JP3457960B1 - 乳鉢を用いる摺り潰し装置 - Google Patents

乳鉢を用いる摺り潰し装置

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JP3457960B1
JP3457960B1 JP2003033611A JP2003033611A JP3457960B1 JP 3457960 B1 JP3457960 B1 JP 3457960B1 JP 2003033611 A JP2003033611 A JP 2003033611A JP 2003033611 A JP2003033611 A JP 2003033611A JP 3457960 B1 JP3457960 B1 JP 3457960B1
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Abstract

【要約】 【課題】 乳棒用の回転駆動体により乳棒に公転運動と
自転運動とを同時に付与して乳棒先端部付近での被粉砕
物の滞留発生を防止でき、乳鉢回転用モータ等の駆動体
を要せず省エネルギーにも貢献できる乳鉢を用いる摺り
潰し装置を提供する。 【解決手段】 モータ出力軸41の回転が遊星歯車機構
60に伝達され、遊星出力軸64から回転動力が取り出
される。遊星出力軸64の回転に伴い、第三軸線O3に
沿って保持された乳棒7は、モータ出力軸41(第一軸
線O1)を中心として第一軸線O1の周りに公転すると
ともに、遊星出力軸64(第二軸線O2)を中心として
第二軸線O2の周りに自転する。このように、遊星歯車
機構60(回転伝動部6)により乳棒7に公転運動と自
転運動とが同時に付与され、乳棒7による撹拌作用が活
発に行われるので、乳棒7の先端部(乳鉢Mの底部)付
近での被粉砕物の滞留が発生しにくく、比較的短時間で
被粉砕物の粉砕・撹拌が終了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳鉢を用いて固体
の塊を粉末状に摺り潰したり、複数の固体物質を均一に
混合したりするための摺り潰し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、実験室において組成定量用試料
の粒径を均一化したり、製薬工程において複数の薬剤を
均一に混合したりするために、従来より乳鉢が広く用い
られている。その際、化学品、薬品等の被粉砕物を入れ
た乳鉢と乳棒との摺り合わせは、古くは人手により行わ
れていたが、現在では電動モータ等の回転駆動力によっ
て乳棒を回転させる機構(俗に「自動乳鉢」と称する)
が多用されている(例えば特許文献1〜3参照)。近年
では、陶芸等の分野においても、釉薬等の原料を粉砕し
たり撹拌したりするために乳棒の電動回転機構を備えた
摺り潰し装置の普及が進んでいる。
【0003】
【特許文献1】特開平6−320041号公報
【特許文献2】特開2002−306986号公報
【特許文献3】特開2002−316065号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、特許文献1に
は、乳棒の軸線がモータ軸(回転出力軸)に対して傾斜
状態を保ちつつモータ軸の周りに連動回転する機構が備
えられ、これにより乳棒が乳鉢内で歳差運動を行うこと
が記載されている。ここで、歳差運動とは回転物体の回
転軸が傾きながら向きを変えて行く円錐運動であり、中
心軸が首振り運動しているコマと同様に、乳棒の先端部
(下端部)は乳鉢の内底面の一点で支持されながら基端
部(頭部)がモータ軸の周りに旋回する。したがって、
乳鉢内の被粉砕物は乳棒の基端部寄りでは撹拌されて
も、摺り潰し作用が活発な肝心の先端部付近ではほとん
ど撹拌されずに滞留するおそれがある。そこで、特許文
献1では、乳棒先端部付近での被粉砕物の滞留を防止し
撹拌作用・摺り潰し作用への悪影響を除去するために、
乳鉢に超音波振動を付与しなければならず、装置が大型
化したり、また、乳鉢の大きさ(重量)が変化すると振
幅調整等が必要であった。
【0005】一方、特許文献2又は3には、乳鉢の外部
に設置された永久磁石を電動モータで回転させることに
より、永久磁石を備えた乳棒に歳差運動(首振り運動)
を行わせる技術が開示されている。これによって、乳棒
回転用モータとその駆動機構を省略できるものの、特許
文献1の場合と同様に、乳棒の先端部付近での被粉砕物
の滞留発生のおそれは依然として解決されていない。し
かも、これらの技術は磁性材料の粉砕には使用できず、
また、乳鉢の大きさ(重量)が変化すると永久磁石の取
り替えや調整が必要となるので、汎用機として使用しに
くい。
【0006】本発明の課題は、乳棒用の回転駆動体によ
り乳棒に公転運動と自転運動とを同時に付与して乳棒先
端部付近での被粉砕物の滞留発生を防止でき、乳鉢回転
