JP3461834B2 - 弾性表面波装置及びその製造方法 - Google Patents

弾性表面波装置及びその製造方法

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JP3461834B2 JP50640196A JP50640196A JP3461834B2 JP 3461834 B2 JP3461834 B2 JP 3461834B2 JP 50640196 A JP50640196 A JP 50640196A JP 50640196 A JP50640196 A JP 50640196A JP 3461834 B2 JP3461834 B2 JP 3461834B2
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幸夫 大久保
隆裕 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、伝搬モードとしてリーキー波及び縦波型リ
ーキー波などの圧電基板の深さ方向にバルク波を放射し
ながら伝搬する弾性表面波を用いた弾性表面波装置及び
その製造方法に関する。
[背景技術] 弾性表面波装置は、電気信号を弾性表面波に変換する
ことで信号処理を行う回路素子であり、フィルタ、共振
子、遅延線などに用いられる。通用、圧電性のある弾性
体基板、すなわち、圧電基板上にインタデジタルトラン
スジューサ(IDT、櫛型電極、すだれ状電極)と呼ばれ
る金属などの導電膜からなる電極を設けることにより、
電気信号から弾性表面波への変換・逆変換を行ってい
る。
弾性表面波の特性は、圧電基板を伝搬する弾性表面波
の伝搬特性に依存しており、特に、弾性表面波装置の高
周波化に対応するためには弾性表面波の伝搬速度の速い
圧電基板が必要である。
従来、弾性表面波に用いられる基板材料としては、水
晶、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸リチウム
(LiNbO3)、四ほう酸リチウム(Li2B4O7)などが知ら
れている。また、弾性表面波装置に用いられる弾性表面
波としては、レイリー波(Rayleigh Wave)やリーキー
波(Leaky Surface Wave、漏洩弾性表面波、疑似弾性表
面波)が主に知られている。
レイリー波は、弾性体の表面を伝搬する弾性表面波で
あり、そのエネルギーを圧電基板内へ放射することな
く、すなわち、理論上伝搬損失なく伝搬する。レイリー
波を利用した弾性表面波装置に用いられる基板材料とし
て、伝搬速度が3100m/seeのSTカット水晶、3300m/secの
Xカット112゜Y伝搬のLiTaO3、4000m/secの128゜Yカ
ットX伝搬のLiNbO3、3400m/secの45゜XカットZ伝搬
のLi2B4O7などがある。
他方、弾性表面波装置にリーキー波を利用することが
検討されている。リーキー波は、弾性体の深さ方向にバ
ルク波として一つの横波成分を放射しながら表面に沿っ
て伝搬する弾性表面波である。
一般に、リーキー波は、この放射による伝搬損失が大
きく弾性表面波装置への利用は困難であるが、特別な切
り出し角及び伝搬方向では比較的伝搬損失が少ないため
利用可能である。
また、リーキー波は、レイリー波と比べて伝搬速度が
速いため、比較的高い(UHF帯以上の)周波数用の弾性
表面波装置に広く利用されている。
リーキー波を利用した弾性表面波装置に用いられる基
板材料として、伝搬速度が3900m/secのLSTカット水晶、
4200m/secの36゜YカットX伝搬のLiTaO3、4500m/secの
41゜YカットX伝搬のLiNbO3、4500m/secの64゜Yカッ
トX伝搬のLiNbO3などが知られている。
最近、本願発明者らは、リーキー波の理論をさらに発
展させて、バルク波として2つの横波成分を基板内部に
放射しながら縦波を主成分として伝搬する表面波(以
下、縦波型リーキー波という)の存在を明らかにしてい
る。
四ほう酸リチウム(Li2B4O7)の切り出し角及び伝搬
方向がオイラー角表示で(0゜〜45゜、30゜〜90゜、40
゜〜90゜)及びそれと等価な方向において、伝搬速度が
5000〜7500m/secと非常に高速度な弾性表面波が存在す
ることを明らかにした(特開平6−112763号公報参
照)。
特に、切り出し角及び伝搬方向がオイラー角表示で
(0゜〜45゜、38゜〜55゜、80゜〜90゜)及びそれと等
価な方向である場合、伝搬速度が6500〜7200m/secと高
速であるだけでなく、電気機械結合係数(k2)が大き
く、伝搬損失が低い良好な伝搬特性を示すことが分かっ
ている。
以上、説明したようにリーキー波及び縦波型リーキー
波は、一般に伝搬速度がレイリー波より速いため、弾性
表面波装置の高周波化に対応させることが可能である。
弾性表面波装置として利用するためには、少なくとも
1つのIDTが必要であり、その膜厚により伝搬特性が大
きく変化することが知られている。すなわち、IDTは、
通常、アルミニウム(Al)を主成分とする金属膜で構成
され、弾性表面波の特性は、その波長(λ)で規格化し
た導電膜の膜厚(規格化膜厚h/λ)により変化すること
が知られている。
一般に、Alなどの導電膜は、その膜厚が薄くなると比
抵抗が急激に増加するため、電気抵抗を小さくできる10
00Å以上の膜厚に設定される。そのため、電気抵抗を十
分に小さくできる規格化膜厚(h/λ)の下限値が存在
し、弾性表面波装置の高周波化とともに弾性表面波の波
長が短くなり、必要な規格化膜厚の下限値は1〜2%以
上に上昇する。
例えば、リーキー波や縦波型リーキー波を利用して1G
Hzの周波数の信号処理をする場合、必要な規格化膜厚
は、LSTカット水晶では2.5%以上、36゜YカットX伝搬
のLiTaO3では2.3%以上、41゜YカットX伝搬のLiNb
O3、64゜YカットX伝搬のLiNbO3では2.2%以上、カッ
ト角及び伝搬方向がオイラー角表示で(0゜、47.3゜、
90゜)のLi2B4O7では1.5%以上となり、高い周波数の場
合には規格化膜厚の下限はさらに大きくなる。
ところが、本願発明者らはリーキー波及び縦波型リー
キー波の分散特性を数値シミュレーションしたところ、
基板表面の金属膜がある規格化膜厚より厚くなるとリー
キー波及び縦波型リーキー波の伝搬損失が急激に増加す
るという結果を得た。
次に、その計算方法及び結果について説明する。
数値シミュレーションは、IDTとして通常使用される
シングル電極に対して行った。計算モデルを図1に示
す。圧電基板10上に電極指12(ストリップ)が弾性表面
波の伝搬方向に周期Pで形成されており、電極指幅は
M、膜厚はHであり、圧電基板10の表面上の弾性表面波
の伝搬方向をX1、圧電基板10の深さ方向をX3、X1及びX3
にそれぞれ垂直な方向をX2とする。このIDTの弾性表面
波の伝搬特性は、電極指による周期的な摂動効果により
1次のブラック反射を生じ、伝搬定数κ(波数)に周波
数分散が生じる。まず、この伝搬定数κの周波数分散を
計算する。弾性表面波の変位Uiと静電電位Φはフロケ
(Floquet)の定理を用いて、次の式1〜4に示す空間
高調波の和で表される。
ここで、弾性表面波の伝搬方向であるX3方向の減衰定
数α(m,n)と、振幅定数β (m,n)は、伝搬定数κと
角周波数ωを設定し、mに対して、各領域で、次の式5
に示す運動方程式と、式6に示す準静電近似のマクスウ
エルの方程式を解くことで求められる。
式5 cijklUk,li+ekijφ,ki=ρ 式6 eiklUk,li+εikφ,ki=0 (i,j,k,l=1,2,
3) ここで、cijkl、ekij、εikはそれぞれ弾性定数,圧電
定数,誘電定数のテンソルで、ρは密度である。
また、空間高調波の振幅定数A(m,n)は、式1〜式
4に示す境界条件を与えることにより求める。機械的境
