあるようにする。
好ましくは、1.0〜20wt%の範囲である。0.5
wt%より少ないと十分に効果が認められず、また30
wt%より多くても同様である。また、本発明で使用す
る触媒には、ニッケルおよびアルカリ土類金属以外の成
分が含まれていてもよい。なお、本発明でアルカリ土類
金属及びニッケルとしたのは計算の便宜のためであり、
触媒中に金属として存在することに限ることを意味する
ものではなく、化合物として存在する場合も含むことは
当然である。 【0011】上記の触媒を用いて4−tert−ブチル
フェノ−ルを水素化する。反応の形式としてはバッチ
式、連続式いずれでもよく、固定床反応を行う場合は、
ペレット状、球状等に成型した触媒を用いることができ
る。反応温度は50〜250℃が好ましく、より好まし
くは、100〜200℃である。反応圧力は特に制限は
ないが、高圧で行うことは設備費、その他で不利である
ので、1〜50kg/cm2 が適当である。 【0012】反応には溶媒を使用することもできるが、
後処理の容易さを考慮すると溶媒は使用しないことが好
ましい。特に、本発明によれば、精製工程が必要となら
ないような高選択率で4−tert−ブチルシクロヘキ
サノ−ルを得ることができるので、溶媒を使用しなけれ
ば、特別な精製工程を不要とすることができる。したが
って、プロセスの簡素化のためには溶媒は使用しないこ
とが好ましい。溶媒を使用する場合は、一般的な水素化
溶媒、例えばアルコール、エステル、エーテル、脂肪族
炭化水素等が使用できる。 【0013】 【作用】本発明の効果における作用は明らかではない
が、触媒にアルカリ土類金属を含有させることによっ
て、反応原料が有するフェノール性水酸基との間に酸−
塩基相互作用の如き力が生じ、反応原料の触媒表面への
吸着を促進させることにより、反応を容易ならしめるも
のと推測される。 【0014】 【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 硫酸ニッケル6水塩260gおよび硫酸マグネシウム7
水塩15gを水1リットルに溶解し、これにけいそう土
60gを加えて攪拌しながら、炭酸ナトリウムを210
gを0.9リットルの水に溶かした溶液を添加した。こ
の時の温度は80℃に維持した。生成した沈殿を濾過し
て硫酸根が認められなくなるまで十分に洗浄した後、1
10℃で24時間乾燥した。次に、この乾燥物を空気中
でか熱処理した後、水素で還元して触媒とした。この触
媒を分析した結果、ニッケル46.8wt%、マグネシ
ウム1.2wt%を含んでいた。 【0015】この触媒0.1g、4−tert−ブチル
フェノール50gを、200mlオートクレーブに仕込
み、反応圧力30kg/cm2 、温度150℃で反応さ
せたところ約200分で水素吸収は終了した。反応を停
止し、冷却した後反応生成物を取り出し、ガスクロマト
グラフィーで分析したところ、4−tert−ブチルシ
クロヘキサノールの収率は99.2%であった。 【0016】実施例2 硫酸マグネシウム7水塩の量を40gとした他は実施例
1と同様の操作を行った。得られた触媒はニッケル4
5.2wt%、マグネシウム3.1wt%を含んでい
た。この触媒を用いて、実施例1と同様の水素化を行っ
たところ、約180分で水素吸収は終了し、収率は9
9.4%であった。 【0017】実施例3 硫酸マグネシウム7水塩の量を80gとした他は実施例
1と同様の操作を行った。得られた触媒はニッケル4
4.0wt%、マグネシウム6.2wt%を含んでい
た。この触媒を用いて、実施例1と同様の水素化を行っ
たところ、約180分で水素吸収は終了し、収率は9
9.4%であった。 【0018】実施例4 硫酸ニッケル6水塩260gを水1リットルに溶解し、
これにけいそう土60gを加えて攪拌しながら炭酸ナト
リウム210gを0.9リットルの水に溶かした溶液を
添加した。このときの温度は80℃に維持した。生成し
た沈殿を濾過して、硫酸根が認められなくなるまで充分
に洗浄した後、110℃で24時間乾燥した。この沈殿
