JP3457412B2 - 超低雑音プログラマブル直流電源 - Google Patents

超低雑音プログラマブル直流電源

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JP3457412B2
JP3457412B2 JP01837695A JP1837695A JP3457412B2 JP 3457412 B2 JP3457412 B2 JP 3457412B2 JP 01837695 A JP01837695 A JP 01837695A JP 1837695 A JP1837695 A JP 1837695A JP 3457412 B2 JP3457412 B2 JP 3457412B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体通信用の電圧制
御発振器や、位相ロックループ回路の特性測定用の電源
として用いられる超低雑音プログラマブル直流電源に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は第1の従来例の構成図であり、定
電圧ダイオード等の基準電圧発生素子を含むD/A(デ
ジタルアナログ)変換器1には、図示しない外部回路か
らプログラムされた出力電圧値に相当するデジタル信号
D1、D2、…、Dnが印加されている。D/A変換器1の出
力は抵抗2を介して、演算増幅器3の入力端子及び局部
帰還抵抗4の一端に接続されており、これらの抵抗2、
演算増幅器3、局部帰還抵抗4によりサミング増幅器5
が構成されている。なお、演算増幅器3の反転入力端子
は仮想接地点として作用するようになっている。
【0003】演算増幅器3の出力は抵抗6を介して、演
算増幅器7の入力端子及び帰還コンデンサ8の一端に接
続されており、これらの抵抗6、演算増幅器7、帰還コ
ンデンサ8により誤差増幅器9が構成されている。この
誤差増幅器9は非常に大きなDC利得を有すると共に、
帰還コンデンサ8により高域の周波数における利得を制
限するようにされている。なお、抵抗6の抵抗値及び帰
還コンデンサ8のリアクタンスは、通常では500Hz
〜10kHz程度の周波数帯域において、誤差増幅器9
の利得が1となるように選択されている。演算増幅器7
の出力は電力用トランジスタ等から成る出力増幅器10
に接続され、出力増幅器10の出力は出力端子11に接
続されると共に、負帰還抵抗12を介して演算増幅器3
の入力端子に帰還されている。なお、増幅器5、9、1
0及び負帰還抵抗12により負帰還増幅器13が構成さ
れている。
【0004】外部回路から印加されるデジタル信号D1、
D2、…、Dnは、先ずD/A変換器1により対応するアナ
ログ電圧に変換される。このアナログ信号はサミング増
幅器5に入力され、D/A変換器1からの電流と出力増
幅器10から負帰還抵抗12を介して入力される電流と
が、局部帰還抵抗4により出力電圧の誤差に比例した誤
差電圧に変換される。次に、この誤差電圧は誤差増幅器
9により増幅され、同時に帰還コンデンサ8により高域
の周波数における利得が制限される。これにより、高域
の周波数における負帰還増幅器13のループ利得が小さ
くなり、抵抗2の動作が安定する。更に、誤差増幅器9
で増幅された誤差電圧は、出力増幅器10により必要に
応じて電圧増幅された後に、出力端子11に出力され
る。
【0005】このようなプログラマブル電源を構成して
いるD/A変換器1や増幅器5、9、10は、それぞれ
固有の雑音電圧を発生している。これらの雑音電圧は次
に示すように出力端子11に伝達される。
【0006】(1) D/A変換器1が発生する雑音 D/A変換器1は定電圧ダイオード等の基準電圧発生素
子を含んでおり、この基準電圧発生素子は演算増幅器に
比較して数10倍程度の大きな雑音を発生する。例え
ば、低雑音の演算増幅器の入力換算雑音はFET(電界
効果型トランジスタ)入力型のもので3nV/√Hz程
度であるのに対し、定電圧ダイオードの雑音は低雑音の
ものでも100nV/√Hz程度となっている。従っ
て、D/A変換器1の基準電圧発生素子が発生する雑音
は、外部から加えられたデジタル信号D1〜Dnに対応した
係数により分圧された後に、アナログ信号としてD/A