界条件として、電極指下では変位U1、U2、U3と応力
T31、T32、T33が連続であり、電極指の間では応力T31
T32、T33が0である。電気的境界条件として、電極指下
では電位Φが一定であり、電極指間では電位φと電束密
度の境界と垂直方向成分D3が連続である。
また、電極指間を相互に短絡した短絡電極指(ショー
トストリップ)の場合は電極指上の電位Φが0であり、
電極指間を短絡せず開放している開放電極指(オープン
ストリップ)の場合は電極指上の全電荷が0である。
以上の計算から、ある角周波数ωに対する伝搬定数κ
を求めることができる。なお、空間高調波の次数mは、
十分に大きな整数として計算を行った。
一般に、電極指による周期的な摂動により、伝搬定数
が1次のブラック反射の条件(Re(κ)=π/P)を満足
する周波数帯域(ストップバンド)が生じる。ショート
ストリップによるストップバンドの両端の周波数を
fs1、fs2とし、オープンストリップによるストップバン
ドの両端の周波数をfo1、fo2とする。ストップバンド端
での伝搬定数κの虚数成分は、計算上伝搬損失が生じな
いレイリー波の場合は0となる(Im(κ)=0)。しか
し、リーキー波や縦波型リーキー波の場合は0とならな
い(Im(κ)≠0)。
ショートストリップ及びオープンストリップにおける
ストップバンド端の周波数から、弾性表面波装置の設計
方法として広く利用されているスミスのクロスフィール
ドモデルに必要なパラメータを抽出することができる。
パラメータとして、音響インピーダンスの不整合量ε
(=(Zo/Zm)−1;Zoは電極指がない部分の音響インピ
ーダンス、Zmは電極指のある部分の音響インピーダン
ス)、エネルギー蓄積量を表すサセプタンス分Be、電気
機械結合係数k2を求めた。
電極指列が両方向性の場合はショートストリップとオ
ープンストリップにおけるストップバンド端のどちらか
一方は必ず一致するが、電極指列が一方向性の場合は一
致しない(E.L.Adler et al、“Arbitrariy Oriented S
AW Gratings:Network Model and the Coupling−of−Mo
des Description"、IEEE trans.on Ultras on.Ferroele
c.Freq.Cntr.,vol.UFFC−38,no.3,pp.220−230(199
1))。この場合は、一方向性を表すサセプタンス分Br
も求めた。分散特性におけるストップバンド端の伝搬定
数κの虚数成分とスミスのクロスフィールドモデルより
得られるストップバンド端の伝搬定数の虚数成分が一致
するような伝搬損失を求めることで、ショートストリッ
プのストップバンド端fs1、fs2における伝搬損失αs1
αs2、及びオープンストリップのストップバンド端
fo1、fo2における伝搬損失αo1、αo2を求めた。
次に、具体的な計算結果の一例として、カット面及び
伝搬方向がオイラ角表示で(0゜、47.3゜、90゜)のLi
2B4O7における縦波型リーキー波に対する分散特性のAl
膜厚依存性の計算値を図2〜図5に示す。
図2〜図5は、ストップバンド端の伝搬損失αs1、α
s2、電気機械結合係数k2、エネルギー蓄積量を表すサセ
プタンス分Be、音響インピーダンスの不整合量εをそれ
ぞれ示している。なお、サセプタンス分Beは、音響アド
ミタンス(音響インピーダンスZoの逆数)で規格化して
いる。ここで、温度は25℃、電極指周期Pで規格化した
電極指幅(M/P)は0.5、電極指はアルミニウムからなる
とした。これから、電極指周期の2倍の値2Pで規格化し
たAl膜の規格化膜厚が1.7%以上で伝搬損失が0.04dB/λ
以上となることがわかる。そのため、電気抵抗が十分に
小さい規格化膜厚に設定した場合、比較的高い周波数で
動作する弾性表面波装置を設計することは困難であるこ
とがわかった。
同様に他のリーキー波においても1.5から4.0%以上の
規格化膜厚で伝搬損失が大きくなることがわかった。
このように、縦波型リーキー波などの圧電基板の深さ
方向にバルク波を放射しながら伝搬する弾性表面波の利
用において、IDTの規格化膜厚がある程度以上では伝搬
損失が増加するため、電極の内部電気抵抗を十分に低く
設定した場合、伝搬損失が大きく、弾性表面波装置の挿
入損失の劣化を招いていた。
前述したように、弾性表面波装置は、圧電基板上に設
けられたIDT(インタデジタルトランスジューサ、すだ
れ状電極、くし型電極ともいう)を用いて電気信号と圧
電基板表面を伝搬する弾性表面波とを相互に変換し、こ
の表面波を利用してフィルタ、共振子、遅延線などの機
能を発揮するデバイスである。代表的なIDTの構造は、
図6Aの断面図に示すように、金属ストリップからなる複
数対の電極指12が圧電基板10上に配置されたものであ
る。この電極指12は、IDTの内部抵抗を低くするために
必要な厚さとしている。
しかしながら、IDTの周期により規格化した膜厚(規
格化膜厚h/λ)が1%以上の場合のように、相対的に金
属ストリップが厚い場合に金属ストリップの境界部分に
よる表面波の反射が問題となる。この反射により表面波
の周波数応答波形の歪みが増大し、目的とする伝搬特性
を得ることができない。
従来の弾性表面波装置におけるIDTの構造として、図6
Bの断面図に示すものが知られている(特公昭56−36604
号公報参照)。
図6Bに示すIDTの構造は、電極指11を設ける領域の圧
電基板10に予め凹部12を設け、その凹部12内に電極指11
を形成したものである。電極指11の側面間に圧電基板10
があるため、質量的な不連続が低減できる。この従来技
術では反射の影響を抑えて特性を向上させようとしてい
る。しかし、凹部12の深さより表面波の伝搬特性が変化
するため、その深さを正確に制御することが必要とな
る。また、凹部12の形成方法によっては圧電基板10に大
きなダメージを与えるため、所定の圧電特性が得られな
い場合もある。
なお、特公昭56−36604号公報記載の発明は、電極部
を溝底部に配置し、この電極部と電極の無い部分の弾性
表面波に対する音響インピーダンスを実質的にほぼ等し
くなるように溝の深さを設定することで、電極での反射
を抑えるものである。
また、従来の弾性表面波装置におけるIDTの構造とし
て、図6Cの断面図に示すものが知られている。
図6Cに示すIDTの構造は、全面に形成したアルミニウ
ム金属層上に電極指11を設ける領域以外を開口したマス
クを設け、その開口した領域のアルミニウムを陽極酸化
することにより、電極指11の側面間に陽極酸化膜13を形
成している。電極指11間に陽極酸化膜13の質量があるた
め、質量的な不連続を低減できる(特公昭59−8964号公
報参照)。しかし、陽極酸化膜13の厚さは電極指11を構
成するアルミニウム金属層の厚さにより規定され、ま
た、電極指11を構成する金属材料及びその厚さも製造プ
ロセスにより限定される。
このように、従来は、IDTでの質量的な不連続を低減
するようなIDTの構造を製造することが困難であった。
本発明の目的は、縦波型リーキー波などの圧電基板の
深さ方向にバルク波を放射しながら伝搬する弾性表面波
を用い、比較的高い周波数を信号処理する弾性表面波装
置であって、伝搬損失を増加させることなく、電気抵抗
が十分に小さい弾性表面波装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、電極での質量的な不連続を低減
することができ、周波数応答波形の歪みを生じさせるこ
となく、伝搬特性の劣化を有効に防ぐことのできる弾性
表面波装置の製造方法を提供することにある。
[発明の開示] 本発明による弾性表面波装置は、圧電基板と、前記圧
電基板上に形成された導電膜から構成され、弾性表面波
を励起、受信、反射、伝搬する電極と、前記電極内の導
電膜の設けられた第1の領域と、前記電極内の導電膜の
設けられていない第2の領域とに形成された絶縁膜とを
