JP3459750B2 - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents
静電荷像現像用トナー及びその製造方法Info
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Description
用される静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関す
る。
97,691号明細書に記載されている如く多数の方法
が知られているが、一般には、光導電性物質を利用して
種々の手段で感光体上に電気的潜像を形成し、該潜像を
トナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の被記録材上
にトナー画像を静電的に転写した後、加熱、圧力或いは
溶剤蒸気等によりトナー画像を定着して複写物を得てい
る。又、その際、転写されずに感光体上に残ったトナー
は、クリーニング部において回収されるのが一般的であ
る。トナーを用いて現像する方法或いはトナー画像を定
着させる方法としては、従来各種の方法が提案されてお
り、夫々の画像形成プロセスに適した方法が採用されて
いる。更に近年では、上記した電子写真法に対し、高速
複写化、高画質化及び高安定性等の、より高度の技術が
要求されてきている。
は、結着樹脂、着色剤である染顔料、荷電制御剤及びワ
ックス等が含有された原材料を、混合、溶融混練した
後、粉砕、分級して得られる。この際の重要な点は、染
顔料や荷電制御剤等の添加剤を結着樹脂中に均一な状態
にまで分散させることにある。この際に、これらの添加
剤の分散不良が生じると、帯電特性が悪化し、画像特性
の変動や、カブリやトナー飛散等の画像劣化の発生の原
因となる。
例えば、スチレン系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル
系樹脂、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂等の結着樹
脂中に、着色剤、オフセット防止剤及び荷電制御剤等の
原料を溶融混練により分散させた後、混練物を微粉砕装
置で粉砕して、粉砕物を分級機で分級することにより、
所望の粒径を有するトナーを得る方法が用いられてい
る。この際、黒色トナー用着色剤としては、カーボンブ
ラックが汎用されている。
クが充分に分散されていない場合には、トナー表面にカ
ーボンブラックが露出し易く、そして、カーボンブラッ
クは一般に導体であるため、トナーの抵抗が部分的に低
下することがあり、トナーの帯電量に変動を生じる。そ
の結果、画像特性が変動することに加え、静電的な転写
性が低下するため、クリーニング部に大量のトナーが回
収されることとなり、クリーニング不良、或いはクリー
ニング部からのトナー飛散等が発生し易くなって記録安
定性に乏しいものとなる。
つかの方法が提案されている。例えば、トナー中の染顔
料濃度よりも高い濃度の染顔料を結着樹脂中に含有させ
たマスターバッチを予め作製しておき、該マスターバッ
チを着色剤として使用する方法がある。即ち、トナーを
形成する結着樹脂に、上記マスターバッチに使用したバ
インダ樹脂と同じ樹脂を結着樹脂として使用し、これ
に、荷電制御剤及びワックス等の添加剤と、上記のマス
ターバッチとを加えて染顔料を希釈混練し、従来と同様
にしてトナーを製造する方法である。ここで、上記のマ
スターバッチを作製する方法としては、バインダ樹脂と
染顔料とを前混合し、それを更に二本ロール等で混練す
る製造方法が主である。しかし、この方法では、高濃度
の顔料が樹脂に十分に濡れず、分散安定性を十分に満足
できていないのが現状である。
昭62−30259号公報に、上記のような方法で作製
したマスターバッチを微粉砕した後に、残りの樹脂を配
合し、溶融混練を行う方法が記載されているが、上記の
方法も、マスターバッチにおける染顔料の分散の度合い
が最終的にトナーにおける顔料の分散性を大きく左右す
ると考えられるので、効果のほどは疑問である。又、特
開昭63−205664号公報では、高い濃度の染顔料
をバインダ樹脂中に含有させるマスターバッチの作製時
に、強い剪断力をかける一方、希釈練り工程においては
弱い剪断力をかける方法が記載されているが、これらだ
けで十分な効果が得られるとは考え難い。
−156054号公報に、別のマスターバッチを作製す
る方法が記載されているが、それは、溶剤中に原材料を
溶解して混合した後に、溶剤を蒸発させてマスターバッ
チを作製する方法であるが、この方法のように、溶液状
の混合物を撹拌しただけでは十分な剪断力がかからない
ので、該方法によってもカーボンブラック等の顔料の十
分な分散が達成できるかどうかは疑問である。
含有されるカーボンブラックが充分に分散されることが
望まれているが、小粒径トナー中のカーボンブラック
が、どのような状態で存在しているかを調べることは容
易ではなく、カーボンブラックが良好な状態で分散され
ているトナー製品であるか否かの判断は容易ではなかっ
た。即ち、この分散状態を容易に検知することのできる
手段があれば、トナー中のカーボンブラックの分散状態
を最適なものに制御することができ、優れた画像特性を
有する現像剤を提供することが可能となる。
は、カーボンブラックが、粒径が細かく且つ均一な状態
で分散含有されているトナーを有する静電荷像現像用ト