用モータ等の駆動体を要せず省エネルギーにも貢献でき
る乳鉢を用いる摺り潰し装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】例えば、
乳鉢を用いる摺り潰し装置として、被粉砕物が収容され
た乳鉢を載置するための乳鉢載置台と、回転出力軸を有
する回転駆動体と、前記回転出力軸に第一軸線を設定
し、その第一軸線の周りに連動回転する第二軸線と、そ
の第二軸線に対して傾斜状態を保ちつつ当該第二軸線の
周りに連動回転する第三軸線とを有する回転伝動部と、
前記第三軸線に沿って保持され、前記第一軸線を中心と
してその第一軸線の周りに公転するとともに、前記第二
軸線を中心としてその第二軸線の周りに自転することに
より、前記乳鉢の内面に接する先端部で前記被粉砕物を
摺り潰す乳棒と、を備えることができる
【0008】このような摺り潰し装置によれば、乳棒用
の回転駆動体及び回転伝動部により乳棒に公転運動と自
転運動とを同時に付与して、乳棒先端部付近での被粉砕
物の滞留発生を防止できる。つまり、乳棒の第二軸線周
りでの自転運動は上記した歳差運動を行うことになる
が、ここではさらに第一軸線周りでの公転運動が乳棒に
対して付加される。したがって、乳鉢回転用モータ等の
駆動体を要しないため、摺り潰し装置を小型・コンパク
トに構成でき、省エネルギーにも貢献できる。また、乳
鉢の大きさ(重量)の変化に伴う調整等をほとんど要し
ないことから、汎用性に富み用途拡大にも寄与する。
【0009】このとき、乳鉢載置台に載置された乳鉢の
軸線を第一軸線と一致させて配置すれば、さらに小型化
が図れるとともに、乳鉢内面の偏摩耗(片減り)を防止
できる。なお、回転駆動体として電動モータや流体圧モ
ータ(油圧モータ等)とその付属装置(増減速装置等)
を用いることができる。また、乳棒に公転運動と自転運
動とを付与する回転伝動部には、遊星歯車機構、差動歯
車機構、カム機構等が用いられる。これらのうち、遊星
歯車機構や差動歯車機構では、単一の回転駆動体によっ
て公転・自転両運動を同時に付与することができ、小型
化と省エネルギー効果に優れる。
【0010】そこで、乳鉢を用いる摺り潰し装置に遊星
歯車機構又は差動歯車機構を採用した場合、例えば、被
粉砕物が収容された乳鉢を載置・固定するための乳鉢載
置台と、鉛直方向に配置された回転出力軸を有する回転
駆動体と、前記回転出力軸に第一軸線を設定し、その回
転出力軸に固定されその第一軸線を中心として回転する
遊星腕と、太陽内歯車と、前記第一軸線から変位した位
置において、前記遊星腕に対し相対回転可能でかつ前記
太陽内歯車と噛み合い回転する遊星歯車とを含む遊星歯
車機構又は差動歯車機構と、前記遊星歯車が固定され前
記第一軸線に対して平行状態を保ちつつその第一軸線の
周りに連動回転する遊星出力軸に第二軸線を設定し、そ
の第二軸線に対して傾斜状態を保ちつつ当該第二軸線の
周りに連動回転する第三軸線を有する乳棒回転機構と、
前記第三軸線に沿って保持・固定され、前記第一軸線を
中心としてその第一軸線の周りに公転するとともに、前
記第二軸線を中心としてその第二軸線の周りに自転する
ことにより、前記乳鉢の内底面に接する先端部で前記被
粉砕物を摺り潰す乳棒と、を備えることができる
【0011】上記課題を解決するために、本発明に係る
乳鉢を用いる摺り潰し装置に遊星歯車機構又は差動歯車
機構を採用した場合、被粉砕物が収容された乳鉢を載置
・固定するための乳鉢載置台と、鉛直方向に配置された
回転出力軸を有する回転駆動体と、前記回転出力軸に第
一軸線を設定し、その回転出力軸に固定されその第一軸
線を中心として回転する遊星腕と、太陽内歯車と、前記
第一軸線から変位した位置において、それぞれ前記遊星
に対し相対回転可能でかつ相互に噛み合い回転する一
対の遊星歯車とを含んで構成され、その一対の遊星歯車
のうち一方は前記太陽内歯車と噛み合い回転し、他方は
遊星出力軸に固定される遊星歯車機構又は差動歯車機構
と、前記他方の遊星歯車が固定され前記第一軸線に対し
て平行状態を保ちつつその第一軸線の周りに連動回転す
る前記遊星出力軸に第二軸線を設定し、その第二軸線に
対して傾斜状態を保ちつつ当該第二軸線の周りに連動回
転する第三軸線を有する乳棒回転機構と、前記第三軸線
に沿って保持・固定され、前記第一軸線を中心としてそ
の第一軸線の周りに公転するとともに、前記第二軸線を
中心としてその第二軸線の周りに自転することにより、
前記乳鉢の内底面に接する先端部で前記被粉砕物を摺り
潰す乳棒と、を備え 前記遊星腕は、上下方向に離間し
かつ水平方向に延びて一体回転する2つの回転体を有
し、 前記一対の遊星歯車は、上部回転体と下部回転体と
の間に位置するとともに、前記第一軸線から平行に変位
して前記上部回転体に支持された変位軸に支持された第