有し、前記弾性表面波が、前記圧電基板の深さ方向にバ
ルク波の少なくとも1つの横波成分を放射しながらその
表面を伝搬するものであり、前記第1の領域と、前記第
2の領域の前記弾性表面波に対する音響インピーダンス
がほぼ等しくなるように、前記第1の領域の前記絶縁膜
の厚さHp1(Hp1>0)と、前記第2の領域の前記絶縁膜
の厚さHp2(Hp2>0)とが設定されていることを特徴と
する。
これにより、第1の領域と第2の領域における音響イ
ンピーダンスをほぼ等しくして、電極での質量的な不連
続を低減したので、縦波型リーキー波などの圧電基板の
深さ方向にバルク波を放射しながら伝搬する弾性表面波
を用いて、伝搬損失を増加させることなく、十分に小さ
な電気抵抗により、比較的高い周波数を信号処理するこ
とができる。
上述した弾性表面波装置において、前記導電膜の厚さ
をHm、前記第1の領域の前記絶縁膜の厚さをHp1(Hp1>
0)、前記第2の領域の前記絶縁膜の厚さをHp2(Hp2>
0)、前記弾性表面波の波長をλとし、前記絶縁膜の表
面の前記第1の領域と前記第2の領域の境界の段差(Hm
+Hp1−Hp2)が次式 −0.03≦(Hm+Hp1−Hp2)/λ≦0.01 を満たすことが望ましい。
上述した弾性表面波装置において、前記導電膜の厚さ
をHm、前記第1の領域の前記絶縁膜の厚さをHp1(Hp1>
0)、前記第2の領域の前記絶縁膜の厚さをHp2(Hp2>
0)、前記電極内の前記導電膜の電極指周期をPとし、
2Pにより規格化した、前記絶縁膜の表面の前記第1の領
域と前記第2の領域の境界の段差(Hm+Hp1−Hp2)/
(2P)が次式 −0.108×Hm/(2P)−8.5×10-3 ≦(Hm+Hp1−Hp2)/(2P)≦ −0.150×Hm/(2P)−1.0×10-3 を満たすことが望ましい。
上述した弾性表面波装置において、前記導電膜の厚さ
をHm、前記第1の領域の前記絶縁膜の厚さをHp1(Hp1>
0)、前記第2の領域の前記絶縁膜の厚さをHp2(Hp2>
0)、前記電極内の前記導電膜の電極指周期をPとし、
2Pにより規格化した、前記絶縁膜の表面の前記第1の領
域と前記第2の領域の境界の段差(Hm+Hp1−Hp2)/
(2P)が次式 −0.09×Hm/(2P)−6.6×10-3 ≦(Hm+Hp1−Hp2)/(2P)≦ −0.24×Hm/(2P)+9.1×10-3 を満たすことが望ましい。
上述した弾性表面波装置において、前記圧電基板が、
四ほう酸リチウム基板であることが望ましい。
上述した弾性表面波装置において、前記圧電基板の表
面の切り出し角及び弾性表面波の伝搬方向が、オイラ角
表示で(0゜〜45゜、38゜〜55゜、80゜〜90゜)及びそ
れと等価な範囲内であることが望ましい。
上述した弾性表面波装置において、前記圧電基板の表
面の切り出し角及び弾性表面波の伝搬方向が、オイラ角
表示で(0゜〜45゜、30゜〜90゜、40゜〜65゜)及びそ
れと等価な範囲内であることが望ましい。
また、本発明による弾性表面波装置の製造方法は、圧
電基板上に所定のパターンの導電膜を形成し、弾性表面
波を励起、受信、反射、伝搬するための電極を形成する
第1の工程と、前記電極内の導電膜の設けられた第1の
領域と、前記電極内の導電膜の設けられていない第2の
領域とに絶縁膜を形成する第2の工程と、前記第1の領
域の絶縁膜の厚さHp1(Hp1>0)と、前記第2の領域の
前記絶縁膜の厚さHp2(Hp2>0)とを、前記第1の領域
と前記第2の領域の前記弾性表面波に対する音響インピ
ーダンスがほぼ等しくなるようにする第3の工程とを有
することを特徴とする。
これにより、第1の領域と第2の領域の音響インピー
ダンスがほぼ等しくなるようにできるので、電極での質
量的な不連続を低減でき、弾性表面波の伝搬損失を低く
抑え、より優れた特性の弾性表面波装置を簡単な製造工
程により製造することができる。
上述した弾性表面波装置の製造方法において、前記第
2の工程では、前記絶縁膜を前記第1の領域に形成して
もよい。
上述した弾性表面波装置の製造方法において、前記第
3の工程は、前記絶縁膜上に平坦化膜を形成する平坦化
工程と、前記第1の領域の前記絶縁膜が露出するまで、
前記平坦化膜をエッチングし、その後は、前記絶縁膜と
前記平坦化膜のエッチング選択比が所望の値となるエッ
チング条件で、前記第1の領域又は前記第2の領域の前
記絶縁膜のいずれかをより多くエッチングするエッチン
グ工程とを有することが望ましい。
上述した弾性表面波装置の製造方法において、前記エ
ッチング工程は、ドライエッチングであり、エッチング
圧を変化することにより、前記絶縁膜と前記平坦化膜の
エッチング選択比を制御することが望ましい。
上述した弾性表面波装置の製造方法において、前記弾
性表面波装置で励起、受信、反射、伝搬する弾性表面波
が、前記圧電基板の深さ方向にバルク波の少なくとも1
つの横波成分を放射しながらその表面を伝搬するもので
あることが望ましい。
上述した弾性表面波装置の製造方法において、前記圧
電基板が、四ほう酸リチウム基板であることが望まし
い。
上述した弾性表面波装置の製造方法において、前記圧
電基板の表面の切り出し角及び弾性表面波の伝搬方向
が、オイラ角表示で(0゜〜45゜、38゜〜55゜、80゜〜
90゜)及びそれと等価な範囲内であることが望ましい。
上述した弾性表面波装置の製造方法において、前記圧
電基板の表面の切り出し角及び弾性表面波の伝搬方向
が、オイラ角表示で(0゜〜45゜、30゜〜90゜、40゜〜
65゜)及びそれと等価な範囲内であることが望ましい。
[図面の簡単な説明] 図1は、数値シミュレーションに用いた従来の弾性表
面波装置におけるシングル電極型IDTの断面構造を示す
図である。
図2は、四ほう酸リチウム基板上の縦波型リーキー波
におけるストップバンド端の伝搬損失αs1、αs2の電極
膜厚依存性のシミュレーション結果を示すグラフであ
る。
図3は、四ほう酸リチウム基板上の縦波型リーキー波
における電気機械結合係数k2の電極膜厚依存性のシミュ
レーション結果を示すグラフである。
図4は、四ほう酸リチウム基板上の縦波型リーキー波
におけるエネルギー蓄積量及び一方向性を表すサセプタ
ンス分Be、Brの電極膜厚依存性のシミュレーション結果
を示すグラフである。
図5は、四ほう酸リチウム基板上の縦波型リーキー波
における音響インピーダンスの不整合量εの電極膜厚依
存性のシミュレーション結果を示すグラフである。
図6A〜Cは、従来の弾性表面波の電極構造を説明する
ための断面図である。
図7は、数値シミュレーションに用いた本発明による
弾性表面波装置におけるシングル電極型IDTの断面構造
を示す図である。
図8は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0の場合のストップバ
ンド端の伝搬損失αs1のシミュレーション結果を示すグ
ラフである。
図9は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0の場合の電気機械結
合係数k2のシミュレーション結果を示すグラフである。
図10は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0の場合の一方向性を
表すサセプタンス分Brのシミュレーション結果を示すグ
ラフである。
図11は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0の場合の音響インピ
ーダンスの不整合εのシミュレーション結果を示すグラ
フである。
図12は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.02の場合のストップ
バンド端の伝搬損失αs1のシミュレーション結果を示す
グラフである。
図13は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.02の場合の電気機械
