JP3455561B2 - 信号遅延回路 - Google Patents

信号遅延回路

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JP3455561B2
JP3455561B2 JP08291093A JP8291093A JP3455561B2 JP 3455561 B2 JP3455561 B2 JP 3455561B2 JP 08291093 A JP08291093 A JP 08291093A JP 8291093 A JP8291093 A JP 8291093A JP 3455561 B2 JP3455561 B2 JP 3455561B2
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顕三 大野
裕之 諏訪部
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03KPULSE TECHNIQUE
    • H03K5/00Manipulating of pulses not covered by one of the other main groups of this subclass
    • H03K5/13Arrangements having a single output and transforming input signals into pulses delivered at desired time intervals
    • H03K5/133Arrangements having a single output and transforming input signals into pulses delivered at desired time intervals using a chain of active delay devices

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Pulse Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体集積回路に内蔵
される信号遅延回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図13は従来の信号遅延回路の構成を示
している。入力信号S01はインバータ11で反転され、そ
の反転信号S02は抵抗12の一端に供給される。この抵抗
12の他端と接地電位との間には容量13が接続されてお
り、上記抵抗12と容量13の接続点の信号S03がインバー
タ14に供給される。このインバータ14の出力信号S04は
インバータ15に供給され、さらにこのインバータ15の出
力信号S05がインバータ16で反転されることによって遅
延された出力信号S06が得られる。
【0003】この信号遅延回路における遅延時間は、抵
抗12と容量13の値に応じた時定数とインバータ14の回路
閾値電圧VthCとで決定される。なお、上記各インバー
タとして例えば、PチャネルとNチャネルのMOSトラ
ンジスタからなるCMOSインバータが使用される。
【0004】図14は上記従来の信号遅延回路における
各信号の電圧波形及び電流波形を示すタイミングチャー
トである。以下、この図14を用いて上記従来回路の動
作を説明する。なお、上記各インバータには電源電圧V
DDと接地電圧GNDがそれぞれ供給されているとする。
【0005】まず、初期状態では入力信号S01がVDDレ
ベルになっており、信号S02、S03、S05はそれぞれG
NDレベル、信号S04、S06はそれぞれVDDレベルにな
っている。この状態から入力信号S01がVDDレベルから
GNDレベルに反転する。するとインバータ11の出力信
号S02がGNDレベルからVDDレベルに反転し、この信
号S02によって容量13が抵抗12を介して充電され始め
る。従って、この後、信号S03の電位は、抵抗12の値R
1と容量13の値C1に応じた時定数で順次上昇してい
く。そして、信号S03の電位がインバータ14の回路閾値
電圧VthCを越えるまでの期間ではインバータ14の出力
信号S04の電位は十分に低下せず、VthCを越えた後に
低下する。信号S04が急速に低下を開始した後にインバ
ータ15の出力信号S05がVDDレベルに反転し、さらにイ
ンバータ16の出力信号S06がGNDレベルに反転する。
【0006】一方、入力信号S01がGNDレベルからV
DDレベルに反転すると、インバータ11の出力信号S02は
今度はVDDレベルからGNDレベルに反転し、容量13は
抵抗12を介してGNDレベルに向かって放電され始め
る。この後、信号S03の電位は、抵抗12の値R1と容量
13の値C1に応じた時定数で順次降下していく。そし
て、信号S03の電位がインバータ14のVthCに到達する
までの期間ではインバータ14の出力信号S04の電位は十
分には上昇せず、VthCに到達した後に急速に上昇を開
始する。信号S04が急速に上昇を開始した後にインバー
タ15の出力信号S05がGNDレベルに反転し、さらにイ
ンバータ16の出力信号S06がVDDレベルに反転する。
【0007】このように従来回路では、抵抗12と容量13
とからなる時定数回路を用いて立上がり時及び立下がり
時にそれぞれ信号波形を鈍らせることによって信号遅延
を行うようにしており、それぞれの遅延時間は抵抗12の
値R1と容量13の値C1の調整により任意の値に設定す
ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来回路では、波形を鈍らせた信号S03が供給されるイン
バータ14における消費電流が大きくなるという不都合が
ある。すなわち、図14に示すように、信号S03がGN
Dレベルから上昇を開始する時点からインバータ14には
VDDとGNDとの間に貫通電流iが流れ始める。そし
て、信号S03の電位がインバータ14のVthCと一致した
時に最も大きな電流が流れ、さらに信号S03の電位がV
thCからVDDレベルに十分に近ずく間でもこの貫通電流
は流れ続ける。このような電流は信号S03がVDDレベル
から低下する際にも流れる。
【0009】ところで、電池を電源として使用している
システムが多い電卓、時計に代表される1チップ・マイ
