JP3458822B2 - 廃棄物の処理方法及び処理装置 - Google Patents

廃棄物の処理方法及び処理装置

Info

Publication number
JP3458822B2
JP3458822B2 JP2000127878A JP2000127878A JP3458822B2 JP 3458822 B2 JP3458822 B2 JP 3458822B2 JP 2000127878 A JP2000127878 A JP 2000127878A JP 2000127878 A JP2000127878 A JP 2000127878A JP 3458822 B2 JP3458822 B2 JP 3458822B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waste
gas
volatilization
harmful organic
volatilized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000127878A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001259610A (ja
Inventor
肇 秋山
将 鮎川
能成 藤沢
隆 横山
康夫 鈴木
徹 塩満
敦 平山
敏彦 岩▲崎▼
敬三 浜口
啓介 中原
拓也 品川
容 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP2000127878A priority Critical patent/JP3458822B2/ja
Publication of JP2001259610A publication Critical patent/JP2001259610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3458822B2 publication Critical patent/JP3458822B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物の処理方法
に係り、より詳細には無機成分を主体とし有害有機物を
含有する廃棄物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】焼却残渣、汚染土壌、及び吸着処理残渣
のような無機成分を主体とする廃棄物には、クロロホル
ム、ダイオキシン類、PCB類、有機燐化合物、及び有
機金属化合物等の有害有機物や、その前駆物質が含まれ
ることがある。このような有害有機物或いはその前駆物
質を含有する廃棄物は、一般に、化学的に処理すること
或いは加熱することにより無害化されている。
【0003】特公平6−38863号公報及び特開平2
−78479号公報は、廃棄物焼却時に発生する焼却
灰、特に焼却飛灰に含まれる有害有機物を処理する方法
を開示している。これら開示のうち、前者はごみ焼却プ
ラントからの飛灰を直接非通り抜け系において酸素欠乏
状態で加熱してポリハロゲン化物を分解するものであ
る。一方、後者は焼却飛灰を充満させた滞留部に加熱手
段を設け300℃以上の加熱によってダイオキシン類を
分解し、その後急冷する方法である。また、これら以外
にも、溶融処理や超臨界水条件下での酸化分解法等のよ
うな化学的な分解処理方法が知られている。
【0004】しかしながら、これら方法はいずれも問題
を有している。例えば、上記廃棄物を超臨界水条件下で
薬品を用いて酸化分解処理或いは脱塩素処理する場合、
多量の薬品等が必要である。そのため、このような方法
は一般に高コストである。
【0005】それに対し、上記廃棄物を燃焼させること
或いは溶融させた場合、薬品等を消費することなく廃棄
物を処理することが可能である。例えば、燃焼を用いた
無害化処理によると、廃棄物は、キルンまたは流動床方
式で、酸素を供給しつつ800〜1200℃程度に加熱
することにより行われる。
【0006】この方法によると、廃棄物が高い濃度で有
機物を含有する場合には自燃及び熱回収が可能であるた
め、比較的低いコストで廃棄物を無害化処理することが
できる。しかしながら、この方法で無機成分を主体とす
る廃棄物を処理した場合、有機物の濃度が低いため、自
燃及び熱回収を効率的に行うことができない。また、こ
の方法において廃棄物の燃焼の際に空気を供給した場
合、多量の排ガスが排出される及びNOxが発生すると
いう問題を生ずる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、無機成分を主体とし有機
物を含有する廃棄物を低いコストで無害化処理すること
が可能な廃棄物の処理方法及び処理装置を提供すること
を目的とする。
【0008】また、本発明は、無機成分を主体とし有機
物を含有する廃棄物の無害化処理を多量の排ガス及びN
xを発生することなく行うことが可能な廃棄物の処理
方法及び処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、無機物を主体とし有害有機物を含有する
廃棄物から上記有害有機物を揮発させ、この揮発した有
害有機物を含むガスを発生させる工程、及び上記ガス中
に含まれる揮発した有害有機物を無害化処理する工程を
有することを特徴とする廃棄物の処理方法を提供する。
また、本発明は、無機物を主体とし有害有機物を含有す
る廃棄物から上記有害有機物を揮発させ、この揮発した
有害有機物を含むガスを発生させる手段、及び上記ガス
中に含まれる揮発した有害有機物を無害化処理する手段
を有することを特徴とする廃棄物の処理装置を提供す
る。
【0010】無機物を主体とし有害物質を含有する廃棄
物は、土壌、焼却残渣、及び吸着残渣等のいずれであろ
うと、通常、複数種の有害有機物を含有している。この
ような廃棄物が常温で揮発する成分を有害有機物として
含有する場合、一般的には、曝気等により揮発成分を追
い出した後、それを吸着或いは分解することにより無害
化処理が行われている。
【0011】しかしながら、上記有害有機物が分子量の
大きな有機ハロゲン化物である場合、無害レベルまで揮
発させるのに必要な温度が非常に高い。また、有機ハロ
ゲン化物を酸化性雰囲気下で高温とした場合、塩素ガス
のような高い酸化性を有するガスが発生することがあ
る。そのため、上述した方法によると、有機物が塩素化
され、さらに有害有機物が生成されるおそれがある。ま
た、有機物含有量が高い廃棄物を高温とした場合、発火
の危険性がある。
【0012】このような問題に鑑み、還元性雰囲気下で
の触媒を用いた分解或いは燃焼法が推奨されている。こ
の方法によると、廃棄物の無害化処理に伴ってNOx
発生を防止することができる。また、低温で処理するこ
とにより、処理費を低減することが可能となる。しかし
ながら、このような方法は幾つかの問題を有している。
以下、本発明者らの調査に従ってこれら問題について説
明する。
【0013】まず、廃棄物である土壌と焼却飛灰とに有
害有機物或いは有害有機物源であるトリクロロフェノー
ルと塩とを含浸させ、それぞれ外気中に放置した。1ヶ
月放置後、これらを30gづつ計り取り、直径40m
m、長さ500mmの管状炉内にそれぞれ配置した。炉
内に窒素を50ml/分の流量で流通させ、常温から加
熱して所定温度に保持して、これら廃棄物に含まれるの
窒素ガス中への有害有機物の揮散挙動を調べた。
【0014】その結果、土壌に関しては、200℃に保
持した場合はトリクロロフェノールのおよそ70%が窒
素ガス中に揮発した。すなわち、土壌に関しては、比較
的低温でトリクロロフェノールの大部分が揮発した。一
方、焼却飛灰に関しては、200℃の場合はトリクロロ
フェノールの揮発は殆ど無かったが、300℃の場合は
20%が、350℃の場合は35%が、400℃の場合
は40%が揮発した。すなわち、焼却飛灰は土壌に比べ
て有害有機物の揮発が生じにくいが、温度を上昇させる
ことにより揮発量は増加した。なお、350℃に加熱し
た飛灰について残留したトリクロロフェノールの量を調
べたところ、当初の3%程度であった。
【0015】上述した方法によると、加熱温度の上昇に
応じてトリクロロフェノールの分解は促進されるが、そ
の反面でそれらの揮発量は増加する。そのため、特に流
通系においてトリクロロフェノール等を期待レベルにま
で分解することは困難であると考えられる。
【0016】次に、同様の試験を空気流通下で実施し
た。その結果、土壌に関しては同様の結果が得られた
が、焼却飛灰に関してはダイオキシンが合成されていた
ため、上述したのとは異なる結果、すなわち以下に示す
のと同様の結果が得られた。
【0017】Altwickerらは、Organoh
ologen CompoundsVol.20(19
94)において、焼却飛灰の加熱実験の結果を報告して
いる。これによると、系内に酸素を10%含有するガス
を流通させ、この系内で飛灰を加熱した場合、再合成に
より生じるダイオキシン類の量は温度が250℃から3
00℃に上昇するのに応じて増加し、350℃では30
0℃に比べてやや低下する。また、300℃ではダイオ
キシン類の37%がガス相に移行するに過ぎないが、3
50℃では94%がガス相に移行する。さらに、Alt
wickerらは、酸素濃度とダイオキシン類の量との
関係について開示しており、それによると、流通系で飛