結合係数k2のシミュレーション結果を示すグラフであ
る。
図14は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.02の場合の一方向性
を表すサセプタンス分Brのシミュレーション結果を示す
グラフである。
図15は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.02の場合の音響イン
ピーダンスの不整合量εのシミュレーション結果を示す
グラフである。
図16は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.04の場合のストップ
バンド端の伝搬損失αs1のシミュレーション結果を示す
グラフである。
図17は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.04の場合の電気機械
結合係数k2のシミュレーション結果を示すグラフであ
る。
図18は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.04の場合の一方向性
を表すサセプタンス分Brのシミュレーション結果を示す
グラフである。
図19は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.04の場合の音響イン
ピーダンスの不整合量εのシミュレーション結果を示す
グラフである。
図20は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.06の場合のストップ
バンド端の伝搬損失αs1のシミュレーション結果を示す
グラフである。
図21は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.06の場合の電気機械
結合係数k2のシミュレーション結果を示すグラフであ
る。
図22は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.06の場合の一方向性
を表すサセプタンス分Brのシミュレーション結果を示す
グラフである。
図23は、絶縁膜の厚さHp1/2P=0.06の場合の音響イン
ピーダンスの不整合量εのシミュレーション結果を示す
グラフである。
図24は、本発明の一実施例による弾性表面波装置の構
造を説明するための図である。
図25は、本発明の一実施例による弾性表面波装置の通
過周波数特性を示すグラフである。
図26は、比較例の弾性表面波装置の通過周波数特性を
示すグラフである。
図27A〜Dは、本発明の一実施例による弾性表面波装
置の製造方法の工程断面図である。
図28は、ドライエッチングにおけるCF4ガスの圧力
と、SiO2膜及びレジスト膜のエッチング速度の関係を示
すグラフである。
図29A〜Cは、本発明の一実施例による弾性表面波装
置の製造方法により製造された弾性表面波装置の断面図
である。
図30A〜Eは、本発明の他の実施例による弾性表面波
装置の製造方法の工程断面図である。
図31は、ドライエッチングにおけるCF4ガスの圧力
と、SiO2膜のエッチング速度と四ほう酸リチウムに対す
るエッチング速度の比を示すグラフである。
[発明を実施するための最良の形態] 本願発明者らは、図7に示す電極構造の計算モデルを
採用し、伝搬損失が小さくすることができる最適な電極
構造を数値シミュレーションより求めた。
図7は、圧電基板10の表面に周期Pで電極指12が形成
され、その表面上に絶縁膜18が形成された電極構造であ
る。絶縁膜18の厚さは、電極指12上とそれ以外の圧電基
板10上では異なった値としている。シミュレーション
は、上述のシングル電極型IDTに対する方法を改良し
た。上述の式1〜式4の他に、次に示す式7及び式8で
示すような絶縁膜18中での各方向の変位及び電位を考慮
することで行った。
上述した方法と同様に、式1〜式4及び式7、8の境
界条件を満足することにより、伝搬定数κの周波数分散
特性を求めることができる。このようにして求めた分散
特性から、上述の方法と同様にして、設計に必要なパラ
メータを求めた。なお、弾性表面波は縦波型リーキー波
であり、圧電基板を四ほう酸リチウム単結晶とし、切り
出し角及び弾性表面波の伝搬方向がオイラー角表示で
(0゜、47.3゜、90゜)となるように電極指が設けられ
ており、電極指がアルミニウム、絶縁膜が二酸化ケイ素
で形成された条件とした。
次に、シミュレーション結果を示す。
図8〜図11は、電極指周期Pの2倍の2Pにより規格化
した電極指12上の絶縁膜18の厚さHp1/2Pが0の場合のス
トップバンド端の伝搬損失αs1、電気機械結合係数k2
一方向性を表すサセプタンス分Br、音響インピーダンス
の不整合量εをそれぞれ示している。横軸を、規格化し
た絶縁膜18表面の段差ΔH(=(Hm+Hp1−Hp2)/(2
P))とし、縦軸を、規格化した電極指の厚さHm/(2P)
として示している。
図12〜図15は、電極指周期Pの2倍の2Pにより規格化
した電極指12上の絶縁膜18の厚さHp1/2Pが0.02の場合の
ストップバンド端の伝搬損失αs1、電気機械結合係数
k2、一方向性を表すサセプタンス分Br、音響インピーダ
ンスの不整合量εをそれぞれ示している。
図16〜図19は、電極指周期Pの2倍の2Pにより規格化
した電極指12上の絶縁膜18の厚さHp1/2Pが0.04の場合の
ストップバンド端の伝搬損失αs1、電気機械結合係数
k2、一方向性を表すサセプタンス分Br、音響インピーダ
ンスの不整合量εをそれぞれ示している。
図20〜図23は、電極指周期Pの2倍の2Pにより規格化
した電極指12上の絶縁膜18の厚さHp1/2Pが0.06の場合の
ストップバンド端の伝搬損失αs1、電気機械結合係数
k2、一方向性を表すサセプタンス分Br、音響インピーダ
ンスの不整合量εをそれぞれ示している。
実際の弾性表面波装置におけるIDTによる伝搬損失特
性を反映しているストップバンド端の伝搬損失αs1は、
絶縁膜18表面の段差ΔHに強く依存している。
電極指12の厚さHm/(2P)や電極指12上の絶縁膜18の
厚さHp1/2Pが比較的厚い場合、例えば、それぞれが6%
程度までの厚さの場合には、ストップバンド端の伝搬損
失αs1は、電極指12の厚さHm/(2P)や電極指12上の絶
縁膜18の厚さHp1/2Pにはあまり影響されないことがわか
る。
この範囲では、絶縁膜18表面の段差ΔHが−0.03以
上、0.01以下において伝搬損失が0.02dB/λ以下にでき
ることがわかる。
また、この範囲では、音響インピーダンスの不整合量
εの絶対値が3%以下であり、電極指12のある部分と電
極指12のない部分の音響インピーダンスをほぼ等しくす
ることで、電極指12の厚さHm/(2P)が比較的厚い場合
でも伝搬損失を0.02dB/λ以下に抑えられることがわか
る。
なお、電極指12上に絶縁膜18がない(Hp1/2P=0)場
合と比べ、電極指12上に絶縁膜18がある場合の方が0.02
dB/λ以下の伝搬損失が得られる範囲が広がることがわ
かる。
さらに、音響インピーダンスの不整合量εを十分に低
く、±0.5%以下とすると、電極12内の多重反射による
周波数応答の歪みを抑えることができる。この範囲の規
格化した絶縁膜18表面の段差ΔH(=(Hm+Hp1−Hp2)
/(2P))は、電極指12の厚さHm/(2P)に若干依存
し、次式を満たす範囲に設定することが望ましい。
−0.108×Hm/(2P)−8.5×10-3 ≦(Hm+Hp1−Hp2)/(2P)≦ −0.150×Hm/(2P)−1.0×10-3 加えて、弾性表面波装置の設計において、電極指列の
一方向性を表すサセプタンス分Brを十分に小さな値とす
ることが必要な場合がある。
このような場合には、伝搬損失が低く、かつ、一方向
性を表すサセプタンス分Brを十分に低く、例えば、±0.
