JP3456364B2 - 缶保持装置 - Google Patents

缶保持装置

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JP3456364B2
JP3456364B2 JP11406697A JP11406697A JP3456364B2 JP 3456364 B2 JP3456364 B2 JP 3456364B2 JP 11406697 A JP11406697 A JP 11406697A JP 11406697 A JP11406697 A JP 11406697A JP 3456364 B2 JP3456364 B2 JP 3456364B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶の開口端部にネ
ッキング加工を実施する際等に、缶の底面を支持する場
合に好適な缶保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、缶の開口端部を縮径するネッ
キング加工が行われており、該ネッキング加工によれ
ば、缶の開口端部の口径が縮小されるので、これを閉塞
するための蓋の面積が小さくて済み、その分の材料を節
約して製品コストの低減を図ることができるという利点
がある。
【0003】一般に、ネッキング加工においては、前工
程から搬送されてきた缶(自転していない缶)の底部を
瞬時に位置決めして把持し、缶を自転させネッキング加
工中も缶を保持し、さらにネッキング加工を終えた缶
(自転している缶)を離脱させて次工程(缶は自転して
いない)に供給するための缶保持装置を設ける必要があ
る。
【0004】このような缶保持装置としては、図10に
示すように、例えば、特開昭60−82226号公報に
示すような構造のチャック装置100がある。このチャ
ック装置100は、缶2の底部に外嵌状態に配されかつ
軸線周りに回転させられる有底円筒状のカップ型部材1
01の内面に、缶2の外周面に密接させられるOリング
102を設けるとともに、該Oリング102によって閉
塞されたカップ型部材101の内部を負圧に吸引して、
缶2をカップ型部材101の底面に当接状態に保持する
ようになっている。
【0005】カップ型部材101の口径は、缶2の外径
寸法よりも若干大きく形成されていて、これに挿入され
る缶2は、圧縮されるOリング102によってカップ型
部材101に位置決めされるようになっている。また、
カップ型部材101内に挿入された缶2は、カップ型部
材101内部を負圧に吸引することによってカップ型部
材101に吸着状態に保持される。そして、缶2をカッ
プ型部材101から切り離す場合には、吸引を停止して
吸着力を減少させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記チ
ャック装置100のような缶保持装置では、缶2がカッ
プ型部材101に対してOリング102により位置決め
されるものであるため、Oリング102のつぶれ代によ
っては、カップ型部材101と缶2とが偏心した状態で
吸着されることになり、正確な位置決めを行うことがで
きないという問題点がある。これを解決するためには、
カップ型部材101の口径を缶2の外径寸法に対して位
置決め精度以内の寸法差となるように精度よく形成して
おき、カップ型部材101に対して缶2を嵌合状態に配
することによって位置決めする方法も考えられる。しか
しながら、かかる場合には、高速で着脱される缶2の外
面にカップ型部材101を接触させることなく着脱する
ことは困難であり、接触が発生した場合には、缶2の外
面に、凹み、傷等の損傷を与えてしまうという不都合が
考えられる。また、Oリング102以外に、缶2を吸着
する際にカップ型部材101と軸線を一致させ高精度に
位置決めを行うセンタリングの機構も特に設けられてい
ない。
【0007】さらに、チャック装置100への缶2の吸
着状態を、吸引の停止によって解除する場合には、カッ
プ型部材101内の負圧状態が解消されるまでに相当の
時間を要するため、缶2をチャック装置100から即座
に離脱させることが困難であるという欠点がある。
【0008】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、缶を高速で着脱することを可能とし、し
かも、缶の外周面に損傷を与えることなく正確な位置決
め状態に吸着することができる缶保持装置を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を採用した。すなわち、請求項
1記載の缶保持装置では、缶の底面に向けて進退させら
れるとともに軸線を中心に回転可能なベースパッドと、
該ベースパッドの進退方向に相対移動可能に配されるイ
ジェクタと、前記ベースパッドを回転駆動する回転駆動
手段とを具備し、前記ベースパッドに、缶の底面の肩部
に全周に亙って密接させられるシール部材と、該シール
部材によって密封された缶の底面とベースパッドとの間
の空間を負圧に吸引する吸引手段と、該吸引手段による
吸引によってシール部材が圧縮されたときに缶の底面に
設けられた凹部に嵌合させられる位置決め凸部とが設け
られ、前記イジェクタが、前記ベースパッドの前進によ
ってベースパッド内に収納状態に後退させられかつベー
スパッドの後退によってシール部材と缶とが離れる位置
まで缶の底面を押圧するようにベースパッドから突出さ
せられる押圧片を具備している技術が採用される。