を硝酸マグネシウム6水塩を溶かした水中に添加し、攪
拌混合した。沈殿上に担持されるマグネシウム量が約1
wt%となるように調整、濾過した後、110℃で24
時間乾燥した。次に、この乾燥物を空気中で加熱処理し
た後、水素で還元した。このようにして得られたニッケ
ルけいそう土触媒を分析した結果、ニッケル46.3w
t%、マグネシウム1.1wt%を含んでいた。 【0019】この触媒を0.1g、4−tert−ブチ
ルフェノール50gを200mlオートクレーブに仕込
み、反応圧力30kg/cm2 、温度150℃で反応さ
せたところ約150分で水素吸収は終了した。反応を停
止し、冷却した後、反応生成物を取り出し、ガスクロマ
トグラフィーで分析したところ、4−tert−ブチル
シクロヘキサノールの収率は99.5%であった。 【0020】実施例5 沈殿上のマグネシウム量を約3wt%になるように調整
した他は実施例4と同様の操作を行った。得られた触媒
は、ニッケル45.9wt%、マグネシウム3.1wt
%を含んでいた。この触媒を用いて、実施例1と同様の
水素化を行ったところ、約150分で水素吸収は終了
し、収率は99.3%であった。 【0021】実施例6 硝酸ニッケル6水塩290gを水1リットルに溶解し、
これにけいそう土60gを加えて攪拌しながら炭酸ナト
リウムを210gを水0.9リットルに溶かした溶液を
添加した。その時の温度は80℃に維持した。生成した
沈殿を濾過して、硝酸根が認められなくなるまで充分に
洗浄した後、110℃で24時間乾燥した。この沈殿を
硝酸カルシウム4水塩を溶かした水中に添加し、攪拌混
合した。沈殿上に担持されるカルシウム量が約1wt%
となるように調整、濾過した後、110℃で24時間乾
燥した。次に、この乾燥物を空気中で乾燥処理した後、
水素で還元した。このようにして得られた触媒を分析し
た結果、ニッケル45.0wt%、カルシウム0.9w
t%を含んでいた。 【0022】この触媒を用いて実施例1と同じ条件で4
−tert−ブチルフェノールの水素化を行ったとこ
ろ、約200分で水素吸収は終了し、収率は99.0%
であった。 【0023】実施例7 硝酸カルシウムに代えて亜硝酸バリウム2.3gを使用
した他は実施例6と同様の操作を行った。得られた触媒
はニッケル45.9wt%、バリウム1.1wt%を含
んでいた。この触媒を用いて、実施例1と同様の水素化
を行ったところ、約150分で水素吸収は終了し、収率
は99.4%であった。 【0024】実施例8 硫酸ニッケル6水塩260gを水1リットルに溶解し、
これにけいそう土60gを加えて攪拌しながら炭酸ナト
リウム210gを水0.9リットルに溶かした溶液を添
加した。この時の温度は80℃に維持した。生成した沈
殿を濾過して硫酸根が認められなくなるまで充分に洗浄
した後、110℃で24時間乾燥した。この沈殿を硝酸
バリウム2.5gを溶かした水1リットル中に入れ、攪
拌しながらこの沈殿を炭酸ナトリウム2gを水0.1リ
ットルに溶かした溶液を添加した。沈殿を濾過して充分
に洗浄した後、110℃で24時間乾燥した。次に、こ
の乾燥物を空気中で加熱処理した後、水素で還元した。
このようにして得られた触媒を分析した結果、ニッケル
46.1wt%、バリウム1.0wt%を含んでいた。
この触媒を用いて実施例1の条件で反応させたところ、
約150分で水素吸収は終了し、収率は99.5%であ
った。 【0025】実施例9 硝酸バリウムの量を7g、2度目の炭酸ナトリウムの量
を6gとした他は実施例8と同様の操作を行った。得ら
れた触媒はニッケル45.1wt%、バリウム3.1w
t%を含んでいた。この触媒を用いて実施例1の条件で
反応させたところ、約170分で水素吸収は終了し、収
率は99.5%であった。 【0026】実施例10 硝酸バリウムを硫酸マグネシウム7水塩15gに代え、
2度目の炭酸ナトリウムの量を15gとした他は実施例
8と同様の操作を行った。得られた触媒はニッケル4
6.2wt%、マグネシウム1.2wt%を含んでい