5%以下にできる範囲における、規格化した絶縁膜18表
面の段差ΔH(=(Hm+Hp1−Hp2)/(2P))は、電極
指12上の絶縁膜18の厚さHp1/(2P)にはほとんど依存せ
ず、次式を満たす範囲に設定することが望ましい。
−0.09×Hm/(2P)−6.6×10-3 ≦(Hm+Hp1−Hp2)/(2P)≦ −0.24×Hm/(2P)+9.1×10-3 なお、以上の範囲において電気機械結合係数k2は2.5
〜3.0%程度の十分な値が得られ、また、温度特性にも
優れていることがわかった。
次に、本発明の一実施例による弾性表面波装置につい
て図24〜図25を用いて説明する。
実施例の弾性表面波装置の構造を図23に示す。この弾
性表面波装置は、主面が(011)面である四ほう酸リチ
ウム単結晶からなる圧電基板10上に、電極線幅λ/4のイ
ンタディジタル電極からなる入力IDT20と出力IDT22が形
成され、これら入力IDT22と出力IDT24間の伝搬領域に、
入力IDT22と出力IDT24と同一周期及び同一開口長のショ
ートストリップ24が形成されているトランスバーサルフ
ィルタである。
入力IDT20と出力IDT22は同じ構成であり、電極指が2
0.5対であり、電極指周期が4μm(電極指幅が2μ
m、波長が8μm)であり、開口長が400μmであり、
弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表示で(0゜、47.3
゜、90゜)となるような向きに形成されている。
入力IDT20、出力IDT22及びショートストリップ24は、
厚さ200nmのアルミニウム(Al)により形成されてお
り、規格化膜厚が2.5%(Hm=0.025)である。
入力IDT20、出力IDT22及びショートストリップ24の電
極指の間には、厚さ200nmの二酸化珪素(SiO2)からな
る絶縁膜18が形成されている。入出力IDT20及び出力IDT
22の電極指上には、電極指間のショートを防ぎ、信頼性
を向上するためにごく薄い絶縁膜18が残されている。し
たがって、Hp2/2P=0.025、Hp1/2P0となる。
ショートストリップ24の伝搬路の長さを、それぞれ、
0.4mm、0.8mm及び1.2mmとした場合の通過周波数特性を
図25に示す。本実施例によれば、伝搬路長を変化させて
も最小挿入損失はほとんど変化せず、伝搬損失が0.02dB
/λ以下と良好なことがわかる。
比較例として、入力IDT20、出力IDT22及びショートス
トリップ24内の電極指間に絶縁膜18が設けられておら
ず、入力IDT20、出力IDT22及びショートストリップ24の
アルミニウム(Al)の膜厚を160nmと薄くし、他は構造
は実施例と同様にした弾性表面波装置について通過周波
数特性を測定した。この比較例では、Hm/2P=0.02、Hp1
/2P=Hp2/2P=0となる。
ショートストリップ24の伝搬路の長さを、それぞれ、
0.4mm、0.8mm及び1.2mmとした場合の比較例の通過周波
数特性を図26に示す。この比較例によれば、伝搬路長を
変化させると最小挿入損失が大きく変化し、伝搬損失が
0.1dB/λ以上になることがわかる。
以上の通り、本実施形態による弾性表面波装置は、圧
電基板と、該圧電基板上に弾性表面波を励起、受信、反
射、伝搬するための導電膜から構成される電極とを含
み、該弾性表面波が、前記圧電基板の深さ方向にバルク
波の少なくとも1つの横波成分を放射しながらその表面
を伝搬するものであり、電極内の導電膜の設けられた領
域と、電極内の導電膜の設けられていない領域の前記弾
性表面波に対する音響インピーダンスがほぼ等しいもの
である。このため、縦波型リーキー波などの圧電基板の
深さ方向にバルク波を放射しながら伝搬する弾性表面波
を用いた1GHz以上などの比較的高い周波数を信号処理す
るような弾性表面波装置において、伝搬損失を増加させ
ることなく、電気抵抗が十分に小さい電極構造が可能で
あり、更なる高周波動作の要求に十分対応することがで
きる。
次に、本発明の一実施例による弾性表面波装置の製造
方法について図27乃至図29を用いて説明する。
圧電基板10として(011)カットの四ほう酸リチウム
単結晶からなる基板を用いる。まず、図27Aに示すよう
に、圧電基板10の全面に導電膜12として厚さ0.14μmの
純アルミニウム膜を真空蒸着法により成膜する。続い
て、弾性表面波が90゜X伝搬するようにパターニングさ
れたフォトレジストパターン(図示せず)をマスクとし
て導電膜12をエッチングしてIDTを形成する。このと
き、IDT以外の領域に膜厚測定用のモニタ部26、ボンデ
ィングパッド(図示せず)等をパターニングする。導電
膜12のエッチングは、四ほう酸リチウム基板10がエッチ
ングされないように、pHが10以上のアルカリ性のエッチ
ング液を用いて行う。
IDT形状は、電極指幅が1μm、電極指周期が2μ
m、IDT周期が4μm、開口長が200μm、IDT対数が20.
