JP3459385B2 - Mosfet半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

Mosfet半導体装置及びその製造方法

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JP3459385B2 JP26910899A JP26910899A JP3459385B2 JP 3459385 B2 JP3459385 B2 JP 3459385B2 JP 26910899 A JP26910899 A JP 26910899A JP 26910899 A JP26910899 A JP 26910899A JP 3459385 B2 JP3459385 B2 JP 3459385B2
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大規模集積化半導
体装置、特にシリコン−オン−インシュレータ(SO
I)構造の超高速電界効果型トランジスター(以下SO
I−MOSFETと略記する)に係るMOSFET半導
体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波移動体通信の目覚しい普及に代表
されるように、超高速高機能半導体装置の実現により社
会生活の情報化が著しく進行している。これに伴い、こ
れらに用いられる個々の半導体素子の微細化、高速化、
大規模集積化、ワンチップ化に対する要求は時を追って
増大している。しかし、これらの半導体素子の主要な構
成要素であるMOSFETの微細化を考えた場合、これ
には様々な困難が伴う。例えば、MOSFETのチャネ
ル長(即ちゲート電極の長さ)の縮小に伴いしきい値電
圧が下降する短チャネル効果や、従来の局所的酸化技術
では酸化領域が素子分離領域からはみ出してしまうた
め、微細な素子分離構造が形成できない事などである。
【0003】この様な問題に対して、シリコン−オン−
インシュレータ(SOI)構造へのLSI回路の製造が
提案されている。特に、絶縁体上に形成されたシリコン
層の膜厚を薄くしていくことで、ソース/ドレイン領域
に隣接したエクステンション部の厚さを制限し、この部
分の電界分布を変化させ、MOSFET装置の微細化に
伴う短チャネル効果を抑制できる。さらに、浅いトレン
チによる素子分離(STI)技術を用いることで、薄膜
SOI装置の素子分離は、素子形成領域以外を単にエッ
チング除去することで、容易に達成される。加えて、シ
リコン層の膜厚をチャネル部を伝導する電子の波動函数
のチャネル垂直方向の広がり程度以下に薄くすること
で、シリコン層中の導伝帯の電子状態のエネルギー縮退
が解除され、チャネル部には、有効質量の小さな、即
ち、高速の電子のみが誘起され、チャネル部の移動度が
上昇し、MOSFET素子の高速化が達成される事が
られている。[S.Takagi, et. al.
Jpn. J. Appl.Phys., Vol.3
7, p.1289(1998)]しかしながら、この
ようにシリコン−オン−インシュレータ(SOI)構造
のシリコン層の膜厚を薄くしていく事に伴い以下のよう
な問題が生じてくる。
【0004】シリコン層の膜厚をチャネル部を伝導する
電子の波動函数の広がり程度以下に薄くすることで移動
度は向上するが、電子の波動函数がチャネル下部の絶縁
体/シリコン界面にも達しているため、チャネル部を伝
導する電子はSOI下部絶縁体/シリコン界面、或い
は、SOI下部絶縁体中の電子捕獲中心(以下単にTr
apと略記する)と強く相互作用する事になる。よっ
て、チャネル部を形成する電子とSOI下部絶縁体中の
Trapは電荷の捕獲、放出を繰り返し、この結果、チ
ャネル部を流れる電子の数、即ち、信号電流(ドレイン
電流)が変動する。電荷の捕獲、放出過程は一般にMa
rkov過程と呼ばれる確率過程となり、信号電流は時
間的に不規則に揺らぐ。特に、SOI下部絶縁体中のT
rapはトンネル過程を経てチャネル部を形成する電子
と相互作用するので捕獲、放出の時定数は大きく、さら