【0010】この缶保持装置では、ベースパッドが缶の
底面に向けて前進させられると、ベースパッドに設けた
シール部材が、缶の底面の肩部に全周に亙って密接させ
られることにより、ベースパッドと缶の底面との間の空
間が密封される。そして、吸引手段の作動によって、そ
の空間が負圧に吸引されると、缶の底面は、その吸引力
によってシール部材を圧縮してベースパッドに近接させ
られる。これにより、ベースパッドに設けられた位置決
め凸部が缶の底面に設けられている凹部内に嵌合させら
れて、缶とベースパッドとが正確に位置決めされること
になる。
【0011】また、ベースパッドから缶を離脱させる場
合には、ベースパッドを後退させることによってイジェ
クタをベースパッドの進退方向に相対移動させ、押圧片
をベースパッドから突出させる。これにより、押圧片の
先端によって缶の底面が押圧され、缶とシール部材とが
離間させられることになる。そして、これによって形成
された缶とシール部材との間隙から空気が吸引されるこ
とにより、吸着状態が確実に解除されることになる。
【0012】請求項2記載の缶保持装置では、請求項1
記載の缶保持装置において、前記押圧片が、前記吸引手
段の吸込み口の周囲に周方向に間隔を空けて複数設けら
れている技術が採用される。
【0013】この缶保持装置において、押圧片が吸引手
段の吸込み口の周囲に周方向に間隔を空けて複数設けら
れているので、吸引手段の吸引力に抗して缶を押圧する
際の押圧力が、缶に対して均等に付与されて、偏荷重の
集中によって缶に損傷が発生することや、缶が離脱時に
傾くことが防止されることになる。また、押圧片の間隔
位置を通して空気が吸込み口に入り込み、さらに吸引手
段による吸引も停止することにより、吸着状態が確実に
解除される。
【0014】請求項3記載の缶保持装置では、請求項1
または2記載の缶保持装置において、前記位置決め凸部
は、その外周縁部が先端に向かって径が漸次小さくされ
るテーパ形状である技術が採用される。
【0015】この缶保持装置では、位置決め凸部の外周
縁部がテーパ状に形成されているので、前工程から搬送
されベースパッド上に移載される缶が位置決め凸部の軸
線からずれている場合でも、吸着時に缶の底面に設けら
れている凹部が前記外周縁部によって誘導され位置決め
凸部と前記凹部が同一軸線上に正確に嵌合させられて、
缶とベースパッドとがより正確に位置決めされる。
【0016】請求項4記載の缶保持装置では、請求項1
から3のいずれかに記載の缶保持装置において、前記シ
ール部材は、その内周縁部が前記ベースパッドに固定さ
れ、かつ外周縁部がベースパッドから離間状態とされて
いる技術が採用される。
【0017】この缶保持装置では、ベースパッドにシー
ル部材の内周縁部が固定されるとともに外周縁部が離間
状態とされているので、ネッキング加工時に吸着状態の
缶が軸線方向に引っ張られても、シール部材の外周縁部
が缶に追従して缶の底面との密着状態を維持することか
ら、缶の吸着が不完全、すなわち吸着力が不足している
場合やネッキング加工中に瞬間的な強い引っ張り力が生
じた場合にも加工中の缶の位置ずれ等が生じ難い。ま
た、缶を吸着する瞬間にシール部材の外周縁部がクッシ
ョンの役目をするので、吸着時のショックをやわらげ、
缶が反動で離れてしまうことを防ぐ。なお、前記シール
部材の材料として、例えば、ウレタンゴムやシリコンゴ
ム等の軟質なものが適用される。
【0018】請求項5記載の缶保持装置では、請求項1
から4のいずれかに記載の缶保持装置において、前記ベ
ースパッドは、円筒形状とされるとともに内周面にパッ
ド雌螺子部が形成され、先端部の内周面および外周面に
内周雌螺子部および外周雄螺子部がそれぞれ形成された
中空ロッドが前記回転駆動手段に接続されて回転可能に
設けられ、前記パッド雌螺子部に前記外周雄螺子部が螺
着されて前記ベースパッドが前記中空ロッドに外挿支持
されてなり、前記ベースパッドには調整ボルトが貫通さ
れるとともに、該調整ボルトが前記内周雌螺子部に螺着
され、ベースパッドが中空ロッドに押圧状態に位置決め
固定されている技術が採用される。
【0019】この缶保持装置では、調整ボルトを中空ロ
ッドの先端から取り外すもしくは回転させて緩めた状態
とした後、中空ロッドに螺着されたベースパッドを回転
させて軸線方向に所定量進退させ、その先端位置および
イジェクタの位置を調整する。調整後、再び調整ボルト
を中空ロッド先端に締結して、ベースパッドを中空ロッ
ドに押圧するとともに位置決め固定する。したがって、
ベースパッドおよびイジェクトの位置調整を行う際に、
ベースパッドを完全に取り外して分解しシム等を交換挿
入する等による調整を行う必要が無く、調整ボルトおよ
びベースパッドの回転のみで容易に位置調整が可能であ
る。
【0020】請求項6記載の缶保持装置では、請求項5
記載の缶保持装置において、前記ベースパッドは、少な
くとも先端側に配された本体部材と基端側に配された位
置決め部材とに分割されて構成され、該位置決め部材
は、その内周面に前記パッド雌螺子部が形成されている
技術が採用される。
【0021】この缶保持装置では、ベースパッドが先端
側に配された本体部材と基端側に配された位置決め部材
とに分割されて構成され、該位置決め部材の内周面に前
記パッド雌螺子部が形成されているので、一旦位置決め
部材を前記外周雄螺子部に螺着してベースパッドの位置
決めをした後は、位置決め部材を取り外すことなく、本
体部材を異なる長さのものに取り替えるだけで、新たに
位置決め調整をしなくても異なる長さの缶に対応が可能
となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る缶保持装置の
第1実施形態について、図1から図5を参照して説明す
る。なお、図1、図2、図4、図5において、前方とい
うときは紙面に向かって左側を指し、後方というときは
右側を指すものとする。
【0023】本実施形態に係る缶保持装置1は、図1に
示すように、移載用ターレットT2によって搬送されて
くる缶2の底面側に缶2の軸線2aと同心に前記移載用
ターレットT2下部に固定配置されるハウジング3と、
該ハウジング3の軸線3a周りに回転自在に配される円
筒状の中間スリーブ4と、該中間スリーブ4に対して周
方向の移動を拘束されかつ軸線3a方向に沿って前後に
相対移動可能に支持される中空ロッド5と、該中空ロッ
ド5の前端に設けられるベースパッド6およびイジェク
タ7と、中空ロッド5の後部に設けられる移動装置8と
を具備している。図中符号9は、各摺動部を気密状態に
閉塞するためのパッキンである。
【0024】前記中間スリーブ4は、ベアリング10に
よってハウジング3内に回転自在に支持されているとと
もに、回転駆動手段Gと接続された駆動用ギヤ4aが軸
線を同じくして固定されている。また、前記中空ロッド
5は、前記中間スリーブ4に、例えば、図示しないキー
とこれを摺動させるキー溝とによって結合されることに
より、中間スリーブ4と一体となって回転させられると
ともに、中間スリーブ4に対してその軸線3a方向に相
対的に直線移動することができるようになっている。
【0025】前記中空ロッド5には、その長手方向に貫
通する吸気孔5aが設けられており、その後端に吸引接
続部5bを介して真空ポンプ等の吸引手段11が接続さ
れている。また、中空ロッド5は、図2に示すように、
先端部の外周面および内周面に外周雄螺子部5cおよび
内周雌螺子部5dがそれぞれ形成されている。
【0026】前記ベースパッド6は、中空ロッド5の先
端部に支持された円筒状のベース後部6Aと、該ベース
後部6Aの先端にボルト12で固定され前面に円盤状の
フランジ面6aが配された円筒状のベース前部6Bと、
該ベース前部6Bのフランジ面6a側にホルダー14に
取り付けられ缶2の底面の肩部2bに全周に亙って密接
させられるシール部材13と、吸引手段11による吸引
によってシール部材13が圧縮されたときに缶2の底面
に設けられた凹部2cに嵌合させられる位置決め凸部1
5とが設けられている。
【0027】前記ベース後部6Aは、内周面にパッド雌
螺子部6cが形成され、該パッド雌螺子部6cが前記中
空ロッド5の外周雄螺子部5cに螺着されて所定位置に
支持されている。
【0028】前記ベース前部6Bは、缶2の底面に対向
状態に前記フランジ面6aが配置され、該フランジ面6
aに前記シール部材13の半径方向内方に間隔を空けて
配される円形ボス状の位置決め凸部15が設けられてい
る。該位置決め凸部15は、その前端面15aをシール
部材13の前端よりも後方に配置されているとともに、
缶2の底面に設けられている凹部2cの内径にぴったり
と嵌合する外径寸法を有している。
【0029】また、前記位置決め凸部15は、その外周
縁部が先端に向かって径が漸次小さくされるテーパ形状
に形成されている。さらに、この位置決め凸部15の前
端面15aの中心には、前記中空ロッド5の吸気孔5a
に連通する吸込み口15bが形成され、該吸込み口15
b内には、中心軸に向かって突出する突出環状部15c
が形成されている。
【0030】また、前記吸込み口15bには、調整ボル
ト17が貫通状態とされ、該調整ボルト17は、前記中
空ロッド5の内周雌螺子部5dに螺着されている。前記
調整ボルト17は、その頭部が前記突出環状部15cに
当接して、前記ベース前部6Bおよび前記ベース後部6
Aを中空ロッド5側に押圧固定している。また、調整ボ
ルト17には、前記中空ロッド5の吸気孔5aに連通す
る貫通孔17aが形成され、該貫通孔17aの頭部開口
部分は前記吸込み口15b内に配されている。
【0031】前記シール部材13は、前記フランジ面6
aに缶2の外径と略同径の例えば、ウレタンゴムやシリ
コンゴム等で形成されたVリングよりなり、その内周縁
部13aが前記ベース前部6Bに固定され、かつ外周縁
部13bがフランジ面6aから離間状態とされている。
【0032】前記イジェクタ7は、前記ベース前部6B
の内周面に気密状態に配され前記ベースパッド6に対し
て軸線3a方向に相対移動かつ摺動可能に取り付けられ
ているとともに、ベースパッド6との間に配されるスプ
リング16によってベースパッド6に対して常に後方に
付勢されている。このイジェクタ7の前部には、ベース
パッド6を軸線3a方向に貫通して、前記位置決め凸部
15の周囲に突出させられる押圧片7aが設けられてい
る。また、前記スプリング16は、吸引手段11による
吸引力より強い付勢力を有し、吸引時にベース前部6B
に引きつけられないように設定されている。
【0033】なお、必要とされるスプリング16の付勢
力Fと吸引手段11による真空圧Pとの関係は、次の式
によって示される。 F>−(P×A)/101.3 P:真空圧(kPa) A:軸方向におけるベース前部に対する イジェクタの投影面積(cm3) (A=π×(DA 2−DB 2)/4) (DA:イジェクタの内径) (DB:イジェクタの外径)
【0034】この押圧片7aは、例えば、図3に示すよ
うに、周方向に等間隔を空けて配される3つの円弧状部
材であって、同一円筒面内に配されるように前記イジェ
