JP3455947B2 - ハモの骨切りまな板 - Google Patents

ハモの骨切りまな板

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JP3455947B2 JP34106399A JP34106399A JP3455947B2 JP 3455947 B2 JP3455947 B2 JP 3455947B2 JP 34106399 A JP34106399 A JP 34106399A JP 34106399 A JP34106399 A JP 34106399A JP 3455947 B2 JP3455947 B2 JP 3455947B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ハモなどの魚の骨
切りを行う際に使用するハモの骨切り用まな板に関し、
特に難しい技術を要する骨切りを容易に行うことができ
るようにするハモの骨切り用まな板に関する。 【0002】 【従来の技術】ハモの骨切りは、開いたハモの身の方か
ら2〜3mm間隔で、皮を切らずに身だけを切るように
して包丁により切れ目を入れる作業であり、伝統的な技
法であるが非常に難しい技術を要するものである。その
ため、熟練した調理人でなければ、皮まで切ることとな
り、料理したときにきれいな形にならない場合も多い。
また、熟練した調理人であっても、非常に神経を使う作
業であるので、旬の時期で大量に骨切りを行わなければ
ならない場合などには、集中力が持続せずに失敗して皮
まで切ったり、作業の効率が悪くなったりするという問
題がある。 【0003】一方、この作業を自動化した骨切り用の機
械も存在するが、このような機械では、活きの良い生の
ハモの骨切りをうまく行うことができず、解凍された鮮
度の低いハモにしか使用することができないという問題
がある。また、骨切りしたハモは湯引きなどの料理で熱
を通した際に花が咲いたようなきれいな形になるのが理
想であるが、このような機械で骨切りをしたハモは、き
れいな形にならない場合が多く、料亭などでは使うこと
ができないという問題もある。このため、料亭などで使
うような高級な活きの良いハモは、やはり調理人が手作
業で骨切りを行う必要がある。 【0004】 【発明が解決しょうとする課題】本発明は、上記課題に
鑑み、熟練していない調理人であってもハモの骨切りを
行うことができるようにするとともに、大量に骨切りを
行う場合等においても調理人の負担を軽くして失敗をな
くすためになされたものであり、手作業でハモなどの魚
の骨切りを行う場合に、皮を完全に切断することを防ぐ
ことによりハモの骨切りの作業を容易化することができ
ハモの骨切り用まな板を提供することを課題とするも
のである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記技術課題を解決する
ための具体的手段として、ハモの骨切り用まな板は、
方向の長さが約50cm程度のまな板本体の一方の側端
部の近傍に把手穴が設けられ、少なくとも片側の調理面
の略全面に、包丁による切断方向に対して略直行方向に
延びる幅が1.5〜2mmの溝を複数設け、該溝が前記
把手穴の近傍から把手穴が設けられていない側の側端部
まで達し、前記溝の把手穴が設けられている側の端部に
おいて前記溝の底面が前記調理面と同じ高さとなるよう
に傾斜面を形成し、前記溝の側面と底面との交差する部
分及び前記溝の側面と前記調理面との交差する部分の双
方の形状に丸みを設け、前記溝の隣接する側面同士の間
隔を4〜5mmの間隔としたことを特徴とするものであ
る。 【0006】 【0007】 【0008】 【発明の実施の形態】以上、本発明に係るハモの骨切り
用まな板について図面に基づいて説明する。本発明の実
施の形態に係るハモの骨切り用まな板1は、図1に示す
ように、片側の調理面2の略全面に、包丁による切断方
向に対して略直行方向に延びる溝3を複数設けたもので
ある。以下更に詳細に説明する。 【0009】本実施形態においては、前記ハモの骨切り
用まな板1のまな板本体4の外形は、長方形の板状とし
ている。このまな板本体4の外形については特に制約は