た。この触媒を用いて実施例1の条件で反応させたとこ
ろ、約170分で水素吸収は終了し、収率は99.2%
であった。 【0027】実施例11 硫酸マグネシウム7水塩を50gに、炭酸ナトリウムを
50gに代えた他は実施例10と同様の操作を行った。
得られた触媒は、ニッケル44.0wt%、マグネシウ
ム4.0wt%を含んでいた。この触媒を用いて実施例
1の条件で反応させたところ、約180分で水素吸収は
終了し、収率は99.3%であった。 【0028】実施例12 実施例9の硫酸バリウム7gに代えて硝酸バリウム2.
3gと硝酸マグネシウム6水塩を13gを使用し、炭酸
ナトリウムを12gとした他は、実施例8と同様の操作
を行った。得られた触媒は、ニッケル44.0wt%、
マグネシウム1.0wt%、バリウム1.2wt%を含
んでいた。この触媒を用いて実施例1の条件で反応させ
たところ、約200分で水素吸収は終了し、収率は9
9.2%であった。 【0029】実施例13 実施例8の触媒0.5g、4−tert−ブチルフェノ
ール50gを200mlオートクレーブに仕込み、反応
圧力7kg/cm2 、温度150℃で反応させたところ
約150分で水素吸収は終了した。反応を停止し、冷却
した後反応生成物を取り出し、ガスクロマトグラフィー
で分析したところ、4−tert−ブチルシクロヘキサ
ノールの収率は99.4%であった。 【0030】比較例1 実施例1において、硫酸マグネシウムを用いない他は実
施例1と同様の操作を行った。得られた触媒は、ニッケ
ル47.4wt%、マグネシウム0.1wt%を含んで
いた。この触媒を用いて実施例1の条件で反応させたと
ころ、約24時間で水素吸収は終了し、収率は98.2
%であった。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、4−tert−ブチル
フェノールを工業的に容易に実施可能な条件で水素化す
ることができ、安価な4−tert−ブチルシクロヘキ
サノールを提供できる。
シクロヘキサノールの製造方法に関するものであり、詳
しくは4−tert−ブチルフェノールの水素化による
4−tert−ブチルシクロヘキサノールの製造方法に
関する。 【0002】 【従来の技術】4−tert−ブチルシクロヘキサノー
ルは、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸等とのエステ
ルとして洗剤等の汎用品向け香料に用いられている。4
−tert−ブチルシクロヘキサノールは、ルテニウ
ム、ロジウム等の貴金属あるいはニッケル等を触媒とし
て4−tert−ブチルフェノールを水素化することに
よって得ることができる。 【0003】例えば、特公昭54−95546公報には
ルテニウム触媒を用い、イソプロパノールを溶媒として
水素圧力80kg/cm2 、温度60〜80℃で水素化
する方法が示されている。また、特開平3−17384
2公報にはロジウム触媒を用い、BF3 ・(0Et)2
を助触媒として、シクロヘキサン中で水素化する方法が
示されている。しかし、これらの方法は、いずれも高価
な貴金属を使用するものであり、経済的な方法とはいえ
ない。安価なニッケル触媒を用いる方法が特開昭49−
45037公報に示されているが、水素圧力80kg/
cm2 と高く、工業的に有利な方法とはいえない。ま
た、これらの方法では、溶媒は必ずしも必要ないとの記
述はあるが、無溶媒での具体例はなく、これもコスト的
に不利な要因となる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】このように従来技術で
は、コスト的に有利な方法で、かつ充分な品質を持つ4
−tert−ブチルシクロヘキサノールを製造すること
は困難であった。本発明の目的は、簡便、かつ低コスト
な4−tert−ブチルフェノールの水素化法を提供す
ることにあり、更には安価、かつ高品位な4−tert
−ブチルシクロヘキサノールを提供することにある。 【0005】 【課題を解決する手段】本発明者らは、上記のような問