クタ7と一体的に形成されている。また、この押圧片7
aは、缶2の底面の前記凹部2cの周囲に円形に形成さ
れた底部2dの径寸法と略同等の径寸法に形成されてい
る。各押圧片7aの間には、位置決めプレート18がそ
れぞれボルト12によって固定されて配されている。こ
れらの位置決めプレート18は、缶2を吸着した際に缶
2の底部2dに当接して軸線方向の位置決めを行うもの
である。
【0035】そして、ベースパッド6が前進させられて
イジェクタ7とベースパッド6とが最も離れた位置に配
されたときには、押圧片7aの先端は、位置決め凸部1
5の前端面15aよりも後方に配されて、該位置決め凸
部15を凹部2cに嵌合状態に位置決めされた缶2の底
部2dを接触状態に支持するようになっている。逆に、
ベースパッド6が後退させられて、ベースパッド6とイ
ジェクタ7とが最も近接させられたときには、押圧片7
aの先端は、位置決め凸部15の前端面15aよりも突
出させられて、該押圧片7aの先端によって底部2dを
押圧された缶2がシール部材13から離間させられるよ
うになっている。
【0036】前記移動装置8は、図1に示すように、中
空ロッド5の後端を回転自在に支持するブロック8a
と、該ブロック8aの側面に設けた2つのカムフォロワ
8bと、これらカムフォロワ8bの間に配されるカム8
cとからなる。そして、該カム8cは、カムフォロワ8
bを介してブロック8aに後端を支持されている中空ロ
ッド5および該中空ロッド5の前端に取り付けられてい
るベースパッド6を軸線3a方向に往復移動させること
ができるようになっている。その移動時の動作パターン
はこのカム8cの形状によって規定されている。
【0037】このため、ベースパッド6の軸線方向位置
は、このカム8cによって規定されているとともに、ベ
ースパッド6の各位置における速度・加速度もこのカム
8cの形状によって規定されている。すなわち、ベース
パッド6が軸線方向に変位させられると、その変位の間
に、中間スリーブ4とイジェクタ7とが接離させられる
が、それらの当接の際における衝撃が過大なものとなら
ないように、当接時におけるベースパッド6の速度を低
下させあるいは一時的に停止させるように、カム8cの
形状が設定されている。
【0038】このように構成された缶2の缶保持装置1
の作用について、図4から図7を参照して以下に説明す
る。
【0039】まず、図示しないスターホイールによって
搬送されてきた缶2を吸着する前に、移動装置8の作動
によって、図4の(a)に示すように、ベースパッド6
を最後端に後退させておく。
【0040】このとき、中空ロッド5、ベースパッド6
およびイジェクタ7はその軸線3aまわりに回転させら
れており、一方、缶2はスターホイールに支持されその
軸線2a回りの回転を固定されている。また、イジェク
タ7は、その後端を中間スリーブ4の前端面に当接させ
られることによって、スプリング16の付勢力に抗して
ベースパッド6の位置決め凸部15に近接させられてい
る。すなわち、イジェクタ7の押圧片7aは、ベースパ
ッド6の位置決め凸部15の前端面15aよりも前方に
突出状態に配されている。
【0041】この状態で、吸引手段11を作動させて吸
引を実施しながら、移動装置8を作動させ、図4(b)
に示すように、ベースパッド6を前進させる。このと
き、イジェクタ7はスプリング16によって後方に付勢
されているので、ベースパッド6の前進に拘らず元の位
置に保持される。したがって、ベースパッド6の位置決
め凸部15の前端面15aは、押圧片7aの前端よりも
前方に突出させられることになる。
【0042】そして、ベースパッド6の後部フランジ6
bがイジェクタ7の後端面7bに当接すると、ベースパ
ッド6とイジェクタ7との軸線3a方向の相対位置が固
定され、それ以降、イジェクタ7はベースパッド6とと
もに軸線3a方向に前進移動させられる。ここで、上述
したように、ベースパッド6の後部フランジ6bとイジ
ェクタ7の後端面7bとが当接するときに、ベースパッ
ド6の速度が減速されあるいは一時的に停止させられる
ようにカム8cが形成されているので、両者の高速での
衝突が回避され、騒音や装置部の摩耗等の発生が回避さ
れることになる。
【0043】このようにしてベースパッド6が所定寸法
だけ前進させられると、図4(c)に示すように、缶2
の底面の肩部2bが、まず最初にベースパッド6のシー
ル部材13に当接させられる。この場合、シール部材1
3は、缶2の肩部2bに全周に亙って密接させられるの
で、ベースパッド6の前面と缶2の凹部2cとの間に形
成される空間が、シール部材13によって密封される。
【0044】この空間には位置決め凸部15に形成され
た吸込み口15bが開口しているので、該吸込み口15
bを通して吸引手段11により空間S内が負圧に吸引さ
れ、缶2は、シール部材13を押し潰しつつベースパッ
ド6に吸着されることになる。そして、これにより、ベ
ースパッド6の回転がシール部材13と缶2との摩擦に
よって缶2に伝達され、缶2が軸線2a周りに回転され
始めることになる。なお、シール部材13の外周縁部1
3bは、缶2を吸着する際にクッションの役目をするの
で、吸着時のショックをやわらげ、缶2が反動で離れて
しまうことを防いている。
【0045】この状態から、前記空間S内がさらに吸引
されると、シール部材13が缶2により圧縮されること
によって、図4(d)に示すように、缶2の凹部2cが
ベースパッド6の位置決め凸部15に外嵌状態に配置さ