なく、一般的に使用されているまな板と同様に、様々な
外形とすることができる。ただし、骨切りを行うハモな
どの魚は全長が長いため、前記まな板本体4は、横方
向、すなわち、骨切りを行う調理人から見て左右方向に
長い外形を有することが望ましい。具体的には、横方向
の長さLを約50cm程度にすると好適である。また、
通常、調理場には備え付けのまな板があり、本発明の実
施形態に係るハモの骨切り用まな板1は、この備え付け
のまな板の上に載せて使用するものであるので、調理人
が普段使用しているまな板の高さに対して違和感を感じ
させないようにするために、前記まな板本体4の厚さT
はできるだけ薄いものであることが望ましい。 【0010】前記まな板本体4の両面にある調理面2の
内の片側の調理面2には、複数の溝3が設けられてお
り、該溝3は、前記調理面2の略全面に、包丁による切
断方向に対して略直行方向に延びるように形成されてい
る。ここで、包丁による切断方向とは骨切りを行う調理
人からみて前後方向であるから、包丁による切断方向に
対して直行方向とは、前記調理人からみて左右方向、す
なわち、前記まな板本体4の横方向である。したがっ
て、前記溝3は、前記まな板本体4の横方向に延びるよ
うに形成されることになる。なお、ここでは前記溝3を
片側の前記調理面2のみに設けているが、前記溝3を両
側の前記調理面2に設けても良い。 【0011】前記溝3は、少なくともその一方の端部
5、6がまな板本体4の側端部7、8にまで達するよう
に形成されている。すなわち、本実施形態においては、
前記まな板本体4の一方の側端部7の近傍に、前記ハモ
骨切り用まな板1を持ち運んだり、引っ掛けたりする
ための把手穴9が設けられているので、前記溝3は、前
記把手穴9の近傍から前記把手穴9が設けられていない
側の側端部8まで達するように形成されている。また、
このような前記溝3が、前記まな板本体4の前記包丁に
よる切断方向に複数配列されることにより、前記調理面
2の略全面に形成されている。そして、このように前記
溝3の前記把手穴9が設けられていない側の端部6が前
記まな板本体4の側端部8にまで達するように形成した
ことにより、前記まな板本体4の側端部8においては、
前記溝3の断面が現れることとなる。したがって、前記
ハモの骨切り用まな板1の使用後、前記調理面2を洗う
際には、前記溝3の断面から前記溝3の中に溜まったご
み等を容易に洗い流すことができる。また、前記溝3の
前記把手穴9が設けられている側の端部5においては、
該端部5において前記溝3の底面が前記調理面2と同じ
高さとなるように傾斜面を形成し、ごみ等の排出を容易
にし、汚れの付着を防止している。なお、前記溝3の両
方の端部5、6が共に前記また板本体4の側端部7、8
にまで達するように形成しても良い。また、前記把手穴
9の配置及び形状についても、これに限定されるもので
はなく、他の位置に配置したり、他の形状としてもよ
い。その場合、前記溝3は前記把手穴9を避けて適当な
長さ及び位置となるように設けられる。 【0012】次に溝3の断面形状について説明する。本
実施形態においては、図2に示すように、前記溝3の断
面形状は、前記溝3の側面10と底面11との交差する
部分12、及び前記溝3の側面10と前記調理面2との
交差する部分13の形状に丸みを設けたものとしてい
る。この「丸み」の具体的な形状としては、円弧形状が
一般的であるが、これに限定されるものではなく、なだ
らかな曲線形状であれば他の形状としても良い。そし
て、前記溝3の側面10と底面11との交差する部分1
2の形状に丸みを設けたことによって、前記溝3の側面
10と底面11との交差する部分を直角な角部とした場
合と比較して、前記溝3の中に汚れがこびり付きにくな
るので、前記溝3の内部の洗浄を容易なものとすること
ができる。 【0013】一方、前記溝3の側面10と前記調理面2
との交差する部分13の形状に丸みを設けたことによっ
て、ハモなどの魚の骨切りを行う際に、皮を完全に切断
する失敗をより確実に防止することができる。すなわ
ち、本発明の実施形態に係るハモの骨切り用まな板1に
おいては、骨切り作業の状態を示す平面図である図3の