一遊星歯車と、前記第一軸線から平行に変位して前記下
部回転体に支持された前記遊星出力軸に支持された第二
遊星歯車と、から構成されることを特徴とする。
【0012】この摺り潰し装置によれば、遊星歯車機構
又は差動歯車機構により乳棒に公転・自転両運動がスム
ーズに同時付与されるので、上記した小型化及び省エネ
ルギー効果とともに、乳棒の公転数及び/又は自転数を
従来に比べて相対的に大とすることができ、作業能率が
向上する。なお、遊星歯車機構又は差動歯車機構に一対
の遊星歯車を組み込むことにより、第一軸線(回転出力
軸)に対する第二軸線(遊星出力軸)又は第三軸線の速
度比をさらに大とすることができる。
【0013】そして、一対の遊星歯車を、上部回転体と
下部回転体との間に位置させるとともに、第一軸線から
平行に変位して上部回転体に支持された変位軸に支持
れた第一遊星歯車と、第一軸線から平行に変位して下部
回転体に支持された遊星出力軸に支持された第二遊星歯
車と、から構成すれば、狭いスペースに一対の遊星歯車
を有する遊星歯車機構又は差動歯車機構を収容すること
ができる。
【0014】次に、単一の乳鉢に対して複数の乳棒を同
時使用する場合、第二軸線を遊星歯車機構又は差動歯車
機構における複数の遊星出力軸に各々設定し、各遊星出
力軸にはそれぞれ乳棒を連動連結することができる。こ
れによって、遊星歯車機構又は差動歯車機構ひいては摺
り潰し装置を大型化することなく乳棒の複数軸化(多軸
化)が図れ、作業能率が向上する。
【0015】このとき、複数の乳棒を正逆回転にて同時
使用する場合、第二軸線を遊星歯車機構における複数の
遊星出力軸に各々設定し、各遊星出力軸には、乳棒を正
回転させるための正転側遊星歯車機構と、その乳棒を逆
回転させるための逆転側遊星歯車機構とのうちのいずれ
か一方を介して、それぞれ乳棒を連動連結すればよい。
乳棒の正逆回転構成においても遊星歯車機構を大型化せ
ずにすみ、正逆回転により被粉砕物のさらなる細粒化と
混合均一化を図ることができる。このような遊星歯車機
構において、正転側遊星歯車機構部と逆転側遊星歯車機
構部との間で、少なくとも遊星腕、太陽内歯車及び複数
の遊星歯車のうちの一部を共有した場合には、遊星歯車
機構の主要部が共用化されることになり、回転伝動部の
構成が著しく簡素化されるとともに、振動・騒音も少な
くかつ堅牢な摺り潰し装置となる。
【0016】
【発明の実施の形態】(実施例1)次に、本発明の実施
の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。図1
は本発明の一実施例である摺り潰し装置の正面図、図2
はその右側面図である。図2に示すように、この摺り潰
し装置100は、基本的な枠組構成として、最下部に位
置して全重量を支持する下部ベース1と、その下部ベー
ス1の後部上面から上方に立ち上がり、伸縮調整部21
により高さ調節可能な支柱2と、支柱2の上端から下部
ベース1と平行状に前方へ突出し、支柱2の伸縮に伴い
上下昇降する上部ベース3とを備えている。
【0017】上部ベース3の上面には後述する乳棒7を
回転させるために、正逆回転可能な電動モータ4(回転
駆動体)が固定され、そのモータ出力軸41(回転出力
軸)は上部ベース3の下方に下向き突出して第一軸線O
1が形成されている。モータ出力軸41は、モータ自身
の軸であっても、又はモータの軸から増減速機構を介し
たものであってもよい。上部ベース3の上面において電
動モータ4の後方には、電動モータ4の入切及び正逆回
転切替を行うスイッチ51等を備えたスイッチボックス
5が固定配置されている。上部ベース3の下面側には、
モータ出力軸41に連動連結される回転伝動部6が取り
付けられ、その下部には乳棒7の基端部が保持されてい
る。また、上部ベース3の前部上面に固着された乳鉢載
置台8には、周方向に1又は複数設けられた締付具81
(保持部材)を介して乳鉢Mが載置・固定され、乳棒7
の先端部はその乳鉢Mの内底面に接している。なお、モ
ータ出力軸41の第一軸線O1を延長して、乳鉢載置台
8及び乳鉢載置台8に載置された乳鉢Mの軸線とほぼ一
致させてあるので、摺り潰し装置100の前後方向の奥
行(図2参照)並びに左右方向の幅(図1参照)が比較
的短くなっている。
【0018】次に、図3に示す側面拡大断面図(図1の
A−A断面拡大図)により、回転伝動部6及び乳棒7の
詳細構造を説明する。図3に示すように回転伝動部6
は、乳棒7に自転運動とモータ出力軸41(第一軸線O
1)の周りでの公転運動とを付与するための遊星歯車機
構60と、モータ出力軸41(第一軸線O1)及び後述
する遊星出力軸64(第二軸線O2)に対して傾斜状態
を保ちつつ連動回転する乳棒回転機構67とから構成さ
れる。
【0019】遊星歯車機構60は、太陽内歯車SIと、
遊星腕としての回転板C(回転体)と、遊星歯車Pとを