れ、缶2とベースパッド6とが確実に位置決めされるこ
とになる。
【0046】また、位置決め凸部15の外周縁部がテー
パ状に形成されているので、ベースパッド6上に移載さ
れる缶が位置決め凸部15の軸線からずれている場合で
も、吸着時に缶2の底面に設けられている凹部2cが前
記外周縁部によって誘導され位置決め凸部15と前記凹
部2cが同一軸線上に正確に嵌合させられて、缶2とベ
ースパッド6とがより正確に位置決めされる。
【0047】上記の缶2の受け渡しはターレット搬送で
行われる。すなわち、缶2は、図6に示すように、前工
程から小径ターレットT1を介して図中の矢印Y1方向
に回転する移載用ターレットT2のポケットに移送さ
れ、さらに該移載用ターレットT2からネッキング加工
を行うメインターレットT3の外周部に一定間隔を空け
て複数配された缶保持装置1に移載される。なお、缶2
は、メインターレットT3が矢印Y2方向に一周する間
にネッキング加工が施され、その後、メインターレット
T3から次工程への搬送を行う移載用ターレットT4へ
と移載される。
【0048】缶2の受け渡しを行う際、移載用ターレッ
トT2のポケットは、図7に示すように、回転位置A1
まで缶2の側面を吸着保持しているが、回転位置A1か
らA2までの領域において、吸引を停止する。また、メ
インターレットT3の缶保持装置1は、回転位置B1ま
で吸引を停止しているが、回転位置B1からB2までの
領域で吸引を行うとともに、受け渡しポイント、すなわ
ち移載用ターレットT2の回転位置A2およびメインタ
ーレットT3の回転位置B2において、移載用ターレッ
トT2の缶2を吸着して移載させるとともに保持する。
【0049】すなわち、受け渡す移載用ターレットT2
のポケットの吸引を受け渡しポイントの手前で停止させ
ておき、相手方であるメインターレットT3の缶保持装
置1を予め吸引状態としておき受け渡しポイントにおい
てスムーズに受け渡すようになっている。
【0050】このとき、缶保持装置1の軸線と移載用タ
ーレットT2で回転搬送される缶2の軸線とは、図7に
示すように、受け渡しポイントに示す一点部分でしか一
致しないとともに、上記のように、受け渡しが可能な領
域に幅を持たせているために、缶2の軸線が缶保持装置
1の軸線から多少ずれた位置で受け渡される場合があ
る。この場合でも、前記位置決め凸部15のテーパ状の
外周縁部が缶2の凹部2cを誘導することによって、互
いの軸線を正確に一致させかつ確実に缶2を吸着・保持
し回転が行われる。
【0051】上述したように、缶2がベースパッド6と
同一の軸線3a周りにベースパッド6と一体的に回転さ
せられるので、缶2の開口端部に振れが生ずることが防
止されることになる。また、この際に、缶2の底部2d
は、イジェクタ7の押圧片7aの前端に接触状態とさ
れ、該押圧片7aによって後方から支持されることにな
る。
【0052】この後に、図4(d)の状態から図5
(a)の状態まで缶2が軸線2a周りに回転されながら
軸線2aに沿って直線移動される間に、開口端部にスピ
ンフローネッキング加工が実施されることになる。この
場合に、缶2は、常に回転軸心に軸線2aを一致させる
ようにベースパッド6に位置決めされた状態に維持され
るので、スピンフローネッキング加工の加工精度を向上
することができる。しかも、シール部材13は、缶2の
肩部2bに接触させられているので、吸引手段11の作
動による吸着によって、缶2との間に生ずる摩擦力を高
めることができる。したがって、ベースパッド6の回転
を缶2に確実に伝達することができる。
【0053】さらに、ベースパッド6にシール部材13
の内周縁部13aが固定されるとともに外周縁部13b
が離間状態とされているので、ネッキング加工時に吸着
状態の缶2が軸線方向に引っ張られても、シール部材1
3の外周縁部13bが缶2に追従して缶2の底面との密
着状態を維持することから、缶2の吸着が不完全になっ
て生じる加工中の缶2の位置ずれ等が生じ難い。
【0054】次いで、スピンフローネッキング加工が終
了した後に、缶2をベースパッド6から離脱させる場合
について説明する。この場合には、図5(a)に示す状
態から、カム8cによって、図5(b)に示す状態まで
缶2を吸着した状態のベースパッド6を後退させる。
【0055】ベースパッド6が所定寸法後退させられる
と、イジェクタ7の後端が中間スリーブ4の前端面に当
接させられることになる。この場合においても、カム8
cによってベースパッド6の速度が低減されあるいは一
時的に停止させられるのでイジェクタ7と中間スリーブ
4との衝突が回避され、装置部の健全性が維持されるこ
とになる。
【0056】そして、中間スリーブ4に当接したイジェ
クタ7は、この時点でそれ以上の後退を停止させられる
一方、ベースパッド6は後退され続けるので、イジェク
タ7の押圧片7aがベースパッド6に吸着状態の缶2の
底部2dを押圧する。
【0057】そして、ベースパッド6がさらに後退させ
られた図5(c)に示す位置において、吸引手段11の
作動が停止されるとともに、押圧片7aによって、缶2
の底面がシール部材13から引き離される位置までベー
スパッド6のフランジ面6aから突出させられ、シール
部材13と缶2との間隙から空気Aが取り入れられて、
吸着状態が解除される。また、これにより、缶2の凹部
2cと位置決め凸部15との嵌合も外れることになる。
そして、この時点で、缶2は図示しないスターホイール
によって支持されてその軸線2a回りの回転を停止させ
られる。
【0058】この場合に、円弧状に形成された押圧片7