A−A断面の部分拡大図である図4に示すように、骨切
りの際に失敗して魚14の皮15にまで包丁の刃16が
入った場合には、前記溝3の内部空間17に前記皮15
が下降して刃16から逃れることにより、当該下降した
部分において皮15が切られることを防ぐのであるが、
この際、前記溝3の側面10と前記調理面2との交差す
る部分13の形状に丸みを設けておくことにより、前記
皮15が無理なく自然なカーブを描いて前記溝3の内部
空間17に下降することとなるので、前記皮15の下降
が確実に行われ、失敗をより確実に防止することができ
る。 【0014】なお、本実施形態においては、前記溝3の
側面10と底面11との交差する部分12及び前記溝3
の側面10と前記調理面2との交差する部分13の両方
の形状に丸みを設けているが、図5及び図6に示すよう
に、これらのどちらか一方のみの形状に丸みを設けて前
記溝3を形成しても良い。また、図7に示すように、前
記溝3の底面11を半円形とすることにより丸みを設け
ても良い。あるいは、図示しないが、前記溝3の側面1
0と底面11との交差する部分12及び前記溝3の側面
10と前記調理面2との交差する部分13の両方を直角
な角部とすることも可能である。 【0015】前記溝3の幅W(図2を参照)について
は、広すぎると前記調理面2の上に載せた魚14が必要
以上に前記溝3の内部空間17に下降して身の部分まで
が波打つために骨切りを行うことが困難になり、一方、
狭すぎると前記溝3の内部空間17に皮15が十分に下
降しないために魚14の皮15にまで包丁の刃16が入
った場合に、皮15が刃16から逃れることが困難にな
るので、これらのことを考慮して、好ましくは1〜4m
m、より好ましくは1.5〜2mmの幅とするのが適当
である。 【0016】また、前記溝3の隣接する側面10同士の
間隔D(図2を参照)については、広すぎると魚14の
皮15にまで包丁の刃16が入った場合に、皮15が刃
16から逃れることができる部分が少なくなり、ほとん
どの部分の皮15が切られるために失敗を防止すること
ができず、一方、狭すぎると魚14の身を下から支持す
る部分の面積が狭くなり、骨切りを行うことが困難にな
るので、これらのことを考慮して、好ましくは3〜6m
m、より好ましくは4〜5mmの間隔とするのが適当で
ある。 【0017】次に、以上のようにして構成される本発明
の実施形態に係るハモの骨切り用まな板1の使用方法に
ついて説明する。使用の際は、前記ハモの骨切り用まな
板1を、前記溝3が設けられている側の調理面2が上に
なり、骨切りを行う調理人からみて前記溝3が左右方向
に配置されるようにして台などの上に置く。そして、図
3に示すように、前記調理面2の上にハモなどの骨切り
を行う魚14を載せ、包丁を用いて前記溝3に対して略
直行方向に切り目18を入れていく。この際、力が入り
過ぎるなどして魚14の皮15にまで前記包丁の刃16
が入った場合においても、図3のA−A断面の部分拡大
図である図4に示すように、皮15が前記溝3の内部空
間17に下降して刃16から逃れることにより、当該下
降した部分において皮15が切られることを防ぐことが
できる。したがって、たとえ骨切りに失敗して魚14の
皮15まで前記包丁の刃16が入った場合においても、
骨切り後の魚14を皮15の側から見た平面図である図
8に示すように、魚14の皮15には破線状の切り目1
8が入るのみで皮15が完全に切断されることがない。
このため、熟練していない調理人であっても骨切りを行
うことができ、また、大量に骨切りを行う場合等におい
ても調理人の負担を軽減し、失敗をなくすことができ
る。 【0018】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係るハモの骨切り用まな板によれば、少なくとも片側
の調理面の略全面に、包丁による切断方向に対して略直
行方向に延びる溝を複数設けたことにより、骨切りを失
敗して魚の皮にまで包丁が入った場合においても、魚の
皮には破線状の切り目が入るのみで皮が完全に切断され
ることがない。したがって、手作業による魚の骨切りの
作業の容易性が飛躍的に向上するため、熟練していない
