JP3461547B2 - モノアルキルホスフィンの製造方法 - Google Patents

モノアルキルホスフィンの製造方法

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JP3461547B2 JP32900693A JP32900693A JP3461547B2 JP 3461547 B2 JP3461547 B2 JP 3461547B2 JP 32900693 A JP32900693 A JP 32900693A JP 32900693 A JP32900693 A JP 32900693A JP 3461547 B2 JP3461547 B2 JP 3461547B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モノアルキルホスフィ
ンの製造方法に関するものである。とくに本発明は、繊
維やプラスチック等に難燃性、帯電防止性等を付与する
ために有用な、モノアルキルホスフィンを、良好な選択
率と収率で製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】最近、繊維やプラスチック等に難燃性、樹
脂改質、帯電防止性等の高機能性が要求されている。こ
れらの用途には有機リン化合物、例えばメチルホスフィ
ン等のモノアルキルホスフィンが使用されている。従
来、モノアルキルホスフィンの製造方法としては、ラジ
カル重合触媒で合成する試みがなされたが、ラジカル触
媒による反応に選択性がないため、モノ〜トリ−ホスフ
ィンの混合物が生成してしまい、それらを精製蒸留して
も高純度なモノアルキルホスフィンを得ることができな
い。また、収率も低いといった欠点を有している[J.Or
g.Chem.,26,5138〜5145(1961)]。上記反応で得られる生
成物は、本発明方法で得られるものとは異なり、下記式
のモノ〜トリ−アルキルホスフィンの混合物が得られ
る。
【0003】
【化2】
【0004】また、他にホスフィンとアルケンの酸触媒
による反応が知られている[J.Org.Chem.,24 356〜359
(1959)、USP2,584,112]。この方法は、酸触媒としてア
ルカンスルホン酸の水溶液を使用することから、ジアル
キルホスフィン、トリアルキルホスフィンのホスフィン
化合物が副生し易く、これらの副生物を除去するのは困
難であり、また副反応による収率低下は避けられない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
実に鑑み、機能性有機リン化合物の中間体として有用な
ポリエステル用難燃剤(米国特許第4,127,566号明細
書、特開昭52-33628号公報)のモノアルキルホスフィン
について鋭意研究をおこなった結果、ホスフィンとアル
ケンとを反応させモノアルキルホスフィンを製造する方
法において、無水のアルカンスルホン酸を触媒と有機溶
媒存在下で反応することにより、ジアルキルホスフィ
ン、トリアルキルホスフィンを含まないモノアルキルホ
スフィンを、高純度で且つ高収率で得ることを知見し、
本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ホスフ
ィンとアルケンとを反応させモノアルキルホスフィンを
製造する方法において、下記に示す一般式(1)
【0007】
【化3】R−SO3 H (1)
【0008】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を
表す)で示される無水のアルカンスルホン酸の一種また
は二種以上の触媒と有機溶媒の存在下で反応をすること
を特徴とするモノアルキルホスフィンの製造方法を提供
するものである。とくに本発明は、アルケンとして、炭
素原子数8〜20のものを使用することにより、例え
ば、下記一般式(2)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、mは1〜2、nは0〜2の整数を
示す)で表されるモノアルキルホスフィンを提供するこ
とが可能になる。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。 (本発明の方法で製造される化合物)本発明の方法によ