aは、缶2の底部2dを均等に押圧して、缶2を安定し
て支持するとともに、他の押圧片7aとの間に形成され
た間隙から吸込み口15bの開口する空間Sに空気を流
通させ、吸着状態を即座に解除することができる。その
結果、缶2は図5(d)に示すように、ベースパッド6
から離脱させられる。
【0059】このとき、缶2はその底部2dを押圧片7
aの先端によって支持されており、ベースパッド6のパ
ッキン13から軸線2a方向に離間したスターホイール
への受け渡しのための所定の位置に保持される。これに
より、缶2が正確に位置決めされた状態でスターホイー
ルへの受け渡しが円滑に行われ、次工程へと搬送される
ことになる。
【0060】このように、本実施形態に係る缶2の缶保
持装置1によれば、缶2は、その底面の肩部2bにシー
ル部材13を全周に亙って密接させられた瞬間に、吸引
手段11によって吸着されることになる。この場合に、
缶2は、シール部材13を圧縮する方向に吸引されるの
で、缶2とベースパッド6との間の吸着に伴って密封性
が高められ吸着状態が確実なものとなる。そして、シー
ル部材13が圧縮されていく過程においてベースパッド
6の位置決め凸部15が缶2の底面の凹部2cに嵌合し
ていき、缶2がベースパッド6に正確に位置決め状態に
吸着されることになる。
【0061】すなわち、本実施形態の缶保持装置1によ
れば、ベースパッド6との位置決めに際して缶2の外面
を利用することなく、塗装されない缶2の底面の凹部2
c内においてベースパッド6に位置決めされるので、缶
2の外面に損傷を与えることがなく、しかも、確実な位
置決め状態を実現することができる。その結果、ベース
パッド6とともに回転させられる缶2に芯ズレが生ずる
ことが回避され、開口端部の加工精度を向上することが
できる。
【0062】また、缶2をベースパッド6から離脱させ
る場合に、押圧片7aによって缶2の底部2dを押圧す
ることにより、缶2とシール部材13とを離間させて空
気Aを取り込み、吸引手段11による吸着力を急激に消
滅させるので、即座に切り離すことができる。この場合
に、吸込み口15bに加圧空気を供給し、あるいは吸込
み口15bを大気開放状態とするとさらに効果的に吸着
力を消滅させることができる。しかも、本実施形態の缶
保持装置1においては、ベースパッド6に対して相対移
動させられるイジェクタ7を設けるだけで、上記効果を
達することが可能であり、簡易な構成とすることができ
る。
【0063】次に、本発明に係る缶保持装置における第
2実施形態について、図8および図9を参照して、以下
に説明する。
【0064】第2実施形態と第1実施形態との異なる点
は、第1実施形態におけるベースパッド6のベース後部
6Aが一体の部材とされているのに対し、図8および図
9に示すように、第2実施形態の缶保持装置50A,5
0Bにおけるベースパッド51A,51Bのベース後部
52A,52Bが、それぞれ先端側に配された本体部材
53A,53Bと基端側に配された位置決め部材54,
54とに分割されて構成されている点である。
【0065】すなわち、ベースパッド51A,51B
は、それぞれベース後部52A,52Bとベース前部5
5A,55Bとで構成され、ベース後部52A,52B
がさらに長さ調整用の本体部材53A,53Bと内周面
にパッド雌螺子部54aが形成された位置決め部材5
4,54でそれぞれ構成されている。そして、前記位置
決め部材54は、中空ロッド5の外周雄螺子部5cに位
置決め調整されて螺着されている。また、ベース前部5
5A,55Bは、それぞれベース後部52A,52Bの
先端にボルト58で固定されている。
【0066】第2実施形態における缶保持装置50A,
50Bでは、ベース後部52A,52Bが本体部材53
A,53Bと位置決め部材54,54とに分割されて構
成されているので、一旦位置決め部材54を外周雄螺子
部5cに螺着させてベースパッド51A,51Bの位置
決めをした後は、位置決め部材54を取り外すことな
く、本体部材53A,53Bを異なる長さのものに取り
替えるだけで、新たに位置決め調整をしなくても異なる
長さの缶に対応が可能となる。
【0067】例えば、350ccの缶を保持する缶保持
装置を500ccの缶を保持する缶保持装置に変更する
場合には、図8に示すように、350cc用として取り
付けていた本体部材53A、イジェクタ56Aおよび調
整ボルト57Aだけを、図9に示すように、500cc
用の本体部材53B、イジェクタ56Bおよび調整ボル
ト57Bに取り替えるだけで対応でき、新たに位置決め
調整をする必要がない。
【0068】なお、本発明は、次のような実施形態をも
含むものである。 (1)上記各実施形態の缶保持装置は、スピンフローネ
ッキング加工において採用されるものであるが、缶を着
脱するとともに保持することが必要な他の工程において
採用しても構わない。例えば、塗装やロールフランジ等
の工程で用いてもよい。
【0069】(2)上記各実施形態では、円弧板状の押
圧片7aを3個間隔を空けて設けることとしたが、これ
に代えて、例えば、棒状の押圧片を複数設けることとし
てもよく、円筒状に形成した押圧片に吸気用の切欠を形
成することとしてもよい。 (3)シール部材13をVリングよりなることとした
が、これに代えて、Oリング等のリング状のパッキンを
採用することとしてもよい。
【0070】(4)Vリング、Oリング等の市販のパッ
キンの他、缶2の底面の形状に倣わせて、より高い気密
状態を達成し得るような特殊な形状のパッキンを採用す