クロコンピュータでは、上記のような電源と接地間の貫
通電流の増加はシステム全体の消費電流の増加を招き、
電池の寿命を短くしてしまう。特にこの信号遅延回路を
逓倍回路等に用いた場合、システム全体の消費電流に対
して信号遅延回路の貫通電流による消費電流の増加が無
視できなくなる。また、このような消費電流の増加は同
時に電源ノイズを発生させ、このノイズによりインバー
タの回路閾値電圧VthCの変動等、各種誤動作の原因を
生じさせる。
【0010】従来、上記のような貫通電流を最小限に押
さえるために、図13中のインバータ14を構成するMO
Sトランジスタのチャネルコンダクタンスgmを小さく
押さえるような設計が行われる。しかし、この場合に
は、インバータ14の駆動能力が小さくなってしまうとい
う問題が発生する。さらにインバータ14の入力信号であ
る信号S03の電位変化が緩やかであるために、このイン
バータ14の出力信号S04の電位変化も遅くなってしま
う。このため、インバータ14の入力が変化してから出力
が変化するまでの時間(信号伝播遅延時間)が大きくな
り、全体の信号遅延時間が抵抗12と容量13とに応じて設
定される所望の遅延時間よりも大きくなってしまう等の
誤差が顕著に現れる。
【0011】ここで、上記インバータ14のVthCが遅延
時間に及ぼす影響について考えて見る。
【0012】図15は信号S02がVDDレベルに立上がる
際に、インバータ14のVthCにばらつきが存在する場合
にその出力信号S04の変化を示したタイミングチャート
である。なお、回路定数の設定に当たっては、インバー
タ14のVthCの設計値を 0.5VDDとし、これが0.44VDD
と0.56VDDにずれた場合をそれぞれ示している。なお、
インバータ14そのものにおける信号伝播遅延時間は抵抗
12と容量13とによって作り出される遅延時間に比べて非
常に小さいと考え、この信号伝播遅延時間は実質的に無
いものとして取り扱う。
【0013】いま、VthCが設計値である 0.5VDDの場
合に、信号S02がGNDレベルからVDDレベルに変化
し、信号S03がインバータ14のVthCに到達し、さらに
インバータ14の出力信号S04がVDDレベルからGNDレ
ベルに反転するまでの時間をbとすると、VthCが0.44
VDDにずれた場合のこれに相当する時間aは上記時間b
よりも短くなり、他方、VthCが0.56VDDにずれた場合
のこれに相当する時間cは上記時間bよりも長くなる。
【0014】ここでは、インバータ14のVthCが 0.5V
DDとなるように回路定数の設定を行っているので、遅延
時間の狙い値はbとなるように設計してある。しかし、
インバータ14のVthCが設計値からずれた場合には遅延
時間も変化してしまう。
【0015】同様に、図16は信号S02が立下がる際に
インバータ14のVthCにばらつきが存在する場合のイン
バータ14の出力信号S04の変化を示したタイミングチャ
ートである。この例もインバータ14のVthCの設計値を
0.5VDDとし、これが0.44VDDと0.56VDDにずれた場合
をそれぞれ示している。
【0016】VthCが設計値である 0.5VDDの場合に、
信号S02がVDDレベルからGNDレベルに変化し、信号
S03がインバータ14のVthCに到達し、さらにインバー
タ14の出力信号S04がGNDレベルからVDDレベルに反
転するまでの時間をeとすると、VthCが0.44VDDにず
れた場合にこれに相当する時間dは上記時間eよりも短
くなり、他方、VthCが0.56VDDにずれた場合にこれに
相当する時間fは上記時間eよりも長くなる。すなわ
ち、この場合にも、インバータ14のVthCが設計値から
ずれた場合には遅延時間も変化してしまう。
【0017】次にインバータのVthCの設計値からのず
れと遅延時間のずれとの関係について説明する。前記の
ようにインバータのVthCは、インバータを構成するP
チャネル及びNチャネルMOSトランジスタの閾値電圧
VthP、VthNによって決定される。いま、Pチャネ
ル、Nチャネル両MOSトランジスタのゲート酸化膜の
誘電率をεox、ゲート酸化膜の膜厚をtox、両MO
Sトランジスタのチャネル幅をそれぞれWP、WN、チ
ャネル長をLP、LN、両MOSトランジスタのチャネ
ル中のキャリア移動度をμP、μNとすると、VthCは
一般に次式で与えられる。
【0018】
【数1】 前記のようにインバータ14のVthCを 0.5VDDにするた
めに、KPとKNが等しくなるようにWP、WN及びL
P、LNを設計する。いま、KP=KNとして上記1式
を変形すると、次の2式が得られる。
【0019】
【数2】 この2式において、VDDを5V、VthPのセンター値を
−1V、VthNのセンター値を1V、VthPとVthNの
ばらつきをそれぞれ±0.3Vとした場合、VthCはセ
ンター値が2.5Vでばらつきが±0.3Vとなる。こ
れはVthCが 0.5VDDを中心に0.44VDDから0.56VDDの
範囲でばらつくことになる。従って、図15、図16で
はそれぞれVthCとして 0.5VDDの他に0.44VDDと0.56
VDDの3通りの場合を示した。
【0020】次にVthCの変化に伴う遅延時間の設計値
からの誤差を求める。ここで、設計値上でのVthCをg
VDD(ただし、0<g<1)、インバータ14を構成する
MOSトランジスタのVthP及びVthNがばらついた結
果、変動するVthCをhVDD(ただし、0<h<1)と
し、信号S02の立上がり時における遅延時間の設計値か
らの誤差をP(%)、信号S02の立下がり時における遅
延時間の設計値からの誤差をD(%)とする。
【0021】また、容量13がVDDレベルに充電されてい
る状態から放電が行われる際の遅延時間のうちインバー
タ14のVthCがgVDDの場合をt3、hVDDの場合をt
4とし、容量13がGNDレベルに放電されている状態か
ら充電が行われる際の遅延時間のうちインバータ14のV
thCがgVDDの場合をt1、hVDDの場合をt2とする
と、容量の充放電の特性により次の式が成立する。
【0022】
【数3】 また、上記4式と6式から次の11式が成立し、上記8
式と10式から次の12式が成立する。
【0023】
【数4】 すなわち、インバータ14のVthCが 0.5VDDを中心に0.