り製造されるモノアルキルホスフィンは、上記の一般式
(2)で示されるようなもので、それらの化合物を例示
すれば、2−ホスフィノ−2,4,4−トリメチルペンタ
ン、4−ホスフィノ−2,2,4,6,6−ペンタメチルヘ
プタン、4−ホスフィノ−2,2,4,6,6,8,8−ヘプ
タメチルノナン、2−ホスフィノ−2,4,4,6,6−ペ
ンタメチルヘプタン、6−ホスフィノ−2,2,4,4,
6,8,8,10,10−ノナメチルウンデカン等が挙げら
れる。
【0012】(本発明の製造方法)本発明の方法は、ホ
スフィンとアルケンとを一般式(1)
【0013】
【化5】R−SO3 H (1)
【0014】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を
表す)で示される無水のアルカンスルホン酸の一種また
は二種以上の触媒と有機溶媒の存在下で反応をすること
により得ることができる。
【0015】(ホスフィン)本発明の方法に使用するた
めの原料であるホスフィンは、いかなる製法に基づくも
のであってもよい。例えば、次亜リン酸ソ−ダの製造に
際して副生する粗製ホスフィンを、脱水、脱アルシン、
脱低級水素化燐化合物の精製操作をしたホスフィンガス
及び高圧圧縮ホスフィンガス、液化ホスフィン等が用い
られるが、特に限定されるものではない。
【0016】(アルケン)他の原料として使用するアル
ケンは、直鎖または分岐を有する不飽和脂肪族炭化水素
であるが、炭素数4以上であり、好ましくは8〜20で
ある。例えば2,2,4−トリメチル−1−ペンテン、
2,4,4−トリメチル−2−ペンテン、イソオクテン、
トリイソブチレン、テトライソブチレン等が挙げられ
る。本発明においてはイソオクテンを使用した場合、イ
ソオクテンは通常2,2,4−トリメチル−1−ペンテン
(75%)と2,4,4−トリメチル−2−ペンテン(2
5%)との混合物であるが、混合物を分離することなく
反応で得られる2−ホスフィノ−2,4,4−トリメチル
ペンタンは高純度、高収率で得られ特に好ましい。
【0017】(触媒)また、使用する触媒は、下記一般
式(1)
【0018】
【化6】R−SO3 H (1) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す)
【0019】で示される非酸化性強酸の炭素数1〜4の
低級アルカンスルホン酸を使用するのが好ましく、例え
ばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスル
ホン酸、ブタンスルホン酸等が挙げられる。これらは、
一種または二種以上の混合物を使用しても差し支えな
く、また、無水であることが必要であるが、工業的に入
手できるものであればよく、その水分は通常、1.0%
以下、好ましくは500ppm以下である。これらの非
酸化性強酸の炭素数1〜4の低級アルカンスルホン酸
は、不安定なものも多く、使用前に蒸留等により精製す
ることが好ましい。触媒の使用量は、原料1モルに対し
て0.1モル程度が必要であり、好ましくは0.8〜1.
0モルである。
【0020】(溶媒) 本発明において使用する反応溶媒は、生成するモノアル
キルホスフィンよりも高沸点の有機溶媒は除かれ、工業
的に入手が容易な炭素数8未満の飽和炭化水素が適し、
例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、
石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、石油スピリ
ット、石油ナフサ、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、ベンゼン、トエン、キシレン、エチルベンゼン
等が挙げられ、好ましくはトルエン、ベンゼン、n−ヘ
キサン等である。これらの溶媒は無水である必要がある
が、工業的に入手できるものであればよく、通常、水分
は1.0ppm以下、好ましくは500ppm以下であ
る。
【0021】(反応条件)反応条件は、反応剤の物性、
選択される溶媒または触媒によって異なるが、オ−トク
レ−ブ等による高圧容器を用いて加圧下で行い、アルケ
ンとホスフィンのモル比は1:1乃至1:5モル、好ま
しくは1:1乃至1:2モルが適当である。反応温度