変換器1から出力され、変換されたアナログ信号が負帰
還増幅器13により増幅されて、出力端子11に伝達さ
れる。従って、D/A変換器1でプログラムされた電圧
値がフルスケール値に近い程、出力端子11には大きな
雑音が伝達されることになる。
【0007】(2) 増幅器5、9、10が発生する雑音 誤差増幅器9は周波数特性を有しているため、出力端子
11に伝達される増幅器5、9、10からの雑音は、周
波数帯域により状況がそれぞれ異なっている。先ず低い
周波数帯域では、誤差増幅器9の利得は十分に大きいた
め、負帰還増幅器13のループ利得が大きな値となり、
増幅器9、10が発生する雑音は小さな値に抑制され、
主にサミング増幅器5が発生する雑音が出力端子11に
伝達される。この雑音の大きさは抵抗2、4、12の抵
抗値に依存するが、通常では演算増幅器3に入力される
換算雑音の数倍〜10倍程度の値となる。
【0008】次に、高い周波数帯域では誤差増幅器9の
利得が低下し、誤差増幅器9が減衰器として作用するよ
うになるので、負帰還増幅器13全体のループ利得は小
さくなり、負帰還回路としての雑音抑制効果はなくな
る。
【0009】サミング増幅器5が発生する雑音は誤差増
幅器9により減衰されるが、誤差増幅器9からは演算増
幅器7の入力換算雑音と略同じレベルの雑音が出力され
る。この雑音は出力増幅器10により増幅されて、この
出力増幅器10が発生する雑音と共に出力端子11に伝
達される。なお、出力増幅器10は電力増幅用に設計さ
れているため、低雑音演算増幅器を用いた増幅器5、9
に比較して数倍〜数10倍の大きさの雑音を発生し、こ
の雑音はそのまま出力端子11に伝達される。
【0010】このようにして、出力端子11には広い周
波数帯域に渡って雑音が含まれ、その大きさは通常では
数10μVrms 程度に達しており、現在市販されている
プログラマブル直流電源の雑音の規格値は、低雑音のも
ので50〜100μVrms となっている。なお、出力端
子11には上述の半導体部品による雑音の他に、電源回
路からの雑音や電源トランスからの漏洩磁束による雑音
等も含まれるが、これらについては既知の方法により取
り除くことができるので、その説明は省略する。
【0011】プログラマブル直流電源の雑音は、上述の
程度であれば通常の用途に対してはさほどの問題とはな
らないが、例えば移動体通信用として用いられる電圧制
御発振器や位相ロックループ回路等の特性測定用の電源
として使用する場合には、許容することができない値と
なる。
【0012】電圧制御発振器はその制御端子に印加され
る直流電圧に応じて発振周波数を制御すると共に、印加
直流電圧に重畳した音声信号によって発振周波数をFM
変調するものである。従って、制御端子に印加する直流
電圧に含まれている雑音により、電圧制御発振器の発振
周波数はFM変調されることになるが、その値は電圧制
御発振器自体の残留FMに対して十分小さな値でなけれ
ばならない。この条件を満たすためには、試験用電源の
雑音レベルは、50Hz〜20kHzの音声周波数帯域
において、0.3μVrms 程度以下であることが必要と
されている。
【0013】図7は第2の従来例であり、図6における
サミング増幅器5を省略したものである。この従来例で
は、サミング増幅器5を設けていないために、全体で発
生する雑音は第1の従来例よりも減少するが、他の雑音
に関しては第1の従来例と同様であるため、全体として
も雑音の大きさは第1の従来例と大きな差異はない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来のプログラマブル
直流電源は上述のように雑音が大きく、そのままでは試
験用電源として使用することができないため、プログラ
マブル直流電源の出力端子11と電圧制御発振器の制御
電圧入力端子の間に、時定数が例えば100mSと非常
に大きい低域濾波器を挿入して使用している。このた
め、電圧制御発振器の測定では制御電圧つまり発振周波
数を何回も変えて測定することがあり、このような場合
には電圧を変更する度に、低域濾波器の出力電圧が安定
するまでに長い測定待ち時間が必要であり、試験をする
際に多大な時間を要する。また、電圧制御発振器の制御
入力回路の入力抵抗が低い場合には、入力回路に流れる