44VDDと0.56VDDの範囲で変動した場合についてP
(%)とD(%)を求めると、VthCが0.44VDDの場合
にPは−16.3(%)、Dは18.4(%)となり、
VthCが0.56VDDの場合にPは18.4(%)、Dは−
16.3(%)となる。
【0024】従って、遅延時間のばらつきを予め決めら
れた仕様の中に収めるには、インバータ14を構成するM
OSトランジスタの閾値電圧VthP、VthNの製造ばら
つきに対する許容誤差範囲を狭めなければならない。し
かし、これは製造歩留まりを下げることにつながり、製
造コストを著しく増大させるために好ましくない。
【0025】図17は図13に示す従来回路において、
抵抗12と容量13との接続点の信号S03にノイズが混入し
た場合の波形図である。この信号S03は、前記のように
インバータ14のVthC近傍における変化が他のインバー
タと比べて緩やかなため、ノイズマージンがほとんど無
い状態が時間的に非常に長くなる。このため、図17に
示すようにほんのわずかなノイズでもインバータ14で反
転され、その出力信号S04にヒゲ状のパルスが発生す
る。このヒゲ状のパルスは次段以降のインバータに誤動
作を生じさせる原因となり、半導体集積回路の信頼性を
大きく低下させることになる。この信号遅延回路の出力
がシステムクロック信号として使用される場合は、特に
そのシステムにとって致命的な欠陥となってしまう。ま
た、逓倍回路等で上記のような信号遅延回路を複数個直
列接続して使用する場合は、後段の信号遅延回路におけ
るインバータ14の出力反転に伴って発生するスイッチン
グノイズが前段の信号S03に混入する恐れがあり、前記
のようなヒゲ状のパルスが発生し易い。
【0026】この発明は上記のような事情を考慮してな
されたものであり、その目的は消費電流を削減すること
ができ、これによって電源ノイズの発生を抑制すること
ができ、さらに製造上におけるトランジスタの閾値電圧
のばらつきに対して期待通りの動作波形が得られる信号
遅延回路を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段とその作用】この発明の
号遅延回路は、入力信号が一端に供給される抵抗回路
と、上記抵抗回路の他端に入力端子が接続され、出力端
子から上記入力信号を遅延させた信号を出力する第1の
反転論理回路と、上記第1の反転論理回路の出力端子に
入力端子が接続された第2の反転論理回路と、上記抵抗
回路の他端と上記第2の反転論理回路の出力端子との間
に接続された容量とを具備したことを特徴とする。
【0028】上記信号遅延回路では、抵抗回路と容量と
の接続点の信号がこの点の信号を入力とする第1の反転
論理回路の回路閾値電圧を越えた後にこの第1の反転
理回路の出力信号が変化し、さらに第2の反転論理回路
の出力信号が変化し、この第2の反転論理回路の出力信
号の変化が容量結合によって抵抗回路と容量との接続点
に現れ、第1の反転論理回路の入力信号が電源電位もし
くは接地電位に急速に変化する。これにより、第1の
論理回路の回路閾値電圧近傍における信号波形の鈍り
に基づく第1の反転論理回路の貫通電流の発生期間が短
縮化される。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例によ
り説明する。
【0030】図1はこの発明の第1の実施例に係る信号
遅延回路の構成を示している。入力信号S21は論理回路
であるインバータ21で反転され、その反転信号S22は抵
抗回路(この実施例回路では抵抗22)の一端に供給され
る。この抵抗22の他端には論理回路であるインバータ23
の入力端子と容量24の一端が接続されている。すなわ
ち、上記抵抗22と容量24の接続点の信号S23はインバー
タ23に供給される。上記インバータ23の出力信号S24は
論理回路であるインバータ25及び26にそれぞれ供給され
る。上記インバータ25の出力信号S25は上記容量24の他
端に供給される。また、上記インバータ26の出力信号S
26は論理回路であるインバータ27に供給され、この信号
S26が反転されることによって遅延された出力信号S27
が得られる。
【0031】この実施例の信号遅延回路における遅延時
間も、前記図13に示す従来回路と同様に抵抗22と容量
24の値に応じた時定数と、信号S23が入力されるインバ
ータ23の回路閾値電圧VthCとで決定される。なお、こ
の実施例の場合にも上記各インバータとして例えば、P
チャネルとNチャネルのMOSトランジスタからなるC
MOSインバータが使用されている。
【0032】図2は上記構成でなる信号遅延回路におけ
る各信号波形を示すタイミングチャートであり、以下こ
の図2を用いてその動作を説明する。なお、各インバー
タには電源電圧VDDと接地電圧GNDがそれぞれ供給さ
れているとする。
【0033】まず、初期状態では入力信号S21はVDDレ
ベルになっており、信号S22、S23、S25及びS26はそ
れぞれGNDレベル、信号S24、S27はそれぞれVDDレ
ベルになっている。この状態から入力信号S21がVDDレ
ベルからGNDレベルに反転する。するとインバータ21
の出力信号S22がGNDレベルからVDDレベルに反転
し、容量24が抵抗22を介してVDDレベルに向かって充電
され始める。従って、この後、抵抗22と容量24の接続点
の信号S23の電位は、抵抗22の値R21と容量24の値C21
に応じた時定数で順次上昇していく。
【0034】そして、信号S23の電位がインバータ23の
VthCを越えるまでの期間ではインバータ23の出力信号
S24の電位は十分には低下せず、VthCを越えて始めて
急速に低下する。信号S24が急速に低下した後にインバ
ータ25の出力信号S25がVDDレベルに反転する。このと
き、容量24の一端の信号電位、すなわち信号S23の電位
が容量結合によりVDDレベルだけ上昇する。これによ
り、インバータ23の出力信号S24が反転した直後では、
信号S23の電位は(VthC+VDD)にシフトされる。こ
のとき、インバータ21はVDDレベルを出力し続けている
ので、一度、(VthC+VDD)まで上昇した信号S23の
電位は順次VDDレベルまで低下し、その後はVDDレベル
で安定する。このとき、インバータ23の出力信号S24は
GNDレベルになっているので、インバータ26によって
反転され、その出力信号S26はVDDレベルとなり、さら
にこの信号S26がインバータ27で反転され、その出力信
号S27はGNDレベルとなる。
【0035】一方、入力信号S21がGNDレベルからV
DDレベルに反転すると、インバータ21の出力信号S22は
今度はVDDレベルからGNDレベルに反転する。信号S
22がGNDレベルに落ちると、いままでVDDに充電され
ていた容量24が、今度は抵抗22を介してGNDレベルに
向かって放電され始める。このとき、信号S23の電位
は、抵抗22の値R21と容量24の値C21に応じた時定数で