灰を300℃に加熱した場合、酸素濃度の増加とともに
ダイオキシン類は増加し、特に酸素濃度が1%であって
も数百ng/g(空気の場合の10%程度)ものダイオ
キシン類が生じる。
【0018】このように、90%以上の分解率を実現す
るためには、処理を酸素濃度を1%以下とするか或いは
密閉系で行う必要がある。しかしながら、焼却飛灰のか
さ密度は0.3g/ml程度と低いため、持ち込み空気
量が非常に多い。そのため、酸素濃度を1%以下とする
ために不活性ガスを用いる場合、その使用量が大量とな
るという問題を生ずる。また、処理を密閉系で行う場
合、極めて大きな装置容量が必要となるという問題を生
ずる。以上説明したように、上記還元雰囲気下での加熱
分解法は万全な方法である訳ではない。
【0019】これに対し、本発明の方法によると、廃棄
物の無害化は廃棄物から有害有機物を揮発させることに
より行なわれ、揮発した有害有機物は別途無害化処理さ
れる。そのため、本発明の方法によると、廃棄物の無害
化処理を高い自由度で行うことが可能となる。例えば、
本発明の方法によると、廃棄物の無害化処理の際に酸素
濃度を制御する必要がなく、流通系での処理も可能であ
る。したがって、本発明の方法によると、より効率的に
及びより低いコストで廃棄物を無害化処理することが可
能となる。
【0020】本発明において、廃棄物からの有害有機物
の揮発処理は、廃棄物を加熱することにより行われる。
この揮発処理は、燃焼を生じることのないように及び最
終的には廃棄物に含まれる有害有機物がほぼ完全に除去
されるように行う。
【0021】この廃棄物が焼却主灰や焼却飛灰である場
合、廃棄物からの有害有機物の揮発は、廃棄物を350
〜500℃に加熱することにより行うことが好ましい。
また、廃棄物を200〜350℃の第1の温度に加熱す
る第1の加熱処理と、廃棄物を第1の温度よりも高く且
つ350〜500℃の第2の温度に加熱する第2の加熱
処理とを順次行うことにより、廃棄物から有害有機物を
揮発させることも好ましい。このような加熱は、例え
ば、上記温度のガスを吹き込むことにより行うことがで
きる。
【0022】また、廃棄物が土壌である場合、廃棄物か
らの有害有機物の揮発は、廃棄物を300℃以上に加熱
することにより行うことが好ましい。また、廃棄物を2
00〜300℃の第1の温度に加熱する第1の加熱処理
と、前記廃棄物を前記第1の温度よりも高く且つ300
℃以上の第2の温度に加熱する第2の加熱処理とを順次
行うことにより、廃棄物から有害有機物を揮発させるこ
とも好ましい。このような加熱は、例えば、上記温度の
ガスを吹き込むことにより行うことができる。
【0023】なお、高温ガスを吹き込むことにより廃棄
物の加熱を行う場合、廃棄物が焼却主灰、焼却飛灰、及
び土壌のいずれであろうと、高温ガスの吹き込み量を廃
棄物の重量に対して0.01〜10Nm3/kgに制御
することが好ましい。
【0024】本発明の方法において、上記揮発処理は、
廃棄物を加熱することに加え、系の圧力を変動させつつ
行ってもよい。すなわち、減圧させることにより有害有
機物の揮発を促進してもよい。
【0025】また、本発明の方法においては、廃棄物を
収容する揮発槽に揮発促進ガスを供給して有害有機物の
揮発を促進することができる。或いは、揮発促進ガスを
供給せずに、廃棄物に随伴して揮発槽に供給されたガス
を吸引排気してもよく、揮発促進ガスを供給しつつ吸引
排気してもよい。
【0026】さらに、有害有機物を揮発させる際には、
廃棄物を振動させることにより廃棄物の流動床を形成し
てもよい。この場合、廃棄物を均一に加熱することがで
きるのとともに、有害有機物の揮発を促進することがで
きる。廃棄物の流動床は、例えば、廃棄物を収容する容
器を機械的に振動させること或いは廃棄物にガスを間欠
的に送り込むことにより形成することができる。
【0027】本発明の方法において、揮発した有害有機
物の無害化処理には、燃焼法、触媒燃焼法、触媒分解
法、溶融物との接触分解法、吸着法、洗浄法、冷却凝縮
法及びこれらの組合わせを用いることができる。例え
ば、燃焼法を用いた場合、有害有機物を廃棄物から揮発
させない場合に比べて燃焼に必要な酸素量が低減され
る。したがって、酸素源として空気を用いた場合におい
ても、多量の排ガス及びNO xを発生することなく無害
化処理を行うことが可能となる。
【0028】また、有害有機物を触媒を用いて無害化す
る場合、有機物を廃棄物から分離しない場合に比べて、
有害有機物と触媒との接触確率を高めることができる。
特に移動床或いは流動床式の触媒燃焼法或いは触媒分解
法を用いた場合、有害有機物と触媒との接触確率をさら
に高めることができる。したがって、多量の排ガス及び
NOxを発生することなく無害化処理を行うことができ
るだけでなく、低いコストで廃棄物を無害化処理するこ
とが可能となる。
【0029】廃棄物が焼却飛灰である場合、固定床式の
触媒燃焼法或いは固定床式の触媒分解法を用いて揮散し
た有害有機物を無害化処理してもよい。一般に、有害有
機物を揮散させるために廃棄物にエネルギーを与えた場
合、その一部は水の気化にも消費される。これに対し、
水を含有しない廃棄物の場合、或いは水を含有する廃棄
物を乾燥処理して水分を除いた場合、効率的に有害有機
物を揮散させることができる。さらに、この場合、揮散
した有害有機物を含むガス中の有害有機物の濃度が高め
られる。したがって、水の不存在下であれば、固定床式
の触媒燃焼或いは触媒分解であっても十分に高い効率で
無害化処理を行うことができる。
【0030】また、揮発した有害有機物の無害化処理
に、溶融物との接触分解法、吸着法、洗浄法、或いは冷
却凝縮法を用いた場合、多量の排ガス及びNOxを発生
することなく無害化処理を行うことが可能となる。
【0031】本発明の方法において、揮発した有害有機
物の無害化処理は必ずしも加熱を必要としない。本発明
の方法における無害化処理工程に供給されるガスは廃棄
物を加熱することにより生じたものである。したがっ
て、無害化処理工程に供給されるガスの温度が無害化処
理を行うのに十分に高ければ、別途加熱を行う必要がな
い。すなわち、より低いコストで廃棄物を無害化処理す
ることが可能となる。
【0032】本発明の方法においては、揮発した有害有
機物を含むガスに含まれる全有機炭素濃度を無害化処理
する工程の前及び後の少なくとも一方で測定し、その測
定結果を用いて、廃棄物の処理を行うプラントの運転状
況をモニタリングすることができる。この場合、上記測
定を連続的に行うことが好ましい。また、このような測
定を行った場合、その測定結果に基づいてプラントの運
転条件の少なくとも1つを制御することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しながらより詳細に説明する。図1〜図6は、本発明の
第1の実施形態に係る廃棄物の処理方法を概略的に示す
プロセスフローである。本発明の第1の実施形態に係る
処理方法によると、まず、図1に示すように、無機物を
主体とし有害有機物を含有する廃棄物、例えば焼却飛灰
は廃棄物貯槽1から揮発槽2に投入される。
【0034】揮発槽2では、焼却飛灰中に含まれる有害
有機物の加熱による揮散が行われる。有害有機物の揮発
は、通常、揮発槽2に空気のような揮発促進ガスを供給
することにより促進される。この揮発促進ガスとして
は、空気の他に、例えば、水蒸気、不活性ガス、廃棄物
を加熱することにより生ずるガス、飛灰を無害化処理す
るのに伴って生ずるガス、及びこれらの混合ガス等も用
いることができる。また、揮発促進ガスを供給せずに、
焼却飛灰に随伴して揮発槽2に供給されたガスを吸引排
気してもよく、揮発促進ガスを供給しつつ吸引排気して
もよい。
【0035】以上のようにして揮発した有害有機物は、
通常、気固分離により飛灰から強制的に分離される。処
理後の飛灰は有害有機物を除去されており、無害化され
た処理飛灰として揮発槽2から排出される。一方、揮発
した有害有機物を含むガスは、例えば、燃焼法により無
害化処理される。
【0036】燃焼法を用いて無害化処理を行う場合、揮
発した有害有機物を含むガスは図1に示すように揮発槽
2から焼却炉3へと供給される。このとき、図2に示す
ように、上記ガスの排気に伴って揮発槽2から排出され
る飛散ダストを集塵機4で回収し、回収したダストを再
度揮発槽2に供給してもよい。なお、揮発した有害有機
物を含むガスの燃焼は、例えば、バーナー火炎中で、専
用焼却炉中で、或いは既設の焼却炉中で行うことができ
る。
【0037】揮発槽2での廃棄物の加熱温度は、含有さ
れる有害有機物の種類に応じて異なる。例えば、有害有
機物がハロゲン化ベンゼン等である場合は200℃程度
であり、ダイオキシン類である場合は350℃以上が必
要である。また、加熱温度の上限は、通常、塩類が溶解
して固化を生ずる500℃程度である。なお、揮発槽2
による加熱を間接外部加熱方式、加熱された揮散促進ガ
スによる直接加熱方式、或いはそれらを組み合せた方式
により行う場合、処理対象物である廃棄物が接する壁面
の温度を600℃以下とすることが好ましい。
【0038】廃棄物の有機物含量は5%以下であること
が好ましい。例えば、廃棄物中に含まれる有機物が熱可
塑性プラスチックである場合には、有機物含量が5%以
下であれば溶融固着による揮発障害は生じない。また、
廃棄物中に含まれる有機物が重質油や熱硬化性樹脂であ