は、室温〜100℃、好ましくは60〜80℃であり、
反応時間は通常1〜24時間,好ましくは2〜10時間
である。
【0022】原料の仕込は、反応容器内を窒素やヘリウ
ム等の不活性ガスで十分に置換した後、アルケンの自己
重合を防止するために、反応溶媒、アルケン、ホスフィ
ンの順序で行い、所望の温度に昇温後、触媒を圧入する
のが望ましい。反応終了後は、室温に冷却後過剰の未反
応ホスフィンを不活性ガスで置換し,約24時間十分に
静置した後、触媒のアルカンスルホン酸を分離した後、
残った有機層を必要に応じてアルカリ洗浄や減圧による
単蒸留により、金属、水分等の不純物を含まない高純度
モノアルキルホスフィンを得ることができる。
【0023】
【作用】本願発明の反応の特徴は、アルケンの炭素数が
大きい場合、反応がスムーズに進み、アルケンの炭素数
が小さい場合と異なり、反応終了後の有機溶媒中には目
的物であるモノアルキルホスフィンしか含まれず、精製
する必要のないことである。また、 反応によって副生す
るアルキルホスフィンは、トリアルキルホスフィンは生
成せず、しかも副生するジアルキルホスフィンは触媒の
アルカンスルホン酸層にキャッチされる。すなわち、反
応終了後、分液後、高純度のモノアルキルホスフィンを
得ることができる。
【0024】本発明の他の特徴としては、上記反応を無
水系で行うことにある。反応を無水系で行うと、水系で
行う場合に不可避的に副生するジアルキルホスフィンま
たはトリアルキルホスフィン化合物の生成を抑制するこ
とができる。また、無水のアルカンスルホン酸触媒は、
触媒自身の脱水能力により装置内の微量の水分もキャッ
チすることができるので水分の混入を完全に防止して、
無水系の反応を完全ならしめモノアルキルホスフィンを
高純度で得ることができる。反応系は無水で行うのがよ
いが、使用する触媒や溶媒は工業的に入手できるもので
あればよく、とくに精製する必要はない。
【0025】
【実施例】以下に実施例によって更に本発明を具体的に
説明する。実施例 1 反応容器約1リットルの撹拌機付きステンレス製のオ−
トクレ−ブを使用し、内部を窒素置換した後、溶媒とし
てn−ヘキサン300mlと2,4,4−トリメチル−1
−ペンテン112.2g(1.0モル)とホスフィン3
4.0g(1.0モル)を室温にて添加した。反応系全体
の水分は約100ppmであった。オ−トクレ−ブの圧
力は、7.0気圧であった。反応温度を80℃に昇温
し、メタンスルホン酸96.1g(1.0モル)を圧入ポ
ンプで約3時間かけて添加した。オ−トクレ−ブ内の圧
力は、12.5気圧から5気圧まで低下した。さらに、
80℃に保ちながら4時間熟成させた。反応終了後、約
30℃まで冷却し、未反応のホスフィンを排気し、窒素
で系内を十分に置換した。反応生成物をオ−トクレ−ブ
より抜取り、一昼夜室温にて静置後、分液し下層のメタ
ンスルホン酸を除去した。得られたn−ヘキサン層を、
ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、原料の反応
残は殆どなく、反応転換率は99.8%であった。ま
た、目的物以外の成分は検出されず、溶媒を除いた純度
は99.0%であった。(選択率100%)このn−ヘ
キサン層を減圧で単蒸留したところ、無色透明液体9
7.4g(収率66.6%)が得られた。
【0026】得られた生成物は、FT−IR、1H−N
MR、GC−MSによって2−ホスフィノ−2,4,4−
トリブチルペンタンであることが確認された。沸点は、
79〜80℃(62mmHg)であった。 FT−IR(液膜法):2950、2880、227
5、1465、13601065cm-1 1 H−NMR(CDCl3 、δ):1.02(s、9
H)、1.32(d、6H、J=10.8Hz)、1.6
3(s、2H)、2.94(d、2H、J=190、2
Hz) GC−MS:m/z=146(M+
【0027】実施例 2 実施例1の2,4,4−トリメチル−1−ペンテンの代わ
りに2,4,4−トリメチル−2−ペンテン112.2g
(1.0モル)を使用した他は、実施例1と同様に反応
をおこなった。その結果、得られたn−ヘキサン層をガ
スクロマトグラフィ−で分析したところ、原料の反応残
は殆どなく、反応転換率は99.6%であった。また、
目的物以外の成分は検出されず、溶媒を除いた純度は9