順次降下していく。そして、信号S23の電位がインバー
タ23のVthCに到達するまでの期間ではインバータ23の
出力信号S24の電位はGNDレベルからあまり上昇せ
ず、VthCに到達した後に急速に上昇する。信号S24が
急速に上昇を開始した後にインバータ25の出力信号S25
がGNDレベルに反転する。このとき、容量24の一端の
信号である信号S23の電位が容量結合によりVDDレベル
だけ降下する。これにより、インバータ23の出力信号S
24が反転した直後では、信号S23の電位は(VthC−V
DD)に降下する。しかし、インバータ21はGNDレベル
を出力し続けているので、一度、(VthC−VDD)まで
降下した信号S23はその後、GNDレベルまで上昇して
安定する。一方、インバータ23の出力信号S24はVDDレ
ベルになっているので、インバータ26によって反転さ
れ、その出力信号S26はGNDレベルになり、さらにこ
の信号S26がインバータ27で反転され、その出力信号S
27はVDDレベルとなる。
【0036】ところで、インバータ23では、入力信号S
23の電位がそのVthC近傍の値になっているときには、
図2のiに示すように電源と接地との間に貫通電流が流
れる。しかし、入力信号S21がVDDレベルからGNDレ
ベルに反転し、信号S23がGNDレベルから上昇する際
に、信号S23がVthCに到達した後は急速にVDDレベル
以上となりその後もVDDレベル以下とはならないので、
信号S23がVthCに到達した後はインバータ23には貫通
電流は流れなくなる。同様に、入力信号S21がGNDレ
ベルからVDDレベルに反転し、信号S23がVDDレベルか
ら降下する際に、信号S23がVthCに到達した後は急速
にGNDレベル以下となりその後もGNDレベル以上に
はならないので、信号S23がVthCに到達した後はイン
バータ23には貫通電流は流れなくなる。
【0037】すなわち、図2に示すように、インバータ
23に流れる貫通電流iの値は信号S23の値がVthCと等
しくなる時点が最大となり、VthCを越えた後あるいは
VthCよりも低下した後はほぼ0になる。この結果、イ
ンバータ23に流れる貫通電流の積分値は従来回路のほぼ
半分に減少する。この貫通電流の減少は、この信号遅延
回路を半導体集積回路に組み込んだ際に半導体集積回路
全体の消費電流を大幅に減少させることになる。従っ
て、特にこの信号遅延回路を1チップ・マイクロコンピ
ュータ等、電池を電源として用いるシステムに組み込ん
だ場合には電池の寿命を長くすることができる。さら
に、消費電流が減少することによって電源ノイズの発生
が抑制され、これにより信号遅延回路を組み込んだ半導
体集積回路の信頼性の向上を図ることができる。
【0038】また、図2中の信号S24と前記従来回路に
おける図14中の信号S04の波形を比較した場合、図2
中の信号S24は前段の信号S23がVthCを越えた直後に
GNDレベルもしくはVDDレベルとなる。このため、信
号S24は急速に次段以降のインバータ26、27を十分に駆
動できるだけの電流を出力することができ、インバータ
26、27における信号伝搬遅延時間を従来回路よりも短縮
することができる。従って、トータルの信号遅延時間は
抵抗22と容量24に基づいて設定される遅延時間からの誤
差が小さくなり、遅延時間の精度が向上するという効果
も得ることができる。
【0039】図3は上記実施例回路において、抵抗22と
容量24との接続点の信号S23にノイズs、t、u、vが
それぞれ混入した場合の波形図である。なお、従来例と
比較するために前記図17の波形も合わせて示した。な
お、上記実施例及び従来とも、インバータ14、23それぞ
れのVthCは共に 0.5VDDに設定している。また、従来
回路における信号S03に混入しているノイズと、この実
施例回路における信号S23に混入しているノイズとは大
きさと時間が同じであるとする。
【0040】従来では、ノイズsが信号S03に混入した
場合、このノイズsは次段のインバータ14のVthCを越
えてしまうので、その出力信号S04にはこのノイズsに
基づくヒゲ状のパルスが混入する。これに対し、上記実
施例では信号S23にノイズsが混入した場合、このノイ
ズsの電位がインバータ23のVthCを越え、元の正規の
電位に戻る前に前記容量結合により信号S23の電位その
ものがVDD以上にシフトするためにインバータ23の出力
信号S24にはこのノイズに基づくヒゲ状のパルスは混入
しない。また、ノイズtが混入した場合も同様に、従来
ではこのノイズtに基づくヒゲ状のパルスが混入する
が、上記実施例の場合には混入しない。
【0041】また、ノイズu、vについては信号S03、
S23の電圧波形がノイズs、tの場合とは逆相になって
いるだけなので、上記と同様に従来ではノイズに基づく
ヒゲ状のパルスが信号S04に混入するが、上記実施例の
場合には信号S24には混入しない。
【0042】この結果、上記実施例回路ではノイズが混
入しても誤動作を起こす恐れは無くなり、信頼性の向上
を図ることができる。
【0043】図4はこの発明の第2の実施例に係る信号
遅延回路の構成を示している。上記図1の実施例回路で
は、インバータ23の出力信号S24を反転するインバータ
25を設け、その出力信号S25を容量24の他端に供給する
ようにしている。しかし、インバータ23の出力信号S24
はインバータ26にも供給されており、このインバータ26
の出力信号S26としてインバータ25の出力信号S25とほ
ぼ同じ波形のものが得られている。
【0044】そこで、この実施例回路では、前記インバ
ータ25を取り除き、前記容量24の他端にインバータ26の
出力信号S26を供給するように回路構成を変更したもの
である。このような構成によれば、図1の回路に比べて
インバータを1個少なくすることができ、多数の信号遅
延回路を使用するような半導体集積回路では大幅な素子
数の削減が実現できる。
【0045】図5はこの発明の第3の実施例に係る信号
遅延回路の構成を示している。上記図1の実施例回路で
は、抵抗回路として抵抗22を用いる場合について説明し
たが、これは抵抗成分を持つものならばどのような素子
で構成しても良い。そこでこの実施例回路では、上記抵
抗回路を、ソース、ドレイン間が短絡されたPチャネル
MOSトランジスタ31とNチャネルMOSトランジスタ
32とからなるCMOSトランスファゲート33で構成した
ものである。なお、上記両トランジスタ31、32それぞれ
の導通抵抗を小さくするために、PチャネルMOSトラ
ンジスタ31のゲートには接地電圧GNDが、Nチャネル
MOSトランジスタ32のゲートには電源電圧VDDがそれ
ぞれ供給されている。
【0046】図6はこの発明の第4の実施例に係る信号
遅延回路の構成を示している。この実施例回路では、上
記抵抗回路として、直列接続された2個の抵抗34、35
と、一方の抵抗34の両端間に並列に接続され制御信号S
