JP3456789B2 - ルーフドレン構造 - Google Patents

ルーフドレン構造

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JP3456789B2
JP3456789B2 JP09172495A JP9172495A JP3456789B2 JP 3456789 B2 JP3456789 B2 JP 3456789B2 JP 09172495 A JP09172495 A JP 09172495A JP 9172495 A JP9172495 A JP 9172495A JP 3456789 B2 JP3456789 B2 JP 3456789B2
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晃 稲垣
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  • Sink And Installation For Waste Water (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ルーフドレン構造に係
り、特に雨水排水系統の排水たて管基部での満流状態に
よる管閉塞を防止するようにしたルーフドレン構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】建物の排水系統の構造は、ポンプ圧送の
部分などを除いて、そのほとんどが無圧力系統、すなわ
ち大気圧下式からなり、排水時の満流状態を防ぐ設計が
行われている。通常、排水立て管の基部においては、水
流は終局流速に達し、高速の状態で横主管に流入する。
このとき水流が立て管の基部の曲り部に入り、水流方向
が垂直から水平に転じる時、水流に遠心力が働くので、
曲管部分の低い側の曲面に接するように、比較的均等な
厚みの水膜状をした高速水流が生じる。ところが、排水
立て管に連結された横主管が水平管であったりして、勾
配が小さく設計されている場合には、水流が立て管の基
部に達しても、引き続き高速水流状態を十分に維持でき
ない。したがって、横主管での流速はぬれ断面の増大に
応じて減少して流水深が急増し、最終的には排水管の断
面を満水させるほどに水位が上昇してしまう。
【0003】この現象は跳ね水現象と呼ばれ、跳ね水現
象は立て管基部から立て管径の10倍程度流下したとこ
ろで生じやすい。一方、横主管の管径が立て管の管径よ
り大きい場合や横主管の勾配が45°程度と、比較的大
きくとられている場合には、跳ね水現象の発生は少ない
ことが知られている。跳ね水現象の生じた部分の下流で
は、摩擦抵抗の影響を受けて流速が次第に減少し、次い
で定常状態に近づくが、しばらくの間管内は不安定なう
ねり波状態が続く。このとき流下水に伴われた立て管内
の正圧空気は、横主管に沿って逃げることができない。
このため、立て管内の正圧は、一時的に急上昇してしま
う。そこで、この正圧を逃がすために、排水立て管基部
近くに通気管始点を設け、満流を防ぐ方法も公知の技術
として知られている。
【0004】図6、図7は排水系統のうち、ろく屋根用
のルーフドレン及びルーフドレンに接続された雨水たて
管の上端部分の設置状態を示した説明図である。通常の
雨水配管は、図6に示したように屋上スラブ51の隅位
置に本体部が埋設されたルーフドレン52に接続された
硬質塩化ビニル管等からなる呼樋管53により、所定の
水平オフセットをとって躯体55近傍に設置された雨水
たて管54に接続されるようになっている。図7はコー
ナードレン60を使用した従来例を示したもので、パラ
ペット61外側に設けられた笠木兼用の化粧屋根62部
分の下端位置に設けられた雨とい63からの排水たて管
64が水平オフセット66により外側に設けられた雨水
たて管65の上端位置に接続されている。このとき雨と
い63の排水たて管64が通気管の代わりとなってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、屋上に降っ
た分の雨水が上述したようなルーフドレン構造の排水系
統内に間欠的に流入したときに、排水たて管基部におい
て、跳ね水現象が生じることが認められている。その原
因としては、水平オフセットとしての排水横引管が水平
管に設定されていることや、立て管エルボ部と排水横引
管との接合部から下流側にある長さが満流状態となり、
水のピストン(栓)を形成するためと考えられている
(図6○印位置)。この状態では、横引き管の上流側は
負圧となり、下流側は正圧となる。ルーフドレンに接続
している立て管の長さが跳ね水現象を生じさせる長さの
場合や、横引き管の管径が立て管の管径と同径の場合や
横引きの勾配が比較的緩い場合には、この現象の発生を
避けることができない。
【0006】この状態を解消するために、上流負圧側に
空気を導入してやり、下流正圧側から空気を逃がす通気
管を設けることが考えられる。ところが、図6に示した
ような雨水配管では、破線で示したような通気管56は
スペースや意匠上の問題で配置できない場合が多い。ま
た、図7のように雨とい用の排水たて管64を通気管と
して代用した場合にも、排水たて管64の管径が小さい
ため、管が詰まりやすく、詰まってしまったような場合
には、3箇所の曲がり部分(66a〜66c)のいずれ
かに水の栓ができるおそれが高い。
【0007】そこで、本発明の目的は、上述した従来の
技術が有する問題点を解消し、排水管経路内に水の栓が
形成されるのを防止するルーフドレン構造を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は雨水を受ける建物の平面部に所定間隔で設
けられ、ストレーナを介して前記雨水を取り込む排水た
て管、排水横引管及び雨水たて管を接続した雨水管系統
からなるルーフドレン構造において、前記ストレーナ
は、上部直管と該上部直管下端に接続された下部エルボ
管とからなる略L字形をなす通気管を、前記上部直管の
上端が該ストレーナから所定量だけ突出するように内部
に収容支持し、該収容支持状態で前記下部エルボ管の先
端を前記排水横引管の下流側に所定長さだけ突出するよ
うにしたことを特徴とするものである。
【0009】前記ストレーナの排水流入口に、雨水を左
巻き螺旋渦状に誘導する整流フィンを配設することが好
ましい。
【0010】前記排水横引管は、内部に通気スペースを
画成する隔壁が所定範囲にわたり形成され、前記通気ス
ペースの端部に前記下部エルボ管先端を接続することが
好ましい。
【0011】
【作用】従来、雨水は図3の矢印Aで示したように該ル
ーフドレン構造内に流入していた。このときの雨水の排
水立て管21内での流速V1、横引き管内での流速V2と
すると、流速V1が流速V2より大きくなり、図中ハッチ
ングの満流部分で、水の栓による水のピストンPが形成
され、管内は一時的に詰まった状態となり、雨水が流れ
にくくなってしまっていたのを、前記ストレーナを、上
部直管と該上部直管下端に接続された下部エルボ管とか
らなる略L字形をなす通気管が、前記上部直管の上端が
該ストレーナから所定量だけ突出するように内部に収容
支持させるようにし、該収容支持状態で前記下部エルボ
管の先端を前記排水横引管の下流側に所定長さだけ突出
するようにしたことにより、前記排水横引管の一部に突
出した前記通気管の下部エルボ管先端を形成された前記
水のピストン部分を通過させるように突出させることが
でき、排水横引管内の前記水のピストンを挟んだ上流と
下流との管内気圧差を解消し、全体を大気圧に保持でき
る。
【0012】前記ストレーナの排水流入口に、雨水を左
巻き螺旋渦状に誘導する整流フィンを配設することによ
り、流入した雨水が前記排水立て管内部の管壁廻りに沿
って螺旋渦状に流下するようになり、前記状態の流速V
1に対して、管内摩擦の影響や流下高さを長くとれるこ
とにより減速し、エルボ部を通過する流速V3は、前記
排水横引管の流速V2とほぼ等しくなり、前述した水の
ピストンを形成することなく、前記排水横引管を経由し
て流入した雨水を雨水たて管に流せるようになる。
【0013】請求項2記載のルーフドレン構造では、該
ルーフドレン構造が満水状態になった場合にも雨水の流
れが、前記上部直管が一般排水系統で施工される伸頂通
気管と同等の通気効果が得られ、満水による詰まり現象
を緩和できる。
【0014】前記排水横引管の内部に通気スペースを画
成する隔壁が所定範囲にわたり形成され、前記通気スペ
ースの端部に前記下部エルボ管先端を接続することによ
り、前記排水横引管内の断面が満流状態になっても、前
記通気スペースにより常に通気層を確保できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明によるルーフドレン構造の一実
施例について添付図面を参照して説明する。本発明によ
るルーフドレン構造は、図1に示したようにろく屋根構
造の屋上スラブ1の所定位置に埋設されたルーフドレン
本体10と、このルーフドレン本体10に固着されたス
トレーナ11と、ストレーナ11の上端位置から突出し
た上端とルーフドレン本体10内を貫通し、排水たて管
21内に延在する通気管12と、ルーフドレン本体10
の内面に形成された整流フィン13と、排水たて管2
1、排水横引管22、雨水たて管23とからなる雨水排
水管系統20とから構成されている。
【0016】このうち、ストレーナ11は図1〜図3に
示したように半球状をなし、縦状スリットが形成された
鋳物製品である。スリット形状は公知のストレーナ11
と同様に雨水の流入に伴って流れてくる土砂、ゴミ、木
の葉等を適度に遮断するとともに、雨水の流入を妨げる
ことのない程度の通水面積を有している。上端にはリン
グ11aが形成されていて、このリング11a位置に通
気管12のカラー12aが支持されるようになってい
る。なお、ストレーナ11の形状は半球状に限られず、
ドーム状、平板状等公知の種々の形状のものに上端リン
グ11aを形成したものであれば良いことは言うまでも
ない。
【0017】通気管12は上部直管12Aと下部エルボ
管12Bとからなり、上部直管12Aの所定位置にカラ
ー12aが形成されている。上部直管12Aはストレー
ナ11のリング11aを貫通し、カラー12aより下側
がルーフドレン本体10及び排水たて管21内に収容さ
れている。そして上部直管12Aの下端に下部エルボ管
12Bの上端が接続されている。下部エルボ管12Bは
図1に示したように排水たて管21及び排水横引管22
との接合部のエルボ形状と軸心がほぼ一致するような形
状に湾曲されている。先端12bは排水横引管22内に
延在し、前述した水のピストンPが形成される範囲を越
えた所まで所定長分突出した形となっている。排水横引
管22の他端はエルボ管24を介して雨水たて管23の