ることとしてもよい。また、缶の側面において缶底の空
間Sを密封するようなパッキンを採用することとしても
よい。しかしながら、前述したように、内周縁部がベー
スパッドに固定されるとともに外周縁部が離間状態とさ
れているシール部材を採用することにより、ネッキング
加工時に缶2が軸線方向に引っ張られても缶2に追従し
て密着状態を維持することができる。
【0071】(5)ベースパッド6の後部フランジ6b
とイジェクタ7の後端面7bとの衝突およびイジェクタ
7と中間スリーブ4との衝突を、カムの形状によってベ
ースパッド6を減速しあるいは一時的に停止させること
によって回避することとしたが、これに加えて、これら
接触する部分に耐摩耗性の高い材料よりなるスペーサを
配置することとしてもよい。
【0072】(6)移動装置8として、中空ロッド5後
端のブロック8aと、該ブロック8aの側面に設けた2
つのカムフォロワ8bと、これらカムフォロワ8bの間
に配されるカム8cとからなる構成のものを採用した
が、これに代えて、カムにより駆動させられる揺動アー
ムと、この揺動アームによって揺動させられるカムフォ
ロワと、このカムフォロワを転動させ中空ロッドの後端
に配されるカム溝とを有する構成のものを採用すること
により、中空ロッドの直線的な往復移動を達成すること
としてもよい。また、ボールネジやラックアンドピニオ
ン等任意の直線移動装置を介して中空ロッドを直線的に
変位させることとしてもよい。
【0073】(7)位置決め凸部15は、金属製のもの
を用いているが、他の材料で形成しても構わない。例え
ば、保持する缶より低硬度である材料、例えば樹脂で形
成することにより、金属製のものに比べて、缶を保持す
る際に、缶に外傷を与えるおそれが少ないという利点が
ある。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 (1)請求項1記載の缶保持装置によれば、ベースパッ
ドの進退方向に相対移動可能に配され押圧片を備えたイ
ジェクタと、缶の底面の肩部に全周に亙って密接させら
れるシール部材とを有するので、吸引された缶の底面
を、即座にベースパッドに正確に位置決め状態に吸着す
ることができるとともに、吸着状態の缶を押圧片によっ
て即座に離脱させることができるという効果を奏する。
しかも、この場合に、缶はシール部材が圧縮される方向
に吸着されるので、確実な吸着状態に維持され、ベース
パッドから回転力等が付与される場合には、これを確実
に受け止めることができる。また、缶とベースパッドと
の位置決めが、缶の底面の凹部内において実施されるの
で、缶の外面に損傷を与えることなく、かつ、位置決め
精度を高めることができる。したがって、缶の開口端部
に加工を施す場合には、その加工精度を向上することが
できるという効果がある。
【0075】(2)請求項2記載の缶保持装置によれ
ば、押圧片が、吸引手段の吸込み口の周囲に周方向に間
隔を空けて複数設けられているので、吸引手段による吸
引力に抗して、押圧片によって缶の底面を均等に支持さ
せることができる。その結果、缶が傾くことを防止し
て、ベースパッドと缶との正確な位置決めを達成するこ
とができる。また、これとともに、イジェクタによっ
て、缶とシール部材とが離間させられた場合に、缶の外
部の空気を押圧片間の間隙に流通させて吸込み口内に即
座に流入させることができ、吸引手段による吸着力を瞬
時に低減させることができる。
【0076】(3)請求項3記載の缶保持装置によれ
ば、位置決め凸部の外周縁部がテーパ状に形成されてい
るので、前工程から搬送されベースパッド上に移載され
る缶が位置決め凸部の軸線からずれている場合でも、缶
の底面の凹部が前記外周縁部によって誘導され缶の凹部
を位置決め凸部に正確に嵌合させることができる。した
がって、缶をベースパッド上により正確に位置決めする
ことができるとともに、よりスムーズに吸着させること
ができる。
【0077】(4)請求項4記載の缶保持装置によれ
ば、ベースパッドにシール部材の内周縁部が固定される
とともに外周縁部が離間状態とされているので、ネッキ
ング加工に用いる場合に吸着状態の缶が軸線方向に引っ
張られても、シール部材の外周縁部が缶に追従して缶の
底面との密着状態を維持することができる。したがっ
て、缶の吸着が不完全になって生じる加工中の缶の位置
ずれ等が生じ難くなり、ネッキング加工等において良好
な加工を施すことができるとともに加工歩留まりを向上
させることができる。
【0078】(5)請求項5記載の缶保持装置によれ
ば、ベースパッドが中空ロッドに螺着されるとともに調
整ボルトで押圧されて位置決め固定されているので、ベ
ースパッドおよびイジェクトの位置調整を行う際に、調
整ボルトおよびベースパッドの回転のみでベースパッド
における缶の着脱位置およびイジェクトにおける押圧片
の突出位置を正確かつ容易に調整することができる。
【0079】(6)請求項6記載の缶保持装置によれ
ば、ベースパッドが先端側に配された本体部材と基端側
に配された位置決め部材とに分割されて構成され、該位
置決め部材の内周面に前記パッド雌螺子部が形成されて
いるので、本体部材を異なる長さのものに取り替えるだ
けで、新たに位置決め調整をしなくても異なる長さの缶
に容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る缶保持装置の第1実施形態を示す
断面図である。
【図2】本発明に係る缶保持装置の第1実施形態を示す
要部の断面図である。
【図3】図1の缶保持装置の側面図である。