ナー及びその製造方法を提供することにある。本発明の
他の目的は、画像特性が安定に維持され、クリーニング
不良の起こらない、耐久性の良好な現像剤及びその製造
方法を提供することにある。
によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも結着
樹脂及びカーボンブラックを含有する静電荷像現像用ト
ナーであって、該トナーは、少なくとも構成モノマーの
酸成分として3価以上の多価カルボン酸が含有されたポ
リエステル樹脂を主成分とする第1の結着樹脂中にカー
ボンブラックが含有されてなる黒色マスターバッチを、
少なくとも、上記の第1の結着樹脂とは異なるモノマー
組成からなり、且つテトラヒドロフラン溶媒に実質的に
不溶な成分が樹脂全体に対して1〜50wt%含有され
ている第2の結着樹脂中に混合して製造されたものであ
り、該トナー中の可溶成分を有機溶剤中に溶解させ、不
溶成分を分散させた状態の試料溶液の透過光スペクトル
を測定して、この有機溶剤中に分散されているカーボン
ブラックの含有濃度を、トナー試料1g/リットルに換
算した場合の波長450nmにおける吸光度をA、及び
波長800nmにおける吸光度をBとした時、A及びB
が下記の関係を満足し、 3<B<25 −14<(B−A)/(800−450)<10 且つ、トナー中に、テトラヒドロフラン溶媒に実質的に
不溶な成分がトナー全体に対して1〜60wt%含有さ
れていることを特徴とする静電荷像現像用トナー、及び
その製造方法である。
に鋭意検討した結果、トナー中の可溶成分を有機溶剤中
に溶解させ、不溶成分を分散させた状態の測定試料を調
製し、該試料についての透過光スペクトルを測定した場
合に、上記した特定の吸光特性を示すトナーが、カーボ
ンブラックが良好に分散されたトナーであり、該トナー
を使用すれば、前述の諸要求を満たす現像剤が得られる
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。更に、テ
トラヒドロフラン溶媒に実質的に不溶な成分をトナー全
体に対し1〜60wt%含有させれば、個々の1次粒子
が凝集した状態にあるカーボンブラックが、トナーの製
造中や保存中に再凝集することなく、非常に細かく、且
つ均一にトナー中にカーボンブラックを分散させ、更に
はその状態を維持することができ、上記の特定の吸光特
性を示すトナーが容易に得られることを知見して本発明
に至った。
様を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の静電荷像
現像用トナーは、先ず、現像剤を構成しているトナー中
の可溶成分を有機溶剤中に溶解させ、不溶成分を分散さ
せた状態の測定試料について透過光スペクトルが、特定
の吸光特性を示すことを特徴とするが、以下、これにつ
いて説明する。一般に、カーボンブラック粒子と光との
相互作用は、光吸収と乱反射が主である。そして、分散
された状態のカーボンブラック粒子の粒径(以下、単に
カーボンブラックの分散粒径と呼ぶ)が小さい程、換言
すれば、カーボンブラックの分散状態が良好な程、短波
長の入射光線に対して吸収以上に乱反射を起こし易い。
従って、有機溶剤中において、不溶成分であるカーボン
ブラックの分散性が良好な場合、短波長側における透過
光強度が高くなる。即ち、吸光度が低下することとな
る。そこで、本発明においては、その目安として、溶剤
中のカーボンブラック含有濃度をトナー1g/リットル
に換算した場合の波長450nm及び800nmにおけ
る吸光度を採用し、夫々、波長450nmにおける吸光
度をA、800nmにおける吸光度をBとした場合に、
A及びBが以下の関係を満足しているか否かを条件とし
て採用する。 3<B<25−14<(B−A)/(800−450)
<10
は、800nmにおける吸光度Bが高いこと、言い換え
ると透過光強度が低いことを意味しており、有機溶媒中
に分散されているカーボンブラックの分散粒径が大きい
こと、即ち、カーボンブラックの分散状態がよくないこ
とを表している。こういった場合は、トナー表面に露出
する導電性を有するカーボンブラックの度合いが大きく
なるためトナーの抵抗が低下し、トナーの静電的転写性
が低下する結果、クリーニング不良或いはクリーニング
部からのトナー飛散等が発生し易くなる。一方、B≦3
の場合は、有機溶媒中に分散しているカーボンブラック
の分散粒径が非常に細かいことを示しているが、このよ
うなトナーを使用した現像剤を使用して画像を形成した
場合には、着色性が赤味を示すようになるため好ましく
ない。
0)という値は、波長450〜800nm間で得られる
透過光スペクトルにおける吸光度の傾き(変化)を表し
ており、この値が正側に大きい程、有機溶媒中のカーボ
ンブラックの分散粒径が小さいことを意味している。
(800−450)≦−14の関係にある場合には、ト
ナー中におけるカーボンブラックの分散状態が不充分で
あるといえ、このようなトナーを使用すると、クリーニ
ング不良或いはクリーニング部からのトナー飛散等が発
生し易い傾向がある。一方、(B−A)/(800−4
50)≧10の場合は、カーボンブラックの分散径が非
常に細かいことを示しているが、B≦3の場合と同様
に、やはり現像画像の着色性が赤味を示すようになるの
で好ましくない。
徴は、上記現像剤を構成するトナー中に、テトラヒドロ