上端に接続されている。このように通気管12を排水た
て管21及び排水横引管22の一部に導いたことによ
り、たて管基部14での跳び水現象を防止することがで
きる。
【0018】整流フィン13は図1〜図3に示したよう
にストレーナ11の支持リング11b下面に所定の間隔
をあけて形成された略三角形状の曲面板状突起で、下端
に頂点が位置し、僅かに外面側に凸な形状をなしてい
る。この整流フィン13により、ストレーナ11を介し
てルーフドレン本体10内に流入した雨水にルーフドレ
ンを上からみて左回り(反時計回り)回転を付与でき
(図2参照)、この結果、雨水は螺旋渦状をなして排水
たて管21内壁に沿って誘導される。このとき雨水の排
水たて管21内への流入速度はストレートに流入する場
合に比べて大幅に減少する。このときの図3に模式的に
排水たて管21から排水横引管22への流れを示した
が、図示したように螺旋渦状に排水たて管21の管壁面
に沿って流下してくる雨水はそのままの渦流状態でスム
ースに排水横引管22内に導かれるため、上述した跳び
水現象が一層確実に防止される。なお、整流フィン13
の形状は排水たて管21の管壁に沿って螺旋渦流を形成
できるようにするために種々の形状があることは明らか
であり、以上に説明した形状に限定されるものではな
い。
【0019】図4は、図7に示した従来のコーナードレ
ン構造に、本発明による通気管12を適用した例を示し
た説明図である。なお、図7に示したものと同一構成の
ものには同一符号を付して説明を省略する。図4に示し
たように本変形例では、ストレーナ60から通気管30
が突出した位置でさらにエルボ部30aを設けることに
より、通気管30の上端を上方に向けるようにしてい
る。さらに、本変形例では図5(a)に示したように排
水横引管31の内部を隔壁32により上下2分割とし、
排水横引管31内に通気スペース33を一体的に画成し
ておき、この通気スペース33と通気管30の先端とを
接続管35で接続するようになっている。この排水横引
管31は別体の隔壁板32を内挿固定して2区画を形成
しても良いし、管成形時に管31部分と隔壁32とを一
体的に押出し成形等で成形しても良い。また、管の断面
形状としては、平板状の隔壁で区画せずに、同図(b)
に示したように一部36が一体化した小径管37を管3
1の内部に設け、二重管構造31、37としても良い。
なお、通気管12の頂部開口は、ステンレス網、樹脂製
網等で覆うようにし、落ち葉、ゴミ、虫等が通気管12
内に入らないようにすることが好ましい。また、先端部
分を逆U字形に湾曲加工し、開口部を下向きにしても良
い。
【0020】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、建物の屋上等に設置されたルーフドレン構造におい
て、大量の雨水が流入しても管内部での流入水による閉
塞等が確実に防止でき、スムースな排水を行うことがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるルーフドレン構造の構成を示した
部分断面図。
【図2】図1のストレーナをII-II線から示した矢視平
面図。
【図3】図1に示したルーフドレン構造の内部に流入し
た雨水の流れを模式的に示した部分断面斜視図。
【図4】ルーフドレン構造の変形例をコーナードレン構
造に適用した例を示した部分断面図。
【図5】図4の排水横引管のVa-Va断面線に沿って示し
た断面図。
【図6】従来のルーフドレン構造の一例を示した部分断
面図。
【図7】従来のルーフドレン構造の一例(コーナードレ
ン)を示した部分断面図。
【符号の説明】
1 屋上スラブ 10 ルーフドレン本体 11 ストレーナ 12,30 通気管 12A 上部直管 12B 下部エルボ管 13 整流フィン 20 雨水排水系統 21 排水たて管 22,31 排水横引管 23 雨水たて管 32 隔壁 37 小径管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04D 13/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雨水を受ける建物の平面部に所定間隔で設
    けられ、ストレーナを介して前記雨水を取り込む排水た
    て管、排水横引管及び雨水たて管を接続した雨水管系統
    からなるルーフドレン構造において、 前記ストレーナは、上部直管と該上部直管下端に接続さ
    れた下部エルボ管とからなる略L字形をなす通気管を、
    前記上部直管の上端が該ストレーナから所定量だけ突出
    するように内部に収容支持し、該収容支持状態で前記下
    部エルボ管の先端を前記排水横引管の下流側に所定長さ
    だけ突出するようにしたことを特徴とするルーフドレン
    構造。
  2. 【請求項2】前記ストレーナの排水流入口に、雨水を左
    巻き螺旋渦状に誘導する整流フィンを配設したことを特
    徴とする請求項1記載のルーフドレン構造。
  3. 【請求項3】前記排水横引管は、内部に通気スペースを
    画成する隔壁が所定範囲にわたり形成され、前記通気ス
    ペースの端部に前記下部エルボ管先端を接続したことを
    特徴とする請求項1記載のルーフドレン構造。
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