電流により低域濾波器で電圧降下を発生し、正確な制御
電圧が得られない等の問題点がある。
【0015】本発明の目的は、上述の問題点を解消し、
超低雑音の直流電圧を必要とする場合においても、低域
濾波器を挿入する必要がなく、出力を直接負荷に接続し
て使用することができる超低雑音プログラマブル直流電
源を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る超低雑音プログラマブル直流電源は、デ
ジタルアナログ変換器により外部から印加されたデジタ
ル信号に対応した直流電源を発生するプログラマブル直
流電源において、基準電圧発生回路と、時定数が十分に
大きい第1の低域濾波器と、雑音が問題となる周波数帯
域の下限付近の周波数以下の周波数において利得が1以
下となるような容量値を有する帰還コンデンサと高域で
の利得の低下を制限して位相の遅れを少なくするための
第1の位相調整用抵抗の直列回路による局部帰還回路と
を有する低雑音演算増幅器により構成した第1の誤差増
幅器と、低雑音高利得直流増幅器と電力増幅器とを直列
に接続した負荷に電力を供給するための出力増幅器と、
雑音が問題となる周波数帯域の下限の周波数付近におい
て前記出力増幅器の利得が1以下になるように周波数特
性を調整した局部帰還用コンデンサと、該局部帰還用コ
ンデンサと直列に接続した高域での利得の低下を制限し
て位相の遅れを少なくするための第2の位相調整用抵抗
と、雑音が問題となる周波数帯域の下限の周波数付近に
遮断周波数を有する第2の低域濾波器とを備えたことを
特徴とする。
【0017】
【作用】上述の構成を有する本発明に係る超低雑音プロ
グラマブル直流電源は、基準電圧発生回路が発生する雑
音を第1の低域濾波器により除去し、デジタルアナログ
変換器が発生する高域の周波数帯域における雑音を第1
の誤差増幅器、出力増幅器、第2の低域濾波器により減
衰させる。
【0018】
【実施例】本発明を図1〜図5に図示の実施例に基づい
て詳細に説明する。図1は第1の実施例の回路構成図で
あり、定電圧ダイオード等の基準電圧発生回路21の出
力は、抵抗22及びコンデンサ23から成る低域濾波器
24に接続されており、この低域濾波器24の時定数が
例えば0.1秒〜数秒程度となるように、抵抗22の抵
抗値R1及びコンデンサ23のリアクタンスX1が決定され
ている。低域濾波器24の後方には低雑音の演算増幅器
25を用いた緩衡増幅器26が接続され、更にその後方
には抵抗選択回路27が接続されている。抵抗選択回路
27は抵抗28とスイッチ29との対をn個並列した構
成とされ、外部から加えられるデジタル信号D1、D2、
…、Dnにより対応するスイッチ29の開閉が制御される
ようになっている。なお、スイッチ29はアナログスイ
ッチとすることが望ましい。また、これらの基準電圧発
生回路21、低域濾波器24、緩衡増幅器26、抵抗選
択回路27によりD/A変換器30が構成されている。
【0019】抵抗選択回路27の出力は、局部帰還抵抗
31を有する低雑音の演算増幅器32を用いたサミング
増幅器33に接続されている。なお、局部帰還抵抗31
の抵抗値R2は、抵抗選択回路27の抵抗28を全て並列
に接続した際の抵抗値RTと同等又は数倍程度とすること
が望ましい。
【0020】サミング増幅器33の出力は入力抵抗34
を介して、帰還抵抗35及び帰還コンデンサ36を有す
る低雑音の演算増幅器37に接続され、これらの入力抵
抗34、帰還抵抗35、帰還コンデンサ36、演算増幅
器37により、大きなDC利得を有する誤差増幅器38
が構成されている。なお、雑音が問題となる周波数帯域
において、誤差増幅器38の利得が1以下となるよう
に、帰還コンデンサ36のリアクタンスX2は決定され
る。また、抵抗34、35の抵抗値R3、R4は、抵抗値R4
が抵抗値R3の数分の1程度となるようにそれぞれ選択さ
れている。
【0021】演算増幅器37の出力は入力抵抗39を介
して、低雑音の演算増幅器を好適とする高利得直流増幅
器40、電力増幅器41の直列回路に接続され、電力増
幅器41の出力は、帰還抵抗42と帰還抵抗43及び帰
還コンデンサ44とを並列に接続した局部帰還回路45
を介して、高利得直流増幅器40の入力端子に帰還され
ている。なお、これらの入力抵抗39、高利得直流増幅