に、Trapのチャネル部からの距離により大きく変化
する。このため個々のTrapからの電荷捕獲、放出過
程が重乗し、低周波領域で大きな揺らぎ成分を持つ、い
わゆる1/f noiseと呼ばれる揺らぎが誘起され
てしまう。この揺らぎはゲート絶縁膜によっても発生す
るが、極めてTrapの少ない熱酸化膜を用いているの
で、SOI下部絶縁体に起因する揺らぎが大勢をしめる
ことになる。
【0005】このように集積回路の基本的素子であるM
OSFETに1/f noiseが発生すると、移動体
通信等に利用されるアナログ集積回路の重要な構成要素
回路であるVoltage−Controlled−O
scillator(VCO)の周波数に揺らぎが現れ
る。この結果、いわゆるphase noiseといわ
れている不具合が生じ、高周波信号を変調、或いは、同
調できなくなってしまう。さらに、高周波信号を低周波
信号に変換(down convert)し高増幅率を
達成する場合も、低周波部分に大きなnoiseがある
と利用できる周波数領域が制限されるなどの支障が生じ
る。
【0006】また、シリコン層を薄くしていくと、これ
に伴い、ソース/ドレイン領域も同時に薄膜化してしま
うので、この部分の電気抵抗が上昇し、信号の伝達が遅
延されるという障害も起こってくる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上詳しく説明した通
り、SOI−MOSFETの薄膜化により短チャネル効
果の抑制し、さらにチャネル移動度の増大を利用して超
高速SOI−MOSFETを形成しようとすると1/f
noiseも同時に増大するという困難があった。
【0008】本発明は、上記のような、従来技術の欠点
を除去し、SOI−MOSFETの薄膜化による移動度
の増大を享受しつつ、しかも、1/f noiseの増
大を回避できる超高速SOI−MOSFET構造のMO
SFET半導体装置、及び製造コストの削減された同半
導体装置の製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、シリコン−オン−インシュレータ(SO
I)構造のシリコンチャネル層の膜厚を薄くしていくと
同時に、チャネル直下のSOI下部絶縁膜も薄膜化す
る。さらに、ソース/ドレイン領域をチャネル直下のS
OI下部絶縁膜より下部のシリコン基板に達する様に形
成する事を特徴とする。さらに、本発明は、SOI構造
シリコンチャネル層に加え、チャネル直下のSOI下
部絶縁膜とシリコン基板の界面に第二のチャネルを形成
する事を含んでいる。加えて、本発明は、SOI下部絶
縁膜をHF耐性を持つ特殊な酸化膜により形成する事を
含んでいる。 (作用) シリコン−オン−インシュレータ(SOI)構造のシリ
コンチャネル層の膜厚を薄くしていく、好ましくは50
オングストローム以下(以下、オングストロームをAと
記す)とすると同時に、SOI下部絶縁膜も薄膜化、好
ましくは15A以下とする事により、電荷の捕獲、放出
に関与するSOI下部絶縁体中のTrapの数自体を低
減できる。さらに、Trapはトンネル過程を経てチャ
ネル部を形成する電子と相互作用するので、SOI下部
絶縁膜の薄膜化に伴い絶縁膜中Trapとチャネル部分
とのトンネル距離が縮小し、捕獲、放出の時定数は全般
に小さくなり、捕獲された電荷は速やかにトンネル過程
を経て再び放出されるようになる。よって、チャネル部
を形成する電子がTrapに捕獲され絶縁体中で不動化
する確率が減少し、低周波でのドレイン電流揺らぎが抑
制される。
【0010】加えて、SOI下部絶縁膜下のシリコン基
板に第二のチャネルが形成され、これと接続するソース
/ドレイン電極がSOI下部絶縁膜を突き抜けて形成さ
れているため、電子が、Trapからトンネル過程を経
てシリコン基板側に放出されたとしても、この第二のチ
ャネルを経由してドレインで回収される。よって、ドレ
イン電流、MOSFETの駆動力は減少しない。即ち、
SOI下部絶縁膜は、シリコンチャネル層中を伝導する