5対であり、弾性表面波が90゜X伝搬するように2つのI
DTを配置している。この場合の基板の切りだし角及び表
面波の伝搬方向は、オイラ角表示で(0゜、47.3゜、90
゜)である。
次に、図27Bに示すように、導電膜12、膜厚測定用の
モニタ部26等を設けた圧電基板10の表面に絶縁膜である
SiO2膜18を形成する。スパッタリング法により厚さ0.43
μmのSiO2膜18に形成する。電極指の周期、すなわち、
電極指幅の2倍に比べて導電膜12、SiO2膜18の厚さは十
分薄く、3分の1程度であるので、SiO2膜18は厚さは全
面ほぼ均一であり、導電膜12の厚みと同程度の凹凸がそ
の表面に形成される。
次に、図27Cに示すように、SiO2膜18上に平坦化層と
なるレジスト膜28を形成する。このレジスト膜28は、ノ
ボラック樹脂系のレジスト(商品名「HPR−1183」、富
士ハント社製)を回転塗布し、その後、後述のエッチン
グ工程の温度よりも高い温度、好ましくは150℃以上で
ベーキングする。レジスト膜28の表面は導電膜12の厚み
に比べて充分に平坦となり、その凹凸が0.03μm以下に
形成される。
次に図27Dに示すように、レジスト膜28上からエッチ
ングすることにより、SiO2膜18の厚さを導電膜12が形成
されている領域と、形成されていない領域とで異なるよ
うにする。エッチングは、平行平板プラズマエッチング
装置を用いたドライエッチングである。流量40sccmのCF
4を用い、RFパワーは100Wとした。
レジスト膜28とSiO2膜18のエッチング速度は異なり、
エッチング圧であるCF4のガス圧に大きく依存してい
る。図28に、レジスト膜28とSiO2膜18のエッチング速度
と、エッチング圧との関係を示す。図28のグラフから、
レジスト膜28のエッチング速度RrとSiO2膜のエッチング
速度Rsの比であるエッチング選択比Rr/Rsが変化するこ
とがわかる。
レジスト膜28とSiO2膜18を同時にエッチングする場合
には、SiO2膜18がエッチングされることにより発生する
酸素によりレジスト膜28のエッチング速度が速くなるの
で、計算値よりエッチング圧を低めに設定する。
エッチングを開始すると、当初はレジスト膜28のみが
エッチングされ、SiO2膜18の凹部にレジスト膜28が残さ
れた状態となる。さらに、エッチングを進めると、エッ
チング圧により設定されたエッチング選択比により、Si
O2膜18とレジスト膜28がいずれかが多くエッチングされ
る。その結果、導電膜12が形成されている領域と、導電
膜12が形成されていない領域とで、エッチング量が異な
り、表面に凹凸が形成される。
この凹凸での段差ΔHは、図29A〜Cに示すように、
次式 ΔH=Hm+Hp1−Hp2 で定義される。但し、Hmは導電膜12の厚さ、Hp1は導電
膜12上のSiO2膜18の厚さ、Hp2は導電膜12が形成されて
いない圧電基板10上のSiO2膜18の厚さである。
レジスト膜28が全てエッチング除去された時点でエッ
チングを終了すると段差ΔHは、 ΔH=Hm(1−(Rs/Rr)) となる。すなわち、レジスト膜28の表面にSiO2膜18が露
出した時点で残ったレジスト膜28の厚さは導電膜12の厚
さHmに相当し、その後、レジスト膜28をすべて除去する
までの時間はHm/Rrに等しい。この時間内にSiO2膜18も
同時にエッチングされるので、エッチング速度の差であ
る(Rr−Rs)と、その時間Hm/Rrの積から、段差ΔHは
上式の関係となる。
図29Cは、エッチング選択比(Rr/Rs)が1未満の場合
のエッチング結果であり、図29Bは、エッチング選択比
(Rr/Rs)がほぼ1の場合のエッチング結果であり、図2
9Aは、エッチング選択比(Rr/Rs)が1を越えた場合の
エッチング結果である。
Rr/Rsが1未満では導電膜12上が凹部となるようにSiO
2膜18が残され、Rr/Rsがほぼ1ではSiO2膜18の表面は平
坦となり、Rr/Rsが1を超えた場合には導電膜12上が凸
部となるようにSiO2膜18が残される。
このようにエッチング選択比(Rr/Rs)を制御するこ
とにより、導電膜12が形成されている領域と、形成され
ていない領域とで、SiO2膜18をそれぞれ所望の厚さに制
御できることがわかる。
本実施例では、エッチング圧を5Pa、8Paまたは10Paと
し、モニタ部26上に残されたSiO2膜18の厚さをドライエ
ッチングを行いながらレーザ干渉計を用いて光学的に測
定し、その厚さが0.1μmとなった時点でエッチングを
終了した。
エッチング圧が5Paの場合、エッチング選択比(Rr/R
s)は約0.7であり、図29Aに示すように、導電膜12のな
い部分のSiO2膜18が凸部となり、段差ΔHは−21.1nmと
負となった。
エッチング圧が8Paの場合、エッチング選択比(Pr/R
s)は約1.0であり、図29Bに示すように、導電膜12の有
無に関わらずSiO2膜18の表面は平坦となり、段差ΔHは
1.7nmとほぼ零となった。
エッチング圧が10Paの場合、エッチング選択比(Rr/R
s)は約1.1であり、図29Cに示すように、導電膜12上のS
iO2膜18の部分が凸部となり、段差ΔHは5.8nmで正とな
った。
このように、エッチング圧を5Paから10Paに変化する
ことにより、段差ΔHを負から正に制御することができ
る。また、エッチング中にモニタ部26上の膜厚を測定す
る上述したモニタ方法により、SiO2膜18の厚さをその場
で測定し、高い精度で制御することができるので、中心
周波数などの弾性表面波装置の電気的特性のバラツキが
低減され、再現性が向上する。
その後、ボンディングパッド部(図示せず)上のSiO2
膜18を選択的に除去し、パッケージに収めるなどのアセ
ンブリ工程を経て弾性表面波フィルタとして完成する。
このように、本実施形態によれば、インタデジタル電
極上に絶縁膜を全面に形成した後、IDT内で圧電基板上
と導電膜上との絶縁膜の厚さを異なったものとしている
ので、簡単な製造工程により微細構造のIDTにおける質
量的な不連続が低減することができる。したがって、弾
性表面波の周波数応答の歪みを低く抑え、よりすぐれた
特性の弾性表面波装置を簡単な工程で作製することがで
きる。
次に、本発明の他の実施例による弾性表面波装置の製
造方法について図30及び図31を用いて説明する。
圧電基板10として(011)カットの四ほう酸リチウム
単結晶からなる基板を用いる。まず、図30Aに示すよう
に、圧電基板10の全面に絶縁膜としてスパッタリング法
により厚さ0.1μmのSiO2膜18を形成する。この絶縁膜
としては、SiOX(X1)などの他の酸化珪素膜を用い
ることもできる。
次に、図30Bに示すように、SiO2膜18上にマスクとな
るレジスト膜30を形成する。このレジスト膜30は、厚さ
1.4μmであり、目的のIDTパターン形状の開口部32を有
する。この開口部32を精度よく形成するため、解像力の
高いノボラック樹脂系レジスト(商品名「HPR−1183」
富士ハント社製)を用いている。IDT形状は、電極指幅
が1μm、電極指周期が2μm、IDT周期が4μm、開
口長が200μm、IDT対数が20.5対であり、弾性表面波が
90゜X伝搬するように2つのIDTを配置している。この
場合の圧電基板10の切りだし角及び表面波の伝搬方向
は、オイラ角表示で(0゜、47.3゜、90゜)である。
次に、図30Cに示すように、レジスト膜30をマスクと
して開口部32のSiO2膜をドライエッチングする。ドライ
エッチングは、CF4をエッチングガスとして用い、平行
平板プラズマエッチング装置で行った。RFパワーは150W
で、ガス圧は12Paである。この条件で、圧電基板10の四
ほう酸リチウムとSiO2膜18のエッチング速度の比は10以
上ある。このため、SiO2膜18を充分にエッチングしても
圧電基板10はほとんど侵されず、ダメージを受けること
はない。
エッチングガスCF4のガス圧を変えた場合のSiO2に対
するエッチング速度と、四ほう酸リチウムとSiO2に対す
るエッチング速度の選択比を図31に示す。
エッチングガス圧が5Pa以上では選択比が5以上とな
る。特に、エッチングガス圧が10Pa以上では選択比が10
以上となる。圧電基板10のダメージを少なくするために
は、5以上の選択比が必要であり、10以上の選択比が望
ましい。
エッチングガス圧が14Paを超えると選択比は向上する
がSiO2のエッチング速度が低くなり、生産性が低下す
る。
なお、エッチングガスに他のCHF3などのふっ化炭素化
合物を用いることもでき、酸素、窒素などのガスを添加
してもよい。
次に、図30Dに示すように、圧電基板10の露出した開
口部32を含むレジスト膜30の全面に導電膜として厚さ0.
1μmのアルミニウム膜34を真空蒸着法により形成す
る。
次に、図30Eに示すように、リフトオフ法を用いてIDT
パターンの導電膜12を形成する。すなわち、溶媒にてレ
ジスト膜30を溶解して除去すると、レジスト膜30上のア
ルミニウム膜34がリフトオフされ、開口部32にのみアル
ミニウム膜34が残り、IDTパターンの導電膜12が形成さ
れる。
なお、アルミニウム膜34は、スパッタリング法等によ
っても形成することができるが、リフトオフの際にアル
ミニウム膜34を除去しやすいので、真空蒸着法による形
成が望ましい。
このように、本実施形態によれば、同一のマスクを用
いて絶縁膜と導電膜の形成を行うので、それぞれのパタ
ーン間のずれが無く、整合性よく形成できる。加えて、
絶縁膜と導電膜の厚さをそれぞれ独立に設定することが
できる。したがって、IDTでの質量的な不連続を低減で
き、弾性表面波の伝搬損失を低く抑え、よりすぐれた特
性の弾性表面波装置を簡単な工程で作製することができ
る。
本発明は上述した実施形態に限らず種々の変形が可能
である。
例えば、上述した実施形態では、IDTなどを構成する
金属としてアルミニウムを用いているが、ストレスマイ
グレーションを低減する程度のCu、Si、Coなどを添加し
てもよいし、配向性のアルミニウム膜を用いてもよい
し、金などの他の金属を用いるてもよい。
また、上述した実施形態では、絶縁膜としてSiO2を用
いているが、窒化珪素膜などの他の無機化合物を用いて
もよい。また、それらを積層してもよい。
また、上述した実施形態では、エッチングガスとして
CF4を用いているが、CHF3等の他のふっ化炭素化合物を
用いるてもよいし、酸素、窒素などのガスを添加しても
よい。また、ドライエッチングではなくウエットエッチ
ングを用いてもよい。
また、上述した一実施形態では、入力IDT、出力IDT、
ショートストリップを用いたトランスバーサルフィルタ
に本発明を適用したが、伝搬路上にショートストリップ
を設けなくてもよく、他の電極形式を用いてもよい。例
えば、一対のグレーティング反応器の間に櫛型電極を設
けた共振子型のフィルタや、共振子、多数の櫛型電極を
並列に接続した構造(IIDT構造)などにも本発明を適用
することもできる。
また、上述した他の実施形態では、2つのIDTを用い
たフィルタに本発明を適用したが、3つ以上のIDTや、
反射器等を用いた他の構造のフィルタや、共振子等にも
適用できる。
[産業上の利用可能性] 本発明は、圧電基板上に弾性表面波を励起、受信、反
射、伝搬する電極が設けられた弾性表面波装置に適して
おり、特に、伝搬モードとしてリーキー波および縦波型
リーキー波などの圧電基板の深さ方向にバルク波を放射
しながら伝搬する1GHz以上の高い周波数の弾性表面波を
用いた弾性表面波装置として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−155825(JP,A) 特開 昭57−15514(JP,A) 特開 昭60−90412(JP,A) 特開 平6−164293(JP,A) 特開 平5−7124(JP,A) 特開 平6−112763(JP,A) 実開 昭50−108379(JP,U)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電基板と、 前記圧電基板上に形成された導電膜から構成され、弾性
    表面波を励起、受信、反射、伝搬する電極と、 前記電極内の導電膜の設けられた第1の領域と、前記電
    極内の導電膜の設けられていない第2の領域とに形成さ
    れた絶縁膜とを有し、 前記弾性表面波が、前記圧電基板の深さ方向にバルク波
    の少なくとも1つの横波成分を放射しながらその表面を
    伝搬するものであり、 前記第1の領域と、前記第2の領域の前記弾性表面波に
    対する音響インピーダンスがほぼ等しくなるように、前
    記第1の領域の前記絶縁膜の厚さHp1(Hp1>0)と、前
    記第2の領域の前記絶縁膜の厚さHp2(Hp2>0)とが設
    定されている ことを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項記載の弾性表面波装置に
    おいて、 前記導電膜の厚さをHm、前記第1の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp1(Hp1>0)、前記第2の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp2(Hp2>0)、前記弾性表面波の波長をλと
    し、前記絶縁膜の表面の前記第1の領域と前記第2の領
    域の境界の段差(Hm+Hp1−Hp2)が次式 −0.03≦(Hm+Hp1−Hp2)/λ≦0.01 を満たすことを特徴とする弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】請求の範囲第1項記載の弾性表面波装置に
    おいて、 前記導電膜の厚さをHm、前記第1の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp1(Hp1>0)、前記第2の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp2(Hp2>0)、前記電極内の前記導電膜の電極
    指周期をPとし、2Pにより規格化した、前記絶縁膜の表
    面の前記第1の領域と前記第2の領域の境界の段差(Hm
    +Hp1−Hp2)/(2P)が次式 −0.108×Hm/(2P)−8.5×10-3 ≦(Hm+Hp1−Hp2)/(2P)≦ −0.150×Hm/(2P)−1.0×10-3 を満たすことを特徴とする弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】請求の範囲第1項記載の弾性表面波装置に
    おいて、 前記導電膜の厚さをHm、前記第1の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp1(Hp1>0)、前記第2の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp2(Hp2>0)、前記電極内の前記導電膜の電極
    指周期をPとし、2Pにより規格化した、前記絶縁膜の表
    面の前記第1の領域と前記第2の領域の境界の段差(Hm
    +Hp1−Hp2)/(2P)が次式 −0.09×Hm/(2P)−6.6×10-3 ≦(Hm+Hp1−Hp2)/(2P)≦ −0.24×Hm/(2P)+9.1×10-3 を満たすことを特徴とする弾性表面波装置。
  5. 【請求項5】請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに
    記載の弾性表面波装置において、 前記圧電基板が、四ほう酸リチウム基板であることを特
    徴とする弾性表面波装置。
  6. 【請求項6】請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに
    記載の弾性表面波装置において、 前記圧電基板の表面の切り出し角及び弾性表面波の伝搬
    方向が、オイラ角表示(0゜〜45゜、38゜〜55゜、80゜
    〜90゜)及びそれと等価な範囲内であることを特徴とす
    る弾性表面波装置。
  7. 【請求項7】請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに
    記載の弾性表面波装置において、 前記圧電基板の表面の切り出し角及び弾性表面波の伝搬
    方向が、オイラ角表示で(0゜〜45゜、30゜〜90゜、40
    ゜〜65゜)及びそれと等価な範囲内であることを特徴と
    する弾性表面波装置。
  8. 【請求項8】圧電基板上に所定のパターンの導電膜を形
    成し、弾性表面波を励起、受信、反射、伝搬するための
    電極を形成する第1の工程と、 前記電極内の導電膜の設けられた第1の領域と、前記電
    極内の導電膜の設けられていない第2の領域とに、絶縁
    膜を形成する第2の工程と、 前記第1の領域の絶縁膜の厚さHp1(Hp1>0)と、前記
    第2の領域の前記絶縁膜の厚さHp2(Hp2>0)とを、前
    記第1の領域と前記第2の領域の前記弾性表面波に対す
    る音響インピーダンスがほぼ等しくなるようにする第3
    の工程と を有することを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  9. 【請求項9】請求の範囲第8項記載の弾性表面波装置の
    製造方法において、 前記第3の工程は、 前記絶縁膜上に平坦化膜を形成する平坦化工程と、 前記第1の領域の前記絶縁膜が露出するまで、前記平坦
    化膜をエッチングし、その後は、前記絶縁膜と前記平坦
    化膜のエッチング選択比が所望の値となるエッチング条
    件で、前記第1の領域又は前記第2の領域の前記絶縁膜
    のいずれかをより多くエッチングするエッチング工程と を有することを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  10. 【請求項10】請求の範囲第9項に記載の弾性表面波装
    置の製造方法において、 前記エッチング工程は、ドライエッチングであり、エッ
    チング圧を変化することにより、前記絶縁膜と前記平坦
    化膜のエッチング選択比を制御することを特徴とする弾
    性表面波装置の製造方法。
  11. 【請求項11】請求の範囲第8項乃至第10項のいずれか
    に記載の弾性表面波装置の製造方法において、 前記弾性表面波装置で励起、受信、反射、伝搬する弾性
    表面波が、前記圧電基板の深さ方向にバルク波の少なく
    とも1つの横波成分を放射しながらその表面を伝搬する
    ものであることを特徴とする弾性表面波装置の製造方
    法。
  12. 【請求項12】請求の範囲第8項乃至第11項のいずれか
    に記載の弾性表面波装置の製造方法において、 前記導電膜の厚さをHm、前記第1の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp1(Hp1>0)、前記第2の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp2(Hp2>0)、前記弾性表面波の波長をλと
    し、前記絶縁膜の表面の前記第1の領域と前記第2の領
    域の境界の段差(Hm+Hp1−Hp2)が次式 −0.03≦(Hm+Hp1−Hp2)/λ≦0.01 を満たすことを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  13. 【請求項13】請求の範囲第8項乃至第11項のいずれか
    に記載の弾性表面波装置の製造方法において、 前記導電膜の厚さをHm、前記第1の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp1(Hp1>0)、前記第2の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp2(Hp2>0)、前記電極内の前記導電膜の電極
    指周期をPとし、2Pにより規格化した、前記絶縁膜の表
    面の前記第1の領域と前記第2の領域の境界の段差(Hm
    +Hp1−Hp2)/(2P)が次式 −0.108×Hm/(2P)−8.5×10-3 ≦(Hm+Hp1−Hp2)/(2P)≦ −0.150×Hm/(2P)−1.0×10-3 を満たすことを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  14. 【請求項14】請求の範囲第8項乃至第11項のいずれか
    に記載の弾性表面波装置の製造方法において、 前記導電膜の厚さをHm、前記第1の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp1(Hp1>0)、前記第2の領域の前記絶縁膜の
    厚さをHp2(Hp2>0)、前記電極内の前記導電膜の電極
    指周期をPとし、2Pにより規格化した、前記絶縁膜の表
    面の前記第1の領域と前記第2の領域の境界の段差(Hm
    +Hp1−Hp2)/(2P)が次式 −0.09×Hm/(2P)−6.6×10-3 ≦(Hm+Hp1−Hp2)/(2P)≦ −0.24×Hm/(2P)+9.1×10-3 を満たすことを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  15. 【請求項15】圧電基板上に所定のパターンの導電膜を
    形成し、弾性表面波を励起、受信、反射、伝搬するため
    の電極を形成する第1の工程と、 前記電極内の導電膜の設けられた第1の領域と、前記電
    極内の導電膜の設けられていない第2の領域とのうち、
    少なくとも前記第2の領域に絶縁膜を形成する第2の工
    程と、 前記第1の領域の絶縁膜の厚さHp1(Hp1≧0)と、前記
    第2の領域の前記絶縁膜の厚さHp2(Hp2>0)とを、前
    記第1の領域と前記第2の領域の前記弾性表面波に対す
    る音響インピーダンスがほぼ等しくなるようにする第3
    の工程とを有し、 前記第3の工程は、 前記絶縁膜上に平坦化膜を形成する平坦化工程と、 前記第1の領域の前記絶縁膜が露出するまで、前記平坦
    化膜をエッチングし、その後は、前記絶縁膜と前記平坦
    化膜のエッチング選択比が所望の値となるエッチング条
    件で、前記第1の領域又は前記第2の領域の前記絶縁膜
    のいずれかをより多くエッチングするエッチング工程と
    を有し、 前記エッチング工程は、ドライエッチングであり、エッ
    チング圧を変化することにより、前記絶縁膜と前記平坦
    化膜のエッチング選択比を制御する ことを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  16. 【請求項16】請求の範囲第8項乃至第15項のいずれか
    に記載の弾性表面波装置の製造方法において、 前記圧電基板が、四ほう酸リチウム基板であることを特
    徴とする弾性表面波装置の製造方法。
  17. 【請求項17】請求の範囲第8項乃至第16項のいずれか
    に記載の弾性表面波装置の製造方法において、 前記圧電基板の表面の切り出し角及び弾性表面波の伝搬
    方向が、オイラ角表示で(0゜〜45゜、38゜〜55゜、80
    ゜〜90゜)及びそれと等価な範囲内であることを特徴と
    する弾性表面波装置の製造方法。
  18. 【請求項18】請求の範囲第8項乃至第16項のいずれか
    に記載の弾性表面波装置の製造方法において、 前記圧電基板の表面の切り出し角及び弾性表面波の伝搬
    方向が、オイラ角表示で(0゜〜45゜、30゜〜90゜、40
    ゜〜65゜)及びそれと等価な範囲内であることを特徴と
    する弾性表面波装置の製造方法。
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