る場合においても、有機物含量が5%以下であれば問題
を生じることはない。なお、廃棄物中の有機物含量が過
剰であると熱分解ガスによる発火のおそれがあるが、こ
れは、揮発槽2内の雰囲気ガスの制御と静電気対策を行
うことにより防止可能である。無害化処理を施されたガ
スは無害化ガスとして排気される。以上のようにして廃
棄物の無害化処理が行われる。
【0039】図3及び図4に示すように、図1及び図2
に関して説明したプロセスにおいて、廃棄物とハロゲン
ガス発生防止剤とを混練機5で混練したものを揮発槽2
に供給してもよい。廃棄物中にハロゲン化物が含有され
る場合、揮発槽2では例えば下記化学式に示す反応が生
ずる。2NaCl+SiO2+1/2O2→Na2SiO3
+Cl2上記反応により生じた塩素ガスは、廃棄物中に
含有される金属を触媒として有機物を塩素化し有害物質
を生成することがある。特に、廃棄物中のハロゲン元素
の濃度が0.1%以上である場合、無視することができ
ない濃度で有害物質が生成される場合がある。
【0040】これに対し、廃棄物と、ナトリウム,カリ
ウム,カルシウム,及びマグネシウム等の水酸化物;
水;金属,合金,亜酸化物,及び水素化物等の還元剤;
或いはそれらの混合物のようなハロゲンガス発生防止剤
とを混練機5で混練した場合、ハロゲン化物の生成を防
止することができる。例えば、水を添加した場合、廃棄
物中に含有される金属の触媒としての能力を抑制するこ
とができる。また、ナトリウム,カリウム,カルシウ
ム,及びマグネシウム等の水酸化物を添加した場合、有
機物の塩素化触媒として機能する金属を金属水酸化物に
転化することができる。すなわち、廃棄物中に含有され
る有機物の塩素化を防止することができる。また、還元
剤を添加した場合、上記化学式に示す反応で生じた塩素
ガス等を還元剤に吸収させることができる。したがっ
て、この場合も、廃棄物中に含有される有機物の塩素化
を防止することができる。
【0041】揮発槽2には、廃棄物とともにアルコール
類を供給してもよい。アルコール類を供給した場合、吸
着等の作用により廃棄物に捕捉された有害有機物を溶出
させ、その揮発を促進することができる。
【0042】以上、廃棄物と添加物と混練した後に揮発
槽2に供給することについて説明したが、これらを混練
することなく別々に揮発槽2に供給してもよい。この場
合も、上述したのと同様の効果を得ることができる。
【0043】上記廃棄物が水銀を含有する場合、図5に
示すように、廃棄物を揮発槽2に供給する前に予備揮発
槽6で処理することが好ましい。予備揮発槽6で廃棄物
を例えば200℃程度以下の温度に加熱することによ
り、廃棄物中に含まれる水銀等を揮散させることができ
る。このようにして生じた揮散ガスを活性炭塔7に供給
し、活性炭に吸着させることにより、廃棄物から水銀を
除去することができる。
【0044】また、廃棄物から水銀を除去する場合、図
6に示すように、廃棄物に還元剤を添加することが好ま
しい。この場合、廃棄物中に含有される水銀化合物を還
元して金属水銀とすることができる。したがって、水銀
の揮発をより容易に生じさせることが可能となり、例え
ば揮発温度を100℃程度以下とすることができる。な
お、還元剤の添加は、還元剤と廃棄物とを混練すること
により行ってもよく、また、還元剤と廃棄物とを予備揮
発槽6に別々に供給することにより行ってもよい。
【0045】上述した第1の実施形態に係るプロセスに
おいては、揮発した有害有機物を含むガスを燃焼法によ
り無害化処理したが、触媒を用いて無害化処理すること
も可能である。以下、図7〜図10を参照しながら、触
媒を用いた無害化処理について説明する。
【0046】図7〜図10は、本発明の第2の実施形態
に係る廃棄物の処理方法を概略的に示すプロセスフロー
である。触媒を用いた無害化処理は、例えば、図7に示
すように、揮発した有害有機物を含むガスを揮発槽2か
ら高温除塵器8を介して触媒分解塔9へと供給すること
により行われる。
【0047】すなわち、まず、第1の実施形態において
説明したのと同様の方法により、揮発槽2で揮発した有
害有機物を含むガスを発生させる。次に、このガスから
飛散ダストを高温除塵器8で除去した後に、これを触媒
分解塔9へと供給する。触媒分解塔9内には、一般的な
酸化触媒である遷移金属酸化物や、白金,パラジウム,
及びロジウム等を酸化物に担持させた貴金属触媒等が収
容されており、上記ガスはこれら触媒の作用により無害
化処理される。
【0048】触媒分解塔9内での有害有機物の無害化処
理は、例えば、移動床或いは流動床式の触媒燃焼法或い
は触媒分解法を用いて行われる。また、廃棄物が焼却飛
灰である場合、固定床式の触媒燃焼法或いは固定床式の
触媒分解法を用いて揮散した有害有機物を無害化処理し
てもよい。
【0049】上述したように、触媒分解塔9内での無害
化処理は触媒燃焼法或いは触媒分解法により行われる
が、そのいずれを用いるかは有害有機物の種類に応じて
異なる。触媒分解法と触媒燃焼法との違いは、前者によ
ると脱塩素化が行われるのに対して、後者によると有機
物が酸化分解されることにある。触媒分解法及び触媒燃
焼法は処理温度に応じて選択することが可能であり、概
ね350℃以上とした場合は触媒燃焼が行なわれ、それ
より低い温度、例えば140℃〜180℃では触媒分解
が行われる。なお、触媒分解法を採用する場合、硫黄化
合物により触媒が被毒するおそれがあるため、触媒反応
前に上記ガスを鉄または鉄塩のような鉄化合物等と接触
させて硫黄を除去しておくことが好ましい。また、触媒
燃焼法を採用する場合、揮発した有害有機物を含むガス
に、350℃以上の温度条件下で気体として存在する可
燃性の有機物を添加してもよい。
【0050】上記触媒を用いた無害化処理は、触媒や揮
発槽2から供給されるガスの加熱を伴ってもよい。しか
しながら、揮発槽2から供給されるガスの温度が十分に
高い場合、これらの加熱を行う必要はない。この場合、
より低いコストで廃棄物を無害化処理することが可能と
なる。また、触媒を用いた無害化処理は、通常、酸素濃
度を理論酸素要求量以上として行われる。
【0051】触媒分解塔9で無害化したガスは、通常、
一部を揮発槽2へと戻され、残りをガス冷却塔10へと
供給される。ガス冷却塔10で冷却されたガスはさらに
活性炭吸着塔11へと供給され、そこで未分解の有機物
が吸着除去される。このとき同時に、ガス中に含まれる
水銀等も吸着除去される。
【0052】さらに、活性炭吸着塔11で有機物や水銀
等を吸着除去したガスを凝縮冷却塔12へと供給した
後、プロセス外へと排気する。以上のようにして、廃棄
物の無害化処理が行われる。
【0053】図7に示すプロセスフローでは、有害有機
物を無害化処理した後に水銀等の吸着除去が行われた
が、図8に示すプロセスフローにしたがって水銀等の吸
着除去を行ってもよい。すなわち、まず、予備揮発槽6
で廃棄物を例えば200℃以下に加熱する。それによ
り、廃棄物から水銀等を揮発させる。揮発した水銀等を
含むガスはガス冷却塔10、活性炭吸着塔11、及び凝
縮冷却塔12へと順次供給される。
【0054】予備揮発槽6で水銀等を除去された廃棄物
は揮発槽2へと供給される。揮発槽2では上述したのと
同様に有害有機物が揮発される。揮発した有害有機物を
含むガスは高温除塵器8で飛散ダストを除去された後、
触媒分解塔9へと供給される。触媒分解塔9で無害化処
理されたガスの一部は予備揮発槽6へと送られ、残りは
揮発槽2へと送られる。すなわち、図8に示すプロセス
フローによると、上記ガスの無害化処理に先立って、廃
棄物から水銀が除去される。
【0055】図8に示すプロセスフローでは予備揮発槽
6で揮発した水銀等は全てガス冷却塔10へと供給され
たが、図9に示すように、その一部を高温除塵器8へと
供給してもよい。また、図9及び図10に示すように、
廃棄物を金属水酸化物及び水等と混練した後に予備揮発
槽6に供給してもよい。この場合、廃棄物中に含まれる
有機物が塩素化されるのを防止することができる。
【0056】上記第1及び第2の実施形態に係る廃棄物
の処理方法において、揮発槽2への廃棄物の供給は回分
式及び連続式のいずれで行ってもよい。揮発槽2に廃棄
物を連続式で装入した場合、揮発槽2には揮散促進ガス
が連続的に供給され、揮発した有害有機物を含むガス及
び有害有機物を除去された廃棄物は揮発槽2から連続的
に排出される。
【0057】一方、回分式で廃棄物を装入した場合、通
常、揮発槽2には揮散促進ガスが連続的に供給され、揮
発した有害有機物を含むガスは揮発槽2から連続的に排
出されるが、有害有機物を除去された廃棄物は揮発槽2
から断続的に排出される。すなわち、回分式によると、
廃棄物の装入と、廃棄物の加熱と、処理後の廃棄物の排
出とが逐次行われる。
【0058】回分式で廃棄物を装入する場合、揮発槽2
内に温度勾配を形成してもよい。これについては、図1
1を参照しながら説明する。図11は、本発明の第1及
び第2の実施形態に係る有害有機物の揮発工程を示すプ
ロセスフローである。図11に示すように、揮発槽2内
に、廃棄物及び揮散促進ガスの供給側から廃棄物の排出
側へ向けて温度が上昇するような温度勾配を形成した場
合、供給側から排気されるガス(1)と中央部から排気
されるガス(2)と排出側から排気されるガス(3)と
では組成が異なる。
【0059】一般に、有害有機物を含むガスの無害化処
理条件は、それに含まれる成分の種類に応じて異なる。