主要部として有している。太陽内歯車SIは上部ベース
3の下面に1又は複数の固定ピン61(固定部材)を介
して固着され、上部ベース3(摺り潰し装置100)に
対して移動不能(絶対固定)とされている。回転板C
(遊星腕)はモータ出力軸41に固定され、モータ出力
軸41の第一軸線O1を中心として回転する。具体的に
は、回転板Cは互いに平行(水平)な上部回転板C1と
下部回転板C2とを有し、両回転板C1,C2は1又は
複数の連結ピン62(連結部材)を介して所定の間隔に
保持・固定されている。また、上部回転板C1にはモー
タ出力軸41を挿入・固定するためのボス部63が一体
形成されている。遊星歯車Pは、第一軸線O1から変位
した位置において、回転板Cに対し相対回転可能でかつ
太陽内歯車SIと噛み合い回転する。
【0020】この実施例では、遊星歯車Pは、第一軸線
O1から変位した位置において、それぞれ回転板Cに対
し相対回転可能でかつ相互に噛み合い回転する一対の遊
星歯車P1,P2で構成される。具体的には、一対の遊
星歯車P1,P2のうち第一遊星歯車P1は太陽内歯車
SIと噛み合い回転し、第二遊星歯車P2は遊星出力軸
64に固定される。さらに具体的には、第一遊星歯車P
1は、第一軸線O1から平行に変位して上部回転板C1
にねじ65a等の固定手段により回転不能に支持・固定
された変位軸65に対して、軸受65bを介して回転可
能に支持されている。一方、第二遊星歯車P2は、第一
軸線O1から平行に変位して下部回転板C2に軸受64
aを介して回転可能に支持された遊星出力軸64に対し
て、しまりばめ嵌合等の固定手段により回転不能に支持
されている。このようにして第二遊星歯車P2が固定さ
れた遊星出力軸64には、第一軸線O1に対して平行状
態を保ちつつ第一軸線O1の周りに連動回転する第二軸
線O2が設定される。
【0021】乳棒回転機構67は、一端部が第二軸線O
2(遊星出力軸64)に沿って挿入・固定され、他端部
が第一軸線O1(モータ出力軸41)及び第二軸線O2
に対して傾斜状態を保ちつつ第二軸線O2周りに連動回
転する第三軸線O3を有する傾斜アーム68等から構成
される。
【0022】乳棒7は、その基端部が傾斜アーム68他
端部側の第三軸線O3に沿って保持・固定され、その先
端部は自重により乳鉢Mの内底面に接している(図2参
照)。このとき、側方からみて第三軸線O3は、その上
部(基端部)において第一軸線O1を挟んで第二軸線O
2とは反対側に位置し、その下部(先端部)において第
一軸線O1と交差(交差角θ1)し、続いて第二軸線O
2と交差(交差角θ2)する(図4(b)参照;θ1=
θ2)。これによって、乳棒7は第一軸線O1を中心と
して第一軸線O1の周りに公転するとともに、第二軸線
O2を中心として第二軸線O2の周りに自転することが
でき、乳鉢Mに収容された化学品、薬品等の固体状(塊
状)被粉砕物をその先端部で摺り潰す。なお、乳棒7
は、基端部側のシリンダ71(外筒)と、シリンダ71
の先端部側開口に挿入される先端部側のピストン72
(軸状部材)とを備える。そして、シリンダ71の開口
の底とピストン72との間には、ピストン72を押し出
す方向に付勢する(すなわち、乳棒7の先端部を乳鉢M
の内底面側に押圧する)ために、コイルばね、流体ばね
等の弾圧部材73(押圧手段)が介装されている。
【0023】次に、遊星歯車機構60(回転伝動部6)
をスケルトン図で表わした図4を参照して、摺り潰し装
置100の作動を説明する。まず、伸縮調整部21を調
節して上部ベース3を上昇させ、乳鉢載置台8上のスペ
ースを確保しておく。締付具81により乳鉢Mを乳鉢載
置台8に固定して、乳鉢Mに被粉砕物を収容する。伸縮
調整部21を調節して上部ベース3を下降させ、乳棒7
の先端部を乳鉢Mの内底面にセットする。スイッチボッ
クス5のスイッチ51を正転側に倒すと、電動モータ4
が回転(正回転)を開始する(以上、図2参照)。
【0024】モータ出力軸41の回転が遊星歯車機構6
0に伝達され、遊星出力軸64から回転動力が取り出さ
れる。遊星出力軸64の回転に伴い、第三軸線O3に沿
って保持された乳棒7は、モータ出力軸41(第一軸線
O1)を中心として第一軸線O1の周りに公転するとと
もに、遊星出力軸64(第二軸線O2)を中心として第
二軸線O2の周りに自転する。このように、遊星歯車機
構60(回転伝動部6)により乳棒7に公転運動と自転
運動とが同時に付与され、乳棒7による撹拌作用が活発
に行われるので、乳棒7の先端部(乳鉢Mの底部)付近
での被粉砕物の滞留が発生しにくく、比較的短時間で被
粉砕物の粉砕・撹拌が終了する。
【0025】なお、必要に応じスイッチ51を逆転側に
倒して電動モータ4を逆回転させてもよい。作業が終了
したら、伸縮調整部21を調節して上部ベース3を上昇
させ、乳棒7の先端部を乳鉢Mから外部へ取り出す。締