題点を解決するために水素化触媒に着目して鋭意研究を
行った結果、特定のニッケル−けいそう土触媒を用い
て、4−tert−ブチルフェノールを水素化すれば、
高品位な4−tert−ブチルシクロヘキサノールを経
済的に製造できることを見い出し、本発明を完成した。 【0006】すなわち、本発明はけいそう土担体にアル
カリ土類金属とニッケルを、アルカリ土類金属の量をニ
ッケルに対して0.5〜30wt%の割合となるように
担持してなる触媒を用いて、液相、水素ガス含有雰囲気
下で水素化することを特徴とする4−tert−ブチル
シクロヘキサノールの製造方法である。 【0007】本発明で用いるニッケル−けいそう土触媒
は、工業的に行われている方法によって調製することが
できる。例えば、硝酸ニッケルの水溶液にけいそう土を
加えて均一に混合し、これに炭酸ナトリウムや炭酸アン
モニウムの水溶液を加えて塩基性炭酸ニッケルをけいそ
う土上に沈殿させた後、水洗、濾過、乾燥する沈殿法、
あるいは、硝酸ニッケルを熱分解させて得た酸化ニッケ
ルとけいそう土を、少量の水と共に混合するか焼法など
の方法で調製することができる。いずれの方法によって
も、還元処理が必要であるが、その操作性を高めるため
に、触媒表面を部分酸化する、いわゆる安定化処理を行
ってもよい。 【0008】このニッケル−けいそう土触媒は、アルカ
リ土類金属の化合物を含有する。これは、アルカリ土類
金属の化合物、例えば酸化物、水酸化物、けい酸塩、炭
酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等を触媒調整時に添加す
ることによって行うことができる。好ましくは、水ある
いは酸に溶解する性質をもったアルカリ土類金属化合物
を使用することがよい。アルカリ土類金属の中では、ラ
ジウムは放射性を有するために実用上好ましくないが、
他のベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウムおよびバリウムはいずれも使用することができ
る。中でもマグネシウム、カルシウム及びバリウムが好
ましい。また、これらの2つ以上組み合わせて使用して
もよい。 【0009】添加の方法は、沈殿法においては、ニッケ
ルの沈殿形成時にアルカリ土類金属化合物を共存させ、
共に沈殿を形成させる、いわゆる共沈法、あるいはニッ
ケルの沈殿を形成させた後、アルカリ土類金属化合物を
添加して触媒表面にアルカリ土類金属化合物を担持する
含浸法等を採用することができる。共沈法では、まずニ
ッケルを沈殿させた後に、アルカリ土類金属化合物を添
加して沈殿させる2段階法を用いることもできる。か焼
法では、酸化ニッケルとけいそう土の混合物に含浸法で
アルカリ土類金属化合物を担持することもできるし、酸
化ニッケルとけいそう土を混合する際に、アルカリ土類
金属の酸化物を共に混合することによっても目的の触媒
を得ることができる。 【0010】アルカリ土類金属の含有量はニッケル重量
に対して0.5〜30wt%の範囲にあるようにする。
好ましくは、1.0〜20wt%の範囲である。0.5
wt%より少ないと十分に効果が認められず、また30
wt%より多くても同様である。また、本発明で使用す
る触媒には、ニッケルおよびアルカリ土類金属以外の成
分が含まれていてもよい。なお、本発明でアルカリ土類
金属及びニッケルとしたのは計算の便宜のためであり、
触媒中に金属として存在することに限ることを意味する
ものではなく、化合物として存在する場合も含むことは
当然である。 【0011】上記の触媒を用いて4−tert−ブチル
フェノ−ルを水素化する。反応の形式としてはバッチ
式、連続式いずれでもよく、固定床反応を行う場合は、
ペレット状、球状等に成型した触媒を用いることができ
る。反応温度は50〜250℃が好ましく、より好まし
くは、100〜200℃である。反応圧力は特に制限は
ないが、高圧で行うことは設備費、その他で不利である
ので、1〜50kg/cm2 が適当である。 【0012】反応には溶媒を使用することもできるが、