フラン溶媒に実質的に不溶な成分(ゲル分)がトナー全
体に対し1〜60wt%含有されている点にある。現像
剤を構成するトナー或いはその原料として使用されるカ
ーボンブラックのマスターバッチは、一般的に、トナー
を構成する結着樹脂或いはマスターバッチを調製する際
に用いられる樹脂に、所定量のカーボンブラックを主体
とする配合物を予備混合し、溶融混練して製造される。
この際、個々の1次粒子が凝集した状態にあるカーボン
ブラックを、再凝集を防ぎながらできうる限り細かく、
且つ均一に樹脂中に分散させる必要があり、特に、分散
したカーボンブラックの再凝集を抑制する技術が重要な
ポイントとなる。
も、トナー中に、テトラヒドロフラン溶媒に実質的に不
溶な成分を、トナー全体に対し1〜60wt%含有させ
ることが、カーボンブラックの再凝集を防ぎながら、非
常に細かく、且つ均一にトナー中に分散させる効果が大
きいことが明らかとなった。その理由は、以下のように
考えられる。
ーボンブラック粒子表面を覆ってしまうと、分散した状
態のカーボンブラック粒子同士が再度接触するために
は、この樹脂を切断することを要するので、この際に必
要な切断エネルギーが大きいほどカーボンブラックの再
凝集を妨げることができるものと考えられる。そして、
この切断エネルギーは、有機溶剤に不溶な成分量に比例
するものであり、本発明者等の種々の検討結果によれ
ば、トナー中に、テトラヒドロフラン溶媒に実質的に不
溶な成分がトナー全体に対し1〜60wt%含有されて
いる場合に、その必要条件を満たし、カーボンブラック
の再凝集を有効に防止でき、トナー中におけるカーボン
ブラックの良好な分散性の達成が実現されることがわか
った。
分量が1wt%未満では、トナー化の工程においてカー
ボンブラックの再凝集が防ぎきれず、同時に、不溶な成
分量が60wt%を超えてしまうと、凝集したカーボン
ブラックをほぐした後にバインダ樹脂で表面を覆うこと
が難しくなり、所謂、かご効果により再凝集し易くな
り、やはり分散が困難となり易い。本発明においては、
より好ましくは2〜55%とすることで、更に、トナー
中におけるカーボンブラックの分散が良好なものとな
る。ここで、上記のテトラヒドロフラン溶媒に実質的に
不溶な成分は、トナー製造用の結着樹脂に予め含有され
ているものに限らず、種々の添加剤の併用によりトナー
製造時に生成するものであってもよい。
造する際に、前述したように、カーボンブラックが含有
された黒色マスターバッチ(以下、単にカーボンブラッ
クのマスターバッチと呼ぶ)を使用する方法があるが、
これは、基本的には、分散樹脂と高配合量のカーボンブ
ラックを主体とする配合物を予備混合し、溶融混練して
製造するものである。
クのマスターバッチは、適当な粒径にまで粉砕された
後、トナーに要求される諸々の特性(現像性、転写性、
定着性等)を満たすような割合で、結着樹脂、荷電制御
剤、その他の添加剤と共に予備混合され、常法における
トナーの製造手段で溶融混練、冷却、粗・微粉砕、分
級、外添処理等の工程を経てトナー化される。
ば、特に、このマスターバッチを希釈してトナー化する
溶融混練の際にカーボンブラックの再凝集が非常に起こ
り易く、分散性を高める目的でカーボンブラックのマス
ターバッチを使用した効果が十分なものでなくなること
が判明した。これは、カーボンブラックのマスターバッ
チを作製する場合に使用するマスターバッチ用の分散樹
脂(以下、第1の結着樹脂と呼ぶ)と、トナー化の際に
使用するトナー用結着樹脂(以下、第2の結着樹脂と呼
ぶ)とは、一般に相溶し易い組み合わせで選択されるた
め、トナー化における溶融混練の際に、カーボンブラッ
クを覆っていた第1の結着樹脂が第2の結着樹脂中に溶
け出し、更に、露出したカーボンブラック粒子が、これ
らの溶融した樹脂中を運動中に再凝集してしまうためと
考えられる。
々検討した結果、マスターバッチを第2の結着樹脂で希
釈する際に、マスターバッチの調製に使用した第1の結
着樹脂とは異なるモノマー組成の樹脂を第1の結着樹脂
とし、これと混合してトナーを製造すれば、マスターバ
ッチ中におけるカーボンブラックの微細且つ均一な分散
状態を、トナー化後も維持し得ることがわかった。これ
は、カーボンブラックのマスターバッチ用の第2の結着
樹脂と、トナー化用の第2の結着樹脂とのモノマー組成
を変えることによって、両者を容易には相溶し難い組み
合わせとすることができるため、トナー化の際に、マス
ターバッチをトナー化用の第2の結着樹脂と溶融混練さ
せた場合に、マスターバッチ用の第1の結着樹脂がカー
ボンブラックを覆ったままの状態を維持することができ
るので、カーボンブラックの露出が抑えられ、再凝集を
抑制できるという効果が得られたものと考えられる。
像現像用トナーを製造する場合に、マスターバッチと混
合させるトナー化用の第2の結着樹脂として、テトラヒ
ドロフラン溶媒に実質的に不溶な成分を、樹脂全体に対
し1〜50wt%含有させることが非常に有効である。
これは前述したように、マスターバッチを使用してトナ
ーを製造する場合に、第2の結着樹脂と混合させてトナ
ー化する際の溶融混練時に発生する恐れのあるカーボン
ブラックの再凝集を抑制するための重要な条件となって
いるからである。
満の場合には、トナー化の工程においてカーボンブラッ
クを覆っていた分散樹脂との相溶が生じ、これにより露
出したカーボンブラック粒子の再凝集を防止しきれず、