電子の波動函数を変調し、導伝帯の電子状態のエネルギ
ー縮退を解除し、高速の電子のみを誘起するためだけに
利用され、あたかも、低周波揺らぎを引き起こすTra
pは存在しないかのような振る舞いをする。
【0011】さらに、チャネル下部には薄膜の絶縁膜が
形成されているので、従来どおり、ソース/ドレイン−
エクステンション部は浅く保つことができ短チャネル効
果を抑制するという機能は保持しつつ、ソース/ドレイ
ン電極がSOI下部絶縁膜を突き抜けて形成されている
ため、この部分の電気抵抗は極薄のシリコンチャネル層
に制限されることなく低く保ことができる。
【0012】よって、短チャネル効果のない、高移動度
の超高速SOI−MOSFETが実現される。
【0013】
【発明の実施の形態】(実施例) 以下、本発明の第一の実施例を図面を参照して説明す
る。本発明は、廉価なバルクシリコン基板上に、SOI
構造の超高速MOSFETを形成する簡略な製造工程を
具現する。
【0014】図1−aは、シリコン半導体基板100、
このうち、p型不純物を導入された領域(p−wel
l)101、n型不純物を導入された領域(n−wel
l)102、及びその表面に形成された、例えば、10
0Aの、例えば、薄いシリコン窒化膜201を示す。
【0015】図1−bに示す様に、続いて、Litho
graphy工程、RIE工程等の、公知の技術の効果
的な方法によりSOI型MOSFET素子形成領域30
に、シリコン窒化膜201を貫きシリコン半導体基板
100に達する開口部を穿つ。この時、シリコン半導体
基板100への浅い溝の深さは、目途とするシリコン
ャネル層401,402の厚さ、例えば30Aとなるよ
うにエッチング工程を調整する。また、RIE工程の
際、RIEのプラズマ中に炭素を含有する様にする。炭
素含有プラズマは、公知の技術の範囲内の効果的な方法
で生成することが出来る。炭素の供給源は、プラズマ内
に炭素を供給出来る任意の供給源で良い。例えば、炭素
含有プラズマは、CF4、CHF3、CCl、CH4な
どのガスをプラズマ中に供給する事で生成出来る。ま
た、炭素は基板にフォトレジストマスクの様な炭素含有
物質がある場合、ここから、RIEに伴うイオン衝撃を
利用して供給させる事も出来る。一般に、プラズマは、
その状態を維持するために、周囲の物質に対し、正の電
位を帯びる様になる。この結果、プラズマより、周囲の
物質に対して正電荷を帯びた粒子を垂直に入射させる方
向に電界が発生する。よって、プラズマ中の正電荷を帯
びた炭素粒子は、当該シリコン半導体基板100の素子
形成領域300に垂直に衝突する。このため、素子形成
領域300の底部の水平シリコン面303のみに炭素粒
子は注入され、垂直シリコン面301,302には炭素
粒子は注入されない。通常使われるRIEプラズマから
の入射粒子は1kV以下で加速されているので、この炭
素含有シリコン層の厚さは数十オングストロームにとど
まる。この後、これを、例えば1000℃で熱酸化し、
垂直シリコン面301,302及び水平シリコン面30
3に、例えば50オングストロームの薄い酸化膜31
1,312,313をそれぞれ形成する。
【0016】図2は、こうして形成された酸化膜31
1,312,313を200:1の希HF溶液中に浸
し、その膜厚の時間変化を示したものである。実線は、
通常の酸化膜、即ち、垂直シリコン面301,302
に形成された酸化膜311,312の膜厚の変化であ
る。希HF溶液中でエッチングが滞りなく進行し、速や
かに酸化膜が除去されていることが分かる。一方、破線
は、炭素含有シリコン層を酸化して得られた酸化膜、即
ち、水平シリコン面303上に形成された酸化膜313
の膜厚の変化である。酸化前の炭素含有シリコン層の炭
素含有率は5atomic%である。希HF溶液中での
エッチングの進行はあるところ(酸化膜厚が15Aのと
ころ)でほとんどとまってしまう事が分かる。ゲート酸
化膜に関する研究から、酸化膜厚が15A程度以下にな
ると、1/f noiseの発生が十分抑制される事が
知られている[H.S.Momose, et.al.