30、/S30(ただし/S30はS30の反転信号を表す)に
応じて導通制御されるCMOSスイッチ36とから構成さ
れたものを使用している。
【0047】この実施例回路ではCMOSスイッチ36を
制御信号S30、/S30に応じて導通制御することにより
抵抗回路のトータルの抵抗値が変化し、これによりトー
タルの遅延時間を変更することが可能になる。
【0048】なお、上記図5及び図6のような構成の抵
抗回路を上記図4の実施例回路の抵抗22に代えて使用す
ることもできる。
【0049】図7はこの発明の第5の実施例に係る信号
遅延回路の構成を示している。この実施例回路は、前記
図1の信号遅延回路から最終段のインバータ27を取り除
いたものを遅延回路とし、2個の遅延回路40a、40bを
設けてこれを直列接続して構成されている。なお、前記
図1と対応する箇所には、一方の遅延回路40aではその
符号の末尾に「a」を、他方の遅延回路40bではその符
号の末尾に「b」をそれぞれ付し、また各回路点の信号
についても、一方の遅延回路40aでは対応する信号の末
尾に「a」を、他方の遅延回路40bでは対応する信号の
末尾に「b」をそれぞれ付して説明を行う。
【0050】すなわち、一方の遅延回路40aは、入力信
号S21aを反転するインバータ21a、抵抗22a、信号S
23aを反転するインバータ23a、容量24a、インバータ
23aの出力信号S24aを反転するインバータ25a及び26
aとから構成されている。そして、この遅延回路40aの
出力信号である信号S26aが他方の遅延回路40bに入力
信号として供給される。他方の遅延回路40bは、上記信
号S26aと同じ信号である信号S21bを反転するインバ
ータ21b、抵抗22b、信号S23bを反転するインバータ
23b、容量24b、インバータ23bの出力信号S24bを反
転するインバータ25b及び26bとから構成されている。
そして、この実施例回路の出力信号は上記インバータ26
bの出力信号S26bとなる。なお、上記両抵抗22a、22
bの値は等しくされ、かつ両容量24a、24bの値も等し
くされているとする。
【0051】図8は上記構成でなる回路において、遅延
回路40a、40b内のインバータ23a、23bそれぞれのV
thCが設計値( 0.5VDD)の場合と、この設計値よりも
ずれて0.44VDD及び0.56VDDになった場合の各信号の電
圧波形を示すタイミングチャートである。なお、VthC
がずれる場合、設計値が同一のVthCからなるインバー
タどうしは通常、同一プロセスで製造されるために、そ
のずれは共通となる。また、各インバータにおける信号
伝播遅延時間は無いものとする。
【0052】次にこの図8を用いて図7の実施例回路の
動作を説明する。初期状態では入力信号S21aはVDDレ
ベルになっており、信号S22a、S23a、S25a及びS
24bはそれぞれGNDレベル、信号S24a、S22b、S
23b及びS25bはそれぞれVDDレベルになっている。こ
の状態から入力信号S21aがVDDレベルからGNDレベ
ルに反転する。すると遅延回路40a内のインバータ21a
の出力信号S22aがGNDレベルからVDDレベルに反転
し、前記のように容量24aが抵抗22aを介して充電され
始める。この後、抵抗22aと容量24aの接続点の信号S
23aの電位が、抵抗22aと容量24aの値に応じた時定数
で順次上昇していく。ここで、信号S23aの電位がイン
バータ23aのVthCを越えるとき、VthCのずれに対す
る出力信号S24aが反転するまでの時間を比較すると、
このVthCが設計値( 0.5VDD)よりもずれて0.44VDD
になっている場合に最も速くインバータ23aの出力信号
S24aがVDDレベルからGNDレベルに反転し、次に設
計値の 0.5VDDになっている場合に信号S24aが反転す
る。信号S24aが最も遅く反転するのはVthCが設計値
よりもずれて0.56VDDになっている場合である。そし
て、信号S23aの立上がりから信号S24aの立下りまで
の遅延時間を、図中に示すようにインバータ23aのVth
Cが0.44VDDの場合をa、 0.5VDDの場合をb、0.56V
DDの場合をcとする。
【0053】次に入力信号S21aがGNDレベルからV
DDレベルに反転し、遅延回路40a内のインバータ21aの
出力信号S22aがVDDレベルからGNDレベルに反転す
るときは、前記のように容量24aが抵抗22aを介して放
電され始める。この後、抵抗22aと容量24aの接続点の
信号S23aの電位が、抵抗22aと容量24aの値に応じた
時定数で順次降下していく。ここで、信号S23aの電位
がインバータ23aのVthCよりも低下するとき、VthC
のずれに対する出力信号S24aが反転するまでの時間を
比較すると、このVthCが設計値( 0.5VDD)よりもず
れて0.56VDDになっている場合に最も速くインバータ23
aの出力信号S24aがGNDレベルからVDDレベルに反
転し、次に設計値の 0.5VDDになっている場合に信号S
24aが反転する。信号S24aが最も遅く反転するのはV
thCが設計値よりもずれて0.44VDDになっている場合で
ある。そして、信号S22aの立下がりから信号S24aの
立上がりまでの遅延時間を、図中に示すようにVthCが
0.44VDDの場合をd、 0.5VDDの場合をe、0.56VDDの
場合をfとする。
【0054】一方、遅延回路40a内のインバータ23aの
出力信号S24aがVDDレベルからGNDレベルに反転し
た後は、インバータ26aの出力信号S26aがGNDレベ
ルからVDDレベルに反転し、さらに遅延回路40b内のイ
ンバータ21bの出力信号S22bがVDDレベルからGND
レベルに反転する。この後、この遅延回路40b内の抵抗
22bと容量24bの接続点の信号S23bの電位が、抵抗22
bと容量24bの値に応じた時定数で順次降下していく。
【0055】ここで、インバータ23a、23bのVthCが
0.44VDDになっている場合、上記信号S23bの電位は上
記遅延時間aの経過後に降下を開始し、その電位がイン
バータ23bのVthC(0.44VDD)に到達した時点でイン
バータ23bの出力信号S24bがGNDレベルからVDDレ
ベルに反転する。同様に、インバータ23a、23bのVth
Cが 0.5VDDになっている場合、上記信号S23bの電位
は上記遅延時間bの経過後に降下を開始し、その電位が
VthC( 0.5VDD)に到達した時点で信号S24bがGN
DレベルからVDDレベルに反転する。同様に、インバー
タ23a、23bのVthCが0.56VDDになっている場合、上
記信号S23bの電位は上記遅延時間cの経過後に降下を
開始し、その電位がVthC(0.56VDD)に到達した時点
で信号S24bがGNDレベルからVDDレベルに反転す
る。そして、信号S24aの立下がりから信号S24bの立
上がりまでの遅延時間を、図中に示すようにVthCが0.