付具81を緩めて乳鉢Mを乳鉢載置台8から取り外す。
【0026】図4の遊星歯車機構60を用いた場合、各
軸(歯車)からは表1に示す回転数が得られる。
【0027】
【表1】
【0028】表1において、太陽内歯車SI,第一遊星
歯車P1,第二遊星歯車P2の歯数をそれぞれZSI
P1,ZP2で表わし、時計方向回りの回転を+で表
示してある。表1で、ZSI=100,ZP1=25,
P2=15のとき、モータ出力軸41の回転数(乳棒
7の公転数)を+10rpmとすると、遊星出力軸64
の回転数(乳棒7の自転数)は+76.7rpmとな
る。なお、変位軸65を遊星出力軸(第二軸線O2)に
設定した場合には、乳棒7の自転数として−30rpm
が得られる。このように、一般に遊星歯車数を増やせば
変速比を大きくとれる。
【0029】(実施例2)次に、図5は本発明の他の実
施例である摺り潰し装置の側面拡大断面図を示し、実施
例1の図3に相当する。また、図6は図5の遊星歯車機
構60(回転伝動部6)をスケルトン図で表わしたもの
で、実施例1の図4に相当する。図5において、第二軸
線O2A,O2Bが遊星歯車機構60における複数(こ
こでは2本)の遊星出力軸64A,64Bに各々設定さ
れ、各遊星出力軸64A,64Bにはそれぞれ乳棒7
A,7Bが連動連結されている。また、図5に示すよう
に、第一軸線O1が一対の乳棒7A,7Bの先端部交差
点を通るように位置させる場合には、摺り潰し装置10
0(乳棒7A,7B)の回転バランスがよくなる。な
お、図5及び図6において、図3又は図4と共通する部
分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0030】図6の遊星歯車機構60を用いた場合、各
軸(歯車)からは表2に示す回転数が得られる。
【0031】
【表2】
【0032】表2において、太陽内歯車SI,第一遊星
歯車P1,第二遊星歯車P2A,P2Bの歯数をそれぞ
れZSI,ZP1,ZP2A,ZP2Bで表わし、時計
方向回りの回転を+で表示してある。表2で、ZSI
100,ZP1=54,Z 2A=ZP2B=15のと
き、モータ出力軸41の回転数(乳棒7A,7Bの公転
数)を+10rpmとすると、第一遊星出力軸64Aの
回転数(第一乳棒7Aの自転数)は+76.7rpmと
なる。また、第二遊星出力軸64Bの回転数(第二乳棒
7Bの自転数)も+76.7rpmとなり、第一遊星出
力軸64Aの回転数と等しくなる。なお、このときの変
位軸65の回転数は−8.5rpmとなる。
【0033】(実施例3)次に、図7は本発明のさらに
他の実施例である摺り潰し装置の側面拡大断面図を示
し、実施例2の図5に相当する。また、図8は図7の遊
星歯車機構60(回転伝動部6)をスケルトン図で表わ
したもので、実施例2の図6に相当する。図7におい
て、第二軸線O2A,O2Bを遊星歯車機構60におけ
る複数(ここでは2本)の遊星出力軸64A,64Bに
各々設定し、各遊星出力軸64A,64Bには、乳棒7
A,7Bを正回転させるための正転側遊星歯車機構部6
0Aと、その乳棒7A,7Bを逆回転させるための逆転
側遊星歯車機構部60Bとのうちのいずれか一方を介し
て、それぞれ乳棒7A,7Bを連動連結してある。
【0034】つまり、図7の遊星歯車機構60(回転伝
動部6)には正転側遊星歯車機構部60A及び逆転側遊
星歯車機構部60Bが備えられている。まず、正転側遊
星歯車機構部60Aは、実施例1又は2と同様に、太陽
内歯車SIと、遊星腕としての回転板C(回転体)と、
遊星歯車Pとを主要部として有している。このうち、遊
星歯車Pは、第一軸線O1から変位した位置において、
それぞれ回転板Cに対し相対回転可能でかつ相互に噛み
合い回転する一対の遊星歯車P1,P2Aで構成され
る。具体的には、一対の遊星歯車P1,P2Aのうち第
一遊星歯車P1は太陽内歯車SIと噛み合い回転し、第
二遊星歯車P2Aは第一遊星出力軸64Aに固定され
る。
【0035】さらに具体的には、第一遊星歯車P1は、
第一軸線O1から平行に変位して上部回転板C1にねじ
65a等の固定手段により回転不能に支持・固定された
変位軸65に対して、軸受65bを介して回転可能に支
持されている。一方、第二遊星歯車P2Aは、第一軸線
O1から平行に変位して下部回転板C2に軸受64aを
介して回転可能に支持された第一遊星出力軸64Aに対
して、しまりばめ嵌合等の固定手段により回転不能に支
持されている。このようにして第二遊星歯車P2Aが固
定された第一遊星出力軸64Aには、第一軸線O1に対
して平行状態を保ちつつ第一軸線O1の周りに連動回転
する第二軸線O2Aが設定される。
【0036】次に、逆転側遊星歯車機構部60Bは、太
陽内歯車SIと、遊星腕としての回転板C(回転体)
と、遊星歯車Pとを主要部として有し、このうち太陽内
歯車SIと回転板Cとを正転側遊星歯車機構部60Aと