【図4】図1の缶保持装置により缶を吸着する場合につ
いて説明するための動作説明図である。
【図5】図1の缶保持装置に吸着状態の缶を離脱させる
場合について説明するための動作説明図である。
【図6】本発明に係る缶保持装置の第1実施形態におけ
る缶の搬送経路を示す説明図である。
【図7】本発明に係る缶保持装置の第1実施形態におけ
る移載用ターレットからメインターレットへの缶の受け
渡しを示す説明図である。
【図8】本発明に係る缶保持装置の第2実施形態を35
0cc缶用に適用した場合における要部の断面図であ
る。
【図9】本発明に係る缶保持装置の第2実施形態を50
0cc缶用に適用した場合における要部の断面図であ
る。
【図10】本発明に係る缶保持装置の従来例を示す要部
の断面図である。
【符号の説明】 1,50A,50B 缶保持装置 2 缶 2b 肩部 2c 凹部 5 中空ロッド 5c 外周雄螺子部 5d 内周雌螺子部 6,51A,51B ベースパッド 6A,52A,52B ベース後部 6B ベース前部 6c,54a パッド雌螺子部 7 イジェクタ 7a 押圧片 11 吸引手段 13 シール部材 13a 内周縁部 13b 外周縁部 15 位置決め凸部 15b 吸込み口 17 調整ボルト 53A,53B 本体部材 54 位置決め部材 G 回転駆動手段 S 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 憲司 兵庫県朝来郡生野町口銀谷字猪野々985 番地1 三菱マテリアル株式会社 生野 製作所内 (72)発明者 北村 貴彦 静岡県駿東郡小山町菅沼1500番地 三菱 マテリアル株式会社 アルミ缶開発セン ター内 (72)発明者 佐藤 宜威 兵庫県朝来郡生野町口銀谷字猪野々985 番地1 三菱マテリアル株式会社 生野 製作所内 (56)参考文献 特開 平6−210379(JP,A) 特開 平6−210380(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 51/26 B21D 51/30 B21D 43/00 B21D 43/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶の底面に向けて進退させられるととも
    に軸線を中心に回転可能なベースパッドと、該ベースパ
    ッドの進退方向に相対移動可能に配されるイジェクタ
    と、前記ベースパッドを回転駆動する回転駆動手段とを
    具備し、 前記ベースパッドに、缶の底面の肩部に全周に亙って密
    接させられるシール部材と、該シール部材によって密封
    された缶の底面とベースパッドとの間の空間を負圧に吸
    引する吸引手段と、該吸引手段による吸引によってシー
    ル部材が圧縮されたときに缶の底面に設けられた凹部に
    嵌合させられる位置決め凸部とが設けられ、 前記イジェクタが、前記ベースパッドの前進によってベ
    ースパッド内に収納状態に後退させられかつベースパッ
    ドの後退によってシール部材と缶とが離れる位置まで缶
    の底面を押圧するようにベースパッドから突出させられ
    る押圧片を具備していることを特徴とする缶保持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の缶保持装置において、 前記押圧片が、前記吸引手段の吸込み口の周囲に周方向
    に間隔を空けて複数設けられていることを特徴とする缶
    保持装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の缶保持装置にお
    いて、 前記位置決め凸部は、その外周縁部が先端に向かって径
    が漸次小さくされるテーパ形状であることを特徴とする
    缶保持装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の缶保
    持装置において、 前記シール部材は、その内周縁部が前記ベースパッドに
    固定され、かつ外周縁部がベースパッドから離間状態と
    されていることを特徴とする缶保持装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の缶保
    持装置において、 前記ベースパッドは、円筒形状とされるとともに内周面
    にパッド雌螺子部が形成され、 先端部の内周面および外周面に内周雌螺子部および外周
    雄螺子部がそれぞれ形成された中空ロッドが前記回転駆
    動手段に接続されて回転可能に設けられ、 前記パッド雌螺子部に前記外周雄螺子部が螺着されて前
    記ベースパッドが前記中空ロッドに外挿支持されてな
    り、 前記ベースパッドには調整ボルトが貫通されるととも
    に、該調整ボルトが前記内周雌螺子部に螺着され、ベー
    スパッドが中空ロッドに押圧状態に位置決め固定されて
    いることを特徴とする缶保持装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の缶保持装置において、 前記ベースパッドは、少なくとも先端側に配された本体
    部材と基端側に配された位置決め部材とに分割されて構
    成され、 該位置決め部材は、その内周面に前記パッド雌螺子部が
    形成されていることを特徴とする缶保持装置。
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