器40、電力増幅器41、局部帰還回路45により出力
増幅器46が構成されており、この出力増幅器46の直
流電圧利得は抵抗39、42の抵抗値R5、R6により決定
されるが、増幅器38、46の双方の最大出力電圧を考
慮して、これらの抵抗値R5、R6の値はそれぞれ決定され
ている。
【0022】また、雑音が問題となる周波数帯域の下限
の近傍又はそれ以下の周波数領域において、帰還コンデ
ンサ44のリアクタンスX3は入力抵抗39の抵抗値R5と
同等となるように選択され、帰還抵抗43の抵抗値R7
は、帰還抵抗42の抵抗値R6の数分の1〜1/20程度
となるように選択される。これにより、通常では抵抗値
R7は入力抵抗39の抵抗値R5の数分の1程度となる。
【0023】更に、電力増幅器41の出力は抵抗47及
びコンデンサ48から成る低域濾波器49を介して、出
力端子50に接続されている。低域濾波器49において
は、負荷電流による電力損失を小さくする必要があるた
め、抵抗47はできるだけ低い抵抗値S8のものが使用さ
れ、コンデンサ48には大容量のリアクタンスX4を有す
るものが使用される。また、低域濾波器49の出力は帰
還抵抗51と帰還抵抗52及び帰還コンデンサ53とを
並列に接続した主帰還回路54を介して、演算増幅器3
2の入力端子に帰還されている。なお、帰還抵抗51の
抵抗値R9は帰還抵抗52の抵抗値R10 の数倍から数10
倍程度とすることが望ましい。また、増幅器33、3
8、46、低域濾波器49、主帰還回路54により主帰
還増幅器55を構成している。
【0024】基準電圧発生回路21により印加された基
準電圧は、低域濾波器24を介して演算増幅器25に入
力され、演算増幅器25により緩衡増幅された後に、抵
抗選択回路27に入力される。このとき、基準電圧発生
回路21に使用される定電圧ダイオードは、従来例と同
様に100nV/√Hz程度の大きな雑音を発生する
が、この雑音は低域濾波器24により減衰される。
【0025】例えば、プログラマブル直流電源を使用す
る際に、雑音が問題となる周波数帯域の下限を50Hz
とし、低域濾波器24の時定数を0.32秒とすると、
低域濾波器24の減衰量は周波数が50Hzにおいて4
0dBとなり、周波数が50Hz以上の領域では周波数
に比例して減衰量が増加する。このため、基準電圧発生
回路21の定電圧ダイオードの雑音が100nV/√H
zであっても、低域濾波器24の出力における雑音の大
きさは周波数が50Hzの場合に1nV/√Hzとな
り、50Hz以上の周波数では雑音は更に低い値とな
る。
【0026】一方、緩衡増幅器26は100%の負帰還
が施されており、緩衡増幅器26の出力における雑音レ
ベルは、演算増幅器25の入力換算雑音と同じレベルと
なるため、従来例と同じ低雑音の演算増幅器を使用すれ
ば3nV/√Hz程度となる。つまり、基準電圧発生回
路21が発生し緩衡増幅器26に伝達される雑音の大き
さは、緩衡増幅器26自体が発生する雑音よりも十分に
小さいため、無視することができる。
【0027】次に、演算増幅器25の出力は抵抗選択回
路27により、外部から印加されるデジタル信号D1、D
2、…、Dnに対応するアナログ信号に変換された後に、
サミング増幅器33により増幅される。ここで、抵抗選
択回路27において選択された抵抗28の抵抗値をRと
すると、演算増幅器25の出力は抵抗選択回路27及び
サミング増幅器33によりR2/R倍に増幅され、演算増
幅器32の出力端子に伝達される。従って、スイッチ2
9を全てオフ状態として出力電圧を零にプログラムした
際には、出力雑音がサミング増幅器33に伝達されるこ
とはないが、出力電圧をフルスケール値にプログラムし
た際には、サミング増幅器33の出力雑音は緩衡増幅器
26で発生する出力雑音のR2/RT倍となる。
【0028】サミング増幅器33の出力には、上述の緩
衡増幅器26からの雑音に加えて、演算増幅器32が発
生する雑音が含まれる。演算増幅器32の入力換算雑音
をeni、この結果として生ずるサミング増幅器33の出
力雑音をeno、帰還容量53のリアクタンスをX5とする
と、図2に示すような図1との等価回路を参照して、出
力雑音enoは次式(1) 、(2) で示すように表される。 eno=eni(1+R2/Zin)…(1) Zin=R//R9//(R10 −jX5)…(2)