一方、不溶分量が50wt%を超えてしまうと、第1の
結着樹脂と第2の結着樹脂とが、所謂相分離したような
状態となり、トナー化における粉砕工程の際、トナー表
面にカーボンブラックが露出し易くなってトナーの抵抗
の低下が生じるため、クリーニング不良の原因となる。
ボンブラックのマスターバッチを製造し、その後に、マ
スターバッチとトナー用の結着樹脂等とを混合してトナ
ー化する工程は、これ迄、あまり注目されてはいなかっ
たが、実はこのトナー化の工程もカーボンブラックの分
散性を大きく左右する非常に重要なプロセスであること
がわかった。この工程を改良した上記の如き本発明のト
ナーの製造方法によれば、トナー化の工程でもカーボン
ブラックの分散性が左右されることがなく、トナー化後
も、例えば、マスターバッチで達成したカーボンブラッ
クの良好な分散状態を維持することができるので、得ら
れるトナーは、分散性に優れたものとなる。
を製造する際に、酸成分として3価以上の多価カルボン
酸が含有されたポリエステル樹脂をマスターバッチ用の
第1の結着樹脂の主成分として使用すれば、上記した本
発明の効果を更に促進することができることが分かっ
た。このことは、カーボンブラック粒子表面には、一般
に酸素原子をその一部に含んで構成される、例えば、カ
ルボキシル基或いはカルボニル基といった種々の官能基
が存在していること、これに加えてポリエステル樹脂は
その構成上、極性基を多々有することから容易に理解さ
れる。即ち、ポリエステル樹脂中の極性基の部分と、カ
ーボンブラック表面のカルボキシル基或いはカルボニル
基との相互作用は大きく、それはカーボンブラックの凝
集力よりも強いため、カーボンブラック粒子の再凝集が
有効に抑制されるためと推察される。更に、ポリエステ
ル樹脂の形成成分として、3価以上の多価カルボン酸が
含有されていると、形成される樹脂が、架橋構造を有す
るものとなるので、いったん良好に分散せしめたカーボ
ンブラック粒子の動きを妨げることができ、構造的に粒
子同士の再接触を妨げる働きをしていることも挙げられ
る。
ボンブラックのマスターバッチ用の第1の結着樹脂の主
成分であるポリエステル樹脂を構成する酸モノマーとし
ての3価以上の多価カルボン酸成分の含有量を、全モノ
マー量に対し1〜40mol%とすることが好ましい。
即ち、3価以上の多価カルボン酸成分の含有量が1mo
l%未満では、トナー化の工程においてカーボンブラッ
クの再凝集が防ぎきれず、3価以上の多価カルボン酸成
分の含有量が40mol%を超えてしまうと、凝集した
カーボンブラックを結着樹脂中でほぐした後、表面を覆
うことが難しくなるため再凝集が起こり易くなることに
加え、組成の異なるトナー用結着樹脂との相溶性が極端
に低下してしまい、トナー中へのカーボンブラックの均
一な分散が非常に困難となってしまう。
ルボン酸成分として、全てのカルボキシル基が芳香族環
に直接結合した構造をとる芳香族多価カルボン酸及び/
又はそのエステル誘導体を用いることが特に好ましい。
即ち、3価以上の多価カルボン酸成分として3価以上の
脂肪族の脂肪酸を使用した場合には、架橋構造をとって
いても架橋部分の分子運動がある程度可能なためトナー
化の工程においては熱運動を起こし易く、カーボン分散
体中に包み込まれたカーボンブラックが逃げ易い構造を
有するものと思われるが、芳香族多価カルボン酸を用い
た場合には、架橋部分の熱運動が少ないため、トナー化
の工程においてもカーボンブラックの熱運動による再凝
集を抑制し易いものと考えられる。
際に使用するマスターバッチ中のカーボンブラック含有
量は、バインダ樹脂100重量部に対して10〜400
重量部程度とすることが好ましく、15〜200重量部
がより好ましい。10重量部未満では、結着樹脂中に混
合してトナー化する際、トナー化用結着樹脂の混合比を
押さえる必要があるので、現像剤に必要とされる諸特性
の調整が難しくなる。一方、含有量が400重量部より
多くなると、トナー化の工程においてカーボンブラック
の再凝集を防ぎきれない。
散状態が良好なトナーが得られるが、本発明において
は、その際に得られるトナーのTgが45〜70℃であ
ることも重要なポイントである。トナーのTgが45℃
未満の場合は、現像剤を高温個所に放置中にカーボンブ
ラックの再凝集が発生する恐れがあり、又、現像剤の耐
ブロッキング性も不十分なものとなる。一方、トナーの
Tgが70℃を超えてしまうと、現像剤に必要な熱定着
性が得られない。
じて、帯電制御剤或いは定着用助剤等を他の添加剤と併
せて配合することができるが、マスターバッチを使用す
る場合には、予めカーボンブラックと共にバインダ樹脂
中に、これらを含有せしめておいてもよい。又、マスタ
ーバッチを使用する場合は、カーボンブラックをはじめ
各種の添加剤の量が、最終的に現像剤中に含有されるべ
き各成分の目標値になるように調整して結着樹脂で希釈
すればよい。例えば、カーボンブラックについては、ト
ナー化して最終的に得られる現像剤中の含有率が、2〜
15%になるよう調整されることが好ましい。
静電荷像現像用トナーは、先に述べたようにして測定し
た吸光度が、前記の関係を満足するものとなるので、ト
ナー製造工程における溶融混練の際のカーボンブラック
の再凝集が抑制され、その結果、得られる現像剤中にお
けるカーボンブラックの分散状態も非常に良好となり、
クリーニング不良等を起こさない良好な耐久特性を示す
ことが明らかとなった。