したがって、上述したように、有害有機物をその種類別
に揮発させることにより、それぞれのガス成分を最適な
条件のもとで無害化処理することが可能となる。なお、
図11に示すように、揮発槽2から排気されたガス
(1)の一部或いは全てを再度揮発槽2へと供給しても
よい。
【0060】上述した方法によると、有害有機物をその
種類別に揮発させるために揮発槽2内に温度勾配を形成
したが、他の方法でも有害有機物をその種類別に揮発さ
せることが可能である。例えば、図12に示すように、
揮発槽2内の温度を段階的に上昇させた場合、それぞれ
の加熱温度I〜IIIに応じて組成の異なるガス(1)〜
(3)が発生する。したがって、ガス(1)〜(3)を
それぞれ最適な条件のもとで無害化処理することが可能
となる。
【0061】以上、回分式で廃棄物を装入する場合に有
害有機物をその種類別に揮発させることについて説明し
たが、連続式で廃棄物を装入する場合においても有害有
機物をその種類別に揮発させることが可能である。これ
については図13を参照しながら説明する。
【0062】図13(a)及び(b)は、本発明の第1
及び第2の実施形態に係る有害有機物の揮発工程を示す
図である。図13(a)に示すように、揮発槽2内に廃
棄物の供給側から排出側に向けて温度が上昇するような
温度勾配を形成した場合、供給側から排気されるガス
(1)と中央部から排気されるガス(2)と排出側から
排気されるガス(3)とで組成が異なる。したがって、
連続式で揮発槽2に廃棄物を装入する場合においても、
有害有機物をその種類別に揮発させ、それぞれのガス成
分を最適な条件のもとで無害化処理することが可能とな
る。
【0063】揮発槽2内に形成する温度勾配は、図13
(a)に示すように、一定の割合で上昇するものであっ
てもよく、多段的に上昇するものであってもよい。ま
た、図13(b)に示すように、それぞれの排気位置に
対応して揮発槽2内に揮散促進ガスを供給することが好
ましい。この場合、有害有機物をより高い精度でその種
類別に揮発させることが可能となる。
【0064】ところで、上述のように、焼却主灰や焼却
飛灰を500℃程度以上に加熱した場合、塩類が溶融し
て固化を生じてしまう。本発明者らは、以下に示す方法
により、塩類の溶融・固化を防止しつつ有害有機物を効
率良く揮発させる条件について調べた。
【0065】まず、焼却飛灰について、水素炎イオン化
検出器(Flame Ionization Dete
ctor:FID)を用いて、加熱温度と有機化合物揮
発量との関係を調べた。すなわち、一定の流量でガスを
流通させつつ焼却飛灰を加熱して有機物の揮発を生じさ
せ、揮発した有機物を含むガスをFIDを用いて分析し
た。なお、焼却飛灰の加熱は、一定の割合で温度が上昇
するように行い、400℃に達っした後はその温度に維
持した。その結果を図14に示す。
【0066】図14は、加熱温度と焼却飛灰からの有機
化合物揮発量との関係を示すグラフである。図中、横軸
は加熱時間を示し、縦軸は加熱温度及びFIDによる測
定で得られたピーク強度を示している。また、図中、曲
線15は温度のデータを示し、曲線16はピーク強度の
データを示している。なお、FIDによる測定で得られ
るデータは時間に対する電圧変化として与えられ、この
電圧は揮発した有機物の濃度或いは揮発量に対応してい
る。したがって、曲線16に示すピーク強度は、有機物
の揮発量に相当する。
【0067】図14の曲線16に示すように、焼却飛灰
に関しては、350℃を境界値として2つのFIDピー
クが存在する。これは、焼却飛灰は、低温側で揮発する
有機物と高温側で揮発する有機物とを含有していること
を意味する。そこで、低温側で揮発した有機物を含むガ
スと高温側で揮発した有機物を含むガスとについて成分
分析を行った。その結果を図15に示す。
【0068】図15は、加熱温度と焼却飛灰からのダイ
オキシン類の揮発量との間の関係を概略的に示す図であ
る。図中、ダイオキシン類(DXN)の量は、加熱処理
前の焼却飛灰中に含まれるダイオキシン類の量を100
%とした相対値で示されている。図15に示すように、
350℃未満で揮発したダイオキシン類の量は3%に過
ぎない。それに対して、350℃以上とした場合、焼却
飛灰に含まれるダイオキシン類の98%が揮発してい
る。なお、350℃未満で揮発したダイオキシン類の量
と、350℃以上で揮発したダイオキシン類の量と、焼
却飛灰中に残留したダイオキシン類の量との和は100
%を超えているが、これは測定誤差に基づくものであ
り、図15に示す数値は実際の数値をほぼ正確に表して
いる。
【0069】次に、焼却飛灰に関して、ダイオキシン類
除去率と加熱温度との関係を詳細に調べた。その結果を
図16に示す。
【0070】図16は、焼却飛灰に関して得られたダイ
オキシン類除去率と加熱温度との関係を示すグラフであ
る。図中、横軸は加熱温度を示し、縦軸は焼却飛灰から
のダイオキシン類除去率を示している。図16に示すよ
うに、焼却飛灰に関しては、加熱温度を350℃以上と
することによりダイオキシン類を除去する効果が得ら
れ、特に400℃以上とすることにより100%に近い
除去率を実現することができる。
【0071】以上の結果並びに焼却主灰や焼却飛灰を5
00℃程度以上に加熱した場合に塩類の溶融・固化を生
ずるという事実から、焼却主灰や焼却飛灰については、
加熱温度を350℃〜500℃とすることにより、塩類
の溶融・固化を生ずることなくダイオキシン類を効率的
に揮発させることが可能となり、特に、加熱温度を40
0℃〜500℃とすることにより、塩類の溶融・固化を
生ずることなくダイオキシン類を100%に近い効率で
揮発させることが可能となることが分かった。
【0072】焼却主灰や焼却飛灰からの有機物の揮発
は、上記温度範囲内の加熱処理のみで生じさせてもよい
が、以下に説明するように2段階の加熱処理で生じさせ
ることが好ましい。図15や図16に示すように、焼却
飛灰からのダイオキシン類の揮発は、350℃未満の温
度では殆ど生じない。しかしながら、図14に示すよう
に、350℃未満の温度であっても、かなりの量の有機
物が焼却飛灰から揮発している。すなわち、焼却飛灰
は、ダイオキシン類に加え、より低温で揮発する他の有
機物を含んでいる。
【0073】したがって、350℃以下の温度で第1の
加熱処理を行うことにより、ダイオキシン類以外の有機
物をほぼ全て揮発させ、その後、350℃以上であり且
つ第1の加熱処理よりも高い温度で第2の加熱処理を行
うことにより、高温での加熱時間を短縮することができ
る。すなわち、より少ないエネルギーで揮発処理を行う
ことができる。
【0074】第1の加熱処理は、350℃以下であり且
つダイオキシン類以外の有機物をほぼ全て揮発させ得る
温度範囲内、例えば、200℃〜350℃の温度範囲内
で行うことが好ましい。一方、第2の加熱処理は、塩類
の溶融・固化を生ずることなくダイオキシン類を効率的
に揮発させ得る温度範囲内、例えば、350℃〜500
℃の温度範囲内で行うことが好ましい。
【0075】下記表1に、焼却飛灰からのダイオキシン
類の除去に2段階の加熱処理を用いた例を示す。なお、
下記表1において、ダイオキシン類除去率は、加熱処理
前の焼却飛灰中に含まれるダイオキシン類の量X1及び
加熱処理後の焼却飛灰中に含まれるダイオキシン類の量
2を測定し、(1−X2/X1)×100なる計算を行
うことにより得られたものである。
【0076】
【表1】
【0077】上記表1に示すように、400℃の加熱処
理を10分間行っただけではダイオキシン類の除去率は
60%に過ぎない。それに対し、250℃の加熱処理を
10分間行った後に400℃の加熱処理を10分間行っ
た場合、75%のダイオキシン類除去率を実現すること
ができ、250℃の加熱処理を20分間行った後に40
0℃の加熱処理を10分間行った場合に至っては、40
0℃の加熱処理を20分間行ったのと同等のダイオキシ
ン類除去率、すなわち、ほぼ100%のダイオキシン類
除去率を実現することができた。
【0078】次に、焼却飛灰を加熱処理する際に流通さ
せるガスの流量と焼却飛灰中に残留するダイオキシン類
の量との関係を調べた。その結果を図17に示す。
【0079】図17は、焼却飛灰に関して得られたダイ
オキシン類残量と流通ガスの流量との関係を示すグラフ
である。図中、横軸は流通ガスの流量を示し、縦軸は焼
却飛灰中に残留したダイオキシン類の量を示している。
図17に示すように、焼却飛灰を加熱処理する際にガス
を流通させない場合、ダイオキシン類を殆ど除去するこ
とはできないが、単位重量の焼却飛灰に対するガス流量
を0.01Nm3/kg以上とすることによりダイオキ
シン類を除去する効果を得ることができる。焼却飛灰か
らダイオキシン類を除去する効果は、単位重量の焼却飛
灰に対するガス流量を増加させるのに応じてより顕著と
なり、0.1Nm3/kg以上とすることによりダイオ
キシン類の半量以上を除去することができ、1Nm3
kg以上とすることによりダイオキシン類をほぼ全て除
去することができる。この結果は、流通ガスの流量を高
めることにより、比較的短時間で焼却飛灰からダイオキ
シン類を除去可能となること、すなわち、より効率的な
処理が可能となり、処理コストを低減可能となることを
示している。
【0080】したがって、焼却主灰や焼却飛灰に関して
は、単位重量の焼却飛灰に対する流通ガスの流量を0.