の間で共用(共有)している。また、遊星歯車Pは、第
一軸線O1から変位した位置において、それぞれ回転板
Cに対し相対回転可能でかつ相互に順次噛み合い回転す
る3個の遊星歯車P1,P2B,P3Bで構成される。
具体的には、3個の遊星歯車P1,P2B,P3Bのう
ち第一遊星歯車P1は、正転側遊星歯車機構部60Aと
共用(共有)されて太陽内歯車SIと噛み合い回転す
る。そして、第一遊星歯車P1と第二遊星歯車P2B、
第二遊星歯車P2Bと第三遊星歯車P3Bとが次々と噛
み合い回転し、第三遊星歯車P3Bは第二遊星出力軸6
4Bに固定される。
【0037】さらに具体的には、第二遊星歯車P2B
は、第一軸線O1から平行に変位して上部回転板C1に
ねじ66a等の固定手段により回転不能に支持・固定さ
れた中間軸66に対して、軸受66bを介して回転可能
に支持されている。一方、第三遊星歯車P3Bは、第一
軸線O1から平行に変位して下部回転板C2に軸受64
aを介して回転可能に支持された第二遊星出力軸64B
に対して、しまりばめ嵌合等の固定手段により回転不能
に支持されている。このようにして第三遊星歯車P3B
が固定された第二遊星出力軸64Bには、第一軸線O1
に対して平行状態を保ちつつ第一軸線O1の周りに連動
回転する第二軸線O2Bが設定される。なお、図7及び
図8において、図5又は図6と共通する部分には同一の
符号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】図8の正転側遊星歯車機構部60A及び逆
転側遊星歯車機構部60Bを用いた場合、各軸(歯車)
からは表3に示す回転数が得られる。
【0039】
【表3】
【0040】表3の正転側遊星歯車機構部60Aにおい
て、太陽内歯車SI,第一遊星歯車P1,第二遊星歯車
P2Aの歯数をそれぞれZSI,ZP1,ZP2Aで表
わし、時計方向回りの回転を+で表示してある。表3
で、ZSI=100,ZP1=36,ZP2A=15の
とき、モータ出力軸41の回転数(乳棒7A,7Bの公
転数)を+10rpmとすると、第一遊星出力軸64A
の回転数(第一乳棒7Aの自転数)は+76.7rpm
となる。次に、表3の逆転側遊星歯車機構部60Bにお
いて、遊星腕C,太陽内歯車SI,第一遊星歯車P1は
正転側遊星歯車機構部60Aと共用(共有)しているた
め、これらの回転数は上記したものと等しくなる。ま
た、第二遊星歯車P2B,第三遊星歯車P3Bの歯数を
それぞれZ 2B,ZP3Bで表わしてある。表3で、
SI=100,ZP1=36,Z 2B=36,Z
P3B=15のとき、モータ出力軸41の回転数(乳棒
7A,7Bの公転数)を+10rpmとすると、第二遊
星出力軸64Bの回転数(第二乳棒7Bの自転数)は−
56.7rpmとなり、第一遊星出力軸64Aに対して
逆回転する。このように、正転側遊星歯車機構部60A
と逆転側遊星歯車機構部60Bとで遊星腕C,太陽内歯
車SI及び複数の遊星歯車のうちの一部(例えば第一遊
星歯車P1)を共用(共有)しているので、回転伝動部
6の構成が著しく簡素化されるとともに、振動・騒音も
少なくかつ堅牢な摺り潰し装置100となる。
【0041】(実施例4)次に、図9は本発明の第4番
目の実施例である摺り潰し装置の側面拡大断面図を示
し、実施例3の図7に相当する。また、図10は図9の
遊星歯車機構60(回転伝動部6)をスケルトン図で表
わしたもので、実施例3の図8に相当する。図9におい
て、第二軸線O2A,O2Bを遊星歯車機構60におけ
る複数(ここでは2本)の遊星出力軸64A,64Bに
各々設定し、各遊星出力軸64A,64Bには、乳棒7
A,7Bを逆回転させるための逆転側遊星歯車機構部6
0A’と、その乳棒7A,7Bを正回転させるための正
転側遊星歯車機構部60B’とのうちのいずれか一方を
介して、それぞれ乳棒7A,7Bを連動連結してある。
【0042】つまり、図9の遊星歯車機構60(回転伝
動部6)には逆転側遊星歯車機構部60A’及び正転側
遊星歯車機構部60B’が備えられている。まず、逆転
側遊星歯車機構部60A’は、実施例1〜3と同様に、
太陽内歯車SIと、遊星腕としての回転板C(回転体)
と、遊星歯車Pとを主要部として有している。このう
ち、遊星歯車Pは、第一軸線O1から変位した位置にお
いて、回転板Cに対し相対回転可能でかつ太陽内歯車S
Iと噛み合い回転する第一遊星歯車P1で構成され、第
一遊星歯車P1は第一遊星出力軸64Aに固定される。
【0043】さらに具体的には、第一遊星歯車P1は、
第一軸線O1から平行に変位して下部回転板C2に軸受
64aを介して回転可能に支持された第一遊星出力軸6
4Aに対して、しまりばめ嵌合等の固定手段により回転
不能に支持されている。また、第一遊星出力軸64Aに
は、第一遊星歯車P1の上方に位置し第一遊星歯車P1