樹脂としては、従来公知のものが全て使用可能であり、
例えば、ポリスチレン、ポリP−クロルスチレン、ポリ
ビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合
体、スチレン−P−クロルスチレン共重合体、スチレン
−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重
合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン
−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、
スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エ
チル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレ
ン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合
体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポ
リアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ
アマイド、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、
テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化
水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラ
フィンワックス等を、単独或いは混合して使用できる。
は、例えば、ニグロシン染料、オイルブラック、スピロ
ンブラック等の油溶性染料;ナフテン酸、オクチル酸、
脂肪酸、樹脂酸のマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、
鉛、亜鉛、セリウム、カルシウム等の金属塩である金属
石ケン;含金属アゾ染料、ピリミジン化合物;サリチル
酸或いはその誘導体のクロム、アルミニウム、鉄等の金
属化合物等が挙げられる。通常これらの添加剤は、現像
剤に対して0.1〜10重量部の範囲で使用される。
その他の染顔料を併用してもよい。又、本発明のトナー
には、現像剤の定着性を改良するために、定着助剤を添
加してもよい。定着助剤としては、例えば、低分子量ポ
リプロピレン、低分子量ポリエチレン、パラフィンワッ
クス等の各種ワックス、その他低分子量オレフィン重合
体、脂肪酸アミド、シリコーンオイル等が挙げられる。
これら定着助剤は、現像剤に対して0.5〜10重量部
を用いることが好ましい。
添加されていてもよい。流動性向上剤としては、トナー
粒子に添加することにより、添加後の流動性を向上させ
得るものであれば特に限定されるものではない。例え
ば、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体、アルミナ微粉
体、それらの表面を疎水化処理したもの等を、単体或い
は2種以上を併用して用いることができる。
ようにして得られるトナーを1成分系現象剤として調製
して使用してもよく、又、キャリアと併用して2成分系
現象剤として使用してもよい。この際に使用するキャリ
アとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉、ガ
ラスビース、磁性粉を樹脂中に分散させたもの等、従来
公知のものが挙げられる。これらのキャリアは、必要に
応じて表面を樹脂等で被覆してもよいが、この場合に使
用される樹脂としては、フッ素含有樹脂、フェノール樹
脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アク
リル共重合体、シリコーン樹脂等が挙げられる。これら
の被覆用の樹脂は、単独で使用してもよいし、2種類以
上の樹脂を併用してもよい。又、トナーとキャリアとの
混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、1〜15重
量%、好ましくは2〜13重量%とすると通常良好な結
果が得られる。
方法及び評価方法について述べる。 (1)トナーのTgの測定方法 本発明においては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い、以
下の方法で測定した。先ず、測定試料は、5〜20m
g、好ましくは10mgを精密に秤量する。そして、こ
れをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアル
ミパンを用い、測定温度範囲30℃〜200℃の間で、
昇温速度10℃/min.で常温常湿下で測定を行う。
この結果、この昇温過程で、温度40℃〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られるが、こ
のときの吸熱ピークが出る前と出た後でのベースライン
の中間点の線と示差熱曲線との交点を、本発明における
ガラス転移温度Tgとする。
0(島津社製)を用い、以下の方法で測定した。トナー
試料を秤量し、キシレン中に溶解させ、測定用試料とす
る。その際、溶けにくいようであれば、乳鉢等で試料を
解砕後溶解させるとよい。溶解速度が遅い或いは不溶成
分が多いようであれば加熱してもよいが、30分以上加
熱するのは好ましくない。せいぜい15分程度の加熱が
好ましい。その後、30分程度放冷し、上澄みを採取し
測定用試料とする。こうして得られた試料は、トナー中
のキシレン可溶成分及びキシレン分散可能成分がキシレ
ン中に分散されたものである。得られた測定用試料を、
光透過距離1cmの石英セルに入れて、200nm〜9
00nmの領域で透過光スペクトルを測定する。
リットルとする)を計りとり、エヴァポレーター等でキ
シレンを除去した後、残った分散物の重量(=Wgとす
る)を測定して、試料濃度C1(g/リットル)を下記
の式より求める。 C1=W/L いま、トナー試料中のカーボンブラック含有濃度をC2
wt%とし、上記で測定したスペクトルから得られる波
長450nmにおける吸光度をα、800nmにおける
吸光度をβとすると、カーボンブラック濃度を、試料1
g/リットルに換算した場合の波長450nmにおける
吸光度A、及び波長800nmにおける吸光度Bは、夫
々下記の式で求められる。 A=α×100/(C1×C2) B=β×100/(C1×C2)
先ず、底に500メッシュのスクリーン13のある金属
製の測定容器12に、摩擦帯電量を測定しようとするト
ナーとキャリアとの混合物(現像剤)約0.5〜1.0
gを入れ、金属製の蓋14をする。このときの測定容器
12全体の重量を秤り、W1(kg)とする。次に、吸
引機11(測定容器12と接する部分は少なくとも絶縁
体)において、吸引口16から吸引し、風量を調整して
真空計15の圧力を2,450Pa(250mmAq)
とする。この状態で十分、好ましくは約2分間吸引を行
いトナーを吸引除去する。このときの電位計18の電位
をV(ボルト)とする。ここで17はコンデンサーであ
り、容量をC(mF)とする。又、吸引後の測定容器全
体の重量を秤りW2(kg)とする。以上の測定値か
ら、このときのトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下
記式の如く計算される。 トナーの摩擦帯電量(mC/kg)=(C×V)/(W
1−W2)
量(ゲル分)の測定方法 試料であるトナー或いは結着樹脂を秤量し、円筒ろ紙
(例えばNo.86Rサイズ28×100mm 東洋ろ
紙社製)に入れてソックスレー抽出器にかける。次に、
テトラヒドロフラン溶媒を用い、約6時間抽出する。こ
のとき、テトラヒドロフラン溶媒の抽出サイクルが約4
〜5分に1回になるような還流速度で抽出を行う。抽出
終了後、円筒ろ紙を取り出して秤量することによって、
トナー或いは結着樹脂のテトラヒドロフラン溶媒への不
溶分量(ゲル分)を、試料に対する重量%で得る。
具体的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限
定されるものではない。尚、文中「部」又は「%」とあ
るのは、特に断りのない限り重量基準を表す。
製造例)エトキシ化ビスフェノールA/フマル酸/トリ
メリット酸(mol%組成成分比:50/40/10)
を縮重合して得られたポリエステル樹脂を70重量部
と、1次粒径65nmのカーボンブラックを30重量部
を、3本ロールを用いて混練した後、1mmのメッシュ
をパスするよう粉砕してカーボンブラックのマスターバ
ッチ1を得た。
4の製造例)表1に示したような組成内容のポリエステ
ル樹脂を夫々マスターバッチ用バインダ樹脂として用い
た以外は、カーボンブラックのマスターバッチ1の製造
例と同様の手法によってカーボンブラックのマスターバ
ッチ2〜4を製造した。
ーバッチの組成
トナーを製造した。 ・エトキシ化ビスフェノールA/プロポキシ化ビスフェノールA/テレフタ ル酸/トリメリット酸(mol%組成成分比:20/30/35/15) を縮重合して得られるポリエステル樹脂(ゲル分19wt%) 88.5重量部 ・カーボンブラックのマスターバッチ1 16.5重量部 ・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム化合物 1重量部
脂材料を含む上記材料を混ぜ、ヘンシェルミキサーによ
り十分予備混合を行い、2軸押出式混練機により溶融混
練し、混練物を冷却後、ハンマーミルを用いて約1mm
程度に粗粉砕し、次いで、エアージェット方式による微
粉砕機で微粉砕した。更に得られた微粉砕物を風力分級
して、重量平均粒径が6.9μmである黒色粉体を得
た。
した酸化チタン微粉末1.5部とをヘンシェルミキサー
で混合し、トナー1を得た。上記のようにして得られた
トナー1は、Tg=62℃、ゲル分27wt%であっ
た。又、先に述べた測定方法により、キシレン溶剤を使
用して可溶化物を溶解して調整した測定用試料の透過光
スペクトルを測定した。そして、このスペクトルから求
めた吸光特性は以下のようであった。 B=11 (B−A)/(800−450)=5 他の製造例の場合と併せ、得られたトナー物性を表2に
まとめて示した。
のマスターバッチ1を、表2に掲げたように変更した以
外はトナー製造例1と同様にしてトナー2〜4を得た。
又、表2に、得られたトナー2〜4の物性値を示した。
掲げた組成のポリエステル樹脂に変更した以外はトナー
製造例1と同様にしてトナー5〜9を得た。又、表2
に、得られたトナー5〜9の物性値を示した。
て、3本ロールによる混練時間を3倍とする以外は、ト