44VDDの場合をg、 0.5VDDの場合をh、0.56VDDの場
合をiとする。
【0056】また、上記のように遅延回路40a内のイン
バータ21aの出力信号S22aがVDDレベルからGNDレ
ベルに反転し、さらにインバータ23aの出力信号S24a
がGNDレベルからVDDレベルに、インバータ26aの出
力信号S26aがVDDレベルからGNDレベルに、遅延回
路40b内のインバータ21bの出力信号S22bがGNDレ
ベルからVDDレベルに順次反転した後は、遅延回路40b
内の抵抗22bと容量24bの接続点の信号S23bの電位が
上昇を開始する。
【0057】ここで、VthCが0.56VDDになっている場
合、上記信号S23bの電位は上記遅延時間fの経過後に
上昇を開始し、その電位が遅延回路40b内のインバータ
23bのVthC(0.56VDD)に到達した時点でインバータ
23bの出力信号S24bはVDDレベルからGNDレベルに
反転する。同様に、インバータ23bのVthCが 0.5VDD
になっている場合、上記信号S23bの電位は上記遅延時
間eの経過後に上昇を開始し、その電位がVthC( 0.5
VDD)に到達した時点で信号S24bがVDDレベルからG
NDレベルに反転する。同様に、インバータ23bのVth
Cが0.44VDDになっている場合、上記信号S23bの電位
は上記遅延時間dの経過後に上昇を開始し、その電位が
VthC(0.44VDD)に到達した時点で信号S24bがVDD
レベルからGNDレベルに反転する。そして、信号S24
aの立上がりから信号S24bの立下がりまでの遅延時間
を、図中に示すようにVthCが0.44VDDの場合をj、
0.5VDDの場合をk、0.56VDDの場合をlとする。
【0058】この実施例回路において入力信号S21aが
VDDレベルからGNDレベルに立下がる際の全体の遅延
時間は、VthCが0.44VDDの場合は図8中の遅延時間a
とgの和になり、VthCが 0.5VDDの場合は図8中の遅
延時間bとhの和になり、VthCが0.56VDDの場合は図
8中の遅延時間cとiの和になる。また、入力信号S21
aがGNDレベルからVDDレベルに立上がる際の全体の
遅延時間は、VthCが0.44VDDの場合は図8中の遅延時
間dとjの和になり、VthCが 0.5VDDの場合は図8中
の遅延時間eとkの和になり、VthCが0.56VDDの場合
は図8中の遅延時間fとlの和になる。
【0059】ここで、信号S23aの電位が充電により上
昇していくときの時定数と、信号S23bの電位が放電に
より降下していくときの時定数とは等しく、各インバー
タのVthCは同一半導体集積回路内では同様にばらつく
ため、図示のように、(a+g)の時間と(b+h)の
時間及び(c+i)の時間はほぼ等しくなる。同様の理
由により、(d+j)の時間と(e+k)の時間及び
(f+l)の時間もほぼ等しくなる。従って、この実施
例回路によれば、インバータのVthCが設計値からずれ
た場合でも、信号遅延時間の設計値からの誤差を十分に
小さくすることができる。
【0060】図9は上記図7の実施例回路と、前記図1
の従来回路における信号遅延時間の設計値からの誤差
を示したものである。図中のOは図13の従来回路にお
ける誤差を、Pは図7の実施例回路における誤差をそれ
ぞれ示す。ここで、この誤差は前記のようにインバータ
のVthCが 0.5VDDの場合をセンター値とし、VthCを
0.44VDDから0.56VDDの範囲で変化させた場合のもので
ある。
【0061】いま、図7中のインバータ23a、23bのV
thCをmVDD(0<m<1)とし、これらのインバータ
を構成するPチャネル、NチャネルMOSトランジスタ
の閾値電圧VthP、VthNがばらついた結果、値が変化
したVthCをnVDD(0<n<1)としたときの遅延時
間の設計値からの誤差A(%)とする。また、抵抗22
a、22bの値をそれぞれR21、容量24a、24bの値をそ
れぞれC21としたときに、容量24a、24bが充電される
際の遅延時間をt1(VthCがmVDDの場合)、t2
(VthCがnVDDの場合)、容量24a、24bが放電され
る際の遅延時間をt3(VthCがmVDDの場合)、t4
(VthCがnVDDの場合)とすると、これらt1〜t4
は次式のように求められる。
【0062】
【数5】 上記14式と16式及び18式と20式とにより、上記
誤差A(%)は次のように求まる。
【0063】
【数6】 すなわち、上記図7の実施例回路において、VthCが0.
44VDDの場合と0.56VDDの場合に誤差Aは共に1.05
(%)となり、図9に示すようになる。
【0064】一方、図13の従来回路の場合、前記11
式及び12式を用いて誤差を表すことができ、VthCが
0.44VDDの場合と0.56VDDの場合に誤差Aは共に18.