01Nm3/kg以上とすることが好ましく、0.1N
3/kg以上とすることがより好ましく、1Nm3/k
g以上とすることがさらに好ましい。また、ダイオキシ
ン類の残量は、単位重量の焼却飛灰に対する流通ガスの
流量が1Nm3/kg以上であれば一定(ほぼゼロ)で
ある。したがって、単位重量の焼却主灰や焼却飛灰に対
する流通ガスの流量は、10Nm3/kgを超えるほど
大きい必要はなく、1Nm3/kg以下であってもよ
い。
【0081】以上、焼却主灰や焼却飛灰に関して、有害
有機物を効率良く揮発させる条件について説明したが、
処理対象物が土壌である場合、この条件は、処理対象物
が焼却主灰や焼却飛灰である場合とは異なる。本発明者
らは、焼却飛灰について行ったのと同様に、土壌につい
ても、FIDを用いて加熱温度と有機化合物揮発量との
関係を調べた。すなわち、一定の流量でガスを流通させ
つつ土壌を加熱して有機物の揮発を生じさせ、揮発した
有機物を含むガスをFIDを用いて分析した。なお、土
壌の加熱は、一定の割合で温度が上昇するように行い、
400℃に達っした後はその温度に維持した。その結果
を図18に示す。
【0082】図18は、加熱温度と土壌からの有機化合
物揮発量との関係を示すグラフである。図中、横軸は加
熱時間を示し、縦軸は加熱温度及びFIDによる測定で
得られたピーク強度、すなわち、有機物の揮発量を示し
ている。また、図中、曲線17は温度のデータを示し、
曲線18はピーク強度のデータを示している。
【0083】図18の曲線18に示すように、土壌に関
しても、焼却飛灰と同様に2つのFIDピークが存在す
る。これは、土壌は、低温側で揮発する有機物と高温側
で揮発する有機物とを含有していることを意味してい
る。なお、焼却飛灰では2つのFIDピークの境界値が
350℃であったのに対し、土壌では300℃となって
いる。
【0084】次に、焼却飛灰に関して行ったのと同様
に、土壌に関しても、低温側で揮発した有機物を含むガ
スと高温側で揮発した有機物を含むガスとについて成分
分析を行った。その結果を図19に示す。
【0085】図19は、加熱温度と土壌からのダイオキ
シン類の揮発量との間の関係を概略的に示す図である。
図中、ダイオキシン類の量は、加熱処理前の土壌中に含
まれるダイオキシン類の量を100%とした相対値で示
されている。図19に示すように、300℃未満で揮発
したダイオキシン類の量は3%に過ぎない。それに対し
て、300℃以上とした場合、土壌に含まれるダイオキ
シン類の98%が揮発している。なお、300℃未満で
揮発したダイオキシン類の量と、300℃以上で揮発し
たダイオキシン類の量と、土壌中に残留したダイオキシ
ン類の量との和は100%を超えているが、これは測定
誤差に基づくものであり、図19に示す数値は実際の数
値をほぼ正確に表している。
【0086】次に、土壌に関して、ダイオキシン類除去
率と加熱温度との関係を詳細に調べた。その結果を図2
0に示す。
【0087】図20は、土壌に関して得られたダイオキ
シン類除去率と加熱温度との関係を示すグラフである。
図中、横軸は加熱温度を示し、縦軸は土壌からのダイオ
キシン類除去率を示している。図20に示すように、土
壌に関しては、加熱温度を300℃以上とすることによ
りダイオキシン類を除去する効果が得られ、特に400
℃以上とすることにより100%に近い除去率を実現す
ることができる。
【0088】以上の結果から、土壌については、加熱温
度を300℃以上とすることによりダイオキシン類を効
率的に揮発させることが可能となり、特に、加熱温度を
400℃以上とすることによりダイオキシン類を100
%に近い効率で揮発させることが可能となることが分か
った。
【0089】土壌からの有機物の揮発は、上記温度範囲
内の加熱処理のみで生じさせてもよいが、以下に説明す
るように2段階の加熱処理で生じさせることが好まし
い。図19や図20に示すように、土壌からのダイオキ
シン類の揮発は、300℃未満の温度では殆ど生じな
い。しかしながら、図18に示すように、300℃未満
温度であっても、かなりの量の有機物が土壌から揮発し
ている。すなわち、土壌は、ダイオキシン類に加え、よ
り低温で揮発する他の有機物を含んでいる。
【0090】したがって、300℃以下の温度で第1の
加熱処理を行うことにより、ダイオキシン類以外の有機
物をほぼ全て揮発させ、その後、300℃以上であり且
つ第1の加熱処理よりも高い温度で第2の加熱処理を行
うことにより、高温での加熱時間を短縮することができ
る。すなわち、より少ないエネルギーで揮発処理を行う
ことができる。
【0091】第1の加熱処理は、300℃以下であり且
つダイオキシン類以外の有機物をほぼ全て揮発させ得る
温度範囲内、例えば、200℃〜300℃の温度範囲内
で行うことが好ましい。一方、第2の加熱処理は、ダイ
オキシン類を効率的に揮発させ得る温度範囲内、例え
ば、300℃以上の温度で行うことが好ましい。
【0092】下記表2に、土壌からのダイオキシン類の
除去に2段階の加熱処理を用いた例を示す。なお、下記
表2において、ダイオキシン類除去率は、加熱処理前の
土壌中に含まれるダイオキシン類の量X3及び加熱処理
後の土壌中に含まれるダイオキシン類の量X4を測定
し、(1−X4/X3)×100なる計算を行うことによ
り得られたものである。
【0093】
【表2】
【0094】上記表2に示すように、350℃の加熱処
理を10分間行っただけではダイオキシン類の除去率は
60%に過ぎない。それに対し、250℃の加熱処理を
5分間行った後に350℃の加熱処理を10分間行った
場合、78%のダイオキシン類除去率を実現することが
でき、250℃の加熱処理を10分間行った後に350
℃の加熱処理を10分間行った場合並びに250℃の加
熱処理を20分間行った後に350℃の加熱処理を10
分間行った場合に至っては、350℃の加熱処理を20
分間行ったのと同等のダイオキシン類除去率、すなわ
ち、ほぼ100%のダイオキシン類除去率を実現するこ
とができた。
【0095】次に、土壌を加熱処理する際に流通させる
ガスの流量と土壌中に残留するダイオキシン類の量との
関係を調べた。その結果を図21に示す。
【0096】図21は、土壌に関して得られたダイオキ
シン類残量と流通ガスの流量との関係を示すグラフであ
る。図中、横軸は流通ガスの流量を示し、縦軸は土壌中
に残留したダイオキシン類の量を示している。図21に
示すように、土壌を加熱処理する際にガスを流通させな
い場合、ダイオキシン類を殆ど除去することはできない
が、単位重量の土壌に対するガス流量を0.01Nm3
/kg以上とすることによりダイオキシン類を除去する
効果を得ることができる。土壌からダイオキシン類を除
去する効果は、単位重量の土壌に対するガス流量を増加
させるのに応じてより顕著となり、0.1Nm3/kg
以上とすることによりダイオキシン類の半量以上を除去
することができ、1Nm3/kg以上とすることにより
ダイオキシン類をほぼ全て除去することができる。この
結果は、流通ガスの流量を高めることにより、比較的短
時間で土壌からダイオキシン類を除去可能となること、
すなわち、より効率的な処理が可能となり、処理コスト
を低減可能となることを示している。
【0097】したがって、土壌に関しても、焼却主灰や
焼却飛灰と同様に、単位重量の土壌に対する流通ガスの
流量を0.01Nm3/kg以上とすることが好まし
く、0.1Nm3/kg以上とすることがより好まし
く、1Nm3/kg以上とすることがさらに好ましい。
また、ダイオキシン類の残量は、単位重量の土壌に対す
る流通ガスの流量が1Nm3/kg以上であれば一定
(ほぼゼロ)である。したがって、単位重量の土壌に対
する流通ガスの流量は、10Nm3/kgを超えるほど
大きい必要はなく、1Nm3/kg以下であってもよ
い。
【0098】上記第1及び第2の実施形態に係る廃棄物
の処理方法において、廃棄物の供給を回分式とした場
合、揮発槽内の圧力を制御することにより有害有機物の
揮散を促進することができる。以下に、図22を参照し
ながら説明する。
【0099】図22は、本発明の第1及び第2の実施形
態に係る有害有機物の揮発工程における圧力条件を示す
グラフである。図中、横軸は時間を示し、縦軸は揮発槽
2内の圧力を示している。
【0100】曲線21に示すように揮発槽2内を加圧状
態として一定時間経過後に常圧まで減圧した場合、その
圧力差により有害有機物が効率的に揮散する。また、曲
線22-1及び22-2に示すように、揮発槽2内を加圧状
態或いは常圧状態として加熱した場合、一定時間経過後
に減圧状態としてもよい。さらに、曲線23-1及び23
-3に示すように、加圧状態或いは減圧状態で圧力をスイ
ングさせながら加熱しても、効率的に有害有機物を揮散
させることができる。なお、揮発槽2内の圧力は、例え
ば、揮発槽にピストンを設け、ピストンの駆動に応じて
揮発槽2の容積を変化させることによりスイングさせる
ことが可能である。
【0101】曲線21〜23に示す圧力変化は、1回の
加熱処理につき1回のサイクルとなるように行ってもよ
く、1回の加熱処理につき複数回のサイクルが繰り返さ
れるように行ってもよい。特に、1回の加熱処理につき
1回のサイクルとした場合、常圧−減圧間での圧力変化
を利用することにより、揮散促進ガスの供給を不要とす
ることができる。
【0102】また、揮発槽2内での有害有機物の揮発に
際し、圧力変化と温度変化とを組み合せることも可能で
ある。例えば、1回の圧力変化サイクルの間に揮発槽2
内の温度を変化させることができる。また、複数回の圧
力変化サイクルが繰り返される場合には、それぞれのサ
イクル毎に揮発槽2内の温度を変化させてもよい。
【0103】上述した第1及び第2の実施形態におい
て、廃棄物からの有害有機物の揮発に複数の揮発槽2を
用いることができる。以下、図23及び図24を参照し
ながら説明する。
【0104】図23において、揮発槽(1)〜(N)は
直列に配置されている。すなわち、図23に示す配置に
よると、揮発槽(n)で加熱処理された廃棄物は揮発槽
(n+1)へと供給される。それぞれの揮発槽(1)〜
(N)にさらに未処理の廃棄物を供給してもよい。それ
ぞれの揮発槽(1)〜(N)に供給する未処理の廃棄物
の種類が異なる場合、各揮発槽間で図23に示すような
温度差を形成することにより、それぞれ組成の異なるガ
スを回収することができる。また、図23に示すように
各揮発槽毎に圧力制御を行ってもよく、温度差の形成と
圧力制御とを組み合せてもよい。
【0105】図24において、揮発槽(1)〜(N)は
直列に配置されており、揮発槽(a)及び(b)も直列
に配置されている。また、揮発槽(イ)及び揮発槽
(b)は揮発槽(3)に接続されている。すなわち、図
24における揮発槽2の配置は、直列と並列とを組み合
せたものである。
【0106】図24に示す配列を採用した場合、それぞ
れ異なる条件での処理を必要とする複数の廃棄物を処理
するに当り、まず、それぞれの廃棄物を別々のプロセス
