JP3432261B2 - モノアルキルホスフィン - Google Patents

モノアルキルホスフィン

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JP3432261B2 JP32900593A JP32900593A JP3432261B2 JP 3432261 B2 JP3432261 B2 JP 3432261B2 JP 32900593 A JP32900593 A JP 32900593A JP 32900593 A JP32900593 A JP 32900593A JP 3432261 B2 JP3432261 B2 JP 3432261B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規モノアルキルホス
フィンに関するものである。とくに本発明は、繊維やプ
ラスチック等に難燃性、帯電防止性等を付与するために
有用な、新規なモノアルキルホスフィンに関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】最近、繊維やプラスチック等に難燃性、樹
脂改質、帯電防止性等の高機能性が要求されている。こ
れらの用途には有機リン化合物、例えばメチルホスフィ
ン等のモノアルキルホスフィンが使用されている。メチ
ルホスフィンは、常温、常圧で気体であり、空気に触れ
ると容易に発火、爆発するという、非常に危険で取り扱
いが困難な物質であり、しかも毒性が極めて高い。した
がって、取り扱いが容易にで、しかも毒性の低いモノア
ルキルホスフィンが望まれている。また、メチルホスフ
ィンから誘導されるビス(カルボニル)メチルホスフィ
ンオキサイドを共重合させたポリエステルが良好な難燃
性を示すことが開示されている(米国特許第4,127,566
号)。しかし、共重合ポリマーの融点低下が大きく、か
つ耐熱性がやや低いという欠点を有している。本発明の
モノアルキルホスフィンはこれらの点を改良した、新規
な化合物であり繊維やプラスチック等の改質剤として優
れた性能を有しており、また製造も容易で、高純度のも
のが得られる。
【0003】従来、モノアルキルホスフィンの製造方法
としては、ラジカル重合触媒で合成する試みがなされた
が、ラジカル触媒による反応に選択性がないため、ジ〜
トリ−アルキルホスフィンの混合物が生成してしまい、
それらを精製蒸留しても高純度なモノアルキルホスフィ
ンを得ることができない。また、収率も低いといった欠
点を有している[J.Org.Chem.,26,5138〜5145(1961)]。
また上記反応で得られる生成物は、本発明と異なり、下
記式の態様でアルキル基が置換した、モノ〜トリ−アル
キルホスフィン混合物が得られる。
【0004】
【化2】
【0005】また、他にホスフィンとアルケンの酸触媒
による反応が知られている[J.Org.Chem.,24 356〜359
(1959)、USP2,584,112]。この方法は、酸触媒としてア
ルカンスルホン酸の水溶液を使用することから、ジアル
キルホスフィン、トリアルキルホスフィン化合物が副生
し易く、これらの副生物を除去するのは困難であり、ま
た副反応による収率低下は避けられない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
実に鑑み、機能性有機リン化合物の中間体として有用な
ポリエステル用難燃剤(米国特許第4,127,566号明細
書、特開昭52-33628号公報)としてのモノアルキルホス
フィンについて鋭意研究をおこなった結果、新規モノア
ルキルホスフィン化合物を確認した。またその製造方法
として、ホスフィンとアルケンとを無水のアルカンスル
ホン酸を触媒と有機溶媒存在下で反応することにより、
ジアルキルホスフィン、トリアルキルホスフィンを含ま
ない高純度で且つ高収率でモノアルキルホスフィンを得
ることを知見し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記一
般式(1)
【0008】
【化3】
【0009】(但し、式中mは1〜2、nは0〜2の整
数を示す)で表されるモノアルキルホスフィンを提供す
る。
【0010】また本発明の第2は、前記の一般式(1)
で表されるモノアルキルホスフィンが2−ホスフィノ−
2,4,4−トリメチルペンタンであるモノアルキルホス
フィンを提供する。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。 (本発明の化合物)本発明のモノアルキルホスフィンで
ある一般式(1)の化合物は、mが1〜2、nが0〜2
の整数である新規化合物である。本発明に含まれる化合
物を例示すれば、2−ホスフィノ−2,4,4−トリメチ
ルペンタン、4−ホスフィノ−2,2,4,6,6−ペンタ
メチルヘプタン、4−ホスフィノ−2,2,4,6,6,8,
8−ヘプタメチルノナン、2−ホスフィノ−2,4,4,
6,6−ペンタメチルヘプタン、6−ホスフィノ−2,
2,4,4,6,8,8,10,10−ノナメチルウンデカン
等が挙げられる。
【0012】(本発明の化合物の製造方法)本発明のモ
ノアルキルホスフィンは、ホスフィンとアルケンとを一
般式(2)
【0013】
【化4】R−SO3 H (2)
【0014】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を
表す)で示される無水のアルカンスルホン酸の一種また
は二種以上の触媒と有機溶媒の存在下で反応をすること
により得ることができる。
【0015】(ホスフィン)本発明のモノアルキルホス
フィンを製造するための原料であるホスフィンは、いか
なる製法に基づくものであってもよい。例えば、次亜リ
ン酸ソ−ダの製造に際して副生する粗製ホスフィンを、
脱水、脱アルシン、脱低級水素化燐化合物の精製操作を
したホスフィンガス及び高圧圧縮ホスフィンガス、液化
ホスフィン等が用いられるが、特に限定されるものでは
ない。
【0016】(アルケン)他の原料として使用するアル
ケンは、直鎖または分岐を有する不飽和脂肪族炭化水素
であるが、炭素数8以上であり、好ましくは8〜20で
ある。例えば2,2,4−トリメチル−1−ペンテン、
2,4,4−トリメチル−2−ペンテン、イソオクテン、
トリイソブチレン、テトライソブチレン等が挙げられ
る。本発明においてはイソオクテンを使用した場合、イ
ソオクテンは通常2,2,4−トリメチル−1−ペンテン
(75%)と2,4,4−トリメチル−2−ペンテン(2
5%)との混合物であるが、混合物を分離することなく
反応で得られる2−ホスフィノ−2,4,4−トリメチル
ペンタンは高純度、高収率で得られ特に好ましい。
【0017】(触媒)また、使用する触媒は、下記一般
式(2)
【0018】
【化5】R−SO3 H (2)
【0019】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を
表す)で示される非酸化性強酸の炭素数1〜4の低級ア
ルカンスルホン酸を使用するのが好ましく、例えばメタ
ンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン
酸、ブタンスルホン酸等が挙げられる。これらは、一種
または二種以上の混合物を使用しても差し支えなく、ま
た、無水であることが必要であるが、工業的に入手でき
るものであればよく、その水分は、通常0.1%以下、
好ましくは500ppm以下である。これらの非酸化性
強酸の炭素数1〜4の低級アルカンスルホン酸は、不安
定なものも多く、使用前に蒸留等により精製することが
好ましい。触媒の使用量は、原料1モルに対して0.1
〜2.0モル程度が必要であり、好ましくは0.8〜1.
0モルである。
【0020】(溶媒) 本発明において使用する反応溶媒は、生成するモノアル
キルホスフィンよりも高沸点の有機溶媒は除かれ、工業
的に入手が容易な炭素数8未満の飽和炭化水素が適し、
例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、
石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、石油スピリ
ット、石油ナフサ、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、ベンゼン、トエン、キシレン、エチルベンゼン
等が挙げられ、好ましくはトルエン、ベンゼン、n−ヘ
キサン等である。これらの溶媒は無水である必要がある
が、工業的に入手できるものであればよく、通常、水分
は1.0ppm以下、好ましくは500ppm以下であ
る。
【0021】(反応条件)反応条件は、反応剤の物性、
選択される溶媒または触媒によって異なるが、オ−トク
レ−ブ等による高圧容器を用いて加圧下で行い、アルケ
ンとホスフィンのモル比は1:1乃至1:5モル、好ま
しくは1:1乃至1:2モルが適当である。反応温度
は、室温〜100℃、好ましくは60〜80℃であり、
反応時間は通常1〜24時間,好ましくは2〜10時間
である。
【0022】原料の仕込は、反応容器内を窒素やヘリウ
ム等の不活性ガスで十分に置換した後、アルケンの自己
重合を防止するために、反応溶媒、アルケン、ホスフィ
ンの順序で行い、所望の温度に昇温後、触媒を圧入する
のが望ましい。反応終了後は、室温に冷却後過剰の未反
応ホスフィンを不活性ガスで置換し,約24時間十分に
静置した後、触媒のアルカンスルホン酸を分離した後、
残った有機層を必要に応じてアルカリ洗浄や減圧による
単蒸留により、金属、水分等の不純物を含まない高純度
モノアルキルホスフィンを得ることができる。
【0023】
【作用】本発明のモノアルキルホスフィンは新規な化合
物であり、その物性は常温、常圧で液体であり、沸点
は、例えば2-ホスフィノ-2,4,4-トリブチルペンタ
ンは79〜80℃(62mmHg)であるので、蒸気圧
が低く、取り扱いは非常に容易である。また、空気に対
しても爆発的に反応して発火する傾向も低く、安全であ
り、毒性もアルキル基が大きくなるほど低くなるもので
ある。そして、その使用分野も難燃剤、帯電防止剤、抗
菌剤、染色改良剤、樹脂改質剤、防汚剤、防錆剤等と多
岐にわたる、有用な有機リン化合物である。
【0024】
【実施例】以下に実施例によって更に本発明を具体的に
説明する。実施例 1 反応容器約1リットルの撹拌機付きステンレス製のオ−
トクレ−ブを使用し、内部を窒素置換した後、溶媒とし
てn−ヘキサン300mlと2,4,4−トリメチル−1
−ペンテン112.2g(1.0モル)とホスフィン3
4.0g(1.0モル)を室温にて添加した。この場合の
反応系内の水分は約100ppmであった。オ−トクレ
−ブの圧力は、7.0気圧であった。反応温度を80℃
に昇温し、メタンスルホン酸96.1g(1.0モル)を
圧入ポンプで約3時間かけて添加した。オ−トクレ−ブ
内の圧力は、12.5気圧から5気圧まで低下した。さ
らに、80℃に保ちながら4時間熟成させた。反応終了
後、約30℃まで冷却し、未反応のホスフィンを排気
し、窒素で系内を十分に置換した。反応生成物をオ−ト
クレ−ブより抜取り、一昼夜室温にて静置後、分液し下
層のメタンスルホン酸を除去した。得られたn−ヘキサ
ン層を、ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、原
料の反応残は殆どなく、反応転換率は99.8%であっ
た。また、目的物以外の成分は検出されず、溶媒を除い
た純度は99.0%であった。(選択率100%)この
n−ヘキサン層を減圧で単蒸留したところ、無色透明液
体97.4g(収率66.6%)が得られた。
【0025】得られた生成物は、FT−IR、1H−N
MR、GC−MSによって2−ホスフィノ−2,4,4−
トリブチルペンタンであることが確認された。沸点は、
79〜80℃(62mmHg)であった。 FT−IR(液膜法):2950、2880、227
5、1465、13601065cm-1 1 H−NMR(CDCl3 、δ):1.02(s、9
H)、1.32(d、6H、J=10.8Hz)、1.6
3(s、2H)、2.94(d、2H、J=190、2
Hz) GC−MS:m/z=146(M+
【0026】実施例 2 実施例1の2,4,4−トリメチル−1−ペンテンの代わ
りに2,4,4−トリメチル−2−ペンテン112.2g
(1.0モル)を使用した他は、実施例1と同様に反応
をおこなった。その結果、得られたn−ヘキサン層をガ
スクロマトグラフィ−で分析したところ、原料の反応残
は殆どなく、反応転換率は99.6%であった。また、
目的物以外の成分は検出されず、溶媒を除いた純度は9
8.0%であった。(選択率100%) このn−ヘキサン層を減圧で単蒸留したところ、無色透
明液体98.8g(収率67.6%)が得られた。得られ
た生成物は、FT−IR、1H−NMR、GC−MSに
よって2−ホスフィノ−2,4,4−トリブチルペンタン
であることが確認された。この結果、反応させるアルケ
ンが異性体でも、同じ生成物が合成できることが確認さ
れた。
【0027】実施例 3 溶媒としてn−ヘキサン300mlとイソオクテン
(2,4,4−トリメチル−1−ペンテン75%、2,4,
4−トリメチル−2−ペンテン22%の混合物)11
2.2g(1.0モル)、ホスフィン68.0g(2.0モ
ル)を室温にて添加した後は、実施例1と同様に反応を
おこなった。容器内の圧力は、 21.5気圧から15気
圧まで低下した。その結果、得られたn−ヘキサン層を
ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、原料の反応
残は殆どなく、反応転換率は99.8%であった。ま
た、目的物以外の成分は検出されず、溶媒を除いた純度
は98.8%であった。(選択率100%) このn−ヘキサン層を減圧で単蒸留したところ、無色透
明液体125.9(収率86.1%)が得られた。得られ
た生成物は、FT−IR、1H−NMR、GC−MSに
よって2−ホスフィノ−2,4,4−トリブチルペンタン
であることが確認された。
【0028】実施例 4 溶媒としてn−ヘキサン300mlとイソオクテン(2,
4,4−トリメチル−1−ペンテン75%、2,4,4−ト
リメチル−2−ペンテン22%の混合物)112.2g
(1.0モル)、ホスフィン34.0g(1.0モル)を
室温で添加し、触媒をエタンスルホン酸110.1g
(1.0モル)を使用した他は、実施例1と同様に反応
をおこなった。その結果、得られたn−ヘキサン層をガ
スクロマトグラフィ−で分析したところ、原料のイソオ
クテンが1.2%残り、反応転換率は98.8%であっ
た。また、目的物以外の成分は検出されず、溶媒を除い
た純度は98.8%であった。(選択率100%) このn−ヘキサン層を減圧で単蒸留したところ、無色透
明液体96.3(収率65.9%)が得られた。得られた
生成物は、FT−IR、1H−NMR、GC−MSによ
って2−ホスフィノ−2,4,4−トリブチルペンタンで
あることが確認された。
【0029】実施例 5 溶媒としてn−ヘキサン300mlとイソオクテン
(2,4,4−トリメチル−1−ペンテン75%、2,4,
4−トリメチル−2−ペンテン22%の混合物)11
2.2g(1.0モル)、ホスフィン34.0g(1.0モ
ル)を室温で添加し、触媒をメタンスルホン酸57.7
g(0.6モル)を使用した他は、実施例1と同様に反
応をおこなった。その結果、得られたn−ヘキサン層を
ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、原料のイソ
オクテンが4.5%残り、反応転換率は95.5%であっ
た。また、目的物以外の成分は検出されず、溶媒を除い
た純度は98.8%であった。(選択率100%) このn−ヘキサン層を減圧で単蒸留したところ、無色透
明液体92.3(収率63.1%)が得られた。得られた
生成物は、FT−IR、1H−NMR、GC−MSによ
って2−ホスフィノ−2,4,4−トリブチルペンタンで
あることが確認された。
【0030】実施例 6 反応容器として約1リットルのステンレス製のオートク
レーブを使用し、溶媒として300mlのn−ヘキサン
と168.3g(1.0モル)のトリイソブチレン(異性
体混合物)、ホスフィン44.9g(1.32モル)を室
温にて添加した。オートクレーブの圧力は7.7気圧で
あった。反応温度を80℃に昇温し、メタンスルホン酸
96.1g(1.0モル)を圧入ポンプで約3時間かけて
添加した。オートクレーブ内の圧力は15.5気圧から
8.5気圧まで低下した。更に、80℃に保ちながら4
時間熟成した。反応終了後、約30℃まで冷却し、未反
応のホスフィンを排気し、窒素で系内を充分に置換し
た。反応生成物をオートクレーブより抜き取り、一昼夜
室温にて静置後、分液し下層のメタンスルホン酸層を除
去した。得られたn−ヘキサン層を、ガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、反応転換率は55.5%であ
った。このn−ヘキサン層を減圧で蒸留し、沸点135
〜140℃(55mmHg)の留分を分取したところ、
無色透明液体91.0g(収率45.0%)得られた。 GC−MS:m/z=202(M+) 得られた化合物は、2,2,4,6,6−ペンタメチル−4
−ホスフィノヘプタン(64%)と2,4,4,6,6−ペ
ンタメチル−2−ホスフィノヘプタン(36%)の混合
物であると同定された。
【0031】実施例 7 反応容器として約1リットルのステンレス製のオートク
レーブを使用し、溶媒として300mlのn−ヘキサン
と98.7g(0.44モル)のテトライソブチレン(異
性体混合物)、ホスフィン47.2g(1.39モル)を
室温にて添加した。オートクレーブの圧力は10.6気
圧であった。反応温度を90℃に昇温し、メタンスルホ
ン酸96.1g(1.0モル)を圧入ポンプで約3時間か
けて添加した。オートクレーブ内の圧力は19.5気圧
から9気圧まで低下した。更に、90℃に保ちながら4
時間熟成した。反応終了後、約30℃まで冷却し、未反
応のホスフィンを排気し、窒素で系内を充分に置換し
た。反応生成物をオートクレーブより抜き取り、一昼夜
室温にて静置後、分液し下層のメタンスルホン酸層を除
去した。得られたn−ヘキサン層を、ガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、反応転換率は52.2%であ
った。このn−ヘキサン層を減圧で蒸留し、沸点150
〜160℃(10mmHg)の留分を分取したところ、
無色透明液体47.9g(収率42.1%)得られた。 GC−MS:m/z=258(M-) 得られた化合物は、2,2,4,6,6,8,8−ヘプタメチ
ル−4−ホスフィノノナンであると同定された。
【0032】実施例 8 反応容器として約1リットルのステンレス製のオートク
レーブを使用し、溶媒として300mlのn−ヘキサン
と28.5g(0.1モル)のペンタイソブチレン(異性
体混合物)、ホスフィン34.0g(1.0モル)を室温
にて添加した。オートクレーブの圧力は7気圧であっ
た。反応温度を90℃に昇温し、メタンスルホン酸2
8.8g(0.3モル)を圧入ポンプで約1時間かけて添
加した。オートクレーブ内の圧力は13.5気圧から1
0.5気圧まで低下した。更に、90℃に保ちながら4
時間熟成した。反応終了後、約30℃まで冷却し、未反
応のホスフィンを排気し、窒素で系内を充分に置換し
た。反応生成物をオートクレーブより抜き取り、一昼夜
室温にて静置後、分液し下層のメタンスルホン酸層を除
去した。得られたn−ヘキサン層を、ガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、反応転換率は42.5%であ
った。このn−ヘキサン層を減圧で蒸留し、沸点200
〜220℃(10mmHg)の留分を分取したところ、
無色透明液体11.5g(収率36.6%)得られた。 GC−MS:m/z=314(M+) 得られた化合物は、2,2,4,4,6,8,8,10,10−
ノナメチル−6−ホスフィノウンデカンであると同定さ
れた。
【0033】実施例 9 溶媒にトルエン300mlを使用して、ホスフィン3
4.0g(1.0モル)とイソオクテン(2,4,4−トリ
メチル−1−ペンテン75%、2,4,4−トリメチル−
2−ペンテン22%の混合物)112.2g(1.0モ
ル)を反応させた。以下実施例1と同様に操作した。容
器内の圧力は、12.0気圧から4.5気圧まで低下し
た。得られたトルエン層を、ガスクロマトグラフィーで
分析したところ、原料のイソオクテンはトレース量であ
り、反応転換率は99.8%であった。目的物以外の成
分は検出されず、溶媒を除いた純度は98.8%あった
(選択率100%)。このトルエン層を減圧で蒸留した
ところ、1,1,3,3−テトラメチルブチルホスフィン
が104.7g(収率71.6%)得られた。
【0034】実施例 10 実施例9と同様にして、溶媒にトルエン300mlを使
用して以下同様の操作を行った。得られたベンゼン層
を、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、原料の
イソオクテンはトレース量であり、反応転換率は99.
8%であった。目的物以外の成分は検出されず、溶媒を
除いた純度は98.8%あった(選択率100%)。減
圧で蒸留したところ、1,1,3,3−テトラメチルブチ
ルホスフィンが101.3g(収率69.3%)得られ
た。飽和脂肪族炭化水素よりも芳香族炭化水素を溶媒に
用いたほうが、収率が良かった。
【0035】比較例 1 反応容器約1リットルのステンレス製のオ−トクレ−ブ
を使用し、溶媒としてn−ヘキサン300mlとイソオ
クテン(2,4,4−トリメチル−1−ペンテン75%、
2,4,4−トリメチル−2−ペンテン22%の混合物)
112.2g(1.0モル)と高純度ホスフィン51.0
g(1.5モル)を室温にて添加した。オ−トクレ−ブ
の圧力は、10.0気圧であった。反応温度を80℃に
昇温し、p−トルエンスルホン酸1水塩910.2g
(1.0モル)を100gの水で溶解させた水溶液を圧
入ポンプで約3時間かけて添加した。オ−トクレ−ブ内
の圧力は、15気圧で一定であった。さらに、80℃に
保ちながら15時間熟成させた。反応終了後、約30℃
まで冷却し、未反応のホスフィンを排気し、窒素で系内
を十分に置換した。反応生成物をオ−トクレ−ブより抜
取り、一昼夜室温にて静置後、分液し下層のメタンスル
ホン酸を除去した。得られたn−ヘキサン層を、ガスク
ロマトグラフィ−で分析したところ、原料のイソオクテ
ンが多量に残り、反応転換率は8.5%であった。
【0036】比較例 2 反応容器約1リットルのステンレス製のオ−トクレ−ブ
を使用し、溶媒としてn−ヘキサン300mlとイソオ
クテン(2,4,4−トリメチル−1−ペンテン75%、
2,4,4−トリメチル−2−ペンテン22%の混合物)
112.2g(1.0モル)と高純度ホスフィン34.0
g(1.0モル)を室温にて添加した。オ−トクレ−ブ
の圧力は、7.0気圧であった。反応温度を80℃に昇
温し、メタンスルホン酸96.1g(1.0モル)を40
gの水で溶解させた水溶液を圧入ポンプで約3時間かけ
て添加した。オ−トクレ−ブ内の圧力は、12.5気圧
から5気圧まで低下した。さらに、80℃に保ちながら
4時間熟成させた。反応終了後、約30℃まで冷却し、
未反応のホスフィンを排気し、窒素で系内を十分に置換
した。反応生成物をオ−トクレ−ブより抜取り、一昼夜
室温にて静置後、分液し下層のメタンスルホン酸を除去
した。得られたn−ヘキサン層を、ガスクロマトグラフ
ィ−で分析したところ、原料のイソオクテンは殆ど残っ
ておらず、反応転換率は99.5%であった。しかし、
目的物以外の成分として、二級ホスフィン化合物である
ジ(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ホスフィンが
混入しており、目的物の純度は82.5%であった。こ
のn−ヘキサン層を減圧で蒸留したところ、1,1,3,
3−テトラメチルブチルホスフィンが78.5g(収率
53.7%)しか得られなかった。しかも、蒸留によっ
ても分離できなかった二級ホスフィン化合物が少量混入
していた。
【0037】
【発明の効果】本発明は、新規なモノアルキルホスフィ
ンを提供するものである。また、従来のホスフィンとア
ルケンとの反応によりモノアルキルホスフィンの製造方
法を改良するもので、高選択的かつ高純度でモノアルキ
ルホスフィンを工業的に有利に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、mは1〜2、nは0〜2の整数を示す)で表さ
    れるモノアルキルホスフィン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のモノアルキルホスフィン
    が2−ホスフィノ−2,4,4−トリメチルペンタンであ
    るモノアルキルホスフィン。
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