後処理の容易さを考慮すると溶媒は使用しないことが好
ましい。特に、本発明によれば、精製工程が必要となら
ないような高選択率で4−tert−ブチルシクロヘキ
サノ−ルを得ることができるので、溶媒を使用しなけれ
ば、特別な精製工程を不要とすることができる。したが
って、プロセスの簡素化のためには溶媒は使用しないこ
とが好ましい。溶媒を使用する場合は、一般的な水素化
溶媒、例えばアルコール、エステル、エーテル、脂肪族
炭化水素等が使用できる。 【0013】 【作用】本発明の効果における作用は明らかではない
が、触媒にアルカリ土類金属を含有させることによっ
て、反応原料が有するフェノール性水酸基との間に酸−
塩基相互作用の如き力が生じ、反応原料の触媒表面への
吸着を促進させることにより、反応を容易ならしめるも
のと推測される。 【0014】 【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 硫酸ニッケル6水塩260gおよび硫酸マグネシウム7
水塩15gを水1リットルに溶解し、これにけいそう土
60gを加えて攪拌しながら、炭酸ナトリウムを210
gを0.9リットルの水に溶かした溶液を添加した。こ
の時の温度は80℃に維持した。生成した沈殿を濾過し
て硫酸根が認められなくなるまで十分に洗浄した後、1
10℃で24時間乾燥した。次に、この乾燥物を空気中
でか熱処理した後、水素で還元して触媒とした。この触
媒を分析した結果、ニッケル46.8wt%、マグネシ
ウム1.2wt%を含んでいた。 【0015】この触媒0.1g、4−tert−ブチル
フェノール50gを、200mlオートクレーブに仕込
み、反応圧力30kg/cm2 、温度150℃で反応さ
せたところ約200分で水素吸収は終了した。反応を停
止し、冷却した後反応生成物を取り出し、ガスクロマト
グラフィーで分析したところ、4−tert−ブチルシ
クロヘキサノールの収率は99.2%であった。 【0016】実施例2 硫酸マグネシウム7水塩の量を40gとした他は実施例
1と同様の操作を行った。得られた触媒はニッケル4
5.2wt%、マグネシウム3.1wt%を含んでい
た。この触媒を用いて、実施例1と同様の水素化を行っ
たところ、約180分で水素吸収は終了し、収率は9
9.4%であった。 【0017】実施例3 硫酸マグネシウム7水塩の量を80gとした他は実施例
1と同様の操作を行った。得られた触媒はニッケル4
4.0wt%、マグネシウム6.2wt%を含んでい
た。この触媒を用いて、実施例1と同様の水素化を行っ
たところ、約180分で水素吸収は終了し、収率は9
9.4%であった。 【0018】実施例4 硫酸ニッケル6水塩260gを水1リットルに溶解し、
これにけいそう土60gを加えて攪拌しながら炭酸ナト
リウム210gを0.9リットルの水に溶かした溶液を
添加した。このときの温度は80℃に維持した。生成し
た沈殿を濾過して、硫酸根が認められなくなるまで充分
に洗浄した後、110℃で24時間乾燥した。この沈殿
を硝酸マグネシウム6水塩を溶かした水中に添加し、攪
拌混合した。沈殿上に担持されるマグネシウム量が約1
wt%となるように調整、濾過した後、110℃で24
時間乾燥した。次に、この乾燥物を空気中で加熱処理し
た後、水素で還元した。このようにして得られたニッケ
ルけいそう土触媒を分析した結果、ニッケル46.3w
t%、マグネシウム1.1wt%を含んでいた。 【0019】この触媒を0.1g、4−tert−ブチ
ルフェノール50gを200mlオートクレーブに仕込
み、反応圧力30kg/cm2 、温度150℃で反応さ
せたところ約150分で水素吸収は終了した。反応を停
止し、冷却した後、反応生成物を取り出し、ガスクロマ
トグラフィーで分析したところ、4−tert−ブチル
シクロヘキサノールの収率は99.5%であった。 【0020】実施例5 沈殿上のマグネシウム量を約3wt%になるように調整
した他は実施例4と同様の操作を行った。得られた触媒
は、ニッケル45.9wt%、マグネシウム3.1wt