と一体回転する同軸歯車P1’もしまりばめ嵌合等の固
定手段により回転不能に支持(固定)されている。この
ようにして第一遊星歯車P1及び同軸歯車P1’が固定
された第一遊星出力軸64Aには、第一軸線O1に対し
て平行状態を保ちつつ第一軸線O1の周りに連動回転す
る第二軸線O2Aが設定される。
【0044】次に、正転側遊星歯車機構部60B’は、
太陽内歯車SIと、遊星腕としての回転板C(回転体)
と、遊星歯車Pとを主要部として有し、このうち太陽内
歯車SIと回転板Cとを逆転側遊星歯車機構部60A’
との間で共用(共有)している。また、遊星歯車Pは、
第一軸線O1から変位した位置において、それぞれ回転
板Cに対し相対回転可能でかつ相互に順次噛み合い回転
する4個の遊星歯車P1(同軸歯車P1’),P2B,
P3B,P4Bで構成される。具体的には、4個の遊星
歯車P1,P2B,P3B,P4Bのうち第一遊星歯車
P1は、逆転側遊星歯車機構部60A’と共用(共有)
されて太陽内歯車SIと噛み合い回転する。そして、第
一遊星歯車P1の同軸歯車P1’と第二遊星歯車P2
B、第二遊星歯車P2Bと第三遊星歯車P3B、第三遊
星歯車P3Bと第四遊星歯車P4Bとが次々と噛み合い
回転し、第四遊星歯車P4Bは第二遊星出力軸64Bに
固定される。
【0045】さらに具体的には、第二遊星歯車P2B
は、第一軸線O1から平行に変位して上部回転板C1に
ねじ661a等の固定手段により回転不能に支持・固定
された第一中間軸661に対して、軸受661bを介し
て回転可能に支持されている。一方、第三遊星歯車P3
Bは、第一軸線O1から平行に変位して上部回転板C1
にねじ662a等の固定手段により回転不能に支持・固
定された第二中間軸662に対して、軸受(図示せず)
を介して回転可能に支持されている。さらに、第四遊星
歯車P4Bは、第一軸線O1から平行に変位して下部回
転板C2に軸受64aを介して回転可能に支持された第
二遊星出力軸64Bに対して、しまりばめ嵌合等の固定
手段により回転不能に支持されている。このようにして
第四遊星歯車P4Bが固定された第二遊星出力軸64B
には、第一軸線O1に対して平行状態を保ちつつ第一軸
線O1の周りに連動回転する第二軸線O2Bが設定され
る。なお、図9及び図10において、図7又は図8と共
通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略す
る。
【0046】図8の逆転側遊星歯車機構部60A’及び
正転側遊星歯車機構部60B’を用いた場合、各軸(歯
車)からは表4に示す回転数が得られる。
【0047】
【表4】
【0048】表4の逆転側遊星歯車機構部60A’にお
いて、太陽内歯車SI,第一遊星歯車P1の歯数をそれ
ぞれZSI,ZP1で表わし、時計方向回りの回転を+
で表示してある。表4で、ZSI=100,ZP1=4
8のとき、モータ出力軸41の回転数(乳棒7A,7B
の公転数)を+10rpmとすると、第一遊星出力軸6
4Aの回転数(第一乳棒7Aの自転数)は−10.8r
pmとなる。次に、表4の正転側遊星歯車機構部60
B’において、遊星腕C,太陽内歯車SI,第一遊星歯
車P1は逆転側遊星歯車機構部60A’と共用(共有)
しているため、これらの回転数は上記したものと等しく
なる。また、同軸歯車P1’,第二遊星歯車P2B,第
三遊星歯車P3B,第四遊星歯車P4Bの歯数をそれぞ
れZP1’,ZP2B,ZP3B,ZP4Bで表わして
ある。表4で、ZSI=100,Z P1=48,Z
P1’=15,ZP2B=46,ZP3B=40,Z
P4B=15のとき、モータ出力軸41の回転数(乳棒
7A,7Bの公転数)を+10rpmとすると、第二遊
星出力軸64Bの回転数(第二乳棒7Bの自転数)は+
30.8rpmとなり、第一遊星出力軸64Aに対して
逆回転する。このように、逆転側遊星歯車機構部60
A’と正転側遊星歯車機構部60B’とで遊星腕C,太
陽内歯車SI及び複数の遊星歯車のうちの一部(例えば
第一遊星歯車P1)を共用(共有)しているので、回転
伝動部6の構成が著しく簡素化されるとともに、振動・
騒音も少なくかつ堅牢な摺り潰し装置100となる。
【0049】以上の説明においては、回転伝動部6に遊
星歯車機構60を用いた場合のみについて述べたが、以
下の機構を採用してもよい。 (1)内歯車SIも回転可能として差動歯車機構を用い
てもよい。 (2)カム機構等によって乳棒を公転させてもよい。た
だし、乳棒の公転用と自転用に別個の回転駆動体(電動
モータ等)が必要になる場合がある。
【0050】実施例1(図3、図4及び表1)におい
て、遊星出力軸64を廃止し、その代りに変位軸65を
遊星出力軸とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である摺り潰し装置の正面
図。
【図2】図1の右側面図。