44(%)となる。これにより、上記図7の実施例にお
ける遅延時間は従来回路に比べて非常に安定しているこ
とがわかる。この結果、Pチャネル、NチャネルMOS
トランジスタの閾値電圧VthP、VthNの製造上のばら
つきに対する許容範囲が広がり、製造歩留まりを大幅に
向上させることができる。
【0065】なお、この実施例回路において、遅延回路
40a内のインバータ21a、26aと、遅延回路40b内のイ
ンバータ21b、26bとは必ず設ける必要はなく、要する
に遅延回路40a、40bの入出力ノード間の信号に反転関
係が成立していれば良く、入出力ノード間に奇数個のイ
ンバータが直列に挿入されていれば良い。
【0066】次にこの発明の第6の実施例について説明
する。
【0067】図10はこの発明の応用例に係る逓倍回路
の回路構成を示している。この逓倍回路では、上記図7
と同様に構成された2個の遅延回路40a、40bからなる
信号遅延回路50が奇数個設けられ、これら信号遅延回路
50が直列接続されて信号遅延直列回路51が構成される。
なお、この例では信号遅延直列回路51に3個の信号遅延
回路50a、50b、50cを設けた場合を示しており、入力
信号の4倍の周波数を持つ信号を得るための回路構成を
示している。
【0068】上記初段の信号遅延回路50aには信号S31
が供給され、その出力信号は次段の信号遅延回路50bに
供給され、さらにこの信号遅延回路50bの出力信号は終
段の信号遅延回路50cに供給される。上記信号遅延回路
50aの入力信号及び出力信号はインバータ52、53それぞ
れで反転され、この両インバータ52、53の出力信号S3
2、S33はイクスクルーシブ・オアゲート回路(排他的
論理和回路)54に供給される。上記信号遅延回路50cの
入力信号及び出力信号もインバータ55、56それぞれで反
転され、この両インバータ55、56の出力信号S34、S35
はイクスクルーシブ・オアゲート回路57に供給される。
そして、上記両イクスクルーシブ・オアゲート回路54、
57の出力信号は共にオアゲート回路(論理和回路)58に
供給され、このオアゲート回路58から前記入力信号S31
の4倍の周波数を持つ信号S36が出力される。
【0069】次に上記構成でなる逓倍回路の動作を図1
1のタイミングチャートを用いて説明する。
【0070】3個の信号遅延回路50a、50b、50cそれ
ぞれの動作については先に説明した通りであり、それぞ
れの入力信号がVDDレベルからGNDレベル、もしくは
その反対にGNDレベルからVDDレベルに変化するステ
ップ波形の場合、各出力信号は入力信号に対して正相の
関係にあり、所定時間だけ遅延されたものとなる。ま
た、各インバータ52、53、55及び56の出力信号S32、S
33、S34及びS35は、入力信号S31、信号遅延回路50
a、50b、50cの出力信号それぞれと逆相の信号とな
る。
【0071】ここで、上記イクスクルーシブ・オアゲー
ト回路54、57はそれぞれ、2つの入力信号が同一レベル
のときだけGNDレベルを出力し、同一レベルでないと
きはVDDレベルを出力する。このため、一方のイクスク
ルーシブ・オアゲート回路54は、2つの入力信号S32、
S33が同一レベルでないときにVDDレベルを出力し、他
方のイクスクルーシブ・オアゲート回路57は、2つの入
力信号S34、S35が同一レベルでないときにVDDレベル
を出力し、両出力信号のオア論理をとるオアゲート回路
58の出力信号S36は、図示するように、入力信号S31の
4倍の周波数を持つ信号となる。
【0072】このような構成の逓倍回路において、信号
遅延直列回路51に設けられている3個の信号遅延回路50
a、50b、50c内のインバータのVthC近傍でノイズが
混入しても、前記のようにその出力にはヒゲ状のパルス
が発生しないために誤動作が起こりにくく、信頼性の高
い逓倍回路を構成することができる。
【0073】なお、この応用例において、信号遅延直列
回路51に設ける信号遅延回路及びイクスクルーシブ・オ
アゲート回路の個数を増加させ、かつ各信号遅延回路の
遅延時間を適宜調整することにより、4倍以上の6倍、
8倍等の逓倍回路を構成することもできる。
【0074】図12はこの発明の他の応用例に係る半導
体集積回路の構成を示すブロック図である。この応用例
の半導体集積回路は上記第6の逓倍回路をクロック信号
の発生に用いるようにしたものである。図において、61
は水晶振動子を用いた水晶発振回路であり、この水晶発
振回路61の出力信号が逓倍回路62に入力信号として供給
される。そして、この逓倍回路62から出力される逓倍出
力信号は、クロック信号としてCPU(中央演算処理装
置)63のクロック入力端子に供給される。
【0075】このように構成された半導体集積回路で
は、水晶発振回路61の発振出力信号が逓倍回路62によっ
て周波数が逓倍された信号にされ、この逓倍信号をクロ
ック信号として使用してCPU63が動作する。
【0076】ここで、水晶発振回路61から出力されるパ
ルス信号の周波数は非常に安定している。また、この水
晶発振回路61は低消費電流であることも特徴である。こ
のため、従来の信号遅延回路を用いて逓倍回路を構成し
た場合と比べて、信号遅延回路の遅延時間の変化が小さ
いため、安定したクロック信号をCPU63に供給するこ
とができ、信頼性を従来に比べて格段に向上させること
ができる。さらに、この実施例回路で使用される逓倍回
路62は低消費電流なので、水晶発振回路61を使用する効
果を最大限に発揮させることができる。これは1チップ
・マイクロコンピュータ等、電池を電源として使用する
システムにおいては消費電流を削減することができ、電
池の寿命を長くすることができる。
【0077】なお、この発明は上記した各実施例並びに
応用例に限定されるものではなく種々の変形が可能であ
る。例えば、図1に示した実施例の信号遅延回路では、
論理回路としてそれぞれインバータを用いる場合を説明
したが、これは反転機能を有するものであるならばその
他に2入力以上のナンドゲート回路やノアゲート回路等
を用いることができる。この場合、ナンドゲート回路や
ノアゲート回路等の前段の信号が入力される入力端子以
外の入力端子に制御信号等を入力して、信号遅延回路の
動作を制御することができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