IEDMp923(1998)]。よって、酸化膜31
1,312及び酸化膜313を同時に希HF溶液中に長
時間浸すと垂直シリコン面301,302上に形成され
た酸化膜311,312のみを選択的に除去し、しかも
非常に薄いノイズの発生が抑制されたHF耐性のある酸
化膜313が自動的にシリコン半導体基板100への浅
い溝の底部の水平シリコン面303に形成される事が明
らかである。
【0017】図1−cは、上記の説明に基づき、図1−
bの半導体基板を希HF溶液中に浸し垂直シリコン面
01,302上に形成された酸化膜311,312のみ
を選択的に除去した後の断面図を示している。シリコン
半導体基板100への浅い溝の底部の水平シリコン面
03(即ちチャネルを形成する面)には、酸化膜313
が存在するが、その垂直シリコン面301,302に
は、シリコンは露出している。
【0018】図1−dは、垂直シリコン面301,30
2に露出したシリコンを成長の種として、この領域上に
横方向選択エピタキシャル成長を行いチャネル領域とな
るべきシリコン層400を追加形成した後の断面図を示
す。シリコン層400の厚みは、この後RIEやChe
mical Dry Etching(CDE)の様な
エッチング工程を追加して調整しても良い。また、シリ
コン窒化膜201をマスクとしてChemical M
echanical Polishing(CMP)の
ような平坦化工程を利用してもよい。シリコン層400
の厚みは50A以下に抑える事で、電子の波動函数の変
調による移動度の増大が見込める。
【0019】エピタキシャル成長の直前には、自然酸化
膜などをHF等により十分除去してやらなければならな
いが、上記に説明したとおり酸化膜313はHF耐性を
備えているのでこの処理が可能である事に注目すべきで
ある。
【0020】選択エピタキシャル成長は、公知の技術の
内の効果的な方法で行える。例えば、基板を、800℃
の高真空中で、SiHClとHClにさらす。横方
向の成長を促すため、垂直シリコン面301,302
は、(100)方向をむいている事が望ましい。シリコ
ン窒化膜201は加熱されたりん酸(HPO)溶液
にさらし、選択的に除去される。
【0021】また、チャネル領域となるべきシリコン層
400の追加形成は、横方向選択エピタキシャル成長以
外にも行える。まず、均一な膜厚のアモルファスシリコ
ン層を基板の表面に一様に堆積させる。該シリコン層
00の堆積は、公知の技術の範囲内であり、例えば、
0.2 Torr, 400℃, でSiH4ガスを使
用する事で容易に形成することができる。この後、シリ
コン窒化膜201をマスクとしてChemical M
echanical Polishing(CMP)の
ような平坦化工程を利用して素子形成領域300以外に
堆積したアモルファスシリコン層を除去する。このアモ
ルファスシリコン層を、例えば、窒素雰囲気中、600
で熱処理する事により、垂直シリコン表面301,3
02に露出したシリコンを種として、結晶化することで
達成される。結晶化したシリコン層は必要であれば、例
えば熱酸化とHFエッチング等を繰り返し目途の膜厚、
例えば30A、に調整することができる。
【0022】図1−eに示す様に、図1−dの構造体の
表面に素子分離用の浅い溝(shallow tren
ch) 111,112,113とそれを基板表面まで
埋める絶縁物質、例えばシリコン酸化膜を形成する。
これは、Lithography工程、RIE工程、C
VD(chemical vapor diposit
ion)法による絶縁膜堆積、さらに、CMP(che
mical mechanical polishin
g)法による平坦化等の、公知の技術の効果的な方法に
より達成できる。この時、エピタキシャル成長時に形成
される可能性のある結晶粒界部分、例えばシリコン半導
体基板100の素子形成領域300の中央部は素子分離
領域として利用される事は言うまでもない。
【0023】このようにして、極薄埋め込み酸化膜31
を備えたSOI型の極薄シリコンチャネル層401,
402がバルクシリコン基板上に形成された。
【0024】この後、極薄シリコンチャネル層401,
402上に、ゲート絶縁膜501,502、ゲート電極
601,602を形成する。これらは、熱酸化工程、C
VD工程、Lithography工程、RIE工程、
等の、公知の技術の効果的な方法により達成できる。さ
らに、ゲート電極601,602の両側の極薄シリコン
チャネル層401,402に、イオン注入や固相拡散な
どの公知の技術のうち効果的な方法で、それぞれn型、