で処理し、同一条件下での処理が可能となった時点でそ
れら廃棄物を単一のプロセスで処理することができる。
すなわち、プロセスの重複を回避することができる。
【0107】なお、図23及び図24は有害有機物を揮
発させるための揮発槽2の配置を示しているが、揮発し
た有害有機物を含むガスの無害化処理にも図23及び図
24に関して説明したのと同様の配列を利用することが
できる。また、例えば、図25に示すように、2種類の
廃棄物の一方を直列に配列された揮発槽(1),
(2),・・・で処理し、他方を直列に配列された揮発
槽(イ),(ロ),・・・で処理した場合、それぞれの
揮発槽2で発生したガスを個別に無害化処理してもよい
し、一部を混合した後に無害化処理してもよいし、全て
を混合した後に無害化処理してもよい。いずれの方法を
採用するかは、ガスの温度、含有成分、及び含有するダ
ストの濃度等に依存する。
【0108】複数の揮発槽2を用いて有害有機物を揮発
させる場合、ある揮発槽に揮発促進ガスを供給し、その
揮発槽から排気されたガスの少なくとも一部を他の揮発
槽へと供給してもよい。例えば、複数の揮発槽2を直列
に配置し、それら揮発槽2の一部に揮発促進ガスを供給
した場合、通常、図26(a)に示すように、ある揮発
槽から排気されるガスが他の揮発槽へと供給されること
はない。
【0109】これに対し、図26(b)及び(c)に示
すように、ある揮発槽に揮発促進ガスを供給し、その揮
発槽から排気されたガスを他の揮発槽へと供給した場
合、揮発促進ガスの消費量を低減することができる。
【0110】上述した廃棄物からの有害有機物の揮発に
際しては、廃棄物を振動させることにより廃棄物の流動
床を形成することが好ましい。揮発槽2内に収容された
廃棄物を攪拌羽根を用いて攪拌する場合、攪拌羽根の回
転速度のような攪拌条件に依存して、廃棄物の攪拌が十
分に行われない場合がある。この場合、廃棄物を均一に
加熱することができないため、有害有機物を十分に揮発
させることができないか或いは有害有機物を十分に揮発
させるのにより多くのエネルギーが必要となることがあ
る。
【0111】これに対し、廃棄物を振動させてその流動
床を形成した場合、廃棄物同士の凝集等が抑制されるた
め、攪拌羽根を用いた場合に比べてより均一に加熱を行
うことができる。したがって、より少ないエネルギーで
有害有機物を十分に揮発させることが可能となる。
【0112】さらに、この場合、均一な加熱が可能であ
るので、加熱温度の制御が容易である。したがって、廃
棄物に含有される有害有機物の所望の成分を選択的に及
び容易に揮発させることができる。
【0113】しかも、この場合、廃棄物の嵩密度が減少
するため、廃棄物と揮発槽2内のガスとの接触確率が著
しく増加する。したがって、有害有機物をより効率的に
揮発させることが可能となる。
【0114】流動床を利用して廃棄物から有害有機物を
揮発させるには、例えば、図27に示す装置を用いるこ
とができる。図27は、本発明の第1及び第2の実施形
態に係る廃棄物の処理方法において用いられる揮発装置
の一例を概略的に示す図である。図27に示す揮発装置
13は、基台14と、ばね15のような弾性部材などに
よって基台14に対して振動可能に支持された揮発槽2
とで構成されている。
【0115】揮発槽2には、切出コンベア16を介して
廃棄物貯槽1が接続されており、廃棄物貯槽1から揮発
槽2に所定量の廃棄物を供給可能とされている。
【0116】揮発槽2には、ごみ焼却設備からの高温排
ガス等を利用して加熱を行う加熱ジャケットや電気ヒー
タのような加熱器17が取り付けられており、揮発槽2
内の廃棄物を所望の温度に加熱可能とされている。ま
た、揮発槽2には、例えば、モータの回転軸に偏心円板
を固定してなる加振器18が取り付けられている。
【0117】揮発槽2の下部には、揮発槽2内での揮発
処理を終えた廃棄物を排出するための配管19が取り付
けられている。また、揮発槽2の上部には、揮発槽2内
での揮発処理により生じた有害有機物を含むガスを排気
するための配管20が取り付けられている。
【0118】図27に示す揮発装置13によると、例え
ば、以下に示す方法により廃棄物からの有害有機物の揮
発処理が行われる。まず、切出コンベア16を用いて廃
棄物貯槽1から所定量の廃棄物を揮発槽2内に供給す
る。揮発槽2内に供給された廃棄物は、加振器18を駆
動して揮発槽2を振動させることにより流動層を形成す
る。この状態で加熱器17により廃棄物を所定の温度に
加熱することにより、廃棄物に含有される有害有機物の
揮発を生じさせる。なお、それにより生じた有害有機物
を含むガスは、配管20から揮発槽2の外部に排気した
後に、無害化処理を施す。
【0119】廃棄物に含有される有害有機物の所望の成
分のほぼ全てを揮発させた後、処理後の廃棄物を配管1
9から揮発槽2の外部に排出する。その後、新たな廃棄
物を廃棄物貯槽1から揮発槽2内に供給し、同様の処理
を繰り返す。図27に示す揮発装置13によると、以上
のようにして揮発処理が行われる。
【0120】上述した流動床を利用した揮発処理は、図
28に示す揮発装置13を用いて行うこともできる。図
28(a)は、本発明の第1及び第2の実施形態に係る
廃棄物の処理方法において用いられる揮発装置13の他
の例を概略的に示す図である。また、図28(b)は図
28(a)に示す揮発装置13のガス分配器のB−B線
に沿った断面図であり、図28(c)は図28(b)に
示すガス分配器に用いられる円板を示す平面図である。
【0121】図28(a)に示す揮発装置13は、揮発
槽2とガス供給器25とで主に構成されている。揮発槽
2の内部は多数の孔が設けられた分散板26で上下に仕
切られている。揮発槽2内の分散板26で仕切られた上
部空間は揮発室27を構成しており、揮発処理前の廃棄
物はこの揮発室27に供給される。
【0122】揮発槽2内の分散板26で仕切られた下部
空間はさらに複数の隔壁で仕切られており、ガス室28
a〜28cを構成している。また、ガス供給器25の一
部を構成するガス分配器29は、隔壁により仕切られた
複数の排気室30a〜30cを有している。ガス室28
a〜28cは排気室30a〜30cにそれぞれ接続され
ており、ガス供給器25からのガスを分散板26を介し
て揮発室27に供給する。
【0123】ガス供給器25は、ガス供給源(図示せ
ず)とガス供給源に接続されたガス分配器29とで構成
されている。なお、ガス供給源は、ガス分配器29に十
分に加熱されたガスを供給するものである。
【0124】ガス供給器25の一部を構成するガス分配
器29は、図28(b)に示すように、ガス供給源から
ガスを供給されるガス室31を有している。ガス室31
は排気室30a〜30cに接続されており、それらは図
28(c)に示すような扇状開口部33が設けられた円
板32によって仕切られている。円板32は回転可能に
設けられており、ガス室31に供給されたガスの排気先
を排気室30a〜30c間で順次変更する。
【0125】図28に示す揮発装置13によると、例え
ば、以下に示す方法により廃棄物からの有害有機物の揮
発処理が行われる。まず、切出コンベアを用いて廃棄物
貯槽から所定量の廃棄物を揮発室27に供給するのとと
もに、所定の温度に加熱されたガスをガス室31に供給
しつつ円板32を回転させる。ガス室31に供給された
ガスの排気先は、円板32の回転に伴って排気室30a
〜30c間で順次変更される。すなわち、ガス室28a
〜28cには、加熱されたガスがパルス的に順次供給さ
れる。その結果、揮発室27内で廃棄物の流動床が形成
される。
【0126】ここで、上述したように、ガス室31に供
給するガスは所定の温度に加熱されている。したがっ
て、このガスを揮発室27内に供給することにより、流
動床を形成する廃棄物は所望の温度に加熱され、有害有
機物に含有される有害有機物の所望の成分を揮発させる
ことができる。
【0127】廃棄物に含有される有害有機物の所望の成
分のほぼ全てを揮発させた後、処理後の廃棄物を配管1
9から揮発室27の外部に排出する。その後、新たな廃
棄物を廃棄物貯槽から揮発室27内に供給し、同様の処
理を繰り返す。図28に示す揮発装置13によると、以
上のようにして揮発処理が行われる。
【0128】この揮発処理においては、上述したように
加熱されたガスを供給することのみで廃棄物の加熱して
もよく、図27に関して説明したのと同様の加熱器を併
用してもよい。また、この揮発処理においては、配管2
0から排気したガスの一部を流動床の形成に再利用して
もよい。すなわち、ガスの一部を揮発槽22とガス供給
器25との間で循環させてもよい。
【0129】なお、図27及び図28に関して説明した
方法では、回分式で揮発処理を行ったが、連続式で行う
こともできる。また、図27及び図28に関しては、揮
発槽2を振動させること或いは廃棄物にガスを吹込むこ
とにより流動層を形成したが、これ以外の方法、例え
ば、超音波等によって流動層を形成してもよい。
【0130】上述した第1及び第2の実施形態におい
て、揮発した有害有機物を含むガスと廃棄物との気固分
離は、重力式、遠心式、及び衝突式等により行うことが
できる。また、これらを組み合せて気固分離してもよ
い。なお、重力分離は、必ずしも別設の分離槽を必要と
する訳ではなく、通常は加熱槽(揮発槽)2内で行われ
る。
【0131】上記気固分離は、重力式、遠心式、及び衝
突式等の分離方法と、静電式及び濾過式等の分離方法と
を組み合せて行ってもよい。例えば、図29に示すよう
に、揮発工程で廃棄物から有害有機物を揮発させた後、
第1の気固分離工程で重力式、遠心式、及び衝突式等の
分離方法を用いて低効率の分離を行う。さらに、第1の
気固分離工程で分離したガスとそれに含まれる少量の廃
棄物とを第2の気固分離工程で静電式及び濾過式等の分
離方法を用いて高効率の分離を行う。このように複数の
分離方法を組み合せて使用することにより、効率的に及
び高い精度で気固分離を行うことができる。
【0132】揮発した有害有機物を含むガスと廃棄物と
の気固分離の際に、廃棄物中に、空気、水蒸気、窒素等
の不活性ガス、廃棄物を無害化処理するのに伴って生ず
るガス、或いはそれらの混合ガスのような気固分離促進
ガスを吹込むことが好ましい。例えば、図30(a)及
び(b)に示すように、廃棄物中に気固分離促進ガスを
吹込むことにより、揮発した有害有機物を含むガスを追
い出すことができる。このとき、図30(b)に示すよ
うに、吸引排気を併用することが好ましい。それによ
り、より効果的に揮発した有害有機物を含むガスを追い
出すことができる。
【0133】上述したガスの追い出しを行う領域、すな
わち、図30(a)及び(b)の破線で囲まれた領域の
温度は、180℃以下であることが好ましい。このよう
な温度条件下でガスの追い出しを行った場合、ダイオキ
シン類や有害有機塩素化合物の生成を殆ど抑制すること
ができる。
【0134】以上説明した第1及び第2の実施形態にお
いては、揮発した有害有機物を含むガスを燃焼法、触媒
分解法、或いは触媒燃焼法を用いて無害化することにつ