消費電流を削減することができ、これによって電源ノイ
ズの発生を抑制することができる信号遅延回路を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係る信号遅延回路の
回路図。
【図2】図1の信号遅延回路のタイミングチャート。
【図3】図1の信号遅延回路にノイズが混入した場合の
波形図。
【図4】この発明の第2の実施例に係る信号遅延回路の
回路図。
【図5】この発明の第3の実施例に係る信号遅延回路の
回路図。
【図6】この発明の第4の実施例に係る信号遅延回路の
回路図。
【図7】この発明の第5の実施例に係る信号遅延回路の
回路図。
【図8】図7の信号遅延回路のタイミングチャート。
【図9】図7の実施例回路と図1の従来回路における信
号遅延時間の設計値からの誤差を示す図。
【図10】この発明の応用例に係る逓倍回路の回路図。
【図11】図10の逓倍回路のタイミングチャート。
【図12】この発明の応用例に係る半導体集積回路のブ
ロック図。
【図13】従来の信号遅延回路の回路図。
【図14】図13の従来回路のタイミングチャート。
【図15】図13の従来回路のタイミングチャート。
【図16】図13の従来回路のタイミングチャート。
【図17】図13の従来回路にノイズが混入した場合の
波形図。
【符号の説明】
21,23,25,26,27…インバータ、22,34,35…抵抗、
24…容量、33…CMOSトランスファゲート、36…CM
OSスイッチ、40a,40b…遅延回路、50a,50b,50
c…信号遅延回路、51…信号遅延直列回路、52,53,5
5,56…インバータ、54,57…イクスクルーシブ・オア
ゲート回路、58…オアゲート回路、61…水晶発振回路、
62…逓倍回路、63…CPU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 諏訪部 裕之 神奈川県川崎市川崎区駅前本町25番地1 東芝マイクロエレクトロニクス株式会 社内 (72)発明者 渡辺 智弘 神奈川県川崎市川崎区駅前本町25番地1 東芝マイクロエレクトロニクス株式会 社内 (72)発明者 茂木 宏之 神奈川県川崎市川崎区駅前本町25番地1 東芝マイクロエレクトロニクス株式会 社内 (56)参考文献 特開 平3−127508(JP,A) 特開 平2−274121(JP,A) 特開 平2−159115(JP,A) 実開 昭63−32398(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03K 5/13

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号が一端に供給される抵抗回路
    と、 上記抵抗回路の他端に入力端子が接続され、出力端子か
    ら上記入力信号を遅延させた信号を出力する第1の反転
    論理回路と、 上記第1の反転論理回路の出力端子に入力端子が接続さ
    れた第2の反転論理回路と、 上記抵抗回路の他端と上記第2の反転論理回路の出力端
    子との間に接続された容量とを具備したことを特徴とす
    る信号遅延回路。
  2. 【請求項2】 前記抵抗回路が、 直列接続された第1及び第2の抵抗素子と、 上記第1もしくは第2の抵抗素子のいずれか一方に対し
    て並列に接続され、制御信号に応じてスイッチ制御され
    るスイッチ素子とから構成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の信号遅延回路。
  3. 【請求項3】 入力信号が供給される第1のCMOS反
    転回路と、 上記第1のCMOS反転回路の出力端子に一端が接続さ
    れた抵抗回路と、 上記抵抗回路の他端に入力端子が接続された第2のCM
    OS反転回路と、 上記第2のCMOS反転回路の出力端子に入力端子が接
    続された第3のCMOS反転回路と、 上記抵抗回路の他端と上記第3のCMOS反転回路の出
    力端子との間に接続された容量と、 上記第2のCMOS反転回路の出力端子に入力端子が接
    続された第4のCMOS反転回路と、 上記第4のCMOS反転回路の出力端子に入力端子が接
    続された第5のCMOS反転回路とを具備したことを特
    徴とする信号遅延回路。
  4. 【請求項4】 前記抵抗回路が、 直列接続された第1及び第2の抵抗素子と、 上記第1もしくは第2の抵抗素子のいずれか一方に対し
    て並列に接続され、制御信号に応じてスイッチ制御され
    るスイッチ素子とから構成されていることを特徴とする
    請求項3に記載の信号遅延回路。
  5. 【請求項5】 入力端子に入力信号が供給される第1の
    反転論理回路と、上記第1の反転論理回路の出力端子に
    一端が接続された第1の抵抗回路と、上記第1の抵抗回
    路の他端に入力端子が接続された第2の反転論理回路
    と、上記第2の反転論理回路の出力端子に入力端子が接
    続された第3の反転論理回路と、上記第3の反転論理回
    路の出力端子と上記第1の抵抗回路の他端との間に接続
    された第1の容量と、上記第2の反転論理回路の出力端
    子に入力端子が接続された第4の反転論理回路とを有す
    る第1の遅延回路と、 入力端子に上記第4の反転論理回路の出力信号が供給さ
    れる第5の反転論理回路と、上記第5の反転論理回路の
    出力端子に一端が接続された第2の抵抗回路と、上記第
    2の抵抗回路の他端に入力端子が接続された第6の反転
    論理回路と、上記第6の反転論理回路の出力端子に入力
    端子が接続された第7の反転論理回路と、上記第7の反
    転論理回路の出力端子と上記第2の抵抗回路の他端との
    間に接続された第2の容量と、上記第6の反転論理回路
    の出力端子に入力端子が接続され、出力端子から上記入
    力信号を遅延させた信号を出力する第8の反転論理回路
    とを有する第2の遅延回路 とを具備したことを特徴とす
    る信号遅延回路。
JP08291093A 1993-04-09 1993-04-09 信号遅延回路 Expired - Fee Related JP3455561B2 (ja)

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