p型不純物を導入し、拡張ソース/ドレイン領域701
−a,701−b,702−a,702−bを形成す
る。この時、極薄埋め込み酸化膜313が拡散バリアー
となって極薄シリコンチャネル層401,402と同じ
厚さの極薄エクステンション部が形成できる。よって短
チャネル効果も抑制することが可能となる。
【0025】引き続き、ゲート電極601,602の両
側にCVD工程、RIE工程、等の、公知の技術の効果
的な方法により、ゲート側壁601−a,601−b,
602−a,602−bを例えばシリコン窒化膜にて形
成する。さらに、これらをマスクにイオン注入工程等の
公知の技術の効果的な方法によりn型ソース/ドレイン
領域711−a,711−b、p型ソース/ドレイン領
域712−a,712−bを形成する。この時、イオン
注入のエネルギー等を調整して、導電性不純物が極薄埋
め込み酸化膜313の下部にも導入される様にする。こ
の事により、極薄埋め込み酸化膜313と下部シリコン
半導体基板100とで形成されるべき第二のチャネル4
11,412を流れる電流もソース/ドレイン領域に回
収できる様になる。電荷が、Trapからトンネル過程
を経てシリコン半導体基板100側に放出されたとして
も、この第二のチャネル411,412を経由してドレ
インで回収される。よって、ドレイン電流、MOSFE
Tの駆動力は減少しない。加えて、ソース/ドレイン電
極が極薄埋め込み酸化膜313の下部にも形成されてい
るため、この部分の電気抵抗は極薄のシリコンチャネル
401,402に制限されることなく低く保つことが
できる。
【0026】図1−fに示す様に、上記の工程に引き続
き、例えば、CVD法により、低誘 電率絶縁膜を層間絶
縁膜1000として堆積した後、ソース/ドレイン領域
711−a,711−b,712−a,712−bへの
コンタクトホール1001−a,1001−b,100
2−a,1002−bを例えば、RIE技術により形成
する。この時、極薄埋め込み酸化膜313は、浅いソー
ス/ドレイン電極へのRIE工程のエッチングストップ
膜として用いる事もできる。さらに極薄埋め込み酸化膜
313を貫きエッチングを進め、Alなどの配線材料物
質1100を堆積し、極薄埋め込み酸化膜313上部、
下部のソース/ドレイン電極を電気的に接続し、さらに
必要な形状にRIE法などをもちいて配線を形成する。
【0027】これに引き続き、公知の技術を用いて、配
線工程、実装工程などを経て、半導体装置を完成させ
る。
【0028】上記、実施例は、CMOS型の極薄膜埋め
込み酸化膜をチャネル直下に有するSOI構造MOSF
ETを示したが、n−typeのMOSFETにだけ上
記の手法を施してもよいし、一部のMOSFETに対し
てのみ上記の手法により極薄膜埋め込み酸化膜を有する
SOI構造を実現してもよい。さらに、バルクシリコン
基板以外にも、従来のSOI基板に上記手法を施して極
薄膜埋め込み酸化膜を追加形成してもよいことは言うま
でもない。極薄膜埋め込み絶縁膜は必ずしも熱酸化膜で
ある必要なはく、電子の波動函数に対して同様の働きを
示す他の絶縁膜で代用できる事も指摘しておく。また、
上記の手法を繰り返し、多層の極薄シリコンチャネル層
/極薄絶縁膜の構造を実現し、更なる高駆動力、高移動
度を達成することもできる。
【0029】以下、本発明の第二の実施例を図面を参照
して説明する。本発明は、張り合わせSOI基板上に、
超高速MOSFETを形成する簡略な製造工程を具現す
る。
【0030】図3に、表面に極薄熱酸化膜320(15
A)を形成した下部シリコン基板120に別の上部シリ
コン基板121を上部から貼り付けた構造を示す。貼り
付けは鏡面研磨した上部シリコンウエハーの表面に親水
性処理を行い、室温の清浄な雰囲気でウエハ同士を接触
させる事でおこなえる。適宜200℃以上の熱処理を行
い接合を強化することが望ましい。さらに上部シリコン
基板121をエッチバック法やポリシング法など公知に
技術を用いて100A程度にまで薄膜化する。この際、
上部シリコン基板121の張り合わせ面には、張り合わ
せに先立ちエッチングストッパとなる構造、例えば酸化
膜を充填した溝などを、形成することで薄膜化は容易に
なる。
【0031】引き続き、図1−e以下の工程を施し、第
一の実施例と同様に極薄膜埋め込み酸化膜をチャネル直
下に有するSOI構造MOSFETを完成させる。
【0032】
【発明の効果】以上、詳述してきた様に、本発明によれ
ば、シリコン−オン−インシュレータ(SOI)構造の
シリコン層の膜厚をチャネル部を伝導する電子の波動函