いて説明したが、他の方法を用いることも可能である。
例えば、溶融物との接触分解法、吸着法、洗浄法、及び
冷却凝縮法等を用いることができる。また、上述した方
法を組み合せて用いることも可能である。
【0135】吸着法を用いた上記ガスの処理は、ガスの
温度を180℃以下とし、例えば、吸着材吹込み−除塵
法、固定床吸着法、移動床吸着法、或いは流動床吸着法
等を用いて行われる。また、このような吸着法に用いる
吸着材としては、例えば、炭素原子数が18以上の直鎖
状、環状、或いは芳香族系の炭化水素;Siを含む有機
化合物;金属石鹸;或いはこれらを担持体に担持させた
もの等を挙げることができる。
【0136】上記ガスの処理に吸着法を用いた場合、使
用済みの吸着材は、上述した廃棄物と混合して処理する
ことができる。また、焼却処理してもよく、再生して再
度吸着に利用してもよい。吸着材を再生する場合、例え
ば、吸着材に吸着した有害物を酸性溶媒、塩基性溶媒、
或いは有機溶媒を用いて吸着材から脱着させればよい。
なお、この場合、溶媒中に有害物が移行するため、通
常、溶媒を無害化処理する必要がある。
【0137】一方、上記ガスの処理に洗浄法や冷却凝縮
法を用いた場合、その処理に伴って生ずる液体(洗浄液
や冷却凝縮液)には有害物が含有される。このような場
合、洗浄液や冷却凝縮液を、廃棄物と混合し、上述した
方法(洗浄法及び冷却凝縮法を除く)で無害化処理して
もよい。
【0138】また、上記ガスの処理に用いた吸着材、洗
浄液、冷却凝縮液、或いは使用済みの吸着材の再生に用
いた溶媒は、他の方法で処理してもよい。例えば、高温
酸化法、紫外線を用いたオゾン分解法、紫外線を用いた
超音波分解法、或いは高温高圧分解法により処理するこ
ともできる。
【0139】上述した無害化処理方法において、無害化
処理されたガス中の有機ハロゲン化物濃度について連続
モニタを行うことが好ましい。例えば、無害化処理に触
媒を使用した場合には、触媒の寿命等を検知することが
できる。また、無害化処理を燃焼法を用いて行った場合
には、燃焼性能等の変化を検知することができる。さら
に、吸着材を用いた場合には吸着材の寿命を検知するこ
とができ、洗浄或いは冷却凝縮を行った場合にはその処
理能力の変化を検知することができる。したがって、無
害化処理が不完全に行われるのを防止することが可能と
なる。
【0140】また、揮発した有害有機物を含むガスに関
して、無害化処理する工程の前及び後の少なくとも一方
で全有機物濃度を測定することも有効である。このよう
なモニタリングを行った場合、有害有機物が十分に揮発
されたかどうか或いは揮発した有害有機物が十分に無害
化されたかどうかを確認することができる。つまり、上
記ガス中の全有機物濃度と有害有機物の濃度と例えばダ
イオキシン除去率との関係を予め調べておけば、全有機
物濃度の測定結果に基づいて、廃棄物の温度、揮発層2
に吹き込むガスの温度、及び廃棄物の投入量などのよう
なプラントの運転条件を制御することができる。すなわ
ち、プラントの運転を効率的に行うことが可能となる。
【0141】これまでの事実として、排ガス中のクロロ
ベンゼンやクロロフェノールなどの特定の有機物濃度を
測定し、有害有機物濃度を推定する手法が用いられた例
があるが、これらの分析には、高価な設備、熟練した技
術、及び膨大な時間がかかるという問題があった。これ
に対し、上記ガス中の全有機物濃度の測定は、例えば、
水素炎イオン化検出器(Flame Ionizati
on Detector:FID)を用いて行うことが
できる。FIDによるガスや蒸気の分析は、短時間で行
うことができ、しかも容易である。したがって、FID
を用いた場合、上記ガス中の全有機物濃度の変化をプラ
ントの運転条件に速やかにフィードバックすることがで
きる。なお、FIDから得られるデータは、時間に対す
る電圧変化として与えられ、この電圧はガス中の全有機
物濃度に対応している。
【0142】図31は、揮発層2から排気された排ガス
をFIDを用いて測定することにより得られたデータの
一例を示すグラフである。図中、横軸はFID測定開始
時からの経過時間を示し、縦軸はFIDピーク強度を示
している。なお、図31に示すデータは、廃棄物として
焼却飛灰を用いた場合に得られたものである。
【0143】図31に示すように、FIDピーク強度が
50程度である場合、揮発槽2内での焼却飛灰の温度は
400℃であり、焼却飛灰からのダイオキシン類の除去
率は98%である。それに対し、FIDピーク強度が4
0程度である場合、揮発槽2内での焼却飛灰の温度は3
50℃であり、焼却飛灰からのダイオキシン類の除去率
は65%である。このように、FIDピーク強度は、揮
発槽2内での焼却飛灰の温度や焼却飛灰からのダイオキ
シン類の除去率と高い相関を有している。したがって、
FIDを用いた排ガスの分析結果に基づいて、焼却飛灰
や揮発層2に吹き込むガスの温度を制御することによ
り、ダイオキシン類除去率を常に高いレベルに維持する
ことができる。
【0144】なお、上述した測定は定期的に行うことが
好ましく、連続的に行うことがより好ましい。この場
合、廃棄物からの有害有機物除去率の変化に速やかに対
応することができ、常に最適な条件でプラントの運転を
行うことが可能となる。
【0145】上述のように、本発明の第1及び第2の実
施形態に係る方法によると、廃棄物の無害化処理は、廃
棄物に含まれる有害有機物を揮発させることにより行わ
れ、揮発した有害有機物を含むガスは別途無害化処理さ
れる。すなわち、第1及び第2の実施形態によると、廃
棄物の無害化処理と有害有機物の無害化処理とが別々に
行われる。このような方法によると、以下に説明するよ
うに、従来に比べて極めて効率的に廃棄物を無害化処理
することが可能となる。
【0146】すなわち、焼却主灰や焼却飛灰に含有され
た状態の有害有機物を加熱処理により分解させる従来方
法では、有害有機物やその前駆体は必ずしも完全に分解
されるわけではないため、加熱処理後にそれら灰成分を
急冷してダイオキシン類等の再合成を防止する必要があ
った。そのため、灰成分からの有害有機物の除去が不完
全となるおそれがあり、しかも、加熱処理後に灰成分を
急冷するための設備や工程が必要であった。
【0147】また、土壌に関しては、従来、固化、不溶
化、真空抽出、酸化還元分解、及び洗浄などの物理化学
的処理や、焼却及び溶融等の熱処理や、バイオレメディ
エーション等の生物処理を行うことにより無害化してい
た。しかしながら、溶融処理の場合には1300℃以上
もの高温に加熱する必要があり、処理コストが高くなる
という問題があった。また、バイオレメディエーション
のような生物処理の場合、土壌の成分や天候などの環境
条件により微生物の状態が非常に影響されやすいため、
安定した処理が困難であるという問題があった。
【0148】それに対し、廃棄物に含まれる有害有機物
を揮発させることにより廃棄物を無害化する場合、比較
的低い温度で廃棄物を無害化することができる。また、
このような方法では、有害有機物やその前駆体を廃棄物
から容易に除去することができるため、急冷するための
設備や工程が不用である。さらに、この方法では、有害
有機物は廃棄物から分離されるため、有害有機物の無害
化処理に様々な技術を利用することが可能となる。した
がって、第1及び第2の実施形態に係る方法によると、
従来技術に比べて、遥かに効率的に有害有機物を無害化
することができる。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
廃棄物の無害化は廃棄物から有害有機物を揮発させるこ
とにより行なわれ、揮発した有害有機物は別途無害化処
理される。そのため、本発明によると、廃棄物の無害化
処理を高い自由度で行うことができ、それにより、より
効率的に及びより低いコストで廃棄物を無害化処理する
ことが可能となる。また、この方法によれば、有害物と
その原因物質とを揮発・除去しているため、処分まで或
いは処分後に有害有機物が発生するおそれが非常に少な
くなる。
【0150】すなわち、本発明によると、無機成分を主
体とし有機物を含有する廃棄物を低いコストで無害化処
理することが可能な廃棄物の処理方法及び処理装置、並
びに無機成分を主体とし有機物を含有する廃棄物の無害
化処理を多量の排ガス及びNOxを発生することなく行
うことが可能な廃棄物の処理方法及び処理装置が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る廃棄物の処理方
法を概略的に示すプロセスフロー。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る廃棄物の処理方
法を概略的に示すプロセスフロー。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る廃棄物の処理方
法を概略的に示すプロセスフロー。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る廃棄物の処理方
法を概略的に示すプロセスフロー。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る廃棄物の処理方
法を概略的に示すプロセスフロー。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る廃棄物の処理方
法を概略的に示すプロセスフロー。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る廃棄物の処理方
法を概略的に示すプロセスフロー。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る廃棄物の処理方
法を概略的に示すプロセスフロー。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る廃棄物の処理方
法を概略的に示すプロセスフロー。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る廃棄物の処理
方法を概略的に示すプロセスフロー。
【図11】本発明の第1及び第2の実施形態に係る有害
有機物の揮発工程を示すプロセスフロー。
【図12】本発明の第1及び第2の実施形態に係る有害
有機物の揮発工程における温度プロファイルの一例を示
すグラフ。
【図13】本発明の第1及び第2の実施形態に係る有害
有機物の揮発工程を概略的に示す図。
【図14】加熱温度と焼却飛灰からの有機化合物揮発量
との関係を示すグラフ。
【図15】加熱温度と焼却飛灰からのダイオキシン類の
揮発量との間の関係を概略的に示す図。
【図16】焼却飛灰に関して得られたダイオキシン類除
去率と加熱温度との関係を示すグラフ。
【図17】焼却飛灰に関して得られたダイオキシン類残
量と流通ガスの流量との関係を示すグラフ。
【図18】加熱温度と土壌からの有機化合物揮発量との
関係を示すグラフ。
【図19】加熱温度と土壌からのダイオキシン類の揮発