【0029】低域の周波数においてはZin≒R//R9とな
り、回路設計や出力電圧のプログラム値によっても変化
するが、抵抗値R2は通常R//R9の数倍程度となるので、
低域の周波数におけるサミング増幅器33の出力雑音e
noは、演算増幅器32の入力換算雑音eniの数倍の大き
さとなる。
【0030】一方、高域の周波数においてはZin≒R//
R9//R10 となるが、帰還抵抗52の抵抗値R10 は帰還抵
抗51の抵抗値R9の数分の1〜10分の1程度であるた
め、サミング増幅器33の出力雑音enoは低雑音演算増
幅器33の入力換算雑音eniの10倍から数10倍程度
の大きさとなる。
【0031】次に、演算増幅器32の出力は誤差増幅器
38に入力され、演算増幅器37により増幅されると共
に、帰還コンデンサ36により高域の周波数における利
得が制限される。更に、帰還抵抗35により高域の周波
数における利得の低下を制限し、結果として高域の周波
数での位相の遅れが少なくなり、誤差増幅器38は安定
に動作する。従って、誤差増幅器38は低域の周波数に
おける利得は略1、高域の周波数における利得は数分の
1となり、サミング増幅器33からの出力雑音enoに対
しても同じ割合で減衰し、誤差増幅器38は低域濾波器
として作用する。
【0032】雑音が問題となる周波数帯域の下限におい
てはR3≒X2であるため、誤差増幅器38は演算増幅器3
7の入力換算雑音に対して、+3dB程度の大きさの出
力雑音を発生する。また、中域以上の周波数において
は、帰還抵抗35の抵抗値R4は入力抵抗34の抵抗値R3
の数分の1であり、R3>>X2となるため、誤差増幅器3
8の出力雑音は演算増幅器37の入力換算雑音よりも僅
かに大きくなる。
【0033】誤差増幅器38の出力は出力増幅器46に
入力され、高利得直流増幅器40、電力増幅器41によ
り増幅されると共に、帰還抵抗43により高域の周波数
における位相の遅れが低減される。
【0034】出力増幅器46の利得は雑音が問題となる
周波数帯域の下限の周波数付近においては略1、中域以
上の周波数においてはR7/R5つまり数分の1程度となる
ため、出力増幅器46は誤差増幅器38からの雑音に対
しては低域濾波器として作用することになる。
【0035】出力増幅器46において、電力増幅器41
は高利得直流増幅器40に比較して大きな雑音を発生す
るが、高利得直流増幅器40は非常に大きなオープンル
ープ利得を有しており、局部帰還回路45のループ利得
は極めて大きな値となるため、電力増幅器41の雑音は
問題のないレベルに抑制される。高利得直流増幅器40
の入力換算雑音は、雑音が問題となる周波数帯域の下限
においてはR5≒X3であるため、出力増幅器46の出力に
は誤差増幅器38の出力雑音に対して+3dB程度又は
それより若干小さい大きさの雑音が伝達される。中域以
上の周波数においてはR5>>X3となり、またR7<<R5で
あるため、出力増幅器46の出力に伝達される雑音は、
高利得直流増幅器40の入力換算雑音と同等又はそれよ
り僅かに大きい程度のレベルになる。
【0036】低域濾波器49は遮断周波数以上の周波数
の信号を減衰するが、その減衰量は周波数に比例して大
きくなるため、高域の雑音ほど良好に減衰される。な
お、低域濾波器49は中域以上の周波数において、約9
0度の位相の遅れが生ずる。この位相の遅れは主帰還回
路54の位相余裕度を少なくするため、コンデンサ48
に直列に微小抵抗を挿入して、高域での位相の遅れが少
なくなるようにしてもよい。この場合には、高域での減
衰量は若干小さくなる。
【0037】サミング増幅器33の出力には高域での雑
音が大きなレベルで存在するが、後段に接続される増幅
器38、46、低域濾波器49が、上述のように全て高
域の周波数における雑音を減衰するため、高域の雑音が
問題となることはない。
【0038】主帰還増幅器55においては、抵抗28と
帰還抵抗51の抵抗値R、R9の比により主帰還増幅器5
5の直流利得が決定される。なお、増幅器38、46及
び低域濾波器49はそれぞれ位相の遅れを伴っているた
め、主帰還回路54の位相余裕度が少なくなり、出力電
圧を変更した際に、オーバシュートやアンダシュートを
生じ易くなる。帰還抵抗52及び帰還コンデンサ53