数のチャネル垂直方向の広がり程度以下に薄くすること
で、シリコン層中の導伝帯の電子状態のエネルギー縮退
が解除され、チャネル部には、有効質量の小さな、即
ち、高速の電子のみが誘起され、チャネル部の移動度が
上昇し、MOSFET素子の高速化が達成される。
【0033】同時に、SOI下部絶縁膜も薄膜化する事
により、電荷の捕獲、放出に関与するSOI下部絶縁体
中のTrapの数自体を低減できる。さらに、Trap
はトンネル過程を経てチャネル部を形成する電子と相互
作用するので、SOI下部絶縁膜の薄膜化に伴い絶縁膜
中Trapとチャネル部分とのトンネル距離が縮小し、
捕獲、放出の時定数は全般に小さくなり、捕獲された電
荷は速やかにトンネル過程を経て再び放出されるように
なる。よって、チャネル部を形成する電子がTrapに
捕獲され絶縁体中で不動化する確率が減少し、低周波で
のドレイン電流揺らぎが抑制される。
【0034】加えて、SOI下部絶縁膜下のシリコン半
導体基板に第二のチャネルが形成され、これと接続する
ソース/ドレイン電極がSOI下部絶縁膜を突き抜けて
形成されているため、電子が、Trapからトンネル過
を経てシリコン半導体基板側に放出されたとしても、
この第二のチャネルを経由してドレインで回収される。
よって、ドレイン電流、MOSFETの駆動力は減少し
ない。
【0035】さらに、チャネル下部には薄膜の絶縁膜が
形成されているので、ソース/ドレイン−エクステンシ
ョン部は浅く保つことができ短チャネル効果は抑制され
る。
【0036】また、ソース/ドレイン電極がSOI下部
絶縁膜を突き抜けて形成されているため、この部分の電
気抵抗は極薄のシリコンチャネル層に制限されることな
く低く保つことができる。
【0037】チャネル直下の極薄埋め込み酸化膜を炭素
含有シリコン層を熱酸化膜することで形成しているた
め、HF耐性のある15A程度の酸化膜が自動的に得ら
れる。
【0038】廉価なバルクシリコン上にもSOI構造を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる半導体装置製造法の概念図。
【図2】熱酸化膜の、HF溶液中でのエッチングの進行
を時間に対する残存膜厚として示した図。
【図3】本発明にかかる半導体装置製造法の概念図。
【符号の説明】
100 半導体基板 101 p−well領域 102 n−well領域111,112, 113 shallow trenc
h isolation 120 張り合わせSOI下部シリコン基板 121 張り合わせSOI上部シリコン基板 201 シリコン窒化膜 300 素子形成領域301, 302 素子形成領域中に形成された垂直シリ
コン面 303 素子形成領域中に形成された水平シリコン面311, 312 素子形成領域中垂直シリコン面上に形
成された熱酸化による酸化膜 313 素子形成領域中水平シリコン面上に形成された
極薄埋め込み酸化膜となるべき炭素含有の熱酸化による
酸化膜 320 張り合わせSOI基板中に形成された極薄埋め
込み酸化膜 400 チャネル領域となる追加形成されたシリコン層 401 n−MOSFETのチャネル領域を形成する
結晶シリコンのシリコンチャネル層 402 p−MOSFETのチャネル領域を形成する
結晶シリコンのシリコンチャネル層 411 n−MOSFETの第二のチャネル 412 p−MOSFETの第二のチャネル 501, 502 ゲート絶縁膜601, 602 ゲート電極 601−a,601−b,602−a,602−b ゲ
ート側壁 701−a,701−b,702−a,702−b
張ソース/ドレイン領域 711−a,711−b,712−a,712−b
ース/ドレイン領域 1000 層間絶縁膜 1001−a,1001−b,1002−a,1002
−b ソース/ドレイン上コンタクトホール 1100 配線材料物質
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 H01L 29/786 H01L 21/336

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン半導体基板上に形成された絶縁
    層と、この絶縁層上に設けられた単結晶シリコンで形成
    されたシリコンチャネル層と、このシリコンチャネル層
    上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前
    記シリコンチャネル層にチャネル及び前記シリコン半導
    体基板に第二のチャネルが形成されるよう設けられたソ