8.0%であった。(選択率100%) このn−ヘキサン層を減圧で単蒸留したところ、無色透
明液体98.8g(収率67.6%)が得られた。得られ
た生成物は、FT−IR、1H−NMR、GC−MSに
よって2−ホスフィノ−2,4,4−トリブチルペンタン
であることが確認された。この結果、反応させるアルケ
ンが異性体でも、同じ生成物が合成できることが確認さ
れた。
【0028】実施例 3 溶媒としてn−ヘキサン300mlとイソオクテン
(2,4,4−トリメチル−1−ペンテン75%、2,4,
4−トリメチル−2−ペンテン22%の混合物)11
2.2g(1.0モル)、ホスフィン68.0g(2.0モ
ル)を室温にて添加した後は、実施例1と同様に反応を
おこなった。容器内の圧力は、 21.5気圧から15気
圧まで低下した。その結果、得られたn−ヘキサン層を
ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、原料の反応
残は殆どなく、反応転換率は99.8%であった。ま
た、目的物以外の成分は検出されず、溶媒を除いた純度
は98.8%であった。(選択率100%) このn−ヘキサン層を減圧で単蒸留したところ、無色透
明液体125.9(収率86.1%)が得られた。得られ
た生成物は、FT−IR、1H−NMR、GC−MSに
よって2−ホスフィノ−2,4,4−トリブチルペンタン
であることが確認された。
【0029】実施例 4 溶媒としてn−ヘキサン300mlとイソオクテン(2,
4,4−トリメチル−1−ペンテン75%、2,4,4−ト
リメチル−2−ペンテン22%の混合物)112.2g
(1.0モル)、ホスフィン34.0g(1.0モル)を
室温で添加し、触媒をエタンスルホン酸110.1g
(1.0モル)を使用した他は、実施例1と同様に反応
をおこなった。その結果、得られたn−ヘキサン層をガ
スクロマトグラフィ−で分析したところ、原料のイソオ
クテンが1.2%残り、反応転換率は98.8%であっ
た。また、目的物以外の成分は検出されず、溶媒を除い
た純度は98.8%であった。(選択率100%) このn−ヘキサン層を減圧で単蒸留したところ、無色透
明液体96.3(収率65.9%)が得られた。得られた
生成物は、FT−IR、1H−NMR、GC−MSによ
って2−ホスフィノ−2,4,4−トリブチルペンタンで
あることが確認された。
【0030】実施例 5 溶媒としてn−ヘキサン300mlとイソオクテン
(2,4,4−トリメチル−1−ペンテン75%、2,4,
4−トリメチル−2−ペンテン22%の混合物)11
2.2g(1.0モル)、ホスフィン34.0g(1.0モ
ル)を室温で添加し、触媒をメタンスルホン酸57.7
g(0.6モル)を使用した他は、実施例1と同様に反
応をおこなった。その結果、得られたn−ヘキサン層を
ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、原料のイソ
オクテンが4.5%残り、反応転換率は95.5%であっ
た。また、目的物以外の成分は検出されず、溶媒を除い
た純度は98.8%であった。(選択率100%) このn−ヘキサン層を減圧で単蒸留したところ、無色透
明液体92.3(収率63.1%)が得られた。得られた
生成物は、FT−IR、1H−NMR、GC−MSによ
って2−ホスフィノ−2,4,4−トリブチルペンタンで
あることが確認された。
【0031】実施例 6 反応容器として約1リットルのステンレス製のオートク
レーブを使用し、溶媒として300mlのn−ヘキサン
と168.3g(1.0モル)のトリイソブチレン(異性
体混合物)、ホスフィン44.9g(1.32モル)を室
温にて添加した。オートクレーブの圧力は7.7気圧で
あった。反応温度を80℃に昇温し、メタンスルホン酸
96.1g(1.0モル)を圧入ポンプで約3時間かけて
添加した。オートクレーブ内の圧力は15.5気圧から
8.5気圧まで低下した。更に、80℃に保ちながら4
時間熟成した。反応終了後、約30℃まで冷却し、未反
応のホスフィンを排気し、窒素で系内を充分に置換し
た。反応生成物をオートクレーブより抜き取り、一昼夜
室温にて静置後、分液し下層のメタンスルホン酸層を除
去した。得られたn−ヘキサン層を、ガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、反応転換率は55.5%であ
った。このn−ヘキサン層を減圧で蒸留し、沸点135
〜140℃(55mmHg)の留分を分取したところ、
無色透明液体91.0g(収率45.0%)得られた。 GC−MS:m/z=202(M+) 得られた化合物は、2,2,4,6,6−ペンタメチル−4
−ホスフィノヘプタン(64%)と2,4,4,6,6−ペ
ンタメチル−2−ホスフィノヘプタン(36%)の混合
物であると同定された。
【0032】実施例 7 反応容器として約1リットルのステンレス製のオートク
レーブを使用し、溶媒として300mlのn−ヘキサン
と98.7g(0.44モル)のテトライソブチレン(異
性体混合物)、ホスフィン47.2g(1.39モル)を
室温にて添加した。オートクレーブの圧力は10.6気
圧であった。反応温度を90℃に昇温し、メタンスルホ
ン酸96.1g(1.0モル)を圧入ポンプで約3時間か
けて添加した。オートクレーブ内の圧力は19.5気圧
から9気圧まで低下した。更に、90℃に保ちながら4
時間熟成した。反応終了後、約30℃まで冷却し、未反
応のホスフィンを排気し、窒素で系内を充分に置換し
た。反応生成物をオートクレーブより抜き取り、一昼夜
室温にて静置後、分液し下層のメタンスルホン酸層を除
去した。得られたn−ヘキサン層を、ガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、反応転換率は52.2%であ
った。このn−ヘキサン層を減圧で蒸留し、沸点150
〜160℃(10mmHg)の留分を分取したところ、
無色透明液体47.9g(収率42.1%)得られた。 GC−MS:m/z=258(M-) 得られた化合物は、2,2,4,6,6,8,8−ヘプタメチ
ル−4−ホスフィノノナンであると同定された。
【0033】実施例 8 反応容器として約1リットルのステンレス製のオートク
レーブを使用し、溶媒として300mlのn−ヘキサン
と28.5g(0.1モル)のペンタイソブチレン(異性
体混合物)、ホスフィン34.0g(1.0モル)を室温
にて添加した。オートクレーブの圧力は7気圧であっ
た。反応温度を90℃に昇温し、メタンスルホン酸2
8.8g(0.3モル)を圧入ポンプで約1時間かけて添
加した。オートクレーブ内の圧力は13.5気圧から1
0.5気圧まで低下した。更に、90℃に保ちながら4
時間熟成した。反応終了後、約30℃まで冷却し、未反
応のホスフィンを排気し、窒素で系内を充分に置換し
た。反応生成物をオートクレーブより抜き取り、一昼夜
室温にて静置後、分液し下層のメタンスルホン酸層を除
去した。得られたn−ヘキサン層を、ガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、反応転換率は42.5%であ
った。このn−ヘキサン層を減圧で蒸留し、沸点200
〜220℃(10mmHg)の留分を分取したところ、
無色透明液体11.5g(収率36.6%)得られた。 GC−MS:m/z=314(M+) 得られた化合物は、2,2,4,4,6,8,8,10,10−
ノナメチル−6−ホスフィノウンデカンであると同定さ
れた。
【0034】実施例 9 溶媒にトルエン300mlを使用して、ホスフィン3
4.0g(1.0モル)とイソオクテン(2,4,4−トリ
メチル−1−ペンテン75%、2,4,4−トリメチル−
2−ペンテン22%の混合物)112.2g(1.0モ
ル)を反応させた。以下実施例1と同様に操作した。容
器内の圧力は、12.0気圧から4.5気圧まで低下し
た。得られたトルエン層を、ガスクロマトグラフィーで
分析したところ、原料のイソオクテンはトレース量であ
り、反応転換率は99.8%であった。目的物以外の成
分は検出されず、溶媒を除いた純度は98.8%あった
(選択率100%)。このトルエン層を減圧で蒸留した
ところ、1,1,3,3−テトラメチルブチルホスフィン
が104.7g(収率71.6%)得られた。
【0035】実施例 10 実施例9と同様にして、溶媒にトルエン300mlを使
用して以下同様の操作を行った。得られたベンゼン層
を、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、原料の
イソオクテンはトレース量であり、反応転換率は99.