%を含んでいた。この触媒を用いて、実施例1と同様の
水素化を行ったところ、約150分で水素吸収は終了
し、収率は99.3%であった。 【0021】実施例6 硝酸ニッケル6水塩290gを水1リットルに溶解し、
これにけいそう土60gを加えて攪拌しながら炭酸ナト
リウムを210gを水0.9リットルに溶かした溶液を
添加した。その時の温度は80℃に維持した。生成した
沈殿を濾過して、硝酸根が認められなくなるまで充分に
洗浄した後、110℃で24時間乾燥した。この沈殿を
硝酸カルシウム4水塩を溶かした水中に添加し、攪拌混
合した。沈殿上に担持されるカルシウム量が約1wt%
となるように調整、濾過した後、110℃で24時間乾
燥した。次に、この乾燥物を空気中で乾燥処理した後、
水素で還元した。このようにして得られた触媒を分析し
た結果、ニッケル45.0wt%、カルシウム0.9w
t%を含んでいた。 【0022】この触媒を用いて実施例1と同じ条件で4
−tert−ブチルフェノールの水素化を行ったとこ
ろ、約200分で水素吸収は終了し、収率は99.0%
であった。 【0023】実施例7 硝酸カルシウムに代えて亜硝酸バリウム2.3gを使用
した他は実施例6と同様の操作を行った。得られた触媒
はニッケル45.9wt%、バリウム1.1wt%を含
んでいた。この触媒を用いて、実施例1と同様の水素化
を行ったところ、約150分で水素吸収は終了し、収率
は99.4%であった。 【0024】実施例8 硫酸ニッケル6水塩260gを水1リットルに溶解し、
これにけいそう土60gを加えて攪拌しながら炭酸ナト
リウム210gを水0.9リットルに溶かした溶液を添
加した。この時の温度は80℃に維持した。生成した沈
殿を濾過して硫酸根が認められなくなるまで充分に洗浄
した後、110℃で24時間乾燥した。この沈殿を硝酸
バリウム2.5gを溶かした水1リットル中に入れ、攪
拌しながらこの沈殿を炭酸ナトリウム2gを水0.1リ
ットルに溶かした溶液を添加した。沈殿を濾過して充分
に洗浄した後、110℃で24時間乾燥した。次に、こ
の乾燥物を空気中で加熱処理した後、水素で還元した。
このようにして得られた触媒を分析した結果、ニッケル
46.1wt%、バリウム1.0wt%を含んでいた。
この触媒を用いて実施例1の条件で反応させたところ、
約150分で水素吸収は終了し、収率は99.5%であ
った。 【0025】実施例9 硝酸バリウムの量を7g、2度目の炭酸ナトリウムの量
を6gとした他は実施例8と同様の操作を行った。得ら
れた触媒はニッケル45.1wt%、バリウム3.1w
t%を含んでいた。この触媒を用いて実施例1の条件で
反応させたところ、約170分で水素吸収は終了し、収
率は99.5%であった。 【0026】実施例10 硝酸バリウムを硫酸マグネシウム7水塩15gに代え、
2度目の炭酸ナトリウムの量を15gとした他は実施例
8と同様の操作を行った。得られた触媒はニッケル4
6.2wt%、マグネシウム1.2wt%を含んでい
た。この触媒を用いて実施例1の条件で反応させたとこ
ろ、約170分で水素吸収は終了し、収率は99.2%
であった。 【0027】実施例11 硫酸マグネシウム7水塩を50gに、炭酸ナトリウムを
50gに代えた他は実施例10と同様の操作を行った。
得られた触媒は、ニッケル44.0wt%、マグネシウ
ム4.0wt%を含んでいた。この触媒を用いて実施例
1の条件で反応させたところ、約180分で水素吸収は
終了し、収率は99.3%であった。 【0028】実施例12 実施例9の硫酸バリウム7gに代えて硝酸バリウム2.
3gと硝酸マグネシウム6水塩を13gを使用し、炭酸
ナトリウムを12gとした他は、実施例8と同様の操作
を行った。得られた触媒は、ニッケル44.0wt%、
マグネシウム1.0wt%、バリウム1.2wt%を含
んでいた。この触媒を用いて実施例1の条件で反応させ
たところ、約200分で水素吸収は終了し、収率は9
9.2%であった。 【0029】実施例13 実施例8の触媒0.5g、4−tert−ブチルフェノ