    ース/ドレイン電極を備えてなると共に、前記シリコン
    チャネル層は、該シリコンチャネル層を伝導する電子の
    波動関数のチャネル垂直方向の広がり寸法以下の厚さを
    有し該シリコンチャネル層を伝導する電子の移動度を増
    加させる厚さを有するものであり、かつ前記絶縁層は、
    前記シリコンチャネル層を伝導する電子が前記シリコン
    チャネル層のチャネルから前記シリコン半導体基板の第
    二のチャネルへ量子力学的トンネル過程により放出され
    ることを可能とし、チャネル電流中の1/fノイズが抑
    制される厚さを有するものであることを特徴とするMO
    SFET半導体装置。
  2. 【請求項2】 シリコン半導体基板上に形成された絶縁
    層と、この絶縁層上に設けられた単結晶シリコンで形成
    されたシリコンチャネル層と、このシリコンチャネル層
    上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前
    記シリコンチャネル層にチャネル及び前記シリコン半導
    体基板に第二のチャネルが形成されるよう設けられたソ
    ース/ドレイン電極を備えてなると共に、前記シリコン
    チャネル層の厚さが、50オングストローム以下であ
    り、かつ前記絶縁層の厚さが、15オングストローム以
    下であることを特徴とするMOSFET半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記シリコンチャネル層には拡張ソース
    /ドレイン領域が形成されており、該拡張ソース/ドレ
    イン領域間のチャネルの長さが、前記絶縁層を挟んで前
    記シリコン半導体基板に形成されるソース/ドレイン領
    域間の第二のチャネルの長さより短いことを特徴とする
    請求項1または請求項2記載のMOSFET半導体装
    置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁層が、炭素含有シリコン層を酸
    化して形成したシリコン酸化膜であることを特徴とする
    請求項1または請求項2記載のMOSFET半導体装
    置。
  5. 【請求項5】 シリコン半導体基板上に絶縁層を、該絶
    縁層上に後工程で形成 される単結晶シリコン層のシリコ
    ンチャネル層を伝導する電子が前記シリコンチャネル層
    のチャネルから前記シリコン半導体基板の第二のチャネ
    ルへ量子力学的トンネル過程により放出されることを可
    能とし、チャネル電流中の1/fノイズが抑制される厚
    さに設ける工程と、前記絶縁層上に単結晶シリコン層
    を、該単結晶シリコン層のシリコンチャネル層を伝導す
    る電子の波動関数のチャネル垂直方向の広がり寸法以下
    の厚さを有し該シリコンチャネル層を伝導する電子の移
    動度を増加させる厚さに設ける工程と、前記単結晶シリ
    コン層上にゲート絶縁膜、該ゲート絶縁膜上にゲート電
    極とゲート側壁を設ける工程とを有し、ゲート絶縁膜と
    ゲート電極をマスクとして導電性不純物をイオン注入
    し、前記単結晶シリコン層に拡張ソース/ドレイン領域
    を形成し、さらにゲート絶縁膜、ゲート電極、ゲート側
    壁をマスクとして導電性不純物をイオン注入し、前記シ
    リコン半導体基板上部に、前記拡張ソース/ドレイン領
    域間のチャネル長さよりも長い距離によって隔てられた
    ソース/ドレイン領域を形成し、前記チャネル長さより
    も長い第二のチャネル領域を形成する工程を備えてなる
    ことを特徴とするMOSFET半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記絶縁層を、炭素含有シリコン層を酸
    化することによって酸化膜を形成した後、該酸化膜を希
    HF溶液中でエッチングすることにより、前記単結晶シ
    リコン層のシリコンチャネル層を伝導する電子が前記シ
    リコンチャネル層のチャネルから前記シリコン半導体基
    板の第二のチャネルへ量子力学的トンネル過程により放
    出されることを可能とし、チャネル電流中の1/fノイ
    ズが抑制される厚さとなるよう設けることを特徴とする
    請求項5記載のMOSFET半導体装置の製造方法。
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