調理人であっても骨切りを行うことができ、また、大量
に骨切りを行う場合等においても調理人の負担を軽減
し、失敗をなくすことができる。 【0019】さらに、前記溝の側面と底面との交差する
部分の形状に丸みを設けたことにより、前記溝の中への
汚れのこびり付きを防止し、前記溝の内部の洗浄を容易
にすることができる。また、前記溝の側面と前記調理面
との交差する部分の形状に丸みを設けたことにより、骨
切りの際に魚の皮が無理なく自然なカーブを描いて前記
溝の内部空間に下降するので、前記魚の皮の下降が確実
に行われ、骨切りの失敗をより確実に防止することがで
きる。 【0020】さらに、前記溝の端部がまな板本体の側端
部にまで達するように複数形成したことにより、前記
モの骨切り用まな板の調理面を洗う際には、前記溝の断
面から前記溝の中に溜まったごみ等を容易に洗い流すこ
とができる。さらに、まな板本体の横方向の長さが約5
0cm程度であることにより、全長の長いハモの骨切り
を行うことができる。さらに、まな板本体の一方の側端
部の近傍に把手穴が設けたことにより、ハモの骨切り用
まな板を持ち運んだり、引っ掛けたりすることができ
る。さらに、前記溝の幅を1.5〜2mmとしたことに
より、ハモの骨切りを行うことが困難になったり、ハモ
の皮が刃から逃れることが困難になったりすることを防
ぐことができる。さらに、前記溝が前記把手穴の近傍か
ら把手穴が設けられていない側の側端部まで達し、前記
溝の把手穴が設けられている側の端部において溝の底面
が前記調理面と同じ高さとなるように傾斜面を形成する
ことにより、ごみ等の排出を容易にし、汚れの付着を防
止できる。さらに、前記溝の隣接する側面同士の間隔を
4〜5mmとしたことにより、ハモの皮にまで包丁の刃
が入った場合に失敗を防止することができなかったり、
ハモの骨切りを行うことが困難になったりすることを防
ぐことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施形態に係るハモの骨切り用まな板
を示す斜視図である。 【図2】本発明の実施形態に係るハモの骨切り用まな板
の溝の拡大断面図である。 【図3】本発明の実施形態に係るハモの骨切り用まな板
による骨切り作業の状態を示す平面図である。 【図4】図3のA−A断面の部分拡大図である。 【図5】溝の側面と調理面との交差する部分の形状に丸
みを設けた例を示す拡大断面図である。 【図6】溝の側面と底面との交差する部分の形状に丸み
を設けた例を示す拡大断面図である。 【図7】溝の底面を半円形とした例を示す拡大断面図で
ある。 【図8】本発明の実施形態に係るハモの骨切り用まな板
によって骨切りを行った後の魚を皮の側から見た平面図
である。 【符号の説明】 1 ハモの骨切り用まな板 2 調理面 3 溝 4 まな板本体 5、6 溝の端部 7、8 まな板本体の側端部 9 把手穴 10 溝の側面 11 溝の底面 12 溝の側面と底面が交差する部分 13 溝の側面と調理面が交差する部分 14 ハモなどの魚 15 魚の皮 16 包丁の刃 17 溝の内部空間 18 切り目 L まな板本体の横方向の長さ T まな板本体の厚さ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 横方向の長さが約50cm程度のまな板
    本体の一方の側端部の近傍に把手穴が設けられ、少なく
    とも片側の調理面の略全面に、包丁による切断方向に対
    して略直行方向に延びる幅が1.5〜2mmの溝を複数
    設け、該溝が前記把手穴の近傍から把手穴が設けられて
    いない側の側端部まで達し、前記溝の把手穴が設けられ
    ている側の端部において前記溝の底面が前記調理面と同
    じ高さとなるように傾斜面を形成し、前記溝の側面と底
    面との交差する部分及び前記溝の側面と前記調理面との
    交差する部分の双方の形状に丸みを設け、前記溝の隣接
    する側面同士の間隔を4〜5mmの間隔としたことを特
    徴とするハモの骨切り用まな板。
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