【図3】図1のA−A断面拡大図(側面拡大断面図)。
【図4】図3の遊星歯車機構の平面視スケルトン図及び
側面視スケルトン図。
【図5】本発明の他の実施例である摺り潰し装置の側面
拡大断面図。
【図6】図5の遊星歯車機構の平面視スケルトン図及び
側面視スケルトン図。
【図7】本発明のさらに他の実施例である摺り潰し装置
の側面拡大断面図。
【図8】図7の遊星歯車機構の平面視スケルトン図及び
側面視スケルトン図。
【図9】本発明の第4番目の実施例である摺り潰し装置
の側面拡大断面図。
【図10】図9の遊星歯車機構の平面視スケルトン図及
び側面視スケルトン図。
【符号の説明】
4 電動モータ(回転駆動体) 41 モータ出力軸(回転出力軸) 6 回転伝動部 60 遊星歯車機構 60A 正転側遊星歯車機構部 60B 逆転側遊星歯車機構部 60A’ 逆転側遊星歯車機構部 60B’ 正転側遊星歯車機構部 SI 太陽内歯車 C 回転板(回転体;遊星腕) P 遊星歯車 64 遊星出力軸 67 乳棒回転機構 7 乳棒 73 弾圧部材(押圧手段) 8 乳鉢載置台 M 乳鉢 100 摺り潰し装置 O1 第一軸線 O2 第二軸線 O3 第三軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 19/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被粉砕物が収容された乳鉢を載置・固定
    するための乳鉢載置台と、鉛直方向に配置された 回転出力軸を有する回転駆動体
    と、 前記回転出力軸に第一軸線を設定し、その回転出力軸に
    固定されその第一軸線を中心として回転する遊星腕と、
    太陽内歯車と、前記第一軸線から変位した位置におい
    て、それぞれ前記遊星腕に対し相対回転可能でかつ相互
    に噛み合い回転する一対の遊星歯車とを含んで構成さ
    れ、その一対の遊星歯車のうち一方は前記太陽内歯車と
    噛み合い回転し、他方は遊星出力軸に固定される遊星歯
    車機構又は差動歯車機構と、 前記他方の遊星歯車が固定され前記第一軸線に対して平
    行状態を保ちつつその第一軸線の周りに連動回転する前
    記遊星出力軸に第二軸線を設定し、その第二軸線に対し
    て傾斜状態を保ちつつ当該第二軸線の周りに連動回転す
    る第三軸線を有する乳棒回転機構 と、 前記第三軸線に沿って保持・固定され、前記第一軸線を
    中心としてその第一軸線の周りに公転するとともに、前
    記第二軸線を中心としてその第二軸線の周りに自転する
    ことにより、前記乳鉢の内底面に接する先端部で前記被
    粉砕物を摺り潰す乳棒と、 を備え 前記遊星腕は、上下方向に離間しかつ水平方向に延びて
    一体回転する2つの回転体を有し、 前記一対の遊星歯車は、上部回転体と下部回転体との間
    に位置するとともに、前記第一軸線から平行に変位して
    前記上部回転体に支持された変位軸に支持された第一遊
    星歯車と、前記第一軸線から平行に変位して前記下部回
    転体に支持された前記遊星出力軸に支持された第二遊星
    歯車と、から構成され ることを特徴とする乳鉢を用いる
    摺り潰し装置。
  2. 【請求項2】 前記第二軸線が前記遊星歯車機構又は差
    動歯車機構における複数の遊星出力軸に各々設定され、
    各遊星出力軸にはそれぞれ乳棒が連動連結されている請
    求項1に記載の乳鉢を用いる摺り潰し装置。
  3. 【請求項3】 前記第二軸線が前記遊星歯車機構におけ
    る複数の遊星出力軸に各々設定され、 各遊星出力軸には、乳棒を正回転させるための正転側遊
    星歯車機構部と、その乳棒を逆回転させるための逆転側
    遊星歯車機構部とのうちのいずれか一方を介して、それ
    ぞれ乳棒が連動連結されている請求項1又は2に記載の
    乳鉢を用いる摺り潰し装置。
  4. 【請求項4】 前記遊星歯車機構において、前記正転側
    遊星歯車機構部と前記逆転側遊星歯車機構部とが、少な
    くとも前記遊星腕、前記太陽内歯車及び複数の前記遊星
    歯車のうちの一部を共有している請求項に記載の乳鉢
    を用いる摺り潰し装置。
  5. 【請求項5】 前記乳鉢載置台に載置された乳鉢は、そ
    の軸線が前記第一軸線と一致させて配置される請求項
    ないし4のいずれか1項に記載の乳鉢を用いる摺り潰し
    装置。
  6. 【請求項6】 前記乳棒には、その先端部を前記乳鉢の
    内面に常時押圧するための押圧手段が付設されている請
    求項ないし5のいずれか1項に記載の乳鉢を用いる摺
    り潰し装置。
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