ナー製造例1と同様の方法によりトナー10を得た。
又、得られたトナー10の物性値を表2に示した。 ・エトキシ化ビスフェノールA/プロポキシ化ビスフェノールA/フマル酸 /トリメリット酸(mol%組成成分比:20/30/35/15)を縮 重合して得られるポリエステル樹脂(ゲル分19wt%) 100重量部 ・1次粒径65nmのカーボンブラック 5重量部 ・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム化合物 1重量部
て、トナー製造例10と同様の方法によりトナー11を
得た。又、得られたトナー11の物性値を表2に示し
た。 ・エトキシ化ビスフェノールA/プロポキシ化ビスフェノールA/テレフタ ル酸(mol%組成成分比:20/30/50)を縮重合して得られるポ リエステル樹脂(ゲル分0%) 100重量部 ・1次粒径65nmのカーボンブラック 5重量部 ・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム化合物 1重量部
コーン樹脂を0.4重量部コートしたフェライトキャリ
ア(平均粒径49μm)とを、現像剤中のトナー濃度が
8%となるよう混合して現像剤を作成し、35℃の条件
下で二晩放置した後、電子写真用複写機CLC−700
(キヤノン製)を使用して、温度30℃/湿度80%の
環境下において、耐刷試験を行った。試験に用いた画像
チャートは、A4用紙縦中央部に縦幅2cm×横長さ1
6cmのベタ黒画像を左に寄せて作り、その他の部分を
白地画像としたチャートである。これをオリジナルチャ
ートとして用い、連続コピーして耐刷試験を行った。そ
の結果、5,000枚の試験後もクリーニング不良によ
る画像汚れは見られず、非常に良好な結果が得られた。
他の実施例の場合と併せて、得られた結果を表3に示し
た。
1と同様にして耐刷試験を行ったところ、コピー枚数
4,500枚頃から僅かに画像汚れが見られたものの、
問題無いレベルであり、良好な結果が得られた。
1と同様にして耐刷試験を行ったところ、コピー枚数
4,200枚頃から僅かに画像汚れが見られたものの、
全く問題無いレベルであり、良好な結果が得られた。
1と同様にして耐刷試験を行ったところ、コピー枚数
4,800枚頃から僅かに画像汚れが見られたものの、
全く問題無いレベルであり、良好な結果が得られた。
例1と同様にして耐刷試験を行ったところ、コピー枚数
4,100枚頃から僅かに画像汚れが発生しだした。こ
れは、マスターバッチのバインダ樹脂とトナー化用結着
樹脂とが同じ組成であるため、両者が相溶し易く、トナ
ー化における溶融混練の際に、カーボンブラックを覆っ
ていたバインダ樹脂が結着樹脂中に溶け出し、露出した
カーボンブラックが再凝集してしまった結果、抵抗の低
めのトナー粒子が存在することになって転写性が僅かに
低下したので転写残トナーが若干多くなったことによる
ものと推察される。しかし、この画像汚れは、実用上は
全く問題無いレベルのものであり、満足のいく結果が得
られた。
としたトナー7を使用したこと以外は実施例1と同様に
して耐刷試験を行ったところ、コピー枚数4,300枚
頃から僅かに画像汚れが発生しだした。この結果、僅か
に画像汚れが発生したものの、この画像汚れは実用上は
全く問題無いレベルのものであり、満足のいく結果が得
られた。
例1と同様にして耐刷試験を行ったところ、コピー枚数
4,200枚頃から僅かに画像汚れが発生しだした。し
かし、この画像汚れは実用上は全く問題無いレベルのも
のであり、満足のいく結果が得られた。又、本実施例で
使用したトナー8について、30℃の条件下で二晩放置
した後に透過光スペクトルを測定し、吸光特性を求めた
ところ、以下のような結果が得られ、製造直後に比べて
カーボンブラックの分散粒径が大きくなっていることが
わかった。 B=23 (B−A)/(800−450)=−10 これは、トナー8は、トナーのTgが他のトナーと比べ
て低いため、放置中にカーボンブラックが多少再凝集し
たためと考えられるが、二晩放置した後のトナーを使用
して、上記と同様に耐刷試験を行なったところ、僅かに
画像汚れが発生したものの、実用上は全く問題無いレベ
ルであった。
トナー10を使用すること以外は実施例1と同様にして
耐刷試験を行ったところ、コピー枚数4,000枚頃か
ら僅かに画像汚れが発生しだしたものの、実用上は問題
無いレベルであり、ほぼ満足のいく結果が得られた。
1と同様にして耐刷試験を行ったところ、コピー枚数
1,300枚頃から画像汚れが発生しだした。これは、
表2に示したように、トナー化用結着樹脂がテトラヒド
ロフラン溶媒への不溶分量(以下、単にゲル分と呼ぶ)
を含んでおらず、又、トナー中のゲル分も1wt%未満
と少ないため、カーボンブラックの分散が十分とは言え
ないことによると考えられる。このことは、吸光特性を
調べた結果、表2に示したように、B=26とBの値が
大きく、且つ(B−A)/(800−450)=−15
であり、カーボンブラックの分散粒径が実施例の場合と
比べて大きいものであることを示していることからも支
持された。
1と同様にして耐刷試験を行ったところ、コピー枚数
1,000枚頃から画像汚れが発生し、徐々に悪化して
いった。これは、表2に示したように、トナー9中のゲ
ル分が多過ぎるため、溶融混練の際に凝集したカーボン
ブラック粒子をほぐして覆う作用が起こりにくく、カー