は、帰還ループにおけるこのような位相の遅れを補償し
て出力の応答特性を改善する。
【0039】以上の説明をまとめると次のようになる。 (1) 基準電圧発生回路21の定電圧ダイオードにより発
生する雑音は、低域濾波器24により取り除かれる。
【0040】(2) 緩衝増幅器26により発生する雑音
は、出力電圧をフルスケール値にプログラムした場合に
は、演算増幅器25の入力換算雑音と同等から数倍程度
の大きさとなってサミング増幅器33に伝達される。
【0041】(3) サミング増幅器33は低域において入
力換算雑音eniの数倍程度、高域においては10倍〜数
10倍の大きさの雑音を発生するが、後方に順次に接続
された増幅器38、46が共に低域濾波器として作用す
るため、低域濾波器49を含めた伝送経路において、中
域以上の周波数帯域における雑音に対しては大きな減衰
を与える。
【0042】 表1 符号 品名 定数又は型番 備考 21 10V基準電源 AD587 演算増幅器付定電圧ダイオード 22 抵抗器 150KΩ 23 コンデンサ 10μF 25 演算増幅器 AD743 28 抵抗器 ∞ 出力0Vのとき 10KΩ 出力20Vのとき 31 抵抗器 50KΩ 32 演算増幅器 AD743 34 抵抗器 4.7KΩ 35 抵抗器 1KΩ 36 コンデンサ 1μF 37 演算増幅器 AD743 39 抵抗器 2KΩ 40 演算増幅器 AD743 41 トランジスタ 2SA1452、2SC3710 42 抵抗器 5KΩ 43 抵抗器 200Ω 44 コンデンサ 1μF 47 抵抗器 10Ω 48 コンデンサ 220μF 51 抵抗器 10KΩ 52 抵抗器 150Ω 53 コンデンサ 0.15μF
【0043】例えば、表1に示すような定数及び規格を
用いてプログラマブル直流電源を構成した場合には、1
kHz以上の周波数では減衰量は56dB以上となる。
従って、中域以上の周波数の雑音は略完全に除去され
る。低域においては伝送経路における減衰量は大きくは
ならず、雑音は出力端子50にそのまま伝達されるが、
低域の雑音は余り大きくはなく、また伝達される周波数
帯幅が狭いため、雑音のエネルギの実効値は僅かな値に
留まる。
【0044】(4) 増幅器38、46が発生する雑音は、
低雑音演算増幅器の入力換算雑音とそれぞれ同程度の大
きさであり、これらの雑音は後方に配置された出力増幅
器46又は低域濾波器49により減衰されるので、出力
端子50に伝達される雑音は僅かな値となる。
【0045】このようにして、出力端子50において発
生する雑音スペクトルは、雑音が問題となる周波数帯域
の下限では、低雑音の演算増幅器の入力換算雑音の数倍
程度であるが、周波数が高くなるに伴い周波数に反比例
して減少し、中域以上の周波数では演算増幅器の入力換
算雑音よりもかなり低い値になる。
【0046】図3は図1に示す実施例において、表1に
示す定数及び規格を用いた場合の雑音スペクトルを実測
する際の構成図であり、上述のプログラマブル直流電源
を用いた被測定電源61の出力は、高利得増幅器62を
介してスペクトルアナライザ63及び交流ボルトメータ
64に接続されている。被測定電源61から得られた電
圧は高利得増幅器62により増幅された後に、スペクト
ルアナライザ63により周波数ごとの出力を測定される
と共に、交流ボルトメータ64により雑音の実効値を測
定される。
【0047】図4はその測定結果のグラフ図であり、A
は出力電圧を0Vにプログラムした場合、Bは出力電圧
を20Vにプログラムした場合のグラフ図をそれぞれ示
している。また、Cは測定に使用した高利得増幅器62
の入力換算雑音であり、A、Bは共にこの入力換算雑音
を含む値を示している。交流ボルトメータ64により求
めた雑音の実効値は、出力電圧を0Vにプログラムした
場合には約100nVrms 、また出力電圧を20Vにプ
ログラムした場合には約160nVrms である。なお、
何れの場合も高利得増幅器62の雑音を差し引いた値で
ある。また、出力電圧を0〜+20Vまで変化させたと
きの応答時間つまり0.1%までのセトリング時間は約
20mSである。
【0048】図5は第2の実施例の回路構成図であり、
図1と同一の符号は同一の部材を示している。抵抗選択
回路27の後方には、サミング増幅器33の代りに反転