8%であった。目的物以外の成分は検出されず、溶媒を
除いた純度は98.8%あった(選択率100%)。減
圧で蒸留したところ、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルホスフィンが101.3g(収率69.3%)得られ
た。飽和脂肪族炭化水素よりも芳香族炭化水素を溶媒に
用いたほうが、収率が良かった。
【0036】比較例 1 反応容器約1リットルのステンレス製のオ−トクレ−ブ
を使用し、溶媒としてn−ヘキサン300mlとイソオ
クテン(2,4,4−トリメチル−1−ペンテン75%、
2,4,4−トリメチル−2−ペンテン22%の混合物)
112.2g(1.0モル)と高純度ホスフィン51.0
g(1.5モル)を室温にて添加した。オ−トクレ−ブ
の圧力は、10.0気圧であった。反応温度を80℃に
昇温し、p−トルエンスルホン酸1水塩910.2g
(1.0モル)を100gの水で溶解させた水溶液を圧
入ポンプで約3時間かけて添加した。オ−トクレ−ブ内
の圧力は、15気圧で一定であった。さらに、80℃に
保ちながら15時間熟成させた。反応終了後、約30℃
まで冷却し、未反応のホスフィンを排気し、窒素で系内
を十分に置換した。反応生成物をオ−トクレ−ブより抜
取り、一昼夜室温にて静置後、分液し下層のメタンスル
ホン酸を除去した。得られたn−ヘキサン層を、ガスク
ロマトグラフィ−で分析したところ、原料のイソオクテ
ンが多量に残り、反応転換率は8.5%であった。
【0037】比較例 2 反応容器約1リットルのステンレス製のオ−トクレ−ブ
を使用し、溶媒としてn−ヘキサン300mlとイソオ
クテン(2,4,4−トリメチル−1−ペンテン75%、
2,4,4−トリメチル−2−ペンテン22%の混合物)
112.2g(1.0モル)と高純度ホスフィン34.0
g(1.0モル)を室温にて添加した。オ−トクレ−ブ
の圧力は、7.0気圧であった。反応温度を80℃に昇
温し、メタンスルホン酸96.1g(1.0モル)を40
gの水で溶解させた水溶液を圧入ポンプで約3時間かけ
て添加した。オ−トクレ−ブ内の圧力は、12.5気圧
から5気圧まで低下した。さらに、80℃に保ちながら
4時間熟成させた。反応終了後、約30℃まで冷却し、
未反応のホスフィンを排気し、窒素で系内を十分に置換
した。反応生成物をオ−トクレ−ブより抜取り、一昼夜
室温にて静置後、分液し下層のメタンスルホン酸を除去
した。得られたn−ヘキサン層を、ガスクロマトグラフ
ィ−で分析したところ、原料のイソオクテンは殆ど残っ
ておらず、反応転換率は99.5%であった。しかし、
目的物以外の成分として、二級ホスフィン化合物である
ジ(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ホスフィンが
混入しており、目的物の純度は82.5%であった。こ
のn−ヘキサン層を減圧で蒸留したところ、1,1,3,
3−テトラメチルブチルホスフィンが78.5g(収率
53.7%)しか得られなかった。しかも、蒸留によっ
ても分離できなかった二級ホスフィン化合物が少量混入
していた。
【0038】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成したので、
モノアルキルホスフィンを良好な選択率および収率で、
工業的に有利に製造することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホスフィンとアルケンとを反応させモノ
    アルキルホスフィンを製造する方法において、下記に示
    す一般式(1) 【化1】R−SO3 H (1) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す) で示される無水のアルカンスルホン酸の一種または二種
    以上の触媒と炭素数8未満の飽和炭化水素の存在下で反
    応をすることを特徴とするモノアルキルホスフィンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 アルケンは炭素数〜20のアルケンで
    ある請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルケンはイソオクテンである請求項2
    に記載の製造方法。
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