ボンブラックの分散状態がよくないためと思われる。こ
の推論は、表2に示したようにトナー9においては、吸
収特性が、吸光度Bの値が29と大きく、且つ(B−
A)/(800−450)の値が−21と負側に大きな
値となっており、カーボンブラックの分散粒径が実施例
の場合と比べて大きいものであることを示していること
からも支持された。
例1と同様にして耐刷試験を行ったところ、コピー枚数
500枚頃から画像汚れが発生し、どんどん悪化してい
った。これは、表2に示したように、トナー6を使用し
た場合と同様に、トナー11中のゲル分が少な過ぎるた
め、溶融混練の際一度分散したカーボンブラック粒子を
覆う作用が起こりにくく、再凝集によりカーボンブラッ
クの分散状態がよくないためと思われる。この推論は、
表2に示したように、トナー11においてBの値が34
と大きく、(B−A)/(800−450)の値が−2
6と負側に大きな値となっており、カーボンブラックの
分散粒径が実施例の場合と比べて大きいものであること
を示していることからも支持された。
特定の透過光スペクトル特性を示し、且つ特定量のゲル
分を含有するトナーは、カーボンブラックの分散粒径が
小さく、且つ均一に分散しているものであるので、この
ようなトナーを製品とすれば抵抗特性が良好な現像剤が
得られ、これを用いて画像を形成すれば、クリーニング
不良による画像汚れ等の画質欠陥のない高品位の画像を
長期に渡って安定して提供することができる。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及びカーボンブラッ
クを含有する静電荷像現像用トナーであって、該トナー
は、少なくとも構成モノマーの酸成分として3価以上の
多価カルボン酸が含有されたポリエステル樹脂を主成分
とする第1の結着樹脂中にカーボンブラックが含有され
てなる黒色マスターバッチを、少なくとも、上記の第1
の結着樹脂とは異なるモノマー組成からなり、且つテト
ラヒドロフラン溶媒に実質的に不溶な成分が樹脂全体に
対して1〜50wt%含有されている第2の結着樹脂中
に混合して製造されたものであり、 該 トナー中の可溶成分を有機溶剤中に溶解させ、不溶成
分を分散させた状態の試料溶液の透過光スペクトルを測
定して、この有機溶剤中に分散されているカーボンブラ
ックの含有濃度を、トナー試料1g/リットルに換算し
た場合の波長450nmにおける吸光度をA、及び波長
800nmにおける吸光度をBとした時、A及びBが下
記の関係を満足し、 3<B<25 −14<(B−A)/(800−450)<10 且つ、トナー中に、テトラヒドロフラン溶媒に実質的に
不溶な成分がトナー全体に対して1〜60wt%含有さ
れていることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 【請求項2】 トナーのTgが45℃〜70℃である請
求項1に記載の静電荷像現像用トナー。 - 【請求項3】 少なくとも構成モノマーの酸成分として
3価以上の多価カルボン酸を含有するポリエステル樹脂
を主成分とする第1の結着樹脂を使用し、該結着樹脂中
にカーボンブラックを含有させて黒色マスターバッチを
製造した後、少なくとも、上記のマスターバッチ用の第
1の結着樹脂とは異なるモノマー組成からなり、且つテ
トラヒドロフラン溶媒に実質的に不溶な成分を樹脂全体
に対し1〜50wt%含有する第2の結着樹脂中に上記
マスターバッチを混合させて、少なくとも結着樹脂及び
カーボンブラックを含有するトナーとし、該トナー中の
可溶成分を有機溶剤中に溶解させ、不溶成分を分散させ
た状態の試料溶液の透過光スペクトルを測定して、この
有機溶剤中に分散されているカーボンブラックの含有濃
度を、トナー試料1g/リットルに換算した場合の波長
450nmにおける吸光度をA、及び波長800nmに
おける吸光度をBとした時、A及びBが下記の関係を満
足し、 3<B<25 −14<(B−A)/(800−450)<10 且つ、トナー中に、テトラヒドロフラン溶媒に実質的に
不溶な成分がトナー全体に対して1〜60wt%含有さ
れたトナーを製造することを特徴とする静電荷像現像用
トナーの製造方法。 - 【請求項4】 トナーのTgが45℃〜70℃である請
求項3に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP14603697A JP3459750B2 (ja) | 1997-05-21 | 1997-05-21 | 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 |
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JPH10319641A JPH10319641A (ja) | 1998-12-04 |
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-
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- 1997-05-21 JP JP14603697A patent/JP3459750B2/ja not_active Expired - Fee Related
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