ール50gを200mlオートクレーブに仕込み、反応
圧力7kg/cm2 、温度150℃で反応させたところ
約150分で水素吸収は終了した。反応を停止し、冷却
した後反応生成物を取り出し、ガスクロマトグラフィー
で分析したところ、4−tert−ブチルシクロヘキサ
ノールの収率は99.4%であった。 【0030】比較例1 実施例1において、硫酸マグネシウムを用いない他は実
施例1と同様の操作を行った。得られた触媒は、ニッケ
ル47.4wt%、マグネシウム0.1wt%を含んで
いた。この触媒を用いて実施例1の条件で反応させたと
ころ、約24時間で水素吸収は終了し、収率は98.2
%であった。 【0031】 【発明の効果】本発明によれば、4−tert−ブチル
フェノールを工業的に容易に実施可能な条件で水素化す
ることができ、安価な4−tert−ブチルシクロヘキ
サノールを提供できる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 永井 宗仁
福岡県北九州市小倉北区中井4丁目7−
2−105
(56)参考文献 特開 平7−112948(JP,A)
特開 平6−128182(JP,A)
特開 平4−227061(JP,A)
特開 平4−103548(JP,A)
特開 平3−4936(JP,A)
特開 平2−9445(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C07C 35/00
C07C 29/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 けいそう土担体に、アルカリ土類金属と
ニッケルを、アルカリ土類金属の量をニッケルに対して
0.5〜30wt%の割合となるように担持してなる触
媒を用いて、液相、水素ガス含有雰囲気下で4−ter
t−ブチルフェノールを水素化することを特徴とする4
−tert−ブチルシクロヘキサノールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35064393A JP3463251B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 4−tert−ブチルシクロヘキサノールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35064393A JP3463251B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 4−tert−ブチルシクロヘキサノールの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07196564A JPH07196564A (ja) | 1995-08-01 |
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ID=18411875
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35064393A Expired - Fee Related JP3463251B2 (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 4−tert−ブチルシクロヘキサノールの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3463251B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-29 JP JP35064393A patent/JP3463251B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH07196564A (ja) | 1995-08-01 |
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