型増幅器71が挿入され、演算増幅器37が第1の実施
例における高利得直流増幅器40を兼ねており、この演
算増幅器37と出力増幅器46、主帰還回路54とで誤
差増幅器72が構成されている。
【0049】この第2の実施例では、基準電圧発生回路
21、演算増幅器25、抵抗選択回路27で発生する雑
音は第1の実施例と同様であり、反転型増幅器71の出
力雑音は、入力回路にコンデンサが含まれず高域の周波
数まで負帰還が発生するため、第1の実施例におけるサ
ミング増幅器33の出力雑音よりも小さい。
【0050】また、誤差増幅器72が低域濾波器として
作用するために反転型増幅器71が発生する雑音は取り
除かれる。更に、電力増幅器41が発生する雑音に対し
ては、演算増幅器37が大きなオープンループ利得を有
しており、大きな負帰還が加わるため無視することがで
きる。そして、誤差増幅器72が発生する雑音は、演算
増幅器37の入力換算雑音よりも若干大きい程度に留ま
り、この雑音は低域濾波器49により減衰される。従っ
て、第2の実施例においても、第1の実施例と同様の超
低雑音の直流出力電圧が得られる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る超低雑
音プログラマブル直流電源は、超低雑音の直流電圧が必
要な場合においても、後方に低域濾波器を介さずに、直
接負荷に出力を接続することができるので、出力電圧を
変更した際の安定時間が短くなり、試験のスループット
が大幅に向上する。また、負荷電力による低域濾波器に
おける電圧降下がないため、負荷に正確な電圧を供給す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の回路構成図である。
【図2】サミング増幅器の等価回路図である。
【図3】雑音電圧を測定する際の構成図である。
【図4】周波数と雑音電圧の関係のグラフ図である。
【図5】第2の実施例の回路構成図である。
【図6】第1の従来例の回路構成図である。
【図7】第2の従来例の回路構成図である。
【符号の説明】
21 基準電圧発生回路 24、49 低域濾波器 26 緩衡増幅器 27 抵抗選択回路 29 スイッチ 30 D/A変換器 33 サミング増幅器 38、72 誤差増幅器 46 出力増幅器 54 主帰還回路 71 反転型増幅器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタルアナログ変換器により外部から
    印加されたデジタル信号に対応した直流電源を発生する
    プログラマブル直流電源において、基準電圧発生回路
    と、時定数が十分に大きい第1の低域濾波器と、雑音が
    問題となる周波数帯域の下限付近の周波数以下の周波数
    において利得が1以下となるような容量値を有する帰還
    コンデンサと高域での利得の低下を制限して位相の遅れ
    を少なくするための第1の位相調整用抵抗の直列回路に
    よる局部帰還回路とを有する低雑音演算増幅器により構
    成した第1の誤差増幅器と、低雑音高利得直流増幅器と
    電力増幅器とを直列に接続した負荷に電力を供給するた
    めの出力増幅器と、雑音が問題となる周波数帯域の下限
    の周波数付近において前記出力増幅器の利得が1以下に
    なるように周波数特性を調整した局部帰還用コンデンサ
    と、該局部帰還用コンデンサと直列に接続した高域での
    利得の低下を制限して位相の遅れを少なくするための第
    2の位相調整用抵抗と、雑音が問題となる周波数帯域の
    下限の周波数付近に遮断周波数を有する第2の低域濾波
    器とを備えたことを特徴とする超低雑音プログラマブル
    直流電源。
  2. 【請求項2】 前記電力増幅器と前記低雑音演算増幅器
    とを直列に接続し、前記電力増幅器、前記低雑音演算増
    幅器に局部帰還を施して電力を供給する第2の誤差増幅
    器を備え、前記局部帰還は前記帰還コンデンサと前記第
    1の位相調整用抵抗の直列回路から構成した請求項1に
    記載の超低雑音プログラマブル直流電源。
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