量との間の関係を概略的に示す図。
【図20】土壌に関して得られたダイオキシン類除去率
と加熱温度との関係を示すグラフ。
【図21】土壌に関して得られたダイオキシン類残量と
流通ガスの流量との関係を示すグラフ。
【図22】本発明の第1及び第2の実施形態に係る有害
有機物の揮発工程における圧力条件を示すグラフ。
【図23】本発明の第1及び第2の実施形態における揮
発槽の配列の一例を示す図。
【図24】本発明の第1及び第2の実施形態における揮
発槽の配列の他の例を示す図。
【図25】本発明の第1及び第2の実施形態における揮
発槽の配列のさらに他の例を示す図。
【図26】本発明の第1及び第2の実施形態における揮
発槽の配列のさらに他の例を示す図。
【図27】本発明の第1及び第2の実施形態に係る廃棄
物の処理方法において用いられる揮発装置の一例を概略
的に示す図。
【図28】本発明の第1及び第2の実施形態に係る廃棄
物の処理方法において用いられる揮発装置の他の例を概
略的に示す図。
【図29】本発明の第1及び第2の実施形態における気
固分離工程を示すプロセスフロー。
【図30】本発明の第1及び第2の実施形態における気
固分離方法を概略的に示す図。
【図31】揮発層から排気された排ガスをFIDを用い
て測定することにより得られたデータの一例を示すグラ
フ。
【符号の説明】
1…廃棄物貯槽 2,6…揮発槽 3…焼却炉 4…集塵機 5…混練機 7…活性炭塔 8…高温除塵器 9…触媒分解塔 10…ガス冷却塔 11…活性炭吸着塔 12…凝縮冷却塔 15〜18,21,22-n,23-n…曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F23G 5/14 B09B 3/00 303P 7/14 B01D 53/34 134E // B01J 20/22 136A (72)発明者 横山 隆 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 鈴木 康夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 塩満 徹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 平山 敦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 岩▲崎▼ 敏彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 浜口 敬三 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 中原 啓介 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 品川 拓也 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 長田 容 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−233977(JP,A) 特開 昭53−82656(JP,A) 特開 昭55−132630(JP,A) 特開 平5−208184(JP,A) 特開 平10−249325(JP,A) 特開 平7−328595(JP,A) 特開 平5−192648(JP,A) 特開 平3−178675(JP,A) 特開 平11−19625(JP,A) 特開 平10−249312(JP,A) 特開 平7−155731(JP,A) 特表 平3−505912(JP,A) 特表 平8−501601(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09C 1/00 - 1/10 B09B 3/00 - 5/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物を主体とし有害有機物を含有する
    廃棄物から前記有害有機物を揮発させ、前記揮発した有
    害有機物を含むガスを発生させる工程、及び前記ガス中
    に含まれる前記揮発した有害有機物を無害化処理する工
    程を具備し、前記揮発した有害有機物を含むガスに含ま
    れる全有機炭素濃度を前記無害化処理する工程の前及び
    後の少なくとも一方で測定し、その測定結果を用いて、
    前記ガスを発生する工程及び前記無害化処理する工程を
    実施するプラントの運転状況をモニタリングすることを
    特徴とする廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記測定を連続的に行うことを特徴とす
    る請求項1に記載の廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記測定結果に基づいて前記プラントの
    運転条件の少なくとも1つを制御することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】 無機物を主体とし有害有機物を含有する
    廃棄物から前記有害有機物を揮発させ、前記揮発した有
    害有機物を含むガスを発生させる手段、及び前記ガス中
    に含まれる前記揮発した有害有機物を無害化処理する手
    段を具備し、前記揮発した有害有機物を含むガスに含ま
    れる全有機炭素濃度を前記無害化処理する手段の前及び
    後の少なくとも一方で測定し、その測定結果を用いて、
    前記ガスを発生する手段及び前記無害化処理する手段を
    備えたプラントの運転状況をモニタリングする手段を有
    することを特徴とする廃棄物の処理装置。
  5. 【請求項5】 前記測定を連続的に行う手段を有するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の廃棄物の処理装置。
  6. 【請求項6】 前記測定結果に基づいて前記プラントの
    運転条件の少なくとも1つを制御する手段を有すること
    を特徴とする請求項4または請求項5に記載の廃棄物の
    処理装置。
JP2000127878A 1999-04-27 2000-04-27 廃棄物の処理方法及び処理装置 Expired - Fee Related JP3458822B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000127878A JP3458822B2 (ja) 1999-04-27 2000-04-27 廃棄物の処理方法及び処理装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-119736 1999-04-27
JP11973699 1999-04-27
JP2000-6571 2000-01-14
JP2000006571 2000-01-14
JP2000127878A JP3458822B2 (ja) 1999-04-27 2000-04-27 廃棄物の処理方法及び処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001259610A JP2001259610A (ja) 2001-09-25
JP3458822B2 true JP3458822B2 (ja) 2003-10-20

Family

ID=27313895

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000127878A Expired - Fee Related JP3458822B2 (ja) 1999-04-27 2000-04-27 廃棄物の処理方法及び処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3458822B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3876362B2 (ja) * 2002-06-27 2007-01-31 日立造船株式会社 土壌浄化装置
JP6119256B2 (ja) * 2013-01-15 2017-04-26 住友大阪セメント株式会社 セメント焼成排ガスの処理方法及び処理装置
JP7377639B2 (ja) 2019-07-22 2023-11-10 Ube三菱セメント株式会社 水銀回収装置及び水銀回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001259610A (ja) 2001-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4908874B2 (ja) ガス化装置および難分解性有機化合物処理装置および処理方法
JP2007039296A (ja) セメント製造装置の排ガスの処理方法及び処理システム
JPH09880A (ja) 有機ハロゲン化合物の処理方法及びその処理装置
JP3458822B2 (ja) 廃棄物の処理方法及び処理装置
JPH11114374A (ja) 活性炭循環バグフィルタで用いられた活性炭の再生方法
JP3103719B2 (ja) 集塵灰の加熱脱塩素化処理装置および処理方法
JP2002153834A (ja) 灰・土壌の無害化処理方法び装置
JP2003114298A (ja) 廃棄物処理装置及び処理方法
KR100361089B1 (ko) 폐기물의 처리 방법
JP4734649B2 (ja) 難分解性有機化合物の分解処理装置および分解処理方法
JP4160065B2 (ja) 土壌の処理装置
JP3727908B2 (ja) 土壌の処理方法
JP2000266332A (ja) 蓄熱式排ガス処理方法およびその装置
JP2004249180A (ja) バグフィルタとその防災システム及び加熱処理施設
JP3480447B2 (ja) 有害物質を含む飛灰の無害化方法および装置
JP2002028609A (ja) 灰類のダイオキシン類処理方法と処理剤と処理施設
JP2001347159A (ja) 有機ハロゲン化物のハロゲンおよび有機化合物を無機の物質に変換処理する方法およびそのための装置
JP2004298800A (ja) 土壌の処理方法および装置
JP2000308868A (ja) 飛灰処理方法及び飛灰処理装置
JP3966485B2 (ja) 塩素化合物を含有する廃棄物の焼却処分過程において生じる排ガスの処理方法およびその装置
JP2005030608A (ja) ガス燃焼装置を備えた加熱処理設備
JP3866914B2 (ja) 燃焼排ガスの処理装置
JP2006075677A (ja) 汚染物質の処理方法および処理装置
JP3753309B2 (ja) 廃棄物処理装置
JP2002192108A (ja) 粉状廃棄物加熱処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees